JP2007100604A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダ室の内壁面を摺動するベーンが吸入孔の前端側に接触することに起因する内壁面の損傷および接触音を抑制することができる気体圧縮機を提供する。
【解決手段】気体が圧縮されるシリンダ室19と、シリンダ室19に回転自在に収容されるロータ26と、ロータ26に出入可能に保持されロータ26の回転に伴ってシリンダ室19の内壁面23、24、25を摺動するベーン28と、外部からシリンダ室19への気体の取り入れを可能とすべく内壁面23、24、25でシリンダ室19に開放する吸入孔33、34とを備える気体圧縮機10である。吸入孔33、34には、シリンダ室19に露出する個所のうち、ロータ26の回転方向の前端33a、34a側にテーパ部50が設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、シリンダ室内で回転するロータから出入可能に保持されたベーンがシリンダ室の内壁面を摺動しシリンダ室で気体を圧縮する気体圧縮機に関し、特に、内壁面でシリンダ室に開放する吸入孔を備える気体圧縮機に関する。
従来の気体圧縮機では、気体が圧縮されるシリンダ室に回転自在にロータが収容され、このロータにベーンが出入可能に保持され、ロータの回転に伴ってベーンがシリンダ室の内壁面を摺動するものがある。このものでは、内壁面でシリンダ室に開放する吸入孔を経て外部からの気体をシリンダ室に取り入れることが可能とされており、この取り入れた気体をシリンダ室で圧縮することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−250289号公報(第2−5頁、図3)
しかしながら、この気体圧縮機では、ベーンおよびこれを保持するロータの円滑な動作を可能とするために内周壁部とベーンとの間に遊び間隔が設定されており、この遊び間隔は、シリンダ室の内方で所定の姿勢および位置で内壁面に摺動するように設定されたベーンの摺動姿勢および摺動位置の変動を許してしまう。このようにベーンが変動すると、吸入孔が内壁面でシリンダ室に開放していることから、内壁面を摺動するベーンが吸入孔に入り込み、このベーンが吸入孔のシリンダ室に露出する個所のうちロータの回転方向の前端側に接触する虞がある。ベーンと吸入孔の前端側との接触は、ベーンおよび吸入孔が互いに回転方向に対して直交する面で対向していることから互いに引っ掛かるように接触することとなり、前端側に位置する内壁面の損傷および接触音を引き起こす。内壁面の損傷は、シリンダ室の密閉性を低下させ気体圧縮機の圧縮効率の低下の原因となり、接触音は、気体圧縮機からの騒音の原因となる。
そこで、本発明の目的は、シリンダ室の内壁面を摺動するベーンが吸入孔の前端側に接触することに起因する内壁面の損傷および接触音を抑制することができる気体圧縮機を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の気体圧縮機は、気体が圧縮されるシリンダ室と、該シリンダ室に回転自在に収容されるロータと、該ロータに出入可能に保持され該ロータの回転に伴って前記シリンダ室の内壁面を摺動するベーンと、外部から前記シリンダ室への気体の取り入れを可能とすべく前記内壁面で前記シリンダ室に通じる吸入孔とを備える気体圧縮機であって、前記吸入孔には、前記シリンダ室に露出する個所のうち、前記ロータの回転方向の前端側にテーパ部が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の気体圧縮機は、気体が圧縮されるシリンダ室と、該シリンダ室に回転自在に収容されるロータと、該ロータに出入可能に設けられ該ロータの回転に伴って前記シリンダ室の内壁面を摺動するベーンと、外部から前記シリンダ室への気体の取り入れを可能とすべく前記内壁面で前記シリンダ室に通じる吸入孔とを備える気体圧縮機であって、前記ベーンには、前記内壁面を摺動する際前記吸入孔に露出する個所のうち、前記ロータの回転方向の前端側にテーパ部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の気体圧縮機は、請求項1または請求項2に記載の気体圧縮機であって、前記テーパ部は、前記ロータの回転方向に対する傾斜角に比較して前記ロータの回転軸線方向に対する傾斜角が大きい傾斜面により規定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の気体圧縮機は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の気体圧縮機であって、前記シリンダ室は、円柱形状を呈する空間であり、前記内壁面は、周壁面と2つの端壁面とを有し、前記吸入孔は、前記両端壁面の少なくとも一方で前記シリンダ室に開放していることを特徴とする。
請求項5に記載の気体圧縮機は、請求項3または請求項4に記載の気体圧縮機であって、前記傾斜面は、平面であることを特徴とする。
請求項6に記載の気体圧縮機は、請求項3または請求項4に記載の気体圧縮機であって、前記傾斜面は、曲面であることを特徴とする。
請求項7に記載の気体圧縮機は、請求項3または請求項4に記載の気体圧縮機であって、前記傾斜面は、複数の面により規定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の気体圧縮機では、吸入孔の前端側にテーパ部が設けられているので、ベーンが吸入孔のシリンダ室に露出する個所のうちロータの回転方向の前端側に接触した場合であっても、ベーンは、吸入孔の前端部に引っ掛かることなくテーパ部に沿って摺動する。このため、ベーンが吸入孔の前端側に接触することに起因する内壁面の損傷および接触音を抑制することができる。
請求項2に記載の気体圧縮機では、ベーンの前端側にテーパ部が設けられているので、ベーンが吸入孔のシリンダ室に露出する個所のうちロータの回転方向の前端側に接触した場合であっても、ベーンは、そのテーパ部で吸入孔の前端部と接触することとなり、吸入孔の前端部に引っ掛かることが防止されている。このため、ベーンが吸入孔の前端側に接触することに起因する内壁面の損傷および接触音を抑制することができる。
請求項3ないし請求項7に記載の気体圧縮機では、テーパ部が前記ロータの回転方向に対する傾斜角に比較して前記ロータの回転軸線方向に対する傾斜角が大きい傾斜面により規定されているので、ベーンと吸入孔の前端部との接触に起因する内壁面の損傷および接触音をより効果的に抑制することができる。
本発明に係る気体圧縮機によれば、吸入孔の前端側にテーパ部が設けられているので、ベーンが吸入孔のシリンダ室に露出する個所のうちロータの回転方向の前端側に接触した場合であっても、ベーンは、吸入孔の前端部に引っ掛かることなくテーパ部に沿って摺動する。このため、ベーンが吸入孔の前端側に接触することに起因する内壁面の損傷および接触音を抑制することができる。よって、ベーンが吸入孔の前端側に接触することに起因するシリンダ室の密閉性の低下を防止することができ、かつベーンが吸入孔の前端側に接触することに起因する気体圧縮機からの騒音を低減することができる。
本発明を図1ないし図10に示した実施例に沿って詳細に説明する。
図1は、ガスヒートポンプ(GHP)に採用された気体圧縮機10を模式的に示す断面図であり、図2は、図1のI―I線に沿って得られた模式的な断面図である。
気体圧縮機10は、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう冷房システムとして機能を有するGHPで冷媒ガスを圧縮するために用いられ、GHPの凝縮器、蒸発器等(図示せず。)と共に冷却媒体の循環経路を構成する。気体圧縮機10は、ガスエンジン(図示せず。)から回転動力を受けて動作し、蒸発器から取り入れた気体状態の冷却媒体すなわち冷媒ガスを圧縮し、この圧縮した冷媒ガスを凝縮器へ排出する。
気体圧縮機10は、ハウジング11と、圧縮機構12と、伝達機構13とを備える。ハウジング11は、ハウジング本体14とフロントハウジング15とを有する。ハウジング本体14は、一端開放の円筒形状を呈しており、その開放端がフロントハウジング15により閉鎖されている。ハウジング11には、圧縮機構12が収容されている。
圧縮機構12には、ガスエンジン(図示せず。)の回転動力が伝達機構13を介して伝達される。伝達機構13は、フロントハウジング15に形成された突起部15aに設けられており、プーリ16を有する。プーリ16は、突起部15aの外周を取り巻いて配置された環状ボールベアリングからなる転がり軸受17を介して突起部15aに取り付けられている。プーリ16は、後述する圧縮機構12の回転軸18に接続され、転がり軸受17により回転軸18と共に回転可能とされている。プーリ16には、ベルト(図示せず。)が巻き掛けられており、ベルトを介して伝えられたガスエンジン(図示せず。)からの回転動力を回転軸18に伝達することができる。
圧縮機構12は、冷媒ガスが圧縮されるシリンダ室19(図2参照。)を有する。シリンダ室19は、断面が楕円形状を呈する筒状のシリンダ本体20と、その両開放端に取り付けられたフロントサイドブロック21およびリアサイドブロック22とにより規定されている。シリンダ室19は、シリンダ本体20により構成される周壁面23と、両サイドブロック21、22により構成されるフロント側端壁面24およびリア側端壁面25とからなる内壁面を有する。フロントサイドブロック21は、フロントハウジング15に当接して配置されている。シリンダ室19の内方には、ロータ26が収容されている。ロータ26は、断面が円形の円柱形状を呈し(図2参照。)、シリンダ室19の中心軸線に等しい回転軸線上に回転軸18が設けられている。ロータ26は、断面が楕円形状のシリンダ本体20とその短径部で当接し、シリンダ室19を互いに向き合う2つの対向空間27(図2参照。)に区画している。
回転軸18は、両サイドブロック21、22に設けられた軸受部21a、22aに回転可能に軸支され、フロントハウジング15を貫通して、上記したプーリ16に接続されている。回転軸18は、プーリ16を介してエンジン(図示せず。)から伝達された回転動力によりロータ26を回転させる。
ロータ26には、図2に示すように、複数のベーン28が設けられている。各ベーン28は、全体に平板形状を呈し、シリンダ本体20の厚さ寸法すなわち両サイドブロック21、22の間よりも僅かに小さな幅寸法に設定されており、両端壁面24、25との間に僅かな遊び間隔S(図7参照。)が設定されている。この遊び間隔Sは、本実施例では、数(μm)に設定されており、後述するように入り込んだ潤滑油を保持することにより冷媒ガスの通過が防止される。各ベーン28は、スリット状のベーン溝29に進退可能に保持されており、各ベーン溝29は、凹所21b、22b(図1参照。)に連通可能である。凹所21b、22bは、各サイドブロック21、22に回転軸18を取り巻くように形成され、後述するように各ベーン溝29に潤滑油を供給することができる。
各ベーン28は、それぞれが各ベーン溝29に供給される潤滑油の圧力を受けシリンダ室19の周壁面23に当接することにより、シリンダ室19をロータ26の回転方向に沿って複数のチャンバ(30)に区画する。複数のチャンバ(30)は、それぞれがロータ26の回転に伴って容積が増減する圧縮室30として機能する。各圧縮室30は、2つの対向空間27のそれぞれで容積が増減する。
各圧縮室30は、図1に示すように、吸入ポート31を介して蒸発器(図示せず。)から冷媒ガスを取り入れることが可能とされている。吸入ポート31は、フロントハウジング15に設けられ、ハウジング11の外方で蒸発器(図示せず。)に接続され、ハウジング11の内方で吸入室32に通じている。吸入室32は、互いに当接するフロントハウジング15とフロントサイドブロック21との間に形成されている。吸入室32は、吸入孔(33、34)を介してシリンダ室19(図2参照。)に通じている。
吸入孔(33、34)は、シリンダ室19の2つの対向空間27に対応すべく対を為して設けられ、それぞれ各圧縮室30が容積を増加させる位置で各対向空間27に通じ、両対向空間27のそれぞれで各圧縮室30に冷媒ガスを供給することができる(図2参照。)。本実施例では、吸入孔は、フロントサイドブロック21にはフロント側吸入孔33が、リアサイドブロック22にはリア側吸入孔34が、互いに対向するように設けられており、シリンダ室19にシリンダ本体20の両端側から冷媒ガスを送ることが可能とされている。
フロント側吸入孔33は、フロントサイドブロック21を貫通する貫通孔であり、一方が吸入室32に通じ、他方がフロントサイドブロック21のフロント側端壁面24でシリンダ室19に通じている。リア側吸入孔34は、リアサイドブロック22のリア側端壁面25に形成された凹所であり、リア側端壁面25でシリンダ室19に通じている。フロント側吸入孔33とリア側吸入孔34とは、吸入連通通路35を介して連通している。吸入連通通路35は、シリンダ本体20に形成された貫通孔であり、シリンダ室19に干渉しない位置(図2参照。)に設けられている。吸入連通通路35は、フロント側端壁面24でフロント側吸入孔33に通じ、リア側端壁面25でリア側吸入孔34に通じており、吸入室32からフロント側吸入孔33に取り入れられた冷媒ガスの一部が吸入連通通路35を経てリア側吸入孔34に取り入れられる。
冷媒ガスは、図示を略す蒸発器から吸入ポート31(矢印A参照。)および吸入室32(矢印B参照。)を経てフロント側吸入孔33に進入し、一部が各圧縮室30に取り込まれ(矢印C参照。)、残部が吸入連通通路35へ進入する(矢印D参照。)。吸入連通通路35へ進入した冷媒ガスは、リア側吸入孔34を経て各圧縮室30に取り込まれる(矢印E参照。)。このように、気体圧縮機10では、各圧縮室30がシリンダ本体20の両端側から冷媒ガスを取り入れることが可能とされており、各圧縮室30の取入機能が高められている。
各圧縮室30は、図2に示すように、取り入れた冷媒ガスを圧縮し、圧縮した冷媒ガスを吐出空間36に吐出する。吐出空間36は、2つの対抗空間27に対応して対を為して設けられ、シリンダ本体20の外周の一部が切り欠かれた切欠部37と、シリンダ本体20を収容するハウジング本体14とにより規定されている。
シリンダ本体20には、各切欠部37に通じる一対の吐出孔38と吐出通路39とが設けられている。各吐出孔38は、楕円形状のシリンダ室19の短径部近傍位置でシリンダ本体20を貫通する貫通孔であり、各吐出空間36とシリンダ室19とを連通させている。吐出通路39は、各吐出空間36から吐出室40(図1参照。)に通じる通路である。
各吐出空間36には、吐出孔38を開閉する吐出弁機構41が設けられている。各吐出弁機構41は、各圧縮室30から吐出空間36への冷媒ガスの流出を許し、且つ吐出空間36から各圧縮室30への冷媒ガスの流入を阻止する逆止弁として機能する。
冷媒ガスが吐出される吐出室40は、図1に示すように、圧縮機構12のリアサイドブロック22およびハウジング本体14により、ハウジング11の内方に規定される。吐出室40には、サイクロンブロック42が設けられている。サイクロンブロック42は、吐出通路39を経て吐出室40に吐出される冷媒ガスの通路の一部を形成するようにリアサイドブロック22に取り付けられ、内方を通過する冷媒ガスからそこに含まれる潤滑油を分離する。サイクロンブロック42により冷媒ガスから分離された潤滑油は、吐出室40の下方すなわちハウジング本体14の底部に形成された油溜め部43に貯留される。
上記したように、各圧縮室30で圧縮された冷媒ガスは、吐出孔38、吐出空間36、吐出通路39およびサイクロンブロック42を経て吐出室40へと吐出される。吐出室40の冷媒ガスは、吐出ポート39から凝縮器(図示せず。)へと排出される。
油溜め部43の潤滑油は、吐出室40の圧力により油供給路44を経て圧縮機構12に供給される。油供給路44は、各サイドブロック21、22およびシリンダ本体20に形成されており、油溜め部43と各サイドブロック21、22の軸受部21a、軸受部22aとを通じさせている。油溜め部43の潤滑油は、圧縮機構12の各摺動個所の摺動、例えば、軸受部21aおよび軸受部22aと回転軸18との摺動を円滑にするために軸受部21a、軸受部22aに供給され、その一部が軸受部21a、軸受部22aに沿って凹所21b、22bに供給され、各ベーン28を進退させるべく各ベーン28を付勢する。また、潤滑油の一部は、両サイドブロック21、22とロータ26との間および両サイドブロック21、22と各ベーン28との間の遊び間隔Sに入り込み、この潤滑油が遊び間隔Sに保持されることにより互いの摺動個所を潤滑しかつ互いの摺動個所での冷媒ガスの漏れを防止する。
本発明の気体圧縮機10では、フロント側吸入孔33およびリア側吸入孔34にテーパ部50が設けられている。これについて以下に説明する。図3は、回転軸18に沿ってシリンダ本体20側から見たフロントサイドブロック21の模式的な正面図である。図4は、圧縮機構12を回転軸18に沿って伝達機構13側から見た模式的な正面図である。図5は、シリンダ本体20側から見たフロントサイドブロック21の模式的な部分斜視図であり、フロント側吸入孔33の近傍を拡大して示している。図6は、図3のII−II線に沿って得られた模式的な断面図である。図7は、ベーン28が両吸入孔33、34に接触する状態を説明するための図面であり、図6に示すIII−III線に沿って得られた模式的な断面図である。
テーパ部50は、図2ないし図4に示すように、各吸入孔33、34のうちシリンダ室19に露出している個所で、ロータ26の回転方向で見た前端33a、34a側に位置している。テーパ部50は、ロータ26の回転方向に沿うように各吸入孔33、34の前端33a、34aから一定角度位置に至るまで延在し、その間のシリンダ室19の両端壁面24、25を構成する(図2および図6参照。)。テーパ部50は、本実施例では、各吸入孔33、34の前端33a、34a側の角部が面取りされた平坦な傾斜面51で構成されており(図5参照。)、その傾斜は、ロータ26の回転方向に沿う寸法Q(図5および図6参照。)が数(mm)であり、回転軸18の軸線方向に沿う寸法Pが数十(μm)に設定されている。このため、本実施例では、一定角度位置は、ロータ26の回転方向に各吸入孔33、34の前端33a、34aから数(mm)の位置となる。
気体圧縮機10は、圧縮機構12が作動することにより、蒸発器(図示せず。)から冷媒ガスを取り入れ、取り入れた冷媒ガスを圧縮し、圧縮した冷媒ガスを吐出室40に吐出し、この冷媒ガスを凝縮器(図示せず。)へと排出する。気体圧縮機10では、圧縮動作を行なうとき、各ベーン28がシリンダ室19の両端壁面24、25を摺動することにより、各吸入孔33、34から取り入れられた冷媒ガスが各圧縮室30に閉じ込められる。
詳しくは、各圧縮室30は、図2に示すように、ロータ26の回転方向で見て前後の2つのベーン28と、ロータ26と、シリンダ本体20と、両サイドブロック21、22とにより規定されている。各吸入孔33、34は、各圧縮室30の容積が増大する位置でシリンダ室19に開放されているので、前方に位置するベーン28が各端壁面24、25を摺動し各吸入孔33、34が露出する個所を通過した後、各圧縮室30と各吸入孔33、34とが連通し(図4参照。)、各圧縮室30が冷媒ガスの取り入れを開始する。その後、後方に位置するベーン28が各吸入孔33、34の前端33a、34aに差し掛かると、各圧縮室30と各吸入孔33、34との連通が解除され、取り込まれた冷媒ガスが各圧縮室30に閉じ込められる。この冷媒ガスが圧縮されて吐出室40に吐出される。
このように、気体圧縮機10では、圧縮動作のために、各ベーン28がシリンダ室19の両端壁面24、25を摺動し、各吸入孔33、34を通過する。この圧縮動作の際、図7に示すように、各ベーン28は、二点鎖線で示すベーン28の摺動位置および摺動姿勢に設定されているが、両サイドブロック21、22との間に遊び間隔Sが設けられているので、例えば、実線で示すベーン28のような摺動位置および摺動姿勢に変動することがある。これは、各ベーン28は、ロータ26からの突出方向(矢印X参照。)においてシリンダ室19の周壁面23と潤滑油による付勢力とに拘束され、かつ回転軸18の軸線方向(矢印Y参照。)において両サイドブロック21、22に拘束されることとなるが、軸線方向では両遊び間隔Sの範囲内においての変動が許されていることによる。このため、例えば、各ベーン28は、シリンダ室19の周壁面23に押し付けられるように当接し、この周壁面23に摺動姿勢および摺動位置が倣うこととなり、周壁面23が所望の形状および角度から異なって形成されていると、各ベーン28の摺動位置および摺動姿勢に変動が生じる(実線で示すベーン28参照。)。また、各ベーン28には、その回転方向の前後に位置する2つの圧縮室30の圧力差および各圧縮室30に生じる圧力変動等の影響により、遊び間隔Sの範囲内での変動が生じることが考えられる。なお、図7は、各ベーン28に生じ得る変動を説明するための図面であり、ベーン28の傾きを強調して示しているが、前述したように遊び間隔Sは数(μm)であり、ベーン28の傾きも大変微少なものである。
このように、各ベーン28が変動すると、各ベーン28の一部がシリンダ室19の両端壁面24、25に設けられた各吸入孔33、34の内方に出っ張り、この各ベーン28の各吸入孔33、34の内方に出っ張った個所が各吸入孔33、34の前端33a、34a近傍に接触してしまう。本発明の気体圧縮機10では、各吸入孔33、34には、その前端33a、34a側にテーパ部50が設けられているので、このような各ベーン28と各吸入孔33、34の前端33a、34a側との接触による弊害が抑制されている。これについて、以下に述べる。
テーパ部50は、摺動方向に沿って暫時的に端壁面24、25に近づく傾斜面51により構成されているので、各ベーン28の各吸入孔33、34の内方に出っ張った個所は、各吸入孔33、34の前端33a、34a近傍に引っ掛かることなくテーパ部50に倣って摺動する。このため、各ベーン28が各吸入孔33、34の前端33a、34aに接触することにより、両端壁面24、25が損傷したり接触音が生じたりすることを防止することができる。これは、従来の気体圧縮機では、各吸入孔33、34にテーパ部が設けられていないので、各吸入孔33、34と各ベーン28とが接触すると、互いに引っ掛かるように接触してしまう。このため、各ベーン28の移動力を各吸入孔33、34の前端33a、34a近傍が受けることとなり、接触音が生じてしまうことによる。また、各ベーン28は、一般に両サイドブロック21、22に比較して硬い材料で形成されているので、各吸入孔33、34の前端33a、34a近傍に引っ掛かると、その前端33a、34aから摺動方向に沿って各端壁面24、25のいずれか一方を引っ掻くように移動し、両端壁面24、25のいずれか一方にバリ等の傷が生成されてしまうことによる。
このように、本発明に係る気体圧縮機10では、シリンダ室19の内壁面を摺動する各ベーン28が各吸入孔33、34の前端33a、34a側に接触することに起因する内壁面の損傷および接触音を抑制することができる。
なお、上記した実施例では、テーパ部50は、平坦な傾斜面51により規定されていたが、変動した各ベーン28が各吸入孔33、34に引っ掛かるように接触することを防止できるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、各吸入孔33、34と各端壁面24、25とを繋ぎ、かつ暫時各端壁面24、25に近づく曲面52で規定する構成であってもよい。また、例えば、図9に示すように、複数の傾斜面53、54、55で規定する構成であってもよい。
テーパ部50は、変動した各ベーン28を吸収できるものであればよく、その傾斜および寸法は上記した実施例に限定されるものではないが、各ベーン28と両端壁面24、25との間に設定される遊び間隔Sに応じて設定することが望ましい。
また、上記した実施例では、テーパ部50は、各吸入孔33、34に設けられていたが、例えば、図10に示すように、各ベーン28に設けることができる。この場合であっても、上記した実施例と同様に、各ベーン28と各吸入孔33、34とが引っ掛かるように接触することを防止できる。各ベーン28に設けられるテーパ部50も、各吸入孔33、34に設けられるテーパ部50と同様に、平坦な傾斜面、曲面、複数の曲面で形成することができる。
上記した実施例では、吸入孔が両サイドブロック21、22にそれぞれ設けられていたが、フロントサイドブロック21にのみに設けられていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、内方が楕円形状を呈する筒状のシリンダ本体20の軸線上に回転軸線を持つようにロータ26が設けられた同心ロータ式の圧縮機に適用した例を示したが、例えば、内方が円形状を呈する筒状のシリンダの内側に、そのシリンダの軸線とは異なる回転軸線を持つようにロータが配置される偏心ロータ式の圧縮機に適用しても良く、上記した実施例に限定されるものではない。
本発明に係る気体圧縮機の模式的な断面図である。 図1のI―I線に沿って得られた模式的な断面図である。 回転軸に沿ってシリンダ本体側から見たフロントサイドブロックの模式的な正面図である。 圧縮機構を回転軸に沿って伝達機構側から見た模式的な正面図である。 シリンダ本体側から見たフロントサイドブロックの模式的な部分斜視図であり、吸入孔の近傍を拡大して示している。 図3のII−II線に沿って得られた模式的な断面図である。 ベーンが吸入孔に接触する状態を説明するための図面であり、図6に示すIII−III線に沿って得られた模式的な断面図である。 テーパ部の他の例を示す図6と同様の断面図である。 テーパ部の他の例を示す図6と同様の断面図である。 ベーンにテーパ部を設けた例を示す図6と同様の断面図である。
符号の説明
10 気体圧縮機
19 シリンダ室
23 (内壁面としての)周壁面
24、25 (内壁面としての)端壁面
26 ロータ
28 ベーン
33 (吸入孔としての)フロント側吸入孔
33a 前端
34 (吸入孔としての)リア側吸入孔
34a 前端
50 テーパ部

Claims (7)

  1. 気体が圧縮されるシリンダ室と、該シリンダ室に回転自在に収容されるロータと、該ロータに出入可能に保持され該ロータの回転に伴って前記シリンダ室の内壁面を摺動するベーンと、外部から前記シリンダ室への気体の取り入れを可能とすべく前記内壁面で前記シリンダ室に通じる吸入孔とを備える気体圧縮機であって、
    前記吸入孔には、前記シリンダ室に露出する個所のうち、前記ロータの回転方向の前端側にテーパ部が設けられていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 気体が圧縮されるシリンダ室と、該シリンダ室に回転自在に収容されるロータと、該ロータに出入可能に設けられ該ロータの回転に伴って前記シリンダ室の内壁面を摺動するベーンと、外部から前記シリンダ室への気体の取り入れを可能とすべく前記内壁面で前記シリンダ室に通じる吸入孔とを備える気体圧縮機であって、
    前記ベーンには、前記内壁面を摺動する際前記吸入孔に露出する個所のうち、前記ロータの回転方向の前端側にテーパ部が設けられていることを特徴とする気体圧縮機。
  3. 前記テーパ部は、前記ロータの回転方向に対する傾斜角に比較して前記ロータの回転軸線方向に対する傾斜角が大きい傾斜面により規定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気体圧縮機。
  4. 前記シリンダ室は、円柱形状を呈する空間であり、前記内壁面は、周壁面と2つの端壁面とを有し、前記吸入孔は、前記両端壁面の少なくとも一方で前記シリンダ室に開放していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の気体圧縮機。
  5. 前記傾斜面は、平面であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の気体圧縮機。
  6. 前記傾斜面は、曲面であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の気体圧縮機。
  7. 前記傾斜面は、複数の面により規定されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の気体圧縮機。
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