JP2004052675A - 気体圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベーンの摺動による摩擦損失を小さくすることで、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーンの摩擦による騒音増加を防ぐことが可能な気体圧縮機を提供する。
【解決手段】ベーン115は、その進行方向側の仕切面15fに油溝100が形成されており、ベーン115がベーン溝13に押し込まれた際に、この油溝100に冷凍機油が溜められ、冷凍機油を保持することができる。この冷凍機油により、ベーン115がベーン溝13と線接触しても、ベーン115とシリンダの内壁及びベーン溝13の内面13aとの間を潤滑することができ、ベーン115の摺動部の潤滑状態を良好に保つことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ベーン115は、その進行方向側の仕切面15fに油溝100が形成されており、ベーン115がベーン溝13に押し込まれた際に、この油溝100に冷凍機油が溜められ、冷凍機油を保持することができる。この冷凍機油により、ベーン115がベーン溝13と線接触しても、ベーン115とシリンダの内壁及びベーン溝13の内面13aとの間を潤滑することができ、ベーン115の摺動部の潤滑状態を良好に保つことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は気体圧縮機に係わり、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくすることで、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーンの摩擦による騒音増加を防ぐことが可能な気体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調システムにおいて冷媒ガスを圧縮する気体圧縮機が知られている。気体圧縮機は、外部より回転動力を受けることで、熱交換用のエバポレータで気化された冷媒ガスを加圧し、室外放熱用の凝縮器に送る機器である。
【0003】
図7に気体圧縮機10の断面図、図8に気体圧縮機10の図7中のA−A矢視線断面図を示す。
フロントヘッドカバー1には吸入口1aが形成され、この吸入口1aに接続された外部のエバポレータから低圧の冷媒ガスを吸入室1bに吸入するようになっている。フロントヘッドカバー1と回転軸11との間は、シール部1cによってシールされている。
【0004】
シリンダ3は、フロントサイドブロック5とリアサイドブロック7の間に挟装されている。シリンダ3内には、ロータ9が回転可能に配設され、このロータ9は、回転軸11によって貫通固定されている。ロータ9には略半径方向にベーン溝13が複数形成され、各ベーン溝13にはベーン15が摺動可能に嵌め込まれている。そして、ベーン15は、ロータ9の回転時には遠心力とベーン溝13の底部である背圧室43の油圧とによりシリンダ3の内壁に付勢される。
【0005】
このとき、図9に示すように、ベーン15は、直方体状の部材で、ロータ9の回転に伴い、図中矢印で示す向きが進行方向になっている。ベーン15の各面は、シリンダ3との摺動部である上端面15aと、ベーン溝13でロータ9の回転方向側の内面13a及び回転方向の逆側の内面13bと摺動する仕切面15f及び仕切面15bと、フロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7と摺動する端面15c及び端面15eと、背圧室43に臨む下端面15dとにより構成されている。なお、上端面15aは、面取りされており、ベーン15の進行方向側の径が、進行方向の逆側の径よりも小さくなるように、円弧状に形成されている。
【0006】
また、シリンダ3内は、ロータ9、ベーン15、15・・により複数の小室に仕切られている。これらの小室は圧縮室17、17・・と称され、ロータ9の回転により容積の大小変化を繰り返す。そして、ロータ9が回転して圧縮室17、17・・の容積が変化すると、その容積変化により吸入口1aより低圧冷媒ガスを吸気し圧縮する。
【0007】
また、リアサイドブロック7の周端部にはケース19が固定され、このケース19の内部には、吐出室21が形成されている。圧縮室17で圧縮された高圧冷媒ガスは、吐出ポート23、吐出弁25、リアサイドブロック7に設けられた図示しない吐出通路を介して吐出室21に送られる。そして、冷媒ガスは吐出室21から吐出口27を経て外部の凝縮器へと送られる。
【0008】
吐出室21には、冷媒ガスとともに気体圧縮機10に封入されている冷凍機油を冷媒ガスから分離する油分離器29が取り付けられている。この油分離器29により冷媒ガスから冷凍機油が分離され、吐出室21の下部にある油溜まり28に貯留される。
【0009】
また、油分離器29とリアサイドブロック7と回転軸11の図中左端面とで囲まれた空間には、リア軸端面側空間12が形成されている。また、このリア軸端面側空間12は、後述するリアサイドブロック7側のサライ溝42と図示しない連通路により連通されている。
【0010】
冷凍機油は、摺動部の潤滑等のために、吐出室21の圧力によって気体圧縮機10内の各部に送られる。
その一部は、リアサイドブロック7を介して回転軸11に至り、さらに延びる油路33からロータ9に送られる。この冷凍機油は、回転軸11のリア側を支える軸受孔7aを潤滑した後、サライ溝42に至る。
【0011】
また他の一部は、リアサイドブロック7の油路31からシリンダ3の油路35及びフロントサイドブロック5の油路39を介して回転軸11に送られる。この冷凍機油は、回転軸11のフロント側を支える軸受孔5aを潤滑した後、サライ溝41に至る。
【0012】
サライ溝41、42に至った冷凍機油の一部は、フロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7とロータ9及びベーン15との間の摺動部を潤滑し、最終的にベーン15の底部に連通する背圧室43に圧送される。
背圧室43は、フロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7のシリンダ3対抗面側に形成されたサライ溝41、42と、リア軸端面側空間12と、ベーン溝13の底部空間とが互いに連通された空間である。
【0013】
そして、背圧室43に圧送された冷凍機油は、ベーン15の仕切面15f、15bとベーン溝13の内面13a、13bとの間である摺動部を潤滑する。
その後、冷凍機油は、圧縮室17にしみ出され、ベーン15の上端面15aとシリンダ3の内壁との間を潤滑しつつ、高圧冷媒ガスとともに、吐出室21に吐き出される。
【0014】
このように、固定構成部品であるシリンダ3、フロントサイドブロック5、及びリアサイドブロック7と、可動構成部品である回転軸11、ロータ9、及びベーン15との間の摺動部が冷凍機油により潤滑され、ロータ9とベーン15との相互の間の摺動部も同様に潤滑される。
【0015】
また、冷凍機油は、回転軸11のリア側を支える軸受孔7a及びフロント側を支える軸受孔5aにおいて、動圧軸受としても作用する。すなわち、冷凍機油には、回転軸11の回転に伴う粘性摩擦によって圧力が発生される。この圧力により、回転軸11と両軸受孔5a、7aとの間で冷凍機油の油膜が形成され、この油膜により、回転軸11は軸受孔5a、7aに非接触で回転したまま支えられる。
【0016】
次に、圧縮室17における圧縮行程について説明する。
圧縮室17の容積が最小から最大となるまでの吸入過程では、吸入室1b内の低圧冷媒ガスが、シリンダ3等の図示しない吸入通路とこれに連通するフロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7の図示しない吸入口とを介して圧縮室17側に吸入される。
【0017】
そして、圧縮室17の容積が最大付近になると、圧縮室17が吸入口から離れて、圧縮室17内に冷媒ガスが閉じ込められる。このとき、ベーン15は、ロータ9の回転に伴う遠心力と背圧室43の油圧によって、ベーン溝13から飛び出し、シリンダ3の内壁に付勢されることで、圧縮室17は密閉空間になっている。
【0018】
また、この密閉空間である圧縮室17の容積が最大から最小に移行すると、その容積減少量に応じて圧縮室17内の冷媒ガスは圧縮される。そして、圧縮室17の容積が最小付近になると、その圧縮された高圧冷媒ガスの圧力によって、シリンダ3の吐出ポート23に取り付けられている吐出弁25が開かれ、圧縮室17内の高圧冷媒ガスが、吐出室21に吐き出される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、気体圧縮機10の場合、ベーン15は、シリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面との潤滑が十分でない場合があった。
図10は、図8における複数のベーン15のうちの1つを中心とした部分拡大図である。なお、このベーン15は、そのロータ9の回転に伴う進行方向側に容積が縮小されつつある圧縮室17Aを備え、また進行方向の逆側に容積が拡大しつつある圧縮室17Bを備えている。
【0020】
図10に示すように、ベーン15が、ベーン溝13から飛び出しているとき、その飛び出した部分には、圧縮室17Aと圧縮室17Bの圧力差に伴い、圧縮室17Aから圧縮室17Bに向かって押される力が発生する。また、ベーン15の上端面15aはシリンダ3の内壁と摺動しているため、その摺動部における若干の摩擦により、ベーン15の上端面15aには、ベーン15の進行方向の逆側に向けて摩擦力が発生する。
【0021】
そのため、ベーン15は、ベーン溝13から飛び出した状態で、圧縮室17B側に傾いており、その下端面15dと仕切面15fとにより形成された辺15gにおいて、ベーン溝13の内面13aと線接触している。また、ベーン15の仕切面15bは、ベーン溝13の内面13bの上端部である辺13cにおいて、線接触している。
【0022】
そのため、ベーン15の辺15g及びベーン溝13の辺13cにおけるベーン15とベーン溝13との線接触によって、背圧室43からベーン15の上端面15a側に冷凍機油が供給されず、ベーン15とシリンダ3の内壁との摺動部において、また、ベーン15とベーン溝13の内面13aとの摺動部において、冷凍機油の量が少なくなるおそれがあった。
【0023】
そして、ベーン15とシリンダ3の内壁との摺動部における冷凍機油の量が少なくなると、ベーン15とシリンダ3の内壁との摩擦により、ベーン15の耐久性が劣化するとともに、ベーン15の摺動に伴う動力が増えて気体圧縮機10の消費動力が増加するおそれがあった。
さらに、ベーン15とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面との摺動部における摩擦により、ベーン15から騒音が発生されるとともに、これによりベーン15が摩耗して変形し、ベーン溝13内で振動することでさらに騒音が増加されるおそれがあった。
【0024】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたものであり、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくすることで、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーンの摩擦による騒音増加を防ぐことが可能な気体圧縮機を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、ケースに内装されたシリンダと、該シリンダ内を回転するロータと、該ロータの略半径方向に複数形成されたベーン溝と、該ベーン溝内に出没自在に保持されるベーンと、該ベーン、前記シリンダ及び前記ロータにより形成された圧縮室と、前記ベーン溝の底部空間と、該底部空間に連通する空間とからなる背圧室とを備え、前記ベーンは、前記ロータによる回転方向側の第1の仕切面と前記回転方向の逆側の第2の仕切面との間、及び/又は前記第1の仕切面と前記底部空間側の下端面との間を連絡する連絡手段を備えたことを特徴とする。
【0026】
ベーンは、ベーン溝から飛び出した状態では、ベーン溝の内面において線接触しているが、第1の仕切面と第2の仕切面との間や、第1の仕切面と下端面との間を連絡する連絡手段を備えたことで、冷凍機油が、ベーン溝の底部空間や第2の仕切面を通じて第1の仕切面に送られる。そのため、ベーンとシリンダ及びベーン溝との摺動部に冷凍機油を供給することができ、この摺動部を潤滑することが可能である。
よって、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくすることで、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーンの摩耗による騒音増加を防ぐことが可能である。
【0027】
また、本発明は、前記連絡手段は、前記第1の仕切面と前記下端面との間を連通する少なくとも1つの油連通路であり、該油連通路の前記第1の仕切面側の出口は、前記ベーンが最大限突出したときに前記ロータの外周面の内側に形成されることを特徴とする。
【0028】
油連通路の第1の仕切面側の出口位置を、ベーンが最大限突出したときにロータの外周面の内側になるよう形成することで、ロータの回転に伴う遠心力により、ベーンの第1の下端面から上端面にかけての潤滑が容易になる。
なお、ベーンに設けられた油連通路の本数は、ベーンの摺動部を十分に潤滑できる程度の冷凍機油を供給できる本数であるとともに、その本数を増やし過ぎて背圧室の圧力が下がり、ベーンの飛び出しが不十分にならない程度の本数とする。
【0029】
さらに、本発明は、前記連絡手段は、前記第1の仕切面に形成された少なくとも1つの縦溝であり、該縦溝は前記下端面から前記ロータの径方向に所定長分刻設されたことを特徴とする。
【0030】
縦溝を設けることによって、ベーンとシリンダ及びベーン溝との摺動部に冷凍機油を供給することができ、この摺動部を十分に潤滑することが可能である。
よって、加工容易な連絡手段の形状を選択して、ベーンを製造することが可能である。
【0031】
さらに、本発明は、前記連絡手段は、前記第1の仕切面と前記第2の仕切面との間を貫通する少なくとも1つの貫通路であり、該貫通路は、前記ベーンが最大限突出したときに前記ロータの外周面の内側に形成されることを特徴とする。
【0032】
第1の仕切面と第2の仕切面との間に貫通路を設けることによって、ベーンとシリンダ及びベーン溝との摺動部に冷凍機油を供給することができ、この摺動部を十分に潤滑することが可能である。
なお、貫通路を、ベーンが最大限突出したときにロータの外周面の内側になるよう形成することで、ロータの回転に伴う遠心力により、ベーンの第1の下端面から上端面にかけての潤滑が容易になる。
【0033】
さらに、本発明は、前記連絡手段は、前記油連通路と、前記第1の仕切面に形成された溝とを備え、該溝内には、前記油連通路の前記第1の仕切面側の出口が形成されたことを特徴とする。
【0034】
ベーンの第1の仕切面に油溝が形成されているため、ベーンがベーン溝に押し込まれた際に、この油溝に冷凍機油が溜められ、冷凍機油を保持することができる。さらに、ベーンに連絡手段を備えていることで、冷凍機油が、ベーン溝の底部空間や第2の仕切面を通じて第1の仕切面に送られる。
よって、これらの相乗効果により、効果的にベーンの摺動部を潤滑することが可能である。
【0035】
さらに、本発明は、ケースに内装されたシリンダと、該シリンダ内を回転するロータと、該ロータの中心を貫通する回転軸と、前記ロータの略半径方向に複数形成されたベーン溝と、該ベーン溝内に出没自在に保持されるベーンと、該ベーン、前記シリンダ及び前記ロータにより形成された圧縮室と、前記ベーン溝の底部空間と、該底部空間に連通する空間とからなる背圧室とを備え、前記ベーンは、前記ロータによる回転方向側の第1の仕切面に形成され、前記回転軸方向に所定長分延びる少なくとも1つの油溝を備えたことを特徴とする。
【0036】
ベーンの第1の仕切面に油溝が形成されているため、ベーンがベーン溝に押し込まれた際に、この油溝に冷凍機油が溜められ、冷凍機油を保持することができる。そのため、ロータの回転中、油溝に保持した冷凍機油をベーンの摺動部に供給することができる。
なお、油溝は下端面の近くに形成することが望ましい。このことにより、ベーンがベーン溝に押し込まれたとき、この油溝に冷凍機油が溜まりやすくなる。また、油溝に溜めるべき冷凍機油の量は、油溝の断面積、長さを変えることで調整することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の第1実施形態であるベーンの構成図及びそのB−B矢視線断面図を図1に示す。なお、図9と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
【0038】
図1に示すベーン115は、ロータ9の回転に伴う進行方向側の仕切面15fに、ロータ9の軸方向を長辺とする長方形状の油溝100が形成されている。この油溝100は、仕切面15fにおいて、その下端面15dの近くに配設されている。また、油溝100は、角状に彫り込まれており、その深さは、この油溝100に溜める冷凍機油の量によって調整されるものである。
【0039】
次に、本発明の第1実施形態の動作について説明する。
図2は、本実施形態であるベーン115を中心とした部分拡大図である。なお、図10と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
ベーン115は、従来と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、圧縮室17B側に傾いており、ベーン溝13と線接触している。
【0040】
しかし、ベーン115は、その仕切面15fに油溝100が形成されているため、ベーン115がベーン溝13に押し込まれた際に、この油溝100に冷凍機油が溜められ、その冷凍機油を保持することができる。
【0041】
よって、ベーン115が線接触していても、油溝100に溜められた冷凍機油が、ロータ9の回転に伴い上端面15a側に流れ出ることで、ベーン115とシリンダ3の内壁との摺動部を潤滑することができ、ベーン115の潤滑状態を良好に保つことができる。
また、ベーン115の仕切面15fとベーン溝13の内面13aとの摺動部においても同様で、この油溝100に蓄えられた冷凍機油により、潤滑することが可能である。
【0042】
なお、油溝100に溜めるべき冷凍機油の量は、ベーン115とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部を十分に潤滑できる程度の量であり、油溝100の断面積を変えることで調整可能である。
【0043】
また、油溝100は、1本の溝で形成される場合に限らず、油溝100をロータ9の径方向に複数本形成しても良いし、また、ロータ9の軸方向に複数個分離して配設しても良い。これにより、ベーン115の製造過程において、その油溝100の加工が容易な形状を選択することができる。
【0044】
さらに、油溝100は、角状に彫り込まれる場合に限らず、半円柱状に彫り込まれても良い。これにより、フライス盤等のあらゆる工作機械によっても、油溝100の形成が可能である。
【0045】
さらに、油溝100は、ベーン115が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるよう形成され、好ましくは、できるだけベーン115の下端面15dの近くに配設されることが望ましい。油溝100がベーン115の下端面15dの近くに配設されていると、ベーン115がベーン溝13に押し込まれた際に、油溝100が背圧室43に近くなり、油溝100に冷凍機油が溜まりやすくなるからである。
また、ベーン115の油溝100より溢れ出た冷凍機油は、ロータ9の回転に伴い油溝100より上端面15a側に流れ出るが、油溝100が下端面15dの近くに配設されているため、ベーン115の仕切面15fの下端面15d側の潤滑が容易になるからである。
【0046】
以上により、ベーン115の仕切面15fに油溝100を形成することで、ベーン115とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部における摩擦損失を小さくすることができる。よって、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーン115の摩耗による騒音増加を防ぐことが可能である。
【0047】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態であるベーン115は、その仕切面15fに油溝100を形成するものであったが、本実施形態であるベーン215は、油連通路200を設けるものである。
【0048】
ベーン215の構成図及びそのC−C矢視線断面図を図3に示す。なお、図1と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図3に示すベーン215は、その内部に、仕切面15fと下端面15dとの間を連通する油連通路200が形成されている。
【0049】
かかる構成において、ベーン215は、ベーン115と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、ベーン溝13と線接触しているが、下端面15dと仕切面15fとを連通する油連通路200が形成されているため、背圧室43から油連通路200の下端面15d側の入口を通じて、冷凍機油が仕切面15f側に送られる。
【0050】
よって、ベーン215がベーン溝13と線接触していても、油連通路200を通じて供給された冷凍機油により、ベーン215とシリンダ3の内壁との摺動部を潤滑することができ、ベーン215の潤滑状態を良好に保つことができる。
また、ベーン215とベーン溝13の内面13aとの摺動部においても、油連通路200を通じて供給された冷凍機油により、潤滑することが可能である。
【0051】
さらに、ベーン215に設けられた油連通路200の本数は、1つのベーンに付き3つの場合に限られない。この本数は、ベーン215の摺動部を十分に潤滑できる程度の冷凍機油を供給できる本数であるとともに、その本数を増やし過ぎて背圧室43の圧力が下がり、ベーン215の飛び出しが不十分にならない程度の本数とすれば良い。
【0052】
また、油連通路200の形状及びその連通路の断面積の大きさも図示する場合に限られず、前述した油連通路200の本数の考え方と同様で、ベーン215の摺動部の潤滑の程度と背圧室43の圧力との関係から決めれば良い。
【0053】
さらに、油連通路200の仕切面15f側の出口の位置は、ベーン215が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるよう形成され、好ましくは、できるだけベーン215の下端面15dの近くに配設されることが望ましい。油連通路200の仕切面15f側の出口より溢れ出た冷凍機油は、ロータ9の回転に伴い上端面15a側に流れ出るが、仕切面15f側の出口が下端面15dの近くに配設されていることで、ベーン215の仕切面15fの下端面15d側の潤滑が容易になるからである。
【0054】
以上により、ベーン215に油連通路200を設けることで、ベーン215とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部における摩擦損失を小さくすることができる。
よって、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーン215の摩耗による騒音増加を防ぐことが可能である。
【0055】
なお、油連通路200の仕切面15f側の出口には、図4に示すように、第1実施形態である油溝100を形成するようにしても良い。
図4に示すベーン315の場合、背圧室43の冷凍機油が、油連通路200を通じて仕切面15f側に送られるとともに、ベーン315がベーン溝13に押し込まれたときに、油溝100に冷凍機油が溜められるため、より効果的にベーン315とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部を潤滑することが可能である。
【0056】
また、ベーン315においても、油溝100及び油連通路200の仕切面15f側の出口の位置が、ベーン315が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるよう形成されることが望ましく、それは第1実施形態及び第2実施形態と同様の理由によるものである。
【0057】
さらに、本発明の第3実施形態について説明する。
第2実施形態であるベーン215、315は、その下端面15dと仕切面15fとの間に油連通路200を設けるものであったが、本実施形態であるベーン415は、縦溝400を設けるものである。
【0058】
ベーン415の構成図及びそのE−E矢視線断面図を図5に示す。なお、図3と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図5に示すベーン415には、縦溝400が形成されており、この縦溝400は、ベーン415の下端面15dよりロータ9の径方向に、所定長さだけ刻設されている。
【0059】
かかる構成において、ベーン415は、ベーン215、315と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、ベーン溝13と線接触しているが、仕切面15fに下端面15dまで通じる縦溝400が形成されているため、背圧室43からこの縦溝400を通じて、冷凍機油が仕切面15f側に送られる。
【0060】
また、ベーン415に設けられた縦溝400の本数及びその形状は、図示する場合に限られず、前述したベーン215の油連通路200の本数の考え方と同様、ベーン415の摺動部の潤滑の程度と背圧室43の圧力との関係から決めれば良い。
【0061】
以上により、ベーン415がベーン溝13と線接触していても、縦溝400を通じて供給された冷凍機油により、ベーン415とシリンダ3の内壁との摺動部を潤滑することができる。
また、ベーン415とベーン溝13の内面13aとの摺動部においても、縦溝400を通じて供給された冷凍機油により、潤滑することが可能である。
【0062】
さらに、本発明の第4実施形態について説明する。
第2実施形態であるベーン215、315は、その下端面15dと仕切面15fとの間に油連通路200を設けるものであったが、本実施形態であるベーン515は、その仕切面15bと仕切面15fとの間に貫通路500を設けるものである。
【0063】
ベーン515の構成図及びそのF−F矢視線断面図を図6に示す。なお、図3と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図6に示すベーン515は、その仕切面15bと仕切面15fとの間を貫通する貫通路500が、ベーン515が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるように形成されている。
【0064】
かかる構成において、ベーン515は、ベーン215、315と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、ベーン溝13と線接触しているが、仕切面15bと仕切面15fとを貫通する貫通路500が形成されているため、背圧室43から貫通路500の仕切面15b側の入口を通じて、冷凍機油が仕切面15f側に送られる。
【0065】
なお、貫通路500は、ベーン515が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の外側にあると、貫通路500を介して冷凍機油を供給できなくなるため、ロータ9の外周面の内側に位置する必要がある。
また、貫通路500は、第2実施形態と同様の理由により、できるだけ下端面15dの近くに配設されているのが望ましい。
【0066】
以上により、ベーン515の両仕切面15b、15f間に貫通路500を設けることによっても、ベーン515の摺動部に冷凍機油を供給することができ、ベーン515の摺動部を十分に潤滑することが可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ベーンに油溝や油連通路を形成したことから、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくし、気体圧縮機の消費動力を減少させつつ、ベーンの摩擦による騒音増加を防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態であるベーンの構成図及びそのB−B矢視線断面図
【図2】第1実施形態であるベーン付近の部分拡大図
【図3】第2実施形態であるベーンの構成図及びそのC−C矢視線断面図
【図4】第2実施形態であるベーンの別例及びそのD−D矢視線断面図
【図5】第3実施形態であるベーンの構成図及びそのE−E矢視線断面図
【図6】第4実施形態であるベーンの構成図及びそのF−F矢視線断面図
【図7】気体圧縮機の従来例
【図8】図7中のA−A矢視線断面図
【図9】従来のベーンの構成図
【図10】従来のベーン付近の部分拡大図
【符号の説明】
3 シリンダ
5 フロントサイドブロック
7 リアサイドブロック
9 ロータ
10 気体圧縮機
13 ベーン溝
15、115、215、315、415、515 ベーン
17 圧縮室
43 背圧室
100 油溝
200 油連通路
400 縦溝
500 貫通路
【発明の属する技術分野】
本発明は気体圧縮機に係わり、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくすることで、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーンの摩擦による騒音増加を防ぐことが可能な気体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調システムにおいて冷媒ガスを圧縮する気体圧縮機が知られている。気体圧縮機は、外部より回転動力を受けることで、熱交換用のエバポレータで気化された冷媒ガスを加圧し、室外放熱用の凝縮器に送る機器である。
【0003】
図7に気体圧縮機10の断面図、図8に気体圧縮機10の図7中のA−A矢視線断面図を示す。
フロントヘッドカバー1には吸入口1aが形成され、この吸入口1aに接続された外部のエバポレータから低圧の冷媒ガスを吸入室1bに吸入するようになっている。フロントヘッドカバー1と回転軸11との間は、シール部1cによってシールされている。
【0004】
シリンダ3は、フロントサイドブロック5とリアサイドブロック7の間に挟装されている。シリンダ3内には、ロータ9が回転可能に配設され、このロータ9は、回転軸11によって貫通固定されている。ロータ9には略半径方向にベーン溝13が複数形成され、各ベーン溝13にはベーン15が摺動可能に嵌め込まれている。そして、ベーン15は、ロータ9の回転時には遠心力とベーン溝13の底部である背圧室43の油圧とによりシリンダ3の内壁に付勢される。
【0005】
このとき、図9に示すように、ベーン15は、直方体状の部材で、ロータ9の回転に伴い、図中矢印で示す向きが進行方向になっている。ベーン15の各面は、シリンダ3との摺動部である上端面15aと、ベーン溝13でロータ9の回転方向側の内面13a及び回転方向の逆側の内面13bと摺動する仕切面15f及び仕切面15bと、フロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7と摺動する端面15c及び端面15eと、背圧室43に臨む下端面15dとにより構成されている。なお、上端面15aは、面取りされており、ベーン15の進行方向側の径が、進行方向の逆側の径よりも小さくなるように、円弧状に形成されている。
【0006】
また、シリンダ3内は、ロータ9、ベーン15、15・・により複数の小室に仕切られている。これらの小室は圧縮室17、17・・と称され、ロータ9の回転により容積の大小変化を繰り返す。そして、ロータ9が回転して圧縮室17、17・・の容積が変化すると、その容積変化により吸入口1aより低圧冷媒ガスを吸気し圧縮する。
【0007】
また、リアサイドブロック7の周端部にはケース19が固定され、このケース19の内部には、吐出室21が形成されている。圧縮室17で圧縮された高圧冷媒ガスは、吐出ポート23、吐出弁25、リアサイドブロック7に設けられた図示しない吐出通路を介して吐出室21に送られる。そして、冷媒ガスは吐出室21から吐出口27を経て外部の凝縮器へと送られる。
【0008】
吐出室21には、冷媒ガスとともに気体圧縮機10に封入されている冷凍機油を冷媒ガスから分離する油分離器29が取り付けられている。この油分離器29により冷媒ガスから冷凍機油が分離され、吐出室21の下部にある油溜まり28に貯留される。
【0009】
また、油分離器29とリアサイドブロック7と回転軸11の図中左端面とで囲まれた空間には、リア軸端面側空間12が形成されている。また、このリア軸端面側空間12は、後述するリアサイドブロック7側のサライ溝42と図示しない連通路により連通されている。
【0010】
冷凍機油は、摺動部の潤滑等のために、吐出室21の圧力によって気体圧縮機10内の各部に送られる。
その一部は、リアサイドブロック7を介して回転軸11に至り、さらに延びる油路33からロータ9に送られる。この冷凍機油は、回転軸11のリア側を支える軸受孔7aを潤滑した後、サライ溝42に至る。
【0011】
また他の一部は、リアサイドブロック7の油路31からシリンダ3の油路35及びフロントサイドブロック5の油路39を介して回転軸11に送られる。この冷凍機油は、回転軸11のフロント側を支える軸受孔5aを潤滑した後、サライ溝41に至る。
【0012】
サライ溝41、42に至った冷凍機油の一部は、フロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7とロータ9及びベーン15との間の摺動部を潤滑し、最終的にベーン15の底部に連通する背圧室43に圧送される。
背圧室43は、フロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7のシリンダ3対抗面側に形成されたサライ溝41、42と、リア軸端面側空間12と、ベーン溝13の底部空間とが互いに連通された空間である。
【0013】
そして、背圧室43に圧送された冷凍機油は、ベーン15の仕切面15f、15bとベーン溝13の内面13a、13bとの間である摺動部を潤滑する。
その後、冷凍機油は、圧縮室17にしみ出され、ベーン15の上端面15aとシリンダ3の内壁との間を潤滑しつつ、高圧冷媒ガスとともに、吐出室21に吐き出される。
【0014】
このように、固定構成部品であるシリンダ3、フロントサイドブロック5、及びリアサイドブロック7と、可動構成部品である回転軸11、ロータ9、及びベーン15との間の摺動部が冷凍機油により潤滑され、ロータ9とベーン15との相互の間の摺動部も同様に潤滑される。
【0015】
また、冷凍機油は、回転軸11のリア側を支える軸受孔7a及びフロント側を支える軸受孔5aにおいて、動圧軸受としても作用する。すなわち、冷凍機油には、回転軸11の回転に伴う粘性摩擦によって圧力が発生される。この圧力により、回転軸11と両軸受孔5a、7aとの間で冷凍機油の油膜が形成され、この油膜により、回転軸11は軸受孔5a、7aに非接触で回転したまま支えられる。
【0016】
次に、圧縮室17における圧縮行程について説明する。
圧縮室17の容積が最小から最大となるまでの吸入過程では、吸入室1b内の低圧冷媒ガスが、シリンダ3等の図示しない吸入通路とこれに連通するフロントサイドブロック5及びリアサイドブロック7の図示しない吸入口とを介して圧縮室17側に吸入される。
【0017】
そして、圧縮室17の容積が最大付近になると、圧縮室17が吸入口から離れて、圧縮室17内に冷媒ガスが閉じ込められる。このとき、ベーン15は、ロータ9の回転に伴う遠心力と背圧室43の油圧によって、ベーン溝13から飛び出し、シリンダ3の内壁に付勢されることで、圧縮室17は密閉空間になっている。
【0018】
また、この密閉空間である圧縮室17の容積が最大から最小に移行すると、その容積減少量に応じて圧縮室17内の冷媒ガスは圧縮される。そして、圧縮室17の容積が最小付近になると、その圧縮された高圧冷媒ガスの圧力によって、シリンダ3の吐出ポート23に取り付けられている吐出弁25が開かれ、圧縮室17内の高圧冷媒ガスが、吐出室21に吐き出される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、気体圧縮機10の場合、ベーン15は、シリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面との潤滑が十分でない場合があった。
図10は、図8における複数のベーン15のうちの1つを中心とした部分拡大図である。なお、このベーン15は、そのロータ9の回転に伴う進行方向側に容積が縮小されつつある圧縮室17Aを備え、また進行方向の逆側に容積が拡大しつつある圧縮室17Bを備えている。
【0020】
図10に示すように、ベーン15が、ベーン溝13から飛び出しているとき、その飛び出した部分には、圧縮室17Aと圧縮室17Bの圧力差に伴い、圧縮室17Aから圧縮室17Bに向かって押される力が発生する。また、ベーン15の上端面15aはシリンダ3の内壁と摺動しているため、その摺動部における若干の摩擦により、ベーン15の上端面15aには、ベーン15の進行方向の逆側に向けて摩擦力が発生する。
【0021】
そのため、ベーン15は、ベーン溝13から飛び出した状態で、圧縮室17B側に傾いており、その下端面15dと仕切面15fとにより形成された辺15gにおいて、ベーン溝13の内面13aと線接触している。また、ベーン15の仕切面15bは、ベーン溝13の内面13bの上端部である辺13cにおいて、線接触している。
【0022】
そのため、ベーン15の辺15g及びベーン溝13の辺13cにおけるベーン15とベーン溝13との線接触によって、背圧室43からベーン15の上端面15a側に冷凍機油が供給されず、ベーン15とシリンダ3の内壁との摺動部において、また、ベーン15とベーン溝13の内面13aとの摺動部において、冷凍機油の量が少なくなるおそれがあった。
【0023】
そして、ベーン15とシリンダ3の内壁との摺動部における冷凍機油の量が少なくなると、ベーン15とシリンダ3の内壁との摩擦により、ベーン15の耐久性が劣化するとともに、ベーン15の摺動に伴う動力が増えて気体圧縮機10の消費動力が増加するおそれがあった。
さらに、ベーン15とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面との摺動部における摩擦により、ベーン15から騒音が発生されるとともに、これによりベーン15が摩耗して変形し、ベーン溝13内で振動することでさらに騒音が増加されるおそれがあった。
【0024】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたものであり、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくすることで、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーンの摩擦による騒音増加を防ぐことが可能な気体圧縮機を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、ケースに内装されたシリンダと、該シリンダ内を回転するロータと、該ロータの略半径方向に複数形成されたベーン溝と、該ベーン溝内に出没自在に保持されるベーンと、該ベーン、前記シリンダ及び前記ロータにより形成された圧縮室と、前記ベーン溝の底部空間と、該底部空間に連通する空間とからなる背圧室とを備え、前記ベーンは、前記ロータによる回転方向側の第1の仕切面と前記回転方向の逆側の第2の仕切面との間、及び/又は前記第1の仕切面と前記底部空間側の下端面との間を連絡する連絡手段を備えたことを特徴とする。
【0026】
ベーンは、ベーン溝から飛び出した状態では、ベーン溝の内面において線接触しているが、第1の仕切面と第2の仕切面との間や、第1の仕切面と下端面との間を連絡する連絡手段を備えたことで、冷凍機油が、ベーン溝の底部空間や第2の仕切面を通じて第1の仕切面に送られる。そのため、ベーンとシリンダ及びベーン溝との摺動部に冷凍機油を供給することができ、この摺動部を潤滑することが可能である。
よって、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくすることで、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーンの摩耗による騒音増加を防ぐことが可能である。
【0027】
また、本発明は、前記連絡手段は、前記第1の仕切面と前記下端面との間を連通する少なくとも1つの油連通路であり、該油連通路の前記第1の仕切面側の出口は、前記ベーンが最大限突出したときに前記ロータの外周面の内側に形成されることを特徴とする。
【0028】
油連通路の第1の仕切面側の出口位置を、ベーンが最大限突出したときにロータの外周面の内側になるよう形成することで、ロータの回転に伴う遠心力により、ベーンの第1の下端面から上端面にかけての潤滑が容易になる。
なお、ベーンに設けられた油連通路の本数は、ベーンの摺動部を十分に潤滑できる程度の冷凍機油を供給できる本数であるとともに、その本数を増やし過ぎて背圧室の圧力が下がり、ベーンの飛び出しが不十分にならない程度の本数とする。
【0029】
さらに、本発明は、前記連絡手段は、前記第1の仕切面に形成された少なくとも1つの縦溝であり、該縦溝は前記下端面から前記ロータの径方向に所定長分刻設されたことを特徴とする。
【0030】
縦溝を設けることによって、ベーンとシリンダ及びベーン溝との摺動部に冷凍機油を供給することができ、この摺動部を十分に潤滑することが可能である。
よって、加工容易な連絡手段の形状を選択して、ベーンを製造することが可能である。
【0031】
さらに、本発明は、前記連絡手段は、前記第1の仕切面と前記第2の仕切面との間を貫通する少なくとも1つの貫通路であり、該貫通路は、前記ベーンが最大限突出したときに前記ロータの外周面の内側に形成されることを特徴とする。
【0032】
第1の仕切面と第2の仕切面との間に貫通路を設けることによって、ベーンとシリンダ及びベーン溝との摺動部に冷凍機油を供給することができ、この摺動部を十分に潤滑することが可能である。
なお、貫通路を、ベーンが最大限突出したときにロータの外周面の内側になるよう形成することで、ロータの回転に伴う遠心力により、ベーンの第1の下端面から上端面にかけての潤滑が容易になる。
【0033】
さらに、本発明は、前記連絡手段は、前記油連通路と、前記第1の仕切面に形成された溝とを備え、該溝内には、前記油連通路の前記第1の仕切面側の出口が形成されたことを特徴とする。
【0034】
ベーンの第1の仕切面に油溝が形成されているため、ベーンがベーン溝に押し込まれた際に、この油溝に冷凍機油が溜められ、冷凍機油を保持することができる。さらに、ベーンに連絡手段を備えていることで、冷凍機油が、ベーン溝の底部空間や第2の仕切面を通じて第1の仕切面に送られる。
よって、これらの相乗効果により、効果的にベーンの摺動部を潤滑することが可能である。
【0035】
さらに、本発明は、ケースに内装されたシリンダと、該シリンダ内を回転するロータと、該ロータの中心を貫通する回転軸と、前記ロータの略半径方向に複数形成されたベーン溝と、該ベーン溝内に出没自在に保持されるベーンと、該ベーン、前記シリンダ及び前記ロータにより形成された圧縮室と、前記ベーン溝の底部空間と、該底部空間に連通する空間とからなる背圧室とを備え、前記ベーンは、前記ロータによる回転方向側の第1の仕切面に形成され、前記回転軸方向に所定長分延びる少なくとも1つの油溝を備えたことを特徴とする。
【0036】
ベーンの第1の仕切面に油溝が形成されているため、ベーンがベーン溝に押し込まれた際に、この油溝に冷凍機油が溜められ、冷凍機油を保持することができる。そのため、ロータの回転中、油溝に保持した冷凍機油をベーンの摺動部に供給することができる。
なお、油溝は下端面の近くに形成することが望ましい。このことにより、ベーンがベーン溝に押し込まれたとき、この油溝に冷凍機油が溜まりやすくなる。また、油溝に溜めるべき冷凍機油の量は、油溝の断面積、長さを変えることで調整することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の第1実施形態であるベーンの構成図及びそのB−B矢視線断面図を図1に示す。なお、図9と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
【0038】
図1に示すベーン115は、ロータ9の回転に伴う進行方向側の仕切面15fに、ロータ9の軸方向を長辺とする長方形状の油溝100が形成されている。この油溝100は、仕切面15fにおいて、その下端面15dの近くに配設されている。また、油溝100は、角状に彫り込まれており、その深さは、この油溝100に溜める冷凍機油の量によって調整されるものである。
【0039】
次に、本発明の第1実施形態の動作について説明する。
図2は、本実施形態であるベーン115を中心とした部分拡大図である。なお、図10と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
ベーン115は、従来と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、圧縮室17B側に傾いており、ベーン溝13と線接触している。
【0040】
しかし、ベーン115は、その仕切面15fに油溝100が形成されているため、ベーン115がベーン溝13に押し込まれた際に、この油溝100に冷凍機油が溜められ、その冷凍機油を保持することができる。
【0041】
よって、ベーン115が線接触していても、油溝100に溜められた冷凍機油が、ロータ9の回転に伴い上端面15a側に流れ出ることで、ベーン115とシリンダ3の内壁との摺動部を潤滑することができ、ベーン115の潤滑状態を良好に保つことができる。
また、ベーン115の仕切面15fとベーン溝13の内面13aとの摺動部においても同様で、この油溝100に蓄えられた冷凍機油により、潤滑することが可能である。
【0042】
なお、油溝100に溜めるべき冷凍機油の量は、ベーン115とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部を十分に潤滑できる程度の量であり、油溝100の断面積を変えることで調整可能である。
【0043】
また、油溝100は、1本の溝で形成される場合に限らず、油溝100をロータ9の径方向に複数本形成しても良いし、また、ロータ9の軸方向に複数個分離して配設しても良い。これにより、ベーン115の製造過程において、その油溝100の加工が容易な形状を選択することができる。
【0044】
さらに、油溝100は、角状に彫り込まれる場合に限らず、半円柱状に彫り込まれても良い。これにより、フライス盤等のあらゆる工作機械によっても、油溝100の形成が可能である。
【0045】
さらに、油溝100は、ベーン115が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるよう形成され、好ましくは、できるだけベーン115の下端面15dの近くに配設されることが望ましい。油溝100がベーン115の下端面15dの近くに配設されていると、ベーン115がベーン溝13に押し込まれた際に、油溝100が背圧室43に近くなり、油溝100に冷凍機油が溜まりやすくなるからである。
また、ベーン115の油溝100より溢れ出た冷凍機油は、ロータ9の回転に伴い油溝100より上端面15a側に流れ出るが、油溝100が下端面15dの近くに配設されているため、ベーン115の仕切面15fの下端面15d側の潤滑が容易になるからである。
【0046】
以上により、ベーン115の仕切面15fに油溝100を形成することで、ベーン115とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部における摩擦損失を小さくすることができる。よって、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーン115の摩耗による騒音増加を防ぐことが可能である。
【0047】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態であるベーン115は、その仕切面15fに油溝100を形成するものであったが、本実施形態であるベーン215は、油連通路200を設けるものである。
【0048】
ベーン215の構成図及びそのC−C矢視線断面図を図3に示す。なお、図1と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図3に示すベーン215は、その内部に、仕切面15fと下端面15dとの間を連通する油連通路200が形成されている。
【0049】
かかる構成において、ベーン215は、ベーン115と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、ベーン溝13と線接触しているが、下端面15dと仕切面15fとを連通する油連通路200が形成されているため、背圧室43から油連通路200の下端面15d側の入口を通じて、冷凍機油が仕切面15f側に送られる。
【0050】
よって、ベーン215がベーン溝13と線接触していても、油連通路200を通じて供給された冷凍機油により、ベーン215とシリンダ3の内壁との摺動部を潤滑することができ、ベーン215の潤滑状態を良好に保つことができる。
また、ベーン215とベーン溝13の内面13aとの摺動部においても、油連通路200を通じて供給された冷凍機油により、潤滑することが可能である。
【0051】
さらに、ベーン215に設けられた油連通路200の本数は、1つのベーンに付き3つの場合に限られない。この本数は、ベーン215の摺動部を十分に潤滑できる程度の冷凍機油を供給できる本数であるとともに、その本数を増やし過ぎて背圧室43の圧力が下がり、ベーン215の飛び出しが不十分にならない程度の本数とすれば良い。
【0052】
また、油連通路200の形状及びその連通路の断面積の大きさも図示する場合に限られず、前述した油連通路200の本数の考え方と同様で、ベーン215の摺動部の潤滑の程度と背圧室43の圧力との関係から決めれば良い。
【0053】
さらに、油連通路200の仕切面15f側の出口の位置は、ベーン215が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるよう形成され、好ましくは、できるだけベーン215の下端面15dの近くに配設されることが望ましい。油連通路200の仕切面15f側の出口より溢れ出た冷凍機油は、ロータ9の回転に伴い上端面15a側に流れ出るが、仕切面15f側の出口が下端面15dの近くに配設されていることで、ベーン215の仕切面15fの下端面15d側の潤滑が容易になるからである。
【0054】
以上により、ベーン215に油連通路200を設けることで、ベーン215とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部における摩擦損失を小さくすることができる。
よって、気体圧縮機の消費動力を減少させ、ベーン215の摩耗による騒音増加を防ぐことが可能である。
【0055】
なお、油連通路200の仕切面15f側の出口には、図4に示すように、第1実施形態である油溝100を形成するようにしても良い。
図4に示すベーン315の場合、背圧室43の冷凍機油が、油連通路200を通じて仕切面15f側に送られるとともに、ベーン315がベーン溝13に押し込まれたときに、油溝100に冷凍機油が溜められるため、より効果的にベーン315とシリンダ3の内壁及びベーン溝13の内面13aとの摺動部を潤滑することが可能である。
【0056】
また、ベーン315においても、油溝100及び油連通路200の仕切面15f側の出口の位置が、ベーン315が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるよう形成されることが望ましく、それは第1実施形態及び第2実施形態と同様の理由によるものである。
【0057】
さらに、本発明の第3実施形態について説明する。
第2実施形態であるベーン215、315は、その下端面15dと仕切面15fとの間に油連通路200を設けるものであったが、本実施形態であるベーン415は、縦溝400を設けるものである。
【0058】
ベーン415の構成図及びそのE−E矢視線断面図を図5に示す。なお、図3と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図5に示すベーン415には、縦溝400が形成されており、この縦溝400は、ベーン415の下端面15dよりロータ9の径方向に、所定長さだけ刻設されている。
【0059】
かかる構成において、ベーン415は、ベーン215、315と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、ベーン溝13と線接触しているが、仕切面15fに下端面15dまで通じる縦溝400が形成されているため、背圧室43からこの縦溝400を通じて、冷凍機油が仕切面15f側に送られる。
【0060】
また、ベーン415に設けられた縦溝400の本数及びその形状は、図示する場合に限られず、前述したベーン215の油連通路200の本数の考え方と同様、ベーン415の摺動部の潤滑の程度と背圧室43の圧力との関係から決めれば良い。
【0061】
以上により、ベーン415がベーン溝13と線接触していても、縦溝400を通じて供給された冷凍機油により、ベーン415とシリンダ3の内壁との摺動部を潤滑することができる。
また、ベーン415とベーン溝13の内面13aとの摺動部においても、縦溝400を通じて供給された冷凍機油により、潤滑することが可能である。
【0062】
さらに、本発明の第4実施形態について説明する。
第2実施形態であるベーン215、315は、その下端面15dと仕切面15fとの間に油連通路200を設けるものであったが、本実施形態であるベーン515は、その仕切面15bと仕切面15fとの間に貫通路500を設けるものである。
【0063】
ベーン515の構成図及びそのF−F矢視線断面図を図6に示す。なお、図3と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図6に示すベーン515は、その仕切面15bと仕切面15fとの間を貫通する貫通路500が、ベーン515が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の内側になるように形成されている。
【0064】
かかる構成において、ベーン515は、ベーン215、315と同様に、ベーン溝13から飛び出した状態では、ベーン溝13と線接触しているが、仕切面15bと仕切面15fとを貫通する貫通路500が形成されているため、背圧室43から貫通路500の仕切面15b側の入口を通じて、冷凍機油が仕切面15f側に送られる。
【0065】
なお、貫通路500は、ベーン515が最大限飛び出したときにロータ9の外周面の外側にあると、貫通路500を介して冷凍機油を供給できなくなるため、ロータ9の外周面の内側に位置する必要がある。
また、貫通路500は、第2実施形態と同様の理由により、できるだけ下端面15dの近くに配設されているのが望ましい。
【0066】
以上により、ベーン515の両仕切面15b、15f間に貫通路500を設けることによっても、ベーン515の摺動部に冷凍機油を供給することができ、ベーン515の摺動部を十分に潤滑することが可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ベーンに油溝や油連通路を形成したことから、ベーンの摺動による摩擦損失を小さくし、気体圧縮機の消費動力を減少させつつ、ベーンの摩擦による騒音増加を防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態であるベーンの構成図及びそのB−B矢視線断面図
【図2】第1実施形態であるベーン付近の部分拡大図
【図3】第2実施形態であるベーンの構成図及びそのC−C矢視線断面図
【図4】第2実施形態であるベーンの別例及びそのD−D矢視線断面図
【図5】第3実施形態であるベーンの構成図及びそのE−E矢視線断面図
【図6】第4実施形態であるベーンの構成図及びそのF−F矢視線断面図
【図7】気体圧縮機の従来例
【図8】図7中のA−A矢視線断面図
【図9】従来のベーンの構成図
【図10】従来のベーン付近の部分拡大図
【符号の説明】
3 シリンダ
5 フロントサイドブロック
7 リアサイドブロック
9 ロータ
10 気体圧縮機
13 ベーン溝
15、115、215、315、415、515 ベーン
17 圧縮室
43 背圧室
100 油溝
200 油連通路
400 縦溝
500 貫通路
Claims (6)
- ケースに内装されたシリンダと、
該シリンダ内を回転するロータと、
該ロータの略半径方向に複数形成されたベーン溝と、
該ベーン溝内に出没自在に保持されるベーンと、
該ベーン、前記シリンダ及び前記ロータにより形成された圧縮室と、
前記ベーン溝の底部空間と、該底部空間に連通する空間とからなる背圧室とを備え、
前記ベーンは、前記ロータによる回転方向側の第1の仕切面と前記回転方向の逆側の第2の仕切面との間、及び/又は前記第1の仕切面と前記底部空間側の下端面との間を連絡する連絡手段を備えたことを特徴とする気体圧縮機。 - 前記連絡手段は、前記第1の仕切面と前記下端面との間を連通する少なくとも1つの油連通路であり、該油連通路の前記第1の仕切面側の出口は、前記ベーンが最大限突出したときに前記ロータの外周面の内側に形成されることを特徴とする請求項1記載の気体圧縮機。
- 前記連絡手段は、前記第1の仕切面に形成された少なくとも1つの縦溝であり、該縦溝は前記下端面から前記ロータの径方向に所定長分刻設されたことを特徴とする請求項1記載の気体圧縮機。
- 前記連絡手段は、前記第1の仕切面と前記第2の仕切面との間を貫通する少なくとも1つの貫通路であり、該貫通路は、前記ベーンが最大限突出したときに前記ロータの外周面の内側に形成されることを特徴とする請求項1記載の気体圧縮機。
- 前記連絡手段は、
前記油連通路と、
前記第1の仕切面に形成された溝とを備え、
該溝内には、前記油連通路の前記第1の仕切面側の出口が形成されたことを特徴とする請求項2記載の気体圧縮機。 - ケースに内装されたシリンダと、
該シリンダ内を回転するロータと、
該ロータの中心を貫通する回転軸と、
前記ロータの略半径方向に複数形成されたベーン溝と、
該ベーン溝内に出没自在に保持されるベーンと、
該ベーン、前記シリンダ及び前記ロータにより形成された圧縮室と、
前記ベーン溝の底部空間と、該底部空間に連通する空間とからなる背圧室とを備え、
前記ベーンは、前記ロータによる回転方向側の第1の仕切面に形成され、前記回転軸方向に所定長分延びる少なくとも1つの油溝を備えたことを特徴とする気体圧縮機。
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