JP2007100477A - 被覆ブロック - Google Patents

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裕生 盛高
Akira Matsumoto
朗 松本
Wakio Nishigori
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Abstract

【課題】波力に対する安定性を飛躍的に向上させた被覆ブロックを提供することを目的とする。
【解決手段】天端面から底面にかけて貫通した開口部2を2つ以上有し、それらのうち2つ以上の開口部2において、その中心位置Oが、据え付けた際の岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲内にあり、かつ、特定開口率が15〜50%の範囲となるように、更に、全開口率が15〜60%の範囲となるように構成した。
【選択図】図7

Description

本発明は、港湾、海岸、河川等に設置されるコンクリートブロックに関し、特に、波力に対する安定性を飛躍的に向上させた被覆ブロックに関する。
従来より、港湾や海岸に構造物が構築される場合、「洗掘の防止」等の理由から、その構造物の基礎としてマウンドが形成されている。また、波浪の減殺等のためマウンドを構築することもある。一般的なマウンドは、捨石を積み上げ、多数のコンクリート製被覆ブロックによって表層を被覆する、という構造になっている。水面下に設置される被覆ブロックには、様々な外力が作用することになるため、各被覆ブロックは、それらの外力に対し、十分な安定性を有していることが必要となる。
この点に関し、被覆ブロックが単純な「方塊」である場合について詳しく説明すると、図8に示すように、マウンド32(捨て石層)の上に載置された被覆ブロック31に作用する外力は、主として、沖側から岸側へ向かって進行する波の力(水平波力FH)と、ブロックの下側からブロックを持ち上げようとする力(揚圧力FV)とに大別することができる。尚、図8においてBは、据え付けた際の岸沖方向についての被覆ブロックの幅寸法(岸沖幅寸法)を、hは、被覆ブロック31の高さ寸法を示している。
水平方向への外力(水平波力FH)、及び、鉛直方向への外力(揚圧力FV)に対する被覆ブロック31の安定性を確保するには、当然のことながら、水平方向への抵抗力が、想定される水平波力FHの最大値より大きく、かつ、鉛直方向への抵抗力が想定される揚圧力FVの最大値より大きくなるように、被覆ブロック31を構成する必要がある。
水平方向への抵抗力は、「被覆ブロック31とマウンド32との間の摩擦力f」であるから、次の条件が満たされれば、水平方向について安定性が得られることになる。
(数1) f≧FH
尚、水平波力FHは、平均波圧pHに被覆ブロック31の受圧面AH(図8参照)の面積を乗じることによって得られ、受圧面AHの面積は、被覆ブロック31の高さ寸法hに横幅寸法L(岸沖方向と直交する方向についての幅寸法)を乗じたものであるから、水平波力FHの関係式は、次の通りとなる。
(数2) FH=pH・AH=pH・L・h
また、被覆ブロック31とマウンド32との間の摩擦力fは、被覆ブロック31の水中重量W’に摩擦係数μを乗じることによって得られ、被覆ブロック31の水中重量W’は、被覆ブロック31の密度ρから海水密度w0を減じたものに、被覆ブロック31の体積(岸沖幅寸法B・横幅寸法L・高さ寸法h)を乗じたものであるから、摩擦力fの関係式は、次式の通りとなる。
(数3) f=μW’=μ(ρ−w0)B・L・h
上記の式(数1〜数3)より、次式が得られる。
(数4) μ(ρ−w0)B・L・h≧pH・L・h
更に、両辺の「L」及び「h」は消去できるので、水平方向への安定性の条件を示す式として、最終的に次の条件式が得られる。
(数5) μ(ρ−w0)B≧pH
(μ:摩擦係数、ρ:被覆ブロック31の密度、w0:海水の密度、B:被覆ブロック31の岸沖幅寸法、pH:平均波圧)
一方、鉛直方向への抵抗力は、「被覆ブロック31の水中重量W’」であるから、次の条件が満たされれば、鉛直方向について安定性が得られることになる。
(数6) W’≧FV
尚、揚圧力FVは、平均波圧pVに被覆ブロック31の受圧面AV(図8参照)の面積を乗じることによって得られ、受圧面AVの面積は、被覆ブロック31の岸沖幅寸法Bに横幅寸法Lを乗じたものであるから、揚圧力FVの関係式は、次の通りとなる。
(数7) FV=pV・AV=pV・B・L
また、被覆ブロック31の水中重量W’は、上述の通り、被覆ブロック31の密度ρから海水密度w0を減じたものに、被覆ブロック31の体積(岸沖幅寸法B・横幅寸法L・高さ寸法h)を乗じたものであるから、水中重量W’の関係式は、次の通りとなる。
(数8) W’=(ρ−w0)B・L・h
上記の式(数6〜数8)より、次式が得られる。
(数9) (ρ−w0)B・L・h≧pV・B・L
更に、両辺の「B」及び「L」は消去できるので、鉛直方向への安定性の条件を示す式として、最終的に次の条件式が得られる。
(数10) (ρ−w0)h≧pV
(ρ:被覆ブロック31の密度、w0:海水の密度、h:被覆ブロック31の高さ寸法、pV:平均波圧)
以上の通り、被覆ブロック31が「方塊」である場合、水平方向への安定性の条件式「μ(ρ−w0)B≧pH」(数5)と、鉛直方向への安定性の条件式「(ρ−w0)h≧pV」(数10)をいずれも満たしていれば、被覆ブロック31は、外力に対して安定しているということになる。但し、一般には、両条件式の右辺「平均波圧pH」と「平均波圧pV」はオーダー的に等しく、また、左辺については、「μB」が「h」よりも大きい(μB>h)ため、実際に施工された被覆ブロックにおいては、水平方向についての安定性はあまり問題にはならず、現実に生じている被害は、鉛直方向についての抵抗力を超える揚圧力FVによる場合が殆どである。
従って、被覆ブロック31が「方塊」である場合においては、高さ寸法hを大きく設定することにより、外力に対する安定性を全体として向上させることができるが、この場合、製造コストが嵩むことになり、経済性の面で問題がある。
このようなことから、近年では、鉛直方向への安定性を向上させるために、図9に示すような開口部a(鉛直方向へ貫通させた孔)を形成してなる有孔被覆ブロック41が開発され、実用化されている。
図9に示した有孔被覆ブロック41における水平方向、及び、鉛直方向への安定性条件は次の通りである。まず、水平方向についての外力(水平波力FH)は、図8に示した被覆ブロック41(方塊)よりも、若干(α倍)(α:開口部aを設けることによる水平波力の増加割合、α>1)大きくなる。これは、開口部aの内面にも、波力が作用すると考えられるからである。従って、水平波力FHの関係式は、次の通りとなる。
(数11) FH=α・pH・AH=α・pH・L・h
水平方向への抵抗力(有孔被覆ブロック41とマウンド32との間の摩擦力f)は、有孔被覆ブロック41の水中重量W’に摩擦係数μを乗じることによって得られ、有孔被覆ブロック41の水中重量W’は、ブロックの密度ρから海水密度w0を減じたものに、ブロックの体積を乗じたものであり、ブロックの体積は、「岸沖幅寸法B・横幅寸法L・高さ寸法h」に、「1−β」(β:開口率=a/BL)を乗じたものであるから、摩擦力fの関係式は、次式の通りとなる。
(数12) f=μW’=μ(ρ−w0)(1−β)B・L・h
上記の式(数11、数12)及び数1より、次式が得られる。
(数13) μ(ρ−w0)(1−β)B・L・h≧α・pH・L・h
更に、両辺の「L」及び「h」は消去できるので、水平方向への安定性の条件を示す式として、最終的に次の条件式が得られる。
(数14) μ(ρ−w0)(1−β)B≧α・pH
(μ:摩擦係数、ρ:有孔被覆ブロック41の密度、w0:海水の密度、β:開口率、B:有孔被覆ブロック41の岸沖幅寸法、α:開口部aを設けることによる水平波力の増加割合、pH:平均波圧)
一方、鉛直方向についての外力(揚圧力FV)は、図8に示した被覆ブロック31(方塊)よりも小さくなる(γ倍となる)(γ:開口部aを設けることによる揚圧力の低減割合、γ<1)。これは、開口部aを設けることにより、受圧面の減少割合以上に波力が低減されると考えられるからである。従って、揚圧力FVの関係式は、次の通りとなる。
(数15) FV=γ・pV・AV=γ・pV(1−β)B・L
鉛直方向への抵抗力(有孔被覆ブロック41の水中重量W’)は、ブロックの密度ρから海水密度w0を減じたものに、ブロックの体積を乗じたものであり、ブロックの体積は、「岸沖幅寸法B・横幅寸法L・高さ寸法h」に、「1−β」(β:開口率=a/BL)を乗じたものであるから、有孔被覆ブロック41の水中重量W’の関係式は、次式の通りとなる。
(数16) W’=(ρ−w0)(1−β)B・L・h
上記の式(数15、数16)及び数6より、次式が得られる。
(数17) (ρ−w0)(1−β)B・L・h≧γ・pV(1−β)B・L
更に、両辺の「B」、「L」、及び、「1−β」は消去できるので、鉛直方向への安定性の条件を示す式として、最終的に次の条件式が得られる。
(数18) (ρ−w0)h≧γ・pV
(ρ:有孔被覆ブロック41の密度、w0:海水の密度、h:有孔被覆ブロック41の高さ寸法、γ:開口部aを設けることによる揚圧力の低減割合、pV:平均波圧)
次に、図8に示した方塊の被覆ブロック31と図9に示した有孔被覆ブロック41の安定性について比較してみる。方塊の被覆ブロック31の水平方向安定性は数5の通りであるのに対し、有孔被覆ブロック41の水平方向安定性は数14の通りであるから、有孔被覆ブロック41の水平方向安定性は、方塊の被覆ブロック31の「(1−β)/α」倍(<1)となる。
また、方塊の被覆ブロック31の鉛直方向安定性は数10の通りであるのに対し、有孔被覆ブロック41の鉛直方向安定性は数18の通りであるから、有孔被覆ブロック41の鉛直方向安定性は、方塊の被覆ブロック31の「1/γ」倍(>1)となる。つまり、方塊の被覆ブロック31と比べると、有孔被覆ブロック41の安定性は、水平方向については低下し、鉛直方向については向上していることになる。
しかしながら、方塊の被覆ブロック31よりも鉛直方向の安定性が改善されたとは言え、従来の有孔被覆ブロック41は、水平方向の安定性の方が鉛直方向の安定性よりも依然として高く、十分な安定性を得るまでには至っていない。
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであって、波力に対する安定性を飛躍的に向上させた被覆ブロックを提供することを目的とする。
本発明に係る被覆ブロックは、天端面から底面にかけて貫通した開口部を2つ以上有し、それらの開口部のうち2つ以上の開口部において、その中心位置が、据え付けた際の岸沖方向についての中心線から、岸沖幅寸法の0.15〜0.4倍の距離の範囲内にあることを特徴としている。
尚、この被覆ブロックにおいては、特定開口率(ブロックの鉛直投影面積に対する、開口部の開口面積の割合であって、中心位置が、被覆ブロックの岸沖方向についての中心線から、岸沖幅寸法の0.15〜0.4倍の距離の範囲内にある開口部のみを対象とする開口面積(総和)の割合)が15〜50%の範囲内にあることが好ましい。
更に、全開口率(ブロックの鉛直投影面積に対する、すべての開口部の開口面積(総和)の割合)については、15〜60%の範囲内にあることが好ましい。全開口率が60%を超えると、構造強度が成立しないという問題があり、また、開口部を設けることによる水平波力の増加割合がかなり大きくなり、水平方向の安定性が著しく低下してしまうからである。
本発明に係る被覆ブロックは、上記のような構成とすることにより、波力に対する安定性を、従来の被覆ブロック(有孔被覆ブロックを含む)に対し、飛躍的に向上させることができる。
以下、添付図面に沿って本発明「被覆ブロック」の好適な実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る被覆ブロック1の平面図であり、図2はその斜視図である。この被覆ブロック1は、図示されているように、天端面から底面にかけて貫通した四つの開口部2(2a〜2d)が形成されている。
本発明の被覆ブロック1は、それら開口部2の形成位置と、大きさ(開口率)に特徴がある。本実施形態においては、各開口部2の中心位置Oがいずれも、被覆ブロック1の岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲内(より詳細には0.25倍の距離の位置)にあり、全開口率が15〜60%の範囲内(より詳細には25%)にあり、更に、特定開口率が15〜50%の範囲内(より詳細には25%)にある。
尚、ここに言う「全開口率」とは、被覆ブロックを水平状態に保持し、鉛直下の水平面に投影した場合に現れる影像の外側輪郭線Wの内側の面積S1(鉛直投影面積、図2参照)に対する、すべての開口部の開口面積(総和)の割合を意味している。また、一つの開口部において、天端面側、底面側、又は、中層部における広さが他の部位と異なっている場合には、それらのうち最も狭小な部位における面積を、その開口部の「開口面積」とする。
更に、「特定開口率」とは、中心位置Oが、被覆ブロックの岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲内にある開口部のみを対象とする開口面積(総和)の割合(鉛直投影面積S1に対する割合)を意味している。
例えば、岸沖幅寸法1m、横幅寸法1mの被覆ブロック(鉛直投影面積:1m)において、開口面積がそれぞれ0.25mである開口部が二つ形成されており、一方の開口部は中心位置Oが、被覆ブロックの岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲内にあり、他方の開口部は、中心位置がその範囲内にはないという場合には、全開口率は50%、特定開口率は25%ということになる。
本実施形態の被覆ブロック1は、上述の通り複数の開口部2を有するものであり、それらの開口部2に関し、上記のような条件(形成位置、及び、開口率)をいずれも満たすような構成となっている。このため、従来の被覆ブロックと比べて非常に優れた安定性を獲得するに至っている。以下この点を明らかにすべく、発明者らによる本発明の開発の経緯を説明する。
本発明の発明者らは、「被覆ブロックにおける鉛直方向の安定性を飛躍的に向上させること」を主たるテーマとして新しい被覆ブロックの開発に取り掛かり、まず最初に、従来の被覆ブロック(方塊)を対象として、作用する揚圧力FVの分布(合力ピーク時)について詳細な調査を行った。図3のグラフは、その結果をまとめたものである。
図3のグラフにおいて、縦軸は揚圧力FVの大きさを示し、横軸は、被覆ブロックの岸沖幅寸法Bに対する、距離x(被覆ブロックの岸沖方向についての中心線Cからの距離)の比率を示している。尚、横軸中央の「0.0」は、被覆ブロックの岸沖方向についての中心線C上の位置を、横軸右端の「0.5」は、岸側の端部を、横軸左端の「−0.5」は、沖側の端部をそれぞれ示している。
この調査結果(図3のグラフ)より、岸沖方向についての中心線Cから沖側の端部にかけて、被覆ブロックに作用する揚圧力FVは次第に小さくなること、及び、x/B=0.2〜0.4(岸側)の範囲では、作用する揚圧力FVが極めて大きくなるということが判明した。
この事実を基に、開口部の形成位置と、作用する揚圧力FVとの関係を明らかにすべく、岸沖方向についての中心線Cから開口部の中心位置Oまでの距離を変化させた有孔被覆ブロック(いずれも開口部2箇所、開口率20%)に作用する揚圧力FVを調べた(開口部を有しない被覆ブロック(方塊)との比較)。図4のグラフは、その結果をまとめたものである。
図4のグラフにおいて、縦軸は、有孔被覆ブロックに対する揚圧力FVの大きさについての比較値(開口部を有しない被覆ブロック(方塊)との比)を示し、横軸は、被覆ブロックの岸沖幅寸法Bに対する、距離x(被覆ブロックの岸沖方向についての中心線Cから開口部の中心Oまでの距離)の比率を示している。尚、横軸左端の「0.0」は、被覆ブロックの岸沖方向についての中心線C上の位置を、横軸右端の「0.5」は、岸側の端部を示している。
この結果(図4のグラフ)より、次のような事実が判明した。まず、x/B=0.0の有孔被覆ブロック(開口部の中心Oが中心線C上にある有孔被覆ブロック)の場合、揚圧力FVは、方塊の69%であった(γ=0.86)。有孔被覆ブロックの開口率は20%であり、質量は方塊の80%ということになるから、80%の質量で方塊の場合の1.16倍の設計外力に対して安定性を確保できることになる。
一方、x/B=0.15〜0.4の有孔被覆ブロック(開口部の中心Oが、岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲内にある有孔被覆ブロック)の場合、揚圧力FVは、方塊の50〜60%であった(γ=0.62〜0.75)。この場合、80%の質量で方塊の場合の1.33〜1.60倍の設計外力に対して安定性を確保できることになり、x/B=0.0の有孔被覆ブロック(開口部の中心Oが中心線C上にある有孔被覆ブロック)に比べ、より高い安定性が得られるということが判明した。従って、開口部を形成する場合、中心Oが、岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲となるように設計することが有効であると考えられる。
次に、開口率と、作用する揚圧力FV及び安定性との関係を明らかにすべく、岸沖方向についての中心線Cから開口部の中心位置Oまでの距離xが岸沖幅寸法Bの0.25倍である有孔被覆ブロック(x/B=0.25、開口部2箇所)と、開口部の中心Oが岸沖方向についての中心線C上にある有孔被覆ブロック(x/B=0.0、開口部2箇所)について、作用する揚圧力FVを調べた(開口部を有しない被覆ブロック(方塊)との比較)。図5のグラフは、その結果をまとめたものである。
この結果(図5のグラフ)より、次のような事実が判明した。まず、x/B=0.25の有孔被覆ブロックにおいては、開口率15%のもので、揚圧力FVは方塊の53%となり(γ=0.63)、x/B=0.0の有孔被覆ブロック(開口率=15%)と比較すると、72%となることが判った。また、x/B=0.0の有孔被覆ブロックでは開口率=50%でもγ=0.74であり、開口率=15%のx/B=0.25の有孔被覆ブロックは開口率=50%のx/B=0.0の有孔被覆ブロックよりも安定性が高いことが確認された。従って、開口部を形成する場合には、中心Oが、岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲となる開口部の開口面積(総計)が、被覆ブロックの鉛直投影面積の15〜50%の範囲となるように(特定開口率が15〜50%の範囲となるように)設計することが有効であると考えられる。
尚、必ずしも、被覆ブロックに形成される開口部のすべてについて、「中心Oが、中心線Cから岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲内にある」という条件を満たしている必要はない。「特定開口率15〜50%の範囲」という条件を満たしている限り、「中心Oが、中心線Cから岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲外にある開口部」が形成されていたとしても、そのことによって「鉛直方向についての安定性の向上」という効果が低減してしまうことにはならないからである。
しかしながら、全開口率が60%を超えると、構造強度が成立しないという問題があり、また、α(開口部を設けることによる水平波力の増加割合)がかなり大きくなり、水平方向の安定性が著しく低下してしまうため、全開口率は60%以下とすることが望ましいと考えられる。
以上の通り、本発明の開発過程において発明者らが繰り返し行った試行の結果、(ア)被覆ブロックにおいて開口部を形成する場合、中心Oが、岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.15〜0.4倍の距離の範囲となるように設計することが有効であること、(イ)特定開口率が15〜50%の範囲内となるように設計することが有効であること、(ウ)全開口率が15〜60%の範囲内となるように設計することが有効であること、が判明した。そして、本実施形態の被覆ブロック1は、これら(ア)〜(ウ)の条件をいずれも満たしており、その結果、従来の有孔被覆ブロックと比べ、鉛直方向についての安定性が大きく向上しており、全体として非常に優れた安定性を獲得するに至っている。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は本発明の第2の実施形態に係る被覆ブロック11の平面図であり、図7はその斜視図である。この被覆ブロック11は、図1に示したような、方塊を基本形状とする被覆ブロック1とは異なり、異形ブロックを基本形状とするものであるが、図1の被覆ブロック1と同様に、天端面から底面にかけて貫通した開口部2(2a〜2e)を有している。
全開口部2a〜2eのうち、外側の四つの開口部2a〜2dの中心位置Oはいずれも、被覆ブロック11の岸沖方向についての中心線Cから、岸沖幅寸法Bの0.26倍の距離の位置にあり、被覆ブロック11の鉛直投影面積に対する、これら開口部2a〜2dの開口面積(総和)の割合(特定開口率)は、28.1%となっている。また、中央の開口部2e(中心が、岸沖方向についての中心線C上にある開口部)を含めた全開口部2a〜2eの開口面積(総和)の割合(被覆ブロック11の鉛直投影面積に対する割合)(全開口率)は、32.9%となっている。
この被覆ブロック11も、上記(ア)〜(ウ)の条件をいずれも満たしており、図1の被覆ブロック11と同様に、鉛直方向についての安定性が大きく向上しており、全体として非常に優れた安定性を有している。
本発明に係る被覆ブロックにおける上記のような効果を実証すべく、本発明の発明者らは次のような試験を行った。まず、本発明の実施例として、図1に示したような輪郭形状の(方塊を基本形状とする)ブロックであって、二つの開口部(いずれも、中心が、岸沖方向についての中心線から、岸沖幅寸法の0.25倍の距離の位置にある)を有し、全開口率及び特定開口率が20%である被覆ブロック(本発明1)を用意し、更に、比較例として、図1に示したような輪郭形状のブロックであって、開口部を有しない被覆ブロック(比較例1)と、中心が、岸沖方向についての中心線上にある開口部を一つだけ有するブロックであって、全開口率20%、特定開口率0%の被覆ブロック(比較例2)を用意し、それぞれに作用する揚圧力を測定した。
比較例1についての揚圧力を100とすると、本発明1についての揚圧力の測定結果は50、比較例2についての測定結果は69であった。この試験により、本発明1において、開口部を、その中心が、岸沖方向についての中心線から、岸沖幅寸法の0.15〜0.4倍の距離の範囲となるように設計することにより、及び、特定開口率が20%となるように構成したことにより、作用する揚圧力を比較例2よりも更に小さくすることができ、それだけ高い安定性を有している、ということが実証された。
次に、本発明の実施例として、図6に示したような輪郭形状の(異形ブロックを基本形状とする)ブロックであって、四つの開口部(いずれも、中心が、岸沖方向についての中心線から、岸沖幅寸法の0.26倍の距離の位置にある)を有し、全開口率及び特定開口率が20%である被覆ブロック(本発明2)を用意し、更に、比較例として、図2に示したような輪郭形状のブロックであって、開口部を有しない被覆ブロック(比較例3)と、五つの開口部を有し、全開口率20%、特定開口率11.5%の被覆ブロック(比較例4)を用意し、それぞれに作用する揚圧力を測定した。
比較例3についての揚圧力を100とすると、本発明2についての揚圧力の測定結果は60、比較例4についての測定結果は71であった。この試験により、本発明2において、開口部を、その中心が、岸沖方向についての中心線から、岸沖幅寸法の0.15〜0.4倍の距離の範囲となるように設計することにより、及び、特定開口率が20%となるように構成したことにより、作用する揚圧力を比較例4よりも更に小さくすることができ、それだけ高い安定性を有している、ということが実証された。
本発明の第1の実施形態に係る被覆ブロック1の平面図。 図1の被覆ブロック1の斜視図。 従来の被覆ブロック(方塊)に作用する揚圧力FVの分布(合力ピーク時)を示すグラフ。 中心線Cから中心位置Oまでの距離が異なる有孔被覆ブロックのそれぞれに作用する揚圧力FVを調べた結果を示すグラフ。 開口率が異なる有孔被覆ブロックのそれぞれに作用する揚圧力FVを調べた結果を示すグラフ。 本発明の第2の実施形態に係る被覆ブロック11の平面図。 図6の被覆ブロック11の斜視図。 従来の被覆ブロック31(方塊)に作用する外力を模式的に示す図。 従来の被覆ブロック41(有孔被覆ブロック)に作用する外力を模式的に示す図。
符号の説明
1,11,31,41:被覆ブロック、
2,2a〜2e:開口部、
32:マウンド

Claims (3)

  1. 天端面から底面にかけて貫通した開口部を2つ以上有する被覆ブロックであって、
    前記開口部のうち2つ以上の開口部において、その中心位置が、据え付けた際の岸沖方向についての中心線から、岸沖幅寸法の0.15〜0.4倍の距離の範囲内にあることを特徴とする被覆ブロック。
  2. 特定開口率が15〜50%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載の被覆ブロック。
  3. 全開口率が15〜60%の範囲内にあることを特徴とする、請求項2に記載の被覆ブロック。
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