JP2007100146A - 耐応力緩和特性の異方性を低減したCu−Ni−Sn−P系銅合金および製造法 - Google Patents

耐応力緩和特性の異方性を低減したCu−Ni−Sn−P系銅合金および製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】Cu−Ni−Sn−P系銅合金において、強度、導電性、曲げ加工性等の基本特性を高く維持したまま、耐応力緩和特性の異方性を軽減したものを提供する。
【解決手段】 質量%でNi:0.3〜1.5%、Sn:0.6〜2.0%、P:0.03〜0.2%、残部実質的にCuの組成を有し、下記(A)の熱処理を少なくとも1回以上行うことによって得られる組織を呈し、T方向とL方向の応力緩和率の差|XT−XL|が3%以下である銅合金。
(A)450〜600℃の再結晶状態から300℃以下の温度域まで、450〜300℃の平均冷却速度が100℃/h以下となるように徐冷することにより、その冷却過程において析出物を生成させる熱処理。
【選択図】なし

Description

本発明は、コネクタ、リレー、スイッチ、ソケット等の電気・電子部品に適したCu−Ni−Sn−P系銅合金およびその製造法に関する。
近年のエレクトロニクスの発達により、電気・電子機器の電気配線は複雑化・高集積化が進み、コネクタ等の通電部品には小型化、軽量化、高信頼性化、低コスト化の要求が高まっている。それに伴いコネクタ等の部品に使用される素材は、従来にも増して薄肉化され、かつ複雑な形状にプレス成形されるようになっている。このため素材特性としては強度(引張強さ、0.2%耐力)、曲げ加工性、導電性およびプレス成形性のすべてが良好でなければならない。さらに、自動車用のメス端子等においてはエンジンルーム近傍の高温環境下で使用されることが多くなっており、高温環境下においても機械的特性の経時変化が少なくなるように耐応力緩和特性に優れることも重要である。
これらの各特性を比較的バランス良く実現しやすい素材としてCu−Ni−Sn−P系銅合金が挙げられる。この合金はNi−P系の析出物を微細分散させることで各種特性の改善を図ることができ、これまでに電気・電子部品用に適したものが種々開発されている(特許文献1〜8)。
特開平4−154942号公報 特開平4−236736号公報 特開平10−226835号公報 特開2000−129377号公報 特開2000−256814号公報 特開2001−262255号公報 特開2001−262297号公報 特開2002−294368号公報
昨今では、通電部品の薄肉化・小型化の要求に加え、信頼性に対する要求と、複雑形状のものが容易に作れること、すなわち部品の設計自由度の向上に対する要求が一層厳しいものになってきた。その要求に応えるための素材特性としては、強度、曲げ加工性、耐応力緩和特性等が単に良好であるだけではなく、さらに、耐応力緩和特性の異方性に優れることが重要であることが発明者らの検討により明らかになってきた。また、縦弾性係数が高いと、例えばメス端子ばね部を構成する部材では、オス端子挿入時のわずかな変位量の違いによって接触部に加わる接圧に大きな変化が生じてしまうなど、安定した接触性を再現性良く実現することが難しくなるので、縦弾性係数は低いことが望まれる。
一般に耐応力緩和特性は圧延方向に対して平行方向(L方向)と直角方向(T方向)とで差が生じやすい。この差すなわち「異方性」は、特に高温環境で使用される部品において、経時的に機械的特性の部品内アンバランスを引き起こす要因になる。したがって電気・電子部品の性能を長期にわたり安定に保つには、耐応力緩和特性の異方性を軽減することが極めて有効になる。しかし、通電部品に適した各種基本特性を具備するCu−Ni−Sn−P系銅合金においてその点を十分改善したものは未だ出現していない。
本発明は、Cu−Ni−Sn−P系銅合金において、この系の合金が本来有する諸特性を高レベルに維持し、かつ縦弾性係数の過度の上昇を抑えながら、耐応力緩和特性の異方性を軽減したものを提供しようというものである。
発明者らは詳細な研究の結果、再結晶状態からの冷却を「徐冷」とし、その冷却過程で析出物を生成させる熱処理を施すことによって、粒界近傍にNi−P系析出物が十分に析出した組織状態が得られ、それによって耐応力緩和特性の異方性が軽減されることを見出した。その際、強度、導電性、加工性等の基本特性も高く維持され、かつ縦弾性係数の低いものが得られる。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明では、質量%でNi:0.3〜1.5%、Sn:0.6〜2.0%、P:0.03〜0.2%、残部実質的にCuの組成を有し、例えば下記(A)の熱処理を少なくとも1回行うことによって得られる組織を呈する、耐応力緩和特性の異方性を低減したCu−Ni−Sn−P系銅合金が提供される。その組織状態は例えば粒界近傍の析出密度が粒内中央部よりも高くなっているものである。
(A)450〜600℃の再結晶状態から300℃以下の温度域まで、450〜300℃の平均冷却速度が100℃/h以下となるように徐冷することにより、その冷却過程において析出物を生成させる熱処理。
この銅合金は特に、圧延方向に対し直角方向の応力緩和率XTが10%以下で、かつ圧延方向に対し平行方向の応力緩和率XL(%)と前記XT(%)とが下記(1)式の関係を満たすものである。
|XT−XL|≦3 ……(1)
ここで、「残部実質的にCu」とは、残部にはCuの他、本発明の効果を阻害しない範囲で上記規定以外の元素の混入が許容されることを意味し、「残部がCuおよび不可避的不純物からなる」場合を含む。粒界近傍の析出物や粒内中央部(粒界から概ね200nm以上離れた部分)の析出物は、粒径が例えば50nm以下といった微細なものであり、透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察することができる。析出物密度はTEMにより観察される析出物の面積率によって判断できる。圧延方向に対し直角方向(T方向)の応力緩和率XTおよび圧延方向に対し平行方向(L方向)の応力緩和率XLは、長手方向がそれぞれT方向およびL方向の試験片を用いて、後述の実施例で示す方法により測定した値が採用される。
上記において、さらにZn:5%以下を含む組成を有する組成のものが提供される。また、マトリクス中の固溶Ni濃度が1.0質量%以下であるもの、あるいはさらに圧延方向に対し直角方向の縦弾性係数ETが140kN/mm2以下のものが好適な対象となる。
本発明によれば、従来からコネクタ等の通電部品用素材として実績のあるCu−Ni−Sn−P系銅合金において、Ni−P系析出物の析出形態を工夫することにより耐応力緩和特性の異方性を顕著に低減したものが提供された。耐応力緩和特性の異方性の軽減は、自動車用通電部品等、高温環境で使用される電気・電子部品において機械的特性バランスの長期にわたる安定性をもたらす。また、このNi−P系析出物の析出形態は強度への寄与が高められていることから、仕上冷間圧延を過度に行う必要がなく、強加工−焼鈍などにより結晶粒を過度に微細化する必要もないので、強度、曲げ加工性等の通電部品素材に要求される基本特性も高レベルで維持することが容易になる。導電性に関しては、再結晶目的の焼鈍に時効処理を兼ねさせるという、従来一般的に行われている工程で製造する場合よりも向上する。さらに、縦弾性係数も低く抑えられ、コネクタの接触部における接圧を安定して確保できる。
本発明では、Cu−Ni−Sn−P系銅合金において、再結晶状態から徐冷する過程でNi−P系析出物を生成させることにより、粒界近傍に十分な量の析出物を存在させた組織状態を作り出し、その特異な組織によって耐応力緩和特性の異方性を低減させる作用を発揮させる。そのメカニズムについては不明な点も多いが、以下のように考えられる。
後述する組成のCu−Ni−Sn−P系銅合金を加熱して再結晶化した組織状態とする。具体的には450〜600℃の温度域に例えば30〜60min保持する。この温度域で再結晶化している組織は転位密度が非常に低くなっている。また、この温度域でNi−P系析出物は存在するが、NiおよびPはマトリクス中にまだ過剰に固溶している。この状態から徐冷していくと、温度低下に伴うNi、Pの固溶限の減少を駆動力としてNi−P系析出物の新たな析出が始まる。その際、マトリクス中の転位密度が低いために析出物はマトリクス中よりも粒界近傍で多く生成することになる。また、転位密度が低いことに加え、冷却過程の低温域で析出が生じるため析出物の凝集、粗大化が起こりにくく、結果的にマトリクスとの整合性が高い析出物が得られる。
このようにして特に粒界近傍に多く生じた新たな析出物は、部品に加工された後に高温環境で使用された際に、粒界拡散に対する大きな抵抗力を生み出し、これが耐応力緩和特性の向上作用をもたらす。一般にこの合金系では圧延方向に対し平行方向(L方向)よりも直角方向(T方向)の方が耐応力緩和特性は悪くなりやすい(=応力緩和率が大きくなりやすい)が、粒界拡散に対する抵抗力は、特にT方向の応力緩和率に対する影響が大きい。したがって、粒界拡散に対する抵抗力が増大されることにより、T方向においても非常に良好な耐応力緩和特性が得られ、その結果、耐応力緩和特性の異方性が低減される。また、析出物はマトリクスとの整合性が高いことにより、強度レベルも向上する。さらに、冷却過程で新たな析出を生じさせることによってマトリクス中のNi濃度が減少し、導電率の向上や縦弾性係数の低減がもたらされる。
このような析出形態を有する組織状態を得るために、本発明では以下に示す合金組成が採用される。
〔Ni〕
Niは、Pと共添することにより本発明で重要な役割を担うNi−P系析出物を形成する。また、固溶したNiは単体で、あるいは固溶したSnとの相互作用により、強度(ばね性)、耐応力緩和特性の向上をもたらす。これらの作用は0.3質量%以上のNi含有により発揮される。しかし、Ni含有量が多くなりすぎると導電性が低下するだけでなく、Ni−P系析出物を析出させた後もマトリクス中に固溶状態として残るNi量が多くなってしまい、縦弾性係数の上昇を招く。このような理由からNi含有量は0.3〜1.5質量%の範囲にコントロールする必要があり、0.5〜1.2質量%とすることがより好ましい。
〔Sn〕
Snはマトリクス中に固溶し、強度の向上に大きく寄与する他、耐応力緩和特性の向上にも有効である。またSnの添加は縦弾性係数の低減にも寄与する。これらの作用を十分発揮させるには0.6質量%以上のSn含有量を確保することが望ましい。しかし、Sn含有量が多くなりすぎると導電性の低下、熱間加工性の低下を招く。このためSn含有量は0.6〜2.0質量%に規定される。0.8〜1.9質量%とすることがより好ましく、1.0〜1.8質量%が一層好ましい。
〔P〕
Pは、上記NiとともにNi−P系析出物を形成し、前述の諸特性の向上に寄与する。またPは溶解・鋳造時の脱酸剤として働き、溶湯の酸素濃度低下、耐水素脆化性の向上に寄与する。これらの作用を有効に発揮させるためには0.03質量%以上のP含有量が必要である。0.03質量%未満ではNi−P系析出物の生成量が不十分となり、その効果を十分に得ることができず、また耐応力緩和特性の異方性を十分低減することが難しくなる。一方、P含有量が0.2質量%を超えると鋳造や熱間圧延の工程で割れが生じやすくなる。このためP含有量は0.03〜0.2質量%とする必要があり、0.05〜0.15質量%とすることがより好ましく、0.07〜0.12質量%が一層好ましい。
〔Zn〕
Znは、Cu−Ni−Sn−P系銅合金において、機械的特性、導電性、耐応力緩和特性を損なうことなくはんだ耐候性、めっき密着性等を向上させる作用を有し、縦弾性係数の低減にも有効であるため、必要に応じてZnを含有させることができる。ただし、多量のZn含有は導電性の低下や耐応力腐食割れ性の低下を招く要因になる。このためZnを含有させる場合はその含有量を5質量%以下とする必要があり、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下の範囲に規制することもできる。
〔その他〕
その他の元素として、必要に応じてFe、Mn、Co、MgをNiに置換する形で含有させることができる。
Fe、Mn、Coの添加は、添加したFe、Mn、CoがPとの間で金属間化合物をつくり、場合によってはNiも含めた3元化合物を形成する。これらの化合物は耐熱性、強度の向上に利用することができるが、本発明で必要なNi−P系析出物と生成温度が異なるため過度の添加を行った場合、より高温での再結晶焼鈍が必要となり、析出物の凝集、粗大化を招き、本発明の効果を損なうこととなる。Fe、Mn、Coの添加量はいずれも0.3質量%以下とする必要があり、0.15質量%以下が一層好ましい。置換量としては原子%に換算した含有量において、これらFe、Mn、Coの合計含有量がNi含有量を超えないようにすることが望ましい。
Mgは、Niと置換する形で添加することにより、耐食性の改善や耐応力緩和特性の向上を図ることができる。しかし、多量に添加すると曲げ加工性が低下するので、Mgを添加する場合は0.15質量%以下の範囲で行う。
〔製造工程〕
本発明の銅合金の製造方法としては、大きくは従来一般的なCu−Ni−Sn−P系銅合金の製造工程が採用できるが、焼鈍工程を後述のように工夫する必要がある。代表的な製造工程は次のようなものである。
溶解・鋳造→熱間圧延→冷間圧延→焼鈍→冷間圧延→低温焼鈍
途中の「冷間圧延→焼鈍」は必要に応じて複数回行うことができる。熱間圧延の後には一般的には面削が行われる。また、焼鈍後には適宜酸洗や研磨が行われ、必要に応じて脱脂が行われる。
〔熱処理〕
本発明の銅合金は、いずれかの焼鈍工程で、析出形態をコントロールする熱処理を行うことによって製造される。
すなわち、再結晶化を行わせる焼鈍工程を利用して、450〜600℃の再結晶状態から300℃以下の温度域まで、450〜300℃の平均冷却速度が100℃/h以下となるように徐冷することにより、その冷却過程において析出物を生成させる熱処理を行う。450〜600℃の温度域には30〜600min程度保持することが望ましい。
加熱温度が低すぎると再結晶化しないか再結晶化に非常に長時間を要するので好ましくない。逆に加熱温度が高すぎると結晶粒の粗大化やNi−P系析出物の粗大化を招きやすい。そのため、450〜600℃に加熱することが望ましく、475〜575℃に加熱することが望ましい。また、450〜300℃の冷却速度が100℃/hより大きいと冷却過程で新たな析出物を十分に生成させることが難しくなる。冷却速度のコントロールは、例えば炉中において100℃/h以下の冷却速度を維持しながら450〜600℃の加熱温度から300℃以下まで冷却する方法で行えばよい。あまり冷却速度を遅くすると生産性が低下するので、概ね450〜300℃は25〜100℃/h程度とすることが望ましい。また、転位密度の低い再結晶組織においては300℃未満の温度でNi−P系析出物の析出を促すことは難しいので、300を下回る温度域を徐冷する必然性は乏しい。このため、徐冷により300℃以下の温度域に到達したのちは常温まで速やかに冷却することが生産性の面から好ましい。
この熱処理は、製造工程の中で1回行えばよい。複数回行っても構わないが、徐冷を伴うため一般には生産性が低下する。100℃/h以上の徐冷を連続焼鈍で行うことは困難であるため、この熱処理はバッチ式の焼鈍炉を用いた再結晶焼鈍工程を利用して行う。
この熱処理を行った後にも再結晶を伴う焼鈍を行うことができる。その条件としては、650℃以上での加熱時間を60sec以下、好ましくは30sec以下とし、その後、急冷(水冷など)する条件が好ましい。昇温過程でも急速に温度を立ち上げることが望ましい。このような条件の熱処理は連続焼鈍ラインを通板することによって行える。この条件であれば、先に形成された組織状態が維持され、本発明の効果は損なわれない。
上記の焼鈍後に、必要に応じて酸洗工程を経た後に仕上圧延を行う。仕上の圧下率は、要求される機械特性に応じて任意に選択することができるが、過度の圧下を施すことは機械特性の異方性を増大させるのみならず、曲げ加工性を著しく損なう結果となる。そのため、仕上の圧下率としては80%以下であることが望ましく、70%以下が一層好ましい。
また、最終焼鈍として歪取りを主目的とした低温焼鈍を行うことが望ましい。その条件としては例えば250〜550℃×1〜100secとする条件が採用でき、300〜500℃×1〜30secとすることが一層好ましい。
〔耐応力緩和特性〕
自動車等に使用されるコネクタ等の部品用途を考慮したとき、T方向の応力緩和率XTが10%以下であり、かつ耐応力緩和特性の異方性に関して、T方向の応力緩和率XT(%)とL方向の応力緩和率XL(%)とが下記(1)式の関係を満たすことが望ましい。
|XT−XL|≦3 ……(1)
このとき、自動車エンジンルーム近傍の高温環境で使用される電気・電子部品において、長期間安定した性能が維持され、信頼性が飛躍的に向上する。もしT方向の応力緩和率XTが10%以下であっても(1)式を外れて異方性が大きい場合は、部品特性にアンバランスを生じ、比較的早期に部品性能の低下が起こりやすい。(1)式に代えて下記(1)’式を満たすような銅合金が一層好適な対象となる。
|XT−XL|≦2.5 ……(1)’
なお、T方向の応力緩和率XTは8%以下であることが好ましく、7%以下が一層好ましい。
〔マトリクスの固溶Ni濃度〕
マトリクス中の固溶Ni濃度は1.0質量%以下であることが望ましい。固溶Niがこれより多いと縦弾性係数が高くなりすぎ、好ましくないことがわかった。また導電性の低下も大きくなる。ここで、マトリクス中のNi濃度は、例えばTEM−EDSなどで第二相を含まないCuマトリクスの部分のみにビームを当てることによって得られる元素分析値から知ることができる。
〔縦弾性係数〕
縦弾性係数は、前述のように、コネクタの差し込み部等における接触性を安定して良好に維持するために低いことが望ましい。発明者らの検討によれば、例えばメス端子ばね部を構成する部材における安定した接触性を考慮したとき、T方向の縦弾性係数ETが140kN/mm2以下であることが効果的である。
表1に示す組成の銅合金を溶解、鋳造し、30×50×200mmの鋳片を得た。得られた各鋳片を約850℃にて厚さ10mmまで熱間圧延した。熱間圧延終了温度は700℃以上とし、熱間圧延後は直ちに水冷した。その後、面削を行った後、下記の工程A〜Dにより、最終的に仕上加工率60%で幅50mm、厚さ0.2mmの板材を作製した。工程AおよびCが本発明の対象となる製造工程、工程BおよびDが本発明の適正条件を外れる製造工程である。なお、焼鈍後には酸洗、研磨、必要に応じて脱脂を施したが、下記において酸洗、研磨、脱脂の工程は省略してある。
〔工程A〕
→冷間圧延(板厚0.5mm)→焼鈍(550℃×2h保持後、250℃まで50℃/hで冷却)→冷間圧延(板厚0.2mm)→低温焼鈍(300℃×5〜30sec)
〔工程B〕
→冷間圧延(板厚0.5mm)→焼鈍(550℃×2h保持後、水冷)→冷間圧延(板厚0.2mm)→低温焼鈍(300℃×5〜30sec)
〔工程C〕
→冷間圧延(板厚2.0mm)→焼鈍(550℃×2h保持後、250℃まで50℃/hで冷却)→冷間圧延(板厚0.5mm)→連続焼鈍(600℃×20〜50sec)→冷間圧延(板厚0.2mm)→低温焼鈍(300℃×5〜30sec)
〔工程D〕
→冷間圧延(板厚2.0mm)→焼鈍(550℃×2h保持後、250℃まで50℃/hで冷却)→冷間圧延(板厚0.5mm)→連続焼鈍(650℃×70〜90sec)→冷間圧延(板厚0.2mm)→低温焼鈍(300℃×5〜30sec)
製造性を確認するため、熱間圧延終了時の板材について目視観察により割れの有無を確認し、割れが認められないか、軽微であるため製造上問題ないものを○(良好)、割れがひどく後工程へ進めるのが困難なものを×(不良)と評価した。また、最終的に得られた板材(以下「供試材」という)について導電率、マトリクス中の固溶Ni濃度、引張強さ、応力緩和率、縦弾性係数、曲げ加工性を調べた。試験方法は以下のようにした。
〔導電率〕
JIS H0505に規定される方法で測定した。
〔マトリクス中の固溶Ni濃度〕
TEM−EDS(透過型電子顕微鏡)を用い、50000倍の倍率で試料のCuマトリクスの部分に選択的に電子ビームを照射し、第二相からの情報を拾わないように配慮して定量分析を行った。分析に際しては、加速電圧を200kV、スポットサイズを5nmとした。
〔引張強さ〕
JIS 5号試験片を用いて圧延方向に平行方向(L方向)の引張試験をJIS Z2241に準拠して行うことにより求めた。
〔応力緩和率〕
応力緩和率の測定方法を図1に示す。供試材から幅10mm、長さ150mmの試験片(その長手方向がT方向のものとL方向のもの)を切り出し、それぞれの方向の試験片について、最大曲げ応力が400N/mm2となるようにアーチ曲げした状態で固定し、大気中150℃で1000時間保持した後の曲げ癖を応力緩和率として次式により算出した。
応力緩和率(%)=(L1−L2)/(L1−L0)×100
ただし、L0:治具の長さ(mm)
1:試験開始時の試料長さ(mm)
2:試験後の試料端間の水平距離(mm)
T方向の応力緩和率XT(%)とL方向の応力緩和率XL(%)の値から、その差の絶対値|XT−XL|を求めた。|XT−XL|が≦3であれば極めて異方性が小さいと言える。なお、いずれの供試材においても(XT−XL)は正の値であった。
〔縦弾性係数〕
JIS 5号試験片を用いて圧延方向に直角方向(T方向)の引張試験をJIS Z2241に準拠して行うことにより求めた。
〔曲げ加工性〕
曲げ軸がL方向となるように10mm×40mmの試験片を用いてCESM002(通信機械工業会 技術標準の規格)に準じた90°W曲げ試験(試験荷重1.5Ton、R=0.2mm)を行行い、曲げ試験後の試験片を樹脂に埋め、曲げ軸に垂直な断面を光学顕微鏡で観察し、割れが見られなかったものを○(良好)、割れが見られたものを×(不良)と評価した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2007100146
表1からわかるように、再結晶化した状態から徐冷過程で新たな析出物を生成させた本発明例の供試材はいずれもT方向の応力緩和率XTが10%以下を十分に満たし、かつ耐応力緩和特性の異方性|XT−XL|も3%以内と極めて良好であった。縦弾性係数は140kN/mm2以下と低く、他の諸特性についても満足できる高い値が維持された。
これに対し、比較例であるNo.10はP含有量が高く、No.12はSn含有量が高いため、熱間圧延割れが生じ、以降の工程に進むことが困難であった。No.11およびNo.20はP含有量が少ないことによりNi−P系析出物の総量が少なくなり、耐応力緩和特性の異方性を十分に抑制することができていない。No.13およびNo.19はNi含有量が高いことにより、耐応力緩和特性には優れるものの、固溶Ni量が多くなり、縦弾性係数が140kN/mm2を大きく上回った。No.14〜16は一般的な再結晶化焼鈍を行って、冷却過程で新たな析出物を生成させなかったものであり、耐応力緩和特性の異方性が大きかった。No.21およびNo.22では、徐冷過程で新たな析出物を生成させた後に行う再結晶化焼鈍で650℃での保持時間が長かったためNi−P系析出物の再固溶が起きてしまい、望ましい組織状態が失われ、その結果耐応力緩和特性の異方性が大きくなった。
応力緩和率の測定方法を示した図。

Claims (8)

  1. 質量%でNi:0.3〜1.5%、Sn:0.6〜2.0%、P:0.03〜0.2%、残部実質的にCuの組成を有し、下記(A)の熱処理を少なくとも1回以上行うことによって得られる組織を呈する銅合金。
    (A)450〜600℃の再結晶状態から300℃以下の温度域まで、450〜300℃の平均冷却速度が100℃/h以下となるように徐冷することにより、その冷却過程において析出物を生成させる熱処理。
  2. 質量%でNi:0.3〜1.5%、Sn:0.6〜2.0%、P:0.03〜0.2%、残部実質的にCuの組成を有し、圧延方向に対し直角方向の応力緩和率XTが10%以下で、かつ圧延方向に対し平行方向の応力緩和率XL(%)と前記XT(%)とが下記(1)式の関係を満たす銅合金。
    |XT−XL|≦3 ……(1)
  3. 質量%でNi:0.3〜1.5%、Sn:0.6〜2.0%、P:0.03〜0.2%、残部実質的にCuの組成を有し、下記(A)の熱処理を少なくとも1回以上行うことによって得られる組織を呈し、圧延方向に対し直角方向の応力緩和率XTが10%以下で、かつ前記XT(%)と圧延方向に対し平行方向の応力緩和率XL(%)とが下記(1)式の関係を満たす銅合金。
    (A)450〜600℃の再結晶状態から300℃以下の温度域まで、450〜300℃の平均冷却速度が100℃/h以下となるように徐冷することにより、その冷却過程において析出物を生成させる熱処理。
    |XT−XL|≦3 ……(1)
  4. さらにZn:5%以下を含む組成を有する請求項1〜3に記載の銅合金。
  5. マトリクス中の固溶Ni濃度が1.0質量%以下である請求項1〜4に記載の銅合金。
  6. 圧延方向に対し直角方向の縦弾性係数ETが140kN/mm2以下である請求項1〜5に記載の銅合金。
  7. 質量%でNi:0.3〜1.5%、Sn:0.6〜2.0%、P:0.03〜0.2%、残部実質的にCuの組成を有する銅合金の製造過程において、下記(A)の再結晶化を伴う熱処理を少なくとも1回以上施すことを特徴とする銅合金の製造法。
    (A)450〜600℃の再結晶状態から300℃以下の温度域まで、450〜300℃の平均冷却速度が100℃/h以下となるように徐冷することにより、その冷却過程において析出物を生成させる熱処理。
  8. 銅合金は、さらにZn:5%以下を含む組成を有するものである請求項7に記載の銅合金の製造法。
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