JP2007098876A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】シリアル型インクジェットプリンタにおいて、キャリッジモータの駆動制御のための位置、速度情報などを得るために用いるリニアスケールの汚れに起因して検出不良となることを防止すること。
【解決手段】ロール紙プリンタ1では、インクジェットヘッド11が搭載されているキャリッジ18がDCモータからなるキャリッジモータ21によって駆動され、駆動制御のためにキャリッジ18の近傍にリニアスケール30が配置されている。キャリッジ18には、リニアスケール30のスリットパターンが形成されている表面30aに接触した状態で、インク吸収性素材からなるワイパー32が搭載されている。キャリッジ18の移動に伴ってワイパー32がリニアスケール30の表面30aを払拭し、その汚れを除去する。
【選択図】図5

Description

本発明は、印字幅方向にインクジェットヘッドを移動させながら印字を行うシリアル型のインクジェットプリンタに関し、特に、インクジェットヘッドを移動させるためにサーボ制御が用いられているインクジェットプリンタに関するものである。
シリアル型のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドが搭載されたキャリッジを印字幅方向に往復移動させながら記録紙に印字が行われ、キャリッジを移動させるためのモータとしてDCモータが用いられる場合には、その回転方向および回転位置を検出するために、印字幅方向に沿ってリニアスケールが配置される。リニアスケールには透過型あるいは反射型の複数のスリット列が形成されており、キャリッジに搭載されているホトセンサによってスリット列を読み取ることにより、例えば、90度位相のずれたA相およびB相信号が生成され、これらに基づき、キャリッジの移動方向および移動速度、すなわち、DCモータの回転方向、回転速度などの回転状態が検出される。検出結果に基づきDCモータがフィードバック制御され、キャリッジに搭載されているインクジェットヘッドの移動が制御されるようになっている。特許文献1には、リニアスケールを用いてフィードバック制御されるDCモータからなるキャリッジモータを備えたインクジェットプリンタが開示されている。
特開2004−142341号公報
ここで、インクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドのノズルから吐出したインク液滴が記録紙に着弾してそこに付着して印字ドットを形成するが、ノズルから吐出されたインク液滴の一部はインクミストとなって記録紙に付着せずに周囲に飛散する。リニアスケールは、キャリッジの移動経路の近傍、すなわち、そこに搭載されているインクジェットヘッドの近傍に配置される。したがって、インクジェットヘッドのノズルから発生して周囲に飛散したインクミストがリニアスケールの表面に付着する可能性がある。
リニアスケールの表面がインクミストで汚れると、そこに形成されているスリットパターンをホトセンサによって正確に読み取ることが出来なくなる可能性がある。このような検出不良が発生すると、ホトセンサ出力から生成される各相のエンコードパルス信号のパルス数、パルス間隔が、実際のキャリッジに移動量あるいは移動速度に対応しなくなり、キャリッジモータの制御精度が低下し、印字品質の低下を招く。勿論、インクミスト以外の異物、例えば紙粉がリニアスケールの表面に付着した場合にも同様な弊害が発生するおそれがある。
特に、ロール紙プリンタなどのような小型のインクジェットプリンタにおいては、狭いスペース内にインクジェットヘッド、リニアスケールなどの部品が組み付けられる。したがって、このようなリニアスケールの汚れが発生しやすい。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、インクミストなどの汚れに起因したリニアスケールの検出不良を防止可能な機構を備えたインクジェットプリンタを提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドと、このインクジェットヘッドを印字幅方向に移動させるための駆動源として用いるモータと、このモータの回転速度および回転方向を検出するために、前記印字幅方向に配置したリニアスケールと、このリニアスケールに付着した異物を除去するための異物除去部材とを有していることを特徴としている。
前記異物除去部材は前記リニアスケールの表面に接触した状態で前記印字幅方向に移動可能なものとすることができる。
異物除去部材によって定期的に、あるいは必要に応じて、リニアスケールの表面に付着した異物を除去すれば、インクミストなどの汚れに起因するリニアスケールの検出不良を防止できる。
ここで、一般的には、前記インクジェットヘッドはキャリッジに搭載され、このキャリッジが前記モータによって前記印字幅方向に移動するように構成される。
この場合には、前記異物除去部材を、前記キャリッジによって前記印字幅方向に移動させるようにすればよい。
例えば、前記異物除去部材を前記キャリッジに搭載しておけばよい。あるいは、必要に応じて、キャリッジに連結させ、キャリッジによって印字幅方向に移動させ、再び元の位置に戻すようにしてもよい。
リニアスケールの汚れの主な原因はインクミストであるので、前記異物除去部材としてはインク吸収性のある素材から形成されたものを用いることが望ましい。
以上説明したように、本発明のインクジェットプリンタでは、リニアスケールに付着した異物を除去するための異物除去部材を有しているので、当該異物除去部材を定期的に、あるいは必要に応じて用いてリニアスケールの汚れを除去することにより、リニアスケールの検出不良を確実に防止できる。よって、本発明によれば、インクジェットヘッドを移動させるためのモータの制御精度の低下を防止できるので、良好な印字品質を保持できる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したシリアル型のインクジェットプリンタの実施の形態を説明する。
図1は本発明を適用したロール紙プリンタの外観斜視図であり、図2はその開閉蓋を全開した状態の外観斜視図である。ロール紙プリンタ1は、全体としてほぼ直方体形状をした外装ケース1aを備えており、その前面には所定幅の記録紙排出口2が形成されている。記録紙排出口2の下側には排紙ガイド3が前方に突出しており、当該排紙ガイド3の側方には蓋開閉レバー4が配置されている。外装ケース1aにおける排紙ガイド3および蓋開閉レバー4の下側には矩形の開口部1bが形成されており、この開口部1bは前方に開けることのできる開閉蓋5で封鎖されている。蓋開閉レバー4を操作して不図示の蓋ロック機構を解除して、排紙ガイド3を前方に引くと、図2に示すように、開閉蓋5が下端部を中心として前方にほぼ水平となるまで開く。開閉蓋5を開くと、プリンタ内部に形成されているロール紙収納部6が開放状態となり、プリンタ前方からロール紙の交換作業などを行うことができる。
図3はロール紙プリンタ1の内部構造を示す概略縦断面図であり、外装ケース1aを取り外した状態で示してある。図4は図3の矢印IVの方向から見た場合の平面図である。プリンタ内部に形成されているロール紙収納部6は、ロール紙7を転動可能な状態で保持するロール紙ホルダ8を備えている。ロール紙収納部6の上方における後側の部位にはプリンタ前後方向に水平に記録紙ガイド9が配置されている。記録紙ガイド9の前側には、一段高い位置においてプリンタ前後方向に水平に、プラテンガイド10が配置されている。プラテンガイド10の真上には、インクジェットヘッド11が配置されている。インクジェットヘッド11のノズル面11aは、プラテンガイド10の上面10aに対して一定のギャップで対峙しており、当該上面10aによって印字位置が規定されている。
印字位置を規定しているプラテンガイド10と、記録紙ガイド9との間には、第1紙送りローラ12がプリンタ幅方向に水平に架け渡されている。第1紙送りローラ12には下側から所定幅の第1紙押さえローラ13が所定の押圧力で押し付けられている。第1紙押さえローラ13は、ベルト・プーリ式の伝達機構14を介して紙送りモータ15によって駆動される(図4参照)。プラテンガイド10における前端側の部位には、第2紙送りローラ16が配置されている。第2紙送りローラ16には、上側から第2紙押さえローラ17が押し付けられている。
次に、図4から分かるように、インクジェットヘッド11はキャリッジ18に搭載されており、キャリッジ18は、プリンタ幅方向に水平に延びるキャリッジガイド19に沿ってプリンタ幅方向(印字幅方向)に移動可能な状態で支持されている。キャリッジ18はプリンタ幅方向に架け渡したタイミングベルト20に連結されており、タイミングベルト20はキャリッジモータ21によって駆動される。キャリッジモータ21を駆動すると、キャリッジ18に搭載されているインクジェットヘッド11がプリンタ幅方向に移動し、この移動に同期してインクジェットヘッド11が駆動されて、ロール紙7から繰り出されて印字位置を通過する記録紙7aの表面に印字が行われる。
なお、キャリッジ18にはフレキシブルプリント配線基板29の一端が接続されており、ここを介して、インクジェットヘッド11への給電などが行われる。また、インクジェットヘッド11には、ロール紙収納部6の側方に配置されているインクカートリッジ収納部に収納されているインクカートリッジからインクチューブを介してインクが供給されるようになっている。図においては、これらのインク供給系を省略してある。
一方、図3に示すように、記録紙排出口2には、鋏式の記録紙切断装置22が配置されている。記録紙切断装置22の固定刃23は上向き状態で垂直に配置されており、その可動刃24は下向きで垂直に配置されている。可動刃駆動機構25によって可動刃24がプリンタ幅方向の一方の端を支点として上下方向に旋回すると、固定刃23との接触点がプリンタ幅方向に移動して、これらの間に位置する記録紙7aを幅方向に切断できる。
このように構成されているロール紙プリンタ1では、図3において太い一点鎖線で示すように、ロール紙収納部6に収納されているロール紙7から引き出された記録紙7aが、記録紙ガイド9によってガイドされ、第1紙送りローラ12および第1紙押さえローラ13の間からプラテンガイド10の上面10a(印字位置)を経由して第2紙送りローラ16および第2紙押さえローラ17の間を通って記録紙排出口2から外部に引き出された状態にセットされる。
この状態で第1紙送りローラ12および第2紙送りローラ16が回転すると、記録紙7aの搬送が開始される。記録紙7aの搬送に同期させてインクジェットヘッド11が駆動され、印字位置を通過する記録紙7aの表面に印字が行われる。例えば、印字後の記録紙7aが記録紙排出口2から排出された状態で搬送が停止し、記録紙切断装置22によって記録紙7aが切断され、所定長さのレシートとして印刷済みの記録紙片が発行される。
ここで、本例のキャリッジモータ21はDCモータが用いられており、そのサーボ駆動制御のための回転位置、回転速度などを検出するために、リニアスケール30が配置されている。
図5は、リニアスケール30が配置されている部分を示す部分斜視図であり、図4における矢印Vで示す、キャリッジ18の部分を斜め後方から見た場合のものである。図3ないし5を参照して説明すると、リニアスケール30は、キャリッジガイド19およびタイミングベルト20の間の上方位置において、これらと平行に垂直姿勢で配置されている。図示を省略しているが、リニアスケール30におけるプリンタ後側に面する表面30aには、例えば反射型のスリットパターンが形成されている。キャリッジ18には反射型のホトセンサ31が搭載されており、当該ホトセンサ31は、キャリッジ18が移動すると、リニアスケール30の表面に沿って移動してスリットパターンを検出するように位置決めされている。
ホトセンサ31の隣接位置には、インク吸収材からなる直方体形状のワイパー32(異物除去部材)がキャリッジ18に搭載されている。ワイパー32はリニアスケール30に対して後側に位置しており、その前面32aが常にリニアスケール30におけるスリットパターンが形成されている表面30aに接触した状態に保持されている。
このように、本例のロール紙プリンタ1では、リニアスケール30の表面30aを払拭するためのワイパー32が備わっている。キャリッジ18が移動すると、そこに搭載されているワイパー32によってリニアスケール30の表面30aが払拭される。よって、リニアスケール30の表面30aにインクミストなどの異物が付着して汚れたままになることを防止でき、汚れに起因してホトセンサ31によるスリットパターンの検出不良が発生することを確実に防止できる。この結果、キャリッジモータ21のサーボ駆動制御の制御不良を防止できる。
なお、ワイパー32は着脱可能な状態でキャリッジ18に搭載して、その払拭面である前面32aが汚れた場合に新しいものと交換できるようにしてもよい。
また、ワイパー32をキャリッジ18に搭載する代わりに、印字幅から外れた待機位置に配置しておき、ホームポジションに戻ったキャリッジ18にワイパー32を連結して、例えば印字幅方向に一往復させ、再び待機位置に戻して連結を解除するようにしてもよい。この場合には、インクジェットヘッド11のノズルクリーニング動作などと同様に、定期的に、あるいは電源投入時などにおいて、このようなリニアスケール32のワイピング動作を行えばよい。
さらに、ワイパー32としてインク吸収性の素材から形成したものを用いているが、ゴムパッドなどような弾性素材からなるものを用いて、リニアスケール表面に付着した異物を掻き落とすようにしてもよい。勿論、双方の素材からなる積層部材を用いて、キャリッジ往動時には例えばインク吸収素材によるワイピングを行い、復動時にはゴムパッドによるワイピングを行うようにしてもよい。
次に、上記の例は本発明をロール紙プリンタに適用したものであるが、本発明はロール紙プリンタに限定されるものではなく、それ以外のシリアル型のインクジェットプリンタに適用可能なことは勿論である。
本発明を適用したロール紙プリンタの外観斜視図である。 開閉蓋を開いた状態のロール紙プリンタの外観斜視図である。 図1のロール紙プリンタの内部構造を示す概略縦断面図である。 図3の矢印IVの方向から見た場合の平面図である。 リニアスケールの配置部分を示す部分斜視図である。
符号の説明
1 ロール紙プリンタ、2 記録紙排出口、3 排紙ガイド、4 蓋開閉レバー、5 開閉蓋、6 ロール紙収納部、7 ロール紙、7a 記録紙、8 ロール紙ホルダ、10 プラテンガイド、10a 上面(印字位置)、11 インクジェットヘッド、12 第1紙送りローラ、13 第1紙押さえローラ、16 第2紙送りローラ、17 第2紙押さえローラ、18 キャリッジ、19 キャリッジガイド、20 タイミングベルト、21 キャリッジモータ、22 記録紙切断装置、30 リニアスケール、30a スリットパターンが形成されている表面、31 ホトセンサ、32 ワイパー(異物除去部材)、32a 前面

Claims (6)

  1. インクジェットヘッドと、
    このインクジェットヘッドを印字幅方向に移動させるための駆動源として用いるモータと、
    このモータの回転状態を検出するために、前記印字幅方向に配置したリニアスケールと、
    このリニアスケールに付着した異物を除去するための異物除去部材とを有していることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1において、
    前記異物除去部材は前記リニアスケールの表面に接触した状態で前記印字幅方向に移動可能であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1または2において、
    前記インクジェットヘッドが搭載されているキャリッジを有し、
    前記モータは前記キャリッジを前記印字幅方向に移動させるためのキャリッジモータであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項3において、
    前記異物除去部材は、前記キャリッジによって前記印字幅方向に移動することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 請求項4において、
    前記異物除去部材は、前記キャリッジに搭載されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
    前記異物除去部材はインク吸収性のある素材から形成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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