JP2007097064A - 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】誤差拡散法によるハーフトーン処理を行う際に、同一色の領域において一定のパターンが目につきにくくなる技術を提供する。
【解決手段】画像処理装置であって、第1の基本色の第1の階調値で各画素の色が表され白黒画像を表す第1の画像データを、第1の基本色とは異なる色を含む複数の第2の基本色の第2の階調値で各画素の色が表される第2の画像データに変換する第1の画像処理部と、第2の画像データの少なくとも一部に対して誤差拡散法を適用して、ハーフトーン処理を行う第2の画像処理部と、を含む。第1の画像処理部は、第2の階調値を生成する際または生成する前に画素の色に関するノイズを付加することによって、第2の画像データを生成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ハーフトーン処理を行う画像データに対して行う画像処理に関する。
誤差拡散法によるハーフトーン処理においては、対象とする画像中に所定の階調値と広さを有する同一色の領域が存在すると、ハーフトーン処理後の画像において一定の規則的なドットパターンが表れてしまい、そのパターンが目につくという問題があった。特に、確率的な処理を含まない画像処理において誤差拡散法によるハーフトーン処理を行う場合、こういう問題がよく発生する。
このような課題に対して、特許文献1の技術では、色変換後でハーフトーン処理前のデータの画像領域全体に、一定のパターンを有するスクリーンノイズを重畳し、各画素の色を表す階調値にノイズを付加して、上記のパターンを目に付きにくくしている。
特開2004−274179号公報 特開2000−6444号公報
しかし、特許文献1の技術においては、カラー画像の画像データであるか、白黒画像の画像データであるかといった、処理対象の画像データの内容を考慮した処理は行われていなかった。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を取り扱うためになされたものであり、誤差拡散法によるハーフトーン処理を行う際に、画像の同一色の領域において一定のドットパターンが目につきにくくなる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、画像処理において以下の処理を行う。まず、(a)第1の基本色の第1の階調値で各画素の色が表され白黒画像を表す第1の画像データを準備する。そして、(b)第1の基本色とは異なる色を含む複数の第2の基本色の第2の階調値で各画素の色が表される第2の画像データに、1次元色変換ルックアップテーブルを使用して第1の画像データを変換する。その後、(c)第2の画像データの少なくとも一部に対して誤差拡散法を適用して、ハーフトーン処理を行う。そして、第1の画像データを第2の画像データに変換する際には、(b1)第2の階調値を生成する際または生成する前に画素の色に関するノイズを付加することによって、第2の画像データを生成する。
このような態様とすれば、白黒画像の画像データを処理する際、第2の画像データ生成後にノイズを付加する態様に比べて軽い負荷で、同一色の領域中にパターンが目につきにくい画像データを提供することができる。
なお、第2の画像データを生成する際には、以下のような処理を行うことが好ましい。すなわち、まず、(b2)第1の画像データを、第1の階調値のN倍(Nは2以上の整数)の階調を有する第3の階調値で各画素の色が表される第3の画像データに変換する。そして、(b3)入力値としての第3の階調値に対して出力値として第2の階調値を出力することができるルックアップテーブルを準備する。その後、(b4)ルックアップテーブルを参照して、第3の画像データを第2の画像データに変換する。なお、第1の画像データを第3の画像データに変換する際には、(b5)一つの第1の階調値を、N個の第3の階調値の中の一つの階調値に選択的に変換することによってノイズを付加する。そして、ルックアップテーブルは、一つの第1の階調値に対応するN個の第3の階調値に対して、少なくとも一つの出力値が他の一つの出力値とは異なるN個の出力値が特定される構成を有する。
このような態様とすれば、第1の画像データにおいて同一色を有していた領域に他の色を混在させることができる。その結果、第2の画像データの対応する領域において一定のパターンが目につく可能性を低減することができる。
また、N個の異なる出力値の最大値と最小値の差は、最大値が大きいほど大きいことが好ましい。このような態様とすれば、色の階調値が小さい画素において、色の変化が目に付きにくい状態でノイズを付加することができる。
なお、一つの第1の階調値を、N個の第3の階調値の中の一つの階調値に選択的に変換する際には、ブルーノイズマスクを使用して第3の階調値を選択することが好ましい。このような態様とすれば、選択的な階調値変換によって画像データにノイズを付加しても、画像において粒状性が悪化しにくい。
なお、第2の画像データを生成する際には、以下のような処理を行うことも好ましい。すなわち、まず、(b2)入力値としての第1の階調値に対して出力値として第2の階調値をそれぞれ出力することができるN個(Nは2以上の整数)のルックアップテーブルであって、それぞれ、少なくとも一部の入力値に対して、他のルックアップテーブルの出力値とは異なる出力値を出力することができるN個のルックアップテーブルを準備する。そして、(b3)N個のルックアップテーブルを選択的に参照することによって、ノイズを付加しつつ第1の画像データを第2の画像データに変換する。
このような態様とすれば、処理対象の画像データのデータ量を増やすことなく、ノイズが付加された第2の画像データを生成することができる。
また、同一の入力値に対応する第1と第2のルックアップテーブルとの出力値の差は、第1のルックアップテーブルの出力値が大きいほど大きいことが好ましい。このような態様とすれば、色の階調値が小さい画素において、色の変化が目に付きにくい状態でノイズを付加することができる。
第1または第2のルックアップテーブルを選択的に参照する際には、ブルーノイズマスクを使用して第1または第2のルックアップテーブルを選択することが好ましい。このような態様とすれば、ルックアップテーブルの選択によって画像データにノイズを付加しても、画像において粒状性が悪化しにくい。
なお、第2の画像データを生成する際には、以下のような処理を行うことも好ましい。すなわち、まず、(b2)第1の画像データの各画素の第1の階調値にノイズを付加する。そして、(b3)ノイズを付加された第1の画像データを、第2の画像データに変換する。
このような態様とすれば、複数の色の階調値で色が表される第2の画像データにノイズを付加する態様に比べて、簡単な処理で、画像の品質を高めることができる。
また、第1の階調値にノイズを付加する際には、第1の階調値の大きさに応じて設定されたノイズを、第1の階調値に付加することが好ましい。このような態様とすれば、ノイズの付加による色の変化が目に付きにくいように、ノイズを付加することができる。
なお、第1の階調値にノイズを付加する際には、ノイズとして、ブルーノイズを第1の階調値に付加することが好ましい。このような態様とすれば、画像データにノイズを付加しても、画像において粒状性が悪化しにくい。
なお、以下のような画像処理装置において画像処理を行うことも好ましい。その画像処理装置とは、第1の基本色の第1の階調値で各画素の色が表され白黒画像を表す第1の画像データを、第1の基本色とは異なる色を含む複数の第2の基本色の第2の階調値で各画素の色が表される第2の画像データに変換する第1の画像処理部と、第2の画像データの少なくとも一部に対して誤差拡散法を適用して、ハーフトーン処理を行う第2の画像処理部と、を含む画像処理装置である。そして、第1の画像処理部は、第2の階調値を生成する際または生成する前に画素の色に関するノイズを付加することによって、第2の画像データを生成する。なお、第1の画像データを第2の画像データに変換する際には、1次元色変換ルックアップテーブルを使用して変換を行うことが好ましい。
また、画像処理装置は、さらに、1次元色変換ルックアップテーブルとして、入力値としての第3の階調値であって第1の階調値のN倍(Nは2以上の整数)の階調を有する第3の階調値に対して、出力値として第2の階調値を出力することができるルックアップテーブルを有することが好ましい。そして、第1の画像処理部は、一つの第1の階調値を、N個の第3の階調値の中の一つの階調値に選択的に変換することによってノイズを付加しつつ、第1の画像データを、第3の階調値で各画素の色が表される第3の画像データに変換することが好ましい。そして、第3の画像データを、ルックアップテーブルを参照して第2の画像データに変換することが好ましい。また、ルックアップテーブルは、一つの第1の階調値に対応するN個の第3の階調値に対して、少なくとも一つの出力値が他の一つの出力値とは異なるN個の出力値が特定される構成を有することが好ましい。
なお、画像処理装置は、さらに、1次元色変換ルックアップテーブルとして、入力値としての第1の階調値に対して出力値として第2の階調値をそれぞれ出力することができるN個(Nは2以上の整数)のルックアップテーブルであって、それぞれ、少なくとも一部の入力値に対して、他のルックアップテーブルの出力値とは異なる出力値を出力することができるN個のルックアップテーブルを有することが好ましい。そして、第1の画像処理部は、N個のルックアップテーブルを選択的に参照することによって、ノイズを付加しつつ第1の画像データを第2の画像データに変換することが好ましい。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法及び画像処理装置、印刷方法および印刷装置、印刷制御方法および印刷制御装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.装置構成:
A2.各モジュールにおける処理:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
A.第1実施例:
A1.装置構成:
図1は、第1実施例の印刷システムのソフトウェアの構成を示すブロック図である。コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からはこれらのドライバを介してプリンタ22に転送するための初期画像データPIDが出力されることになる。
画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、CD−R140から画像を読み込み、これに対して所定の処理を行いつつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ21に画像を表示している。CD−R140から供給されるデータORGは、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3色の色成分からなる原カラー画像データORGである。そして、本実施例では、アプリケーションプログラム95は、データORGを、一チャンネルの階調値を有するグレーの初期画像データPIDに変換するものとする。すなわち、初期画像データPIDは、グレーの画像を表す画像データである。なお、グレーの階調値は、たとえば0〜255の整数をとるものとする。
マウス130やキーボード120からユーザの指示が入力され、アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が初期画像データPIDをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が処理可能な印刷画像データFNL(ここではシアン、マゼンダ、イエロー、ブラック、ライトブラック、ライトライトブラックの各色についての多値化された信号)に変換する。
図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、ノイズ付加モジュール110aと、色変換モジュール98aと、ハーフトーンモジュール99と、並べ替えモジュール100と、が備えられている。プリンタドライバ96の内部には、さらに、ノイズマトリクスNMと、1次元色変換テーブル104aと、誤差拡散マトリクスEDM、ディザマトリクスDMが備えられている。
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95が扱っている初期画像データPIDの解像度を印刷の際の解像度に変換し、解像度変換された画像データMID1を得る。
ノイズ付加モジュール110aは、ノイズマトリクスNMを参照して、画素の色の濃度を表す階調値にノイズを付加しつつ、画像データMID1から画像データMID1nを生成する。
色変換モジュール98aは、1次元色変換テーブル104aを参照して、画像データMID1nを画像データMID2nに変換する。画像データMID2nは、プリンタ22が使用するシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトブラック(LK)、ライトライトブラック(LLK)の階調値で各画素の色が表された画像データである。すなわち、画像データMID2nは、各画素について、C、M、Y、K、LK、LLKの6種類の階調値を有している。各階調値は、たとえば0〜255の整数をとる。
なお、「ライトブラック」は、ブラックよりも明るいグレー(ダークグレー)である。「ライトライトブラック」は、ライトブラックよりもさらに明るいグレー(ライトグレー)である。変換前の画像データMID1,MID1nは、明度のみの情報で表示することができるグレーの画像であるが、変換後の画像データMID2nは、クール調、ウォーム調、セピア調など所定の色調を有していてもよい。
ハーフトーンモジュール99は、C、M、Y、K、LK、LLKの階調値で表されたデータMID2nに基づいて、ディザマトリクスDMまたは誤差拡散マトリクスEDMを使用して、各画素におけるドットの記録または不記録の決定を行う。その結果、各画素の各色の濃度が各色の階調値で表された画像データMID2nは、各色の濃度が各画素における各色のドットの有無で表される画像データMID3n(「印刷データ」または「ドットデータ」とも呼ぶ)に変換される。
なお、誤差拡散マトリクスEDMを参照しつつ誤差拡散法によりハーフトーン処理を行うモジュールを誤差拡散モジュール99aとして図1に示す。また、ディザマトリクスDMを参照しつつディザ法によりハーフトーン処理を行うモジュールをディザモジュール99bとして図1に示す。ディザマトリクスDMおよび誤差拡散マトリクスEDMは、コンピュータ90のメモリ内に格納されている。
なお、このハーフトーンモジュール99が、特許請求の範囲における「第2の画像処理部」に相当する。そして、プリンタドライバ96における一連の画像処理において、ハーフトーンモジュール99の上流であって解像度変換モジュール97よりも下流に位置する各モジュール(第1実施例においてノイズ付加モジュール110aと色変換モジュール98a)が、特許請求の範囲における「第1の画像処理部」に相当する。
こうして生成された画像データMID3nは、並べ替えモジュール100によりプリンタ22に転送すべきデータ順に並べ替えられて、最終的な印刷画像データFNLとして出力される。プリンタ22は、印刷画像データFNLを受け取って印刷を実行する。
プリンタ22は、紙送りモータによって用紙Pを搬送する機構と、キャリッジモータによってキャリッジ31を用紙Pの搬送方向SSと垂直な方向MSに往復動させる機構と、キャリッジ31に搭載されインクの吐出およびドットの形成を行う印刷ヘッド28と、各種の設定データを格納しているP−ROM42と、これらの紙送りモータ,キャリッジモータ,印刷ヘッド28、P−ROM42および操作パネル32を制御するCPU41とから構成されている。なお、本明細書においては、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ22のみをさすが、広義にはコンピュータ90とプリンタ22とを含む印刷システム全体を表す。
印刷ヘッド28上には、複数のインク(C、M、Y、K、LK、LLK)を吐出するための複数のノズル列が設けられている。印刷ヘッド28は、これらの各ノズルからインク滴を吐出することができる。そして、印刷ヘッド28は、各インクのインク滴をそれぞれ印刷用紙上に着弾させることによって、各インク色について印刷用紙上にドットを形成することができる。
A2.各モジュールにおける処理:
図2は、ノイズ付加モジュール110a(図1参照)における処理を示すフローチャートである。ステップS10では、まず、画像データMID1の各画素の階調値V1をN倍する(Nは2以上の整数)。ここでは、Nは、たとえば3であるものとする。画像データMID1の階調値V1は0〜255の整数をとるため、階調値V3は0〜765の値をとる。
ステップS20では、ノイズ付加モジュール110aは、各画素の階調値V3にノイズVnを付加して、各画素の階調値V3を改変する。各画素の階調値V3に付加されるノイズVnは、以下のように決定される。
図3は、ブルーノイズマスクBNMから各画素の階調値V3に付加するノイズVnを決定する方法を示す図である。まず、所定の大きさのブルーノイズマスクが準備される。ブルーノイズマスクBNMの大きさは、処理対象の画像の大きさよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。たとえば、ブルーノイズマスクBNMは、256行256列のマトリクスとすることができる。図3の上段では、説明の便宜上、16行16列のブルーノイズマスクBNMを仮定する。実際には、ブルーノイズマスクBNMのサイズはもっと大きくなる。
なお、ブルーノイズマスクBNMとはディザマスクの一種である。ランダム閾値と呼ばれるホワイトノイズディザ法と異なって、ブルーノイズマスクBNMによる発生したドット画像には低周波数成分が少なく、高周波数成分が多いという特性を持っている。人間の視覚特性では,高周波数成分に対して感度が低いので,ブルーノイズマスクBNMを使って発生したドット画像は視覚的にざらつき感が少なく、粒状性が良く、高画質な画像が得られる。
なお、「ディザ法」は、ハーフトーン処理の方法の一つであって、画素に対応する要素内にそれぞれしきい値を有しているn×mのディザマトリクス(n、mは正の整数)と、n×mの画素からなる部分画像領域とを比較し、部分画像領域の各画素が有する階調値がしきい値よりも高いか否かでドットの形成の有無を決定する方式である。
ブルーノイズマスクBNMに基づいて、ブルーノイズマスクBNMと同じ大きさを有し、各要素の値が各画素に付加するノイズVnであるノイズマトリクスNMが生成される。たとえば、256個の要素を有するブルーノイズマスクの各要素が0〜255の値をとる場合を考える。このとき、ブルーノイズマスクBNMの要素の値Vbが0以上84以下であるとき、その要素に対応するノイズマトリクスNMの要素の値Vnは0である。ブルーノイズマスクBNMの要素の値Vbが85以上170以下であるとき、Vnは+1である。ブルーノイズマスクBNMの要素の値Vbが171以上255以下であるとき、Vnは+2である。このような態様とすれば、ノイズマトリクスNMにおいて、0を含む大きさの異なるノイズが均等に発生する。その結果、図3の上段に示したブルーノイズマスクBNMに対応するノイズマトリクスNMの要素は、図3の下段に示すマトリクスとなる。
図3の下段に示したような0,+1または+2のノイズVnが付加されることによって、各画素の階調値V3は、階調値V3nに改変される。すなわち、各画素の階調値V3nは、(V1×3)か(V1×3+1)か(V1×3+2)のいずれかの値をとる。階調値V3nは、0〜767の整数値をとる。以上のようにして、ノイズ付加モジュール110aによって、画像データMID1の階調値V1の階調値のN倍の階調を有する階調値V3nを含む画像データMID3nが生成される。なお、ノイズマトリクスNMの大きさが画像データよりも小さい場合には、画像データに対してノイズマトリクスNMが繰り返し適用される。
図4は、第1実施例の1次元色変換テーブル104a(図1参照)を示す図である。図5は、第1実施例の1次元色変換テーブル104aの一部を拡大して示した図である。1次元色変換テーブル104は、入力階調値V3nに対応するC、M、Y、K、LK、LLKの出力階調値V2nを有する。出力階調値V2nは各インクの記録率を表し、0〜100の値をとる。
1次元色変換テーブル104aにおいて、入力階調値(V1×3)、(V1×3+1)、(V1×3+2)にそれぞれ対応する出力階調値は、以下のような関係を有する。すなわち、(V1×3)の入力階調値V3nに対応する出力階調値V2n1は、(V1×3+1)の入力階調値V3nに対応する出力階調値V2n2よりも大きい。たとえば、図5において、入力階調値639に対応する出力階調値は、入力階調値640に対応する出力階調値よりも大きい。また、(V1×3+2)の入力階調値V3nに対応する出力階調値V2n3は、(V1×3+1)の入力階調値V3nに対応する出力階調値V2n2よりも小さい。たとえば、図5において、入力階調値641に対応する出力階調値は、入力階調値640に対応する出力階調値よりも小さい。なお、1次元色変換テーブル104aにおいて、入力階調値639、640,641に対応するライトライトブラック(LLK)の出力値を示す点をそれぞれP1、P2,P3として示す。
なお、図4および図5に示すように、画像データMID1における同一の階調値V1に対応する複数の出力階調値V2n1,V2n2,V2n3の幅、すなわち最大値V2n1と最小値V2n3の差は、同一のインク色については、出力階調値が大きいほど大きくなる。
色変換モジュール98aは、図4および図5に示した1次元色変換テーブル104に基づいて、グレーの階調値V3nで各画素の色が現されている画像データMID1nを、プリンタ22が使用するシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトブラック(LK)、ライトライトブラック(LLK)の階調値V2n(0〜100)で各画素の色が表された画像データMID2nに変換する。初期画像データPIDおよび画像データMID1において均一な濃度のグレーを有していた領域に対応する画像データMID2nの領域の各画素は、均一な階調値V2nを有するのではなく、画素毎に3種類の異なる階調値のいずれかを有することとなる。このような処理を行うことで、最終的にハーフトーン処理された後の画像データMID3nは、ブルーノイズが付加されたデータとなる。
ハーフトーンモジュール99は、以上のようにしてノイズが付加された画像データMID2nに対してハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理は、「2値化処理」とも呼ばれる。このハーフトーン処理は、マゼンダ(M)、シアン(C)、ライトブラック(LK)、ライトライトブラック(LLK)については、誤差拡散法で行われ、イエロー(Y)、ブラック(K)については、ディザ法で行われる。
「ディザ法」は、前述のとおり、画素に対応する要素内にそれぞれしきい値を有しているn×mのディザマトリクス(n、mは正の整数)と、n×mの画素からなる部分画像領域とを比較し、部分画像領域の各画素が有する階調値がしきい値よりも高いか否かでドットの形成の有無を決定する方式である。「誤差拡散法」は、一つの対象画素へのドットの形成の有無をしきい値との比較に基づいて決定し、ドットの形成の有無による2段階の濃度表現と、多階調の階調値で指定された濃度と、のずれ(誤差)を、まだ対象画素となっていない他の画素に振り分けて、それらの画素の階調値に上乗せしてゆく方法である。ここでは、誤差拡散法によるハーフトーン処理の結果を中心に説明する。
図6は、画像データMID1においてグレーの階調値が200であり、均一な濃度のグレーである領域を示す図である。図7は、画像データMID1において図6に示したように均一な濃度のグレーを有していた領域について、色変換モジュール98aにおいて誤差拡散法によるハーフトーン処理を行った結果の一例を示す説明図である。図6および図7において、各升目は画素を示す。図7において、黒い丸はドットの形成を示し、空白の升目はドットを形成しないことを示す。第1実施例においては、ノイズ付加モジュール110aによって画像データにノイズが付加されているため、図7に示すように、ドットは均等に分散して形成される。
図8は、画像データMID1において均一な濃度のグレーを有していた領域についての誤差拡散法によるハーフトーン処理を行った結果の一例を示す説明図である。ただし、図8の例は、ノイズ付加モジュール110aによってノイズを付加しなかった場合のハーフトーン処理の結果を示している。図8の例では、ドットが多く形成されている画素列とドットが形成されていない画素列との差が目立ち、縦方向に一定の模様が目につく。
図7および図8から分かるように、第1実施例においては、ノイズ付加モジュール110aによってノイズが付加されているため、均一な濃度のグレーを有していた領域について誤差拡散法を適用してもドットは均等に分散して形成される(図7参照)。その結果、ノイズが付加されていない態様(図8参照)に比べて、均一な濃度のグレーを有していた領域について一定のパターンが目に付きにくい。
また、第1実施例においては、明度を表す一種類の階調値を有するグレーの画像データMID1に対してノイズを付加する処理を行っている(図1参照)。よって、色変換後の独立な6種類(C、M、Y、K、LK、LLK)の階調値を有する画像データに対してそれぞれノイズを付加する態様に比べて、処理の負荷が軽い。
B.第2実施例:
図9は、第2実施例の印刷システムのソフトウェアの構成を示すブロック図である。第2実施例の印刷システムにおいては、プリンタドライバ96bは、1次元色変換テーブルを3個有している。そして、プリンタドライバ96bは、ノイズ付加モジュール110aを有していない。また、第2実施例の印刷システムは、色変換モジュール98bにおける処理が第1実施例とは異なっている。他の点は、第2実施例の印刷システムの構成は、第1実施例と同じである。
図10〜12は、プリンタドライバ96bが有する1次元色変換テーブル104b〜dをそれぞれ示す図である。1次元色変換テーブル104b〜dは、入力値としての画像データMID1の階調値V1に対して、出力値としてのC、M、Y、K、LK、LLKの階調値V2nを有している。階調値V1が0〜255の整数をとるのに対して、階調値V2nは0〜100の値をとる。これらの各1次元色変換テーブル104b〜dにおいては、第1実施例の1次元色変換テーブル104a(図4および図5参照)とは異なり、互いに異なる第1と第2の入力値V11,V12にそれぞれ対応する第1と第2の出力値V2n1,V2n2は、第1と第2の入力値V11,V12の差が小さいほど近い値となる。
同一の入力階調値V1に対して、1次元色変換テーブル104c(図11参照)は、1次元色変換テーブル104b(図10参照)よりも大きい出力階調値V2nを有する。参考のために、1次元色変換テーブル104cを示す図11に、1次元色変換テーブル104bのLLKの出力値を破線でLLK'として示す。同一の入力階調値V1に対して、1次元色変換テーブル104d(図12参照)は、1次元色変換テーブル104b(図10参照)よりも小さい出力階調値V2nを有する。参考のために、1次元色変換テーブル104dを示す図12に、1次元色変換テーブル104bのLLKの出力値を破線でLLK''として示す。
図13は、第2実施例における色変換処理の内容を示すフローチャートである。第2実施例の色変換モジュール98bは、ノイズマトリクスNM(図3参照)を使用して、色変換処理の際に参照する1次元色変換テーブルを、1次元色変換テーブル104b〜dの中から選択する。ノイズマトリクスNMの構成は、第1実施例で説明したとおりである。なお、ノイズマトリクスNMの大きさが画像データよりも小さい場合には、画像データに対してノイズマトリクスNMを繰り返し適用して、1次元色変換テーブルが選択される。
ステップS110では、まず、色変換を行う画素に対応するノイズマトリクスNMの要素の値Vnを読み出す。そして、ステップS120ではVnの値を判定する。Vnの値が0であるときは、ステップS130で、出力階調値が最も小さい1次元色変換テーブル104dを参照する1次元色変換テーブルとして選択する。Vnの値が+1であるときは、ステップS140で、1次元色変換テーブル104bを参照する1次元色変換テーブルとして選択する。Vnの値が+2であるときは、ステップS150で、出力階調値が最も大きい1次元色変換テーブル104cを参照する1次元色変換テーブルとして選択する。その後、ステップS160で、選択された1次元色変換テーブルを参照して色変換が行われる。その後、処理は終了する。
このような態様とすれば、同一の入力階調値に対して互いに異なる出力階調値を有する複数のテーブルを選択的に参照して、色変換を行うことができる。よって、第2実施例の態様によっても、均一な濃度のグレーを有していた領域について誤差拡散法によるハーフトーン処理を適用しても、処理後の画像データにおいてドットは分散して形成される。そして、ノイズが付加されていない態様に比べて、均一な濃度のグレーを有していた領域の印刷結果において、一定のパターンが目に付きにくくなる。
また、第2実施例においては、テーブルを選択する際に、ブルーノイズマスクBNMに基づいて生成されたマトリクスNMに基づいて参照するテーブルを決定している。このため、色変換処理および誤差拡散法によるハーフトーン処理の結果、生成される画像データは、ノイズが付加されているにもかかわらず粒状性が目に付きにくい。
さらに、第2実施例においては、グレーの階調値データMID1を色変換する際に出力値が異なる複数のテーブルを選択的に参照して、ノイズを付加する処理を行っている(図9参照)。このため、色変換後の6種類(C、M、Y、K、LK、LLK)の階調値を有する画像データに対してそれぞれ何らかの処理を行ってノイズを付加する態様に比べて、処理の負荷が軽い。
C.第3実施例:
第3実施例の印刷システムは、ノイズ付加モジュール110bおよび色変換モジュール98cにおける処理が第1実施例とは異なっている。また、色変換処理の際に参照される1次元色変換テーブル104eの内容が、第1実施例とは異なっている。第3実施例の印刷システムの他の点は、第1実施例の印刷システムと同じである。よって、第3実施例の印刷システムの構成をブロック図で示した場合には、各構成要素の符号を除いて図1と同じとなる。
図14は、ノイズ付加モジュール110bが画像データMID1にノイズを付加する際に参照されるノイズマトリクスNMbを示す図である。このノイズマトリクスNMbは、第1実施例において使用したブルーノイズマスクBNMと同じ大きさを有し、各要素の値が各画素に付加するノイズVnbであるマトリクスである。ノイズマトリクスNMbは、ブルーノイズマスクBNMに基づいて、以下のように生成される。
たとえば、ブルーノイズマスクの各要素が0〜255までの値をとる場合を考えると、ブルーノイズマスクBNMの要素の値Vbが0以上84以下であるとき、その要素に対応するノイズマトリクスNMbの要素の値Vnbは−1である。ブルーノイズマスクBNMの要素の値Vbが85以上170以下であるとき、Vnbは0である。ブルーノイズマスクBNMの要素の値Vbが171以上255以下であるとき、Vnbは+1である。
図15は、ノイズが付加された画像データMID1bnの一部を示す図である。第3実施例においては、ノイズ付加モジュール110bは、画像データMID1の各画素の階調値に、各画素に対応するノイズマトリクスNMbの要素の値Vnbをノイズとして付加する。なお、ノイズマトリクスNMの大きさが画像データよりも小さい場合には、画像データに対してノイズマトリクスNMが繰り返し適用される。その結果、画像データMID1の各画素の階調値には、ブルーノイズが付加される。たとえば、図6に示したような階調値200を有する均一な濃度の領域にノイズが付加されると、各画素の階調値は、図15に示す階調値V1bnのようになる。なお、第1実施例の態様とは異なり、第3実施例で付加されるノイズの大きさは、画像データの階調値の大きさには依存しない。
第3実施例においては、色変換処理において参照される1次元色変換テーブルは、第2実施例における1次元色変換テーブル104bと同じである。色変換モジュール98cは、1次元色変換テーブル104bを参照しつつ、色変換処理を行う。
このような態様においても、誤差拡散法によるハーフトーン処理後に、均一な濃度のグレーを有していた領域において、ドットは均等に分散して形成される。そして、ノイズが付加されていない態様に比べて、均一な濃度のグレーを有していた領域の印刷結果において、一定のパターンが目に付きにくくなる。また、第3実施例においてもブルーノイズマスクを使用してノイズを付加しているため、画像において粒状性が目につきにくい。
また、第3実施例においては、グレー階調値データMID1に対してノイズを付加する処理を行っている。このため、色変換後の6種類(C、M、Y、K、LK、LLK)の階調値を有する画像データに対してそれぞれ何らかの処理を行ってノイズを付加する態様に比べて、処理の負荷が軽い。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記の各実施例では、解像度変換モジュールを経てアプリケーションソフトから受け取る画像データは、明度を表す一種類の階調値で各画素の色が表された白黒画像の画像データであった。この態様においては、基本色はグレー(白および黒を含む)である。しかし、受け取る画像データは、他の態様とすることもでき、たとえば、RGB3チャンネルの各階調値が互いに等しい画像データ、すなわち、レッド、グリーン、ブルー3チャンネルの階調値が同じであるRGBカラー画像データとすることもできる。この態様においては、基本色はレッド、グリーン、ブルーである。すなわち、処理の対象となる画像データは、なんらかの基本色の階調値で各画素の色が表される白黒画像の画像データとすることができる。
なお、RGB3チャンネルの各階調値が互いに等しい画像データの態様においては、RGBのうちレッドの階調値に基づいてノイズ付加モジュール110a以降の処理を行うこととしてもよいし、グリーンまたはブルーの階調値に基づいて処理を行ってもよい。すなわち、互いに等しい階調値を有する複数の基本色の階調値で画像が表されている場合には、一つの異本色の階調値に基づいて画像処理を行うことができる。
D2.変形例2:
上記の各実施例では、色変換後の画像データMID2,MID2n等は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトブラック(LK)、ライトライトブラック(LLK)の階調値で各画素の色が表されていた。しかし、色変換後の画像データは、これらの色に限らず、バイオレット(V)、レッド(R)、グリーン(G)、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)などを含む他の組み合わせ色の階調値で色が表される画像であってもよい。すなわち、色変換後の画像データは、変換前の画像データの基本色とは異なる有彩色を含む複数の基本色の階調値で各画素の色が表されるデータとすることができる。
色変換後の第2の画像データは、複数の基本色の階調値で各画素の色が表されるデータであって、各画素において、少なくとも一部の色の階調値が互いに異なる画像データとすることができる(図4、図10〜図12参照)。そして、明度のみの情報で各画素の色を表すことができる第1の画像データをそのような第2の画像データに変換する際に、または色変換する前に、各画素の色の情報にノイズを付加することが好ましい。すなわち、画像が複数の第2の基本色の階調値で表される前の段階で、画像データにノイズを付加することが好ましい。そのような態様とすれば、複数の第2の基本色の各階調値に対してそれぞれノイズを付加する態様に比べて、画像にノイズを付加する際の負荷を小さくすることができる。なお、付加するノイズは、画素の色に関するノイズであって第1の画像データに含まれていなかったノイズである。
D3.変形例3:
上記の第1実施例においては、グレー階調データMID1のある階調値V1がノイズ付加および色変換処理後にとりうる出力階調値V2n1,V2n2,V2n3(図5参照)は、1次元色変換テーブル104aにおいて、大きさの順に並んでいた。しかし、色変換の差異に参照される1次元ルックアップテーブルにおいては、処理対象の画像データのある階調値がノイズ付加および色変換処理後にとりうる複数の階調値は、任意の順に並んでいる態様とすることができる。なお、ここでいう1次元色変換ルックアップテーブルとは、入力値としての1種類の階調値のデータに対して、出力値としての階調値を決めることができるテーブルである。
また、第1実施例においては、画像データMID1のある階調値V1が選択的に変換される階調値は3個であった。しかし、画像データMID1のある階調値V1が選択的に変換される階調値の数はこれに限られるものではなく、2個または4個以上とすることができる。すなわち、色変換処理に先立って、画像データMID1のある階調値V1が選択的にN個(Nは2以上の整数)の階調値に変換されることとすれば、色変換処理の前に画像データにノイズを付加することができる。
D4.変形例4:
上記第1および第2各実施例においては、プリンタドライバ96、96bは、ブルーノイズマスクBNMに基づいて生成されたノイズマトリクスNMを保持していた(図1および図9参照)。しかし、プリンタドライバは、ブルーノイズマスクBNM自体を保持しており、ブルーノイズマスクBNMに基づいてノイズマトリクスNMを生成して、各処理を行うこととしてもよい。ただし、本明細書においては、ブルーノイズマスクBNM自体は保持しておらず、ブルーノイズマスクBNMに基づいて生成されたノイズマトリクスNMを保持し、ノイズマトリクスNMを使用して所定の処理を行う場合も(図1および図9参照)、「ブルーノイズマスクを使用して処理を行う」場合に含まれるものとする。
なお、前述のように、ブルーノイズマスクBNMとはディザマスクの一種で、低周波数成分が少なく、高周波数成分が多いという特性を持っている。これにより、ドット画像のざらつき感が少なく、粒状性が良く、高画質な画像が得られる。
あるマトリクスをディザマトリクスとして使用して一様な濃度25%、50%、75%の階調値を有する画像に対してそれぞれディザ法によるハーフトーン処理を行った場合に、ハーフトーン処理後のドットの有無で画像を表す画像データがいずれも以下の特性を有している場合には、そのマトリクスはディザマトリクスであるものとする。その特性とは、ドットの有無で画像を表す画像データにおいて、空間周波数を横軸にとって分布(エネルギー)を見たときに、最大の周波数(周期が2要素のときの周波数)から1/3の範囲の空間周波数領域における分布の平均が、周波数0から1/3の範囲の空間周波数領域における分布の平均より多い、という特性である。
D5.変形例5:
上記各実施例においては、ブルーノイズマスクに基づいて処理が行われていた。しかし、ノイズの付加、ルックアップテーブルの選択等の処理は、他のノイズ特性を有するマトリクスに基づいて行うこともできる。たとえば、画像処理を行う際に参照されるマトリクスは、分散型のディザマトリクスとすることができる。ここでいう「分散型のディザマトリクス」とは、このマトリクスを使ってディザ法によりハーフトーン処理を行う場合、発生したドットは分散して、均一に分布するという性質を持つディザマトリクスである。
D6.変形例6:
上記第2実施例においては、1次元色変換テーブル104b〜dは、同一の入力階調値に対する同一色の出力階調値が互いに異なるテーブルであった。しかし、複数のテーブルを選択的に参照して色変換処理を行う態様においては、参照される複数のテーブルは、同一の入力階調値に対する同一色の出力階調値が、少なくとも一部の色の少なくとも一部の入力階調値の範囲について異なるものであればよい。また、選択的に参照されるテーブルの数は3個に限られず、2個または4個以上とすることができる。ただし、選択的に参照されるテーブルの数は3個以上であることが好ましい。
D7.変形例7:
上記第1実施例においては、1次元色変換テーブルは、各基本色についてノイズを含んだものであった。しかし、基本色の種類により、ノイズを付加し、あるいはしない態様とすることもできる。例えば、誤差拡散法を使ってハーフトーン処理を行う色にはノイズを付加し、ディザ法を使ってハーフトーン処理を行うインクにはノイズを付加しないようにする。
また、上記第3実施例においては、ノイズが付加される階調値の大きさによらず付加されるノイズは+1または−1であった。すなわち、ノイズが付加される階調値の大きさによらず付加されるノイズの絶対値の大きさは一定であった。しかし、白黒画像を表す画像データの階調値にノイズを付加する際には、ノイズの大きさはそのような態様に限られず、階調値の大きさに応じて絶対値の大きさが異なるノイズを付加することもできる。
また、誤差拡散法によるハーフトーンを行った場合に繰り返しパターンが目に付きやすい色を構成する基本色の特定の階調値の範囲については、比較的大きな値にノイズを設定し、繰り返しパターンが目に付きにくい色および階調値の範囲については、比較的小さな値(0であってもよい)にノイズの大きさを設定してもよい。さらには、階調値がとり得る範囲を、暗い色を表す第1の範囲と、第1の範囲よりも明るい色を表す第2の範囲と、に分けたとき、第1の範囲については色のデータにノイズを付加せず、第2の範囲についてノイズを付加する態様とすることもできる。そのような態様によれば、画像のハイライト部分に限定してノイズを付加することができる。また、ノイズを付加する範囲は、色ごとに設定することもできる。
D8.変形例8:
上記の各実施例において、データ変換の際に参照されるテーブルは、グラフの形で示されていた(図4、図5、および図10〜図12参照)。しかし、データ変換の際に参照されるルックアップテーブルは、より具体的には、たとえば、入力値および出力値として離散的な値を有する表の態様とすることができる。また、データ変換の際に参照される参照部は、入力値に基づいて出力値を計算することができる関数とすることができる。さらに、参照部は、表のデータに基づいて入力値に対応する2以上の1次出力値を特定し、その1次出力値に基づいて、たとえば補間演算を行うなどの計算を行って最終的な出力値が得られる態様とすることもできる。すなわち、データ変換の際に、入力値に対して出力値を特定することができるものであればよい。
D9.変形例9:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、コンピュータ90上で実行されるプリンタドライバ96(図1参照)の機能の一部をプリンタ22のCPU41が実行するようにすることもできる。
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM、DVD等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
第1実施例の印刷システムのソフトウェアの構成を示すブロック図。 ノイズ付加モジュール110aにおける処理を示すフローチャート。 各画素の階調値V3に付加するノイズVnを決定する方法を示す図。 第1実施例の1次元色変換テーブル104aを示す図。 第1実施例の1次元色変換テーブル104aの一部を拡大して示した図。 画像データMID1において均一な濃度のグレーである領域を示す図。 画像データMID1において均一な濃度のグレーを有していた領域について、誤差拡散法によるハーフトーン処理を行った結果の一例を示す説明図。 画像データMID1において均一な濃度のグレーを有していた領域についての誤差拡散法によるハーフトーン処理を行った結果の一例を示す説明図。 第2実施例の印刷システムのソフトウェアの構成を示すブロック図。 プリンタドライバ96bが有する1次元色変換テーブル104bを示す図。 プリンタドライバ96bが有する1次元色変換テーブル104cを示す図。 プリンタドライバ96bが有する1次元色変換テーブル104dを示す図。 第2実施例における色変換処理の内容を示すフローチャート。 画像データMID1にノイズを付加する際に参照されるノイズマトリクスNMbを示す図。 ノイズが付加された画像データMID1bnの一部を示す図。
符号の説明
21...CRTディスプレイ
22...プリンタ
28...印刷ヘッド
31...キャリッジ
32...操作パネル
40...制御回路
41...CPU
42...ROM
90...コンピュータ
91...ビデオドライバ
95...アプリケーションプログラム
96,96b,96c...プリンタドライバ
97...解像度変換モジュール
98,98b〜d...色変換モジュール
99...ハーフトーンモジュール
99a...誤差拡散モジュール
99b...ディザモジュール
100...並べ替えモジュール
110a〜c...ノイズ付加モジュール
120...キーボード
130...マウス
BNM...ブルーノイズマスク
DM...ディザマトリクス
EDM...誤差拡散マトリクス
FNL...印刷画像データ
MID1...RGBの階調値で色が表された画像データ
MID1n,MID1bn...ノイズが付加された画像データ
MID2,MID2a...インク色の階調値で色が表された画像データ
MID2n,MID2bn...ノイズが付加された画像データ
MID3n...印刷順に並べ替えられた画像データ
V2n,V2n1,V2n2,V2n3...画像データMID2nが有する階調値
V3n...画像データMID3nが有する階調値
MS...主走査方向
NM,NMb...ノイズマトリクス
ORG...原カラー画像データ
P...用紙
PID...初期画像データ
SS...印刷用紙の搬送方向
Vn,Vnb...ノイズ

Claims (12)

  1. 画像処理装置であって、
    第1の基本色の第1の階調値で各画素の色が表され白黒画像を表す第1の画像データを、1次元色変換ルックアップテーブルを使用して、前記第1の基本色とは異なる色を含む複数の第2の基本色の第2の階調値で各画素の色が表される第2の画像データに変換する第1の画像処理部と、
    前記第2の画像データに対して誤差拡散法を適用して、ハーフトーン処理を行う第2の画像処理部と、を含み、
    前記第1の画像処理部は、前記第2の階調値を生成する際または生成する前に前記画素の色に関するノイズを付加することによって、前記第2の画像データを生成する、画像処理装置。
  2. 請求項1記載の装置であって、さらに、
    前記1次元色変換ルックアップテーブルとして、入力値としての第3の階調値であって前記第1の階調値のN倍(Nは2以上の整数)の階調を有する第3の階調値に対して、出力値として前記第2の階調値を出力することができるルックアップテーブルを有し、
    前記第1の画像処理部は、
    一つの前記第1の階調値を、N個の前記第3の階調値の中の一つの階調値に選択的に変換することによって前記ノイズを付加しつつ、前記第1の画像データを、前記第3の階調値で各画素の色が表される第3の画像データに変換し、
    前記第3の画像データを、前記ルックアップテーブルを参照して前記第2の画像データに変換し、
    前記ルックアップテーブルは、前記一つの第1の階調値に対応する前記N個の第3の階調値に対して、少なくとも一つの出力値が他の一つの出力値とは異なるN個の出力値が特定される構成を有する、装置。
  3. 請求項2記載の装置であって、
    前記N個の異なる出力値の最大値と最小値の差は、前記最大値が大きいほど大きい、装置。
  4. 請求項3記載の装置であって、
    前記第1の画像処理部は、ブルーノイズマスクを使用して前記第3の階調値を選択する、装置。
  5. 請求項1記載の装置であって、さらに、
    前記1次元色変換ルックアップテーブルとして、入力値としての前記第1の階調値に対して出力値として前記第2の階調値をそれぞれ出力することができるN個(Nは2以上の整数)のルックアップテーブルであって、それぞれ、少なくとも一部の入力値に対して、他のルックアップテーブルの出力値とは異なる出力値を出力することができるN個のルックアップテーブルを有し、
    前記第1の画像処理部は、前記N個のルックアップテーブルを選択的に参照することによって、前記ノイズを付加しつつ前記第1の画像データを前記第2の画像データに変換する、装置。
  6. 請求項5記載の装置であって、
    同一の前記入力値に対応する前記第1と第2のルックアップテーブルとの出力値の差は、前記第1のルックアップテーブルの出力値が大きいほど大きい、装置。
  7. 請求項6記載の装置であって、
    前記第1の画像処理部は、ブルーノイズマスクを使用して前記第1または第2のルックアップテーブルを選択する、装置。
  8. 請求項1記載の装置であって、
    前記第1の画像処理部は、
    前記第1の画像データの各画素の前記第1の階調値にノイズを付加するノイズ付加部と、
    前記ノイズを付加された第1の画像データを、前記第2の画像データに変換するデータ変換部と、を含む装置。
  9. 請求項8記載の装置であって、
    前記ノイズ付加部は、前記第1の階調値の大きさに応じて設定された前記ノイズを、前記第1の階調値に付加する、装置。
  10. 請求項8記載の装置であって、
    前記ノイズ付加部は、前記ノイズとして、ブルーノイズを前記第1の階調値に付加する、装置。
  11. 画像処理方法であって、
    (a)第1の基本色の第1の階調値で各画素の色が表され白黒画像を表す第1の画像データを準備する工程と、
    (b)前記第1の基本色とは異なる色を含む複数の第2の基本色の第2の階調値で各画素の色が表される第2の画像データに、前記第1の画像データを変換する工程と、
    (c)前記第2の画像データに対して誤差拡散法を適用して、ハーフトーン処理を行う工程と、を含み、
    前記工程(b)は、
    (b1)前記第2の階調値を生成する際または生成する前に前記画素の色に関するノイズを付加することによって、前記第2の画像データを生成する工程を含む、方法。
  12. 画像処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
    第1の基本色の第1の階調値で各画素の色が表され白黒画像を表す第1の画像データを、前記第1の基本色とは異なる色を含む複数の第2の基本色の第2の階調値で各画素の色が表される第2の画像データに変換する第1の機能と、
    前記第2の画像データに対して誤差拡散法を適用して、ハーフトーン処理を行う第2の機能と、コンピュータに実現させることができ、
    前記第1の機能は、前記第2の階調値を生成する際または生成する前に前記画素の色に関するノイズを付加することによって、前記第2の画像データを生成する機能を含む、コンピュータプログラム。
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