JP2007096156A - カバー膜除去装置 - Google Patents

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幸司 金山
Masa Kaneoka
雅 金岡
Satoshi Miyagi
聡 宮城
Kazushi Shigemori
和士 茂森
Shuichi Yasuda
周一 安田
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Abstract

【課題】多種多様な性質のカバー膜に対応した除去処理を行うことができるカバー膜除去装置を提供する。
【解決手段】レジスト膜の上にカバー膜が形成された基板Wは露光処理後にカバー膜除去装置1に搬入される。カバー膜除去装置1は、基板Wを保持して回転させる保持回転部10と、基板Wの表面にカバー膜を溶解する溶媒(剥離液)を互いに異なる形態にて吐出する3種類のノズル(スリットノズル20,ストレートノズル40,二流体ノズル60)と、これらの要素の各駆動部を制御する制御部90と、を備える。基板W上のカバー膜の性質に応じてスリットノズル20,ストレートノズル40,二流体ノズル60を使い分けることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レジスト膜の上にカバー膜を形成した半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)の露光後に当該カバー膜を除去するカバー膜除去装置に関する。
周知のように、半導体や液晶ディスプレイなどの製品は、上記基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理、ダイシングなどの一連の諸処理を施すことにより製造されている。これらの諸処理のうち、現像処理は露光処理後の基板表面に現像液を供給してレジスト膜の露光部分(または非露光部分)を溶かし、回路パターンに対応するレジストマスクを形成する工程である。
一方、近年、半導体デバイス等の急速な高密度化に伴って、レジストマスクのパターンをさらに微細化することが強く要望されている。このため、露光処理を行う露光装置の光源としては旧来の紫外線ランプに代えて比較的波長の短いKrFエキシマレーザ光源やArFエキシマレーザ光源といった遠紫外線光源(Deep UV)が主流を占めつつある。ところが、最近のさらなる微細化要求に対してはArFエキシマレーザ光源でさえも十分ではない。これに対応するためには、より波長の短い光源、例えばF2レーザ光源を露光装置に採用することも考えられるが、コスト面の負担を低減しつつさらなるパターン微細化を可能にする露光技術として液浸露光処理法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
液浸露光処理法は、投影光学系と基板との間に屈折率nが大気(n=1)よりも大きな液体(例えば、n=1.44の純水)を満たした状態で「液浸露光」を行うことにより、開口率を大きくして解像度を向上させる技術である。この液浸露光処理法によれば、従来のArFエキシマレーザ光源(波長193nm)をそのまま流用したとしても、その等価波長を134nmにすることができ、コスト負担増を抑制しつつレジストマスクのパターンを微細化することができる。
国際公開99/49504号パンフレット
しかしながら、液浸露光処理法を採用する場合には、露光時に基板の表面に直接液体が接触するため、レジスト膜を保護する目的で基板表面にカバー膜を形成する場合がある。カバー膜はレジスト膜の上層に形成するものであるため、現像時には当然これを剥離除去する必要が生じる。カバー膜には、現像処理用の現像液に可溶なものと現像液とは異なる溶媒に可溶なものとがあり、溶媒可溶のカバー膜を使用した場合には現像処理装置とは異なる専用の除去装置にて露光後の基板からカバー膜の剥離除去処理を行い、しかる後に現像処理装置に当該基板を搬送してレジスト膜の現像処理を行う。
一般に、溶媒可溶のカバー膜は現像可溶のカバー膜に比較してレジスト膜からの剥離性が良好であると言えるが、溶媒可溶のカバー膜にもレジストや液浸液との相性から多種多様なものが開発されており、溶媒との濡れ性やレジストとの密着度もカバー膜の種類によって大きく異なっている。例えば、あるカバー膜とは濡れ性が良好(接触角が小さい)な溶媒であっても、他のカバー膜とは濡れ性が良くない(接触角が大きい)場合もある。また、あるレジストに対しては良好な剥離性を示すカバー膜であっても、他のレジストに対しては剥離しにくいこともある。
現状、液浸露光処理用のカバー膜としての標準的な材質が未だ確立されておらず、多種多様な性質のカバー膜が使用される可能性が高い。このため、除去装置においては、如何なる性質のカバー膜であっても適切に剥離除去を実行することが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、多種多様な性質のカバー膜に対応した除去処理を行うことができるカバー膜除去装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、レジスト膜の上にカバー膜を形成した基板の露光後に当該カバー膜を除去するカバー膜除去装置において、基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板の表面に、前記カバー膜を溶解する溶媒を互いに異なる形態にて吐出する複数の溶媒吐出手段と、を備える。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るカバー膜除去装置において、前記複数の溶媒吐出手段に、前記保持手段に保持された基板のサイズ以上の長さを有するスリット状吐出口から溶媒を吐出するスリットノズルを含ませ、前記スリット状吐出口から溶媒を吐出する前記スリットノズルを、前記基板の一方側から前記基板上を通過して他方側まで移動させる移動手段をさらに備える。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係るカバー膜除去装置において、前記複数の溶媒吐出手段に、溶媒と気体と混合して溶媒の液滴を生成して吐出する二流体ノズルを含ませる。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係るカバー膜除去装置において、前記複数の溶媒吐出手段に、溶媒を一穴または他穴の吐出口より吐出する吐出ノズルを含ませる。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係るカバー膜除去装置において、前記保持手段に保持された基板に、前記スリットノズルまたは前記吐出ノズルから溶媒を供給した後に、前記二流体ノズルから溶媒の液滴を吐出するように制御する吐出制御手段をさらに備える。
請求項1の発明によれば、基板の表面にカバー膜を溶解する溶媒を互いに異なる形態にて吐出する複数の溶媒吐出手段を備えるため、カバー膜の性質に応じて適宜溶媒吐出手段を使い分けることができ、多種多様な性質のカバー膜に対応した除去処理を行うことができる。
また、請求項2の発明によれば、溶媒吐出手段にスリット状吐出口から溶媒を吐出するスリットノズルが含まれるため、溶媒との濡れ性の悪いカバー膜であっても確実に溶媒を液盛りしてカバー膜を良好に除去することができる。
また、請求項3の発明によれば、溶媒吐出手段に溶媒と気体と混合して溶媒の液滴を生成して吐出する二流体ノズルが含まれるため、溶媒による化学的作用に加えて高速で液滴を吹き付けることによる物理的作用をもカバー膜に及ぼすことができ、カバー膜を確実に除去することができる。
また、請求項4の発明によれば、溶媒吐出手段に溶媒を一穴または他穴の吐出口より吐出する吐出ノズルが含まれるため、溶媒消費量を比較的少量に抑制することができる。
また、請求項5の発明によれば、保持手段に保持された基板に、スリットノズルまたは吐出ノズルから溶媒を供給した後に、二流体ノズルから溶媒の液滴を吐出するため、カバー膜をより確実に除去することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るカバー膜除去装置の平面図である。図2および図3は、図1のカバー膜除去装置の要部を示すV−V線断面図である。本実施の形態にて処理の対象となる基板Wは円形の半導体ウェハであり、その表面には例えば液浸露光処理に対応すべくレジスト膜の上にカバー膜が形成されている。カバー膜除去装置1は、そのような基板Wの露光処理後にカバー膜を溶解する溶媒(剥離液)を供給してカバー膜の剥離除去処理を行う装置であり、主として基板Wを保持して回転させる保持回転部10と、基板Wの表面に溶媒を互いに異なる形態にて吐出する3種類のノズル(スリットノズル20,ストレートノズル40,二流体ノズル60)と、これらの要素の各駆動部を制御する制御部90と、を備える。
保持回転部10は、基板Wを水平姿勢にて保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック11を備える。スピンチャック11は、電動モータ12によって回転される回転軸13の上端に固定されている。また、スピンチャック11には吸気路(図示せず)が形成されるとともに、その吸気路が図外の真空ポンプと連通されており、スピンチャック11上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの下面をスピンチャック11に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。スピンチャック11が基板Wを吸着保持した状態にて、電動モータ12が回転軸13を回転駆動させると、スピンチャック11および基板Wが水平面内にて回転する。
また、保持回転部10は、スピンチャック11に保持された基板Wの周囲を囲繞する円環形状の内側カップ15を備える。内側カップ15は、図示を省略する昇降機構によって鉛直方向に沿って昇降可能とされている。内側カップ15は、回転する基板Wの周縁部から飛散した溶媒を受け止めて回収する。内側カップ15の外側には平面視矩形形状の外側カップ19が設けられている。
図1に示すように、外側カップ19の横方向両側にはスリットノズル20のための待機ポット6,7がそれぞれ配置されている。また、外側カップ19の手前側にはガイドレール8がカバー膜除去装置1の全長にわたって配設され、外側カップ19の後背側にはストレートノズル40および二流体ノズル60が設置されている。
スリットノズル20は、下端部にスリット状吐出口25を有する。図4は、スリットノズル20のスリット状吐出口25を示す図である。スリット状吐出口25のスリット幅tは0.02mm〜0.5mmであり、本実施形態では0.1mmとしている。また、スリット状吐出口25の長手方向長さLは基板Wの直径以上である。スリットノズル20は、その長手方向がガイドレール8の延伸方向と垂直となるようにノズルアーム21によって保持されている。ノズルアーム21は、アーム駆動部22によってガイドレール8に沿って図1の矢印Aの方向にスライド移動可能とされている。従って、スリットノズル20は、待機ポット6の位置(基板Wの一方側)からスピンチャック11に保持された基板Wの直上を通過して待機ポット7の位置(基板Wの他方側)まで平行移動可能である。なお、スリットノズル20が基板Wの中心部直上を通過するときには、上記スリット状吐出口25が基板Wの径全体を覆う。
図2に示すように、スリットノズル20には、ポンプ33とバルブ34とを備える溶媒送給機構から溶媒が送給される。本実施の形態における「溶媒」とは、基板Wのレジスト膜の上に形成されたカバー膜を溶解する液を意味する。スリットノズル20のスリット状吐出口25には配管31の先端部が連通接続されている。配管31の基端部側は溶媒を貯留する液貯留部32(例えば溶媒ボトル)に連通接続されている。配管31の経路途中にはポンプ33およびバルブ34が介挿されている。ポンプ33を駆動してバルブ34を開放することによりスリットノズル20に溶媒が送給され、そのスリット状吐出口25からカーテン状に溶媒が吐出される。なお、配管31に、流量計やフィルタを介挿するようにしても良い。
ストレートノズル40は、下端部に一穴の吐出口を有する吐出ノズルである。また、二流体ノズル60は、溶媒と窒素ガスとを混合してミスト状の溶媒の液滴を生成して吐出するノズルである。ストレートノズル40および二流体ノズル60は、双方が所定間隔を隔てて隣接するように、ノズルアーム41の先端部に固定保持されている。ノズルアーム41の基端部は回動モータ42に接続されている。回動モータ42の駆動によってノズルアーム41が図1の矢印Rの方向に沿って回動する。ここで、回動モータ42の回動軸からストレートノズル40までの距離と二流体ノズル60までの距離とがほぼ等しくなるように、ストレートノズル40および二流体ノズル60はノズルアーム41に取り付けられている。
図5は、ストレートノズル40および二流体ノズル60の移動態様を示す図であり、カバー膜除去装置1を上方から見たものである。ノズルアーム41が回動動作を行うことによって、ストレートノズル40および二流体ノズル60は、スピンチャック11に保持された基板Wの回転中心Oの直上位置と外側カップ19の外部の待機位置(図1の位置)との間で円弧状の軌跡TRに沿って往復移動する。すなわち、ストレートノズル40および二流体ノズル60はほぼ同一の軌跡TRを描くように移動する。
図3に示すように、ストレートノズル40には、ポンプ53とバルブ54aとを備える溶媒送給機構から溶媒が送給される。一方、二流体ノズル60には、ポンプ53とバルブ54bとを備える溶媒送給機構から溶媒が送給される。すなわち、配管51の先端側は分岐配管51a,51bの二股に分岐されており、分岐配管51aがストレートノズル40に連通接続されるとともに、分岐配管51bが二流体ノズル60に連通接続されている。配管51の基端部側は溶媒を貯留する液貯留部52に連通接続されている。なお、液貯留部52に貯留されている溶媒は液貯留部32の溶媒と同じであり、液貯留部52を液貯留部32と共通のものとしてもよい。配管51の経路途中にはポンプ53が介挿されるとともに、分岐配管51aにはバルブ54aが介挿され、分岐配管51bにはバルブ54bが介挿されている。ポンプ53を駆動しつつバルブ54aを開放することによりストレートノズル40に溶媒が送給され、その吐出口から溶媒が吐出される。また、ポンプ53を駆動しつつバルブ54bを開放することにより二流体ノズル60に溶媒が送給される。なお、通常バルブ54aおよびバルブ54bはいずれか一方が択一的に開放されるものである。
また、二流体ノズル60には、バルブ63を備える不活性ガス送給機構から不活性ガス(本実施形態では、窒素ガス)が送給される。二流体ノズル60には配管61の先端部が連通接続されている。配管61の基端部側は窒素ガス供給源62(例えば工場ユーティリティ)に連通接続されている。配管61の経路途中にはバルブ63が介挿されている。バルブ63を開放することにより二流体ノズル60に所定圧の窒素ガスが送給される。
図6は、二流体ノズル60の構造を示す概略断面図である。二流体ノズル60は、窒素ガス供給源62および液貯留部52からそれぞれ供給される窒素ガスおよび溶媒をノズル内部にて混合することによりミスト状の溶媒の液滴を生成して基板Wに対して吐出するいわゆる内部混合型の二流体ノズルである。図6に示すように、二流体ノズル60は溶媒が供給される溶媒導入管65内に、窒素ガスが供給されるガス導入管66が挿入された二重管構造となっている。また、溶媒導入管65内のガス導入管66端部より下流側は、窒素ガスと溶媒とが混合される混合部67となっている。
加圧された窒素ガスと溶媒とが混合部67において混合されることによりミスト状の溶媒液滴を含む混合流体が形成される。形成された混合流体は、混合部67の下流側の加速管68によって加速され、吐出口69から吐出される。なお、二流体ノズル60は、混合流体の吐出方向が鉛直方向直下を向くようにノズルアーム41に取り付けられている。
制御部90のハードウェア構成は一般的なコンピュータと同じである。すなわち、制御部90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。制御部90は、電動モータ12、アーム駆動部22、回動モータ42、ポンプ33,53およびバルブ34,54a,54b,63と電気的に接続されている。制御部90は、電動モータ12、アーム駆動部22および回動モータ42をそれぞれ制御してスピンチャック11に保持された基板Wの回転、スリットノズル20のスライド移動並びにストレートノズル40および二流体ノズル60の回動動作を管理する。また、制御部90は、ポンプ33およびバルブ34を制御してスリットノズル20からの溶媒吐出を管理する。また、制御部90は、ポンプ53およびバルブ54aを制御してストレートノズル40からの溶媒吐出を管理する。さらに、制御部90は、ポンプ53およびバルブ54bを制御するとともに、バルブ63を制御して二流体ノズル60からの溶媒液滴の吐出を管理する。
以上のような構成を有するカバー膜除去装置1においては、スリットノズル20、ストレートノズル40および二流体ノズル60のいずれかを使用して露光処理後の基板Wに溶媒を供給し、カバー膜の剥離除去処理を行う。なお、カバー膜除去装置1における剥離除去処理の動作は、制御部90がカバー膜除去装置1の各駆動部を制御することによって実行される。
スリットノズル20から基板Wに溶媒を供給するときには、まず、露光処理後の基板Wをスピンチャック11が水平姿勢にて吸着保持する。続いて、スリットノズル20が待機ポット6から上昇して外側カップ19まで水平移動し、外側カップ19内の所定位置にて下降する。そして、スリットノズル20は、所定の走査速度にてスライド移動を開始し、スピンチャック11に静止状態で保持された基板W上に到達する前に所定流量にてスリット状吐出口25から溶媒の吐出を開始する。スリットノズル20は、溶媒をカーテン状に吐出しながら基板W上をスライド移動する。これにより、静止状態で保持された基板Wの表面全面に溶媒が均一に供給される。供給された溶媒は、表面張力によって基板W上に保持され、いわゆる液盛りされた状態となる。
基板W上を完全に通過したスリットノズル20は、溶媒吐出を停止し、再度上昇して待機ポット7まで移動して下降する。基板W上に溶媒が液盛りされた状態を所定時間維持することによってカバー膜をレジスト膜から剥離する処理が進行する。その後、基板Wを高速回転させることによって基板W上から溶媒および剥離したカバー膜の成分を振り切り、カバー膜の剥離除去処理を終了する。
また、ストレートノズル40から基板Wに溶媒を供給するときには、上記と同様に、露光処理後の基板Wをスピンチャック11が水平姿勢にて吸着保持する。次に、ストレートノズル40が回動動作によって基板Wの回転中心Oの直上位置まで移動し、基板Wの表面に溶媒を吐出する。このときには、基板Wを静止保持状態としておいても良いし、低速で回転させるようにしても良い。ストレートノズル40から基板Wの回転中心O近傍に溶媒を供給することにより、基板Wの表面全面に溶媒が均一に供給され、液盛りされた状態となる。これによって、カバー膜をレジスト膜から剥離する処理が進行する。このときには、ストレートノズル40から基板Wに溶媒を供給し続けても良いし、液盛りされた状態を維持すべくストレートノズル40からの溶媒供給を停止するようにしても良い。所定時間の剥離処理が終了した後、基板Wを高速回転させることによって基板W上から溶媒および剥離したカバー膜の成分を振り切り、カバー膜の剥離除去処理を終了する。
また、二流体ノズル60から基板Wに溶媒を供給するときにも、上記と同様に、露光処理後の基板Wをスピンチャック11が水平姿勢にて吸着保持する。続いて、二流体ノズル60が回動動作によって基板Wの回転中心Oの直上位置まで移動する。そして、この状態にて電動モータ12による基板Wの回転を開始するとともに、二流体ノズル60から窒素ガスと溶媒とを混合して形成されるミスト状の溶媒液滴を含む混合流体の吐出を開始する。その後、二流体ノズル60を基板Wの回転中心Oの直上位置と端縁部上方位置との間で往復移動(スキャン)させる。これによって、基板Wの表面全面に溶媒の液滴を含む混合流体が均一に吹き付けられ、カバー膜をレジスト膜から剥離する処理が進行する。所定時間の剥離処理が終了した後、上記と同様に、基板Wを高速回転させることによって基板W上から溶媒および剥離したカバー膜の成分を振り切り、カバー膜の剥離除去処理を終了する。
以上のように、本実施形態のカバー膜除去装置1においては、3種類のノズル、すなわちスリットノズル20、ストレートノズル40および二流体ノズル60のいずれかを選択し、そのノズルから露光処理後の基板Wに溶媒を供給してカバー膜の剥離除去処理を行う。3種類のノズルのうち、スリットノズル20は溶媒の液盛りを行う特性に最も優れている。よって、溶媒とカバー膜との濡れ性が良くない(接触角が大きい)場合には、スリットノズル20を選択して使用することにより、溶媒を確実に基板Wの表面に液盛りすることができ、その結果カバー膜を良好に剥離除去することができる。
また、二流体ノズル60は、溶媒による化学的作用に加えて高速で液滴を吹き付けることによる物理的作用をもカバー膜に及ぼすことができるため、カバー膜の剥離除去能力が他のノズルよりも優れている。よって、カバー膜とレジスト膜との密着性が高い(つまりカバー膜の剥離性が低い)ような場合には、二流体ノズル60を選択して使用することにより、カバー膜を確実に剥離除去することができる。
一方、ストレートノズル40は、基板W上に溶媒を無駄なく液盛りすることができ、他のノズルに比較して消費する溶媒量を少量に抑制することができる。従って、溶媒とカバー膜との濡れ性が良好(接触角が小さい)で、しかもカバー膜とレジスト膜との密着性が低い(剥離性が高い)ような場合には、ストレートノズル40を選択して使用することにより、溶媒消費量増大を抑制しつつカバー膜を良好に剥離除去することができる。
このように、本実施形態のカバー膜除去装置1は、溶媒を互いに異なる形態にて吐出する3種類のノズル(スリットノズル20、ストレートノズル40および二流体ノズル60)を備え、カバー膜の性質に応じて、それらのいずれかを適宜選択して使用することができるため、多種多様な性質のカバー膜に対応した除去処理を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、スリットノズル20、ストレートノズル40および二流体ノズル60のうちからいずれかを選択して使用するものとしていたが、1回の剥離除去処理に2種以上のノズルを使用するようにしても良い。例えば、溶媒とカバー膜との濡れ性が悪く、しかもカバー膜とレジスト膜との密着性も高いような場合には、まず、スリットノズル20によって基板W上に溶媒を液盛りして表層近傍のカバー膜の剥離した後、二流体ノズル60から基板Wに溶媒の液滴を含む混合流体を吐出することによりレジスト膜との界面近傍のカバー膜を確実に除去する。また、例えば、ストレートノズル40から基板Wに溶媒を供給した後に、二流体ノズル60から溶媒の液滴を含む混合流体を基板Wに吐出するようにしても良い。さらには、ストレートノズル40および二流体ノズル60を同時に使用するようにしても良い。この場合は、基板Wにストレートノズル40から溶媒を吐出しつつ、二流体ノズル60から溶媒液滴を含む混合流体を吹き付け、ノズルアーム41を回動させて両ノズルをスキャンさせる。
また、一穴の吐出口を有するストレートノズル40に代えて、多穴の吐出口を有する吐出ノズルをカバー膜除去装置1に設けるようにしても良い。図7は、多穴の吐出口を有する吐出ノズルの一例を示す図である。多穴ノズル70の筒状体71は溶媒送給用の分岐配管51aに流路接続されている。筒状体71の下端は詰栓部72によって閉塞されている。その詰栓部72の中央を貫通するようにして液流下エレメント73が固着されている。また、詰栓部72には複数(例えば10個)の吐出口74が液流下エレメント73を中心とする円周上に形設されている。分岐配管51aを経由して送給された溶媒は、多穴ノズル70の複数の吐出口74から均等に吐出され、液流下エレメント73の表面に沿って流れる間に複数の棒状の流れが互いにつながって膜状の流れとなり、液流下エレメント73の下部周面から均等に基板Wの表面に流下する。このような多穴ノズル70によれば、ストレートノズル40と同程度に溶媒消費量を抑制しつつ、しかも溶媒中にマイクロバブルが混入することを防止することができる。
また、図8は、多穴の吐出口を有する吐出ノズルの他の例を示す図である。図8(a)は多穴ノズル80の正面図であり、(b)はその底面図である。分岐配管51aの先端には多穴ノズル80が流路接続されている。多穴ノズル80の下面には、複数(例えば8個)の吐出口81が直線状に並んで形設されている。全ての吐出口81は分岐配管51aと連通しており、分岐配管51aを経由して送給された溶媒は、多穴ノズル80の複数の吐出口81から均等に吐出される。この多穴ノズル80を使用するときには基板Wの中心近傍と端縁部との間で往復移動させる。このとき、基板Wの回転中心Oから各吐出口81までの距離がそれぞれ異なるように構成されているため、各吐出口81から吐出された溶媒の基板W上における着液地点の軌跡は相互に重複しない。よって、このような多穴ノズル80を使用すれば、ストレートノズル40と同程度に溶媒消費量を抑制しつつ、しかも基板Wの表面全体にわたって溶媒を均一に供給することができる。なお、ストレートノズル40、多穴ノズル70および多穴ノズル80はいずれも分岐配管51aの先端に取り付けられるものであり、相互に付け替えて交換可能である。
また、上記実施形態においては、1つのノズルアーム41にストレートノズル40および二流体ノズル60の双方を取り付けていたが、これらを異なるノズルアームに設けるようにしても良い。例えば、図1において、外側カップ19の手前側にもノズルアーム41と同様のアームを設け、それに二流体ノズル60を取り付けるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、二流体ノズル60を内部混合型としてたが、窒素ガスおよび溶媒をノズル外部の開放空間にて衝突させて混合することによりミスト状の溶媒の液滴を生成して基板Wに対して吐出するいわゆる外部混合型の二流体ノズルとしても良い。
また、本発明に係る基板処理技術の処理対象となる基板は半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用のガラス基板等であっても良い。ガラス基板は通常矩形であるため、スリットノズル20のスリット状吐出口25の長手方向長さLはガラス基板の幅以上とすれば良い。すなわち、スリットノズル20のスリット状吐出口25の長手方向長さLは基板のサイズ以上であれば良い。
本発明に係るカバー膜除去装置の平面図である。 図1のカバー膜除去装置の要部を示すV−V線断面図である。 図1のカバー膜除去装置の要部を示すV−V線断面図である。 スリットノズルのスリット状吐出口を示す図である。 ストレートノズルおよび二流体ノズルの移動態様を示す図である。 二流体ノズルの構造を示す概略断面図である。 多穴の吐出口を有する吐出ノズルの一例を示す図である。 多穴の吐出口を有する吐出ノズルの他の例を示す図である。
符号の説明
1 カバー膜除去装置
6,7 待機ポット
10 保持回転部
11 スピンチャック
12 電動モータ
13 回転軸
20 スリットノズル
25 スリット状吐出口
40 ストレートノズル
60 二流体ノズル
70,80 多穴ノズル
90 制御部
W 基板

Claims (5)

  1. レジスト膜の上にカバー膜を形成した基板の露光後に当該カバー膜を除去するカバー膜除去装置であって、
    基板を略水平姿勢にて保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板の表面に、前記カバー膜を溶解する溶媒を互いに異なる形態にて吐出する複数の溶媒吐出手段と、
    を備えることを特徴とするカバー膜除去装置。
  2. 請求項1記載のカバー膜除去装置において、
    前記複数の溶媒吐出手段は、前記保持手段に保持された基板のサイズ以上の長さを有するスリット状吐出口から溶媒を吐出するスリットノズルを含み、
    前記スリット状吐出口から溶媒を吐出する前記スリットノズルを、前記基板の一方側から前記基板上を通過して他方側まで移動させる移動手段をさらに備えることを特徴とするカバー膜除去装置。
  3. 請求項2記載のカバー膜除去装置において、
    前記複数の溶媒吐出手段は、溶媒と気体と混合して溶媒の液滴を生成して吐出する二流体ノズルを含むことを特徴とするカバー膜除去装置。
  4. 請求項3記載のカバー膜除去装置において、
    前記複数の溶媒吐出手段は、溶媒を一穴または他穴の吐出口より吐出する吐出ノズルを含むことを特徴とするカバー膜除去装置。
  5. 請求項4記載のカバー膜除去装置において、
    前記保持手段に保持された基板に、前記スリットノズルまたは前記吐出ノズルから溶媒を供給した後に、前記二流体ノズルから溶媒の液滴を吐出するように制御する吐出制御手段をさらに備えることを特徴とするカバー膜除去装置。
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CN109698145A (zh) * 2017-10-23 2019-04-30 东京毅力科创株式会社 喷嘴待机装置、液处理装置及其运转方法和存储介质

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