JP2007096046A - 半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置および電子機器 - Google Patents

半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で特性に優れる半導体装置を製造可能な半導体装置の製造方法、かかる半導体装置の製造方法により製造された半導体装置、およびかかる半導体装置を備える信頼性の高いアクティブマトリクス装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】第1のTFT20は、下地膜70と、下地膜70上に設けられ、半導体層23と、半導体層23を覆うように設けられたゲート絶縁膜37と、ゲート絶縁膜37を介して設けられたゲート電極21とを有し、さらに、第1層間絶縁膜51および第2層間絶縁膜52が積層されている。下地膜70は、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成され、下面近傍におけるN/O比Aが、上面近傍におけるN/O比Bより大きい膜である。この下地膜70は、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成し、その後、この被膜に対して、オゾンを含む雰囲気中で熱処理を施すことにより形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置および電子機器に関するものである。
近年、大型で高解像度の液晶表示装置や、低コスト化のためドライバー回路を同一基板上に形成したモノリシック型の液晶表示装置、薄膜集積回路等への実現に向けて、ガラス基板上や、絶縁膜上に高性能な半導体装置を形成する試みがなされている。
これらの半導体装置では、半導体層の保護や絶縁を目的として、半導体層に接触するように下地膜が設けられている。
この下地膜は、通常、塗布法やCVD法等により形成される。
このうち、塗布法は、安価で効率のよい形成方法とされている。具体的には、例えば、ポリシラザンを含有する液状被膜を、水蒸気含有雰囲気(wetO雰囲気)中で焼成することにより、酸化ケイ素(SiO)の下地膜を形成したり、不活性雰囲気中で焼成することにより、窒化ケイ素(SiN)の下地膜を形成したりする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
上記の方法により形成されたSiO膜は、半導体層との界面におけるダングリングボンドの割合が比較的小さく、半導体層における電子の移動が阻害され難いが、その一方、半導体層への不純物の拡散を防止するバリア効果が劣る傾向を示す。
また、SiN膜は、バリア効果に優れているが、半導体層との界面に生じたダングリングボンドの割合が比較的大きく、薄膜トランジスタの特性を低下させるおそれがある。
特開2005−93700号公報
本発明の目的は、安価で特性に優れる半導体装置を製造可能な半導体装置の製造方法、かかる半導体装置の製造方法により製造された半導体装置、およびかかる半導体装置を備える信頼性の高いアクティブマトリクス装置および電子機器を提供することにある。
上記目的は、下記により達成される。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成された下地膜を形成する第1の工程と、
前記下地膜上に、半導体層を形成する第2の工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
前記第1の工程において、前記基板上に、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成した後、該被膜に対して、オゾンを含む雰囲気中で熱処理を施すことにより、前記基板側の面近傍におけるN/O比Aが、前記基板と反対側の面近傍におけるN/O比Bより大きくなるような前記下地膜を得ることを特徴とする。
これにより、安価で特性に優れる半導体装置を製造することができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記被膜は、前記シラザン構造を有するポリマーと溶媒とを含有する液状材料を供給して液状被膜を形成し、該液状被膜から前記溶媒を除去することにより形成されることが好ましい。
これにより、容易に被膜を得ることができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記N/O比Bを、前記第1の工程において、前記雰囲気中のオゾンの濃度、前記熱処理の温度および前記熱処理の時間のうちの少なくとも1つの条件を設定することにより調整することが好ましい。
これにより、下地膜の基板と反対側の面近傍の特性を調整することができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記熱処理における前記雰囲気中のオゾンの濃度は、標準状態(0℃、大気圧)において、50〜500g/mであることが好ましい。
これにより、下地膜の基板と反対側の面近傍におけるN/O比Bと、基板側の面近傍におけるN/O比Aとの間に、十分な差を生じさせることができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記熱処理における前記雰囲気は、実質的に水蒸気を含有しないことが好ましい。
これにより、水蒸気の強力な酸化作用を抑制することができ、下地膜の基板と反対側の面近傍におけるN/O比Bと、基板側の面近傍におけるN/O比Aとの間に、特に十分な差を生じさせることができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記熱処理の温度は、200〜600℃であることが好ましい。
これにより、基板の劣化を防止しつつ、オゾンと被膜との間で特に活発な反応を生じさせ、下地膜を容易かつ確実に形成することができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記熱処理の時間は、0.1〜2時間であることが好ましい。
これにより、オゾンと被膜との間で必要かつ十分な反応を生じさせることができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記熱処理は、前記被膜に対して紫外線を照射しつつ行われることが好ましい。
これにより、照射した紫外線量に応じて、被膜の基板と反対側の面近傍における酸化の程度を制御して、得られる下地膜のN/O比Bの分布をある程度調整することができる。
本発明の半導体装置は、本発明の半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、特性に優れる半導体装置が得られる。
本発明の半導体装置は、基板と、
該基板上に設けられ、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成され、前記基板側の面近傍におけるN/O比Aが、前記基板と反対側の面近傍におけるN/O比Bより大きい下地膜と、
該下地膜上に設けられた半導体層とを有することを特徴とする。
これにより、特性に優れる半導体装置が得られる。
本発明の半導体装置では、前記下地膜の前記基板側の面から、前記基板と反対側の面に向かって、Nの濃度が連続的に増加していることが好ましい。
このような下地膜は、その内部構造や結晶サイズ等も連続的に変化したものとなり、内部に構造欠陥等が生じ難いものとなる。その結果、下地膜は、バリア効果や絶縁特性等に特に優れたものとなる。
本発明の半導体装置では、前記N/O比Aが、1より大きいことが好ましい。
これにより、下地膜の基板側の面近傍において、SiNまたはSiONの影響が支配的となり、下地膜のバリア効果が特に顕著になる。その結果、下地膜は、バリア効果や絶縁特性等に特に優れたものとなる。
本発明の半導体装置では、前記N/O比Bが、1より小さいことが好ましい。
これにより、下地膜の基板と反対側の面近傍において、SiOの影響が支配的となり、ダングリングボンドの割合が特に低くなる。その結果、下地膜は、半導体層における電子の移動度が低下するのをより確実に抑制することができる。
本発明のアクティブマトリクス装置は、本発明の半導体装置と、
前記半導体層を備えるトランジスタと、
該トランジスタに接続され、マトリクス状に配設された画素電極とを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高いアクティブマトリクス装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明のアクティブマトリクス装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置および電子機器について、好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下では、本発明のアクティブマトリクス装置を有機EL(エレクトロルミネセンス)装置、特に、アクティブマトリクス型有機EL装置(以下、「アクティブマトリクス型表示装置」と言う。)に適用した場合を一例に説明する。なお、ここでは便宜的に有機EL装置を表示装置と表現するが、表示を目的としたものに限られるわけではなく、表示を目的としない発光装置を含む。
図1は、アクティブマトリクス型表示装置の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図、図2は、図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の1つの画素を抜き出して示す平面図、図3(A)、(B)、(C)は、それぞれ、図2中のA−A’断面図、B−B’断面図、およびC−C’断面図、図4は、薄膜トランジスタの構成を示す断面図、図5は、有機エレクトロルミネセンス素子の構成を示す断面図、図6および図7は、それぞれ、図4に示す薄膜トランジスタの製造工程を説明するための図(断面図)である。なお、以下の説明では、図3〜図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
まず、アクティブマトリクス型表示装置(本発明のアクティブマトリクス装置)1の全体構成について説明する。
図1に示すアクティブマトリクス型表示装置1では、その基体たる透明基板10の中央部分が表示部11とされている。
透明基板10の上面(図1中、紙面手前側の面)のほぼ全面には、下地膜70が設けられ、この下地膜70上に各部が形成(構成)されている。
透明基板10の外周部分のうち、データ線sigの端部には、画像信号を出力するデータ側駆動回路3が構成され、走査線gateの端部には、走査信号を出力する走査側駆動回路4が構成されている。
これらの駆動回路3、4では、N型のTFTとP型のTFTとによって相補型TFTが構成され、この相補型TFTは、シフトレジスタ回路、レベルシフタ回路、アナログスイッチ回路などを構成している。
表示部11では、アクティブマトリクス型液晶表示装置のアクティブマトリクス基板と同様、透明基板10上に、複数の走査線gateと、該走査線gateの延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線sigとによって、複数の画素7がマトリクス状に構成されている。
各々の画素7には、走査線gateを介して走査信号が供給される導通制御回路50と、この導通制御回路50を介してデータ線sigから供給される画像信号に基づいて発光する有機EL素子40とが構成されている。
ここに示す例においては、導通制御回路50は、走査線gateを介して走査信号がゲート電極に供給される第1のTFT20(本発明の半導体装置)と、この第1のTFT20を介してデータ線sigから供給される画像信号を保持する保持容量capと、この保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2のTFT30(本発明の半導体装置)とから構成されている。
第2のTFT30と有機EL素子40とは、詳しくは後述する対向電極opと共通給電線comとの間に直列に接続している。
なお、保持容量capについては、共通給電線comとの間に形成した構造の他、走査線gateと並列に形成した容量線との間に形成してもよく、また、第1のTFT20のドレイン領域と、第2のTFT30のゲート電極31とを利用した構造でもよい。
このような構成のアクティブマトリクス型表示装置1では、図2および図3(A)、(B)に示すように、いずれの画素7においても、島状の半導体膜(シリコン膜)を利用して第1のTFT20および第2のTFT30が形成されている。
ここでは、第1のTFT20および第2のTFT30の構成について簡単に説明し、詳細については、後述する。
第1のTFT20は、ゲート電極21が走査線gateの一部として構成されている。第1のTFT20は、ソース・ドレイン領域の一方に第1層間絶縁膜51のコンタクホールを介してデータ線sigが電気的に接続し、他方にはドレイン電極22が電気的に接続している。
ドレイン電極22は、第2のTFT30の形成領域に向けて延設されており、この延設部分には第2のTFT30のゲート電極31が第1層間絶縁膜51のコンタクトホールを介して電気的に接続している。
第2のTFT30のソース・ドレイン領域の一方には、第1層間絶縁膜51のコンタクトホールを介して、データ線sigと同時形成された中継電極35が電気的に接続し、この中継電極35には、第2層間絶縁膜52のコンタクトホールを介して有機EL素子40の透明な画素電極41が電気的に接続している。
図2および図3(B)、(C)からわかるように、画素電極41は各画素7毎に独立して形成されている。
画素電極41の上層側には、有機半導体膜として、有機EL層(有機エレクトロルミネセンス層)43、対向電極opがこの順に積層され、有機EL素子40が構成されている。
有機EL層43は各画素7に形成されているが、複数の画素7に跨がってストライプ状に形成される場合もある。対向電極opは、表示部11全体と、少なくとも端子12が形成されている部分の周囲を除いた領域に形成されている。
なお、有機EL素子40の詳細については、後に説明する。
再び、図2および図3(A)において、第2のTFT30のソース・ドレイン領域のもう一方には、第1層間絶縁膜51のコンタクトホールを介して共通給電線comが電気的に接続している。
共通給電線comの延設部分39は、第2のTFT30のゲート電極31の延設部分36に対して、第1層間絶縁膜51を誘電体膜として挟んで対向し、保持容量capを構成している。
このように構成したアクティブマトリクス型表示装置1では、走査信号によって選択されて第1のTFT20がオン状態になると、データ線sigからの画像信号が第1のTFT20を介して第2のTFT30のゲート電極31に印加されるとともに、画像信号が第1のTFT20を介して保持容量capに書き込まれる。
その結果、第2のTFT30がオン状態になると、対向電極opおよび画素電極41をそれぞれ負極(陰極)および正極(陽極)として電圧が印加され、印加電圧がしきい値電圧を越えた領域で有機EL層43に流れる電流(駆動電流)が急激に増大する。
これにより、有機EL素子40が発光し、発せられた光は、直接または対向電極opに反射されて透明な画素電極41および透明基板10を透過して出射される。
このような発光を行うための駆動電流は、対向電極op、有機EL層43、画素電極41、第2のTFT30、および共通給電線comから構成される電流経路を流れるため、第2のTFT30がオフ状態になると、流れなくなる。
ただし、第2のTFT30のゲート電極は、第1のTFT20がオフ状態になっても、保持容量capによって画像信号に相当する電位に保持されるので、第2のTFT30は、オン状態のままである。
このため、有機EL素子40には駆動電流が流れ続け、この画素は点灯状態のままである。この状態は、新たな画像データが保持容量capに書き込まれて、第2のTFT30がオフ状態になるまで維持される。
次に、第1のTFT20および第2のTFT30の構成について詳述するが、これらの構成は、ほぼ同様であるので、第1のTFT20を代表に説明する。
図4に示すように、第1のTFT20は、下地膜70と、下地膜70上に設けられ、チャンネル領域(チャネル部)233とソース領域(ソース部)231とドレイン領域(ドレイン部)232とを備える半導体層(半導体膜)23と、半導体層23を覆うように設けられたゲート絶縁膜37と、ゲート絶縁膜37を介してチャンネル領域(チャネル領域)233と対向するように設けられたゲート電極21と、第1層間絶縁膜51とを有している。
そして、第1層間絶縁膜51上には、データ線(ソース電極)sigおよびドレイン電極22が設けられ、ソース領域231とデータ線sigとがコンタクトプラグ24により電気的に接続され、ドレイン領域232とドレイン電極22とがコンタクトプラグ25により電気的に接続されている。
また、第1層間絶縁膜51上には、データ線sig、ドレイン電極22および延設部分39を覆うように第2層間絶縁膜(パッシベーション膜)52が設けられている。
データ線sigおよびドレイン電極22は、それぞれ、導電性を有する金属配線膜により構成されている。
半導体層23は、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム等の半導体材料で構成される。
前述したように、この半導体層23は、ソース領域231とドレイン領域232とチャンネル領域233とを有している。
半導体層23は、チャンネル領域233の一方の側部にソース領域231が形成され、チャンネル領域233の他方の側部にドレイン領域232が形成された構成となっている。
チャンネル領域233は、例えば、真性半導体材料で構成される。
ソース領域231およびドレイン領域232は、それぞれ、例えば、リン等のn型不純物が導入(ドープ)された半導体材料で構成される。
なお、半導体層23の構成はこの構成に限定されず、例えば、ソース領域231およびドレイン領域232は、p型不純物が導入された半導体材料で構成されてもよい。
また、チャンネル領域233は、例えば、p型またはn型不純物が導入された半導体材料で構成されてもよい。
このような半導体層23は、絶縁膜(ゲート絶縁膜37、第1層間絶縁膜51、第2層間絶縁膜52)で覆われている。
これらの絶縁膜のうち、第1層間絶縁膜51および第2層間絶縁膜52は、それぞれ、半導体膜23を外部の酸素や水分等から保護する機能を有する。
この第1層間絶縁膜51および第2の層間絶縁膜52は、それぞれ、SiO、SiN、SiONのような無機材料や、樹脂材料のような有機材料を主材料として構成することができる。
また、第1層間絶縁膜51および第2層間絶縁膜52をSiOで構成する場合、例えば、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成し、水蒸気を含む酸化雰囲気中で熱処理を施すこと等により形成することができる。
なお、第1層間絶縁膜51および第2層間絶縁膜52のうちの少なくとも一方は、他の方法で形成してもよい。
一方、下地膜70は、前述の半導体膜23を外部の酸素や水分等から保護する機能に加え、透明基板10から溶出したイオン等が半導体層23に至るのを防止する機能も有する。
従来、この下地膜70は、全体にわたってSiO膜、SiN膜またはSiON膜等で構成されていた。
このうち、SiO膜は、その表面のSi−O結合が切断された未結合手(ダングリングボンド)に水素原子が結合することにより、比較的容易に終端化される。これにより、SiO膜で構成された下地膜は、ダングリングボンドによってSiO膜の上面に隣接した半導体層中の電子の移動が阻害されることが抑制され、電子の移動度の低下を抑制することができる。
しかし、このSiO膜は、例えばアルカリ金属のような不純物の拡散を防止するバリア効果において、やや劣る傾向がある。
また、SiN膜およびSiON膜は、それぞれ、不純物の拡散を防止するバリア効果に優れたものである。これにより、不純物から半導体層を保護する保護膜として好適なものである。
しかし、これらのSiN膜およびSiON膜は、その表面にダングリングボンドが比較的多く存在し、また、これらのダングリングボンドは終端化され難い傾向を示す。したがって、半導体層中の電子が、このダングリングボンドによって捕捉され易く、電子の移動度が低下するおそれがある。
これに対し、本発明では、下地膜70を、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成し、下面近傍におけるN/O比Aが、上面近傍におけるN/O比Bより大きいものとした。
このような下地膜70は、単一相の膜にもかかわらず、前述のSiO膜の長所と、SiN膜およびSiON膜の長所とを、それぞれ持ち合わせたものとなる。
すなわち、上記のような下地膜70では、半導体層23と接触する上面において、Oに対してNが比較的少ない。換言すれば、この上面近傍におけるSiOの割合が高く、そのためダングリングボンドの割合が低くなっている。これにより、下地膜70によって半導体層23中の電子を捕捉する確率が低下して、半導体層23における電子の移動度が低下するのを防止することができる。
一方、透明基板10と接触する下面では、Oに対してNが比較的多く存在する。換言すれば、下面近傍におけるSiNまたはSiONの割合が高くなっている。SiNおよびSiONは、イオンの透過を防止する機能に優れ、これにより、透明基板10が含有するアルカリ金属等の不純物が、半導体層23に拡散するのを防止するバリア効果が高くなっている。その結果、下地膜70によって、これらの不純物により半導体層23が劣化するのを保護して、薄膜トランジスタの特性が低下(例えば、off電流値の上昇、S値の上昇、駆動電圧の上昇等)するのを防止することができる。
したがって、上記のような下地膜70は、半導体層23の電子の移動度を比較的高く維持しつつ、不純物の拡散を確実に防止し得るものとなる。
また、このような下地膜70は、形成後に、wetO雰囲気中で熱処理を施しても、薄膜トランジスタの特性にほとんど変化は見られない。したがって、下地膜70は、耐酸化性および耐湿性に優れたものであるといえる。
また、下地膜70では、その上面から下面に向かって、Nの濃度が連続的に増加しているのが好ましい。このような下地膜70は、その内部構造や結晶サイズ等も連続的に変化したものとなり、内部に構造欠陥等が生じ難いものとなる。その結果、下地膜70は、バリア効果や絶縁特性等に特に優れたものとなる。
また、下地膜70の下面近傍においては、特に、N/O比Aが1より大きい(Nの濃度がOの濃度より高い)のが好ましく、2以上であるのがより好ましい。これにより、下面近傍において、SiNまたはSiONの影響が支配的となり、下地膜70のバリア効果が特に顕著になる。その結果、下地膜70は、半導体層23を不純物の拡散による劣化から、より確実に保護することができる。
一方、下地膜70の上面近傍においては、特に、N/O比Bが1より小さい(Oの濃度がNの濃度より高い)のが好ましく、0.1以下であるがより好ましく、0.01以下であるのがさらに好ましい。これにより、上面近傍において、SiOの影響が支配的となり、ダングリングボンドの割合が特に低くなる。その結果、下地膜70は、半導体層23における電子の移動度が低下するのをより確実に抑制することができる。
このような下地膜70を設けることにより、第1のTFT20において、off電流値の上昇、S値の上昇、駆動電圧の上昇(しきい値電圧の高電圧側へのシフト)等が生じるのを好適に防止することができる。
また、このような下地膜70は、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される膜を形成し、この被膜に対して、オゾンを含む雰囲気中で熱処理を施すこと(本発明の半導体装置の製造方法)により好適に形成される。これについては、後に詳述する。
なお、第1層間絶縁膜51、第2層間絶縁膜52および下地膜70の平均厚さは、特に限定されないが、それぞれ、100nm〜2μm程度であるのが好ましく、200nm〜1μm程度であるのがより好ましい。これにより、各膜51、52、70は、十分に、酸素や水分の透過を防止する機能を発揮する。また、下地膜70においては、不純物の拡散をより確実に防止することができる。
ゲート電極21は、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta、Ta合金等の導電性材料で構成される。
ゲート絶縁膜37および第1層間絶縁膜51には、ソース領域231およびドレイン領域232に到達するコンタクトホール26、27が形成されている。
データ線sigおよびドレイン電極22は、それぞれ、コンタクトホール26、27内に形成されたコンタクトプラグ24、25を介して、ソース領域231およびドレイン領域232と電気的に接続されている。
次に、有機EL素子40の構成について説明する。
図4に示すように、有機EL素子40は、画素電極41、有機EL層43、対向電極opがこの順に積層されて構成されている。また、有機EL層43は、画素電極41側から順に、正孔輸送層431、発光層432および電子輸送層433が積層されて構成されている。
画素電極41は、正孔輸送層431に正孔を注入する電極である。
本実施形態のアクティブマトリクス型表示装置1は、透明基板10側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)であるため、画素電極41は、実質的に透明(無色透明、有色透明、半透明)とされている。
このような画素電極41の構成材料(陽極材料)としては、仕事関数が大きく、導電性に優れ、また、透光性を有する材料を用いるのが好ましく、具体的には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の透明導電性酸化物等が挙げられる。
画素電極41の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。
なお、画素電極41の構成材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
一方、対向電極opは、電子輸送層433に電子を注入する電極である。
対向電極opの構成材料(陰極材料)としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましく、具体的には、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられる。
特に、合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。
対向電極opの平均厚さは、特に限定されないが、1nm〜1μm程度であるのが好ましく、100〜400nm程度であるのがより好ましい。
画素電極41と対向電極opとの間には、有機EL層43が設けられている。有機EL層43は、正孔輸送層431と、発光層432と、電子輸送層433とを備え、これらがこの順で画素電極41上に形成されている。
正孔輸送層431は、画素電極41から注入された正孔を発光層432まで輸送する機能を有する層である。
正孔輸送層431の構成材料(正孔輸送材料)は、各種の高分子材料や、各種の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
p型の高分子材料(有機ポリマー)としては、例えば、ポリアリールアミンのようなアリールアミン骨格を有するもの、フルオレン−ビチオフェン共重合体のようなフルオレン骨格を有するもの、フルオレン−アリールアミン共重合体のようなアリールアミン骨格およびフルオレン骨格の双方を有するもの、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられる。
また、前記化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
一方、p型の低分子材料としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD1)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD3)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、TPTEのようなアリールアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、OZのようなオキサゾール系化合物、トリフェニルメタン、m−MTDATAのようなトリフェニルメタン系化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7,−トリニトロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリアニリンのようなアニリン系化合物、シラン系化合物、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのようなポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシアニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が挙げられる。
正孔輸送層431の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
電子輸送層433は、対向電極opから注入された電子を発光層432まで輸送する機能を有する層である。
電子輸送層433の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物(スターバースト系化合物)、ナフタレンのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセンのようなクリセン系化合物、ペリレンのようなペリレン系化合物、アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ブタジエンのようなブタジエン系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、キノリンのようなキノリン系化合物、ビスチリルのようなビスチリル系化合物、ピラジン、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリンのようなキノキサリン系化合物、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノンのようなナフトキノン系化合物、アントラキノンのようなアントラキノン系化合物、オキサジアゾール、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、BMD、BND、BDD、BAPDのようなオキサジアゾール系化合物、トリアゾール、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロンのようなアントロン系化合物、フルオレノン、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、ジフェノキノン、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、スチルベンキノン、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられる。
電子輸送層433の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。
画素電極41と対向電極opとの間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層431中を正孔が、また、電子輸送層433中を電子が移動し、発光層432において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層432ではエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
発光層432の構成材料(発光材料)としては、各種の高分子の発光材料や、各種の低分子の発光材料を単独または組み合わせて用いることができる。
高分子の発光材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられる。
一方、低分子の発光材料としては、例えば、ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート) アルミニウム(III)(Almq)、8−ヒドロキシキノリン 亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン プラチナム(II)のような各種金属錯体等が挙げられる。
発光層432の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、本実施形態では、発光層432は、正孔輸送層431および電子輸送層433と別個に設けられているが、正孔輸送層431と発光層432とを兼ねた正孔輸送性発光層や、電子輸送層433と発光層432とを兼ねた電子輸送性発光層とすることもできる。この場合、正孔輸送性発光層の電子輸送層433との界面付近が、また、電子輸送性発光層の正孔輸送層431との界面付近が、それぞれ、発光層として機能する。
このようなアクティブマトリクス型表示装置1では、対向電極op上に、保護膜60が形成されている。この保護膜60は、有機EL素子40を外部の酸素や水分等から保護する機能を有する。保護膜60を設けることにより、有機EL素子40に発光効率の低下、駆動電圧の上昇(しきい値電圧の高電圧側へのシフト)、信頼性の低下等が生じるのを好適に防止することができる。
保護膜60の平均厚さは、特に限定されないが、100nm〜2μm程度であるのが好ましく、200nm〜1μm程度であるのがより好ましい。これにより、保護膜60は、十分に、酸素や水分の透過を防止する機能を発揮する。
また、保護膜60で有機EL素子40を保護するので、対向電極opに用いる材料としては、有機EL素子40の発光効率や駆動電圧などの面からその材質を選択すればよく、有機EL素子40を保護する性能が高いものに限定されないという利点もある。
また、本実施形態では、図1、図2および図3(A)、(B)、(C)に示すように、データ線sigおよび走査線gateに沿って、バンク層bankを設け、このバンク層bankの上層側に対向電極opが形成されている。
このため、データ線sigと対向電極opとの間には、第2層間絶縁膜52とバンク層bankとが介在するため、データ線sigに寄生する容量を小さくすることができる。これにより、駆動回路3、4の負荷を低減し、低消費電力化あるいは表示動作の高速化を図ることができる。
また、図1に示すように、透明基板10の周辺領域(表示部11の外側領域)にもバンク層bank(形成領域に斜線を付してある。)が形成されている。すなわち、データ側駆動回路3および走査側駆動回路4は、いずれも、バンク層bankによって覆われている。
これにより、例え、対向電極opを駆動回路3、4の一部と重ねるように、大きく形成した場合でも、駆動回路の配線層と対向電極opとの間にバンク層bankが介在することになるので、駆動回路3、4に容量が寄生することも防止することができる。このため、駆動回路3、4の負荷を低減でき、低消費電力化あるいは表示動作の高速化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、画素電極41の形成領域のうち、導通制御回路50の中継電極35と重なる領域にもバンク層bankが形成されている。
このため、中継電極35と重なる領域には有機EL層43が形成されない。すなわち、画素電極41の形成領域のうち、平坦な部分に選択的に有機EL層43が形成される。これにより、有機EL層43は一定の膜厚で形成され、表示ムラが生じるのを好適に防止することができる。
また、中継電極35上に有機EL層43が形成されないので、当該部分に電流が流れること(無効電流の発生)を防止すること、すなわち、共通給電線comに無駄な電流が流れることを防止することができる。
このため、その分、共通給電線comの幅を狭く形成することができる。その結果、発光面積を増すことができ、輝度、コントラスト比などの表示性能を向上させることができる。
このようなバンク層bankの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、レジスト材料、ポリイミド等の樹脂材料のような有機材料や、酸化シリコン、窒化シリコンのような無機材料等が挙げられる。
バンク層bankの平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜20μm程度であるのが好ましく、1〜10μm程度であるのがより好ましい。
なお、バンク層bankを黒色のレジスト材料等を用いて形成することにより、バンク層bankをブラックマトリクスとして機能させることができ、コントラスト比などの表示の品位を向上させることができる。
また、以上のようなバンク層bankは、有機EL層43の形成領域を囲むように設けられているので、アクティブマトリクス型表示装置1の製造工程では、有機EL層43を形成する際に、インクジェットヘッドから吐出した液状材料(吐出液)をせき止め、吐出液が側方にはみ出すことを防止することもできる。
このようなアクティブマトリクス型表示装置1は、例えば、次のようにして製造することができる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法を適用したアクティブマトリクス型表示装置1の製造方法について説明する。
<1> まず、図6(a)に示すように、透明基板10上に、下地膜70を形成する。
本発明では、この下地膜70の形成方法に特徴を有する。以下、この点(特徴)について詳述する。
下地膜70は、次の工程<1−1>〜<1−3>を経て形成することができる。
図8は、下地膜の形成工程を説明するための図(断面図)である。なお、以下の説明では、図8中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
<1−1>液状材料の塗布工程
まず、シラザン構造を有するポリマーと溶媒とを含有する液状材料を調製する。
ここでシラザン構造を有するポリマー(以下、単に「ポリマー」と言う。)としては、一般式:−(SiHNH)−で表されるポリシラザン、または、その側鎖に各種官能基が導入された誘導体等が挙げられる。
なお、このポリマーは、その重量平均分子量が100〜5000程度であるのが好ましく、500〜2500程度であるのがより好ましい。このような重量平均分子量のポリマーは、常温常圧下で粘性液体状を呈しており、液状材料の調製が容易である。
溶媒には、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジブチルエーテル,ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
液状材料中のポリマーの濃度は、5〜20重量%程度であるのが好ましい。濃度が薄過ぎると、溶媒の種類等によっては、十分な膜厚の下地膜70を形成するのが困難となるおそれがあり、一方、濃度が濃過ぎると、液状材料の粘度が高くなり、液状材料の均一な供給が困難となるおそれがある。
なお、液状材料中には、前記ポリマー以外に、各種添加剤を添加することができる。
添加剤としては、ポリマーの分解を促進する触媒(例えば、貴金属系触媒、酸化物系触媒)が挙げられる。
次に、図8(a)に示すように、透明基板10上に供給して、液状被膜710を形成する。
液状材料を供給する方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法(液滴吐出法)等を用いることができる。これらの方法によれば、液状被膜710を比較的容易に形成することができる。
<1−2>脱溶媒工程
次に、図8(b)に示すように、液状被膜710から溶媒を除去(脱溶媒)し、前記ポリマーを主材料として構成される被膜720を形成する。このような方法を用いることにより、容易に被膜720を得ることができる。
液状被膜710から溶媒を除去する方法としては、例えば、加熱、大気圧または減圧下での放置、不活性ガスを吹付ける方法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、加熱による方法が好ましい。加熱による方法によれば、被膜720の膜厚が不均一となるのを防止しつつ、容易かつ確実に脱溶媒を行うことができる。
この場合、加熱の温度は、用いる溶媒によっても若干異なり、特に限定されないが、150℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。加熱の温度が低過ぎると、脱溶媒に長時間を要し、非効率的であり、一方、加熱の温度が高過ぎると、加熱の時間等によっては、透明基板10に反り等の変形が生じるおそれがある。
また、加熱の際の雰囲気は、大気、不活性ガス雰囲気、減圧(または真空)雰囲気等のいかなる雰囲気であってもよい。
<1−3>熱処理工程
次に、図8(c)に示すように、被膜720に対して、オゾンを含む雰囲気中で熱処理を施す。
通常、前述のシラザン構造を有するポリマーは、水蒸気含有雰囲気(wetO雰囲気)中で熱処理を施すことにより、水蒸気の強力な酸化作用に伴って被膜中のN(窒素原子)をO(酸素原子)で置換し、被膜全体にわたってSiO(酸化ケイ素)に転化する。
また、このポリマーは、水蒸気を含有しない不活性雰囲気中で熱処理を施すことにより、脱水素反応に伴う熱硬化収縮が生じ、SiN(窒化ケイ素)またはSiON(酸窒化ケイ素)に転化する。
本発明の半導体装置の製造方法では、このような被膜720に対して、オゾンを含む雰囲気中で熱処理を施し、下地膜70を形成する。
ここで、オゾンは、水蒸気より酸化作用、すなわち酸素原子の侵入力が弱いため、被膜720の上面近傍は十分に酸化することができるが、基板側の下面近傍まで十分に酸化することができない。したがって、被膜720に対してオゾンを含む雰囲気中で熱処理を施して形成された下地膜70は、上面近傍と下面近傍とで、酸化の程度が異なることとなる。
すなわち、被膜720に対して、オゾンを含む雰囲気中で熱処理を施して形成された下地膜70は、前述のように、下面近傍におけるN/O比Aが、上面近傍におけるN/O比Bより大きいものとなる。
かかる形成方法によれば、容易かつ確実に前述のような下地膜70(図8(d))を形成することができる。
本工程において、オゾンを含む雰囲気中での熱処理の温度は、200〜600℃程度であるのが好ましく、300〜500℃程度であるのがより好ましい。これにより、透明基板10の劣化を防止しつつ、オゾンと被膜720との間で特に活発な反応を生じさせ、前述のような下地膜70を容易かつ確実に形成することができる。
また、熱処理の時間は、熱処理の温度等に応じて若干異なるが、0.1〜2時間程度であるのが好ましく、0.5〜1時間程度であるのがより好ましい。これにより、オゾンと被膜720との間で必要かつ十分な反応を生じさせることができる。
また、雰囲気中のオゾンの濃度は、標準状態(0℃、大気圧)において、50〜500g/m程度であるのが好ましく、100〜300g/m程度であるのがより好ましい。これにより、下地膜70の上面近傍におけるN/O比Bと、下面近傍におけるN/O比Aとの間に、十分な差を生じさせることができる。このように、N/O比の差が大きくなると、上面の特性をSiOの特性により近付けることができるとともに、下面の特性はSiNまたはSiONの特性により近付けることができ、これらの長所を十分に発揮し得る下地膜70を得ることができる。
なお、オゾン濃度は、前記上限値を超えて高くしてもよいが、N/O比の差の拡大は、それ以上期待できない。
また、この雰囲気は、実質的に水蒸気を含有しないものであるのが好ましい。これにより、水蒸気の強力な酸化作用を抑制することができ、下地膜70の上面近傍におけるN/O比Bと、下面近傍におけるN/O比Aとの間に、特に十分な差を生じさせることができる。
以上のような工程を経て形成された下地膜70を備えた半導体装置は、良好な特性を長期間にわたって維持し得る信頼性の高いものとなる。
なお、下地膜70のN/O比Bは、雰囲気中のオゾンの濃度、熱処理の温度および熱処理の時間のうちの少なくとも1つの条件を設定することにより、ある程度調整することができる。これにより、下地膜70の上面近傍の特性を調整することができる。
例えば、熱処理の温度または時間を、それぞれ前記範囲内で前記上限値に近付けることにより、被膜720の酸化がより促進される。これにより、下地膜70のN/O比Bを低下させることができる。
また、Nの濃度の分布は、下地膜70の厚さ方向に沿って連続的に変化しているのが好ましいが、この分布は、雰囲気中のオゾンの濃度、熱処理の温度および熱処理の時間のうちの少なくとも1つの条件を設定することにより、調整することができる。
例えば、雰囲気中のオゾンの濃度を連続的に増加させたり、熱処理の温度を連続的に上昇させたりすることにより、Nの濃度勾配を大きくすることができる。
さらに、前述の熱処理は、必要に応じて、被膜720に紫外線を照射しつつ行うようにしてもよい。これにより、照射した紫外線量に応じて、被膜720の上面近傍における酸化の程度を制御して、得られる下地膜70のN/O比Bの分布をある程度調整することができる。
<2> 次に、図6(b)に示すように、下地膜70上に、厚さが約30〜70nmの半導体層23を形成する。
この半導体層23は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、半導体層23を形成する領域に開口部を有するレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとして用いて、開口部に液状の半導体層形成用材料を塗布法により供給した後、所定の処理を施すことにより得ることができる。
なお、前記レジスト層は、透明基板10上に、レジスト材料を塗布(供給)した後に、このレジスト材料を形成する半導体層23の形状に対応するフォトマスクを介して露光・現像することにより得ることができる。
レジスト材料を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、用いるレジスト材料は、ネガ型のレジスト材料およびポジ型のレジスト材料のいずれであってもよい。
レジスト層の除去は、例えば、大気圧または減圧下における酸素プラズマやオゾン蒸気により行うことができる。
また、半導体層形成用材料として、液体水素化ケイ素を用いる場合には、このものを塗布法により開口部に供給した後、次のような所定の処理を施すことにより半導体層(多結晶シリコン膜)23を得ることができる。
まず、開口部に供給した液体水素化ケイ素を乾燥させる。
次に、乾燥して得られた膜を焼成して、膜中の水素化ケイ素を熱分解させて、アモルファスシリコンへと反応させる。
その他、例えばプラズマCVD法等により、半導体層(アモルファスシリコン層)23を形成することもできる。
次に、アモルファスシリコンにより構成される膜にXeClなどのエキシマレーザーを照射してアニールすることにより、アモルファスシリコンを多結晶化させることにより半導体層(多結晶シリコン膜)23を得る。
その後、半導体層(多結晶シリコン膜)23にチャンネルドープを行うようにしてもよい。具体的には、全面に所定の量の不純物(例えば、n型導電層を形成する場合はPH3イオン)を打ち込んで拡散させるようにすればよい。
<3> 次に、図6(c)に示すように、第1コンタクトホール26a、27aを有する厚さが約60〜150nmのゲート絶縁膜37を形成する。
ゲート絶縁膜37は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、第1コンタクトホール26a、27aを形成する領域にレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとして用いて、半導体層23が形成された透明基板10に液状のゲート絶縁膜形成用材料を塗布法により供給した後、所定の処理を施すことにより得ることができる。
例えば、ゲート絶縁膜37の構成材料の前駆体(以下、単に「前駆体」と言う。)を含有するゲート絶縁膜形成用材料を用いる場合には、前駆体をゲート絶縁膜37の構成材料に変化させる処理を行うようにすればよい。
この処理としては、前駆体の種類に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、加熱、紫外線の照射等が挙げられる。
なお、この処理に先立って、ゲート絶縁膜形成用材料の調製に用いた溶媒または分散媒の少なくとも一部を除去するようにしてよい。
具体的には、ゲート絶縁膜37が二酸化ケイ素を主成分とするものである場合、その前駆体としては、例えば、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラエトキシシラン、テトラキス(ヒドロカルビルアミノ)シラン、トリス(ヒドロカルビルアミノ)シラン等が挙げられ、酸化性雰囲気中で加熱すること等により、二酸化ケイ素に変化させることができる。
また、例えば、ゲート絶縁膜37の構成材料そのものを含有するゲート絶縁膜形成用材料を用いる場合には、液状材料中の溶媒または分散媒を除去する処理を行うようにすればよい。
溶媒または分散媒を除去する方法としては、例えば、加熱による方法、真空(減圧)乾燥、不活性ガスを吹付ける方法等が挙げられる。
その他、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法により、シリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜37を形成するようにしてもよい。
<4> 次に、図6(d)に示すように、形成すべきチャンネル領域233の位置と対応するようにゲート絶縁膜37上にゲート電極21を形成する。
ゲート電極21は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、ゲート電極21を形成する領域に開口部を有するレジスト層を用いて、前記工程<2>で説明したのと同様の方法を用いて形成することができる。
なお、ゲート電極21を形成するための液状のゲート電極形成材料としては、例えば、有機金属化合物等を主成分とするものを用いることができる。
その他、ゲート電極21は、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、パターニングすることにより形成することもできる。
なお、本工程<4>において、ゲート電極31、その延設部分36および走査線gateも形成する。
<5> 次に、ゲート電極21をマスクとして用いて、ソース領域231とドレイン領域232とに所定の量の不純物(例えば、p型導電層を形成する場合はB26イオン)の打ち込みを行う。
これにより、図7(e)に示すように、ゲート電極21の下部に対応する位置がチャンネル領域233となった半導体層23を得ることができる。
<6> 次に、図7(f)に示すように、第1コンタクトホール26a、27aにそれぞれ連通する第2コンタクトホール26b、27bを有する第1層間絶縁膜51を形成する。
第1層間絶縁膜51は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、第2コンタクトホール26b、27bを形成する領域にレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとして用いて、前記工程<3>で説明したのと同様の方法を用いて形成することができる。
<7> 次に、図7(g)に示すように、コンタクトホール26、27をそれぞれ埋めるように、コンタクトプラグ24、25を形成する。
これにより、コンタクトプラグ24とソース領域231とが、コンタクトプラグ25とドレイン領域232とが、それぞれ、電気的に接続される。
このようなコンタクトプラグ24、25は、まず、各コンタクトホール26、27内を埋めように、かつ、第1層間絶縁膜51を覆うようにして、導電性材料を供給した後、導電性材料を第1層間絶縁膜51の上面が露出するまで除去することにより形成することができる。
導電性材料としては、ゲート電極21の構成材料と同様のものを用いることができ、導電性材料の供給も、ゲート電極21を形成する際に用いた方法と同様に行うことができる。
また、導電性材料の除去方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<8> 次に、図7(h)に示すように、コンタクトプラグ24、25に、それぞれ、電気的に接続するように、第1層間絶縁膜51上に、データ線sig、ドレイン電極22を形成する。
データ線sig、ドレイン電極22は、これらを形成する領域に開口部を有するレジスト層を用いて、前記工程<2>で説明したのと同様の方法を用いて形成することができる。
データ線sig、ドレイン電極22を形成するための材料としては、前述したゲート電極形成材料と同様のものを用いることができる。
なお、本工程<8>において、共通給電線com、その延設部分39および中継電極35も形成する。
以上の工程を経て、第1のTFT20、第2のTFT30および保持容量capが得られる。
<9> 次に、第2層間絶縁膜52を形成し、この層間絶縁膜には、中継電極35に相当する部分にコンタクトホール形成する。
<10> 次に、第2層間絶縁膜52の表面全体に透明導電膜を形成した後、パターニングし、コンタクトホールを介して、第2のTFT30のソース・ドレイン領域に電気的に接続する画素電極41を画素7毎に形成する。
<11> 次に、第2層間絶縁膜52の表面側に、例えばレジスト層等を形成した後、このレジスト層を走査線gateおよびデータ線sigに沿って残すようにパターニングし、バンク層bankを形成する。
このとき、データ線sigに沿って残すレジスト層は、共通給電線comを覆うように幅広とする。その結果、有機EL素子40の有機EL層43を形成すべき領域は、バンク層bankによって囲まれる。
<12> 次に、画素電極41上(一方の面側)であって、バンク層bankによりマトリクス状に区画された領域内に、インクジェット法(液滴吐出法)を用いて、R、G、Bに対応する各有機EL層43を形成する。
これは、バンク層bankの内側領域に対して、インクジェットヘッドから、有機EL層43を形成するための液状材料(前駆体)を吐出し、それをバンク層bankの内側領域で定着させて有機EL層43を形成する。
ここで、バンク層bankを、例えば、レジスト材料で構成することにより、その表面は、比較的高い撥液性を示す。これに対して、前記液状材料の調製に親水性の高い溶媒を用いていることにより、有機EL層43の塗布領域は、バンク層bankによって確実に規定され、隣接する画素7にはみ出ることを防止することができる。これにより、有機EL層43などを所定領域内に選択的に形成することができる。
なお、1μm以上の高さのバンク層bankを形成すれば、バンク層bankが撥水性でなくても、バンク層bankは、隔壁として十分に機能する。また、かかる膜厚の大きいバンク層bankを形成すれば、インクジェット法に代えて、塗布法で有機EL層43を形成する場合でもその形成領域を規定することができる。
<13> この後、透明基板10のほぼ全面に対向電極opを形成し、さらに対向電極opの上層に保護膜60を積層する。
このような製造方法によれば、インクジェット法を利用して所定の領域にR、G、Bに対応する各有機EL層43を形成するので、フルカラーのアクティブマトリクス型表示装置1を高い生産性で製造することができる。
なお、図1に示すデータ側駆動回路3や走査側駆動回路4にもTFTが形成されるが、これらのTFTは前記画素7にTFTを形成していく工程の全部あるいは一部を援用して行われる。このため、駆動回路を構成するTFTも、画素7のTFTと同一の層間に形成されることになる。
また、前記第1のTFT20および第2のTFT30については、双方がN型、双方がP型、一方がN型で他方がP型のいずれでもよいが、このようないずれの組合せであっても周知の方法でTFTを形成していけるので、その説明を省略する。
このようなアクティブマトリクス型表示装置(本発明のアクティブマトリクス装置)1は、各種の電子機器に組み込むことができる。
図9は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述のアクティブマトリクス型表示装置1で構成されている。
図10は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述のアクティブマトリクス型表示装置1で構成されている。
図11は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述のアクティブマトリクス型表示装置1で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図9のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図10の携帯電話機、図11のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の半導体装置の製造方法、半導体装置、アクティブマトリクス装置および電子機器について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の半導体装置が備えるトランジスタは、ポリシリコン膜や多結晶シリコン膜(半導体膜)に、ソース領域、ドレイン領域およびチャンネル領域を有する構成のものに限定されず、ソース電極(ソース部)と、ドレイン電極(ドレイン部)と、ゲート電極(ゲート部)と、無機または有機の半導体膜(一部がチャネル部を構成する)と、ゲート電極に対して、ソース電極およびドレイン電極を絶縁するゲート絶縁膜とを有する構成であってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.トランジスタの製造
(実施例1)
まず、平均厚さ0.5mmのガラス基板を用意した。
次に、ガラス基板上に、平均厚さ500nmの下地膜を形成した。これは、次のようにして行った。
まず、ポリシラザンの20重量%のキシレン溶液を調製した。
そして、このキシレン溶液を、スピンコート法によりAlLi電極上に塗布し、液状被膜を形成した。
そして、この液状被膜が形成された基板を100℃×5分で加熱した。これにより、溶媒を除去して、ポリシラザン膜を得た。
次に、このポリシラザン膜が形成された基板を、乾燥オゾン雰囲気中において、400℃×1時間で加熱した。これにより、下地膜を得た。なお、オゾン雰囲気中のオゾン濃度は、標準状態で132g/mであった。
次に、下地膜の表面に、プラズマCVD法により、平均厚さ50nmのアモルファスシリコン膜(半導体膜)を形成した。
次に、アモルファスシリコン膜に対して、レーザアニールにより結晶化を行い、ポリシリコン膜を得た後、所定の形状にパターニングした。
次に、ポリシリコン膜を覆うように、プラズマCVD法により、平均厚さ100nmのシリコン酸化膜(ゲート絶縁膜)を形成した。
次に、酸化シリコン膜上に、スパッタ法によりタンタル膜(導電膜)を形成した後、パターニングし、ゲート電極を形成した。
次に、この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成した。
次に、下地膜と同様にしてポリシラザン膜を形成し、その後、水蒸気含有雰囲気中において、400℃×1時間で加熱した。これにより、層間絶縁膜(第1層間絶縁膜)を形成した。
次に、コンタクトホールを形成し、コンタクトホール内を埋めるようにコンタクトプラグを形成した。
次に、コンタクトプラグに接続するように、ソース電極およびドレイン電極を形成した。
次に、ソース電極およびドレイン電極を覆うように、第1層間絶縁膜上に、第1層間絶縁膜と同様にしてパッシベーション膜(第2層間絶縁膜)を形成し、トランジスタを製造した。
(実施例2)
下地膜形成時の乾燥オゾン雰囲気中のオゾン濃度を、20g/mとした以外は、前記実施例1と同様にしてトランジスタを製造した。
(実施例3)
下地膜形成時に、紫外線を照射しつつ熱処理を行った以外は、前記実施例1と同様にしてトランジスタを製造した。
なお、紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ(波長256nm)を用いた。
(実施例4)
紫外線の光源として、エキシマランプ(波長172nm)を用いた以外は、前記実施例3と同様にしてトランジスタを製造した。
(比較例)
下地膜形成時に、80%(1気圧)の水蒸気を含有するwetO雰囲気中で熱処理を行った以外は、前記実施例1と同様にしてトランジスタを製造した。
2.評価
2−1.下地膜の組成評価
各実施例および比較例で製造したトランジスタの下地膜について、それぞれ、二次イオン質量分析法(SIMS)による測定を行った。
代表として、実施例1、3および比較例のSIMSの測定結果を図12に示す。なお、図12の横軸は、下地膜を形成したガラス基板の下地膜表面からの深さ、縦軸は、各元素の濃度[原子数/cc]を示す。
図12に示すように、各実施例で形成した下地膜では、下地膜の表面(深さ0nm)付近から、ガラス基板との界面(深さ170nm)付近にかけて、連続的にNの濃度が増加していることが認められた。
また、実施例1および実施例3では、その増加傾向が顕著となり、表面付近におけるNの濃度とガラス基板との界面付近におけるNの濃度との差が拡大していた。これは、高いオゾン濃度に起因すると考えられる。
また、各実施例では、いずれも、下地膜の、ガラス基板との界面付近におけるN/O比Aが、表面付近におけるN/O比Bを上回っていることが確認された。
特に、実施例3では、ガラス基板との界面付近において、N/O比Aが2以上であることが認められた。
一方、比較例で形成した下地膜では、Nの濃度およびOの濃度のいずれも、下地膜の表面(深さ0nm)付近から、ガラス基板との界面(深さ180nm)付近にかけて、ほぼ一定であった。すなわち、ガラス基板との界面付近におけるN/O比Aは、表面付近におけるN/O比Bにほぼ等しいものであった。
2−2.トランジスタの信頼性評価
まず、各実施例および比較例で作製したトランジスタについて、電子移動度を測定する。
次に、高温・高湿における環境試験を行い、トランジスタ特性の経時的な変化を調べる。なお、環境試験はJIS C 0022にしたがって240時間行う。
そして、環境試験後のトランジスタについて、再度、電子移動度を測定する。
その結果、各実施例で作製したトランジスタ(本発明の半導体装置)では、いずれも、環境試験前後で電子移動度に著しい変化は認められない。
これに対して、比較例で作製したトランジスタでは、環境試験後に、電子移動度が明らかに低下する。
以上のことから、各実施例で作製したトランジスタは、高温・高湿の環境下を経ても、高い信頼性を示すものであるといえる。
アクティブマトリクス型表示装置の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図である。 図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の1つの画素を抜き出して示す平面図である。 図2中のA−A’断面図、B−B’断面図、およびC−C’断面図である。 薄膜トランジスタの構成を示す断面図である。 有機エレクトロルミネセンス素子の構成を示す断面図である。 図4に示す薄膜トランジスタの製造工程を説明するための図(断面図)である。 図4に示す薄膜トランジスタの製造工程を説明するための図(断面図)である。 下地膜の形成工程を説明するための図(断面図)である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 SIMSの測定結果を示す図である。
符号の説明
1‥‥アクティブマトリクス型表示装置 11‥‥表示部 3‥‥データ側駆動回路 4‥‥走査側駆動回路 7‥‥画素 10‥‥透明基板 12‥‥端子 20‥‥第1のTFT 21‥‥ゲート電極 22‥‥ドレイン電極 23‥‥半導体層 231‥‥ソース領域 232‥‥ドレイン領域 233‥‥チャンネル領域 24、25‥‥コンタクトプラグ 26、27‥‥コンタクトホール 26a、27a‥‥第1コンタクトホール 26b、27b‥‥第2コンタクトホール 30‥‥第2のTFT 31‥‥ゲート電極 35‥‥中継電極 36、39‥‥延設部分 37‥‥ゲート絶縁膜 40‥‥有機EL素子 41‥‥画素電極 43‥‥有機EL層 431‥‥正孔輸送層 432‥‥発光層 433‥‥電子輸送層 50‥‥導通制御回路 51‥‥第1層間絶縁膜 52‥‥第2層間絶縁膜 60‥‥保護膜 70‥‥下地膜 bank‥‥バンク層(絶縁膜) cap‥‥保持容量 com‥‥共通給電線 gate‥‥走査線 op‥‥対向電極 sig‥‥データ線 710‥‥液状被膜 720‥‥被膜 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース(ボディー) 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥回路基板 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥データ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ

Claims (15)

  1. 基板上に、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成された下地膜を形成する第1の工程と、
    前記下地膜上に、半導体層を形成する第2の工程とを有する半導体装置の製造方法であって、
    前記第1の工程において、前記基板上に、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成した後、該被膜に対して、オゾンを含む雰囲気中で熱処理を施すことにより、前記基板側の面近傍におけるN/O比Aが、前記基板と反対側の面近傍におけるN/O比Bより大きくなるような前記下地膜を得ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記被膜は、前記シラザン構造を有するポリマーと溶媒とを含有する液状材料を供給して液状被膜を形成し、該液状被膜から前記溶媒を除去することにより形成される請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記N/O比Bを、前記第1の工程において、前記雰囲気中のオゾンの濃度、前記熱処理の温度および前記熱処理の時間のうちの少なくとも1つの条件を設定することにより調整する請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記熱処理における前記雰囲気中のオゾンの濃度は、標準状態(0℃、大気圧)において、50〜500g/mである請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記熱処理における前記雰囲気は、実質的に水蒸気を含有しない請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記熱処理の温度は、200〜600℃である請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記熱処理の時間は、0.1〜2時間である請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記熱処理は、前記被膜に対して紫外線を照射しつつ行われる請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする半導体装置。
  10. 基板と、
    該基板上に設けられ、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成され、前記基板側の面近傍におけるN/O比Aが、前記基板と反対側の面近傍におけるN/O比Bより大きい下地膜と、
    該下地膜上に設けられた半導体層とを有することを特徴とする半導体装置。
  11. 前記下地膜の前記基板側の面から、前記基板と反対側の面に向かって、Nの濃度が連続的に増加している請求項9または10に記載の半導体装置。
  12. 前記N/O比Aが、1より大きい請求項9ないし11のいずれかに記載の半導体装置。
  13. 前記N/O比Bが、1より小さい請求項9ないし12のいずれかに記載の半導体装置。
  14. 請求項9ないし13のいずれかに記載の半導体装置と、
    前記半導体層を備えるトランジスタと、
    該トランジスタに接続され、マトリクス状に配設された画素電極とを有することを特徴とするアクティブマトリクス装置。
  15. 請求項14に記載のアクティブマトリクス装置を備えることを特徴とする電子機器。
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