JP2006261073A - 有機半導体装置の製造方法、有機半導体装置および電子機器 - Google Patents

有機半導体装置の製造方法、有機半導体装置および電子機器 Download PDF

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Kazuo Yudasaka
一夫 湯田坂
Hideki Tanaka
英樹 田中
Masami Miyasaka
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Abstract

【課題】有機半導体膜の特性の低下を好適に防止し得る有機半導体装置を製造する有機半導体装置の製造方法、信頼性の高い有機半導体装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】有機EL素子40は、本発明の有機半導体装置の製造方法を適用して、画素電極(第1の電極)41上に、有機EL層43を形成する第1の工程と、有機EL層43の画素電極41と反対側に、対向電極opを形成する第2の工程と、対向電極op上に、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成される保護膜60を形成する第3の工程とを経て製造される。そして、第3の工程では、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成し、この被膜に紫外線を照射することにより保護膜60を得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、有機半導体装置の製造方法、有機半導体装置および電子機器に関するものである。
半導体的な電気伝導を示す有機材料(有機半導体材料)を使用する有機半導体装置としては、有機EL素子や有機薄膜トランジスタ等がある。これら有機半導体装置は、薄型軽量化に適すること、可撓性を有すること、材料コストが安価であること等の長所を有している。
このうち、有機EL素子は、少なくとも一層の発光性有機層(有機エレクトロルミネッセンス層)が陰極と陽極に挟まれている構造を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と称する。)は、無機EL素子に比べて印加電圧を大幅に低下させることができ、多彩な発光色の素子が作製可能である。
現在、より高性能な有機EL素子を得るため、材料の開発・改良をはじめ、様々なデバイス構造が提案されており、活発な研究が行われている。
また、この有機EL素子については既に様々な発光色の素子、また高輝度、高効率の素子が開発されており、表示装置の画素としての利用や光源としての利用など多種多様な実用化用途が検討されている。
ところで、上述のような有機EL素子では、外部からの酸素や水分が有機エレクトロルミネッセンス層に侵入すると、発光効率の低下、駆動電圧の上昇(しきい値電圧の高電圧側へのシフト)といった特性劣化が生じてしまう。このため、有機EL素子を構成する各層を、外部の酸素や水分から遮断する保護膜が設けられる。
この保護膜としては、CVD法やスパッタ法等の気相プロセスによって成膜された無機物膜が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
しかしながら、CVD法やスパッタ法等の気相プロセスによって保護膜を形成すると、保護膜の成膜雰囲気に、保護膜よりも先に基板上に形成された各層が晒されることから、次のような問題が生ずる。
すなわち、CVD法では、高温雰囲気中で処理がなされるため、各層の特性が高温によって劣化してしまうという問題や、スパッタ法では、成膜雰囲気中に電子、スパッタガスのイオン、スパッタ粒子等の各種活性粒子が発生するため、各層の特性が活性粒子による物理的衝撃によって劣化してしまうという問題がある。
しかも、気相プロセスでは、大掛かりな装置が必要であること、原料の使用効率が悪いこと、原料が気体であるため扱いにくいこと、大量の廃棄物が発生すること等という問題もある。
特開2003−163082号公報 特開平8−96962号公報 特開平8−111286号公報
本発明の目的は、有機半導体膜の特性の低下を好適に防止し得る有機半導体装置を製造する有機半導体装置の製造方法、信頼性の高い有機半導体装置および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の有機半導体装置の製造方法は、第1の電極の一方の面側に、有機半導体膜を形成する第1の工程と、
前記有機半導体膜の前記第1の電極と反対側に、第2の電極を形成する第2の工程と、
前記第2の電極の前記有機半導体膜と反対側に、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成される保護膜を形成する第3の工程とを有し、
前記第3の工程において、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成し、該被膜に紫外線を照射することにより、前記保護膜を得ることを特徴とする。
これにより、有機半導体膜の特性の低下を好適に防止し得る有機半導体装置を製造することができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記第3の工程において、前記被膜は、前記シラザン構造を有するポリマーと溶媒とを含有する液状材料を供給して液状被膜を形成し、該液状被膜から前記溶媒を除去することにより形成されることが好ましい。
これにより、有機半導体膜の変質・劣化を防止しつつ、簡易な装置および工程で、効率よく保護膜を形成することができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記溶媒の除去は、加熱により行われることが好ましい。
加熱による方法によれば、被膜の膜厚が不均一となるのを防止しつつ、容易かつ確実に溶媒の除去を行うことができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記加熱の温度は、150℃以下であることが好ましい。
これにより、有機半導体膜の加熱の変質・劣化を防止しつつ、溶媒の除去を効率よく行うことができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記第3の工程において、紫外線照射を、実質的に酸素および水蒸気を含有しない雰囲気で行うことが好ましい。
酸素および水蒸気(水分)は、いずれも、被膜への紫外線の入射をブロックするため、実質的に酸素および水蒸気を含有しない雰囲気とすることにより、被膜に効率よく紫外線を入射させることができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記雰囲気は、減圧雰囲気または不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
これにより、雰囲気中の酸素および水蒸気含有量を極めて低くすることができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記減圧雰囲気の圧力は、100Pa以下であることが好ましい。
これにより、被膜により効率よく紫外線を入射させることができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記紫外線は、350nm以下の波長を含むことが好ましい。
これにより、シラザン構造を有するポリマーの化学結合を切断して、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料(Si酸窒化物)に確実に変化させることができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記紫外線の光源として、水銀ランプを用いることが好ましい。
これにより、簡易な装置および工程で、性能のよい保護膜を形成することができるという効果が得られる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記紫外線の光源として、エキシマランプを用いることが好ましい。
これにより、簡易な装置および工程で、性能のよい保護膜を形成することができるという効果が得られる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記紫外線のエネルギー密度は、100〜1000mJ/cmであることが好ましい。
これにより、簡易な装置を用いて短時間で性能のよい保護膜を形成することができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記保護膜をフーリエ変換赤外吸収スペクトル法で測定したとき、Si−N結合に起因する赤外線の吸光度が、Si−O結合に起因する赤外線の吸光度より大きいことが好ましい。
かかる保護膜は、酸素や水分の遮断機能がより優れたものとなる。また、保護膜の膜質を簡便に評価する手段ともすることができる。
本発明の有機半導体装置の製造方法では、前記保護膜中のNの含有量をA[原子%]とし、Oの含有量をB[原子%]としたとき、A/Bが1以上となる関係を満足することが好ましい。
かかる保護膜は、酸素や水分の遮断機能が特に優れたものとなる。
本発明の有機半導体装置は、本発明の有機半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い有機半導体装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の有機半導体装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の有機半導体装置の製造方法、有機半導体装置および電子機器について、好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下では、本発明の有機半導体装置を有機EL(エレクトロルミネセンス)装置、特に、アクティブマトリクス型有機EL装置(以下、「アクティブマトリクス型表示装置」と言う。)に適用した場合を一例に説明する。なお、ここでは便宜的に有機EL装置を表示装置と表現するが、表示を目的としたものに限られるわけではなく、表示を目的としない発光装置を含む。
図1は、アクティブマトリクス型表示装置の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図、図2は、図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の1つの画素を抜き出して示す平面図、図3(A)、(B)、(C)は、それぞれ、図2中のA−A’断面図、B−B’断面図、およびC−C’断面図、図4は、有機エレクトロルミネセンス素子の構成を示す断面図である。なお、以下の説明では、図3および図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
まず、アクティブマトリクス型表示装置1の全体構成について説明する。
図1に示すアクティブマトリクス型表示装置1では、その基体たる透明基板10の中央部分が表示部11とされている。
透明基板10の外周部分のうち、データ線sigの端部には、画像信号を出力するデータ側駆動回路3が構成され、走査線gateの端部には、走査信号を出力する走査側駆動回路4が構成されている。
これらの駆動回路3、4では、N型のTFTとP型のTFTとによって相補型TFTが構成され、この相補型TFTは、シフトレジスタ回路、レベルシフタ回路、アナログスイッチ回路などを構成している。
表示部11では、アクティブマトリクス型液晶表示装置のアクティブマトリクス基板と同様、透明基板10上に、複数の走査線gateと、該走査線gateの延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線sigとによって、複数の画素7がマトリクス状に構成されている。
各々の画素7には、走査線gateを介して走査信号が供給される導通制御回路50と、この導通制御回路50を介してデータ線sigから供給される画像信号に基づいて発光する有機EL素子40とが構成されている。
ここに示す例においては、導通制御回路50は、走査線gateを介して走査信号がゲート電極に供給される第1のTFT20と、この第1のTFT20を介してデータ線sigから供給される画像信号を保持する保持容量capと、この保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2のTFT30とから構成されている。
第2のTFT30と有機EL素子40とは、詳しくは後述する対向電極opと共通給電線comとの間に直列に接続している。
なお、保持容量capについては、共通給電線comとの間に形成した構造の他、走査線gateと並列に形成した容量線との間に形成してもよく、また、第1のTFT20のドレイン領域と、第2のTFT30のゲート電極31とを利用した構造でもよい。
このような構成のアクティブマトリクス型表示装置1では、図2および図3(A)、(B)に示すように、いずれの画素7においても、島状の半導体膜(シリコン膜)を利用して第1のTFT20および第2のTFT30が形成されている。
第1のTFT20は、ゲート電極21が走査線gateの一部として構成されている。第1のTFT20は、ソース・ドレイン領域の一方に第1層間絶縁膜51のコンタクホールを介してデータ線sigが電気的に接続し、他方にはドレイン電極22が電気的に接続している。
ドレイン電極22は、第2のTFT30の形成領域に向けて延設されており、この延設部分には第2のTFT30のゲート電極31が第1層間絶縁膜51のコンタクトホールを介して電気的に接続している。
第2のTFT30のソース・ドレイン領域の一方には、第1層間絶縁膜51のコンタクトホールを介して、データ線sigと同時形成された中継電極35が電気的に接続し、この中継電極35には、第2層間絶縁膜52のコンタクトホールを介して有機EL素子40の透明な画素電極41が電気的に接続している。
図2および図3(B)、(C)からわかるように、画素電極41は各画素7毎に独立して形成されている。
画素電極41の上層側には、有機半導体膜として、有機EL層(有機エレクトロルミネセンス層)43、対向電極opがこの順に積層され、有機EL素子40が構成されている。
有機EL層43は各画素7に形成されているが、複数の画素7に跨がってストライプ状に形成される場合もある。対向電極opは、表示部11全体と、少なくとも端子12が形成されている部分の周囲を除いた領域に形成されている。
なお、有機EL素子40の詳細については、後に説明する。
再び、図2および図3(A)において、第2のTFT30のソース・ドレイン領域のもう一方には、第1層間絶縁膜51のコンタクトホールを介して共通給電線comが電気的に接続している。
共通給電線comの延設部分39は、第2のTFT30のゲート電極31の延設部分36に対して、第1層間絶縁膜51を誘電体膜として挟んで対向し、保持容量capを構成している。
このように構成したアクティブマトリクス型表示装置1では、走査信号によって選択されて第1のTFT20がオン状態になると、データ線sigからの画像信号が第1のTFT20を介して第2のTFT30のゲート電極31に印加されるとともに、画像信号が第1のTFT20を介して保持容量capに書き込まれる。
その結果、第2のTFT30がオン状態になると、対向電極opおよび画素電極41をそれぞれ負極(陰極)および正極(陽極)として電圧が印加され、印加電圧がしきい値電圧を越えた領域で有機EL層43に流れる電流(駆動電流)が急激に増大する。
これにより、有機EL素子40が発光し、発せられた光は、直接または対向電極opに反射されて透明な画素電極41および透明基板10を透過して出射される。
このような発光を行うための駆動電流は、対向電極op、有機EL層43、画素電極41、第2のTFT30、および共通給電線comから構成される電流経路を流れるため、第2のTFT30がオフ状態になると、流れなくなる。
ただし、第2のTFT30のゲート電極は、第1のTFT20がオフ状態になっても、保持容量capによって画像信号に相当する電位に保持されるので、第2のTFT30は、オン状態のままである。
このため、有機EL素子40には駆動電流が流れ続け、この画素は点灯状態のままである。この状態は、新たな画像データが保持容量capに書き込まれて、第2のTFT30がオフ状態になるまで維持される。
次に、有機EL素子40の構成について説明する。
図4に示すように、有機EL素子40は、画素電極41、有機EL層43、対向電極opがこの順に積層されて構成されている。また、有機EL層43は、画素電極41側から順に、正孔輸送層431、発光層432および電子輸送層433が積層されて構成されている。
画素電極41は、正孔輸送層431に正孔を注入する電極である。
本実施形態のアクティブマトリクス型表示装置1は、透明基板10側から光を取り出す構成(ボトムエミッション型)であるため、画素電極41は、実質的に透明(無色透明、有色透明、半透明)とされている。
このような画素電極41の構成材料(陽極材料)としては、仕事関数が大きく、導電性に優れ、また、透光性を有する材料を用いるのが好ましく、具体的には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の透明導電性酸化物等が挙げられる。
画素電極41の平均厚さは、特に限定されないが、10〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。
なお、画素電極41の構成材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
一方、対向電極opは、電子輸送層433に電子を注入する電極である。
対向電極opの構成材料(陰極材料)としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましく、具体的には、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられる。
特に、合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。
対向電極opの平均厚さは、特に限定されないが、1nm〜1μm程度であるのが好ましく、100〜400nm程度であるのがより好ましい。
画素電極41と対向電極opとの間には、有機EL層43が設けられている。有機EL層43は、正孔輸送層431と、発光層432と、電子輸送層433とを備え、これらがこの順で画素電極41上に形成されている。
正孔輸送層431は、画素電極41から注入された正孔を発光層432まで輸送する機能を有する層である。
正孔輸送層431の構成材料(正孔輸送材料)は、各種の高分子材料や、各種の低分子材料を単独または組み合わせて用いることができる。
p型の高分子材料(有機ポリマー)としては、例えば、ポリアリールアミンのようなアリールアミン骨格を有するもの、フルオレン−ビチオフェン共重合体のようなフルオレン骨格を有するもの、フルオレン−アリールアミン共重合体のようなアリールアミン骨格およびフルオレン骨格の双方を有するもの、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられる。
また、前記化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
一方、p型の低分子材料としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−パラ−トリアミノフェニル)シクロへキサン、1,1’−ビス(4−ジ−パラ−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサンのようなアリールシクロアルカン系化合物、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD1)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD3)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)、TPTEのようなアリールアミン系化合物、N,N,N’,N’−テトラフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(パラ−トリル)−パラ−フェニレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(メタ−トリル)−メタ−フェニレンジアミン(PDA)のようなフェニレンジアミン系化合物、カルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物、スチルベン、4−ジ−パラ−トリルアミノスチルベンのようなスチルベン系化合物、OZのようなオキサゾール系化合物、トリフェニルメタン、m−MTDATAのようなトリフェニルメタン系化合物、1−フェニル−3−(パラ−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物、ベンジン(シクロヘキサジエン)系化合物、トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、イミダゾールのようなイミダゾール系化合物、1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4,−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アントラセン、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなアントラセン系化合物、フルオレノン、2,4,7,−トリニトロ−9−フルオレノン、2,7−ビス(2−ヒドロキシ−3−(2−クロロフェニルカルバモイル)−1−ナフチルアゾ)フルオレノンのようなフルオレノン系化合物、ポリアニリンのようなアニリン系化合物、シラン系化合物、1,4−ジチオケト−3,6−ジフェニル−ピロロ−(3,4−c)ピロロピロールのようなピロール系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、ポルフィリン、金属テトラフェニルポルフィリンのようなポルフィリン系化合物、キナクリドンのようなキナクリドン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、銅ナフタロシアニン、バナジルナフタロシアニン、モノクロロガリウムナフタロシアニンのような金属または無金属のナフタロシアニン系化合物、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジンのようなベンジジン系化合物等が挙げられる。
正孔輸送層431の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
電子輸送層433は、対向電極opから注入された電子を発光層432まで輸送する機能を有する層である。
電子輸送層433の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物(スターバースト系化合物)、ナフタレンのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセンのようなクリセン系化合物、ペリレンのようなペリレン系化合物、アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ブタジエンのようなブタジエン系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、キノリンのようなキノリン系化合物、ビスチリルのようなビスチリル系化合物、ピラジン、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリンのようなキノキサリン系化合物、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノンのようなナフトキノン系化合物、アントラキノンのようなアントラキノン系化合物、オキサジアゾール、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、BMD、BND、BDD、BAPDのようなオキサジアゾール系化合物、トリアゾール、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロンのようなアントロン系化合物、フルオレノン、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、ジフェノキノン、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、スチルベンキノン、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられる。
電子輸送層433の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。
画素電極41と対向電極opとの間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層431中を正孔が、また、電子輸送層433中を電子が移動し、発光層432において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層432ではエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
発光層432の構成材料(発光材料)としては、各種の高分子の発光材料や、各種の低分子の発光材料を単独または組み合わせて用いることができる。
高分子の発光材料としては、例えば、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン、ポリ(ジ−フェニルアセチレン)(PDPA)、ポリ(アルキル,フェニルアセチレン)(PAPA)のようなポリアセチレン系化合物、ポリ(パラ−フェンビニレン)(PPV)、ポリ(2,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレンビニレン)(RO−PPV)、シアノ−置換−ポリ(パラ−フェンビニレン)(CN−PPV)、ポリ(2−ジメチルオクチルシリル−パラ−フェニレンビニレン)(DMOS−PPV)、ポリ(2−メトキシ,5−(2’−エチルヘキソキシ)−パラ−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)のようなポリパラフェニレンビニレン系化合物、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)、ポリ(オキシプロピレン)トリオール(POPT)のようなポリチオフェン系化合物、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)、α,ω−ビス[N,N’−ジ(メチルフェニル)アミノフェニル]−ポリ[9,9−ビス(2−エチルヘキシル)フルオレン−2,7−ジル](PF2/6am4)、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)のようなポリフルオレン系化合物、ポリ(パラ−フェニレン)(PPP)、ポリ(1,5−ジアルコキシ−パラ−フェニレン)(RO−PPP)のようなポリパラフェニレン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)のようなポリカルバゾール系化合物、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMPS)、ポリ(ナフチルフェニルシラン)(PNPS)、ポリ(ビフェニリルフェニルシラン)(PBPS)のようなポリシラン系化合物等が挙げられる。
一方、低分子の発光材料としては、例えば、ジスチリルベンゼン(DSB)、ジアミノジスチリルベンゼン(DADSB)のようなベンゼン系化合物、ナフタレン、ナイルレッドのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセン、6−ニトロクリセンのようなクリセン系化合物、ペリレン、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)−3,4,9,10−ペリレン−ジ−カルボキシイミド(BPPC)のようなペリレン系化合物、コロネンのようなコロネン系化合物、アントラセン、ビススチリルアントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、4−(ジ−シアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)のようなピラン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、2,5−ジベンゾオキサゾールチオフェンのようなチオフェン系化合物、ベンゾオキサゾールのようなベンゾオキサゾール系化合物、ベンゾイミダゾールのようなベンゾイミダゾール系化合物、2,2’−(パラ−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールのようなベンゾチアゾール系化合物、ビスチリル(1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)、テトラフェニルブタジエンのようなブタジエン系化合物、ナフタルイミドのようなナフタルイミド系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、ペリノンのようなペリノン系化合物、オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物、アルダジン系化合物、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエン(PPCP)のようなシクロペンタジエン系化合物、キナクリドン、キナクリドンレッドのようなキナクリドン系化合物、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジンのようなピリジン系化合物、2,2’,7,7’−テトラフェニル−9,9’−スピロビフルオレンのようなスピロ化合物、フタロシアニン(HPc)、銅フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、トリス(4−メチル−8キノリノレート) アルミニウム(III)(Almq)、8−ヒドロキシキノリン 亜鉛(Znq)、(1,10−フェナントロリン)−トリス−(4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チエニル)−ブタン−1,3−ジオネート)ユーロピウム(III)(Eu(TTA)(phen))、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィン プラチナム(II)のような各種金属錯体等が挙げられる。
発光層432の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、本実施形態では、発光層432は、正孔輸送層431および電子輸送層433と別個に設けられているが、正孔輸送層431と発光層432とを兼ねた正孔輸送性発光層や、電子輸送層433と発光層432とを兼ねた電子輸送性発光層とすることもできる。この場合、正孔輸送性発光層の電子輸送層433との界面付近が、また、電子輸送性発光層の正孔輸送層431との界面付近が、それぞれ、発光層として機能する。
このようなアクティブマトリクス型表示装置1では、対向電極op上に、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料(Si酸窒化物)で構成される保護膜60が形成されている。この保護膜60は、有機EL素子40を外部の酸素や水分等から保護する機能を有する。保護膜6を設けることにより、有機EL素子40に発光効率の低下、駆動電圧の上昇(しきい値電圧の高電圧側へのシフト)、信頼性の低下等が生じるのを好適に防止することができる。
保護膜60の平均厚さは、特に限定されないが、100nm〜2μm程度であるのが好ましく、200nm〜1μm程度であるのがより好ましい。これにより、保護膜60は、十分に、酸素や水分の透過を防止する機能を発揮する。
また、保護膜60で有機EL素子40を保護するので、対向電極opに用いる材料としては、有機EL素子40の発光効率や駆動電圧などの面からその材質を選択すればよく、有機EL素子40を保護する性能が高いものに限定されないという利点もある。
そして、本発明では、この保護膜60を対向電極op上に、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成し、この被膜に紫外線を照射することにより得る。これについては、後に詳述する。
また、本実施形態では、図1、図2および図3(A)、(B)、(C)に示すように、データ線sigおよび走査線gateに沿って、バンク層bankを設け、このバンク層bankの上層側に対向電極opが形成されている。
このため、データ線sigと対向電極opとの間には、第2層間絶縁膜52とバンク層bankとが介在するため、データ線sigに寄生する容量を小さくすることができる。これにより、駆動回路3、4の負荷を低減し、低消費電力化あるいは表示動作の高速化を図ることができる。
また、図1に示すように、透明基板10の周辺領域(表示部11の外側領域)にもバンク層bank(形成領域に斜線を付してある。)が形成されている。すなわち、データ側駆動回路3および走査側駆動回路4は、いずれも、バンク層bankによって覆われている。
これにより、例え、対向電極opを駆動回路3、4の一部と重ねるように、大きく形成した場合でも、駆動回路の配線層と対向電極opとの間にバンク層bankが介在することになるので、駆動回路3、4に容量が寄生することも防止することができる。このため、駆動回路3、4の負荷を低減でき、低消費電力化あるいは表示動作の高速化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、画素電極41の形成領域のうち、導通制御回路50の中継電極35と重なる領域にもバンク層bankが形成されている。
このため、中継電極35と重なる領域には有機EL層43が形成されない。すなわち、画素電極41の形成領域のうち、平坦な部分に選択的に有機EL層43が形成される。これにより、有機EL層43は一定の膜厚で形成され、表示ムラが生じるのを好適に防止することができる。
また、中継電極35上に有機EL層43が形成されないので、当該部分に電流が流れること(無効電流の発生)を防止すること、すなわち、共通給電線comに無駄な電流が流れることを防止することができる。
このため、その分、共通給電線comの幅を狭く形成することができる。その結果、発光面積を増すことができ、輝度、コントラスト比などの表示性能を向上させることができる。
このようなバンク層bankの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、レジスト材料、ポリイミド等の樹脂材料のような有機材料や、酸化シリコン、窒化シリコンのような無機材料等が挙げられる。
バンク層bankの平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜20μm程度であるのが好ましく、1〜10μm程度であるのがより好ましい。
なお、バンク層bankを黒色のレジスト材料等を用いて形成することにより、バンク層bankをブラックマトリクスとして機能させることができ、コントラスト比などの表示の品位を向上させることができる。
また、以上のようなバンク層bankは、有機EL層43の形成領域を囲むように設けられているので、アクティブマトリクス型表示装置1の製造工程では、有機EL層43を形成する際に、インクジェットヘッドから吐出した液状材料(吐出液)をせき止め、吐出液が側方にはみ出すことを防止することもできる。
このようなアクティブマトリクス型表示装置1は、例えば、次のようにして製造することができる。
以下、アクティブマトリクス型表示装置1の製造方法(本発明の有機半導体装置の製造方法)について説明する。
なお、以下に説明するアクティブマトリクス型表示装置1の製造方法において、透明基板10上に、第1のTFT20および第2のTFT30を製造するまでの工程は、通常の液晶アクティブマトリクス型表示装置のアクティブマトリクス基板を製造する工程と、ほぼ同様であるため、図3(A)、(B)、(C)を参照して、その概略を簡単に説明する。
まず、透明基板10に対して、必要に応じて、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法により、厚さが約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず。)を形成する。
次に、下地保護膜の表面に、プラズマCVD法により、厚さが約30〜70nmのアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜を形成する。
次に、アモルファスのシリコン膜からなる半導体膜に対して、レーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜をポリシリコン膜に結晶化する。
次に、半導体膜をパターニングして島状の半導体膜とし、その表面に対して、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法により、厚さが約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜37を形成する。
次に、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、パターニングし、ゲート電極21、31、およびゲート電極31の延設部分36を形成する。なお、この工程において、走査線gateも形成する。
次に、この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極21、31に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域となる。
次に、第1層間絶縁膜51を形成した後、各コンタクトホールを形成し、次に、データ線sig、ドレイン電極22、共通給電線com、共通給電線comの延設部分39、および中継電極35を形成する。その結果、第1のTFT20、第2のTFT30、および保持容量capが形成される。
次に、第2層間絶縁膜52を形成し、この層間絶縁膜には、中継電極35に相当する部分にコンタクトホール形成する。
次に、第2層間絶縁膜52の表面全体に透明導電膜を形成した後、パターニングし、コンタクトホールを介して、第2のTFT30のソース・ドレイン領域に電気的に接続する画素電極41を画素7毎に形成する。
次に、第2層間絶縁膜52の表面側に、例えばレジスト層等を形成した後、このレジスト層を走査線gateおよびデータ線sigに沿って残すようにパターニングし、バンク層bankを形成する。
このとき、データ線sigに沿って残すレジスト層は、共通給電線comを覆うように幅広とする。その結果、有機EL素子40の有機EL層43を形成すべき領域は、バンク層bankによって囲まれる。
次に、画素電極41上(一方の面側)であって、バンク層bankによりマトリクス状に区画された領域内に、インクジェット法(液滴吐出法)を用いて、R、G、Bに対応する各有機EL層43を形成する(第1の工程)。
これは、バンク層bankの内側領域に対して、インクジェットヘッドから、有機EL層43を形成するための液状材料(前駆体)を吐出し、それをバンク層bankの内側領域で定着させて有機EL層43を形成する。
ここで、バンク層bankを、例えば、レジスト材料で構成することにより、その表面は、比較的高い撥液性を示す。これに対して、前記液状材料の調製に親水性の高い溶媒を用いていることにより、有機EL層43の塗布領域は、バンク層bankによって確実に規定され、隣接する画素7にはみ出ることを防止することができる。これにより、有機EL層43などを所定領域内に選択的に形成することができる。
なお、なお、1μm以上の高さのバンク層bankを形成すれば、バンク層bankが撥水性でなくても、バンク層bankは、隔壁として十分に機能する。また、かかる膜厚の大きいバンク層bankを形成すれば、インクジェット法に代えて、塗布法で有機EL層43を形成する場合でもその形成領域を規定することができる。
この後、透明基板10のほぼ全面に対向電極opを形成(第2の工程)し、さらに対向電極opの上層に保護膜60を積層する(第3の工程)。
このような製造方法によれば、インクジェット法を利用して所定の領域にR、G、Bに対応する各有機EL層43を形成するので、フルカラーのアクチィブマトリクス型表示装置1を高い生産性で製造することができる。
なお、図1に示すデータ側駆動回路3や走査側駆動回路4にもTFTが形成されるが、これらのTFTは前記画素7にTFTを形成していく工程の全部あるいは一部を援用して行われる。このため、駆動回路を構成するTFTも、画素7のTFTと同一の層間に形成されることになる。
また、前記第1のTFT20および第2のTFT30については、双方がN型、双方がP型、一方がN型で他方がP型のいずれでもよいが、このようないずれの組合せであっても周知の方法でTFTを形成していけるので、その説明を省略する。
さて、本発明では、保護膜60の形成方法に特徴を有する。以下、この点(特徴)について詳述する。
保護膜60は、次の工程[1]〜[3]を経て形成することができる。
図5は、保護膜の形成工程を説明するための図(断面図)、図6は、紫外線照射装置の構成を示す模式図である。なお、以下の説明では、図5および図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[1]液状材料の塗布工程
まず、シラザン構造を有するポリマーと溶媒とを含有する液状材料を調製する。
ここでシラザン構造を有するポリマー(以下、単に「ポリマー」と言う。)としては、一般式:−(SiHNH)−で表されるポリシラザン、または、その側鎖にアルキル基が導入された誘導体等が挙げられる。側鎖がHだけのものは無機ポリシラザン、側鎖にアルキル基を有するものを有機ポリシラザンと呼ばれる。本発明で使用するポリシラザンは無機ポリシラザンが望ましい。
溶媒には、例えば、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
液状材料中のポリマーの濃度は、5〜20重量%程度であるのが好ましい。濃度が薄過ぎると、溶媒の種類等によっては、十分な膜厚の保護膜60を形成するのが困難となるおそれがあり、一方、濃度が濃過ぎると、液状材料の粘度が高くなり、液状材料の均一な供給が困難となるおそれがある。
なお、液状材料中には、前記ポリマー以外に、各種添加剤を添加することができる。
添加剤としては、ポリマーの分解を促進する触媒(例えば、貴金属系触媒、酸化物系触媒、重金属系触媒)等が挙げられる。
次に、図5(a)に示すように、この液状材料を対向電極op上に供給して、液状被膜61を形成する。以下、透明基板10上に各層が順次積層され、対向電極opまで形成されたものを積層基板100と言う。
液状材料を供給する方法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法(液滴吐出法)等を用いることができる。これらの方法によれば、液状被膜61を比較的容易に形成することができる。
[2]脱溶媒工程
次に、図5(b)に示すように、液状被膜61から溶媒を除去(脱溶媒)し、前記ポリマーを主材料として構成される被膜62を形成する。
液状被膜61から溶媒を除去する方法としては、例えば、加熱、大気圧または減圧下での放置、不活性ガスを吹付ける方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、加熱による方法が短時間で処理できる点で好ましい。加熱による方法によれば、ホットプレートなどの簡便な装置を用いて、容易かつ確実に脱溶媒を行うことができる。
この場合、加熱の温度は、用いる溶媒によっても若干異なり、特に限定されないが、150℃以下であるのが好ましく、80℃以下がより好ましい。加熱の温度が低過ぎると、脱溶媒に長時間を要し、非効率的であり、一方、加熱の温度が高過ぎると、加熱の時間等によっては、有機EL層43に変質・劣化が生じるおそれがある。
また、加熱の際の雰囲気は、大気、不活性ガス雰囲気、減圧(または真空)雰囲気等のいかなる雰囲気であってもよいが、気体の有機物質が発生するので排気が取れている場所で行うのが安全である。
[3]紫外線照射工程
次に、図5(c)に示すように、例えば、図6に示す紫外線照射装置1000を用いて、被膜62に紫外線を照射する。
図6に示す紫外線照射装置1000は、チャンバ101とランプハウス102とを有している。
チャンバ101は、被膜62が形成された積層基板100を収納し、被膜62に対して紫外線照射を行う室である。
このチャンバ101には、真空ポンプ103とガス供給手段104が接続されている。これらの真空ポンプ103およびガス供給手段104を動作することにより、チャンバ101内を所望の雰囲気とすることができる。
また、チャンバ101内には、基板載置用ステージ105が設けられている。この基板載置用ステージ105には、被膜62が形成された積層基板100が載置される。
この基板載置用ステージ105には、加熱手段が内臓されており、この上に載置された積層基板100を加熱できるようになっている。
また、チャンバ101の天井部には開口部106が設けられている。この開口部106には、当該開口部106を気密的に閉塞するように、例えば石英板等で構成される透明部材が107取り付けられている。
このチャンバ101の上側には、開口部106を覆うようにランプハウス102が設けられている。
このランプハウス102の内部は、N等の不活性ガスによって置換されており、紫外線を出射する光源108が設けられている。この光源108から出射された紫外線は、透明部材107を透過して、チャンバ101内に入射し、被膜62に照射される。
用いる紫外線の波長は、150〜350nm程度であるのが好ましく、150〜300nm程度であるのがより好ましい。このような波長の紫外線を用いることにより、被膜62中の前記ポリマーの化学結合を切断して、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料(Si酸窒化物)に確実に変化させることができる。
このような範囲の波長の紫外線を照射する光源108としては、低圧水銀ランプ(ピーク波長:254nm)や、エキシマランプ(ピーク波長:172nm)が好適である。低圧水銀ランプを用いることにより、雰囲気が大気であったり、大気圧であってもSi−N結合を主とする保護膜が得られるという効果が得られ、エキシマランプを用いることにより、Si−N結合を主とし、より酸素や水分の少ない保護膜を形成できるという効果が得られる。
紫外線のエネルギー密度は、100〜1000mJ/cm程度であるのが好ましい。これにより、被膜62中の前記ポリマーを確実にSi酸窒化物に変化させることができる。
また、紫外線の照射時間は、1分程度であるのが好ましい。照射時間は紫外線の強度と得られる膜質、及び生産性などから決めることになるが、通常市販されているUVランプではこのような紫外線の照射時間で、前記ポリマーを十分にSi酸窒化物に変化させることができる。
この紫外線照射装置1000を用いて、被膜62に紫外線を照射するには、基板載置用ステージ105に、被膜62が形成された積層基板100を載置する。
そして、必要に応じて基板載置用ステージ105の加熱手段によって、積層基板100を加熱する。積層基板100を加熱することにより、基板表面に付着している水分を飛散させる効果により、形成される保護膜中の水分や酸素濃度をより低くすることが出来る。また、基板加熱は形成された被膜中の溶媒除去作用も有するので、前工程である溶媒除去工程を省略し、本工程で兼ねて行うこともできる。
この場合、積層基板100の加熱の温度は、150℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。温度が低過ぎると、前述のような加熱を行う効果が十分に得られないおそれがあり、一方、加熱の温度が高過ぎると、加熱の時間等によっては、有機EL層43に変質・劣化が生じるおそれがある。
次に、チャンバ101内を所望の雰囲気とする場合について述べる。
ここで、チャンバ101内の雰囲気は、外部(大気)に比べて酸素および水蒸気の含有量が低減されているのが好ましく、実質的に酸素および水蒸気を含有しない雰囲気がより好ましい。酸素および水蒸気(水分)は、いずれも、被膜62への紫外線の到達を妨げるため、チャンバ101内を実質的に酸素および水蒸気を含有しない雰囲気とすることにより、被膜62に効率よく紫外線を入射させることができる。
かかる雰囲気としては、減圧雰囲気または不活性ガス雰囲気が好ましい。これにより、雰囲気中の酸素および水蒸気含有量を極めて低くすることができる。
また、減圧雰囲気の場合、その圧力(チャンバ内の圧力)は、できる限り低い方がよく、特に限定されないが、100Pa以下であるのが好ましく、80Pa以下であるのがより好ましく、50Pa以下であるのがさらに好ましい。これにより、前記効果をより向上させることができる。
また、不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等が好適である。尚、不活性ガス雰囲気のときは圧力は大気圧でもよい。
そして、この状態で、光源108から紫外線を出射させ、被膜62に照射する。
被膜62に紫外線が照射されると、前記ポリマー中の化学結合が切断され、原子構造の再配列が生じ、Si酸窒化物で構成される保護膜60が形成される。
このようにして形成された保護膜60は、Si−N結合を主に有することにより、酸素や水分を遮断する効果が高く、保護膜60として優れた性能を発揮する。
このような保護膜60は、フーリエ変換赤外吸収スペクトル(FT−IR)法で測定したとき、Si−N結合に起因する赤外線の吸光度が、Si−O結合に起因する赤外線の吸光度より大きくなっているのが好ましい。かかる保護膜60は、酸素や水分の遮断機能がより優れたものとなる。
さらに、保護膜60中のNの含有量をA[原子%]とし、Oの含有量をB[原子%]としたとき、A/Bが1以上となる関係を満足するのが好ましく、10以上となる関係を満足するのがより好ましい。かかる関係を満足する保護膜60は、より優れた遮断性能を発揮するようになる。
なお、保護膜60中のOやNの含有量は、例えば、紫外線の波長、紫外線のエネルギー密度、紫外線の照射時間、紫外線を照射する雰囲気等を設定することにより調整することができる。
以上のような工程を経て、アクティブマトリクス型表示装置1が製造される。このようにして製造されるアクティブマトリクス型表示装置1は、保護膜60によって、有機EL層43に、酸素や水分が侵入するのが効果的に防止される。したがって、良好な特性を長期間に亘り維持することができる。
また、保護膜60が、液状材料を用いる液相プロセスによって形成されるので、気相プロセスを用いる場合の不都合、すなわち、有機EL層43の変質・劣化が好適に防止される。また、また簡易な装置および工程で、効率よく保護膜60を形成することができる。
このようなアクティブマトリクス型表示装置(本発明の有機半導体装置)1は、各種の電子機器に組み込むことができる。
図7は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述のアクティブマトリクス型表示装置1で構成されている。
図8は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述のアクティブマトリクス型表示装置1で構成されている。
図9は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述のアクティブマトリクス型表示装置1で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図7のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図8の携帯電話機、図9のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の有機半導体装置の製造方法、有機半導体装置および電子機器について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の有機半導体装置は、有機EL装置への適用に限定されるものではなく、その他、例えば、有機薄膜トランジスタ装置等に適用することもできる。本発明の有機半導体装置を有機薄膜トランジスタ装置に適用した場合、第1の電極がソース電極およびドレイン電極を構成し、第2の電極がゲート電極を構成する。
また、本発明の有機半導体装置の製造方法では、必要に応じて、任意の目的の工程を追加することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.有機EL素子の製造
(実施例1)
まず、平均厚さ0.5mmの透明なガラス基板を用意した。
次に、この基板上に、スパッタ法により、平均厚さ100nmのITO電極(陽極)を形成した。
次に、ITO電極上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(バイエル社製、「バイトロンP」)の2.0wt%水溶液を、スピンコート法により塗布した後、乾燥して、平均厚さ50nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、ポリ(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニル−オルト−コ(アントラセン−9,10−ジイル)(重量平均分子量200000)の1.7wt%キシレン溶液を、スピンコート法により塗布した後、乾燥して、平均厚さ50nmの発光層を形成した。
次に、発光層上に、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールを真空蒸着し、平均厚さ20nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層上に、真空蒸着法により、平均厚さ300nmのAlLi電極(陰極)を形成した。
次に、AlLi電極上に、平均厚さ500nmの保護膜を形成した。これは、次のようにして行った。
まず、ポリシラザン)の20重量%のキシレン溶液を調製した。
そして、このキシレン溶液を、スピンコート法によりAlLi電極上に1500rpmで回転塗布し、液状被膜を形成した。
そして、この液状被膜が形成された基板を100℃×5分で加熱した。これにより、溶媒を除去して、ポリシラザン膜を得た。
次に、基板を、図6に示すような紫外線照射装置のチャンバ内に搬入し、基板載置用ステージに載置した。この紫外線照射装置の光源は、エキシマランプ(波長172nm)である。
そして、チャンバ内を8Paの減圧雰囲気とした状態で、光源から放射照度14mW/cmの紫外線を出射させ、ポリシラザン膜に室温で10分間照射した。これにより、保護膜を得た。
(実施例2)
紫外線照射装置の光源として低圧水銀ランプ(波長254nm)を用い、放射照度140mW/cmの紫外線を出射させ、ポリシラザン膜に窒素雰囲気中、室温×10分間照射して、保護膜を形成した以外は、前記実施例1と同様にして、有機EL素子を製造した。
(比較例)
ポリシラザン溶液をスピンコートで塗布し、100℃×5分の溶剤除去ベークを行った後、80%(1気圧)の水蒸気を含有するwetO雰囲気中で、400℃×60分で加熱し、保護膜を形成した以外は、前記実施例1と同様にして、有機EL素子を製造した。
2.評価
2−1.保護膜の組成評価
各実施例および比較例で製造した有機EL素子の保護膜について、それぞれ、フーリエ変換赤外吸収スペクトル法(FT−IR)および二次イオン質量分析法(SIMS)による測定を行った。
FT−IRの測定結果を図10に示す。
図10に示すように各実施例で形成した保護膜では、いずれも、Si−O結合に由来する赤外線の吸光度が、Si−N結合に由来する紫外線の吸光度よりも小さいことが確認された。
これに対して、比較例で形成した保護膜では、Si−N結合に由来する赤外線の吸収がほとんど認められず、Si−O結合に由来する赤外線の大きな吸収ピークが認められた。
また、SIMSの測定結果から、各実施例で形成した保護膜中のNの含有量A[原子%]と、Oの含有量B[原子%]の比(A/B)は、10以上であった。
これに対して、比較例で形成した保護膜では、A/Bは、約6×10−3であった。
アクティブマトリクス型表示装置の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図である。 図1に示すアクティブマトリクス型表示装置の1つの画素を抜き出して示す平面図である。 図2中のA−A’断面図、B−B’断面図、およびC−C’断面図である。 有機エレクトロルミネセンス素子の構成を示す断面図である。 保護膜の形成工程を説明するための図(断面図)である。 紫外線照射装置の構成を示す模式図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 FT−IRの測定結果を示すチャートである。
符号の説明
1‥‥アクティブマトリクス型表示装置 11‥‥表示部 3‥‥データ側駆動回路 4‥‥走査側駆動回路 7‥‥画素 10‥‥透明基板 12‥‥端子 20‥‥第1のTFT 21‥‥ゲート電極 22‥‥ドレイン電極 30‥‥第2のTFT 31‥‥ゲート電極 35‥‥中継電極 36、39‥‥延設部分 37‥‥ゲート絶縁膜 40‥‥有機EL素子 41‥‥画素電極 43‥‥有機EL層 431‥‥正孔輸送層 432‥‥発光層 433‥‥電子輸送層 50‥‥導通制御回路 51‥‥第1層間絶縁膜 52‥‥第2層間絶縁膜 60‥‥保護膜 bank‥‥バンク層(絶縁膜) cap‥‥保持容量 com‥‥共通給電線 gate‥‥走査線 op‥‥対向電極 sig‥‥データ線 61‥‥液状被膜 62‥‥被膜 1000‥‥紫外線照射装置 100‥‥積層基板 101‥‥チャンバ 102‥‥ランプハウス 103‥‥真空ポンプ 104‥‥ガス供給手段 105‥‥基板載置用ステージ 106‥‥開口部 107‥‥透明部材 108‥‥光源 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース(ボディー) 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥回路基板 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥データ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ

Claims (15)

  1. 第1の電極の一方の面側に、有機半導体膜を形成する第1の工程と、
    前記有機半導体膜の前記第1の電極と反対側に、第2の電極を形成する第2の工程と、
    前記第2の電極の前記有機半導体膜と反対側に、Si、NおよびOを主たる構成元素とする材料で構成される保護膜を形成する第3の工程とを有し、
    前記第3の工程において、シラザン構造を有するポリマーを主材料として構成される被膜を形成し、該被膜に紫外線を照射することにより、前記保護膜を得ることを特徴とする有機半導体装置の製造方法。
  2. 前記第3の工程において、前記被膜は、前記シラザン構造を有するポリマーと溶媒とを含有する液状材料を供給して液状被膜を形成し、該液状被膜から前記溶媒を除去することにより形成される請求項1に記載の有機半導体装置の製造方法。
  3. 前記溶媒の除去は、加熱により行われる請求項2に記載の有機半導体装置の製造方法。
  4. 前記加熱の温度は、150℃以下である請求項3に記載の有機半導体装置の製造方法。
  5. 前記第3の工程において、紫外線照射を、実質的に酸素および水蒸気を含有しない雰囲気で行う請求項1ないし4のいずれかに記載の有機半導体装置の製造方法。
  6. 前記雰囲気は、減圧雰囲気または不活性ガス雰囲気である請求項5に記載の有機半導体装置の製造方法。
  7. 前記減圧雰囲気の圧力は、100Pa以下である請求項6に記載の有機半導体装置の製造方法。
  8. 前記紫外線は、350nm以下の波長を含む請求項1ないし7のいずれかに記載の有機半導体装置の製造方法。
  9. 前記紫外線の光源として、水銀ランプを用いる請求項8に記載の有機半導体装置の製造方法。
  10. 前記紫外線の光源として、エキシマランプを用いる請求項8に記載の有機半導体装置の製造方法。
  11. 前記紫外線のエネルギー密度は、100〜1000mJ/cmである請求項1ないし10のいずれかに記載の有機半導体装置の製造方法。
  12. 前記保護膜をフーリエ変換赤外吸収スペクトル法で測定したとき、Si−N結合に起因する赤外線の吸光度が、Si−O結合に起因する赤外線の吸光度より大きい請求項1ないし11のいずれかに記載の有機半導体装置の製造方法。
  13. 前記保護膜中のNの含有量をA[原子%]とし、Oの含有量をB[原子%]としたとき、A/Bが1以上となる関係を満足する請求項12に記載の有機半導体装置の製造方法。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の有機半導体装置の製造方法により製造されたことを特徴とする有機半導体装置。
  15. 請求項14に記載の有機半導体装置を備えることを特徴とする電子機器。
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