JP2007095336A - 弾性接触子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気導電率及び降伏応力が高く、しかも短時間で製造できて小型化も容易な弾性接触子を提供する。
【解決手段】 CuSn合金を用いて弾性接触子を形成する。このとき、前記CuSn合金に含まれるSnの組成比を5[at%]以上25[at%]以下とすると、少なくとも9[IASC/%]以上の電気導電率と、少なくとも0.9[GPa]以上の降伏応力とを有する弾性接触子とすることが可能となる。また電解メッキ法を用いることにより、より短時間で小型化の弾性接触子を製造することが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばIC(集積回路)の検査装置の接続部に用いられる弾性接触子に係わり、特に電気導電率と降伏応力を向上させた弾性接触子に関する。
従来の弾性接触子に関する先行技術としては、例えば特許文献1に記載されたスパイラルコンタクタなどが存在する。
特許文献1は、半導体デバイス8の背面側に格子状またはマトリックス状に配置された複数の球状接触子7と、プリント基板33に設けられた複数の電極とをそれぞれ電気的に仮接続させるための半導体検査装置に関するものである。半導体デバイス8の背面と対向するプリント基板33上にはガイドフレームが設けられ、このガイドフレーム内に複数のスパイラルコンタクタ(弾性接触子)1が配置されている。
半導体デバイス8の背面側をプリント基板33に向けて押圧すると、球状接触子7の外表面にスパイラルコンタクタ1が螺旋状に巻き付いて接触するため、個々の球状接触子7と個々のスパイラルコンタクタ1との間が電気的に接続される。
一般に、スパイラルコンタクタ1などの弾性接触子は前記球状接触子7などに接触するものであるため、弾性変形しやすい(降伏応力が大きい)こと、および電気導電率が高いことが必要である。
そこで、スパイラルコンタクタ1では、高い導電性を確保するために銅箔4を用いるとともに、銅箔4上にニッケルメッキ29を施した二層構造とすることにより高い降伏応力を得ている。
また特許文献1には特に記載されていないが、スパイラルコンタクタ1においては、スパイラルコンタクタ1に対し熱処理を施しながら、スパイラルコンタクタ1を立体成形すること等が行われる。
特開2002−17585号公報(図37−図39等)
しかしながら、前記立体成形の際の熱処理によっては、スパイラルコンタクタ1が結晶化し、降伏応力が低下するなど、ばね特性が劣化しやすいという問題、すなわち熱処理等の原因により結晶化が急激に促進することで脆い性質になるため、スパイラルコンタクタ1に折れ等の破損が生じやすいという問題があった。
一方、前記ばね特性の劣化を防ぐには前記ニッケルメッキ29をアモルファス状態に維持することと、メッキを行う際のメッキ浴の濃度を高度に管理することが必要とされる。このための方法として無電解メッキ法があるが、この方法ではメッキ処理に要する時間が長く、生産性が上がらないという問題があった。
また特許文献1のスパイラルコンタクタ1では、基材となる銅箔4をエッチング処理する必要があるが、エッチング工程を用いる場合には小型化の限界点が早く訪れ、前記スパイラルコンタクタ1のさらなる小型化が難しいという問題もあった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、電気導電率及び降伏応力が高く、しかも短時間で製造できて小型化も容易な弾性接触子を提供することを目的とする。
本発明は、弾性変形部を有する接触子の前記弾性変形部が、電解メッキ法によりCuSn合金で形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、弾性接触子としては、高い降伏応力と電気導電率を備えた弾性接触子を形成することができる。また電解メッキ法を用いて形成することができるため、微細な加工が可能であり、且つ無電解メッキ法に比較してより短時間に製造することができる。
上記において、前記CuSn合金に含まれるSnの組成比は、5at%以上25at%以下であることが好ましい。
上記構成では、少なくとも9[IASC/%]以上の電気導電率と、少なくとも0.9[GPa]以上の降伏応力とを有する弾性接触子とすることができる。
より好ましくは、前記CuSn合金に含まれるSnの組成比が、10at%以上15at%以下である。
上記構成では、弾性接触子の降伏応力を1[GPa]以上とし、且つ電気導電率を10[IASC/%]以上とすることができる。
さらには、前記CuSn合金からなる弾性変形部を基台とし、前記弾性変形部の表面に金メッキが施されているものが好ましい。
上記構成では、上記の降伏応力と、さらに高い電気導電率を有する弾性接触子とすることできる。
また本発明の弾性接触子としては、例えば前記弾性変形部が、スパイラル状であることが好ましい。
上記構成では、例えば接続の対象である球状接触子の外表面にスパイラル接触子の弾性変形部が巻き付いて接触する。このとき前記弾性変形部が有する鋭角な角や先端部が、前記球状接触子の外表面に形成されている酸化膜を積極的に切り裂いて接触するため、スパイラル接触子と球状接触子間の接触不良を防止することが可能となる。
本発明では、電気導電率及び降伏応力が高く、しかも電解メッキ法により製造することで短時間でできて小型化も容易な弾性接触子とすることができる。
図1は本発明の弾性接触子の一実施の形態としてのスパイラル接触子を示す拡大平面図、図2はスパイラル接触子の側面図である。
図1に示すようにスパイラル接触子(弾性接触子)1は、所定の膜厚で平面的な形状のマウント部12と、このマウント部12から延び出る弾性腕(弾性変形部)13とが一体に形成されている。弾性腕13は、マウント部12との境界部が基端14であり、基端14から先端15に向かうほど半径寸法が短くなる螺旋(スパイラル)パターンで形成されている。弾性腕13の基端14の幅寸法Lは25μmであり、螺旋状に巻かれた最外周に位置する弾性腕13とその内周側に位置する弾性腕13との間の隙間寸法Sも25μmであり、微細な寸法で形成されている。なお、先端15は螺旋パターンのほぼ図芯Oに位置している。
図2は、スパイラル接触子10およびこれを支持する基板20を示している。基板20はスルーホール21を有しており、このスルーホール21の内周面に壁面導電体22が設けられている。基板20の表面には壁面導電体22と導通する表面電極部23が形成され、基板20の裏面には壁面導電体22と導通する背面電極部24が形成されている。
マウント部12はそのほぼ全域が表面電極部23に導電性接着剤などを介して接着固定されている。図2では、マウント部12の下面(マウント部12と表面電極部23との境界面)を基準平面Hとし、前記図芯Oを通る基準平面の垂線をVで示している。垂線Vはスルーホール21のほぼ中心に位置している。弾性腕13は、先端15が基準平面Hから垂直方向へ離れる立体形状となっている。
そして、先端15に対し、例えば図示しない球状接触子(BGA)や平板状接触子(LGA)などを前記垂線Vに沿って下方に押し付けると、弾性腕13が弾性変形させられる。このときスパイラル接触子10の弾性腕13は元の立体形状に復元しようとするため、弾性腕13には球状接触子や平板状接触子を上方に押し返す弾性力が発生する。
特に、接続の対象が球状接触子である場合には、球状接触子の外表面にスパイラル接触子10の弾性変形部が螺旋状に巻き付いて接触する。このとき前記弾性腕(弾性変形部)13が有する鋭角な角や先端部が前記球状接触子の外表面に形成されている酸化膜を積極的に切り裂いて接触するため、スパイラル接触子10と球状接触子間の接触不良を防止することが可能となる。
なお、基板20の表面には、多数のスパイラル接触子10がマトリックス状に配置されている。隣り合うスパイラル接触子10の配列ピッチは、例えば30〜500μmの範囲であり、弾性腕13の外周縁の輪郭直径の最大値は、0.5mm以下であり、例えば20〜400μm程度と微細である。
以上のようなスパイラル接触子10は、例えば降伏応力が1[GPa]以上で、且つ電気導電率が10[IASC/%]以上の特性を備えることを目標とする。このような寸法及び特性を備えたスパイラル接触子10とするためには、Cu(銅)とSn(錫)とからなるCuSn合金が適当である。そこで、以下には前記CuSn合金を用いたスパイラル接触子10について説明する。
なお、前記IACS(International Annealed Copper Standard)は、一定の焼鈍標準軟銅の電気の通り易さを100%としてこれに対する比較で電気導電性をあらわしたもの((弾性変形部の電気導電率/焼鈍標準軟銅の電気導電率)×100)である。したがって、電気導電率が10[IASC/%]以上とは、前記国際焼鈍標準軟銅の電気導電率の10%(=1/10)以上を意味している。
上記のような寸法及び特性を備えたスパイラル接触子10は、例えば立体的な螺旋状の溝を備えた電鋳金型(図示せず)をメッキ浴に入れて所定の直流電流又はパルス状の電流を流し、前記電鋳金型の溝の底面にCuSnを析出させるという電解メッキ法を用いてスパイラル接触子10を成形する。そして、成形後に所定の温度下で熱処理(アニール)することにより、スパイラル接触子10が完成する。
ここで用いるメッキ液の組成としては、例えばすず酸ナトリウムが10〜20g/リットル、シアン化銅が10〜20g/リットル、シアン化ナトリウムが30〜60g/リットル、水酸化ナトリウムが5〜10g/リットル、ロッシェル塩が20〜100g/リットルが好ましい。特に、ロッシェル塩は濃度寄与率が大きく、濃度が高いほど降伏応力及び導電率の物性値を高めることができるため、ロッシェル塩のより好ましい範囲は60〜100g/リットルである。
なお、前記メッキ液の液温は30〜50℃が好ましく、より好ましくは35〜45℃が最適である。また前記直流電流又はパルス状の電流の電流密度は、0.5〜2.5[A/dm]が好ましく、より最適な電流密度は後述する範囲の最小値である2.0[A/dm]である。
以下には、上記の方法を用いるとともにアニールの温度及び時間等を変えて形成したスパイラル接触子の特性について説明する。
図3はCuSn合金に含まれるSnの組成比[at%(原子%)]と電気導電率[IASC/%]との関係を示すグラフ、図4はCuSn合金に含まれるSnの組成比[at%]と降伏応力[GPa]との関係を示すグラフ、図5はCuSn合金の状態図である。
図3では、メッキ処理により形成されたスパイラル接触子10に対し、アニール(熱処理)を行わない場合を◆印で、100℃で1時間アニールした場合を■印で、100℃で10時間アニールした場合を△印で、200℃で1時間アニールした場合を×印で、200℃で10時間アニールした場合を*印でそれぞれ示している。
図3に示すグラフからは、アニールの有無を問わず、CuSn合金に含まれるSnの組成比が少なくとも5[at%]以上あれば、電気導電率を9[IASC/%]以上とすることができること、および前記電気導電率の最大値は前記Snの組成比を15〜16[at%]とした場合で約19[IASC/%]であることがわかる。さらにはSnの組成比を20[at%]とした場合であっても、約15[IASC/%]の電気導電率を確保することができることがわかる。
同時に、電気導電率を10[IASC/%]以上とするためには、CuSn合金に含まれるSnの組成比を9[at%]以上、好ましくは10[at%]以上とすればよいことがわかる。
一方、図4に示すグラフからは、CuSn合金に含まれるSnの組成比を7[at%]にすると降伏応力を1.25[GPa]程度に設定できること、及び前記Snの組成比を21[at%]程度にしても0.9[GPa]の降伏応力を得ることができることがわかる。同時に、前記降伏応力を1[GPa]以上にするためには、前記CuSn合金に含まれるSnの組成比を16[at%]以下、好ましくは15[at%]以下にすればよいことがわかる。
ところで、図5に示すCuSn合金の金属状態図を見ると、図中に符号Aで示す斜線領域、すなわち温度が0〜350℃で且つCuSn合金に含まれるSnの組成比が25[at%]以下の範囲の領域では、Cuの結晶がSnを固溶している状態にあり、この範囲のCuSn合金は高い延性、柔軟性を有している。
一方、図中に符号Bで示す斜線領域は、すなわちCuSn合金に含まれるSnの組成比が25[at%]の近傍にあり、且つ678℃以下の範囲で図中縦方向に延びる領域は、CuとSnの金属間化合物(硬い物質)が相として支配している状態にあり、この領域になるとCuSn合金に脆化状態が現れる。よって、CuSn合金に含まれるSnの組成比の上限値は25[at%]が適当と考えられる。
以上のことから、弾性変形部を形成するCuSn合金に含まれるSnの組成比が5[at%]以上で且つ25[at%]以下の範囲にあれば、少なくとも9[IASC/%]以上の電気導電率と、少なくとも0.9[GPa]以上の降伏応力とを有するスパイラル接触子10とすることが可能である。
またCuSn合金に含まれるSnの組成比を10[at%]以上で且つ15[at%]以下とすると、前記降伏応力1が[GPa]以上で、且つ電気導電率が10[IASC/%]以上)を有するスパイラル接触子10とすることができる。
図6は電解メッキの電流密度[A/dm]とCuSn合金に含まれるCuの組成比[at%]及びメッキスピード[μm/10分]との関係を示すグラフである。
上記のように、CuSn合金に含まれる一方のSnの組成比の範囲は5[at%]以上21[at%]以下が好ましく、より好ましくは10[at%]以上15[at%]以下であるから、他方のCuの組成比は79[at%]以上95[at%]以下が好ましく、より好ましくは85[at%]以上90[at%]以下といえる。
よって、図6に示すグラフから、電解メッキ法によりスパイラル接触子10を製造した場合、Cuの組成比が79[at%]以上95[at%]以下では、電流密度は0.4[A/dm]以上6.0[A/dm]以下となり、この場合のメッキスピードは0.65[μm/10分]〜1.4[μm/10分]となる。
また、前記Cuの組成比のより好ましい範囲(85[at%]以上90[at%]以下)では、前記電流密度は2.0[A/dm]以上で約3.6[A/dm]以下であり、この場合のメッキスピードは1.1[μm/10分]〜1.25[μm/10分]になる。
一般に電解メッキ法の場合には、電流密度を大きくすることによりメッキスピード(成長速度)を高めることが可能である。よって、電解メッキ法を用いることにより従来の無電解メッキ法に比較してメッキ処理に要する時間が短くすることができ、前記スパイラル接触子10の生産性を高めることが可能である。
次に、CuSn合金に含まれるSnの組成比の最適な範囲が、10[at%]以上15[at%]以下である理由について説明する。
図7はSnの組成比が10[at%]のときのCuSn合金(スパイラル接触子)の一部を拡大して示す断層写真であり、Aはアニール前、Bはアニール後を示している。また図8はSnの組成比が20[at%]のときのCuSn合金(スパイラル接触子)の一部を拡大して示す断層写真であり、Aはアニール前、Bはアニール後を示している。図7及び図8においては、粗い結晶粒がCuを示し、微細な結晶粒がCuSnを示している。
なお、CuSn合金に含まれるSnの組成比が15[at%]の場合については、図7に示すSn組成比10[at%]の場合とほぼ同様であるため、写真の掲載を省略している。
図7A,Bに示すように、Snの組成比10[at%]のときは、アニールの前後において双晶を含むCu粗粒とCuSn等の金属間化合物の微細粒が存在するが、アニール処理してもCu及びCuSnの粒径及び組織の変化は小さいことがわかる。
一方、Snの組成比20[at%]のときは、図8Aに示すようにアニール前は前記同様Cu粗粒とCuSn等の金属間化合物の微細粒が存在するが、図8Bに示すように、アニール後においては粒径が成長して結晶粒界が発生しており、脆化が進行していることがわかる。
すなわち、図7A,B及び図8A,Bより、メッキ処理後のCuSn合金からなるスパイラル接触子10をアニールしたときに、Sn組成比10[at%]の方がSn組成比20[at%]に比較して脆化し難いこと(降伏応力が高いこと)がわかる。すなわち、CuSn合金に含まれるSnの組成比の好ましい範囲は20[at%]以下、より好ましくは10[at%]以上15[at%]以下である。
なお、図7Bに示す場合(Sn組成比10[at%]で且つアニール処理後の場合)の降伏応力は最大900[MPa](=0.9[GPa])程度であり、図6Bに示す場合(Sn組成比20[at%]で且つアニール処理後の場合)の降伏応力は最大700[MPa](=0.7[GPa])であり、降伏応力はSn組成比10[at%]の場合の方が高い状態にある。
因みに、Sn組成比10[at%]ではCuが島状に点在しているに対し、Sn組成比20[at%]では結晶粒界が発生していることからして、Sn組成比10[at%]の方が電気導電率[IASC/%]が高い状態にある。
図9はSn組成比が10[at%]のときのCuSn合金(スパイラル接触子)の透過電子回折像を示し、Aはアニール前、Bはアニール後を示している。同様に、図10はSn組成比が20[at%]のときのCuSn合金(スパイラル接触子)の透過電子回折像を示し、Aはアニール前、Bはアニール後を示している。
図9A,Bに示すように、Snの組成比が10[at%]の場合には、アニールの前後において、同心円状の電子線回折パターン像が鮮明に表れていることがわかる。このことからも、Snの組成比が10[at%]とした場合には、アニール処理してもCu及びSnの粒径及び組織はほとんど変化せず、結晶状態が維持されることがわかる。
一方、図10A,Bに示すように、Snの組成比が20[at%]の場合には、アニールの前の状態においては同心円状の電子線回折パターン像が鮮明に表れているが、アニール後の状態においては前記電子線回折パターン像がぼやけ、一部は回折斑点像として表れている。このことから、Snの組成比が20[at%]の場合には、アニール処理をすると結晶組織が変化する(物性の変化=脆化)ものと予想される。
よって、図9A,Bおよび図10A,Bに示す透過電子回折像からも、CuSn合金に含まれるSnの組成比の好ましい範囲は20[at%]以下、より好ましくは10[at%]以上15[at%]以下である。
上記実施の形態においては、弾性接触子の一例としてスパイラル接触子を用いて説明したが、本発明の弾性接触子はこれに限定されるものではなく、その他例えば板ばね状やコイルスプリング状の接触子などであってもよい。
また上記実施の形態では、弾性接触子(スパイラル接触子)の電気導電率を10[IASC/%]以上とした場合について説明したが、前記CuSn合金からなる弾性腕を基台とし、その表面に金メッキを施すことにより、さらに高い電気導電率と高い降伏応力を備えた弾性接触子とすることが可能である。
本発明である弾性接触子の一実施の形態としてのスパイラル接触子を示す拡大平面図である。 スパイラル接触子の側面図である。 CuSn合金に含まれるSnの組成比と電気導電率との関係を示すグラフである。 CuSn合金に含まれるSnの組成比と降伏応力との関係を示すグラフである。 CuSn合金の状態図である。 電解メッキの電流密度とCuSn合金に含まれるCuの組成比及びメッキスピードとの関係を示すグラフである。 Snの組成比が10[at%]のときのCuSn合金の一部を拡大して示す断層写真であり、Aはアニール前、Bはアニール後を示す。 Snの組成比が20[at%]のときのCuSn合金の一部を拡大して示す断層写真であり、Aはアニール前、Bはアニール後を示す。 Sn組成比が10[at%]のときのCuSn合金の透過電子回折像を示し、Aはアニール前、Bはアニール後を示す。 Sn組成比が20[at%]のときのCuSn合金の透過電子回折像を示し、Aはアニール前、Bはアニール後を示す。
符号の説明
10 スパイラル接触子
13 弾性腕(弾性変形部)
14 基端
15 先端
20 基板
21 スルーホール

Claims (5)

  1. 弾性変形部を有する接触子の前記弾性変形部が、電解メッキ法によるCuSn合金で形成されていることを特徴とする弾性接触子。
  2. 前記CuSn合金に含まれるSnの組成比が、5at%以上25at%以下であることを特徴する請求項1記載の弾性接触子。
  3. 前記CuSn合金に含まれるSnの組成比が、10at%以上15at%以下であることを特徴とする請求項1記載の弾性接触子。
  4. 前記CuSn合金からなる弾性変形部を基台とし、前記弾性変形部の表面に金メッキが施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の弾性接触子。
  5. 前記弾性変形部が、スパイラル状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾性接触子。
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JP2009030108A (ja) 鉛フリーのめっき層を有するめっき部材とその製造方法

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