JP2007094094A - 現像ローラ及びそれに用いるフランジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットロールの延伸を図ることができ、且つ、実用性の高い現像ローラ及びそれに用いるフランジを提供する。
【解決手段】 本発明に係る現像ローラ10においては、フランジ16A,16Bの本体部23A,23Bの先端部23aにはマグネット収容穴25A,25Bが形成されており、マグネットロール14のマグネットブロック20の端部20eがこのマグネット収容穴25A,25Bに収容されている。そのため、この現像ローラ10は、現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットの延伸が実現されている。なお、マグネット収容穴25A,25Bの底部25aに埋設されたベアリング26A,26Bは、その先端位置Qが、マグネット収容穴25A,25Bの縁位置Pよりも底部25a側に位置しているため、マグネット収容穴25A,25Bへのマグネットブロック20の収容の妨げとならない。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置に利用される現像ローラ及びそれに用いるフランジに関する。
従来から、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の現像装置などに用いられる現像ローラとして、複数の磁極がその表面に形成されたマグネットロールと、このマグネットロールが収容される円筒状のスリーブと、マグネットロールを収容したスリーブの両端部に結合される一対のフランジとで構成された現像ローラが、下記特許文献1等に開示されている。
このような現像ローラにおいては、マグネットロールの軸を固定した状態で外周のスリーブのみを回転させることで、スリーブの表面に吸着させた現像剤が現像領域まで搬送される。そして、現像領域まで搬送された現像剤は、感光ドラムに供給されて、感光ドラム表面に形成されている静電潜像を可視像化する。なお、感光ドラムに供給されずにスリーブ側に残留した現像剤は、スリーブの回転により現像剤剥離領域まで到達したところでスリーブから剥離される。
実開平5−90518号公報 特開平10−247018号公報
ここで、マグネットロールのマグネットは、その両端位置においてその磁気特性(例えば、磁力線の向きなど)が大きく変化する。そのため、マグネットの両端近傍は現像剤の搬送等に利用しないのが一般的である。すなわち、マグネットロールの重要な特性の一つに、磁気特性が略均一であり、実際に搬送等に利用可能な長さである有効長というものがある。そして、マグネットロールのこの有効長を伸ばす方法として、マグネットロールのマグネットの全長を伸ばす方法が考えられる。
ただし、単純に現像ローラ全体の長さを一様に伸ばした場合には、これが組み込まれる装置の大型化を招いてしまうこととなる。すなわち、現像ローラ自体の延伸を抑えつつマグネットロールのマグネットを延伸させることへの要望が強く、マグネットロールのマグネットの有効長をミリオーダー以上伸ばすことのできる技術が必要とされている。
そこで発明者らは、鋭意研究の末に、現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットロールのマグネットの延伸を図ることができる技術を新たに見出した。
なお、上記特許文献2にも、マグネットロールのマグネットの延伸が図られた技術が開示されている。しかしながら、この公報に開示されている現像ローラ(磁気シリンダー)は、フランジ部材が、振れ精度の低い摺動性樹脂で構成されていたり、高価で作製に手間のかかる焼結含油合金で構成されていたりするため、著しく実用性に乏しいものである。
そこで、本発明は、現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットロールのマグネットの延伸を図ることができ、且つ、実用性の高い現像ローラ及びそれに用いるフランジを提供することを目的とする。
本発明に係る現像ローラは、シャフトと、シャフトを取り囲むように設けられたマグネットとを有するマグネットロールと、マグネットロールを収容するスリーブと、スリーブの端部開口に、先端側から圧入されたフランジとを備え、フランジは、スリーブの端部開口を封じると共に、マグネットロールの径よりも大きな径を有するマグネット収容穴が先端部に形成された本体部と、本体部のマグネット収容穴の底部に配設され、マグネットロールのシャフトを支持する軸受とを有し、軸受のマグネットロール側の先端位置が本体部のマグネット収容穴の縁位置よりも底部側に位置しており、且つ、マグネットロールのマグネットの端部がマグネット収容穴内に収容されていることを特徴とする。
この現像ローラにおいては、フランジの本体部の先端部にはマグネット収容穴が形成されている。そして、マグネットロールのマグネットの端部がこのマグネット収容穴に収容されている。そのため、この現像ローラは、現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットの延伸が実現されている。なお、マグネット収容穴の底部に配設された軸受は、その先端位置が、マグネット収容穴の縁位置よりも底部側に位置しているため、マグネット収容穴へのマグネットの収容の妨げとならない。加えて、この現像ローラにおいては、フランジの本体部とは別体である軸受でマグネットロールのシャフトを支持するため、本体部及び軸受の構成材料を各々に適した材料から選択でき、実用性の高いフランジにすることができる。
また、フランジの本体部が、スリーブの端部の内径と略同一、若しくはその内径以上の外径を有する大径部と、大径部よりも本体部の先端側に位置し、スリーブの端部の内径よりも小さく且つ大径部の外径よりも小さい外径を有する小径部と、大径部と小径部との間に介在し、大径部から小径部に向かって外径が漸次縮径している縮径部とを有することが好ましい。
この現像ローラにおいては、大径部、小径部及び縮径部を有する本体部を備えたフランジが、スリーブの端部開口に圧入されている。このフランジの圧入に際しては、まず、スリーブの端部開口にフランジ先端側の小径部を収めて、小径部、縮径部及び大径部の順にスリーブ内に収容していく。このとき、フランジとスリーブとの間に軸ズレが生じている場合には、縮径部において、フランジの外径とスリーブの端部の内径とが一致したときに、フランジとスリーブとの軸合わせがおこなわれて軸ズレが解消される。そして、軸合わせがおこなわれた状態でさらにフランジを押圧してスリーブに収容していくと、開口縁部に接する縮径部の外径が次第に大径部の外径に近づいて、スリーブの端部開口内に大径部が円滑に収容され、フランジの圧入が完了する。すなわち、軸合わせがおこなわれた後は、フランジとスリーブとは、フランジのスリーブへの圧入が完了するまでその状態が保持されるので、フランジは実質的に軸ズレすることなくスリーブ内に圧入される。
また、フランジの本体部がアルミニウム、アルミニウム合金又はステンレスで構成されていることが好ましい。この場合、振れ精度の高いフランジを作製することができる。また、これらの材料は、入手が容易である上、加工も容易である。そのため、安価で非常に実用的なフランジが得られる。
本発明に係るフランジは、シャフトと、シャフトを取り囲むように設けられたマグネットとを有するマグネットロールと、マグネットロールを収容するスリーブと、スリーブの端部開口に、先端側から圧入されるフランジとを備える現像ローラに用いるフランジであって、スリーブの端部開口を封じると共に、マグネットロールの径よりも大きな径を有するマグネット収容穴が先端部に形成された本体部と、本体部のマグネット収容穴の底部に配設され、マグネットロールのシャフトを支持する軸受とを有し、軸受のマグネットロール側の先端位置が本体部のマグネット収容穴の縁位置よりも底部側に位置することを特徴とする。
このフランジは、その本体部の先端部に、マグネットロールのマグネットの端部が収容されるべきマグネット収容穴が形成されている。そのため、このフランジは、現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットの延伸を実現することができる。なお、マグネット収容穴の底部に配設された軸受は、その先端位置が、マグネット収容穴の縁位置よりも底部側に位置しているため、マグネットがマグネット収容穴へ収容される際の妨げとならない。加えて、このフランジにおいては、フランジの本体部とは別体である軸受でマグネットロールのシャフトを支持するため、本体部及び軸受の構成材料を各々に適した材料から選択でき、実用性の高いものにすることができる。
また、本体部が、スリーブの端部の内径と略同一、若しくはその内径以上の外径を有する大径部と、大径部よりも本体部の先端側に位置し、スリーブの端部の内径よりも小さく且つ大径部の外径よりも小さい外径を有する小径部と、大径部と小径部との間に介在し、大径部から小径部に向かって外径が漸次縮径している縮径部とを有することが好ましい。
このフランジにおいては、スリーブへの圧入に際し、まず、スリーブの端部開口にフランジ先端側の小径部を収めて、小径部、縮径部及び大径部の順にスリーブ内に収容していく。このとき、フランジとスリーブとの間に軸ズレが生じている場合には、縮径部において、フランジの外径とスリーブの端部の内径とが一致したときに、フランジとスリーブとの軸合わせがおこなわれて軸ズレが解消される。そして、軸合わせがおこなわれた状態でさらにフランジを押圧してスリーブに収容していくと、開口縁部に接する縮径部の外径が次第に大径部の外径に近づいて、スリーブの端部開口内に大径部が円滑に収容され、フランジの圧入が完了する。すなわち、軸合わせがおこなわれた後は、フランジとスリーブとは、フランジのスリーブへの圧入が完了するまでその状態が保持されるので、フランジは実質的に軸ズレすることなくスリーブ内に圧入される。
また、本体部がアルミニウム、アルミニウム合金又はステンレスで構成されていることが好ましい。この場合、振れ精度の高いフランジを作製することができる。また、これらの材料は、入手が容易である上、加工も容易である。そのため、安価で非常に実用的なフランジが得られる。
本発明によれば、現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットロールのマグネットの延伸を図ることができ、且つ、実用性の高い現像ローラ及びそれに用いるフランジが提供される。
以下、添付図面を参照して本発明に係る現像ローラ及びそれに用いるフランジの実施の形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。また、本発明は下記実施形態のみに限定されるものではなく、あくまでも一実施形態である。
図1は、本発明の実施形態に係る現像ローラ10の概略斜視図であり、図2及び図3はそれぞれ、図1に示した現像ローラ10のII−II線断面図及びIII−III線断面図である。
図1〜図3に示すように、長尺円筒状の金属製スリーブ12と、このスリーブ12の内部に配置されたマグネットロール14と、スリーブ12の端部開口12a,12bそれぞれに嵌着固定された一対のフランジ16A,16Bとで、現像ローラ10は構成されている。
さらに、マグネットロール14は、略丸棒状のシャフト18と、このシャフト18の外周面18aにシャフト18を取り囲むように固定された5つの長尺状のマグネットブロック20(20A〜20E)とによって構成されている。このマグネットブロック20は、本発明におけるマグネットに相当する。
シャフト18は、金属などの高強度材料により構成されており、その長さはマグネットブロック20よりも長くなっている。このシャフト18の両端18b,18cは、マグネットブロック20が固定されておらず、露出されている。
各マグネットブロック20は、磁性粉体(フェライト系やNd−Fe−B系等)と樹脂(ゴム系やプラスチック系等)とで構成されたプラスチックマグネット、若しくはゴムマグネットである。また、各マグネットブロック20の断面形状は、図3に示すように、シャフト18の外周面18aの曲率と略同じ曲率を有する第1の弧Aと、第1の弧Aと同一の曲率中心及び開き角を有し第1の弧Aよりも曲率半径が大きい第2の弧Aと、第1の弧A及び第2の弧Aの対応する端点同士を真っ直ぐに結ぶ2本の線分L,Lとによって形成された形状となっている。そして、第1の弧Aがマグネットブロック20の長手方向に延びた曲面がマグネットブロック20の内周曲面20aとなっており、同じく第2の弧Aがマグネットブロック20の長手方向に延びた曲面がマグネットブロック20の外周曲面20bとなっており、また、2本の線分L,Lがマグネットブロック20の長手方向に延びた一対の平面がマグネットブロック20の両側平面20c,20dとなっている。
そして、各マグネットブロック20は、その内周曲面20aにおいてシャフト18の外周面18aに図示しない接着剤によって固定されている。各マグネットブロックは、少なくとも両側平面20c,20dの一方の平面で隣り合うマグネットブロック20と接しているため、各マグネットブロック20はシャフト18に強固に取り付けられている。なお、シャフト18は、マグネットブロック20によってその全周を完全には囲まれておらず、シャフト18の周りにはマグネットブロック20の存在しないブロック欠落部22が形成されており、このブロック欠落部22においてはシャフト18の外周面18aが露出している。
なお、以上ではマグネットブロック20がシャフト18を完全には囲んでいない態様を示したが、適宜マグネットブロック20がシャフト18を完全に囲んだ態様に変更してもよい。また、マグネットブロック20は5極に限らず、必要に応じて増減してもよい。さらに、マグネットブロック20の外周面は円弧状曲面に限らず様々な面を適用することができ、例えば、切り欠き部や凹凸部が設けられた面であってもよい。
そして、マグネットブロック20の外周曲面20bによって形成されたマグネットロール14の外周面14aと、スリーブ12の内周面12cとの間には、所定間隔dの空隙が形成されている。このマグネットロール14の径は、マグネットブロック20全てを含む外接円Cの径dによって定義される。
さらに、各マグネットブロック20A〜20Eの外周曲面20bにおける極性は、図3において符号Nと符号Sとで示しているように、N極とS極とが交互になるように配置されている。
以上で説明したマグネットロール14は、スリーブ12の延在方向と同一方向に延在するようにスリーブ12内に配置され、スリーブ12の両端に位置する1対のフランジ16A,16Bによって回転自在に支持されている。
フランジ16A及びフランジ16Bは、それぞれ、本体部23A,23Bと、ベアリング(軸受)26A,26Bとによって構成されている。
本体部23A,23Bはアルミニウムで構成されており、その外形形状は略厚肉円板状となっている。そして、本体部23A,23Bのスリーブ12側の先端部23aには、本体部23A,23Bの中心軸線Iに沿って、収容穴(マグネット収容穴)25A,25Bが形成されている。また、収容穴25A,25Bのそれぞれの底部25aには、本体部23A,23Bの中心軸線Iに沿って、孔24A,24Bが形成されている。そして、この孔24A,24Bそれぞれには、シャフト18を回転支持する円管状の上記ベアリング26A,26Bが中心軸線Iに沿うように埋設されている。このベアリング26A,26Bはともに焼結含油合金によって構成されている。また、このベアリング26A,26Bとマグネットブロック20との間には、シャフト18に取り付けられたEリング27が介在しており、このEリング27によりマグネットブロック20とフランジ本体部23A,23Bとの摩擦が抑制されている。なお、ベアリング26A,26Bは、焼結含油合金製のものに限らず、適宜公知のベアリングに変更可能である。
なお、フランジ16Aの本体部23Aには、その外側表面からシャフト18の軸線Iと同軸状に突出する円筒状の軸部30Aが形成されており、フランジ16A側のシャフト18の一端部18bは、フランジ16Aの孔24A及び軸部30Aを貫通し、スリーブ12と一対のフランジ16A,16Bとで構成されるケース28の外側まで突出している。一方、通常、フランジ16B側のシャフト18の他端部18cは、フランジ16Bの有底の孔24B内に位置している。このフランジ16Bの本体部23Bには、その外側表面からシャフト18の軸線Iと同軸状に突出する丸棒状の軸部30Bが形成されている。なお、適宜、シャフト18の端部18cが、シャフト18の端部18b同様、フランジ16Bを貫通する態様に変更してもよい。
つまり、シャフト18と、ケース28(つまり、スリーブ12と一対のフランジ16A,16B)とは、シャフト18の軸線Iに関して同軸的に配置されていると共に、シャフト18の軸線Iを回転中心としてベアリング26A,26Bを介して相対的に回転自在となっている。
そして、現像ローラ10を現像装置に設置する際には、図2に示すように、現像ローラ10の一端部であるケース28から突出するシャフト18の端部18bは、現像装置の一方の側壁32Aに固定される。また、現像ローラ10の他端部であるフランジ16Bの軸部30Bは、現像装置の他方の側壁32Bにベアリング34を介して回転自在に軸支される。
つまり、現像ローラ10を現像装置に設置すると、マグネットロール14は回転しないように保持され、マグネットロール14を覆うケース28だけがシャフト18周りに回転自在に保持される。この状態で、フランジ16Bの軸部30Bにギア等を取り付けて、モータ等により軸部30Bを回転駆動させることで、現像ローラ10のケース28の回転制御がおこなわれる。
現像装置に設置された現像ローラ10のケース28が回転すると、ケース28の外周面28a(すなわち、スリーブの外周面12d)に担持された現像剤が感光体ドラム(図示せず)に対向する位置まで搬送されると共に、現像剤に含まれるトナーが感光体ドラムの静電潜像に付着して、静電潜像が可視像化される。現像ローラ10に用いる現像剤としては、トナーのみの一成分系現像剤及びトナーとキャリアとが混合された二成分系現像剤のどちらも用いることができる。
次に、一対のフランジ16A,16Bの構成を、フランジ16Bを例にとり、図4を参照しつつより詳しく説明する。
図4に示すように、フランジ16Bの本体部23Bには、先端部23aとして先端側から順に小径部40、縮径部42、大径部44が形成されており、さらにキャップ部48が形成されている。
上述したように、本体部23Bの先端部23aにはマグネット収容穴25Bが形成されている。このマグネット収容穴25Bの断面は円形となっており、その径dはマグネットロール14の径dよりも大きくなっている。また、マグネット収容穴25Bの深さは特に限定されないが、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上10mm以下がさらに好ましい。0.2mm未満では有効長の延伸を十分には図りにくく、また10mmを超えるとフランジが無駄に長くなってしまい現像ローラ10の長大化を招いてしまうからである。なお、このマグネット収容穴25Bの径dが大きすぎる場合には、先端部23aの強度が十分確保されないため、マグネット収容穴25Bの周囲の厚さ(図4における(D−d)/2)は0.2mm以上が好ましく、また2.0mm以下が好ましい。2.0mmを超えると、マグネットロール14の径dがスリーブ内周面12cに対して小さくなりすぎ、スリーブ外周面12d上での磁気特性が低下してしまうためである。
そして、このマグネット収容穴25Bの底部25aの中央に、マグネットロール14のシャフト18を支持する上述した孔24Bが設けられており、この孔24Bは、マグネット収容穴25Bの底部25aから後で詳しく説明する大径部44まで延びている。そして、この孔24Bの全長に亘って埋設されるようにして、上記ベアリング26Bが本体部23Bに取り付けられている。
ここで、ベアリング26Bの先端位置Qは、マグネット収容穴25Bの底面25bからわずかに(例えば、0.1mm)突き出ており、且つ、マグネット収容穴25Bの縁位置(すなわち、本体部23Bの先端面40aの位置)Pよりも、長さlだけ後ろ側(すなわち、マグネット収容穴25の縁から底部25aに向かう側)に位置している。なお、ベアリング26Bの先端位置Qは、マグネット収容穴25Bの底面25bと同じ位置であってもよい。
そして、このフランジ16Bの本体部23Bが、マグネットロール14が収容されたスリーブ12の開口端部12bに圧入された現像ローラ10では、図6(a)に示すような位置関係になっている。すなわち、本体部23Bに形成されたマグネット収容穴25Bに、Eリング27の全体が収容され、且つ、マグネットロール14のマグネットブロック20の端部20eが所定長さ(例えば、1.0mm)だけ収容されている。このとき、マグネット収容穴25Bの径dが、マグネットロール14の径dよりも大きくなっているため、確かに、マグネットロール14のマグネットブロック20の端部20eをマグネット収容穴25B内に収容することができる。また、ベアリング26Bは、その先端位置Qが、マグネット収容穴25Bの縁位置Pよりも底部25a側に位置しているため(図4参照)、マグネット収容穴25Bへのマグネットの収容の妨げとならない。
ここで、従来技術に係るフランジ16Cの構成を、図5を参照しつつ簡単に説明する。図5に示す従来のフランジ16Cは、マグネット収容穴25Bが形成されていない点でのみ、上述したフランジ16Bと異なる。つまり、従来のフランジ16Cでは、その本体部23Cの先端部23aの中央に孔24Bが設けられており、この孔24Bは、本体部23Cの先端面40aから大径部44まで延びている。そして、この孔24Bの全長に亘って埋設されるようにして、上記ベアリング26Bが本体部23Bに取り付けられている。さらに、フランジ16Cにおけるベアリング26Bの先端位置Q’は、本体部23Bの先端面40aの位置P’からわずかに突き出ている。
そして、このフランジ16Cの本体部23Cが、マグネットロール14が収容されたスリーブ12の開口端部12bに圧入された従来技術に係る現像ローラ10Aでは、図6(b)に示すような位置関係になる。すなわち、マグネットブロック20の端部20eが、Eリング27を介して本体部23Cの先端面40aと対面する位置関係となっている。
つまり、フランジ16Bに収容穴25Bが形成されていることで、フランジ16Bでは、従来のフランジ16Cに比べ、図6に示す長さαの分だけのマグネットブロック20の延伸が実現されている。
なお、もう一方のフランジ16Aにも、フランジ16Bに形成されたマグネット収容穴25Bと同様のマグネット収容穴25Aが形成されており、こちらでも長さαのマグネットブロック20の延伸が実現されている。
その結果、現像ローラ10においては、従来の現像ローラ10Aに比べて、長さ2αだけ、マグネットブロック20の延伸が実現されている。ただし、現像ローラ10においては、一対のフランジ16A,16Bそれぞれにマグネット収容穴25A,25Bを設けること以外の長さ調整(例えば、マグネットロール14の長さ調整、スリーブ12の長さ調整等)をおこなっていないため、現像ローラ10自体の長さは従来の現像ローラ10Aとは変わらない。つまり、現像ローラ10においては、現像ローラ自体の延伸を抑えつつ、マグネットロール14のマグネット20の延伸が実現されている。逆に、マグネットロール14のマグネット20の長さが、現像ローラ10と従来の現像ローラ10Aとの間で変わらなければ、現像ローラ10の長さを従来の現像ローラ10Aの長さよりも2αだけ短縮できることが言うまでもない。
加えて、この現像ローラ10においては、フランジ16A,16Bの本体部23A,23Bとベアリング26A,26Bとは別体であり、本体部23A,23Bは軽量で高強度であるアルミニウム、ベアリング26A,26Bは摺動特性に優れた焼結含油合金で構成されている。すなわち、本体部23A,23B及びベアリング26A,26Bの構成材料が、各々に適した材料から選択されているため、フランジ16A,16Bは高い実用性を有している。なお、本体部23A,23Bの構成材料は、アルミニウム合金やステンレスであってもよい。
なお、マグネット収容穴の深さは、前述したように特に限定されないが、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上10mm以下がさらに好ましい。ただし、マグネット収容穴25A,25Bを設けると、その分の構造が弱くなるので、フランジ16A,16Bとスリーブ12の固着強度の低下、フランジ12自体の強度の低下、フレ精度の低下が懸念される。そこで、発明者らは、鋭意検討の結果、小径部40、縮径部42及び大径部44をもつ構造とすることで、上記強度及びフレ精度をさらに好ましい程度の確保できることを見出した。
発明者らのおこなった実験によれば、上述した仕様と同様の仕様の現像ローラにおいて、2.94Nm以上の耐回転トルク強度と9.8N以上の引き抜き強度、さらに軸ズレが15μm以下のものが得られている。
図4に戻って、小径部40、縮径部42、大径部44について、詳しく説明する。
小径部40は、フランジ16Bの本体部23Bの最先端に位置しており、フランジ16Bの軸線I方向(図4のX方向)に関する長さは0.2mm以上(例えば、0.5mm)となっている。また、小径部40の外径D(例えば、18.97mm)は、スリーブ12の内径D(19.00mm)より小さくなっている。小径部40の先端側の縁部は、フランジ16Bをスリーブ12に収容しやすいように面取りされている。
大径部44のフランジ16Bの軸線I方向に関する長さは1.0mm以上(例えば、2.0mm)であり、1.5mm〜10mmの範囲内であることがより好ましい。ここで、フランジ16Bの長さが1.0mm未満では、大径部44の外周面44aとスリーブ12の内周面12cとの接触面積が十分に確保できずに圧入した際の固着強度が不十分となり、一方、所定長さのマグネットブロック20をスリーブ12内に収める点で、フランジ16Bの長さが10mmを超えた場合にはスリーブ12の伸長化が必至となり、現像ローラ10の小型化が困難となってしまう。なお、マグネット収容穴25A,25Bが大径部44まで達する場合は、マグネット収容穴25A,25Bのない大径部44の長さが上記範囲(すなわち、1.0mm以上、より好ましくは1.5mm〜10mmの範囲)であることが望ましい。これは、マグネット収容穴25A,25Bがある部分の肉厚が薄くなり、強度低下が懸念されるためである。
大径部44の外径D(例えば、19.02mm)は、スリーブ12の内径Dよりも大きくなっている。このように大径部44の外径Dがスリーブ12の内径Dよりも大きくなっている場合は、フランジ16Bをスリーブ12に圧入することができ、より固着強度及びフレ精度を向上することができるため、好ましい。ここで、フランジ16Bがスリーブ12の端部開口12bに圧入可能であれば、大径部44の外径Dは、スリーブの内径Dと略同一、若しくはその内径D以上の所望の大きさを適宜選択できる。なお、大径部44の外径Dは、スリーブ12の端部開口12bの内径Dに比べて、100μm以下の範囲で大きいことが好ましい。なぜならば、大径部44の外径Dが、スリーブ12の端部開口12bの内径Dに比べて小さい場合には、強度の高い圧入が難しく、一方、スリーブ12の端部開口12bの内径Dより100μmを超えて大きい場合には、圧入時に求められる圧力が高くなりスリーブ12やフランジ16Bの変形を招いてしまう。
つまり、小径部40の外径Dは、この大径部44の外径Dより0.05mmだけ小さく、この差は20μm以上100μm以下であることが好ましい。ここで、小径部40の外径Dと大径部44の外径Dとの差が20μm未満だと、小径部40のスリーブ12への挿入しやすさが損なわれることがあり、挿入作業に時間と手間がかかってしまう。うまく挿入できないと、場合により、圧入の際にフランジ16Bが曲がってしまい製品不良が生じる。小径部40の外径Dと大径部44の外径Dとの差が100μm以下では、軸ズレの修正を容易におこなうことができる。
なお、上述したように、大径部44の外径Dは、スリーブの内径Dよりも大きくなっているため、現像ローラ10においては、フランジ16Bの大径部44の外周面44aは、スリーブ12の内周面12cに接着剤を介すことなく直接接している。すなわち、大径部44の外周面44aとスリーブ12の内周面12cとの間に実質的に空隙がない状態であるため、フランジ16Bをスリーブ12に圧入した後においてもフランジ16Bとスリーブ12との軸ズレが抑止される。なお、適宜、接着剤を用いた圧入をおこなってもよく、この場合には接着剤がフランジ16Bとスリーブ12との固着強度を補強する。この場合には、小径部40及び縮径部42において、フランジ16Bを、スリーブ12の内周面12cに接着剤で固定するようにしてもよい。また、フランジ16Bは必ずしもスリーブ12に圧入される必要はなく、スリーブ12内に挿入されたフランジ16Bを単に接着剤による接着のみにより固定することも可能であるが、固着強度の点から上述した圧入の方が好ましい。
縮径部42は、小径部40と大径部44との間に介在しており、その外径は、大径部44から小径部40に向かって傾斜角θで漸次縮径している。この傾斜角θは、0°<θ≦30゜の範囲であることが好ましく、0゜<θ≦15゜の範囲であることがより好ましい。ここで、傾斜角θが30゜を越えると、圧入時に高い圧力が必要となり、スリーブ12の端部開口12bの縁部12e(図5参照)が縮径部42に食い込み、軸ズレの要因となりやすくなる。
キャップ部48は、フランジ16Bの圧入深さを規定すると共に、フランジ16Bによってスリーブ12を確実に密閉するために設けられており、その外径は、スリーブ12の外径D(例えば、20.00mm)と同一以下となっている。
続いて、スリーブ12にフランジ16Bを嵌着する手順について、図7を参照しつつ説明する。
まず始めに、図7(a)に示すように、スリーブ12の端部開口12bにフランジ16Bを先端側から近づけて、小径部40を端部開口12bに入れる。このとき、小径部40は、図4に示したとおり、その外径Dがスリーブ12の内径Dよりも小さくなっているため、端部開口12bに容易に収めることができる。特に、端部開口12bの縁部12eに小径部40を当てた状態で、フランジ16Bをスリーブ12側にスライドさせると、フランジ16Bを簡単にスリーブ12に挿し入れることができる。加えて、小径部40の先端側の縁部は、面取りされているので、フランジ16Bをスリーブ12内により挿入しやすくなっている。
このとき、小径部40の長さが0.2mm以上であれば、小径部40を端部開口12bの縁部12eに当てやすく、且つスライドさせやすくなる。なお、この小径部40の長さは、0.3mm〜10mmの範囲であることが好ましく、0.3mm〜5mmの範囲であることがより好ましい。ここで、小径部40の長さが0.2mm未満だと、上述したような挿入しやすさが損なわれることがあり、挿入作業に時間と手間がかかってしまう。うまく挿入できないと、場合により、圧入の際にフランジ16Bが曲がってしまい製品不良が生じる。一方、小径部40の長さが0.2mm以上だと、スリーブ12にフランジ16Bを容易に挿入することができる。ただし、小径部40の長さが10mmを超えると、無駄に長くなり変形も起きやすくなるので、マグネット収容穴25A,25B内に収容された部分のマグネットブロック20が小径部40の内壁面にぶつかる危険性が高くなる。
そして、スリーブの端部開口12bに小径部40全体を収めた後、縮径部42及び大径部44が順次にスリーブ12内に収容されるようにフランジ16Bをスリーブ12の延在方向(すなわち、軸線方向)に押圧する。この押圧の際、ある時点では、図7(b)に示したように、スリーブ12の端部の内径と縮径部42の外径とが一致する。すなわち、縮径部42には、端部開口12bの縁部の径(すなわち、スリーブ内周面12cの径D)と適合する部分があり、その部分において縮径部42が端部開口12bにぴたりと嵌る。このとき、縮径部42は、その外径全周にわたって、スリーブ12の内周面12cと均等な圧力で接し、共に真円形断面を呈しているフランジ16Bとスリーブ12との軸線I,I同士が高い精度で一致する軸合わせが実現される。そして、軸線I,Iが一致するように軸合わせをおこなった後、連続した一連の動作としてさらにフランジ16Bを押圧して、図7(c)に示すように大径部44が端部開口12bに収まるように圧入する。
このフランジ16Bの圧入の際には、縮径部42において端部開口12bの縁部12eに接していたフランジ16Bは、大径部44において端部開口12bの縁部12eに接する状態に遷移する。ここで、縮径部42の外径は大径部44の外径Dに近づくように傾斜しているため、縮径部42が端部開口12bの縁部12eに接している状態から、大径部44が端部開口12b内に収まる状態になるまで滑らかに遷移する。すなわち、このフランジ16Bをスリーブ12に圧入したときには、端部開口12b内に大径部44まで円滑に収まる。このような円滑な圧入がおこなわれるため、スリーブ12とフランジ16Bとの軸合わせは阻害されにくくなっており、大径部44が圧入される際も軸合わせされた状態が保持される。その結果、フランジ16Bは実質的に軸ズレすることなくスリーブ12内に圧入される。
また、以上で説明したように、フランジ16Bとスリーブ12との軸合わせをおこなうステップと、フランジ16Bの圧入をおこなうステップとを、連続する一つの動作でおこなうことで、これらのステップを別々におこなう場合に比べて、フランジ16Bをスリーブ12へ圧入する作業の工程が簡略化されると共に、作業時間が短縮される。
以上では、現像ローラ10の一対のフランジ16A,16Bのうち、一方のフランジ(駆動側フランジ)16Bについてのみ説明したが、もう一方のフランジ(従動側フランジ)16Aの先端にも、フランジ16Bと同様の小径部40、縮径部42、大径部44及びキャップ部48が形成されている。そのため、フランジ16Aについても実質的に軸ズレすることのない圧入が可能となっている。なお、現像ローラ10の一対のフランジ16A,16Bのうち、どちらか一方のみが上述した小径部40、縮径部42、大径部44と同様又は同等の小径部、縮径部、大径部を有する場合であってもよく、そのフランジにおいては実質的に軸ズレすることのない圧入が可能となる。
それにより、軸ブレ精度が向上した現像ローラ10を得ることができる。またこの現像ローラ10を用いた複写機等の応用製品では画質ムラの発生が抑制されることが期待できる。また、上述した現像ローラ10の製造方法によれば、フランジ16A,16Bのスリーブ12に対する軸ズレが抑制された現像ローラ10を歩留まり良く製造することが可能となる。
以上で詳細に説明したように、本発明に係る現像ローラ10においては、フランジ16Bに収容穴25Bが形成されており、この各収容穴25A,25Bにマグネットブロックの端部25eが収容されることによりマグネットブロック20の延伸が図られている。同様に、フランジ16Aにも収容穴25が形成されているため、こちらでもマグネットブロック20の延伸が図られている。このように現像ローラ10では、フランジ16A,16Bの形状を工夫することにより、従来の現像ローラ10Aに比べてマグネットブロック20の有効長の延伸が実現されている。その結果、現像ローラ10自体の延伸を抑えつつマグネットロール14のマグネットブロック20の延伸を図ることができる他、マグネットブロック20を短縮させることなく現像ローラ10の短縮を図ることも可能となる。
加えて、現像ローラ10のフランジ16A,16Bは、スリーブ12の端部開口12a,12bに圧入されるため、フランジをスリーブに単に接着固定した現像ローラに比べて、固着強度の向上が図られている。さらに、各フランジ16A,16Bには小径部40、縮径部42及び大径部44が形成されているため、実質的に軸ズレすることのない圧入が可能となっており、そのため、現像ローラ10においては軸ブレ精度の向上が実現されている。
その上、フランジ16A,16Bの本体部23A,23Bがアルミニウムで構成されているため、高い強度と振れ精度とを有する。また、アルミニウムは、入手が容易である上に加工も容易であるため、安価で非常に実用的なフランジ16A,16Bが得られる。なお、フランジ16A,16Bの構成材料をアルミニウム合金やステンレスに代えても、アルミニウムと同様の上記効果が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、必ずしも一対のフランジの両方にマグネット収容穴を設ける必要はない。ただし、両方のフランジにマグネット収容穴を設けたほうが、マグネットロールのマグネットの延伸に有効である。また、必ずしも、マグネットブロックとベアリングとの間にEリングを介在させる必要はない。このようにEリングを介在させない場合、図8に示すような段付きシャフト18Aを採用して、マグネットブロックとフランジ本体部との摩擦を抑制することもできる。このとき、シャフト18Aの段から0.2mm以上マグネットブロックを後退させることでより確実にマグネットブロックとフランジ本体部との摩擦を回避することができる。
また、フランジの本体部には、必ずしもキャップ部を設ける必要はない。また、先端側から順に小径部、縮径部及び大径部が形成された本体部を有するフランジについてのみ説明したが、大径部の後に適宜、縮径部や小径部を形成した本体部を有するフランジであってもよい。さらに、2段構成の本体部についてのみ説明したが、適宜、3段以上の多段構成の本体部に変更可能である。
まず、上述したフランジ16Bと同様のフランジであって、図4と同一形状を有し、且つ、下記表1に示す各部の寸法をもつフランジを準備した。
Figure 2007094094


なお、表1中において、”固着部長さ”とは{(大径部+縮径部+小径部)の長さ−収容穴深さ}で定義される長さであり、”固着部短縮率”とは{収容穴深さ/(大径部+縮径部+小径部)の長さ}で定義される長さである。
実施例1と実施例2はほぼ同一形状であるが、マグネット収容穴の深さのみ異なっている。すなわち、実施例1では、マグネット収容穴の深さは1.1mmであり、小径部と縮径部にマグネット収容穴が位置し、大径部にはかかっていない。一方、実施例2では、マグネット収容穴が1.5mmと大径部の一部にもかかっているが、大径部にはマグネット収容穴にかからない部分も設けられている。スリーブとフランジを固着するためには、従来、その固着部の長さは、小径部、縮径部及び大径部のそれぞれの長さを加算した長さだけ必要であったが、この構造とすることにより、マグネット収容穴の深さだけ固着部を短くできた。すなわち、固着部の短縮率をマグネット収容穴深さ/いんろう部長さで定義すると、実施例1では短縮率37%、実施例2では短縮率50%となり、十分な短縮効果があった。ここで、”いんろう部”とは、フランジにおけるスリーブ内に収容される部分を意味しており、実施例1及び2の場合では、小径部、縮径部及び大径部に相当する部分である。
実施例1及び2のフランジの強度、耐回転トルク性及び軸ブレ性を調べるため、実際にフランジをスリーブに圧入して、各種特性を測定した。具体的には、実施例1及び2に係る寸法形状のフランジをそれぞれ100個ずつ準備した。なお、これらのサンプルにおいて、フランジをスリーブへ圧入する際は、まずフランジの小径部を手作業によってスリーブ内に収容し、その後、縦型のフランジ圧入機を用いて0.5MPaの圧力でフランジをスリーブに圧入した。そして、各サンプルを、上述したスリーブ12と同様のスリーブに圧入して、軸ズレの大きさを測定した。なお、本実施例に用いたスリーブの長さは310mm、外径は20mmである。これらにシャフトを通し、試験サンプルとした。
まず、作製した100本について軸ブレを評価した。具体的な測定方法は、以下に示すとおりである。つまり、図2に示すように、フランジ16Aの軸部30Aの所定の支持点及びフランジ16Bの軸部30Bの所定の支持点において、現像ローラの両側を支持点間距離320mmで支持してスリーブを回転させ、スリーブ中央位置、スリーブの両端位置(端面から20mmの位置)の振れ量を計測した。なお、計測には、レーザー振れ測定機を用いた。そして、各サンプルにおいて、上記3つの位置の全てにおいて15μm以下であったサンプルを合格とし、その割合を調べた。その結果、実施例1、実施例2ともに合格率100%、すなわち各100本のサンプルいずれも軸ブレが15μm以内に収まっており、実用上、問題が無いばかりか、極めて高い精度を有することが判明した。
次に、100本のサンプルをランダムに50本ずつに分け、耐回転トルク試験と引き抜き強度試験をおこなった。耐回転トルク試験は以下のようにおこなった。スリーブを万力にて固定し、フランジ16B近傍のスリーブにトルクレンチを取り付けた。続いて、トルクレンチを回転方向に力を加えフランジ16Bが動き始めるまでに要した最大の力を耐回転トルクとした。この回転トルクが実用上の基準である2.94Nm以上であったサンプルを合格とし、合格率にて評価した。その結果、実施例1、実施例2ともに合格率100%、すなわち各50本のサンプルいずれも2.94Nm以上の耐回転トルク性を示しており、実用上十分に使用できることが判明した。特に実施例2では、圧入強度に重要な大径部にまでマグネット収容穴が及んでおり、耐回転トルク性の低下が懸念されたが、全く問題はなかった。
さらに、各50本のサンプルを用いて引き抜き強度試験をおこなった。引き抜き強度試験は以下のようにおこなった。フランジ16Aをとおりスリーブの外部に突き出しているシャフトを強度試験用の秤に押し付け、加圧する。シャフトはフランジ16Bでは内部に収容されているため、シャフト端部がフランジ16Bを加圧し、更に加圧するとフランジ16Bがスリーブから脱落する。脱落までに要した最大荷重を求め、引き抜き強度とした。この引き抜き強度が実用上の基準である9.8N以上であったサンプルを合格とし、合格率にて評価した。その結果、実施例1、実施例2ともに合格率100%、すなわち各50本のサンプルいずれも9.8N以上の引き抜き強度を示しており、実用上十分に使用できることが判明した。
以上の実験結果から、本発明に係る構造のフランジはマグネット有効長の延伸に効果があり、且つ、現像ローラの軸ブレ、固着強度のいずれも実用上問題のないレベルであることが判明した。
本発明の実施形態に係る現像ローラの概略斜視図である。 図1に示した現像ローラのII−II線断面図である。 図1に示した現像ローラのIII−III線断面図である。 図2に示した断面図の要部拡大図である。 従来のフランジの断面図である。 フランジの要部拡大図であり、(a)は図4に示したフランジの要部拡大図であり、(b)は図5に示したフランジの要部拡大図である。 スリーブにフランジを嵌着する手順を示した図である。 異なる態様の現像ローラを示した断面図である。
符号の説明
10…現像ローラ、14,14A…マグネットロール、16A,16B…フランジ、18,18A…シャフト、20,20A〜20I…マグネットブロック、20a…内周曲面、20b…外周曲面、20c,20d…両側平面、20e…端部、25A,25B…マグネット収容穴、26A,26B…ベアリング、40…小径部、42…縮径部、44…大径部、D,D,D,D,d,d…径。

Claims (6)

  1. シャフトと、前記シャフトを取り囲むように設けられたマグネットとを有するマグネットロールと、
    前記マグネットロールを収容するスリーブと、
    前記スリーブの端部開口に、先端側から挿入されたフランジとを備え、
    前記フランジは、
    前記スリーブの端部開口を封じると共に、前記マグネットロールの径よりも大きな径を有するマグネット収容穴が先端部に形成された本体部と、
    前記本体部の前記マグネット収容穴の底部に配設され、前記マグネットロールの前記シャフトを支持する軸受とを有し、
    前記軸受の前記マグネットロール側の先端位置が前記本体部の前記マグネット収容穴の縁位置よりも前記底部側に位置しており、且つ、前記マグネットロールの前記マグネットの端部が前記マグネット収容穴内に収容されている、現像ローラ。
  2. 前記フランジの本体部が、
    前記スリーブの端部の内径と略同一、若しくはその内径以上の外径を有する大径部と、
    前記大径部よりも前記本体部の先端側に位置し、前記スリーブの端部の内径よりも小さく且つ前記大径部の外径よりも小さい外径を有する小径部と、
    前記大径部と前記小径部との間に介在し、前記大径部から前記小径部に向かって外径が漸次縮径している縮径部とを有する、請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 前記フランジの本体部がアルミニウム、アルミニウム合金又はステンレスで構成されている、請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. シャフトと、前記シャフトを取り囲むように設けられたマグネットとを有するマグネットロールと、前記マグネットロールを収容するスリーブと、前記スリーブの端部開口に、先端側から挿入されるフランジとを備える現像ローラに用いるフランジであって、
    前記スリーブの端部開口を封じると共に、前記マグネットロールの径よりも大きな径を有するマグネット収容穴が先端部に形成された本体部と、
    前記本体部の前記マグネット収容穴の底部に配設され、前記マグネットロールの前記シャフトを支持する軸受とを有し、
    前記軸受の前記マグネットロール側の先端位置が前記本体部の前記マグネット収容穴の縁位置よりも前記底部側に位置する、フランジ。
  5. 前記本体部が、
    前記スリーブの端部の内径と略同一、若しくはその内径以上の外径を有する大径部と、
    前記大径部よりも前記本体部の先端側に位置し、前記スリーブの端部の内径よりも小さく且つ前記大径部の外径よりも小さい外径を有する小径部と、
    前記大径部と前記小径部との間に介在し、前記大径部から前記小径部に向かって外径が漸次縮径している縮径部とを有する、請求項4に記載のフランジ。
  6. 前記本体部がアルミニウム、アルミニウム合金又はステンレスで構成されている、請求項4又は5に記載のフランジ。
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