JP7396073B2 - 現像ローラーの検査方法および検査装置 - Google Patents

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Description

本開示は、電子写真方式の画像形成装置の現像部に備えられる現像ローラーの検査方法および検査装置に関する。
プリンターなどの電子写真方式の画像形成装置は、感光体上の静電潜像をトナーなどの磁性を有する現像剤を担持する現像ローラーを用いて顕像化する現像部を備えている。
現像ローラーは、軸方向に形成された磁極を周方向に複数、配列した棒状のマグネットの外周面をスリーブで覆う構成になっている。スリーブは、現像部のハウジングに回転自在に支持され、マグネットは、その長手方向端部がスリーブの外に延出されており、マグネットが回転しないように、その延出部分がハウジングに固定支持される。スリーブに覆われているマグネットの磁力がスリーブを介してスリーブの外に存する現像剤をスリーブの外周面上に引き付ける。これにより、スリーブの外周面上に現像剤が担持される。
スリーブの外周面上に現像剤が担持された状態でスリーブがモーターなどで回転駆動されることにより、スリーブ上の現像剤が感光体との対向位置である現像位置に搬送され、現像位置において感光体上の静電潜像が現像剤で顕像化される。
現像ローラーの性能を決める要素として、回転するスリーブの振れや機械的な回転負荷の変動などがどの程度生じるかということがある。これらが小さいほど、現像ローラーを一つの部品として見たときの品質が良くなることはいうまでもないが、完全にゼロにすることは製造上、実現的ではない。そこで、現像ローラーを現像部に組み込む前に、現像ローラーの一つずつについて、スリーブの振れなどが所定の公差内に収まっているかを検査する検査工程が実施されている(例えば、特許文献1)。
現像ローラーの検査方法としては、通常、スリーブの軸方向両端をベアリングで回転自在に支持しつつスリーブをモーターなどで回転させ、回転中におけるスリーブの振れ量をレーザー変位計で測定したり、モーターのトルク変動を測定したりすることが行われる。
特開2005-91290号公報
しかし、上記の検査方法では、次に説明するようにマグネット側に主な不具合がある場合に検査をすり抜けるおそれが生じるという問題がある。
図13は、現像ローラーの従来の検査方法を説明するための図である。同図に示すように現像ローラー900は、棒状のマグネット901と、マグネット901の外周面を覆うスリーブ902を有する。
スリーブ902は、円筒状のスリーブ本体921と、スリーブ本体921の長手方向両端の開口に接着剤などで固着されているフランジ922、923を有する。
マグネット901は、マグネット本体911と、マグネット本体911の長手方向両端部に設けられ、マグネット本体911よりも小径の軸部912を有する。それぞれの軸部912は、軸受941を介してフランジ922、923の内周面に回転自在に支持されている。これによりスリーブ902がマグネット901に対して回転自在になる。フランジ922は筒状であり、マグネット901の一方の軸部912の先端915がフランジ922の開口931から外に延出されている。
このような構成の現像ローラー900を検査する工程では、スリーブ902のフランジ922、923が検査装置のベアリング(三角形で示す)951、952で回転自在に支持される。この支持の状態でスリーブ902が検査装置のモーター(不図示)の駆動力により長手方向に沿った軸971の周りを矢印α方向に回転駆動される。スリーブ902の回転中に、検査装置のレーザー変位計960でスリーブ本体921の外周面との間の離隔距離Gが1周単位で検出される。この検出結果に基づき、回転中に生じるスリーブ902の径方向における振動幅の大きさが判る。
しかし、スリーブ902をベアリング951、952で支持する方法をとると、ベアリング951、952で支持している部分が現像ローラー900全体の大部分の荷重が集中する箇所になる。この支持方法では、例えば図14に示すようにマグネット901の軸部912が実線で示す本来の真っすぐな状態に対して破線で示すように傾いていても、次のように良品と判断されてしまう場合がある。なお、同図では、説明を分かり易くするため軸部912が明らかに傾いている様子を示しているが、実際には目視で見逃すような僅かな傾きが生じているものとする。
軸部912が傾いている場合、その傾きに起因してスリーブ902の回転に何らかの支障、例えば径方向の振動を生じさせる力が軸受941を通じてスリーブ902に伝わっても、軸受941よりも長手方向の外側にあるベアリング951による現像ローラー900の全荷重の支持箇所で押さえ込まれてしまい、スリーブ902の外周面の振動要因として現れ難いからである。このことは、スリーブ902の回転中にマグネット901の軸部912を回転しないように支持した場合でもほぼ同様であることが、本願発明者により実験で確認されている。もし、スリーブ902の振動幅が公差内であれば、その現像ローラー900は良品と判定される。
良品と判定された現像ローラー900が製造工程で現像部に組み込まれる際、スリーブ902がハウジングに回転自在に支持されつつ、マグネット901の軸部912の先端915が現像部のハウジングに固定支持される。スリーブ902とマグネット901のハウジングへの支持は、通常、スリーブ902とマグネット901の双方が平行な状態になるように設計されており、軸部912が少し傾いている場合、軸受941には、軸部912が元の真っすぐな姿勢に戻ろうとする径方向の復元力が作用することになる。
この径方向の復元力は、スリーブ902の回転中における軸受941の負荷になる。この負荷が大きくなるほど、プリント動作などにより回転駆動される現像ローラー900の累積回転数が多くなるに伴って、軸受941とスリーブ902内周面との接触部分945や軸受941と軸部912の外周面との接触部分946の摩耗の進行を早めたり、スリーブ902と軸受941との間にがたつきを早期に生じさせたりするおそれがある。
上記では、スリーブ902の回転中に生じる振動について説明したが、例えばスリーブ902の駆動トルクを測定する場合でも、軸部912の傾きがその測定結果に現れ難いことは同様である。また、軸部912の傾きだけではなく、例えば軸受941とマグネット901の軸部912との接触部分946の間に小さな異物(埃など)が混入した場合に、その異物の存在により接触部分946の摩耗が早期に進んでしまうこともあり得るが、上記の検査方法では、この異物の混入を見逃すおそれもある。
上記のような問題は、特に、樹脂成型によるマグネット本体911に金属製の軸部912を差し込んでなる構成や、マグネット本体911と軸部912とを樹脂一体成型してなる構成などに生じ易い。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、現像ローラーに含まれるマグネットや軸受に生じている不具合を検出可能な検査方法および検査装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本開示に係る検査方法は、画像形成装置の現像部に設けられ、棒状のマグネットの外周面を覆うスリーブを有し、前記マグネットの長手方向の両端部のそれぞれが軸受を介して前記スリーブに対して回転自在に支持されてなる現像ローラーを検査する検査方法であって、前記スリーブが回転しないように前記スリーブの前記長手方向の一端側を支持する第1ステップと、前記マグネットの前記長手方向の他端側の端部を把持して前記マグネットを回転させる第2ステップと、前記マグネットの回転中における所定の状態変化を検出して、前記現像ローラーの良否を判定する第3ステップと、を含むことを特徴とする。
ここで、前記スリーブの前記長手方向の他端側が開口し、前記マグネットの前記他端側の端部が前記長手方向に前記スリーブ内から前記開口を介して前記スリーブの外に延出しており、前記第2ステップは、前記マグネットの前記他端側の端部の先端を把持するとしても良い。
また、前記第3ステップは、前記マグネットの回転中に、回転していない前記スリーブの外周面上における定点と検出器との間の距離を検出するステップを含み、前記所定の状態変化は、前記マグネットの1回転中における前記検出された距離の変動を示すとしても良い。
また、前記マグネット、前記軸受、前記スリーブは、それぞれが導電性を有し、前記第3ステップは、前記マグネット、前記軸受、前記スリーブからなる直列回路に通電したときの前記直列回路の電気抵抗を計測するステップを含み、前記所定の状態変化は、前記マグネットの1回転中における前記計測された電気抵抗の変動を示すとしても良い。
さらに、前記第3ステップは、前記マグネットの回転中に発せられる動作音を計測するステップを含み、前記所定の状態変化は、前記マグネットの1回転中における前記計測された動作音の変動を示すとしても良い。
さらに、前記第3ステップは、前記マグネットの回転中に、回転していない前記スリーブの振動により生じる前記スリーブの外周面上の定点の速度変化を計測するステップを含み、前記所定の状態変化は、前記計測された速度変動を示すとしても良い。
本開示に係る検査装置は、画像形成装置の現像部に設けられ、棒状のマグネットの外周面を覆うスリーブを有し、前記マグネットの長手方向の両端部が軸受を介して前記スリーブに対して回転自在に支持されてなる現像ローラーを検査する検査装置であって、前記スリーブが回転しないように前記スリーブの前記長手方向の一端側を支持する支持部と、前記マグネットの前記長手方向の他端側の端部を把持する把持部と、前記把持部により把持された前記マグネットを回転させる駆動部と、前記マグネットの回転中における所定の状態変化を検出して、その検出結果を出力する検出部と、を備えることを特徴とする。
上記のようにスリーブを回転しないように支持しつつ、マグネットを回転させる方法により、マグネットの長手方向端部が例えば少し傾いている場合、その傾きの程度が大きいほど、マグネットの回転中において、その傾いている部分の、回転中心に対する振れ幅が大きくなり、その振れ幅が大きくなるほど、軸受を介してマグネットを支持しているスリーブの振れも大きくなるので、その振動量を検出することで、現像ローラーのマグネットや軸受に不具合が生じているか否かを判定でき、もって現像ローラーの良否の判定を従来よりも精度良く行うことが可能になる。
プリンターの構成を示す概略正面図である。 現像部の構成例を示す横断面図である。 図2のW-W線における現像部の一部断面図である。 (a)は、支持部材の斜視図であり、(b)は、(a)の支持部材を矢印I方向から見た正面図である。 (a)は、現像ローラーの検査装置の概略正面図であり、(b)は、(a)のJ-J線における矢視平面断面図である。 検査手順を示すフローである。 図5(a)に示すN-N線における第1支持部の矢視断面図である。 (a)と(b)は、異なる現像ローラーのそれぞれに対する表面距離の検出波形の例を示す図である。 別の現像ローラーに対する表面距離の検出波形の例を示す図である。 (a)は、マグネットの軸部と軸受との間の隙間に異物が混入した場合の例を示す図であり、(b)は、(a)に示すU-U線における軸受と軸部の矢視断面図である。 軸部と軸受との間に異物が混入している現像ローラーに対する表面距離の検出波形の例を示す図である。 マグネットの回転角度とモーターの回転負荷トルクとの関係を検出波形で示す図である。 現像ローラーの従来の検査方法を説明するための図である。 マグネットの軸部が傾いている例を示す図である。
以下、本開示に係る検査方法と検査装置による検査対象の現像ローラーを、電子写真方式によるタンデム型のカラープリンター(以下、「プリンター」という。)に用いられる現像ローラーに適用した例を説明する。
(1)プリンターの構成
図1は、プリンター1の構成を示す概略正面図である。
同図に示すように、プリンター1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の再現色に対応した作像部2Y、2M、2C、2Kと、中間転写部3と、給送部4と、定着部5などを備えている。
プリンター1は、ネットワーク(例えば、LAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)のトナー像を形成し、形成したトナー像を記録用のシートSへ転写してカラー画像を形成する。
作像部2Y~2Kは、この順に中間転写部3の中間転写ベルト15の走行方向(矢印B方向)に沿って並置されている。
作像部2Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム10Kと、帯電部11Kと、現像部13Kなどを有しており、感光体ドラム10K上にK色のトナー像を作像する。他の作像部2Y、2M、2Cは、作像部2Yと基本的に同様の構成であり、感光体ドラム10Y、10M、10Cと、帯電部11Y、11M、11Cと、現像部13Y、13M、13Cなどを有し、感光体ドラム10Y~10C上に対応する色のトナー像を作像する。
中間転写部3は、中間転写ベルト15を張架するローラー群、具体的には駆動ローラー16と従動ローラー17と一次転写ローラー18Y、18M、18C、18Kと、二次転写ローラー19を有する。
一次転写ローラー18Y~18Kは、対応する感光体ドラム10Y~10Kに中間転写ベルト15を介して対向配置されている。二次転写ローラー19は、中間転写ベルト15を介して駆動ローラー16に対向配置されている。
露光部12は、不図示の制御部からの駆動信号によりY~K色の画像形成のための光ビームLを発光素子から発する。
作像部ごとに、帯電部11Y~11Kにより帯電された感光体ドラム10Y~10Kが露光部12から発せられた光ビームLにより露光走査されて感光体ドラム10Y~10K上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部13Y~13Kの現像剤、ここではトナーとキャリアを含む二成分現像剤により現像され、対応する色のトナー像が感光体ドラム10Y~10K上に形成される。
感光体ドラム10Y~10K上に形成されたY~K色のトナー像は、一次転写ローラー18Y~18Kの静電作用により中間転写ベルト15に多重転写(一次転写)される。中間転写ベルト15上に多重転写されたY~K色のトナー像は、中間転写ベルト15の周回走行により、二次転写ローラー19が中間転写ベルト15に接する二次転写位置19aまで移動する。
給送部4は、記録用のシートSを繰り出しローラー21で搬送路(破線)に繰り出した後、タイミングローラー22を介して二次転写位置19aに搬送する。
シートSが二次転写位置19aを通過する際に、中間転写ベルト15上に多重転写されたY~K色のトナー像が二次転写ローラー19の静電作用によりシートS上に二次転写される。これにより、シートS上にカラートナー像が形成される。
二次転写位置19aでカラートナー像が二次転写されたシートSは、定着部5に搬送され、定着部5でシートS上のカラートナー像が加熱、加圧により定着された後、排出ローラー23により機外に排出され、排紙トレイ24に収容される。
次に、現像部の構成を、Y色用の現像部13Yを代表して説明する。なお、M色用、C色用の現像部13M、13Cは、基本的に現像部13Yと同じ構成なのでその説明を省略する。また、K色用の現像部13Kは、現像部13Yと外観が異なっているが、検査対象となる現像ローラーの構成自体は、基本的に同じなので、現像部13Kについてもその説明を省略する。
(2)現像部の全体構成
図2は、現像部13Yの構成例を示す横断面図である。
同図に示すように現像部13Yは、ハウジング30と、現像ローラー31と、供給スクリュー32と、撹拌スクリュー33と、規制部材34などを備える。
ハウジング30は、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)などの樹脂製であり、その内部に二成分現像剤Dが収容されており、連通孔37aを有する隔壁(仕切り)37を介して区画されている第1収容室38と第2収容室39を有する。同図ではハウジング30内の現像剤Dのうち第2収容室39に存する一部を代表して示している。
第1収容室38には、現像ローラー31と供給スクリュー32が収容され、第2収容室39には、撹拌スクリュー33が収容されている。
現像ローラー31は、スリーブ101とマグネット102を有し、円筒状のスリーブ101がマグネット102の外周面を1周に亘って覆う構成になっている。
スリーブ101は、非磁性の材料、例えばアルミニウムからなり、ハウジング30に軸受(不図示)を介して、感光体ドラム10Yの軸方向(紙面垂直方向)に平行な回転軸(軸心)31aの周りを矢印E方向に回転自在に支持されている。
マグネット102は、回転軸31aに沿った方向(以下、「軸方向」という。)に長尺の棒状、ここでは円柱状であり、複数の磁極、例えばS1、N1・・の形成された部分がスリーブ101の回転方向に順に並ぶように設けられてなる。各磁極は、回転軸31aに沿った方向に延在されている。マグネット102は、回転軸31aの周りを回転しない(回転不可となる)ようにハウジング30に固定支持されている。
スリーブ101は、感光体ドラム10Yと対向する部分がハウジング30の開口部31dから露出した状態で矢印E方向に回転して、静止しているマグネット102の周囲を、マグネット102の磁力により表面に現像剤Dを保持(担持)しつつ回転する。
供給スクリュー32は、矢印F1方向に回転することにより、第1収容室38内の現像剤Dを軸方向に沿って搬送しつつ、その搬送中に現像剤Dの一部を現像ローラー31に供給する。撹拌スクリュー33は、矢印F2方向に回転することにより、第2収容室39内の現像剤Dを供給スクリュー32による搬送方向とは反対の方向に攪拌しつつ搬送する。供給スクリュー32と撹拌スクリュー33により搬送される現像剤Dは、隔壁37の、軸方向に間隔を開けて設けられた2つの連通孔37a(同図では1つのみが示されている。)を通じて第1収容室38と第2搬送室39との間を循環搬送される。
規制部材34は、その先端が現像ローラー31の表面との間に所定の間隙を有するように配置され、感光体ドラム10Yと現像ローラー31とが対向する現像位置29で現像ローラー31の表面上の現像剤量が適切な量になるようにその間隙を通る現像剤Dの量を規制する。現像ローラー31の表面上において適切な量に規制された現像剤が現像位置29に供給されることで、感光体ドラム10Y上の静電潜像に対するトナーによる適切な現像が行われる。
(3)現像ローラーの支持機構
図3は、図2のW-W線における現像部13Yの一部断面図であり、現像ローラー31の支持機構を説明するための図である。なお、同図では現像剤Dを省略している。
図3に示すように、現像ローラー31のスリーブ101は、軸方向一端部151と他端部161が軸受37a、37bを介してハウジング30の側壁30a、30bに回転自在に支持されており、駆動モーターMからの駆動力により回転駆動される。
スリーブ102の内空間に挿通されるマグネット102(破線)は、軸方向一端部121が軸受103(破線)を介してスリーブ101に回転自在に支持され、軸方向他端部122が軸受104(破線)を介してスリーブ101に回転自在に支持されている。この支持機構については図5で詳述する。
スリーブ101の他端部161は、円筒状であり、軸方向の他端に開口165を有し、マグネット102の他端部122は、スリーブ101の他端部161の中に挿通されており、マグネット102の先端125がスリーブ101の開口165を介してスリーブ101の中から外へ延出されている。スリーブ101の外へ延出されたマグネット102の先端125は、ハウジング30の側壁30bに固着された支持部材35に支持されている。
図4(a)は、支持部材35の斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の支持部材35を矢印I方向から見た正面図である。図4(a)、(b)に示すように、支持部材35は、L字状の板金からなり、ハウジング30の側壁30bから立設する基端片351と、基端部351の先端からマグネット102の先端125に向かって屈曲している屈曲片352からなる。
マグネット102の先端125は、正面視でD形状に加工されており、屈曲片352にも同じD形状の貫通孔355が開けられている。このマグネット102の、正面視D形状の先端125が、屈曲片352のD形状の貫通孔355に嵌め込まれることで、マグネット102が回転軸31a周りに回転不可になるように固定支持される。
(4)現像ローラーの検査装置
図5(a)は、現像ローラー30の検査装置50の概略正面図であり、現像ローラー30が検査装置50に装着された様子を示しており、図5(b)は、図5(a)のJ-J線における矢視平面断面図である。図5(a)では、現像ローラー30を検査装置50と区別して分かり易くするため太線で示している。
また、図5(a)、(b)では、水平方向をX軸で示し、これに直交する鉛直方向をZ軸で示し、X軸とZ軸の双方に直交する方向をY軸で示している。ここで、X軸は、スリーブ101の回転軸31aに平行な軸に相当し、X軸方向が上記の軸方向に相当し、Z軸は、上下方向に相当する。以下では、X軸方向を軸方向という。
現像ローラー30は、製造工程で現像部13Yのハウジング30に組み込まれる前に、検査装置50による品質検査がなされる。そして、この検査に通った現像ローラー30が製造工程で使用されるようになっている。
図5(a)、(b)に示すように実施例に係る検査装置50は、軸方向に長尺の基台51と、基台51のX軸方向一方端側(左側)の端部51aに設けられた第1支持部52と、基台51の軸方向他方端側(右側)の端部51bに設けられた第2支持部53およびモーター54と、検出器55a、55b、55cとを有する。
ここで、検出器55a~55cは、スリーブ101の外周面との離隔距離Gを検出するレーザー変位計であり、相互に軸方向に間隔を開けて配置されており、基本的に同じ性能を有するものである。特に区別する必要がない場合、以下、検出器55と表記する。
図5(b)に示すように現像ローラー31のスリーブ101は、軸方向に長尺の円筒状のスリーブ本体110と、スリーブ本体110の軸方向一方端側に設けられた第1フランジ部111と、軸方向他方端側に設けられた第2フランジ部112とを含む。
第1フランジ部111は、軸方向にスリーブ本体110に近い側の円筒状の大径部150とスリーブ本体110から遠い側の小径部151とからなり、大径部150がスリーブ本体110の軸方向一方端側の開口に嵌め込まれ、接着剤などで固着されている。小径部151は、軸方向に大径部150に近い側の端部が円筒状であり、軸方向に反対側の端部が円柱状であるが、円筒状であるとしても良い。
第2フランジ部112は、円筒状であり、軸方向にスリーブ本体110に近い側の大径部160と遠い側の小径部161からなり、大径部160がスリーブ本体110の軸方向他方端側の開口に嵌め込まれ、接着剤などで固着されている。ここで、第1フランジ部111の小径部151は、図3に示すスリーブ101の軸方向一端部151に相当し、第2フランジ部112の小径部161は、図3に示すスリーブ101の軸方向他端部161に相当する。
マグネット102は、軸方向に長尺の円柱状のマグネット本体120と、マグネット本体120の軸方向一方端側に設けられ、マグネット本体120よりも小径の軸部121と、マグネット本体120の軸方向他方端側に設けられ、マグネット本体120よりも小径の軸部122を有する。
マグネット本体911は、樹脂材料に磁石紛を混入させてなる樹脂成型品であり、軸部121、122は、鉄などの電気抵抗が小さい金属製の部材である。マグネット本体911の軸方向(マグネット102の長手方向)の両端部に軸部121、122が差し込まれて接着剤などで固着され、マグネット本体911と軸部121、122とが一体に形成されたものが一つのマグネット102として用いられる。なお、マグネット102は、マグネット本体911と軸部121、122とが樹脂一体成型で形成されたものであるとしても良い。
マグネット本体120は、上記の磁極(S1、N1・・)が形成された部分であり、マグネット本体120の外径は、スリーブ本体110の内径よりも少し小さく、マグネット本体120の外周面とスリーブ本体110の内周面との間に、回転方向の1周に亘って数ミリ(mm)の隙間が設けられている。また、マグネット本体120の軸方向長さがスリーブ本体110の軸方向長さよりも短く、スリーブ本体110がマグネット本体120を回転方向の1周に亘って覆った状態になっている。
マグネット102の軸部121は、軸受103を介して、スリーブ101の第1フランジ部111における大径部150の内周面159に、回転軸31aの周りを回転自在に支持され、マグネット102の軸部122は、軸受104を介して、スリーブ101の第2フランジ部112における大径部160の内周面169に、回転軸31aの周りを回転自在に支持されている。同図では、軸受104が2個並設されている例を示しているが、個数がこれに限られず、1個または3個以上でも良い。軸受103についても同様である。
軸受103、104のそれぞれは、金属粉末を主成分とする多孔質焼結体にオイルを含浸させてなる焼結軸受(含油軸受ともいう)であるが、これに限られず、金属製のすべり軸受やボールベアリングなどの軸受でも良い。なお、現像バイアス電圧をマグネット102から軸受103、104を介してスリーブ101に印加する構成では、マグネット102と軸受103、104は、導電性のものが望ましい。
スリーブ101とマグネット102を軸受103、104を介して接続する構成により、現像ローラー31が現像部13Yに組み込まれる前の単体の部品では、スリーブ101とマグネット102のうち一方が他方に対して回転軸31aの周りを回転自在になる。
検査工程では、単体の部品としての現像ローラー31を検査する際に、スリーブ101を回転しないように固定しつつマグネット102を回転させ、マグネット102の回転中における所定の状態変化、ここではスリーブ110の外周面の振動により生じるスリーブ101の外周面と検出器55との間の距離Gの変動を検出することで、現像ローラー31の品質検査を行う。
(5)現像ローラーの検査方法
具体的に、図6の検査手順を示すフローを用いて説明する。
まず、ステップS1において、スリーブ110が回転しないようにスリーブ110の軸方向(長手方向)の一方端側を支持する。この支持は、第1支持部52が行う。
第1支持部52は、図5(a)に示すように受け台521と押さえ522を有し、受け台521と押さえ522とでスリーブ110の軸方向(長手方向)の一方端側である小径部151を上下方向からクランプしてスリーブ110の回転を禁止する。
図7は、図5(a)に示すN-N線における第1支持部52の矢視断面図である。同図に示すように受け台521は、V字溝525を有する、いわゆるV字ブロックからなり、このV字溝525にスリーブ110の小径部151を載置した状態で上から押さえ522で小径部151を下方の押圧力Pで受け台521に押さえ付ける。
なお、押さえ522は、小径部151が回転しない程度に受け台521に小径部151を押さえ付けることができるものであれば良く、例えば直動モーターなどのアクチュエーターからの押圧力Pが付与されるものでも良いし、いわゆるねじ送り機構の送りねじからの押圧力Pが付与されるものでも良い。
なお、ステップS1では、スリーブ110の軸方向の他方端側、つまり第2フランジ部112に対して何らの支持も行なわない(自由状態のままとする)。
次に図6のステップS2において、マグネット102の他方端側の先端125を把持する。この把持は、第2支持部53が行う。第2支持部53は、図5(a)、(b)が示すようにチャック部531とボールベアリングからなる軸受部532とを有する。
チャック部531は、スリーブ101の小径部161の開口165からスリーブ101の外に飛び出しているマグネット102の軸部122の先端125を把持する。
軸受部532は、基台51の端部51b上に載置されており、チャック部531の軸部535を、回転軸31aを中心に回転自在に支持する。チャック部531の軸部535の先端536は、モーター54の回転軸541に不図示のギアなどの駆動力伝達機構を介して連結されている。
続いて、図6のステップS3では、モーター54を駆動してマグネット102を回転駆動させる。これにより、モーター54の回転駆動力がチャック部531を介してマグネット102に伝わり、回転しないように支持されているスリーブ101に対してマグネット102が矢印H方向(図5(b))に回転する。モーター54が一定速度で回転することで、マグネット102も定速回転する。ステップS1~S3の工程は、検査者により手動で行われるが、例えばロボットにより自動実行されるとしても良い。
そして、図6のステップS4では、検出器55の検出結果から、検査対象の現像ローラー31の良否を判定する。
検出器55a~55cのそれぞれは、図5(b)に示すように基台51の上面に立設された取り付け板51d上にスリーブ110の外周面と対向する位置に取着されており、マグネット102の回転中に、回転していないスリーブ110の外周面上における1箇所(定点)との間の離隔距離Gを検出して、検出した離隔距離Gを示す信号を随時出力する。
ここで、検出器55bは、スリーブ110の軸方向中央付近の部位に対向する位置に配され、検出器55aは、スリーブ110の軸方向一方端に近い部位に対向する位置に配され、検出器55cは、スリーブ110の軸方向他方端に近い部位に対向する位置に配されている。軸方向中央、一方端、他方端の3箇所のそれぞれについて離隔距離Gを計測できる。以下、離隔距離Gを、スリーブ110の外周面(表面)からの距離という意味で表面距離Gという。
検出器55a~55cの出力信号をモニター(不図示)に入力して、モニターの画面に、マグネット102の1回転中に表面距離Gがどれくらい変動しているかの変動波形を表示させ、表示された変動波形を検査者が目視することで、現像ローラー31の良否を判定することができる。
図8(a)、(b)、図9は、異なる3つの現像ローラー31のそれぞれに対する表面距離Gの検出波形の例を示す図であり、横軸がマグネット102の回転角度(単位:°)を示し、縦軸が表面距離G(単位:mm)の大きさを示す。回転角度が0°~360°の範囲がマグネット102の1回転分、つまり1周期になる。
図8(a)に示す波形Qaは、正弦曲線の形状になっており、図8(b)に示す波形Qbは、直線状になっている。図9に示す波形Qcは、0°~90°くらいまでの範囲では、正弦曲線の1/4周期の波形に近い形状になっているが、90°~360°までの残りの範囲では、正弦曲線から大きく崩れた形状になっている。なお、波形Qa、Qbは、実測によるものではなく、本願発明者の経験則から異なる現像ローラーごとに、それぞれ実測時に得られた色々な波形のパターン形状の中から代表的な例を違いが分かり易くなるように概略で示したものであり、実測波形と必ずしも同じではない。
波形Qaからは、マグネット102の1回転の間に表面距離Gの大きさが中心値Gaから増加し、最大に至ると減少に転じ、中心値Gaを経て最小に至ると増加に転じた後、中心値Gaに戻ることが判る。このような波形Qaが計測される現像ローラー31は、マグネット102、軸受103、104、スリーブ101の少なくとも1つに回転軸31cに対する偏心成分が含まれていることが考えられるが、1回転中での表面距離Gの変動が周期的であり、最大値と最小値の差分(振動幅)が公差内であれば良品と判定できる。
一方、波形Qbからは、マグネット102の1回転の間に表面距離Gの大きさがほとんど変化しないことが判る。このような波形Qbが計測される現像ローラー31は、回転軸31cに対する偏心成分がほとんど含まれていないことから良品と判定できる。
これに対して波形Qcからは、マグネット102の1回転の間に表面距離Gの大きさが不均一に変動していることが判る。具体的には、波形部分Qiで示すように一瞬、大きくなると、急激に小さくなって最小に至り、その後、波形部分Qjで示すように急激に大きくなってピークに至ると、少し小さくなり、その後、また急激に大きくなるといった変動を生じている。この波形Qcは、マグネット102の軸部122が真っすぐな状態から少し傾いてしまった現像ローラー31(図14で示す傾いた軸部912に相当)を検査した結果により実際に得られた波形に近い。
波形Qcで示すような不均一な変動は、軸部122の傾きにより、軸部122と軸受104との噛み合いが不安定になり、マグネット102の1回転の間に、軸部122と軸受104とに、回転時の接触面積の差異に端を発する摺擦の不均一状態が発生することに起因する。この不均一状態により、マグネット102の1回転中に、軸部122のうち、チャック部531で把持されている先端125が回転軸31aを中心に回転するのに対し、軸受104に支持されている部分129(図5(b))が回転軸31aから外れて偏心した状態で回転し、この偏心した状態のマグネット102の回転が軸受104を介してスリーブ101に伝わり、スリーブ本体110の表面に、偏心による1回転中の振幅が不均一状態の振動になって現れる。
図9に示す波形部分Qi、Qjは、この不均一状態の振動を表わしている。傾いた軸部122が軸受104に対して斜めに挿通していることで、マグネット102の1回転のうち軸部122が強い力で軸受104に当たる角度と小さい力で軸受104に当たる角度とが不均一に生じ、不均一状態の振動になる。この不均一状態の振動の例である、波形部分Qi、Qjは、検出器55との距離Gが一瞬、遠くなったことを示しており、波形部分Qi、Qjの間の波形は、検出器55との距離Gが一瞬、近くなったことを示している。
不具合のない現像ローラー31は、図8(a)、(b)のように1周期において距離Gが公差内で安定した周期的な変動またはほとんど変動しない状態を示すが、何らかの不具合が内在している現像ローラー31は、図9のように不均一(非周期性)の変動を示す。
従って、同じ仕様の現像ローラー31を1本ずつ検査する場合、1周期における距離Gの変動の状態を監視し、ほとんどの現像ローラー31について距離Gの変動の状態が例えば、図8(a)に示す波形Qaであるのに対し、ある1本の現像ローラー31について距離Gの変動の状態が特異、例えば図9の波形Qcである場合、何らかの不具合、具体的には軸部122の傾きや曲がりが生じており、良品ではないことを検査で見つけることができる。もちろん、他のものと比較するのではなく、1本ずつについて、検出した振れ幅が予め規定した閾値を超えるものや、検出波形が予め決めておいた特異な波形に一致するものについて良品ではないと判定できる。
従来のスリーブを回転させる検査方法では、図14に示すように軸部912に僅かな傾きが生じていても、回転するのはスリーブ902であり、そのスリーブ902の両端がベアリング951により径方向の動きを制止されているので、軸部912の傾きによる振動成分が軸受941を通じてスリーブ902に伝わろうとしてもベアリング951に押さえ込まれてしまい、その振動成分がスリーブ902の外周面の振動には現れ難い。
これに対して、本実施例では、傾いている軸部122自体を回転させるので、その傾きの成分が1回転中の軸部122の径方向における変動幅、つまり軸部122と軸受104を介して接続しているスリーブ103の外周面の振動の振幅の大きさとして直に現れる。これにより、従来の検査方法よりも軸部122と軸受104に内在する不具合を確実に検出でき、現像ローラー31の良否をより精度よく判定できるようになる。
上記では、軸部122に傾きが生じている場合の例を示したが、現像ローラー31の不具合は、これに限られない。
例えば、図10(a)に示すようにマグネット102の軸部122に不具合はないが、軸部122と軸受104との間の隙間に異物128、具体的には埃や金属粉または樹脂紛などが混入した場合も同様に距離Gの変動波形が特異な波形になる。
図10(b)は、図10(a)に示すU-U線における軸受104と軸部122の矢視断面図である。同図に示すように軸受104の内周面に微小な傷、ここでは凹部141があり、軸部122の外周面に異物128が固着してしまった場合、軸部122が1周する度に、異物128が軸受104の凹部141を通過する際に凹部141の中に一瞬入ってから出るときの凹部141の内面との衝撃が振動になってガタガタ音が生じる。
図11は、軸部122と軸受104との間に異物128が混入している現像ローラー31に対する表面距離Gの検出波形Qdの例を示す図であり、1周期のうち回転角度θ0のときの波形部分Qmがガタガタ音の生じる回転角度を示している。
波形Qdのうち波形部分Qm以外の部分は、図8(a)に示すような正弦曲線に近い波形であるが、波形部分Qmが生じていることで、現像ローラー31に不具合が生じていることを判定できる。
軸部122と軸受104との間に異物128が混入している現像ローラー31を現像部13Yに組み込んだ場合、プリント動作などで現像ローラー31の累積回転数が長期に亘って増えるに伴って、異物128による軸受104の内周面の摩耗が進み、軸部122と軸受104間の隙間が大きくなって、スリーブ101とマグネット102間に径方向のがたつきが生じる。このがたつきが大きくなるほど、現像位置29における感光体ドラム10Yとスリーブ101との間の間隔のばらつきが大きくなって、現像性に影響を与える。
従来のスリーブを回転させる検査方法では、スリーブが軸受に対して回転するので、軸部122と軸受104との間に異物128が混入していても、その異物128による特異な波形が検出され難く、検査をすり抜けることが生じ易い。
これに対し、本実施例では、停止したスリーブ101に対してマグネット102を回転させるので、図11に示すような波形部分Qmが生じることを検出することで、異物128の混入を判定して検査を通さないことができ、異物128の混入による現像性の影響を防止できる。
また、上記では、マグネット102の他方端側の軸部122が傾いている場合や軸部122と軸受104の間に異物128が混入している場合の例を説明したが、これに限られない。例えば、マグネット102の一方端側の軸部121が傾いている場合や軸部121と軸受103の間に異物が混入している場合も、停止したスリーブ101に対してマグネット102を回転させることにより、上記同様の特異な波形の出現を検出することで、軸部の傾きや異物の混入による不具合を検査することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、スリーブ101を回転しないように固定しつつマグネット102を回転させる検査方法をとることにより、軸部121、122と軸受103、104に生じている不具合を従来の検査方法よりも確実に検出することが可能になる。
<変形例>
以上、実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示は、上述の検査方法および検査装置に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、現像ローラー103の検査方法として次のステップを行う方法を説明した。すなわち、スリーブ101が回転しないようにスリーブ101の軸方向(マグネット102の長手方向に相当)の一端側である第1フランジ部111を固定支持する(第1ステップ)。なお、他端側である第2フランジ部112はフリー(自由)な状態にする(支持部材の支持を行わない)。
次に、マグネット102の両端部のうち長手方向の他端側の端部である軸部122を把持してマグネット102を回転させる(第2ステップ)。そして、マグネット102の回転中における所定の状態変化として距離Gの変動量を検出して、その検出結果による特異な波形の出現の有無から、現像ローラー31の良否を判定する(第3ステップ)。しかし、現像ローラー103の検査方法は、この検査手順に限られない。
例えば、スリーブ101の第1フランジ部111の軸方向端部(図5(b)に示す左端)が開口している構成であれば、第1ステップでは、スリーブ101の一端側である第2フランジ部112を回転しないように固定支持し、第2ステップでは、マグネット102の他端側の端部である軸部121を、第1フランジ部111の開口を介して把持して、マグネット102を回転させるとしても良い。
(2)上記実施の形態では、第3ステップにおける現像ローラー31の良否判定において、マグネット102の回転中における所定の状態変化として距離Gを検出するとしたが、これに限られない。
(2-1)距離Gの検出に代えて、例えば、マグネット102の回転中におけるモーター54の回転軸541の回転負荷トルクを計測器で計測して、その計測された回転負荷トルクの変動を所定の状態変化とすることもできる。
マグネット102の軸部121、122が傾いていたり、軸部121と軸受103の間や軸部122と軸受104の間に異物128が混入していたりする場合、マグネット102の1回転中における軸部121(または122)と軸受103(または104)間の摺動抵抗が不均一になり易い。マグネット102を回転駆動するモーター54の回転負荷トルクは、負荷側(マグネット102)の摺動抵抗が大きくなるほど大きくなり、摺動抵抗が小さくなるほど小さくなるという特性を有する。
例えば、図12に示す波形Qeのようにマグネット102の1回転中において回転角度θ1~θ2の範囲では摺動抵抗の増加に伴って回転負荷トルクが増加傾向になるが、回転角度θ2を超えた直後に摺動抵抗の急減に伴って回転負荷トルクが急峻に低下するといった特異な波形が現れた場合、これをマグネット102と軸受103、104の不具合による現像ローラー31の不良と判定することができる。
(2-2)また、距離Gの検出に代えて、例えばマグネット102、軸受103、104、スリーブ101のそれぞれが導電性の素材からなる場合、マグネット102、軸受103、104、スリーブ101からなる直列回路に通電したときの、この直列回路の電気抵抗を計測器で計測して、その計測された電気抵抗の変動を、マグネット102の回転中における所定の状態変化とすることもできる。
マグネット102の1回転中において軸部121(または122)と軸受103(または104)との接触面積が不均一、具体的にはある回転角度のときのみ接触面積が極端に大きくまたは小さくなって、上記の直列回路の電気抵抗が急減または急増するというように、マグネット102や軸受103、104の不具合が電気抵抗の変動に影響を及ぼす場合があるからである。
(2-3)さらに、距離Gの検出に代えて、例えばマグネット102の回転中に発せられる動作音を計測器で計測して、その計測された動作音の変動を、マグネット102の回転中における所定の状態変化とすることもできる。
図10(a)、(b)に示すように軸部121(または122)と軸受103(または104)との間に異物128が混入している場合、マグネット102の1回転中において異物128が軸受103(または104)の凹部141を通過するときにのみガタガタ音が発せられる場合にその瞬時のガタガタ音を動作音の変動として検出することで、マグネット102や軸受103、104に内在している不具合を検出できるからである。
(2-4)また、距離Gの検出に代えて、例えばマグネット102の回転中にスリーブ101の外周面の粗さを計測器で計測して、その計測された粗さの変動を、マグネット102の回転中における所定の状態変化とすることもできる。
マグネット102や軸受103、104に内在している不具合により、マグネット102の1回転中にスリーブ101の外周面が振動した場合に、ある回転角度のときに計測した表面粗さと、別の回転角度のときに計測した表面粗さとが周期的な変動を越えて極端に大きく(または小さく)なることがあるからである。
具体的に、図11に例示する検出波形Qdの場合、波形部分Qmに相当する回転角度θ0のときのみ表面距離Gが急峻に大きくなっている。この回転角度θ0のときに計測した表面粗さは、θ0の直前の回転角度θ3と直後の回転角度θ4のそれぞれのときに計測された表面粗さとは極端に異なるはずである。この表面粗さの急峻な変動を検出することで、マグネット102や軸受103、104の不具合を判定することができる。
(2-5)また、距離Gの検出に代えて、例えばマグネット102の回転中に、回転していないスリーブ101の振動により生じる外周面の定点の速度変化を計測器で計測して、その計測された速度変化を、マグネット102の回転中における所定の状態変化とすることもできる。
マグネット102や軸受103、104に内在している不具合により、マグネット102の1回転中におけるスリーブ101の振動により、例えば回転角度θ0のときに外周面の定点の移動速度を計測した結果と、別の回転角度θ3、θ4のときに同じ定点の移動速度を計測した結果とが周期的な変動を越えて極端に大きく(または小さく)なることがあるからである。
具体的に、図11に例示する検出波形Qdの場合、回転角度θ0のときに計測した外周面の定点の移動速度は、回転角度θ3やθ4のときに計測された、同じ定点の移動速度とは極端に異なるはずである。この移動速度の変動を検出することで、マグネット102や軸受103、104の不具合を判定することができる。
(3)上記では、本開示に係る検査対象の現像ローラーをカラープリンターの現像器13Y~13Kに組み込まれる現像ローラー31に適用した場合の例を説明したが、カラープリンターの現像器に限られない。
モノクロプリンターの現像部(装置)に用いられる現像ローラーにも適用可能であり、また、複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等の画像形成装置に備えられる現像部に用いられる現像ローラーにも適用することもできる。すなわち、電子写真方式の画像形成装置の現像部に設けられ、棒状のマグネット102の外周面を覆うスリーブ101を有し、マグネット102の長手方向の両端部のそれぞれが軸受103、104を介してスリーブ101に対して回転自在に支持されてなる現像ローラーであれば良い。
(4)また、現像剤Dは、キャリアとトナーを含む二成分現像剤に限られず、静止しているマグネット102が内挿された状態で回転するスリーブ101の外周面にそのマグネット102の磁力により担持される現像剤であれば良く、例えばキャリアを含まずトナーを含む一成分現像剤でも良い。
(5)現像ローラー31を構成するスリーブ101やマグネット102などの形状、大きさ、寸法、材料などが上記に限られないことはいうまでもない。
また、検査装置50も上記のものに限られず、上記の第1~第3ステップを実行可能な構成であれば良い。さらに、3個の検出器55a~55bを備えるとしたが、これに限られず、例えば、軸方向中央の位置に対応する検出器55bのみを用いるとしても良いし、軸方向両端側の位置に対応する検出器55a、55cの2個を用いるとしても良い。
さらに、マグネット本体120の軸方向両端部に埋め込まれる軸部121、122のうち、不具合が生じ易い方の軸部の位置に対応する1個の検出器のみを用いるとしても良い。具体的に、軸部121の方が不具合の生じ易い傾向にある場合、検出器55aのみを用いることができる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容を可能な限り、それぞれ組み合わせるとしても良い。
本開示は、画像形成装置の現像部に設けられる現像ローラーの検査方法および検査装置に広く適用することができる。
1 プリンター
10Y、10M、10C、10K 感光体ドラム
13Y、13M、13C、13K 現像部
30 ハウジング
31 現像ローラー
50 検査装置
51 基台
52 第1支持部
53 第2支持部
54 モーター
55a、55b、55c 検出器
101 スリーブ
102 マグネット
103、104 軸受
110 スリーブ本体
111 第1フランジ部
112 第2フランジ部
120 マグネット本体
121、122 軸部
125 軸部の先端
150、160 大径部
151、161 小径部
D 現像剤
G 離隔距離
θ1、θ2、θ3、θ4 回転角度

Claims (7)

  1. 画像形成装置の現像部に設けられ、棒状のマグネットの外周面を覆うスリーブを有し、前記マグネットの長手方向の両端部のそれぞれが軸受を介して前記スリーブに対して回転自在に支持されてなる現像ローラーを検査する検査方法であって、
    前記スリーブが回転しないように前記スリーブの前記長手方向の一端側を支持する第1ステップと、
    前記マグネットの前記長手方向の他端側の端部を把持して前記マグネットを回転させる第2ステップと、
    前記マグネットの回転中における所定の状態変化を検出して、前記現像ローラーの良否を判定する第3ステップと、
    を含むことを特徴とする検査方法。
  2. 前記スリーブの前記長手方向の他端側が開口し、前記マグネットの前記他端側の端部が前記長手方向に前記スリーブ内から前記開口を介して前記スリーブの外に延出しており、
    前記第2ステップは、前記マグネットの前記他端側の端部の先端を把持することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記第3ステップは、前記マグネットの回転中に、回転していない前記スリーブの外周面上における定点と検出器との間の距離を検出するステップを含み、
    前記所定の状態変化は、前記マグネットの1回転中における前記検出された距離の変動を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の検査方法。
  4. 前記マグネット、前記軸受、前記スリーブは、それぞれが導電性を有し、
    前記第3ステップは、前記マグネット、前記軸受、前記スリーブからなる直列回路に通電したときの前記直列回路の電気抵抗を計測するステップを含み、
    前記所定の状態変化は、前記マグネットの1回転中における前記計測された電気抵抗の変動を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の検査方法。
  5. 前記第3ステップは、前記マグネットの回転中に発せられる動作音を計測するステップを含み、
    前記所定の状態変化は、前記マグネットの1回転中における前記計測された動作音の変動を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の検査方法。
  6. 前記第3ステップは、前記マグネットの回転中に、回転していない前記スリーブの振動により生じる前記スリーブの外周面上の定点の速度変化を計測するステップを含み、
    前記所定の状態変化は、前記計測された速度変動を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の検査方法。
  7. 画像形成装置の現像部に設けられ、棒状のマグネットの外周面を覆うスリーブを有し、前記マグネットの長手方向の両端部が軸受を介して前記スリーブに対して回転自在に支持されてなる現像ローラーを検査する検査装置であって、
    前記スリーブが回転しないように前記スリーブの前記長手方向の一端側を支持する支持部と、
    前記マグネットの前記長手方向の他端側の端部を把持する把持部と、
    前記把持部により把持された前記マグネットを回転させる駆動部と、
    前記マグネットの回転中における所定の状態変化を検出して、その検出結果を出力する検出部と、
    を備えることを特徴とする検査装置。
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