JP2007094067A - 透過型プロジェクションスクリーン - Google Patents

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Akira Yasumatsu
亮 安松
Yasutaka Miyajima
康高 宮島
Tomoyuki Ozawa
知之 小澤
Masao Sase
正夫 佐瀬
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Abstract

【課題】フレキシブル(自立性の無い)レンズシートと剛体(自立性を有する)レンズシートとの組み合わせからなる透過型スクリーンをTV本体に取り付ける上で新規なアセンブリー構造を提案する。
【解決手段】相対的に大サイズのレンチキュラーシート(フレキシブル)をフレネルレンズシート(剛体)の相対向する2辺を覆うように、互いのレンズ部側の面を対向させて、前記2辺におけるフレネルレンズシートの側端部には、レンチキュラーシートの周辺部をさらにフレネルレンズシートから延出する方向に張力を付与する弾性部材を有する構造とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、透過型プロジェクションTV(透過型TV,リア・プロジェクションTV,背面投射型TVなど、各種の呼び方があるが、全て同義である)に代表されるディスプレイに用いられるスクリーンの改良に関する。
特に、フレネルレンズシートとレンチキュラーシートを重ね合わせてなる構成のスクリーンのうち、一方のシートが自立性の無い(可撓性を有する)フレキシブルな基材で構成されている場合、表示画面に装着するために使用されている筐体(フレーム),固定ジグの大幅な変更を要さず、比較的簡便な構造で安定して取り付けられるスクリーンの固定方法に関する。
フレネルレンズシートもレンチキュラーシートも自立性を有する構造である場合の透過型プロジェクションスクリーンでは、双方のレンズシートを筐体内側凹部に重ね合わせて挿入し、別部材のジグを用いて固定する。
ここで、自立性があるとは、形状を保持したまま起こすことが可能なほどの剛性を有していることを指す。
図1は、従来の固定方法の一例を示すもので、レンチキュラーシート1,フレネルレンズシート2を筐体(フレーム)3の凹部(筐体枠)に置き、保持部材4を介してねじ5を
用いて固定する。
尚、同図では、左側が観察者側となり、右側がプロジェクタを備えるTVキャビネット側となる。
図1では、フレネルレンズシート2やレンチキュラーシート1の材質や筐体(フレーム)3の材質との関係もあるが、フレネルレンズシート2もレンチキュラーシート1もそれらの材質の熱膨張係数の大きな違いが無く、厚みが同じ程度であれば、フレネルレンズシート2とレンチキュラーシート1とを重ね合わせて、粘着テープ(図示せず)で固定した後、筐体(フレーム)3へ固定しても、温度変化や湿度変化に応じてフレネルレンズシートとレンチキュラーシートとの間の浮き,反りなどが生じても、常温環境下に放置すると、元の状態に戻るようになる。
一方、レンチキュラーシートとフレネルレンズシートを用いた透過型プロジェクションスクリーンについては、光学特性を向上させるため、薄型化が進んでいる。
レンチキュラーシートについては、映像源の高精細化に伴いファインピッチ化を図る必要があり、ファインピッチ化に伴い、光学特性上、必然的に薄板化となるためであり、
フレネルレンズシートについては、板厚が厚いと迷光による二重像が発生するため、薄板化が必要であることによる。
この薄板化が進むと、レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートの2枚構成だけでは、スクリーン外側から外力が加わった際、剛性不足により、簡単にスクリーンが枠からはずれたりてしまったり、スクリーンが破損してしまうといった問題を招いている。
昨今、自立性の無い(可撓性を有する)フレキシブルな基材からなるフレネルレンズシートやレンチキュラーシートを用いたスクリーンの開発が行われており、少なくとも一方のレンズシートが可撓性を有する場合、TVにアセンブリするにあたって、上記に加えて、以下に挙げる弊害を解消した取り付け方法(固定方法)が求められる。
一方のレンズシートが自立性のない基材で、他方のレンズシートが自立性のある基材で構成されたプロジェクションスクリーンでは、二辺または四辺が接着剤あるいは粘着剤で固定されていると、温度変化や湿度変化による膨張や収縮で、自立性のない方のレンズシートにしわや浮きが生じてしまい、透過型プロジェクションTVに組み込んだ状態では、経時的なフォーカスのボケや色ずれが生じることになり、画像劣化を招くという問題を有している。
上記のレンズシート組み合わせ(一方の自立性がなく、他方の自立性がある場合)からなるスクリーンを想定した取り付け方法(固定方法)に関する出願としては、以下の案件が公知であり、それぞれの概要を記す。
特開平10−246918号公報 特開平11−271883号公報 特開2004−94147号公報 特開2004−118166号公報 特開平4−249235号公報
<特許文献1>
フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートとを組み合わせてなる透過型スクリーンにおいて、
レンチキュラーレンズシートが、剛性の不十分な透明基材フィルム上に、光硬化型樹脂又は放射線硬化型樹脂の硬化物からなるレンズ部が形成されており、
前記レンチキュラーレンズシートの側縁部とスクリーンの保持枠とを熱収縮性を有する合成樹脂フィルムを介して接合、固定した構成であることを特徴とする画像投影用スクリーン。(請求項1)
<特許文献2>
温度、湿度の変化で伸縮する複数のスクリーンから構成され、映像発生源より発せられた映像光が投写される透過形スクリーンにおいて、
第1のスクリーンと、前記第1のスクリーンより相対的に低剛性の第2のスクリーンとを備え、前記第1のスクリーンに高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態の第2のスクリーンを固定したことを特徴とする透過形スクリーン。(請求項1)
<特許文献3>
フレネルレンズとレンチキュラーレンズとを重ねて構成されるスクリーンを、透過型リアクションスクリーンテレビの筐体枠に固定する方法であって、
重ね合わされたフレネルレンズとレンチキュラーレンズの周辺に、片面粘着テープをコの字型に貼ることで、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとをスクリーンとして一体化して固定し、
スクリーンを筐体枠に加圧せずに固定することを特徴とするスクリーンの固定方法。(請求項1)
<特許文献4>
フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートを重ね合わせ、周囲を筐体枠と保持具で支持、固定した透過型リアプロジェクションスクリーンにおいて、
前記フレネルレンズシート、またはレンチキュラーレンズシートのいずれか一方が自立性を有する基材からなるレンズシート(2)と、他方が自立性のない基材からなるレンズシート(1)とで構成されており、前記自立性のない基材からなるレンズシート(2)と前記自立性を有する基材からなるレンズシート(1)とは下部端縁が弾性接着層(31)で固定され、前記自立性のない基材からなるレンズシート(1)の上部端縁と保持テープ(30)の一方の端部とが接着層(41)にて固定され、前記保持テープ(30)の他方の端部が筐体枠(11a)に接着層(42)を介して保持具(12a)及びネジ(13)にて連結・固定されて、
前記自立性のない基材からなるレンズシート(2)の一端が保持テープ(3)で吊り下げられた状態で筐体枠(11a)と保持具(12a)との間及び筐体枠(11b)と保持具(12b)との間とで保持されていることを特徴とする透過型リアプロジェクションスクリーン。(請求項1:図2参照)
<特許文献5>
剛体シートとフレキシブルシートを重ねて被取付け構造に取り付けるスクリーン取付け方法において、
前記被取付け構造に前記剛体シートを上下に移動自在に支持し、前記フレキシブルシートの下端寄りの部分に、前記剛体シートの重力を加えることにより張力を与えて、前記フレキシブルシートを前記剛体シートに密着させることを特徴とするスクリーン取付け方法。
(請求項1)
特許文献1に開示される手法では、剛性の不十分なフィルム状のレンチキュラーレンズシートを取り付ける取付部(保持枠)の上下側縁部と左右側縁部の4辺を熱収縮性の合成樹脂フィルムを介して接合・固定することにより、前記合成樹脂フィルムが加熱処理によって収縮することに応じて、フィルム状のレンチキュラーシートに縦横2方向に均一な引っ張り応力が与えられ、しわ,撓み等のない平面性の良好な状態でレンチキュラーレンズシートが取り付けられる。
特許文献2に開示される手法では、予め自立性の無いレンズシートを高温又は/且つ高湿中にて伸長した状態としてから、自立性を有するレンズシートに接合することにより、これ以上には伸びない自立性の無いレンズシートは、TVセットに装着後は、常に収縮しようとする方向に張力がかかるため、しわ,たるみが無くレンズシートが張った状態が維持されるが、高温又は/且つ高湿中にて伸長する工程を要する。
特許文献3に開示される手法では、自立性を有するレンズシートと自立性の無いレンズシートとを、支持体の伸び率が200%以上の片面粘着テープを用いて、天地辺にコの字型に貼ることにより一体化して固定すると、温度変化や湿度変化による膨張や収縮温度湿度による伸縮に応じて、周辺のシワや全面の浮きを発生させないようにすることが可能である、と記載されているが、自立性の無いレンズシートのしわ,撓みの発生を妨げるための張力付与手段に係る記載は見当たらず、「60℃環境下に1時間放置し、23℃環境下で外観検査をした評価結果(0032)」であることから、特許文献2同様、高温又は/且つ高湿中にて伸長する工程を要するものと理解される。
特許文献4,5では、フレキシブル(自立性の無い)レンズシートのしわ,撓みの発生を妨げるための張力付与手段として、前記シートを剛体(自立性を有する)シートの重力を加えて吊り下げる構造を採用している。(以下、本方式を「吊り下げ方式」と称することもある。)
特許文献5では、吊り下げ方式を採用する理由(目的)として、以下に列挙する問題を解消することを述べている。
(1)弾性物,ばねなどを用いることに応じて、治具が大掛かりになってしまう。
(2)レンズシート間に粘着層を設けることに応じて取り扱いが難しく、作業性が悪くなる。
(3)一旦取り付けた後に、レンズシートの伸縮によって張力が変化し、密着効果がなくなることがある。
(4)レンズシート間に粘着層を設けることは取り扱いが難しく、作業性が悪くなるばかりでなく、画像を劣化させるおそれがある。
以上の様に、各種の他方式に比べて優位性を有するとされる吊り下げ方式でも、それに固有な構造上の問題点として、以下に例示される。
(1)両レンズシートを吊り下げる構造が複雑である。
(2)剛体レンズシートの板厚・サイズに応じて重さが決まってしまうため、フレキシブルレンズシートに付与する張力に限界がある。
(3)両レンズシートが吊り下がった構造であるため、振動に弱い。
(4)両レンズシートの密着力が弱い。
(5)重力のかかる垂直方向には、フレキシブルレンズシートに張力を付与することが容易であるが、重力の働かない水平方向での前記レンズシートに対する張力付与が不十分となりやすく、前記レンズシートに水平方向の外力が働いた場合、しわ,撓みの発生する惧れを残す。
上記(1)は、フレーム上部から吊り下げる構造と、フレーム下部ではフレキシブルレンズシートをフレーム下部に固定する様な、上部と下部で異なる構造の採用が要求されることになることを示す。
上記(3)では、更に、剛体レンズシートの動きが自由であるため、例えば、上記(4)の問題を解消するため、前記レンズシートに予め「反り形状(他方のレンズシート側に凸となる様に)」を付与しておいた場合、取り付けた後に前記形状が変化すると、他方のレンズシートとの密着性が悪化することを招いてしまう。
上記(5)を解消するため、フレキシブルレンズシートの水平方向について発生するしわ,撓みを妨げるための補強部材を前記レンズシートに付与する(積層一体化する)ことも考えられるが、フレキシブルレンズシートの可撓性は、フレームや補強部材の直線性・剛性が過度に面状態に影響する程であり、安定した保持構造の実現が困難である。(すなわち、量産性に欠けることになる。)
また、吊り下げ方式を実現するための機構として、両面粘着テープ,補強板(必要に応じて),ネジなどの部材が必要となるが、それらのコストは決して安くないのみならず、両面粘着テープあるいはネジによる固定では、強度的な保証がなされていないことや、特に
両面粘着テープは、材質的に耐環境性能(高温・高湿)に欠ける問題を有している。
本発明では、フレキシブル(自立性の無い)レンズシートと剛体(自立性を有する)レンズシートとの組み合わせからなる透過型スクリーンをTV本体に取り付ける上での上記問題を解消した新規なアセンブリー構造を提案することを目的とする。
本発明(請求項1)による透過型スクリーンは、
フレネルレンズシートとレンチキュラーシートとを重ね合わせて、その周囲をフレームに支持・固定して透過型プロジェクション・ディスプレイの表示画面に装着される透過型スクリーンにおいて、
レンチキュラーシートは、透光性基材フィルム表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりシリンドリカルレンズ群からなるレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有する構成であり、
フレネルレンズシートは、光拡散機能を有する透光性基材の表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有さず、レンチキュラーシートに比較して剛性および厚さの大きい構成であり、
相対的に大サイズのレンチキュラーシートをフレネルレンズシートの相対向する2辺を覆うように、互いのレンズ部側の面を対向させて、前記2辺におけるフレネルレンズシートの側端部には、レンチキュラーシートの周辺部をさらにフレネルレンズシートから延出する方向に張力を付与する弾性部材を有することを特徴とする。
本発明(請求項5)による透過型スクリーンは、
相対的に大サイズのレンチキュラーシートを、少なくともフレネルレンズシートの相対向する2辺から延出するように、互いのレンズ部側の面を対向させて、延出したレンチキュラーシートの端部を、さらにフレネルレンズシートの周辺方向に延出させる張力を付与する機構を有することを特徴とする。
本発明(請求項8)による透過型スクリーンは、
前記フレームが、両レンズシートを同一方向に反らせて固定する湾曲した形状であり、
相対的に大サイズのレンチキュラーシートを、少なくともフレネルレンズシートの相対向する2辺から延出するように、互いのレンズ部側の面を対向させて、両レンズシートを前記フレームに固定する動作に応じて、延出したレンチキュラーシートの端部をフレネルレンズシートの前記2辺を覆う方向に張力が付与される構成であることを特徴とする。
フレキシブル(自立性の無い)レンズシートと剛体(自立性を有する)レンズシートとの組み合わせからなる透過型スクリーンをTV本体に取り付ける際に、両レンズシートを
フレーム(TV本体に接合される)に支持・固定するにあたって、両面粘着テープやネジを用いない構造の実現が可能であり、特に耐環境特性に問題のある両面粘着テープの使用を省略出来るため、経時的に安定な取付け構造が実現される。
また、フレキシブル(自立性の無い)レンズシートに張力を付与することが可能な方向が、重力の作用する垂直方向だけでなく、水平方向についても可能であり、しわ,撓みの問題が解消される。
さらには、剛体(自立性を有する)レンズシートの重さ(重力)を超える荷重で張力を付与することも可能であり、両レンズシートの密着が一層確実となる。
<実施形態1>
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図3は、本実施形態に係るスクリーン(2枚のレンズシート)の取付け構造の要部を示す断面図である。
相対的に大サイズであり、自立性が無くフレキシブルなフィルム状(薄い)のレンチキュラーシート1を、レンチキュラーシート1に比較して剛性および厚さが大きく、全体として可撓性を有さないフレネルレンズシート2の相対向する2辺(同図では、左右の2辺)を覆うように、互いのレンズ部側の面(レンズ部の図示は省略する)を対向させて、前記2辺におけるフレネルレンズシートの側端部には、レンチキュラーシート1の周辺部をさらにフレネルレンズシート2から延出する方向(同図での左右斜め下方向)に張力を付与する弾性部材11,12を有する構造である。
弾性部材11,12は、両レンズシート1,2をフレーム3で支持・固定する際に押し付ける力に反発する方向に弾性力が作用する断面形状である。
フレーム3を同図上側から下側(TVとしては、観察側から本体側に向けた方向にあたる。)に押し付けることで、レンチキュラーシート11の左右端部が図示される曲率を伴って、フレネルレンズシート2の左右2辺を覆う方向に張力がかかる。
同図で、弾性部材11は、断面形状が「右下が浮いたアーチ状」である。
これは、フレーム3でレンチキュラーシート1を下側に押し付けて、フレネルレンズシート2を固定する保持部材4との間で弾性変形しているためであるが、弾性部材11は、元々は右側が浮いた略1/4円柱状であったものである。
弾性部材11に、フレーム3の押し付けによる外力が図示の様にかかると、弾性部材11は元の形状に戻ろうとして、反時計方向に持ち上がり、結果的にレンチキュラーシート1の端部を同図の左下方向に引っ張ることになり、シート全体に張力がかかり、しわ,撓みが無くフレネルレンズシート2と密着する様に作用する。
尚、弾性部材11の断面形状は、同図の様な「中空の略1/4円柱状」に限らず、円柱状,半円柱状,1/4円柱状(図3中、13で示す)の何れでも良く、フレーム3の圧着による外力を加えたことに応じて復元しようとする際、レンチキュラーシートの周辺部をフレネルレンズシートの相対向する2辺を覆う方向に沿わせる形状の側面を有することが、好適な張力を付与する上で要求され、また、復元力(反発力)を大きく作用させる上では、「中空」と称した上記形状に限らず、突起や切り欠けを有する非対称な任意形状としても良い。
同図右側の弾性部材12は、レンチキュラーシートの周辺部をフレネルレンズシートの相対向する2辺を覆う方向に沿わせる側面を有すると共に、前記側面は、沿わせるレンチキュラーシートの周辺部と摩擦力あるいは噛合する構造により高い密着性を有する円柱状の側面である。
つまり、同図のような歯車と噛み合う溝をレンチキュラーシートのレンズ面側の周辺部一辺(弾性部材12と接触する領域)に渡って形成する。
ドライバーの要領で、同図の状態で時計回りに締めると、レンチキュラーシート1の端部を同図の右下方向に引っ張ることになり、シートに張力がかかる。
このような張力調整機能を弾性部材12に持たせることも可能であり、TVにスクリーンを一旦取り付けた後に、レンズシートの伸縮によって発生するしわ,撓みを解消することも、本実施形態の特徴である。
弾性部材12の断面形状は、上記(噛合する構造を有する円柱)に限らず、同図欄外に符号14で示す様な、摩擦力でレンチキュラーシートの周辺部と高い密着性を有する円柱状でも良く、弾性部材12の回動に応じて、レンチキュラーシートの周辺部をフレネルレンズシートから延出する方向に張力を付与する(あるいは、緩める)ことが可能であることが望ましい。
<実施形態2>
図4は、実施形態2に係るスクリーンの取付け構造の要部を示す断面図である。
相対的に大サイズのレンチキュラーシート1を、少なくともフレネルレンズシート2の相対向する2辺から延出するように、互いのレンズ部側の面を対向させて、延出したレンチキュラーシートの端部を、さらにフレネルレンズシートの周辺方向に延出させる張力を付与する機構を有することを特徴とする透過型スクリーン。
相対的に大サイズであり、自立性が無くフレキシブルなフィルム状(薄い)のレンチキュラーシート1を、レンチキュラーシート1に比較して剛性および厚さが大きく、全体として可撓性を有さないフレネルレンズシート2の相対向する2辺(同図では、左右の2辺)
から延出するように、互いのレンズ部側の面(レンズ部の図示は省略する)を対向させて、延出したレンチキュラーシート1の端部を、さらにフレネルレンズシート2の周辺方向(同図での左右方向)に延出させる張力を付与する機構を有するフレーム3の構造である。
延出したレンチキュラーシート1の端部を、さらにフレネルレンズシート2の周辺方向に延出させる張力を付与する機構は、レンチキュラーシートの端部を挟み込んだ治具6に通して固定したネジ5a,5bを回動することに応じた外側への移動による。
すなわち、延出したレンチキュラーシート1の端部を板状の部材(治具6にあたる)で挟みこみ、側面のネジ5a,5bを回すことで治具6を左右に(5aにより更に左側に、5bにより更に右側に)動かすことで、レンチキュラーシート1全面に張力がかかる様に(あるいは、緩める様に)する。
尚、同図では、ネジ5a,5bは周辺方向から内側に向う様に通されているが、その逆方向の構造でも、張力調整機能を備えたスクリーン取付けが実現出来る。
<実施形態3>
本実施形態では、張力付与のための機構として、実施形態1の様な弾性部材,実施形態2の様なネジを用いることなく、両レンズシートからなるスクリーンをフレームに固定する動作に応じて、外側のフレキシブルレンズシートに張力がかかる構造とする。
すなわち、前記フレームが、両レンズシートを同一方向(外側=フレキシブルレンズシート側に凸となる様に)に反らせて固定する湾曲した形状(図3,4の様に、断面で見た場合)であり、
相対的に大サイズのレンチキュラーシートを、少なくともフレネルレンズシートの相対向する2辺から延出するように、互いのレンズ部側の面を対向させて、両レンズシートを前記フレームに固定する動作に応じて、延出したレンチキュラーシートの端部をフレネルレンズシートの前記2辺を覆う方向に張力が付与される構成となる様に、フレーム自体の構造を改良する。
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。
特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明においては、一組の対辺同士のみについて張力を付与するだけでなく、二組の対辺同士について同様の機構を採用することで、垂直/水平の双方についてフレキシブルレンズシートに張力を付与(制御)することも、本発明の主旨を逸脱しない技術的範囲に相当することは言うまでもない。
従来技術に係る透過型スクリーン(の取り付け方法)の一例を示す説明図。 従来技術に係る透過型スクリーン(の取り付け方法)の一例を示す説明図。 本発明による透過型スクリーン(の取り付け方法)の一例を示す説明図。 本発明による透過型スクリーン(の取り付け方法)の一例を示す説明図。
符号の説明
1 レンチキュラーシート
2 フレネルレンズシート
3 フレーム(筐体)
4 保持部材
5 ネジ
6 治具

Claims (8)

  1. フレネルレンズシートとレンチキュラーシートとを重ね合わせて、その周囲をフレームに支持・固定して透過型プロジェクション・ディスプレイの表示画面に装着される透過型スクリーンにおいて、
    レンチキュラーシートは、透光性基材フィルム表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりシリンドリカルレンズ群からなるレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有する構成であり、
    フレネルレンズシートは、光拡散機能を有する透光性基材の表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有さず、レンチキュラーシートに比較して剛性および厚さの大きい構成であり、
    相対的に大サイズのレンチキュラーシートをフレネルレンズシートの相対向する2辺を覆うように、互いのレンズ部側の面を対向させて、前記2辺におけるフレネルレンズシートの側端部には、レンチキュラーシートの周辺部をさらにフレネルレンズシートから延出する方向に張力を付与する弾性部材を有することを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 前記弾性部材は、両レンズシートをフレームで支持・固定する際に押し付ける力に反発する方向に弾性力が作用する断面形状であることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  3. 前記弾性部材は、レンチキュラーシートの周辺部をフレネルレンズシートの相対向する2辺を覆う方向に沿わせる側面を有する円柱状,半円柱状,1/4円柱状の何れかであることを特徴とする請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
  4. 前記弾性部材は、レンチキュラーシートの周辺部をフレネルレンズシートの相対向する2辺を覆う方向に沿わせる側面を有する円柱状であると共に、前記側面は、沿わせるレンチキュラーシートの周辺部と摩擦力あるいは噛合する構造により高い密着性を有しており、
    前記弾性部材の回動に応じて、レンチキュラーシートの周辺部をフレネルレンズシートから延出する方向に張力を付与することが可能であることを特徴とする請求項3記載の透過型スクリーン。
  5. フレネルレンズシートとレンチキュラーシートとを重ね合わせて、その周囲をフレームに支持・固定して透過型プロジェクション・ディスプレイの表示画面に装着される透過型スクリーンにおいて、
    レンチキュラーシートは、透光性基材フィルム表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりシリンドリカルレンズ群からなるレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有する構成であり、
    フレネルレンズシートは、光拡散機能を有する透光性基材の表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有さず、レンチキュラーシートに比較して剛性および厚さの大きい構成であり、
    相対的に大サイズのレンチキュラーシートを、少なくともフレネルレンズシートの相対向する2辺から延出するように、互いのレンズ部側の面を対向させて、延出したレンチキュラーシートの端部を、さらにフレネルレンズシートの周辺方向に延出させる張力を付与する機構を有することを特徴とする透過型スクリーン。
  6. 延出したレンチキュラーシートの端部を、さらにフレネルレンズシートの周辺方向に延出させる張力を付与する機構は、レンチキュラーシートの端部を挟み込んだ治具に通して固定したネジを回動することに応じた外側への移動によることを特徴とする請求項5記載の透過型スクリーン。
  7. 延出したレンチキュラーシートの端部を、さらにフレネルレンズシートの周辺方向に延出させる張力を付与する機構は、レンチキュラーシートの端部を挟み込んだ治具を弾性部材により外側へ移動する手段によることを特徴とする請求項5記載の透過型スクリーン。
  8. フレネルレンズシートとレンチキュラーシートとを重ね合わせて、その周囲をフレームに支持・固定して透過型プロジェクション・ディスプレイの表示画面に装着される透過型スクリーンにおいて、
    レンチキュラーシートは、透光性基材フィルム表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりシリンドリカルレンズ群からなるレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有する構成であり、
    フレネルレンズシートは、光拡散機能を有する透光性基材の表面に放射線硬化型樹脂の硬化物によりレンズ部が形成されており、全体として可撓性を有さず、レンチキュラーシートに比較して剛性および厚さの大きい構成であり、
    前記フレームが、両レンズシートを同一方向に反らせて固定する湾曲した形状であり、
    相対的に大サイズのレンチキュラーシートを、少なくともフレネルレンズシートの相対向する2辺から延出するように、互いのレンズ部側の面を対向させて、両レンズシートを前記フレームに固定する動作に応じて、延出したレンチキュラーシートの端部をフレネルレンズシートの前記2辺を覆う方向に張力が付与される構成であることを特徴とする透過型スクリーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015088501A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 Ngkエレクトロデバイス株式会社 電子部品収納用パッケージ
CN116476560A (zh) * 2023-05-17 2023-07-25 广州凌视实业发展有限公司 一种光栅立体画

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