JP2007093947A - インナードラム露光装置および露光方法 - Google Patents

インナードラム露光装置および露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した中間調を記録することができるインナードラム露光装置およびそれを用いた露光方法を提供すること。
【解決手段】円筒形状の支持体の内周面に保持された記録媒体を、回転駆動する走査手段の反射面で偏向され、画像情報に応じて変調された光ビームを用いて走査することによって画像を記録するインナードラム露光装置であって、光源と、光ビームを光源から記録媒体の被走査面上まで通過させる光学系と、走査手段と一体に回転するように光ビームの光路上に配置され、光ビームの回折光の主たる回折光と他の回折光である不要光とをそれぞれ異なる所定の回折角で回折することにより分離し、記録媒体の被走査面上に集光する主たる回折光のビームスポット形状が所望の形状となるように光ビームを整形する回折光学素子と、回折光の回折方向に応じて所定の回折光のみを記録媒体の被走査面上に導き、その他の回折光を除去する除去手段とを備えるインナードラム露光装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザービーム等の光ビームの走査光学系により、円筒ドラムの内周面に配置した記録媒体、例えば感光材料を走査露光するインナードラム露光装置および露光方法に関する。
一般に、感光材料等の記録媒体を円筒ドラムの内周面上に配置し、その記録媒体をレーザービーム等の光ビームを用いて走査し露光処理を行うインナードラム露光装置が広く用いられている。例えば、特許文献1に説明されるようなインナードラム露光装置を挙げることができる。
このようなインナードラム露光装置では、記録媒体に露光処理して中間調を表現する場合に、AMスクリーン(網点画像により濃淡画像を形成する手法)を利用して網形状(いわゆる極小の市松模様状)で中間調を表現するのが普通である。すなわち、AMスクリーンでは、最小単位の網点画像が、一例として14(水平方向ドット数)×14(垂直方向ドット数)の合計196ドット等、比較的多数のドットで構成されており、この網点画像を2次元平面状に並べて記録することにより濃淡画像を記録するようにしている。ただし、このAMスクリーンを利用して中間調を表現する場合には、モアレ縞が生じたり、トーンジャンプが発生することがある。
また、網点画像により濃淡画像を形成する手法として、FMスクリーンと呼ばれる手法がある。このFMスクリーンは、規則性を持たない不定形ドットの集合密度によって記録画像の濃淡を表現する。例えば、2×2の合計4ドット等、比較的少数のドットで構成された画像を2次元平面状に分散させて階調表現を行う。このFMスクリーンでは、原理的にモアレ縞の発生を抑制することができるという利点がある。そこで、インナードラム露光装置では、FMスクリーンを使って、小さな網形状で中間調を形成することが望まれている。
また、上述のような問題とは別に、記録媒体を露光するための光学系等から発生する散乱光といったインナードラム内部の迷光が記録媒体を露光することにより、形成される画像の鮮鋭度が低下するという問題がある。
特開平10−133132号公報
通常のインナードラム露光装置では、単一モードのレーザ光源から出射した光を被走査面上に結像して画像を形成する。また、このようなレーザ光源から射出する光ビームにおけるビームスポットの光強度分はガウス分布をしている。このようなガウス分布したビームスポットで露光して画素を記録する場合には、走査線間が空かないようにビームスポットの半値全幅と画素サイズとを決定する。つまり、ビームスポットの半値幅と画素サイズとが略同じサイズか、または、ビームスポットの半値幅が画素サイズ以上のサイズとなるように設計する。
エッジ部がなだらかなビームスポットにより記録媒体を露光すると、光パワー変動や刷り枚数といった記録条件や、自動現像機の現像の度合いといった現像条件等の影響により記録画素の周長が変動し易く、従来のインナードラム露光装置ではFMスクリーンを利用することが困難であるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、前記従来技術に基づく問題点を解消し、安定した中間調を記録することができるインナードラム露光装置および露光方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、円筒形状を有する支持体の内周面に保持された記録媒体に対し、画像情報に応じて変調された光ビームを回転駆動される走査手段の反射面で偏向し、前記記録媒体を走査することによって画像を記録するインナードラム露光装置であって、
前記光ビームを出射する光源と、前記光ビームを光源から前記記録媒体の被走査面上まで通過させる光学系と、前記走査手段と一体に回転するように前記光ビームの光路上に配置され、前記光学系と共に前記光ビームに作用して、該光ビームの回折光の主たる回折光と他の回折光である不要光とをそれぞれ異なる所定の回折角で回折することにより分離し、前記主たる回折光が前記記録媒体の被走査面上に集光するビームスポット形状が所望の形状となるように光ビームを整形する回折光学素子と、前記回折光学素子を通過した該光ビームの前記主たる回折光のみを前記記録媒体の被走査面上に導き、前記不要光を除去する除去手段とを備えるインナードラム露光装置を提供する。
また、前記光ビームの所望の形状が、前記回転駆動する走査手段の主走査方向と直交する副走査方向を長手方向とする略矩形形状であるインナードラム露光装置を提供する。
また、前記光ビームの所望の形状が、前記回転駆動する走査手段の主走査方向と直交する副走査方向に少なくとも2個以上のビームスポットを並置する形状であるインナードラム露光装置を提供する。
ここで、並置するビームスポットの個数は、2〜8個であるのが好ましい。
また、前記反射面が、前記主たる回折光のみを反射し、前記その他の回折光である不要光を透過する光ビームの反射率の入射角依存性を有し、かつ、前記回折光学素子の回折特性に応じて所定の回折角で回折された前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように、前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設けられ、前記除去手段として作用するインナードラム露光装置を提供する。
また、前記反射面が、前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように、前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設けられ、一対の略円盤形状の遮光板が、前記走査手段の反射面を挟んで、該走査手段の近傍の所定の位置に互いに平行に、前記反射面において所定の角度で偏向する前記他の回折光の光路上に、前記走査手段と共通の台座に配設され、該反射面と該遮光板とが前記他の回折光である不要光を除去する除去手段として作用するインナードラム露光装置を提供する。
前記光ビームの偏向状態が円偏光またはランダム偏向のどちらか一方の偏向状態であるインナードラム露光装置を提供する。
さらに、本発明は、円筒形状を有する支持体の内周面に保持された記録媒体に対し、画像情報に応じて変調された光ビームを走査手段の回転駆動される反射面で偏向し、前記記録媒体を走査することによって画像を記録する露光方法であって、前記光ビームの光路上に前記走査手段の反射面と一体に回転するように配設される回折光学素子を使用して前記光ビームを回折することで主たる回折光とその他の回折光とを所定の回折角で回折して分離し、前記主たる回折光と前記その他の回折光との前記夫々の回折角の差を用いて、不要光である該その他の回折光を除去し、前記主たる回折光によるビームスポット形状が回折光学素子を介して所望の形状となるように光ビームを整形する露光方法を提供する。
また、前記所望のビームスポット形状が、前記走査手段の回転方向である主走査方向と直行する副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポット形状である露光方法を提供する。
また、前記所望のビームスポット形状が、前記走査手段の回転方向である主走査方向と直行する副走査方向に2個以上のビームスポットを並置することにより形成される、副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポット形状である露光方法を提供する。
また、前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように前記反射面を前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設け、
さらに、前記反射面の、光ビームの入射角に対する反射率の依存性の値を所定の値として、前記主たる回折光と前記その他の回折光との前記反射面への入射角の差を用いて、前記主たる回折光のみを反射し、前記その他の回折光である不要光を透過することにより該不要光を除去する露光方法を提供する。
前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように前記反射面を前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設け、前記反射面において所定の角度で偏向する前記他の回折光の光路上で、前記走査手段の近傍の所定の位置に配設する遮光板を用いて前記他の回折光を除去する露光方法を提供する。
前記光ビームの偏向状態が円偏光またはランダム偏向のどちらか一方の偏向状態である露光方法を提供する。
本発明によれば、FMスクリーン等の小ドットにおけるドットサイズの安定性を向上させ、従来よりも網点面積率特性の変動を抑制することができる。また、記録媒体の感度変動や、現像液の感度変動による現像の度合いや自動現像機のブラシの経時劣化といった現像条件等に起因する網点面積率の変動を抑制することができるので、最終的に安定した中間調を表現することができる。
さらに、本発明によれば、インナードラム内部に新たに生じる不要光を除去する除去手段を備えることにより、記録媒体が不要光により感光することに起因する記録画像の鮮鋭度の低下を抑制することができる。
本発明のインナードラム露光装置に係る第1の実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係るインナードラム露光装置は、FMスクリーン等の小ドットにおけるドットサイズの安定性を向上させるために回折光学素子を使用する。この回折光学素子は、光ビームを光源から記録媒体の被走査面上まで導く光学系と共に光ビームに作用し、記録媒体を走査する光ビームのスポット形状を副走査方向を長手方向とする略矩形形状に整形することができる。
また、本実施形態に係るインナードラム露光装置は、回折光学素子の回折光として発生する不要光を除去する除去手段を有する。この除去手段は、後述する走査手段における反射面の反射率の入射角依存性を適当に選択して、主たる回折光と不要光との反射面への入射角の違いを利用することにより、反射面において不要光のみを透過させて除去することができる。
これらを使用して本発明の目的を達成する。
本実施形態に係るインナードラム露光装置について図1から図7により説明する。図1は、第1の実施形態に係るインナードラム露光装置の概略構成図である。図2は、第1の実施形態に係る操作手段の要部を示す模式図である。図3は、第1の実施形態での光ビームの作用を模式的に示す説明図である。図4は、第1の実施形態に係るキューブプリズムの反射面の特性を説明する説明図である。図5は、本実施形態と本実施形態に係る光ビームのビームスポットの光強度分布を示す説明図である。図6は、従来技術に係る光ビームのビームスポットの光強度分布を示す説明図である。図7は、第1の実施形態における変更例での光ビームの作用を模式的に示す説明図である
図1または図2に示すように、インナードラム露光装置10は、主に、支持体12と、記録媒体14と、走査手段16と、回折光学素子24と、光ビームを支持体12の内部に導入する光学系と、記録媒体14の露光面上に集光する集光光学系とを備える。
支持体12は、略円筒形状(円筒の一部を構成する形状)を有し、インナードラム露光装置10の母体をなす。また、支持体12は、その内周面に記録媒体14を保持する。後述するように、光ビームがこの記録媒体14を走査露光することにより、記録媒体上に潜像を形成する。記録媒体14には、フォトポリマー版もしくは通常のPS版または銀塩タイプの感光材料等を使用すればよい。
また、光源から出射した光ビームを支持体12内部に導入する光学系について説明する。図1に示すように、この光学系は、レーザ光源30側から、1/4波長板32、反射鏡34、反射鏡36を配列して構成する。反射鏡34および反射鏡36は、支持体12内部に導入される光ビームの光軸(図1上にLで示す)が、支持体12の円筒中心軸と一致するように配設する
レーザ光源30としては、略直線偏光からなる光ビームを出射する一般的な半導体レーザを使用すればよい。また、このレーザ光源30には、中心光強度が高く、中心から離れるに従って光強度が徐々に低くなる光強度分布からなる単一横モード半導体レーザを使用することができる。また、1/4波長板32は、レーザ光源30から出射された直線偏光からなる光ビームを円偏光に変換する。
光源30は、レーザドライバ42に接続し、レーザドライバ42は制御装置40に接続する。制御装置40は、図示しない入力装置から露光処理開始の指令を受けて画像情報に基づいて画像信号を発生し、この画像信号をレーザドライバ42へ送信する。また、レーザドライバ42は、画像信号に基づいてレーザ光源30を駆動制御する。レーザドライバ42に駆動制御されたレーザ光源30は、画像信号に基づいて変調した光ビームを出射する。
レーザ光源30から出射される光ビームは、1/4波長板32を通過する際に偏光状態が直線偏光から円偏光に変わる。その後、光ビームは、光路上に配設される反射鏡34および反射鏡36において反射して、支持体12の円筒中心軸と光ビームの光軸とが一致するように支持体12内部に導入される。
なお、本実施形態では、偏向状態が直線偏向であるレーザ光源を使用したが、レーザ光源として円偏光またはランダム偏光の偏向状態を有する光ビームを出射するものを使用してもよい。この場合には、光ビームの偏光状態を直線偏光に変換する1/4波長板32を除いて光学系を構成すればよく、光学系を簡略化することができる。
ここで、集光光学系について説明する。集光光学系は、支持体12内部に導入された光ビームを記録媒体14の被走査面上に集光する。図1または図2に示す集光光学系は、集光レンズ26と、走査手段16と、および回折光学素子24とを備える。
図1に示すように、集光レンズ26は、光ビームの光路上に反射鏡36に次いで配置される。
走査手段16は、キューブプリズム18と、軸20と、およびモータ22とを備える。走査手段16のキューブプリズム18は、軸20を介してモータ22と接続し、モータ22を回転動力源として回転駆動する。キューブプリズム18と、軸20と、およびモータ22とを含む走査手段16は、その回転軸が上述した円筒中心軸と一致するように配設される。ここで、以下では、回転軸と円筒中心軸に関して特に区別しない場合においてこれらをまとめて中心軸とよぶ。
また、図2に示すように、キューブプリズム18は、三角柱形状を有する二つの光学ガラスブロック18a,18bと、誘電体多層膜19aとを備える略直方体形状のプリズムである。光学ガラスブロック18aはモータ22側に配し、光学ガラスブロック18bは光源側に配する。誘電体多層膜19aは、光学ガラスブロック18a,18bに挟まれるように配する。また、誘電体多層膜19aは、光学ガラスブロック18bに光ビームが入射する面と対する面に、蒸着等の薄膜技術により形成される。反射面19は、キューブプリズム18の一辺とその対辺を含む、中心軸と所定の角度γをなす面であり(図3参照)、光学ガラスブロック18bにおける誘電体多層膜19aとの接合面に形成される。また、反射面19は、誘電体多層膜19aにより反射率の入射角依存性に関して所定の特性を有する。
反射面19と走査手段16の回転軸とがなす角度、および、反射率の入射角依存性に関しては後述する。
また、キューブプリズム18は、光学ガラスブロック18aがバランサとして機能して回転時における質量のバランスを確保するようにしたことにより、回転駆動する走査手段16を安定に高速回転させることが可能になっている。
ところで、本発明に係るインナードラム露光装置10は、光ビームの回折光のうち主たる回折光と他の回折光である不要光とを異なる回折角で回折することによりそれらを分離し、さらに、主たる回折光による光ビームのスポット形状を副走査方向を長手方向とする略矩形形状(図5参照)に整形する回折光学素子24を備えることを特徴とする。
本明細書中でいう回折光学素子とは、光の回折現象を利用して光の進行方向を変えることができ、基板に形成する周期的な構造(回折溝)によって光を回折することにより波面を整形することができる(波面変換作用を有する)光学素子である。従って、回折光学素子は、用途に応じて上記周期的な構造(回折溝)を設計して基板上に形成することにより任意の波面を得ることができる。
本発明に係るインナードラム露光装置10は、図1に示す集光レンズ26による集光作用と回折光学素子24による波面変換作用により、支持体12上に保持された記録媒体14の被走査面上に副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポットを形成することができる。
本発明に係るインナードラム露光装置で使用される回折光学素子24は、その回折溝を所望の形状に設計することにより、特定の回折光のみを高い回折効率で回折させることができる。
また、本発明に係るインナードラム露光装置で使用される回折光学素子24は、オフアクシスタイプの回折光学素子である。本明細書中でいうオフアクシスタイプの回折光学素子とは、利用する高次回折光の光軸と、0次回折光の光軸とが有限の分離角を有するものである。
また、本明細書中において以下では、主たる回折光とは1次光のことである。つまり、記録媒体に画像の記録を行うのは1次光である。それに対して不要光は、主に0次光のことである。0次光は、主に回折光学素子に入射する光ビームの透過光であり、回折光学素子に入射する光ビームの光強度分布であるガウス分布を維持している。
図2に示すように、回折光学素子24は、キューブプリズム18に光ビームが入射する入射面上に配設され、走査手段16と一体で回転することができる。
回折光学素子24に入射した光ビームは、回折して、0次光と1次光とに分離する。ここで、図2および図3において、0次光の光軸Lを一点鎖線で示し、1次光の光軸Lを二点鎖線で示す。上述したように、0次光は、その光軸が入射光の光軸と同一のものであり、その光軸は中心軸と一致する。また、1次光は、中心軸と反射面が交差する点から引いた反射面の法線と中心軸とを通る平面上において中心軸に対して所定の回折角θで回折したものである。
本実施形態に係る回折光学素子24の回折溝の形状は、1次光が記録媒体14の被走査面上において略矩形形状のビームスポットを形成するように決定するが、これ以外に回折光学素子の回折特性に依存する1次光の回折角θについても考慮する必要がある。
上述したように、0次光は主に入射した光ビームの透過光からなり、その光強度分布はガウス分布を示す。本発明では、オフアクシスタイプの回折光学素子を使用することにより、このガウス分布を示す0次光と、主たる回折光である1次光とを分離する。
そして、0次光および1次光は、それぞれ反射面19に入射する。ここで、反射面19が中心軸となす角度γは以下のようにして決めることができる。
1次光は、反射面19で反射し、副走査方向を長手とする略矩形形状のビームスポットを記録媒体上に形成する。従って、反射面19で反射された1次光の反射光の光軸Lが支持体の円筒内周面に対して垂直であるように、反射面19と中心軸とがなす角度γを決める。
ところで、上述した反射面19と中心軸とがなす角度γは、その導出過程は示さないが、1次光の回折角θを用いて以下のように表わすことができる。
γ=45°+θ/2 (0°<θ<90°)
角度γは、回折角θを決めれば上記の式で一義的に導くことができる。ただし、θの範囲は、好適なθの範囲ではなく、とりえる可能な範囲を示したものである。
ここで、上記反射面における反射率の入射角依存性について、図3に示すように、反射面19に対する0次光の入射角を角度α、1次光の入射角を角度βとして、角度αよりも角度βのほうが大きくなる場合、つまり、1次光の入射角が0次光の入射角よりも大きくなるような1次光の回折角θを与える回折特性を示す回折光学素子を使用する場合において説明する。
本実施形態における反射率の入射角依存性は、一例として、図4に示すように、横軸には反射面19に入射する回折光の入射角、縦軸には反射率をとり、入射角が大きい方は反射率が大きく、入射角が小さい方は反射率が小さいというものである。
つまり、0次光の入射角である角度αが、図4中の角度領域Aで示す反射率が小さい透過領域Aに位置するように、また、1次光の入射角である角度βが、図4中の角度領域Bで示す反射率が大きい反射領域Bに位置するような反射面19における反射率の入射角依存性を有する反射面を選択する。これにより、本実施形態に係るインナードラム露光装置10は、不要光である0次光を除去し、主たる回折光である1次光のみを記録媒体上に導くことができる。
本実施形態に係るインナードラム露光装置10は、0次光を除去する除去手段として、上述のような反射率の入射角依存性を有する反射面19を備えることを特徴とする。
このような特性を備える反射面を形成するために、誘電体多層膜19aを使用する。この誘電体多層膜は、Ta、TiO、SiO、MgF、MgO、Al、HfO、ZrO等を使用し、薄膜技術により光学ガラスブロック18bに光ビームが入射する面と対する面に積層するのが好ましい。
ところで、1次光の入射角βの大きさと0次光の入射角αの大きさの差はθである。1次光の回折角θが大きいほど、図4に示す反射率の入射角依存性における透過領域Aと反射領域Bとの間の領域を大きくとることができ、逆に回折角θが小さいほど透過領域Aと反射領域Bとの間の領域を小さくする必要がある。つまり、回折角θの大きさは、誘電体多層膜19aを選択する際の自由度に影響を与えるといえる。
また、回折角θにより決まる入射角α,βに応じて反射率の入射角度依存性を決めればよいことは上述したが、逆に、誘電体多層膜19aの設計上の理由により透過領域Aと反射領域Bとの間の領域の大きさとしてのθの選択可能な範囲が限定される場合は、それを考慮して回折角θの値を選択して回折光学素子の回折溝を設計する必要がある。
インナードラム露光装置10は、図1中の矢印Cで示す回転軸の軸方向である副走査方向に、走査手段16を移動させる図示しない副走査移動手段を備える。また、走査手段16および上述した図示しない副走査移動手段は、スピナードライバ44に接続され、そのスピナードライバ44は制御装置40に接続される。
露光処理開始の指令を受けた制御装置40は、スピナードライバ44に制御信号を送信する。この制御信号を受けたスピナードライバ44は、モータ22の駆動制御を行う。それと同時に、スピナードライバ44は、副走査移動手段の駆動制御をも行う。
光ビームは、走査手段16のキューブプリズム18の反射面19で反射して記録媒体14の被走査面上で結像する。ここで、スピナードライバ44に駆動制御される走査手段16が回動することにより、図中の矢印Xで示す方向に主走査を行うことができる。また、同時に、副走査移動手段が走査手段16を副走査方向(図1の矢印Cで示す方向)に移動させる。
走査手段16は、上述したように駆動制御されて記録媒体14の被走査面を全面走査することにより記録媒体14に画像を二次元的に記録することができる。
インナードラム内に導入された光ビームは、集光レンズ26と回折光学素子24とを通過し、キューブプリズム18の反射面19で反射して支持体12の内周面方向に偏向する。1次光からなる光ビームは記録媒体14の被走査面上において結像し、図5に示すような略矩形形状のビームスポットを形成する。
なお、インナードラム露光装置10は、画像が記録された記録媒体を支持体の外部に搬出する、図示しない搬出手段を備える。
以下、上述の構成を有する本発明の第1の実施形態に係るインナードラム露光装置10の作用を説明する。
インナードラム露光装置10は、走査手段16とレーザ光源30とを制御装置40で駆動制御しながら記録媒体14に画像を記録する。図示しない入力装置から露光する画像情報を入力し露光処理開始の指令を制御装置40に送信すると、制御装置40は露光すべき画像情報に基づいて画像信号を発生し、この画像信号をレーザドライバ42へ送信する。レーザドライバ42はレーザ光源30を駆動制御して画像信号に基づいて変調した光ビームを出射する。
また、露光処理開始の指令を受けた制御装置40は、制御信号をスピナードライバ44に送信する。スピナードライバ44は、走査手段16のモータ22の回転動作を制御すると同時に、副走査移動手段を駆動制御する。
レーザ光源30から出射する略直線偏向の光ビームは、1/4波長板を通過する際にその偏光状態が円偏光に変わる。その後、反射鏡34および反射鏡36により、光ビームをインナードラム内に導入する。光ビームは、集光レンズ26を通過し、記録媒体の被走査面に向かって集光する。
次に、集光レンズ26を通過した光ビームは、走査手段16のキューブプリズム18の光学ガラスブロック18bの入射面に配設する回折光学素子24に入射する。
本発明に係るインナードラム露光装置において、光ビームは、回折光学素子24により回折されて、主に、0次光と1次光との二つの回折光に分離する。それら二つの回折光は、図4に示すような反射率の入射角依存性を有する反射面19に入射する。本第1の実施形態では、入射角αで入射する0次光は反射面19で反射せずに透過する。入射角βで入射する1次光は、出射光の光軸が支持体の円筒内周面方向となるように反射する。こうして、不要光である0次光は除去されて、1次光は記録媒体まで導かれる。
ところで、本発明に係るインナードラム露光装置においては、主に、集光レンズ26と回折光学素子24とが光ビームに作用して、光ビームの回折光である1次光によるビームスポット形状を、記録媒体14の被走査面上において図5に示すような略矩形形状となるように整形する。図5に示すビームスポットは、一例として、主走査方向の半値全幅が5μmで副走査方向の半値全幅が11μmである。
一方、図6に、従来のガウス分布の光ビームによるビームスポットを示す。これは、半値全幅が8.8μm(1/e幅15μm)であるビームスポットの一例を示すものである。
図6に示すビームスポットの光強度分布は、横断面が円形で、そのエッジ部は緩やかな強度分布を有する。これは、光パワー変動といった記録条件や、自動現像機の現像の度合いといった現像条件等の変化により、小ドットにおけるドットサイズの安定性が低下し、網点面積率特性の変動を引き起こすという問題点の要因となる。
それに対して、図5のビームスポットは、エッジ部が急峻な略矩形形状を有しており、上述した問題点を改善し、小ドットにおけるドットサイズを安定させることができる。従って、FMスクリーンを用いて安定して中間調を表現するように記録できる。
1次光は、キューブプリズム18の反射面19で、支持体12の円筒内周面に垂直な方向に反射する。その後、キューブプリズム18から出射した1次光は、記録媒体14の被走査面上で結像して、図5に示すように副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポットを形成する。
走査手段16が回転駆動して上記の略矩形形状のビームスポットが記録媒体14の被走査面を主走査する。このとき、走査手段16は、例えば30,000rpm程度の回転数で回転駆動する。また、走査手段16は、図示しない副走査移動手段により走査手段の回転に応じて副走査方向に移動する。こうして、走査手段16は、記録媒体14の被走査面を全面走査して画像を記録する。
上述した本実施形態に係るインナードラム露光装置により、本発明の目的を達成することができる。ただし、本実施形態に係るインナードラム露光装置は、その趣旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態について説明するのに、図3および図4で示すような1次光の入射角βが0次光の入射角αよりも大きい場合に付いて説明した。これに対して、図7に示すように1次光の入射角βが0次光の入射角αよりも小さくなるように1次光が回折する回折特性を有する回折光学素子24を使用してもよい。
この場合では、反射面における反射率の入射角依存性は、入射角が小さい方は反射率が大きく、入射角が大きい方は反射率が小さいというものである。
つまり、1次光の入射角である角度βが反射領域に、0次光の入射角である角度αが透過領域に位置するように、反射面19における反射率の入射角依存性を決めることにより、不要光である0次光を除去し、主たる回折光である1次光のみを記録媒体上に導くことができる。
ところで、この場合においても、反射面19と中心軸とがなす角度γは、1次光の回折角θを用いて以下のように表わすことができる。
γ=45°−θ/2 (0°<θ<90°)
角度γは、回折角θを決めれば上記の式で一義的に導くことができる。ただし、θの範囲は、好適なθの範囲ではなく、とり得る可能な範囲を示したものである。
以上、本発明の第1の実施形態に係るインナードラム露光装置10について説明した。
以下、本発明の第2の実施形態に係るインナードラム露光装置について説明する。
本実施形態に係るインナードラム露光装置は、第1の実施形態と同様に、回折光学素子を使用して安定した中間調を表現可能にする。
第1の実施形態における不要光の除去手段は、反射率の入射角依存性を有する反射面を配設して、回折光学素子に入射する光ビームの回折光である0次光と1次光の入射角の差を利用することにより、不要光である0次光を除去するものであった。
それに対して、本実施形態に係るインナードラム露光装置は、上述のような反射率の特性を有する反射面19の代わりに全反射面54を備える。本実施形態に係るインナードラム露光装置における除去手段は、走査手段の近傍で、かつ、不要光の光路上に一対の遮光板を配設することにより不要光を除去するものである。これにより本発明の目的を達成する。
本実施形態に係るインナードラム露光装置は、回折光学素子を使用し、入射する光ビームの回折光である1次光が記録媒体上で結像して形成するビームスポットの形状を、副走査方向を長手方向とする略矩形形状に整形することができることに関しては第1の実施形態と同様である。従って、第1の実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
以下、図8,図9を使用して第2の実施形態に係るインナードラム露光装置について説明する。図8は、第2の実施形態に係るインナードラム露光装置の要部を示す模式的斜視図である。また、図9は、回折光が反射面19aで反射する様子を模式的に表わす説明図である。回折光である0次光の光軸をL、1次光の光軸をLとする。さらに、1次光の回折角を角度θとし、全反射面54に対する0次光の入射角を角度αとし、1次光の入射角を角度βとする。また、図9は、1次光の入射角βが0次光の入射角αよりも大きくなる場合を示すものである。
図8に示すように、回折光学素子24は、第1の実施形態と同様に、キューブプリズム50に光ビームが入射する入射面上に配設して、回折光学素子24に入射した光ビームを回折することにより、中心軸と同一の光軸を有する0次光と、中心軸と所定の回折角θで回折する1次光とに分離する。
また、回折光学素子24は、記録媒体14の被走査面上で結像する1次光が副走査方向を長手とする略矩形形状のビームスポットを形成するように光ビームを整形する。
図9に示すように、キューブプリズム50は、三角柱形状を有する二つの光学ガラスブロック18a,18bからなる略直方体形状のプリズムである。光学ガラスブロック18aはモータ22側に配し、光学ガラスブロック18bは光源側に配する。本第2の実施形態に係るキューブプリズム50は、光学ガラスブロック18aと光学ガラスブロック18bとの接合面に全反射面54を有する。
また、全反射面54が、中心軸と所定の角度γをなすようにキューブプリズム50を設ける。この角度γは、第1の実施形態に係る反射面19と同様に、全反射面54で反射された1次光の反射光の光軸Lが支持体12の円筒内周面に対して垂直となるように決める。
さらに、本実施形態に係るインナードラム露光装置は、図8,図9で示すように、不要光を除去する除去手段として走査手段16aの周辺に円盤形状を有する一対の遮光板52を備える。一対の遮光板52は、走査手段16aと共通の台座56に固定することによって、走査手段16aとの相対的な位置関係を常に維持することができる。
図8に示すように、光源側から第1遮光板52aを配置する。第1遮光板52aは、走査手段16aの回転動作を妨げない程度に走査手段16aの近傍に配置する。また、円盤形状である第1遮光板52aは、その中心が中心軸(円筒中心軸)上に位置するように配置し、その中心部には入射光ビームを通過させるための円状の切り欠きを設ける。
その第1遮光板52aと平行で、かつ、キューブプリズム18を挟むように第2遮光板52bを配置する。第1遮光板52aと同様に円盤形状である第2遮光板52bは、その中心が中心軸上に位置するように配置し、その中心部は、走査手段16aの軸20を配置するための切り欠きを設ける。
第1遮光板52aおよび第2遮光板52bの上端部は、共通の台座56に位置決め固定する。また、その他の端部は、支持体12の内周面に保持された記録媒体14と少なくとも接触しない程度の間隔を設けて、支持体12の内周面近傍まで延設する。不要光である0次光や走査手段16aから発生する散乱光等のインナードラム内の迷光を除去するために、インナードラム露光装置が備える種々の装置の動作を妨げない限りにおいて、一対の遮光板52と支持体内周面との間隔は小さい方が好ましい。
また、走査手段16aのモータ22は、遮光板52を配設する台座56の端部と反対の端部に延設する保持部材56aによって台座56に固定される。また、この台座56は、図示しない副走査移動手段を備え、回転駆動する走査手段16aの主走査に応じて、副走査方向(図8中の矢印Cで示す方向)に移動する。従って、本第2の実施形態に係るインナードラム露光装置は、画像記録動作時に、一対の遮光板52と走査手段16aとが一体となって副走査方向に移動することができる。
ところで、副走査移動手段としては、例えば、スクリューシャフトとそれを回転させるモータとを備え、モータが回転駆動することによりスクリューシャフトが回動して副走査方向に台座56を移動させるもの等を使用することができる。
ここで、上記キューブプリズム50と一対の遮光板52とを備える本実施形態に係るインナードラム露光装置の除去手段についてさらに詳細に説明する。
全反射面54に入射角αで入射した0次光は、中心軸と垂直である1次光の光軸Lに対して角度θの方向に反射する。ここで、中心軸から記録媒体14までの距離をRとすると、0次光が中心軸と垂直方向に距離Rだけ進む際に、中心軸と全反射面54との交点を原点とする中心軸方向の変位は、Rtanθで表わすことができる。つまり、第1遮光板52aは、上記原点から中心軸方向にRtanθよりも近い位置に配置するとよい。
また、第2遮光板52bは、第1遮光板52a同様にキューブプリズム50の近傍に配設する。この第2遮光板52bは、例えば、走査手段16aのプリズム50で発生する散乱光や、0次光・1次光以外の高次の回折光や、インナードラム内の迷光等の不要光を除去することができる。これらの不要光による記録媒体の露光を抑制することにより、画像の鮮鋭度を損なうことなく、安定した中間調を表現することができる。
以下、本実施形態の作用を説明する。本実施形態の作用は、0次光を除去する除去方法を除き、基本的には第1の実施形態と同様である。
本実施形態に係るインナードラム露光装置では、走査手段16aとレーザ光源30とを制御装置40で駆動制御しながら記録媒体14に画像を記録する。図示しない入力装置から露光する画像情報を入力し露光処理開始の指令を制御装置40に送信すると、制御装置40は露光すべき画像情報に基づいて画像信号を発生し、この画像信号をレーザドライバ42へ送信する。レーザドライバ42はレーザ光源30を駆動制御して画像信号に基づいて変調した光ビームを出射する。
また、露光処理開始の指令を受けた制御装置40は、制御信号をスピナードライバ44に送信する。スピナードライバ44は、走査手段16aのモータ22の回転動作を制御すると同時に、副走査移動手段を駆動制御する。
レーザ光源30から出射する略直線偏向の光ビームは、1/4波長板32を通過する際にその偏光状態が円偏光に変わる。その後、反射鏡34および反射鏡36により、光ビームをインナードラム内に導入する。光ビームは、集光レンズ26を通過し、記録媒体の被走査面に向かって集光する。
次に、集光レンズ26を通過した光ビームは、走査手段16aのキューブプリズム50の光学ガラスブロック18bの入射面に配設する回折光学素子24に入射する。
本実施形態においても第1の実施形態と同様に、光ビームは、回折光学素子24により回折されて、主に、0次光と1次光との二つの回折光に分離する。次に、1次光はその光軸Lが支持体12の円筒内周面に対して垂直方向に、0次光は中心軸と垂直である1次光の光軸Lに対して角度θの方向に反射面52で反射する。図9に示すように、0次光は、記録媒体14に到達する前に第1遮光板52aにより除去され、1次光は記録媒体14の被走査面上で結像する。
記録媒体14の被走査面上で結像した1次光は、第1の実施形態において図5を用いて説明したように副走査方向を長手とする略矩形形状のビームスポットを形成する。第1の実施形態同様に、本実施形態においてもこのビームスポットを用いて記録媒体に画像を形成する。
走査手段16aのキューブプリズム50が高速回転しつつ、一対の遮光板52と共に走査手段16aが副走査方向(図8中に矢印Cで示す)に移動して、記録媒体14を全面走査する。
上述のようにして、記録媒体に画像を記録することにより、不要光による記録媒体の露光に起因する画像の鮮鋭度の低下を抑制し、かつ、FMスクリーンを用いて安定して中間調を表現するように画像を記録できる。これにより、本発明の目的を達成することができる。
以上、本発明の第2の実施形態に係るインナードラム露光装置について説明した。しかし、本第2の実施形態に係るインナードラム露光装置は、上述のものに限定されず、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
第2の実施形態として、図9で示すように1次光の入射角βが0次光の入射角αよりも大きくなるような回折角θを与える回折光学素子を使用する場合について説明した。これに対して、例えば、第1の実施形態において図7を用いて説明したように、1次光の入射角βが0次光の入射角αよりも小さくなるような回折角θを与える回折光学素子を使用してもよい。この場合では、全反射面54で反射した0次光は、1次光に対して角度θで第2遮光板52bの方向に進む。
このとき、第2遮光板52bは、第2の実施形態における第1遮光板の52aの配置位置で説明したように、中心軸と全反射面54との交点である原点から中心軸方向にRtanθよりも近い位置に配置するとよい。これにより、0次光を除去することができる。上述した、入射角βが0次光の入射角αよりも大きくなる場合と同様に、本発明の目的を達成することができる。
ところで、本発明の第1および第2の各実施形態において、副走査方向を長手方向とする略矩形形状となるようにビームスポット形状を整形し、これにより小ドットのドットサイズの安定性を向上することで本発明の目的を達成した。本発明では、これに限らず、2個以上の微小ビームスポットを、隣接する微小ビームスポットが一部重なるようにして副走査方向に並置することによって略矩形形状のビームスポットを形成するようにしてもよい。
上述の所望のビームスポット形状となるように、第1の実施形態では回折光学素子の回折溝の形状を、装置の構成等に応じて適宜決定すればよい。その他の構成や、動作については上述の夫々の実施形態に係るインナードラム露光装置と同様であるので説明は省略する。
図10には、回折光学素子を使用して、二つの微小スポットを形成し、その一部が重なるように副走査方向に並置する光ビームのビームスポットを示す。
図6に示す、従来のガウス分布の光ビームによるビームスポットはそのエッジ部が緩やかな強度分布を有する。これは、光パワー変動や刷り枚数といった記録条件や、自動現像機の現像の度合いといった現像条件等の影響をうけて、網点面積率特性の変動を引き起こすという従来の問題点の要因となるのは上述した通りである。
それに対して、図10に示すビームポットは、図6に示すものよりも副走査方向を長手方向とする略矩形形状に近く、主走査方向にはエッジ部がシャープになっている。また、さらに複数の微小スポットを並置することによりスポット形状がより略矩形形状に近づく。微小スポットの数が8個程度のとき、ビームスポットは、図5に示す、エッジ部が急峻な略矩形形状となる。従って、複数の微小スポットを副走査方向に並置することにより、先に説明した略矩形形状のビームスポットを使用して画像を記録する場合と同様の効果を得ることができる。
第1の実施形態に係るインナードラム露光装置の概略構成図である。 第1の実施形態に係る操作手段の要部を示す模式図である。 第1の実施形態に係る光ビームの作用を模式的に示す説明図である。 第1の実施形態に係るキューブプリズムの反射面の特性を説明する説明図である。 本発明に係る光ビームのビームスポットの光量分布を示す説明図である。 従来技術による光ビームのビームポットの光量分布を示す説明図である。 第1の実施形態の変更例に係る光ビームの作用を模式的に示す説明図である。 第2の実施形態に係るインナードラム露光装置の要部を示す模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る光ビームの作用を模式的に示す説明図である。 副走査方向に2個の微小ビームスポットを並置した場合のビームスポットの光量分布を示す説明図である。
符号の説明
10 インナードラム露光装置
12 支持体
14 記録媒体
16 走査手段
18 キューブプリズム
18a,18b 光学ガラスブロック
19 反射面
19a 誘電体多層膜
20 軸
22 モータ
24 回折光学素子
26 集光レンズ
30 レーザ光源
32 1/4波長板
34,36 反射鏡
40 制御装置
42 レーザドライバ
44 スピナードライバ
50 キューブプリズム
52 遮光板
52a 第1遮光板
52b 第2遮光板
54 全反射面
56 台座
56a 保持部材

Claims (12)

  1. 円筒形状を有する支持体の内周面に保持された記録媒体に対し、画像情報に応じて変調された光ビームを回転駆動される走査手段の反射面で偏向し、前記記録媒体を走査することによって画像を記録するインナードラム露光装置であって、
    前記光ビームを出射する光源と、
    前記光ビームを光源から前記記録媒体の被走査面上まで通過させる光学系と、
    前記走査手段と一体に回転するように前記光ビームの光路上に配置され、前記光学系と共に前記光ビームに作用して、該光ビームの回折光の主たる回折光と他の回折光である不要光とをそれぞれ異なる所定の回折角で回折することにより分離し、前記主たる回折光が前記記録媒体の被走査面上に集光するビームスポット形状が所望の形状となるように光ビームを整形する回折光学素子と、
    前記回折光学素子を通過した該光ビームの前記主たる回折光のみを前記記録媒体の被走査面上に導き、前記不要光を除去する除去手段とを備えるインナードラム露光装置。
  2. 前記光ビームの所望の形状が、前記回転駆動する走査手段の主走査方向と直交する副走査方向を長手方向とする略矩形形状である請求項1に記載のインナードラム露光装置。
  3. 前記光ビームの所望の形状が、前記回転駆動する走査手段の主走査方向と直交する副走査方向に少なくとも2個以上のビームスポットを並置する形状である請求項1に記載のインナードラム露光装置。
  4. 前記反射面が、前記主たる回折光のみを反射し、前記その他の回折光である不要光を透過する光ビームの反射率の入射角依存性を有し、
    かつ、前記回折光学素子の回折特性に応じて所定の回折角で回折された前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように、前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設けられ、
    前記除去手段として作用する請求項1〜3に記載のインナードラム露光装置。
  5. 前記反射面が、前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように、前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設けられ、
    一対の略円盤形状の遮光板が、前記走査手段の反射面を挟んで、該走査手段の近傍の所定の位置に互いに平行に、前記反射面において所定の角度で偏向する前記他の回折光の光路上に、前記走査手段と共通の台座に配設され、
    該反射面と該遮光板とが前記他の回折光である不要光を除去する除去手段として作用する請求項1〜3のいずれかに記載のインナードラム露光装置。
  6. 前記光ビームの偏向状態が円偏光またはランダム偏向のどちらか一方の偏向状態である請求項1〜5に記載のインナードラム露光装置。
  7. 円筒形状を有する支持体の内周面に保持された記録媒体に対し、画像情報に応じて変調された光ビームを走査手段の回転駆動される反射面で偏向し、前記記録媒体を走査することによって画像を記録する露光方法であって、
    前記光ビームの光路上に前記走査手段の反射面と一体に回転するように配設される回折光学素子を使用して前記光ビームを回折することで主たる回折光とその他の回折光とを所定の回折角で回折して分離し、
    前記主たる回折光と前記その他の回折光との前記夫々の回折角の差を用いて、不要光である該その他の回折光を除去し、
    前記主たる回折光によるビームスポット形状が回折光学素子を介して所望の形状となるように光ビームを整形する露光方法。
  8. 前記所望のビームスポット形状が、前記走査手段の回転方向である主走査方向と直行する副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポット形状である請求項7に記載の露光方法。
  9. 前記所望のビームスポット形状が、前記走査手段の回転方向である主走査方向と直行する副走査方向に複数のビームスポットを並置することにより形成される、副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポット形状である請求項7に記載の露光方法。
  10. 前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように前記反射面を前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設け、
    さらに、前記反射面の、光ビームの入射角に対する反射率の依存性の値を所定の値として、前記主たる回折光と前記その他の回折光との前記反射面への入射角の差を用いて、前記主たる回折光のみを反射し、前記その他の回折光である不要光を透過することにより該不要光を除去する請求項7〜9のいずれかに記載の露光方法。
  11. 前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように前記反射面を前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設け、
    前記反射面において所定の角度で偏向する前記他の回折光の光路上で、前記走査手段の近傍の所定の位置に配設する遮光板を用いて前記他の回折光を除去する請求項7〜9いずれかに記載の露光方法。
  12. 前記光ビームの偏向状態が円偏光またはランダム偏向のどちらか一方の偏向状態である請求項7〜11に記載の露光方法。
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