JP2007093947A - インナードラム露光装置および露光方法 - Google Patents
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【解決手段】円筒形状の支持体の内周面に保持された記録媒体を、回転駆動する走査手段の反射面で偏向され、画像情報に応じて変調された光ビームを用いて走査することによって画像を記録するインナードラム露光装置であって、光源と、光ビームを光源から記録媒体の被走査面上まで通過させる光学系と、走査手段と一体に回転するように光ビームの光路上に配置され、光ビームの回折光の主たる回折光と他の回折光である不要光とをそれぞれ異なる所定の回折角で回折することにより分離し、記録媒体の被走査面上に集光する主たる回折光のビームスポット形状が所望の形状となるように光ビームを整形する回折光学素子と、回折光の回折方向に応じて所定の回折光のみを記録媒体の被走査面上に導き、その他の回折光を除去する除去手段とを備えるインナードラム露光装置を提供する。
【選択図】図1
Description
前記光ビームを出射する光源と、前記光ビームを光源から前記記録媒体の被走査面上まで通過させる光学系と、前記走査手段と一体に回転するように前記光ビームの光路上に配置され、前記光学系と共に前記光ビームに作用して、該光ビームの回折光の主たる回折光と他の回折光である不要光とをそれぞれ異なる所定の回折角で回折することにより分離し、前記主たる回折光が前記記録媒体の被走査面上に集光するビームスポット形状が所望の形状となるように光ビームを整形する回折光学素子と、前記回折光学素子を通過した該光ビームの前記主たる回折光のみを前記記録媒体の被走査面上に導き、前記不要光を除去する除去手段とを備えるインナードラム露光装置を提供する。
ここで、並置するビームスポットの個数は、2〜8個であるのが好ましい。
さらに、前記反射面の、光ビームの入射角に対する反射率の依存性の値を所定の値として、前記主たる回折光と前記その他の回折光との前記反射面への入射角の差を用いて、前記主たる回折光のみを反射し、前記その他の回折光である不要光を透過することにより該不要光を除去する露光方法を提供する。
さらに、本発明によれば、インナードラム内部に新たに生じる不要光を除去する除去手段を備えることにより、記録媒体が不要光により感光することに起因する記録画像の鮮鋭度の低下を抑制することができる。
本実施形態に係るインナードラム露光装置は、FMスクリーン等の小ドットにおけるドットサイズの安定性を向上させるために回折光学素子を使用する。この回折光学素子は、光ビームを光源から記録媒体の被走査面上まで導く光学系と共に光ビームに作用し、記録媒体を走査する光ビームのスポット形状を副走査方向を長手方向とする略矩形形状に整形することができる。
これらを使用して本発明の目的を達成する。
レーザ光源30としては、略直線偏光からなる光ビームを出射する一般的な半導体レーザを使用すればよい。また、このレーザ光源30には、中心光強度が高く、中心から離れるに従って光強度が徐々に低くなる光強度分布からなる単一横モード半導体レーザを使用することができる。また、1/4波長板32は、レーザ光源30から出射された直線偏光からなる光ビームを円偏光に変換する。
走査手段16は、キューブプリズム18と、軸20と、およびモータ22とを備える。走査手段16のキューブプリズム18は、軸20を介してモータ22と接続し、モータ22を回転動力源として回転駆動する。キューブプリズム18と、軸20と、およびモータ22とを含む走査手段16は、その回転軸が上述した円筒中心軸と一致するように配設される。ここで、以下では、回転軸と円筒中心軸に関して特に区別しない場合においてこれらをまとめて中心軸とよぶ。
反射面19と走査手段16の回転軸とがなす角度、および、反射率の入射角依存性に関しては後述する。
本発明に係るインナードラム露光装置10は、図1に示す集光レンズ26による集光作用と回折光学素子24による波面変換作用により、支持体12上に保持された記録媒体14の被走査面上に副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポットを形成することができる。
回折光学素子24に入射した光ビームは、回折して、0次光と1次光とに分離する。ここで、図2および図3において、0次光の光軸L0を一点鎖線で示し、1次光の光軸L1を二点鎖線で示す。上述したように、0次光は、その光軸が入射光の光軸と同一のものであり、その光軸は中心軸と一致する。また、1次光は、中心軸と反射面が交差する点から引いた反射面の法線と中心軸とを通る平面上において中心軸に対して所定の回折角θで回折したものである。
1次光は、反射面19で反射し、副走査方向を長手とする略矩形形状のビームスポットを記録媒体上に形成する。従って、反射面19で反射された1次光の反射光の光軸L1が支持体の円筒内周面に対して垂直であるように、反射面19と中心軸とがなす角度γを決める。
γ=45°+θ/2 (0°<θ<90°)
角度γは、回折角θを決めれば上記の式で一義的に導くことができる。ただし、θの範囲は、好適なθの範囲ではなく、とりえる可能な範囲を示したものである。
本実施形態に係るインナードラム露光装置10は、0次光を除去する除去手段として、上述のような反射率の入射角依存性を有する反射面19を備えることを特徴とする。
露光処理開始の指令を受けた制御装置40は、スピナードライバ44に制御信号を送信する。この制御信号を受けたスピナードライバ44は、モータ22の駆動制御を行う。それと同時に、スピナードライバ44は、副走査移動手段の駆動制御をも行う。
走査手段16は、上述したように駆動制御されて記録媒体14の被走査面を全面走査することにより記録媒体14に画像を二次元的に記録することができる。
なお、インナードラム露光装置10は、画像が記録された記録媒体を支持体の外部に搬出する、図示しない搬出手段を備える。
また、露光処理開始の指令を受けた制御装置40は、制御信号をスピナードライバ44に送信する。スピナードライバ44は、走査手段16のモータ22の回転動作を制御すると同時に、副走査移動手段を駆動制御する。
次に、集光レンズ26を通過した光ビームは、走査手段16のキューブプリズム18の光学ガラスブロック18bの入射面に配設する回折光学素子24に入射する。
図6に示すビームスポットの光強度分布は、横断面が円形で、そのエッジ部は緩やかな強度分布を有する。これは、光パワー変動といった記録条件や、自動現像機の現像の度合いといった現像条件等の変化により、小ドットにおけるドットサイズの安定性が低下し、網点面積率特性の変動を引き起こすという問題点の要因となる。
走査手段16が回転駆動して上記の略矩形形状のビームスポットが記録媒体14の被走査面を主走査する。このとき、走査手段16は、例えば30,000rpm程度の回転数で回転駆動する。また、走査手段16は、図示しない副走査移動手段により走査手段の回転に応じて副走査方向に移動する。こうして、走査手段16は、記録媒体14の被走査面を全面走査して画像を記録する。
つまり、1次光の入射角である角度βが反射領域に、0次光の入射角である角度αが透過領域に位置するように、反射面19における反射率の入射角依存性を決めることにより、不要光である0次光を除去し、主たる回折光である1次光のみを記録媒体上に導くことができる。
γ=45°−θ/2 (0°<θ<90°)
角度γは、回折角θを決めれば上記の式で一義的に導くことができる。ただし、θの範囲は、好適なθの範囲ではなく、とり得る可能な範囲を示したものである。
本実施形態に係るインナードラム露光装置は、第1の実施形態と同様に、回折光学素子を使用して安定した中間調を表現可能にする。
それに対して、本実施形態に係るインナードラム露光装置は、上述のような反射率の特性を有する反射面19の代わりに全反射面54を備える。本実施形態に係るインナードラム露光装置における除去手段は、走査手段の近傍で、かつ、不要光の光路上に一対の遮光板を配設することにより不要光を除去するものである。これにより本発明の目的を達成する。
また、回折光学素子24は、記録媒体14の被走査面上で結像する1次光が副走査方向を長手とする略矩形形状のビームスポットを形成するように光ビームを整形する。
また、露光処理開始の指令を受けた制御装置40は、制御信号をスピナードライバ44に送信する。スピナードライバ44は、走査手段16aのモータ22の回転動作を制御すると同時に、副走査移動手段を駆動制御する。
次に、集光レンズ26を通過した光ビームは、走査手段16aのキューブプリズム50の光学ガラスブロック18bの入射面に配設する回折光学素子24に入射する。
記録媒体14の被走査面上で結像した1次光は、第1の実施形態において図5を用いて説明したように副走査方向を長手とする略矩形形状のビームスポットを形成する。第1の実施形態同様に、本実施形態においてもこのビームスポットを用いて記録媒体に画像を形成する。
走査手段16aのキューブプリズム50が高速回転しつつ、一対の遮光板52と共に走査手段16aが副走査方向(図8中に矢印Cで示す)に移動して、記録媒体14を全面走査する。
図6に示す、従来のガウス分布の光ビームによるビームスポットはそのエッジ部が緩やかな強度分布を有する。これは、光パワー変動や刷り枚数といった記録条件や、自動現像機の現像の度合いといった現像条件等の影響をうけて、網点面積率特性の変動を引き起こすという従来の問題点の要因となるのは上述した通りである。
12 支持体
14 記録媒体
16 走査手段
18 キューブプリズム
18a,18b 光学ガラスブロック
19 反射面
19a 誘電体多層膜
20 軸
22 モータ
24 回折光学素子
26 集光レンズ
30 レーザ光源
32 1/4波長板
34,36 反射鏡
40 制御装置
42 レーザドライバ
44 スピナードライバ
50 キューブプリズム
52 遮光板
52a 第1遮光板
52b 第2遮光板
54 全反射面
56 台座
56a 保持部材
Claims (12)
- 円筒形状を有する支持体の内周面に保持された記録媒体に対し、画像情報に応じて変調された光ビームを回転駆動される走査手段の反射面で偏向し、前記記録媒体を走査することによって画像を記録するインナードラム露光装置であって、
前記光ビームを出射する光源と、
前記光ビームを光源から前記記録媒体の被走査面上まで通過させる光学系と、
前記走査手段と一体に回転するように前記光ビームの光路上に配置され、前記光学系と共に前記光ビームに作用して、該光ビームの回折光の主たる回折光と他の回折光である不要光とをそれぞれ異なる所定の回折角で回折することにより分離し、前記主たる回折光が前記記録媒体の被走査面上に集光するビームスポット形状が所望の形状となるように光ビームを整形する回折光学素子と、
前記回折光学素子を通過した該光ビームの前記主たる回折光のみを前記記録媒体の被走査面上に導き、前記不要光を除去する除去手段とを備えるインナードラム露光装置。 - 前記光ビームの所望の形状が、前記回転駆動する走査手段の主走査方向と直交する副走査方向を長手方向とする略矩形形状である請求項1に記載のインナードラム露光装置。
- 前記光ビームの所望の形状が、前記回転駆動する走査手段の主走査方向と直交する副走査方向に少なくとも2個以上のビームスポットを並置する形状である請求項1に記載のインナードラム露光装置。
- 前記反射面が、前記主たる回折光のみを反射し、前記その他の回折光である不要光を透過する光ビームの反射率の入射角依存性を有し、
かつ、前記回折光学素子の回折特性に応じて所定の回折角で回折された前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように、前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設けられ、
前記除去手段として作用する請求項1〜3に記載のインナードラム露光装置。 - 前記反射面が、前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように、前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設けられ、
一対の略円盤形状の遮光板が、前記走査手段の反射面を挟んで、該走査手段の近傍の所定の位置に互いに平行に、前記反射面において所定の角度で偏向する前記他の回折光の光路上に、前記走査手段と共通の台座に配設され、
該反射面と該遮光板とが前記他の回折光である不要光を除去する除去手段として作用する請求項1〜3のいずれかに記載のインナードラム露光装置。 - 前記光ビームの偏向状態が円偏光またはランダム偏向のどちらか一方の偏向状態である請求項1〜5に記載のインナードラム露光装置。
- 円筒形状を有する支持体の内周面に保持された記録媒体に対し、画像情報に応じて変調された光ビームを走査手段の回転駆動される反射面で偏向し、前記記録媒体を走査することによって画像を記録する露光方法であって、
前記光ビームの光路上に前記走査手段の反射面と一体に回転するように配設される回折光学素子を使用して前記光ビームを回折することで主たる回折光とその他の回折光とを所定の回折角で回折して分離し、
前記主たる回折光と前記その他の回折光との前記夫々の回折角の差を用いて、不要光である該その他の回折光を除去し、
前記主たる回折光によるビームスポット形状が回折光学素子を介して所望の形状となるように光ビームを整形する露光方法。 - 前記所望のビームスポット形状が、前記走査手段の回転方向である主走査方向と直行する副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポット形状である請求項7に記載の露光方法。
- 前記所望のビームスポット形状が、前記走査手段の回転方向である主走査方向と直行する副走査方向に複数のビームスポットを並置することにより形成される、副走査方向を長手方向とする略矩形形状のビームスポット形状である請求項7に記載の露光方法。
- 前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように前記反射面を前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設け、
さらに、前記反射面の、光ビームの入射角に対する反射率の依存性の値を所定の値として、前記主たる回折光と前記その他の回折光との前記反射面への入射角の差を用いて、前記主たる回折光のみを反射し、前記その他の回折光である不要光を透過することにより該不要光を除去する請求項7〜9のいずれかに記載の露光方法。 - 前記回折光学素子の回折特性に応じて回折された光ビームの前記主たる回折光を前記反射面で偏向する際に、主たる回折光の光軸が前記支持体の円筒内周面に垂直となるように前記反射面を前記走査手段の回転軸に対して所定の角度で設け、
前記反射面において所定の角度で偏向する前記他の回折光の光路上で、前記走査手段の近傍の所定の位置に配設する遮光板を用いて前記他の回折光を除去する請求項7〜9いずれかに記載の露光方法。 - 前記光ビームの偏向状態が円偏光またはランダム偏向のどちらか一方の偏向状態である請求項7〜11に記載の露光方法。
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