JP2007092770A - 衝撃吸収樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 衝撃吸収部の剛性を適度に高めて軽量でありながら衝撃エネルギーを効率良く吸収し得る衝撃吸収樹脂成形体を提供する。
【解決手段】 プレート本体17の衝撃荷重を受ける部分に形成された衝撃吸収部19を表面のスキン層23と内部の膨張層25とで構成する。これらは成形型のキャビティ内に射出した熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂を膨張させることにより形成される。衝撃吸収部19における衝撃荷重を受ける側及びこれと反対側のスキン層23の内面に、ソリッド層からなり内部に中空部29a,31aを有する複数条の第1中空リブ29及び第2中空リブ31をそれぞれ互いに離間させ、かつ隣り合う第1中空リブ29(第2中空リブ31)間に第2中空リブ31(第1中空リブ29)を位置させて膨張層25内に突出するように一体に形成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、表面にスキン層が、内部に膨張層が形成された衝撃吸収部を成形体本体のパネル面に有する衝撃吸収樹脂成形体の改良に関するものである。
特許文献1には、ドアアウタパネルとドアインナパネルとからなるドア本体の上記ドアインナパネルに取り付けられたキャリアプレートのパネル部材に、側突時の衝撃エネルギーを吸収するために縦リブ及び横リブの組合体からなる衝撃吸収部を一体に突設したものが開示されている。
一方、特許文献2では、スライド型を内蔵した雄型と雌型とを型閉じした状態で、キャビティ内に繊維入りの熱可塑性樹脂を射出充填し、該キャビティ内で上記熱可塑性樹脂が固化する過程で、上記スライド型をキャビティ容積が型開き方向に拡大するように後退させて熱可塑性樹脂を成形型で圧縮されている繊維の弾性復元力(スプリングバック現象)で膨張させることにより、樹脂密度の高いスキン層が表面全体に形成されるとともに、多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度の低い膨張層が内部に形成された突出部を有する樹脂成形体を得るようにしている。
特開2001−239834号公報(第4頁、図6) 特開2000−25057号公報(第5頁、図10)
特許文献1のキャリアプレートは、特許文献2のような膨張層がないため重量が嵩む。そこで、特許文献2の突出部のように衝撃吸収部に膨張層を形成することで、膨張層によりキャリアプレートの軽量化と衝撃エネルギーの吸収効果とを得ることが考えられるが、衝撃吸収部が膨張層で剛性が低くなっているため、衝撃吸収部に作用する衝突荷重が小さくても、膨張層が一気に潰れて衝撃エネルギーを効率良く吸収することができなくなる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、衝撃吸収部の剛性を適度に高めて軽量でありながら衝撃エネルギーを効率良く吸収し得るキャリアプレート等の衝撃吸収樹脂成形体を提供することである。
上記の目的を達成するため、この発明は、膨張層の内部に中空リブを適正に配置したことを特徴とする。
具体的には、この発明は、パネル状の成形体本体の少なくとも衝撃荷重を受ける部分に衝撃吸収部が形成された衝撃吸収樹脂成形体を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記衝撃吸収部は、成形型のキャビティ内に射出した熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂を膨張させることにより、ソリッド層からなるスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成されてなり、上記衝撃吸収部における衝撃荷重を受ける側のスキン層の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部を有する複数条の第1中空リブが互いに離間して上記膨張層内に突出するように一体に形成され、上記衝撃吸収部における衝撃荷重を受ける側と反対側のスキン層の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部を有する複数条の第2中空リブが互いに離間して隣り合う第1中空リブ間に対応して上記膨張層内に突出するように一体に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、衝撃吸収部は、成形体本体のパネル面に突設されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、成形体本体のパネル面に形成された衝撃吸収部は、表面にスキン層が形成されるとともに、多数の空隙を有する膨張層が内部に形成されているため、衝撃吸収樹脂成形体の軽量化を図ることができる。また、膨張層内に突出する第1中空リブ及び第2中空リブにより衝撃吸収部の剛性が適度に高まっているため、衝撃吸収部が衝撃荷重を受けても膨張層が一気に潰れず、衝撃エネルギーを効率良く吸収することができる。さらに、衝撃荷重が衝撃吸収部に作用すると、衝撃荷重により対向する一方のスキン層の内面に形成された第1中空リブ(第2中空リブ)が他方のスキン層に当接するとともに、対向する他方のスキン層に形成された第2中空リブ(第1中空リブ)が一方のスキン層に当接し、両中空リブが潰れることで、衝撃エネルギーをさらに効率良く吸収することができる。
請求項2に係る発明によれば、衝撃吸収部が成形体本体のパネル面から突出しているため、例えば自動車のドアにおけるキャリアプレートに適用した場合、ドアアウタパネルやドアトリム等と上記衝撃吸収部頂面との距離が短くなり、上記ドアアウタパネルやドアトリム等に取り付けられるパッドの厚さを小さくすることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は自動車のサイドドア1の断面図である。該サイドドア1はドアアウタパネル3とドアインナパネル5とからなるドア本体7を備え、該ドア本体7の上記ドアインナパネル5にこの発明の実施の形態に係る衝撃吸収樹脂成形体としての樹脂製キャリアプレート(ドアモジュール)9がシール材11を介して取り付けられ、ドアトリム13が上記キャリアプレート9を車室側から被うように上記ドアインナパネル5に取り付けられている。上記キャリアプレート9は繊維入りの熱可塑性樹脂で成形されている。図1中、15はドアアウタパネル3裏面側における乗員の腰部に対応する位置に設けられた発泡ウレタン等の緩衝材からなるパッドである。
上記キャリアプレート9は、その主体をなすパネル状の成形体本体としてのプレート本体17を備え、該プレート本体17の上記パッド15に対向する領域A1におけるドアアウタパネル3側の衝撃荷重を受ける部分(図1左側)のプレート面17aには、平面視矩形の衝撃吸収部19が立ち上がり部21を介して上記パッド15に対向するように車外側に一体に突設されている。上記プレート本体17の上記領域A1のうち立ち上がり部21を除く衝撃吸収部19は、図2及び図3にも示すように、ソリッド層からなる樹脂密度の高いスキン層23が表面に形成されるとともに、多数の空隙(図示せず)を有し上記スキン層23に比べて樹脂密度の低い膨張層25が内部に形成されている。この衝撃吸収部19は、後に製造方法のところで説明するが、成形型のキャビティ内に射出した熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂を膨張させることにより形成される。これに対し、上記領域A1の立ち上がり部21及び上記領域A1を除く領域A2のプレート本体17は、樹脂密度の高いソリッド層で形成されている。そして、上記衝撃吸収部19のスキン層23は立ち上がり部21(ソリッド層)を介して上記領域A2のプレート本体17(ソリッド層)と一体に連続している。
この発明の特徴として、上記衝撃吸収部19における衝撃荷重を受ける側(図1左側)のスキン層23の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部29aを有する3条の角パイプ状の第1中空リブ29が上下方向に互いに平行に離間するとともに、車体前後方向に延びるように上記膨張層25内に突出して一体に形成されている。また、上記衝撃吸収部19における衝撃荷重を受ける側と反対側(図1右側)のスキン層23の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部31aを有する4条の角パイプ状の第2中空リブ31が互いに平行に離間するとともに、車体前後方向に延びるように隣り合う第1中空リブ29間に対応して上記膨張層25内に一体に突出して形成されている。上記衝撃吸収部19の衝撃荷重を受ける側(図1左側)では、第1中空リブ29が外方に突出してスキン層23に突条部23aが形成されて、該突条部23aがスキン層23の一部を形成している。これに対し、上記衝撃吸収部19の衝撃荷重を受ける側と反対側(図1右側)では、第2中空リブ31は外方に突出せずスキン層23は平坦になっている。そして、第1中空リブ29の中空部29a及び第2中空リブ31の中空部31aの衝撃吸収部19厚み方向(図2の左右方向)の長さは、同等に設定されている。したがって、第1中空リブ29は突条部23aの突出分だけ膨張層21内への突出量が第2中空リブ31に比べて短くなっている。
このように、この実施の形態では、プレート本体17の領域A1の衝撃吸収部19表面にスキン層23を形成するとともに、該スキン層23の内部に多数の空隙を有する膨張層25を形成することで、キャリアプレート1の軽量化を図ることができる。
また、この実施の形態では、膨張層25内に第1中空リブ29及び第2中空リブ31を突設することで衝撃吸収部19の剛性を適度に高めることができるとともに、スキン層23から突出する突条部23aによっても衝撃吸収部19の剛性を高めることができ、衝撃吸収部19が衝撃荷重を受けても膨張層25が一気に潰れないようにして、衝撃エネルギーを効率良く吸収することができる。
さらに、この実施の形態では、衝撃吸収部19に作用する衝撃荷重により、対向する一方のスキン層23の内面に形成された第1中空リブ29(第2中空リブ31)が他方のスキン層23に当接するとともに、対向する他方のスキン層23に形成された第2中空リブ31(第1中空リブ29)が一方のスキン層23に当接することで、衝撃エネルギーをさらに効率良く吸収することができる。
即ち、図3により衝撃吸収のメカニズムを説明するに、図3のX方向から衝撃荷重が衝撃吸収部19に作用すると、先ず、衝撃荷重を受ける側(図3左側)のスキン層23が右方向に押圧される。左側のスキン層23における第1中空リブ29の膨張層25内への突出長さが右側のスキン層23における第2中空リブ31の膨張層25内への突出長さよりも短いため、上記押圧により左側のスキン層23が第2中空リブ31に当たり、これにより該第2中空リブ31が潰れながら左側のスキン層23はさらにX方向(右方向)に移動し、左側のスキン層23における第1中空リブ29が右側のスキン層23に当たり、これにより第1中空リブ29が潰れる。このようにして第2中空リブ31が潰れた後、第1中空リブ29が潰れることにより衝撃エネルギーを段階的に効率良く吸収することができる。
さらにまた、この実施の形態では、衝撃吸収部19をプレート本体17のプレート面17aからドアアウタパネル3側に突出させているので、ドアアウタパネル3と上記衝撃吸収部19頂面との距離が短くなり、ドアアウタパネル3に取り付けられたパッド15の厚さを小さくすることができる。
このような衝撃吸収部19を備えたキャリアプレート9は次のようにして製造される。
製造に際し、図4乃至図6に示すような成形型33を用意する。この成形型33は固定型35、可動型37及びスライド型39からなり、型閉じ状態でこれら三者間にキャビティ41を形成するようになっている。上記固定型35の成形面には、キャリアプレート9の衝撃吸収部19及び立ち上がり部21に対応するように矩形の凸部35aが突設され、該凸部35aには上記キャビティ41内に図示しない射出機から熱可塑性樹脂Rを射出するための樹脂通路35bが貫通形成されている。上記可動型37の成形面には、キャリアプレート9の衝撃吸収部19及び立ち上がり部21に対応するように挿入孔37aが図4の上下方向に貫通形成され、該挿入孔37aに上記スライド型39が上方から進退可能に挿入されているとともに、上記固定型35の凸部35aが型閉じ状態で下方から挿入されるようになっている。上記第1可動型37下端寄りの対向する一方(図4で右側)の側壁37bには、7個(図では2個のみ現れる)の貫通孔37cが上側に3個、下側に4個ずつ横方向(図4(b)の左右方向)に間隔をあけかつ上下方向に互い違いになるように貫通形成されている一方、他方(図で左側)の側壁37bには、7個(図では2個のみ現れる)の係止穴37dが上側に3個、下側に4個ずつ横方向に間隔をあけかつ上下方向に互い違いになるように、つまり上記各貫通孔37cに対応するように凹設され、上記各貫通孔37cには断面矩形板状の7本の中空リブ形成用のコアピン43が1本ずつ挿入されてその先端を上記各係止穴37dに挿入係止させるようになっている。上記7本のコアピン43の基端は図示しない流体圧シリンダに連結部材45を介して連結され、これらコアピン43は、型閉じ状態で衝撃吸収部19に対応するキャビティ41内を流体圧シリンダの伸縮作動により進退するようになっている。上記スライド型39の成形面39bには3条(図4(b)では2条示している)の矩形凹条部39aが上記第1中空リブ29に対応するように間隔をあけて凹設され、型閉じ状態で上側の3本のコアピン43を上記矩形凹条部39a内にスキン層23及び第1中空リブ29のリブの厚みに相当する隙間をあけて納めるようになっている。また、下側の4本のコアピン43は、固定型35の凸部35aの頂面である固定型35の成形面35cとの間にスキン層23の厚みに相当する隙間をあけてキャビティ41内に配置されるようになっている。
<製造方法>
まず、図4に示すように、可動型37を進出させて成形型33を型閉じする。この型閉じの前又は後において、スライド型39を前進させるとともに、7本のコアピン43を流体圧シリンダ(図示せず)の伸長作動によりキャビティ41内に進出させ、その先端を可動型37の側壁37bの係止穴37dに係止させる。
次いで、射出機(図示せず)からガラス繊維等の繊維(図示せず)が入った熱可塑性樹脂R(例えば繊維入りポリプロピレン樹脂)を樹脂通路35bを経てキャビティ41内に射出充填する。
その後、成形型33のキャビティ41内で熱可塑性樹脂Rが固化する過程で、すなわち、キャビティ41における成形型33の成形面近傍の上記熱可塑性樹脂Rにスキン層23が生成された時点で、スライド型39を型開き方向Bに後退させ、図5に示すように、キャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂Rを膨張させる。この際、第1可動型37は後退させない。このため、下側3本のコアピン43は、何ら移動することなく図4の状態に保持されている。上記スライド型39の後退位置は、図5(b)に示すように、スライド型39の成形面39bが上側のコアピン43の上端と略同一水平線上になるように後退させる。その結果、上記矩形状凹部39aの開放口には、スライド型39の後退前に生成されたスキン層23(突条部23a)が、スライド型39を後退させてもその影響を受けることなく上側コアピン43に付着した状態で存在する。
これにより、熱可塑性樹脂Rは、成形型33の成形面と接触する部分が型温の影響により早期に冷却されて樹脂密度の高いスキン層23が上記プレート本体17の領域A1の衝撃吸収部19形成箇所の表面層に、また立ち上がり部21及び上記領域A1を除く領域A2のプレート本体17にソリッド層がそれぞれ形成される。また、コアピン43表面と接触する部分にも同様に樹脂密度の高いソリッド層からなるリブが形成される。一方、熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、それまで成形型33で圧縮されている繊維(図示せず)が該圧縮から解放されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)、すなわち膨張圧で上記熱可塑性樹脂Rが膨張して上記領域A1のスキン層23で囲まれる内側に多数の空隙を有し上記スキン層23に比べて樹脂密度の低い膨張層25が形成された衝撃吸収部19がプレート本体17に一体に形成されたキャリアプレート9が得られる。
このようにして成形されたキャリアプレート9における衝撃吸収部19の衝撃荷重を受ける側(ドアアウタパネル3側)のスキン層23の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部29aを有する3条の第1中空リブ29が互いに離間して膨張層25内に突出するように一体に形成されているとともに、衝撃荷重を受ける側と反対側(ドアトリム13側)のスキン層23の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部31aを有する4条の第2中空リブ31が互いに離間して隣り合う第1中空リブ29間に対応して上記膨張層25内に突出するように一体に形成されている。これにより、衝撃吸収部19が膨張層25を有しないソリッド層のみからなる従来のキャリアプレートに比べて、キャリアプレート9の軽量化を図ることができる。なお、衝撃吸収部19を除く上記領域A1の立ち上がり部21及び上記領域A2のプレート本体17は、可動型37がスライド型39の後退時に後退せず、キャビティ容積が拡大しないので、樹脂密度の高いソリッド層になっている。
そして、成形型33のキャビティ41内でキャリアプレート9が十分に固化した段階で、図6のように、上記各コアピン43を流体圧シリンダの収縮作動によりキャビティ41から後退させて第1中空リブ29及び第2中空リブ31の各中空部29a,31aから引き抜き、その後、スライド型39とともに可動型37を後退させてキャリアプレート9を成形型33から脱型する。
このように、スライド型39を後退させて固定型35の凸部35a対応箇所のキャビティ容積を拡大させた後、各コアピン43をキャビティ41から後退させるだけで、衝撃吸収部19の剛性を適度に高めて軽量でありながら衝撃エネルギーを効率良く吸収し得るキャリアプレート9を簡単に製造することができる。
なお、上記の実施の形態では、第1中空リブ29の膨張層25内への突出長さを第2中空リブ31よりも短く設定したが、これとは逆に第1中空リブ29の突出長さを第2中空リブ31よりも長くなるように設定してもよい。この場合の成形型の一例として、第1中空リブ29を成形するコアピン43の衝撃吸収部19の厚み方向長さを、第2中空リブ31を成形するコアピン43より長くなるように設定すればよい。この場合の衝撃吸収のメカニズムは、上記の実施の形態と同様、突出長さの長い第1中空リブ29対向するスキン層23に当たって当該第1中空リブ29が潰れ、その後、上記対向するスキン層23側の第2中空リブ31が、先に潰れた第1中空リブ29のスキン層23に当たって潰れる。この場合も衝撃エネルギーを段階的に吸収することができる。さらに、第1中空リブ29及び第2中空リブ31の膨張層25内への突出長さは、同等にしてもよい。この場合の衝撃吸収のメカニズムは、衝撃吸収部19に衝撃荷重が作用すると、第1中空リブ29及び第2中空リブ31がそれぞれ対向するスキン層23にほぼ同時に当たり、ほぼ同時に潰れながら衝撃エネルギーを効率良く吸収する。
さらに、上記の実施の形態では、衝撃吸収部19が平面視矩形である場合を示したが、角形等その形状は問わない。また、小形の衝撃吸収部19を同一面上あるいは段差状に多数個集合させて配置してもよく、さらには衝撃吸収部19は、実施形態に限らず、車室内側へ突出するように形成してもよく、また、車室内外の両側に突設してもよい。さらに、第1中空リブ29及び第2中空リブ31の形状や個数も実施形態のものに限らず、また、衝撃吸収部19の衝撃荷重を受ける側の面のスキン層23は、突条部23aがなく平坦になっていてもよい。さらにまた、プレート本体17の衝撃吸収部19外側近傍部分あるいはプレート本体17の領域A2には、中空リブ29,31を有しないスキン層23及び膨張層25を形成してもよい。
また、上記の実施の形態では、繊維のスプリングバック現象を利用してキャリアプレート9に衝撃吸収部19を形成したが、熱可塑性樹脂Rに発泡材を含有させれば、スライド型39の後退移動を大きくして衝撃吸収部19の厚みを厚くした場合、スプリングバック現象における繊維の復元力(膨張圧)が不足しても、発泡材の発泡力(膨張圧)が繊維の復元力を補完して空隙を確実に形成することができて好ましい。また、繊維を混入せずに発泡材だけを混入した熱可塑性樹脂を用いて膨張層25を形成することも可能である。これらの場合、発泡材としては、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡材や、二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガスを用いる物理的発泡材等がある。
さらにまた、上記の実施の形態では、衝撃吸収樹脂成形体が自動車のサイドドアのキャリアプレート9である場合を示したが、インストルメントパネル、ドアトリム、ニーパッド等の自動車用パネルにも適用することができるものである。
この発明は、表面にスキン層が、内部に膨張層が形成された衝撃吸収部を成形体本体のパネル面に有する衝撃吸収樹脂成形体として有用である。
自動車のサイドドアの断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 図1における衝撃吸収部の一部拡大図である。 (a)はキャリアプレートの製造方法において成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図4(a)のIV−IV線における断面図である。 (a)は図4の成形型のスライド型を後退させて衝撃吸収部が成形された状態の製造工程の成形型断面図、(b)は図5(a)のV−V線における断面図である。 図5の成形型においてコアピンを第1中空リブ及び第2中空リブの中空部から引き抜いた状態の製造工程の成形型断面図である。
符号の説明
9 キャリアプレート(衝撃吸収樹脂成形体)
17 プレート本体(成形体本体)
19 衝撃吸収部
23 スキン層
25 膨張層
29 第1中空リブ
29a 中空部
31 第2中空リブ
31a 中空部

Claims (2)

  1. パネル状の成形体本体の少なくとも衝撃荷重を受ける部分に衝撃吸収部が形成された衝撃吸収樹脂成形体であって、
    上記衝撃吸収部は、成形型のキャビティ内に射出した熱可塑性樹脂が固化する過程でキャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂を膨張させることにより、ソリッド層からなるスキン層が表面に形成されるとともに多数の空隙を有する膨張層が内部に形成されてなり、
    上記衝撃吸収部における衝撃荷重を受ける側のスキン層の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部を有する複数条の第1中空リブが互いに離間して上記膨張層内に突出するように一体に形成され、
    上記衝撃吸収部における衝撃荷重を受ける側と反対側のスキン層の内面には、ソリッド層からなり内部に中空部を有する複数条の第2中空リブが互いに離間して隣り合う第1中空リブ間に対応して上記膨張層内に突出するように一体に形成されていることを特徴とする衝撃吸収樹脂成形体。
  2. 請求項1に記載の衝撃吸収樹脂成形体において、
    衝撃吸収部は、成形体本体のパネル面に突設されていることを特徴とする衝撃吸収樹脂成形体。
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