JP2007092104A - 銅板材のめっき装置およびめっき方法 - Google Patents

銅板材のめっき装置およびめっき方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銅板材に連続的なめっきを実施する場合に生じる品質的な欠陥を防止でき、かつ設備・維持コストが安価にできる、銅板材に適しためっき装置とめっき方法を提供する。
【解決手段】めっき装置10は、電解脱脂槽1(脱脂用電極1a、電解脱脂浴1b)と、電解溶解槽2(溶解用電極2a、電解溶解浴2b)と、電解めっき槽3(めっき用電極3a、電解めっき浴3b)と、銅板材11を巻戻すアンコイラー4と、銅板材11を巻取るリコイラー5と、脱脂用電極1aと結線された第1の正極6a及び溶解用電極2aと結線された第1の負極6bを有する第1の電源6と、溶解用電極2aと結線された第2の負極7b及びめっき用電極3aと結線された第2の正極7aを有する第2の電源7とを備え、銅板材11と直接接触するコンタクトローラを備えていない。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅または銅合金板材(以下、単に「銅板材」という)のめっき装置およびめっき方法に関し、特に、連続的なめっきを実施する場合に好適に使用できる銅板材のめっき装置およびめっき方法に関する。
プリント配線板の製造部材として、例えば、特許文献1には、「厚さが35μmから210μmの厚銅層からなる突起形成用金属層と、厚さが0.1μmから3.0μmのニッケル層からなるエッチングバリヤ層と、厚さが1μmから10μmの薄銅層からなる配線回路形成用金属箔」が記述されている。
その製造方法として、例えば、厚さが80μmの圧延銅板材(突起形成用金属層)に厚さが1μmのニッケルをめっきする方法がある。この場合のニッケルめっき層は、エッチングバリヤ層として機能するため、貫通穴(以下、ピンホールという)の無いことが重要な特性となる。
一方、フレキシブルプリント配線板の分野では、厚さが15〜20μm程度の銅板材にニッケルめっき(ニッケル合金めっきの場合もある)等の表面処理を施し、ポリイミド系樹脂フィルムとラミネート(積層)したり、あるいはポリイミド系樹脂の前駆体であるポリアミック酸を主成分とするワニスを塗布したりすることにより、フレキシブルプリント配線板が製造される(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
ここで、フレキシブルプリント配線板の表面処理においては、ニッケルめっき処理層の厚みが5〜20nm程度と、上述のプリント配線板の製造部材の場合よりも1〜3桁も薄いことから、処理層の欠陥部(ピンホール等)を低減することは極めて重要な課題である。また、将来の環境への負荷軽減を考慮した場合、ニッケルめっきにおいて不溶性陽極の使用、排水規制の項目に加えられたホウ酸や塩素ガスを発生する可能性のある塩化ニッケルの使用量削減は、望ましい方向と考えられる。
図3は、従来のめっき装置の基本構成を示す概略図である。銅板材への長尺連続めっきは、図3で示すようなめっき装置30で実施される(特許文献4、図2参照)。めっき装置30は、電解脱脂槽1、無電解溶解槽22、電解めっき槽3がこの順序で配置され、電解脱脂槽1と電解めっき槽3の前後にはそれぞれ銅板材への通電電極となるコンタクトローラ38a〜38dが設置されている。このコンタクトローラ38a〜38dはいずれも銅板材11の表面と接触し、第3の電源36及び第4の電源37から供給される電流を銅板材11に給電する。また、電解脱脂槽1と無電解溶解槽22の中間位置、無電解溶解槽22と電解めっき槽3の中間位置及び電解めっき槽3の下流側には、それぞれ水洗槽がある(図示せず)。めっき装置30の前後には、電解脱脂槽1側で銅板材11を巻きもどすアンコイラー4と、電解めっき槽3側で銅板材11を巻き取るリコイラー5が設置されている。
図3を用いて、電解めっきの工程を説明する。初めに、電解脱脂槽1で、カソード電解により銅板材11の表面から発生する水素ガスによって脱脂を行い、次に、無電解溶解槽22において、酸化剤を添加した硫酸溶液により銅板材11の表面を溶解活性化する。最後に、電解めっき槽3で、銅板材11の表面に電解めっきを実施する。
銅板材11への給電は、これと接触するコンタクトローラ38a〜38dにより実施するが、銅板材11の板形状は反りやうねり等のために長手方向、幅方向で微妙に変化しているため、銅板材11とコンタクトローラ38a〜38d間に局所的な離反が発生し、両者間の微小な空隙箇所でスパークが発生することがある。
銅板材11でスパークの発生した個所は、凹状又は凸状の表面欠陥となるため、この上に厚さが1μm程度のニッケルめっきを実施しても、スパーク個所がニッケルめっき層におけるピンホール発生の原因の1つとなる。
このスパーク対策としては、コンタクトローラ38a〜38dからの給電を板幅全体からでなく、板材幅方向の両端から実施する方法が考えられる。この場合、板材幅方向の両端でスパークした個所は、後工程においてスリッター等で切断除去する。しかし、この方法では材料の歩留が悪化すると同時に処理槽の幅も広くする必要があり、設備コストが上昇する等の短所がある。
また、一般に、銅板材11は圧延と焼鈍を繰り返すことにより製造するため、表面には細かい傷が存在する。この細かい傷の上に厚さが1μm程度のニッケルめっきを実施しても傷の個所がニッケルめっき層のピンホール原因の1つとなることもある。そのため、めっき前に銅板材11の表面を溶解して表面傷を除去することが重要である。
一方、ステンレス鋼部材のめっき装置として、コンタクトローラを使用しないめっき装置が知られている(特許文献4参照)。コンタクトローラを使用しないため、給電時におけるスパーク発生が皆無にできる旨が記載されている。
特開2004−31375号公報 特公平6−54829号公報 特開2005−8972号公報 特開平5−33195号公報
しかし、特許文献4記載のめっき装置は、ステンレス鋼部材用に限定され、銅材(例えば圧延銅板材)に用いた場合には、電解脱脂槽において銅材がアノード電解により溶解することになるため、脱脂と溶解を異なる槽で管理する方式には使用できない。
従って、本発明の目的は、銅板材に連続的なめっきを実施する場合に生じる品質的な欠陥を防止でき、かつ設備コストが安価にできる、銅板材に適しためっき装置とめっき方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、銅板材に連続的なめっきを実施する場合に生じる品質的な欠陥を防止でき、かつ設備コストが安価にでき、かつ脱脂と溶解を異なる槽で管理する方式に使用できる、銅板材に適しためっき装置とめっき方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、脱脂用電極が配置され、電解脱脂浴を収容している電解脱脂槽と、溶解用電極が配置され、電解溶解浴を収容している電解溶解槽と、めっき用電極が配置され、電解めっき浴を収容している電解めっき槽とがこの順序で直列に配置された銅板材のめっき装置であって、銅板材と直接接触する通電電極(コンタクトローラ)を備えておらず、かつ、前記脱脂用電極と結線された第1の正極及び前記溶解用電極と結線された第1の負極を有する第1の電源、並びに前記溶解用電極と結線された第2の負極及び前記めっき用電極と結線された第2の正極を有する第2の電源を備えることを特徴とする銅板材のめっき装置を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、脱脂用電極が配置され、電解脱脂浴を収容している電解脱脂槽と、無電解溶解浴を収容している無電解溶解槽と、めっき用電極が配置され、電解めっき浴を収容している電解めっき槽とがこの順序で直列に配置された銅板材のめっき装置であって、銅板材と直接接触する通電電極(コンタクトローラ)を備えておらず、かつ、電源として、前記めっき用電極と結線された正極及び前記脱脂用電極と結線された負極を有する電源のみを備えることを特徴とする銅板材のめっき装置を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、無接触給電状態で銅板材の電解脱脂、電解溶解及び電解めっきをこの順で実施する銅板材のめっき方法であって、前記電解脱脂は、電解脱脂槽を通過する銅板材がカソードとして作用することで前記銅板材から発生する水素ガスにより脱脂を実施するものであり、電解溶解は、電解溶解槽を通過する前記銅板材がアノードとして作用することで前記銅板材の表層を溶解活性化するものであり、かつ、電解めっきは、電解めっき槽を通過する前記銅板材がカソードとして作用して金属めっきを実施するものであることを特徴とする銅板材のめっき方法を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、無接触給電状態で銅板材の電解脱脂、無電解溶解及び電解めっきをこの順で実施する銅板材のめっき方法であって、前記電解脱脂は、電解脱脂槽を通過する銅板材がアノードとして作用することで前記銅板材から発生する酸素ガスにより脱脂を実施するものであり、無電解溶解は、無電解溶解槽における酸化剤の作用により前記銅板材の表層を溶解活性化するものであり、かつ、電解めっきは、電解めっき槽を通過する前記銅板材がカソードとして作用して金属めっきを実施するものであることを特徴とする銅板材のめっき方法を提供する。
本発明によれば、銅板材に連続的なめっきを実施する場合に生じる品質的な欠陥を防止でき、かつ設備コストが安価にできる。
〔本発明の第1の実施の形態〕
(めっき装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るめっき装置の基本構成を示す概略図である。めっき装置10は、脱脂用電極1aが配置され、電解脱脂浴1bを収容している電解脱脂槽1と、溶解用電極2aが配置され、電解溶解浴2bを収容している電解溶解槽2と、めっき用電極3aが配置され、電解めっき浴3bを収容している電解めっき槽3と、電解脱脂槽1側で銅板材11を巻きもどすアンコイラー4と、電解めっき槽3側で銅板材11を巻き取るリコイラー5と、脱脂用電極1aと結線された第1の正極6a及び溶解用電極2aと結線された第1の負極6bを有する第1の電源6と、溶解用電極2aと結線された第2の負極7b及びめっき用電極3aと結線された第2の正極7aを有する第2の電源7とを備える。電解脱脂槽1と電解溶解槽2の中間位置、電解溶解槽2と電解めっき槽3の中間位置及び電解めっき槽3の下流側には、それぞれ水洗槽がある(図示せず)。
めっき装置10には、銅板材11に接触給電する電極となるコンタクトローラ(図3で示したコンタクトローラ38a〜38d)が存在していない。
第1の電源6の第1の正極6aと電解脱脂槽1の脱脂用電極1aとを結線し、かつ、第1の電源6の第1の負極6bと電解溶解槽2の溶解用電極2aとを結線することにより、[第1の正極6a]−[脱脂用電極1a]−[銅板材11]−[溶解用電極2a]−[第1の負極6b]からなる給電回路が形成されている。
また、第2の電源7の第2の正極7aと電解めっき槽3のめっき用電極3aとを結線し、かつ、第2の電源7の第2の負極7bと電解溶解槽2の溶解用電極2aとを結線することにより、[第2の正極7a]−[めっき用電極3a]−[銅板材11]−[溶解用電極2a]−[第2の負極7b]からなる給電回路が形成されている。
電解脱脂浴1bとしては、例えば水酸化ナトリウムを用い、電解溶解浴2bとしては、例えば硫酸を用いる。また、電解めっき浴3bとしては、例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ほう酸を用いる。
アンコイラー4から巻き戻された銅板材11は、リコイラー5で巻き取られるまで連続走行し、その間に、直列に配列された電解脱脂槽1、電解溶解槽2、電解めっき槽3の各槽にて、この順に無接触給電状態で処理される。
電解脱脂槽1におけるカソード電解により銅板材11の表面から発生する水素ガスによって脱脂を実施し、次に電解溶解槽2におけるアノード電解によって銅板材11の表層を溶解活性化し、最後に電解めっき槽3で電解めっきを行う。電解溶解槽2を通過する銅板材11の表層はアノード電解により溶解するため、電解溶解浴2bには酸化剤が不用である。
〔第1の実施の形態の効果〕
(1)銅板材に接触給電する電極(コンタクトローラ)が存在していないため(間接給電であるため)、給電時のスパーク発生を皆無にできる。
(2)銅板材に連続的なめっきを実施する場合に生じる品質的な欠陥を防止でき、かつ接触や回転する部品数を低減できることから設備費および維持管理費が安価なめっき装置を提供できる。
(3)電解溶解浴に酸化剤が不用となり、酸化剤消耗による銅板材表面の品質劣化(経時変化)が解消される。
(4)銅板材の脱脂と溶解を異なる槽で管理できる。
〔本発明の第2の実施の形態〕
(めっき装置の構成)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るめっき装置の基本構成を示す概略図である。めっき装置20は、脱脂用電極1aが配置され、電解脱脂浴1bを収容している電解脱脂槽1と、無電解溶解浴22bを収容している無電解溶解槽22と、めっき用電極3aが配置され、電解めっき浴3bを収容している電解めっき槽3と、電解脱脂槽1側で銅板材11を巻きもどすアンコイラー4と、電解めっき槽3側で銅板材11を巻き取るリコイラー5と、めっき用電極3aと結線された正極26a及び脱脂用電極1aと結線された負極26bを有する電源26とを備える。電解脱脂槽1と無電解溶解槽2の中間位置、無電解溶解槽2と電解めっき槽3の中間位置及び電解めっき槽3の下流側には、それぞれ水洗槽がある(図示せず)。
めっき装置20には、めっき装置10と同様に、銅板材11に接触給電する電極となるコンタクトローラ(図3で示したコンタクトローラ38a〜38d)が存在していない。
電源26の正極26aと電解めっき槽3のめっき用電極3aとを結線し、かつ、電源26の負極26bと電解脱脂槽1の脱脂用電極1aとを結線することにより、[正極26a]−[めっき用電極3a]−[銅板材11]−[脱脂用電極1a]−[負極26b]からなる給電回路が形成されている。
電解脱脂浴1bとしては、例えば水酸化ナトリウムを用い、無電解溶解浴22bとしては、例えば硫酸と酸化剤を用いる。また、電解めっき浴3bとしては、例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ほう酸を用いる。
アンコイラー4から巻き戻された銅板材11は、リコイラー5で巻き取られるまで連続走行し、その間に、直列に配列された電解脱脂槽1、無電解溶解槽22、電解めっき槽3の各槽にて、この順に無接触給電状態で処理される。
このめっき装置20では、電解脱脂槽1におけるアノード電解により銅板材11の表面から発生する酸素ガスによって脱脂を実施し、次に無電解溶解槽22において銅板材11の表層を溶解活性化し、最後に電解めっき槽3で電解めっきを行う。
この方法では電源1個で脱脂とめっきが可能となるが、アノード電解脱脂で発生する酸素はカソード電解で発生する水素ガスの1/2の量であるから、ガスによる表面からの汚れの洗い出し作用は弱くなる。また、溶解能力も酸化剤の消耗により変化するため、めっき装置20に投入する銅板材11の表面油脂汚れ、表面傷を事前にコントロールする工程を設けることが望ましい。
〔第2の実施の形態の効果〕
(1)銅板材に接触給電する電極(コンタクトローラ)が存在していないため(間接給電であるため)、給電時のスパーク発生を皆無にできる。
(2)銅板材に連続的なめっきを実施する場合に生じる品質的な欠陥を防止でき、かつ接触や回転する部品数を低減できることから設備費および維持管理費が安価なめっき装置を提供できる。
(3)電源1個で脱脂とめっきが可能となるため、装置を簡略化することができる。
〔他の実施の形態〕
上記の第1および第2の実施の形態においては、めっき用電極3aとして可溶性電極を用いた場合について説明したが、めっき用電極3aとして不溶性電極を用いることもできる。
めっき用電極3aとして不溶性電極を用いる場合には、電解めっき浴3bとして望ましくは、硫酸ニッケル100g/L以上200g/L未満、クエン酸ナトリウム10g/L以上30g/L未満を添加しためっき液(めっき浴)を用いる。このときの処理条件としては、例えば、液温20〜50℃、電流密度1〜3A/dm、処理時間2秒〜5秒にて行う。
硫酸ニッケル濃度100g/L以上200g/L未満が良いのは、100g/L未満では液抵抗が非常に高くなるので、それに応じて電圧を高める必要が生じ、200g/L以上では使用する薬品量が多くなり(めっきに寄与しない余剰な薬品量が増大し)、どちらも非経済的であるからである。
また、pH緩衝剤としては、ホウ酸は用いずに、クエン酸塩、特にクエン酸ナトリウムを使用すると良い。クエン酸や他のクエン酸塩を使用することも可能であるが、pH緩衝性はクエン酸ナトリウムの方が高く、良好な結果が得られるからである。クエン酸ナトリウム濃度10g/L以上30g/L未満が良いのは、10g/L未満では必要なpH緩衝力を示さず、30g/L以上ではクエン酸の錯体化による電流効率の低下によりニッケルめっき膜厚が減少してしまうからである。
さらに、pHは2以上4未満とするのが良い(3.0以上3.8未満とするのがより良い)のは、pH2未満ではニッケルめっきの前に施した粗化処理によって銅箔表面に付着した銅めっきの凹凸がニッケルめっき液中で再溶解してしまう恐れがあり、pH4以上ではクエン酸ナトリウムのpH緩衝能力が弱く、変動が大きくなるからである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
(実施例1〜4)
上記の第1の実施の形態に係る図1のめっき装置10において、脱脂用電極1aの材質をSUS304、溶解用電極2aの材質をチタン、電解めっき用電極3aの材質をニッケル(可溶性陽極)とした。また、電解脱脂浴1bは水酸化ナトリウム40g/L、炭酸ナトリウム20g/L、電解溶解浴2bは硫酸50g/L、電解めっき浴3bは硫酸ニッケル300g/L、塩化ニッケル45g/L、ほう酸50g/Lを用いて、厚み0.08mm、幅620mmの圧延銅板材11に電解脱脂および電解溶解の電流密度を3種類変化させてNiめっきを行った(実施例1〜3)。
次に、電解めっき用電極3aの材質を白金めっきしたチタン板(不溶性陽極)とし、電解めっき浴3bとして硫酸ニッケル150g/L、クエン酸ナトリウム20g/Lを用いた以外は実施例1〜3と同様にして、実施例2と同じ電解脱脂条件および電解溶解条件にて圧延銅板材11にNiめっきを行った(実施例4)。
(比較例1〜4)
比較のために図3で示した従来のめっき装置30を用いてNiめっきを行った。脱脂用電極1aの材質はSUS304、電解めっき用電極3aの材質はニッケル(可溶性陽極)とし、電解脱脂浴1bは水酸化ナトリウム40g/L、炭酸ナトリウム20g/L、無電解溶解浴22bは硫酸50g/L、酸化剤(メルテックス株式会社製、商品名:エンプレートAD485)25g/L、電解めっき浴3bは硫酸ニッケル300g/L、塩化ニッケル45g/L、ほう酸50g/Lを用いて、厚み0.08mm、幅620mmの圧延銅板材11に電解脱脂の電流密度を3種類変化させてNiめっきを行った(比較例1〜3)。
次に、電解めっき用電極3aの材質を白金めっきしたチタン板(不溶性陽極)とし、電解めっき浴3bとして硫酸ニッケル150g/L、クエン酸ナトリウム20g/Lを用いた以外は比較例1〜3と同様にして、比較例2と同じ電解脱脂条件および電解溶解条件にて圧延銅板材11にNiめっきを行った(比較例4)。
得られた各処理材の表面を目視観察し、単位面積当たりのニッケルめっき欠陥部の個数を計測した。
Figure 2007092104
表1から明らかな通り、本発明の実施の形態に係るめっき装置10で処理した銅板材の表面には、ニッケルめっき表面でピンホール等の欠陥部が観察されなかった。一方、従来のめっき装置30で処理した銅板材の表面には、ニッケルめっき表面でピンホールや微小傷の欠陥部が多数観察された。
本発明の第1の実施の形態に係るめっき装置の基本構成を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係るめっき装置の基本構成を示す概略図である。 従来のめっき装置の基本構成を示す概略図である。
符号の説明
10,20,30:めっき装置
1:電解脱脂槽
1a:脱脂用電極
1b:電解脱脂浴
2,22:電解溶解槽
2a:溶解用電極
2b,22b:電解溶解浴
3:めっき槽
3a:めっき用電極
3b:めっき浴
4:アンコイラー
5:リコイラー
6:第1の電源
6a:第1の正極
6b:第1の負極
7:第2の電源
7a:第2の正極
7b:第2の負極
11:銅板材
26:電源
26a:正極
26b:負極
36:第3の電源
37:第4の電源
38a〜38d:コンタクトローラ

Claims (6)

  1. 脱脂用電極が配置され、電解脱脂浴を収容している電解脱脂槽と、溶解用電極が配置され、電解溶解浴を収容している電解溶解槽と、めっき用電極が配置され、電解めっき浴を収容している電解めっき槽とがこの順序で直列に配置された銅板材のめっき装置であって、
    銅板材と直接接触する通電電極を備えておらず、かつ、前記脱脂用電極と結線された第1の正極及び前記溶解用電極と結線された第1の負極を有する第1の電源、並びに前記溶解用電極と結線された第2の負極及び前記めっき用電極と結線された第2の正極を有する第2の電源を備えることを特徴とする銅板材のめっき装置。
  2. 前記電解溶解浴は、酸化剤を含有していないことを特徴とする請求項1記載の圧延銅板材のめっき装置。
  3. 脱脂用電極が配置され、電解脱脂浴を収容している電解脱脂槽と、無電解溶解浴を収容している無電解溶解槽と、めっき用電極が配置され、電解めっき浴を収容している電解めっき槽とがこの順序で直列に配置された銅板材のめっき装置であって、
    銅板材と直接接触する通電電極を備えておらず、かつ、電源として、前記めっき用電極と結線された正極及び前記脱脂用電極と結線された負極を有する電源のみを備えることを特徴とする銅板材のめっき装置。
  4. 前記めっき用電極は不溶性電極であり、前記電解めっき浴は硫酸ニッケルを100g/L以上200g/L未満およびクエン酸ナトリウムを10g/L以上30g/L未満含み、pHが2以上4未満であり、塩化ニッケルおよびホウ酸を含有しないめっき浴であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の銅板材のめっき装置。
  5. 無接触給電状態で銅板材の電解脱脂、電解溶解及び電解めっきをこの順で実施する銅板材のめっき方法であって、
    前記電解脱脂は、電解脱脂槽を通過する銅板材がカソードとして作用することで前記銅板材から発生する水素ガスにより脱脂を実施するものであり、電解溶解は、電解溶解槽を通過する前記銅板材がアノードとして作用することで前記銅板材の表層を溶解活性化するものであり、かつ、電解めっきは、電解めっき槽を通過する前記銅板材がカソードとして作用して金属めっきを実施するものであることを特徴とする銅板材のめっき方法。
  6. 無接触給電状態で銅板材の電解脱脂、無電解溶解及び電解めっきをこの順で実施する銅板材のめっき方法であって、
    前記電解脱脂は、電解脱脂槽を通過する銅板材がアノードとして作用することで前記銅板材から発生する酸素ガスにより脱脂を実施するものであり、無電解溶解は、無電解溶解槽において酸化剤の作用により前記銅板材の表層を溶解活性化するものであり、かつ、電解めっきは、電解めっき槽を通過する前記銅板材がカソードとして作用して金属めっきを実施するものであることを特徴とする銅板材のめっき方法。
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JP2007119902A (ja) * 2005-09-27 2007-05-17 Hitachi Cable Ltd ニッケルめっき液とその製造方法、ニッケルめっき方法およびプリント配線板用銅箔

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