JP2007092075A - 層間絶縁膜、その形成方法及び重合体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】比誘電率及び吸湿性が低いと共に機械的強度に優れた層間絶縁膜を提供する。
【解決手段】層間絶縁膜は、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマー、例えば置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体と、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマー、例えば置換シクロペンタノニル基を有する芳香族誘導体とが三次元的に重合した重合体よりなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体集積回路装置における多層配線に用いる層間絶縁膜及びその形成方法、並びに重合体組成物に関する。
半導体集積回路の高集積化の進展に伴い、金属配線同士の間の寄生容量である配線間容量の増加に起因する配線遅延時間の増大が半導体集積回路の高性能化の妨げとなっている。配線遅延時間は金属配線の抵抗と配線間容量との積に比例すし、いわゆるRC遅延と言われるものである。
従って、配線遅延時間を低減するためには、金属配線の抵抗を小さくするか又は配線間容量を小さくすることが必要である。
金属配線の抵抗を小さくするために、配線材料としてアルミ系合金に代えて銅又は銅合金を用いる技術が報告されている。銅又は銅合金はアルミ系合金材料の3分の2程度の比抵抗を有しているため、配線材料として銅材料を用いると、アルミ系合金材料を用いる場合に比べて、単純に計算すると配線遅延時間が3分の2に減少するので、1.5倍の高速化を実現することができる。
しかしながら、半導体集積回路の高集積化がさらに進展すると、銅材料からなる金属配線を用いる場合でも、配線遅延時間の増大によって、高速化が限界に達すると懸念されている。また、配線材料としての銅は、金又は銀についで比抵抗が小さいので、銅からなる金属配線に代えて金又は銀からなる金属配線を用いても、配線抵抗の低減は僅かである。
一方、配線間容量を低減するためには、層間絶縁膜の比誘電率を低くすることが必要である。従来、層間絶縁膜としては、シリコン酸化膜が用いられているが、シリコン酸化膜の比誘電率は4〜4.5程度であるから、シリコン酸化膜は、より高集積化された半導体集積回路における層間絶縁膜には採用し難いという問題がある。
そこで、比誘電率がシリコン酸化膜よりも低い層間絶縁膜として、フッ素添加シリコン酸化膜、低誘電率SOG膜、有機高分子膜及び多孔質膜が提案されている。
これら比誘電率が低い層間絶縁膜のなかでは、比誘電率を著しく低くすることができる多孔質膜が有望視されている。多孔質膜においては、膜中に導入される空孔の量(空孔率)を大きくすることにより、低誘電率化を実現している。
ところが、空孔率を増加すると、比誘電率を低くできるが、機械的特性(弾性率、硬さ又は密着性)の著しい劣化を引き起こす。機械的特性が劣化すると、集積化プロセス中において発生する様々な応力により、膜の剥がれ又は破壊が引き起こされることが懸念されている。ここでいう様々な応力とは、銅配線形成のためのメタルCMP(化学機械研磨)、プロセス中での熱処理による熱応力又はボンディングによる応力等である。
半導体集積回路で用いられる層間絶縁膜に求められる弾性率は少なくとも3GPa以上であるが、比誘電率が2以下である多孔質膜においては、弾性率は3GPaを大きく下回っている。
そこで、この課題を解決するために、近年、高規則性を有する多孔質シリカ膜又はダイアモンド構造を有する三次元有機高分子膜が提案されている。
高規則性を有する多孔質シリカ膜は、膜中に開口径が数nmのハニカム構造を規則的に形成することにより10GPa以上の弾性率を実現している。
また、ダイアモンド構造を有する三次元有機高分子膜は、ダイアモンド構造を二次元重合モノマーと三次元重合モノマーとの自己組織化重合により形成されており、等方的な機械強度の向上を実現している。また、比誘電率が2以下であっても弾性率としては10GPa程度を維持できている。
しかしながら、高規則性を有する多孔質シリカ膜は、吸湿性が高いという問題を有している共に、空孔の内壁を撥水処理する必要があるために形成方法が複雑であるという問題を有している。また、ハニカム構造のため、機械強度の大きさに異方性があり、機械強度が小さい方向では、従来の多孔質膜とほぼ同じ弾性率しか持っていない。
一方、ダイアモンド構造を有する三次元有機高分子膜は、重合体の分子構造に極性の高い結合を有している。すなわち、ダイアモンド構造を有する三次元有機高分子膜は、ポリイミド構造、ポリイミダゾール構造又はポリオキサゾール構造を有しており、これらの構造は、ヘテロ原子と呼ばれる窒素又は酸素を有する構造である。ポリイミド構造におけるC=O、ポリイミダゾール構造におけるN−H、及びポリオキサゾールにおける−O−は、いずれも、分極率が大きくて比誘電率を高くする効果を有していると共に、吸湿性を高める作用を有している。
従って、ダイアモンド構造を有する三次元有機高分子膜において、比誘電率を低くするためには、密度をより小さくする必要があるが、密度を小さくすると機械強度の劣化を引き起こすという問題がある。
前記に鑑み、本発明は、比誘電率及び吸湿性が低いと共に機械的強度に優れた層間絶縁膜及びその形成方法を提供すると共に、比誘電率及び吸湿性が低いと共に機械的強度に優れた重合体組成物を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、三次元有機高分子膜のダイアモンド構造を炭素及び水素のみにより構成するものであって、具体的には、以下の構成により実現される。
本発明に係る第1の層間絶縁膜は、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなることを特徴とする。
第1の層間絶縁膜によると、該第1の層間絶縁膜を構成する重合体は、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、層間絶縁膜の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、層間絶縁膜の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。なお、上記特許請求の範囲及び当該解決手段において、置換アセチレニル基とは、無置換のアセチレニル基を除く意味であり、同様に、置換シクロペンタノニル基とは、無置換のシクロペンタノニル基を除く意味である。
第1の層間絶縁膜において、第1のモノマーとしては、置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換アセチレニル基を有するメタン誘導体を用いることができる。
第1の層間絶縁膜において、第2のモノマーとしては、置換シクロペンタノニル基を有する芳香族誘導体を用いることができる。
本発明に係る第2の層間絶縁膜は、置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなることを特徴とする。
第2の層間絶縁膜によると、該第1の層間絶縁膜を構成する重合体は、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、層間絶縁膜の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、層間絶縁膜の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
第2の層間絶縁膜において、第1のモノマーとしては、置換アセチレニル基を有する芳香族誘導体を用いることができる。
第2の層間絶縁膜において、第2のモノマーとしては、置換シクロペンタノニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換シクロペンタノニル基を有するメタン誘導体を用いることができる。
本発明に係る第1の層間絶縁膜の形成方法は、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとを液相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、オリゴマーを基板上に塗布してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えている。
第1の層間絶縁膜の形成方法によると、第1の層間絶縁膜を構成する重合体は、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、層間絶縁膜の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、層間絶縁膜の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
本発明に係る第2の層間絶縁膜の形成方法は、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとを気相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、オリゴマーを基板上に堆積してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えている。
第2の層間絶縁膜の形成方法によると、第2の層間絶縁膜を構成する重合体は、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、層間絶縁膜の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、層間絶縁膜の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
第2の層間絶縁膜の形成方法において、気相での重合としては、熱重合反応又はプラズマ重合を用いることができる。
第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法において、第1のモノマーとしては、置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換アセチレニル基を有するメタン誘導体を用いることができる。
第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法において、第2のモノマーとしては、置換シクロペンタノニル基を有する芳香族誘導体を用いることができる。
第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法において、置換アセチレニル基の置換基としては、芳香族誘導体を用いることができる。
第1又は第2の層間絶縁膜の形成方法において、置換シクロペンタノニル基の置換基としては、芳香族化合物を用いることができる。
これらの置換基が芳香族誘導体である場合、芳香族誘導体としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルを用いることができる。
本発明に係る第3の層間絶縁膜の形成方法は、置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとを液相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、オリゴマーを基板上に塗布してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えている。
第3の層間絶縁膜の形成方法によると、第3の層間絶縁膜を構成する重合体は、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、層間絶縁膜の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、層間絶縁膜の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
本発明に係る第4の層間絶縁膜の形成方法は、置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとを気相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、オリゴマーを基板上に堆積してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えている。
第4の層間絶縁膜の形成方法によると、第4の層間絶縁膜を構成する重合体は、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、層間絶縁膜の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、層間絶縁膜の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
第4の層間絶縁膜の形成方法において、気相での重合としては、熱重合反応又はプラズマ重合反応を用いることができる。
第3又は第4の層間絶縁膜の形成方法において、第1のモノマーとしては、置換アセチレニル基を有する芳香族誘導体を用いることができる。
第3又は第4の層間絶縁膜の形成方法において、第2のモノマーとしては、置換シクロペンタノニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換シクロペンタノニル基を有するメタン誘導体を用いることができる。
第3又は第4の層間絶縁膜の形成方法において、置換アセチレニル基の置換基としては、芳香族誘導体を用いることができる。
第3又は第4の層間絶縁膜の形成方法において、置換シクロペンタノニル基の置換基としては、芳香族化合物を用いることができる。
これらの置換基が芳香誘導体である場合、芳香族誘導体としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルを用いることができる。
本発明に係る第1の重合体は、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる三次元構造を有する。
第1の重合体によると、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、重合体の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、重合体の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
第1の重合体において、第1のモノマーとしては、置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換アセチレニル基を有するメタン誘導体を用いることができる。
第1の重合体において、第2のモノマーとしては、置換シクロペンタノニル基を有する芳香族誘導体を用いることができる。
本発明に係る第2の重合体は、置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる三次元構造を有する。
第2の重合体によると、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいない。このため、重合体の分極率が小さいので、重合体の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、重合体の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
第2の重合体において、第1のモノマーとしては、置換アセチレニル基を有する芳香族誘導体を用いることができる。
第2の重合体において、第2のモノマーとしては、置換シクロペンタノニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換シクロペンタノニル基を有するメタン誘導体を用いることができる。
本発明に係る第1及び第2の層間絶縁膜、並びに第1〜第4の層間絶縁膜の形成方法によると、層間絶縁膜を構成する重合体は、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいないため、重合体の分極率が小さいので、層間絶縁膜の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、層間絶縁膜の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
本発明に係る第1及び第2の重合体組成物によると、炭素及び水素のみにより構成されており、窒素及び酸素を含んでいないため、重合体組成物の分極率が小さいので、重合体組成物の比誘電率が低くなると共に吸湿性も低くなる。また、重合体組成物の比誘電率が低いため、密度をあえて小さくする必要がないので、機械強度の劣化を引き起こすことがない。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る層間絶縁膜、その形成方法及び重合体組成物について説明する。
第1の実施形態に係る層間絶縁膜及び重合体組成物は、[化1]に示すような、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、[化2]に示すような、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合しており、[化3]に示すような重合体よりなる。
Figure 2007092075
Figure 2007092075
Figure 2007092075
尚、[化3]において、aは[化1]で表わされる第1のモノマーを示し、bは[化2]で表わされる第2のモノマーを示し、cはダイアモンド構造の内部に形成される分子サイズの空孔を示している。
第1のモノマーは、一般式:RC≡C−(但し、Rは置換基である)で表わされる置換アセチレニル基を有しており、置換基:Rとしては、水素、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン若しくはビフェニル等の芳香族誘導体を用いることができる。
第1のモノマーの具体例としては、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタン等の置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体、又はテトラ(アセチレニル)メタン等の置換アセチレニル基を有するメタン誘導体を用いることができる。
第2のモノマーは、[化4]に示す一般式で表わされる置換シクロペンタノニル基を有している。
Figure 2007092075
但し、[化4]におけるR、R、Rは、同種又は異種の置換基であって、置換基としては、水素、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン若しくはビフェニル等の芳香族誘導体を用いることができる。
第2のモノマーの具体例としては、ビス(シクロペンタノニル)ベンゼン等の芳香族誘導体を用いることができる。
第1の実施形態に係る層間絶縁膜の形成方法は、[化1]で表わされる第1のモノマーと[化2]で表わされる第2のモノマーとを液相で重合させて、[化5]で表わされるオリゴマーを形成した後、該オリゴマーを基板上に塗布してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した重合体よりなる層間絶縁膜を形成する方法である。
Figure 2007092075
以下、第1のモノマーとして1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンを用いると共に、第2のモノマーとしてビス(シクロペンタノニル)ベンゼンを用いて、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合したダイアモンド構造を有する重合体組成物及び層間絶縁膜の形成方法について、図1を参照しながら説明する。この重合反応は図1に示すように〔4,2〕-cycloaddition を基本反応系として用いる。
まず、1.4×10−3molの1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタン(第1のモノマー)と、2.8×10−3molのビス(シクロペンタノニル)ベンゼン(第2のモノマー)とを、100mlのメシチレンを溶媒として溶解させることにより得られる溶液を、160℃の温度下において、暗所窒素雰囲気下で還流させる。1時間の還流により第1のモノマーと第2のモノマーとを重合反応させた後、溶媒を留出し、その後、10倍に濃縮して固形分が10%の溶液とする。この状態では、溶液中において分子量が10000程度の高分子が生成されており、高分子ゾルの溶液となっている。また、この状態では、[化5]に示すような、第1のモノマーと第2のモノマーとが交互に共重合してなるオリゴマーが得られる。
次に、高分子ゾルの溶液を、室温まで冷やした後、スピンコーターを用いて3000回/分の回転数で8インチのシリコン基板に塗布する。その後、30秒間保持した後、ホットプレートを用いて160℃の温度下で1分間ベークした後、窒素雰囲気下における400℃の温度下で30分間のアニールを行なう。このようにすると、膜厚が320nmで、比誘電率が1.9である低誘電率膜が得られる。
次に、低誘電率膜をホットプレートを用いて160℃の温度下でベークして、膜中に残留するメシチレンを揮発させた後、400℃のアニールを行なって、膜中に残留する反応性基の反応を起こさせて、重合を完了させる。
ところで、出発原料である1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタン及びビス(シクロペンタノニル)ベンゼンの溶液中での濃度が高い場合には、ダイアモンド構造が崩れて、密度の高い構造になる恐れがある。これに対して、濃度が薄く且つ反応速度が遅い条件下においては、ダイアモンド構造の形成を促進することが可能となる。
また、ダイアモンド構造を確実に形成するためには、ビス(シクロペンタノニル)ベンゼンの過剰存在下において、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンの溶液を少量ずつ滴下しつつ反応させるという方法が好ましい。この方法によれば、ビス(シクロペンタノニル)ベンゼンの過剰存在下において滴下しつつ導入された1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンに対する4分子のビス(シクロペンタノニル)ベンゼンの付加反応が優先的に起きる。このため、直鎖的な重合反応及び不完全な3次元重合反応は起こらない。
まず、ビス(シクロペンタノニル)ベンゼンに対して1/4当量である1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンが滴下された時点で、しばらく滴下を中止して、反応を保持することにより、4分子のビス(シクロペンタノニル)ベンゼンの付加反応を完了させる。
次に、ビス(シクロペンタノニル)ベンゼンに対して1/4当量に相当する1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンをゆっくり滴下した後、しばらく滴下を中止し、反応を保持することにより、4分子のビス(シクロペンタノニル)ベンゼンが1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンに付加した付加体と、滴下した1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンとの付加反応を完了する。
これにより、ダイアモンド構造を有する、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンとビス(シクロペンタノニル)ベンゼンとが1:2で付加してなる付加体が形成される。
ところで、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタン同士の重合反応、及びビス(シクロペンタノニル)ベンゼン同士の重合反応は、金属触媒の存在下又は光照射の条件下でのみ進行するため、第1の実施形態では、熱的には反応は起こらず、逐次共重合となり、いわば、三次元のリビング重合を行なっていることになる。すなわち、三次元のリビング重合法を用いることにより、化学量論比的であり且つ三次元構造を制御した重合反応が可能になる。
第1の実施形態の重合方法は、ポリフェニレン系の高分子構造を有する有機低誘電率膜よりなる層間絶縁膜の合成方法として、実用化されている。
ところが、このポリフェニレン系高分子は、直鎖構造を有する高分子を主体とし、これらが架橋した構造を有している。このため、比誘電率は2.6程度に留まっており、比誘電率を一層低くするためには、多孔質を促進しなければならない。この多孔質化は、前述したように機械強度の劣化を招いてしまう。
これに対して、第1の実施形態においては、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる重合体組成物よりなるため、内部に分子サイズの空孔を有するダイアモンド構造を実現できる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る層間絶縁膜、その形成方法及び重合体組成物について説明する。
第2の実施形態に係る層間絶縁膜及び重合体組成物は、[化6]に示すような、置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、[化7]示すような、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合しており、[化8]に示すような重合体よりなる。
Figure 2007092075
Figure 2007092075
Figure 2007092075
第1のモノマーは、一般式:RC≡C−(但し、Rは置換基である)で表わされる置換アセチレニル基を有しており、置換基:Rとしては、水素、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン若しくはビフェニル等の芳香族誘導体を用いることができる。
第1のモノマーの具体例としては、1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼン等の芳香族誘導体を用いることができる。
第2のモノマーは、[化9]に示す一般式で表わされる置換シクロペンタノニル基を有している。
Figure 2007092075
但し、[化9]におけるR、R、Rは、同種又は異種の置換基であって、置換基としては、水素、又はベンゼン、ナフタレン、アントラセン若しくはビフェニル等の芳香族誘導体を用いることができる。
第2のモノマーの具体例としては、1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタン等のアダマンタン誘導体、又はテトラ(シクロペンタノニル)メタン等のメタン誘導体を用いることができる。
第2の実施形態に係る層間絶縁膜の形成方法は、[化6]で表わされる第1のモノマーと[化7]で表わされる第2のモノマーとを液相で重合させて、[化10]で表わされるオリゴマーを形成した後、該オリゴマーを基板上に塗布してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した重合体よりなる層間絶縁膜を形成する方法である。
Figure 2007092075
以下、第1のモノマーとして1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンを用いると共に、第2のモノマーとして1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンを用いて、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合したダイアモンド構造を有する重合体組成物及び層間絶縁膜の形成方法について、図2を参照しながら説明する。この重合反応は図2に示すように〔4,2〕-cycloaddition を基本反応系として用いる。
まず、2.8×10−3molの1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼン(第1のモノマー)と、1.4×10−3molの1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタン(第2のモノマー)とを、100mlのメシチレンを溶媒として溶解させることにより得られる溶液を、160℃の温度下において、暗所窒素雰囲気下で還流させる。1時間の還流により第1のモノマーと第2のモノマーとを重合反応させた後、溶媒を留出し、その後、10倍に濃縮して固形分が10%の溶液とする。この状態では、溶液中において分子量が10000程度の高分子が生成されており、高分子ゾルの溶液となっている。また、この状態では、[化5]に示すような、第1のモノマーと第2のモノマーとが交互に共重合してなるオリゴマーが得られる。
次に、高分子ゾルの溶液を、室温まで冷やした後、スピンコーターを用いて3000回/分の回転数で8インチのシリコン基板に塗布する。その後、30秒間保持した後、ホットプレートを用いて160℃の温度下で1分間ベークした後、窒素雰囲気下における400℃の温度下で30分間のアニールを行なう。このようにすると、膜厚が320nmで、比誘電率が1.9である低誘電率膜が得られる。
次に、低誘電率膜をホットプレートを用いて160℃の温度下でベークして、膜中に残留するメシチレンを揮発させた後、400℃のアニールを行なって、膜中に残留する反応性基の反応を起こさせて、重合を完了させる。
ところで、出発原料である1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタン及び1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンの溶液中での濃度が高い場合には、ダイアモンド構造が崩れて、密度の高い構造になる恐れがある。これに対して、濃度が薄く且つ反応速度が遅い条件下においては、ダイアモンド構造の形成を促進することが可能となる。
また、ダイアモンド構造を確実に形成するためには、1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンの過剰存在下において、1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンの溶液を少量ずつ滴下しつつ反応させるという方法をとることができる。この方法によれば、1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンの過剰存在下において滴下しつつ導入された1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンに対する4分子の1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンの付加反応が優先的に起きる。このため、直鎖的な重合反応及び不完全な3次元重合反応は起こらない。
まず、1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンに対して1/4当量である1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンが滴下された時点で、しばらく滴下を中止して、反応を保持することにより、4分子の1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンの付加反応を完了させる。
次に、1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンに対して1/4当量に相当する1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンをゆっくり滴下した後、しばらく滴下を中止し、反応を保持することにより、4分子の1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンが1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンに付加した付加体と、滴下した1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンとの付加反応を完了する。
これにより、ダイアモンド構造を有する、1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンと1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼンとが1:2で付加してなる付加体が形成される。
ところで、1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタン同士の重合反応、及び1,3−ビス(アセチレニル)ベンゼン同士の重合反応は、金属触媒存在下又は光照射の条件下でのみ進行するため、第2の実施形態では、熱的には反応は起こらず、逐次共重合となり、いわば、3次元のリビング重合を行っていることになる。すなわち、三次元のリビング重合法を用いることにより、化学量論比的であり且つ三次元構造を制御した重合反応が可能になる。
第2の実施形態の重合方法は、ポリフェニレン系の高分子構造を有する有機低誘電率膜よりなる層間絶縁膜の合成方法として、実用化されている。
ところが、このポリフェニレン系高分子は、直鎖構造を有する高分子を主体とし、これらが架橋した構造を有している。このため、比誘電率は2.6程度に留まっており、比誘電率を一層低くするためには、多孔質を促進しなければならない。この多孔質化は、前述したように機械強度の劣化を招いてしまう。
これに対して、第2の実施形態においては、置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる重合体組成物よりなるため、内部に分子サイズの空孔を有するダイアモンド構造を実現できる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る層間絶縁膜、その形成方法及び重合体組成物について説明する。
第3の実施形態に係る層間絶縁膜及び重合体組成物は、第1の実施形態と同様、置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる重合体よりなる。従って、第1のモノマー及び第2のモノマーについての説明は省略する。
第1の実施形態が液相での重合方法であるのに対して、第3の実施形態は気相での重合方法である。
そこで、気相での重合方法に用いる平行平板型CVD装置の概略について、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、真空排気系10により内部が真空状態に保持されるチャンバー11の下部には、下部電極となる試料台12が設けられており、該試料台12の上には半導体ウェハ13が保持される。尚、試料台12には加熱手段14が設けられている。チャンバー11の上部には対向電極15が設けられており、該対向電極15には高周波電源16から高周波電力が印加されることにより、チャンバー11の内部においてプラズマ放電が行なわれる。
前駆体溶液17を貯蔵している加圧容器18にヘリウムガスを供給することにより、前駆体溶液17はヘリウムガスの圧力によってマスフロー19を介してチャンバー11の内部に供給される。
第3の実施形態に係る層間絶縁膜の形成方法は、[化1]で表わされる第1のモノマーと[化2]で表わされる第2のモノマーとを気相で重合させて、[化5]で表わされるオリゴマーを形成した後、該オリゴマーを基板上に堆積してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した重合体よりなる層間絶縁膜を形成する方法である。
以下、第1のモノマーとして1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンを用いると共に、第2のモノマーとしてビス(シクロペンタノニル)ベンゼンを用いて、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合したダイアモンド構造を有する重合体組成物及び層間絶縁膜の形成方法について、図1を参照しながら説明する。この重合反応は図1に示すように〔4,2〕-cycloaddition を基本反応系として用いる。
まず、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタン(第1のポリマー)とビス(シクロペンタノニル)ベンゼン(第2のポリマー)との混合物を、例えば、1000mlのメシチレンに溶解して、前駆体溶液を得る。この場合、1.4×10−2molの1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンと、2.8×10−2molのビス(シクロペンタノニル)ベンゼンとを、メシチレン溶液に溶解して、固形分が10%程度である溶液を調整する。尚、ダイアモンド構造を形成するために、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンとビス(シクロペンタノニル)ベンゼンとのモル比としては1:2とした。
次に、前駆体溶液17を、加圧容器18に供給した後、例えばヘリウムガスの圧力によって、CVD装置のチャンバー11の内部に導入する。例えば、チャンバー11の圧力を665Paに設定して、該チャンバー11内に前駆体溶液17を10ml/minで導入すると共に、希釈ガスとしてはヘリウムガスを用いる。また、加熱手段14により、試料台12に保持されている半導体ウェハ13の温度を400℃に設定する。
以上の条件で、3分間の処理を行なうと、半導体ウェハ13の上に250nmの厚さを有する低誘電率膜が堆積される。該低誘電率膜の比誘電率をHgプローブを用いてCV測定により測定した結果、比誘電率は2.4であった。
第1の実施形態で説明した液相での重合方法に比べて、比誘電率が高くなったのは、反応系の制御が不完全であることに由来すると考えられる。すなわち、第3の実施形態で用いる熱CVD法では、前駆体溶液として、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンとビス(シクロペンタノニル)ベンゼンとの混合溶液を用いたため、第1のモノマーと第2のモノマーとの重合がランダムに生じてしまうため、規則的な構造体を形成し難いものと考えられる。
そこで、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンとビス(シクロペンタノニル)ベンゼンとがメシチレンに別個に溶解した2種類の前駆体溶液を調整し、これらの前駆体溶液を別々にチャンバー11の内部に導入することが好ましい。以下、この方法について説明する。
まず、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンの前駆体溶液をチャンバー11内に1ml供給する。その後、単分子吸着量の1/2当量のビス(シクロペンタノニル)ベンゼンの前駆体溶液をチャンバー11内に1ml供給する。このように、1,3,5,7−テトラ(アセチレニル)アダマンタンの前駆体溶液とビス(シクロペンタノニル)ベンゼンの前駆体溶液とを交互にチャンバー11内に供給する動作を繰り返し行なう。例えば、3分間に1mlの前駆体溶液をそれぞれ交互に5回ずつ供給して、総供給量が10mlになるように設定する。このように、前駆体溶液を交互に供給すると、規則的なダイアモンド構造を形成することができ、得られる低誘電率の比誘電率は1.9であった。
ところで、熱CVD法による重合に代えて、プラズマCVD法による重合を行なうと、成膜速度を向上させることができる。すなわち、試料台12を接地した状態で、平板状の対向電極15に、例えば13.56MHzの高周波電力を50Wのパワーで印加することにより、プラズマ放電を行ないながら製膜する。その他の条件は、熱CVD法の場合と同様である。このように、プラズマCVD法により重合を行なうと、製膜速度は1.5倍以上に増加した。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る層間絶縁膜、その形成方法及び重合体組成物について説明する。
第4の実施形態に係る層間絶縁膜及び重合体組成物は、第2の実施形態と同様、置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる重合体よりなる。従って、第1のモノマー及び第2のモノマーについての説明は省略する。
第2の実施形態が液相での重合方法であるのに対して、第4の実施形態は気相での重合方法である。また、気相での重合に用いる平行平板型CVD装置については、第3の実施形態と同様であるから、説明は省略する。
第4の実施形態に係る層間絶縁膜の形成方法は、[化6]で表わされる第1のモノマーと[化7]で表わされる第2のモノマーとを気相で重合させて、[化10]で表わされるオリゴマーを形成した後、該オリゴマーを基板上に堆積してから重合させることにより、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合した重合体よりなる層間絶縁膜を形成する方法である。
以下、第1のモノマーとしてビス(アセチレニル)ベンゼンを用いると共に、第2のモノマーとして1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンを用いて、第1のモノマーと第2のモノマーとが三次元的に重合したダイアモンド構造を有する重合体組成物及び層間絶縁膜の形成方法について、図2を参照しながら説明する。この重合反応は図2に示すように〔4,2〕-cycloaddition を基本反応系として用いる。
まず、ビス(アセチレニル)ベンゼン(第1のモノマー)と1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタン(第2のモノマー)との混合物を、例えば、1000mlのメシチレンに溶解して、前駆体溶液を得る。この場合、2.8×10−2molのビス(アセチレニル)ベンゼンと、1.4×10−2molの1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンとを、メシチレン溶液に溶解して、固形分が10%程度である溶液を調整する。尚、ダイアモンド構造を形成するために、ビス(アセチレニル)ベンゼンと1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンとのモル比としては2:1とした。
次に、前駆体溶液17を、加圧容器18に供給した後、例えばヘリウムガスの圧力によって、CVD装置のチャンバー11の内部に導入する。例えば、チャンバー11の圧力を665Paに設定して、該チャンバー11内に前駆体溶液17を10ml/minで導入すると共に、希釈ガスとしてはヘリウムガスを用いる。また、加熱手段14により、試料台12に保持されている半導体ウェハ13の温度を400℃に設定する。
以上の条件で、3分間の処理を行なうと、半導体ウェハ13の上に250nmの厚さを有する低誘電率膜が堆積される。該低誘電率膜の比誘電率をHgプローブを用いてCV測定により測定した結果、比誘電率は2.4であった。
第2の実施形態で説明した液相での重合方法に比べて、比誘電率が高くなったのは、反応系の制御が不完全であることに由来すると考えられる。すなわち、第4の実施形態で用いる熱CVD法では、ビス(アセチレニル)ベンゼンと1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンとの混合溶液を用いたため、第1のモノマーと第2のモノマーとの重合がランダムに生じてしまうため、規則的な構造体を形成し難いものと考えられる。
そこで、ビス(アセチレニル)ベンゼンと1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンとが別個に溶解した前駆体溶液を調整し、それぞれの前駆体溶液を別々にチャンバー11の内部に導入することが好ましい。以下、この方法について説明する。
まず、1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンの前駆体溶液をチャンバー11内に1ml供給する。その後、単分子吸着量の1/2当量のビス(アセチレニル)ベンゼンの前駆体溶液をチャンバー11内に1ml供給する。このように、1,3,5,7−テトラ(シクロペンタノニル)アダマンタンの前駆体溶液とビス(アセチレニル)ベンゼンの前駆体溶液とを交互にチャンバー11内に供給する動作を繰り返し行なう。例えば、3分間に1mlの前駆体溶液をそれぞれ交互に5回ずつ供給して、総供給量が10mlになるように設定する。このように、前駆体溶液を交互に供給すると、規則的なダイアモンド構造を形成することができ、得られる低誘電率の比誘電率は1.9であった。
ところで、熱CVD法による重合に代えて、プラズマCVD法による重合を行なうと、成膜速度を向上させることができる。すなわち、試料台12を接地した状態で、平板状の対向電極15に、例えば13.56MHzの高周波電力を50Wのパワーで印加することにより、プラズマ放電を行ないながら製膜する。その他の条件は、熱CVD法の場合と同様である。このように、プラズマCVD法により重合を行なうと、製膜速度は1.5倍以上に増加した。
本発明は、半導体集積回路装置における多層配線に用いる層間絶縁膜及びその形成方法、並びに重合体組成物にとって有用である。
本発明の第1又は第3の実施形態に係る層間絶縁膜の形成方法における重合反応系を示す図である。 本発明の第2又は第4の実施形態に係る層間絶縁膜の形成方法における重合反応系を示す図である。 本発明の第3又は第4の実施形態に係る層間絶縁膜の形成方法に用いられる平行平板型CVD装置の概略図である。
符号の説明
10 真空排気系
11 チャンバー
12 試料台
13 半導体ウェハ
14 加熱手段
15 対向電極
16 高周波電源
17 前駆体溶液
18 加圧容器
19 マスフロー

Claims (34)

  1. 置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなることを特徴とする層間絶縁膜。
  2. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の層間絶縁膜。
  3. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有するメタン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の層間絶縁膜。
  4. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有する芳香族誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の層間絶縁膜。
  5. 置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなることを特徴とする層間絶縁膜。
  6. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有する芳香族誘導体であることを特徴とする請求項5に記載の層間絶縁膜。
  7. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有するアダマンタン誘導体であることを特徴とする請求項5に記載の層間絶縁膜。
  8. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有するメタン誘導体であることを特徴とする請求項5に記載の層間絶縁膜。
  9. 置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとを液相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、前記オリゴマーを基板上に塗布してから重合させることにより、前記第1のモノマーと前記第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする層間絶縁膜の形成方法。
  10. 置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとを気相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、前記オリゴマーを基板上に堆積してから重合させることにより、前記第1のモノマーと前記第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする層間絶縁膜の形成方法。
  11. 前記気相での重合は、熱重合反応であることを特徴とする請求項10に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  12. 前記気相での重合は、プラズマ重合反応であることを特徴とする請求項10に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  13. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体であることを特徴とする請求項9又は10に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  14. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有するメタン誘導体であることを特徴とする請求項9又は10に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  15. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有する芳香族誘導体であることを特徴とする請求項9又は10に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  16. 前記置換アセチレニル基の置換基は、芳香族誘導体であることを特徴とする請求項9又は10に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  17. 前記置換シクロペンタノニル基の置換基は、芳香族化合物であることを特徴とする請求項9又は10に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  18. 前記芳香族誘導体は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであることを特徴とする請求項16又は17に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  19. 置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとを液相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、前記オリゴマーを基板上に塗布してから重合させることにより、前記第1のモノマーと前記第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする層間絶縁膜の形成方法。
  20. 置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとを気相で重合させてオリゴマーを形成する工程と、前記オリゴマーを基板上に堆積してから重合させることにより、前記第1のモノマーと前記第2のモノマーとが三次元的に重合した三次元構造を有する重合体よりなる層間絶縁膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする層間絶縁膜の形成方法。
  21. 前記気相での重合は、熱重合反応であることを特徴とする請求項20に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  22. 前記気相での重合は、プラズマ重合反応であることを特徴とする請求項20に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  23. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有する芳香族誘導体であることを特徴とする請求項19又は20に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  24. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有するアダマンタン誘導体であることを特徴とする請求項19又は20に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  25. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有するメタン誘導体であることを特徴とする請求項19又は20に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  26. 前記置換アセチレニル基の置換基は、芳香族誘導体であることを特徴とする請求項19又は20に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  27. 前記置換シクロペンタノニル基の置換基は、芳香族化合物であることを特徴とする請求項19又は20に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  28. 前記芳香族誘導体は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はビフェニルであることを特徴とする請求項26又は27に記載の層間絶縁膜の形成方法。
  29. 置換アセチレニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる三次元構造を有する重合体。
  30. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換アセチレニル基を有するメタン誘導体であることを特徴とする請求項29に記載の重合体。
  31. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有する芳香族誘導体であることを特徴とする請求項29に記載の重合体。
  32. 置換アセチレニル基を有すると共に二次元方向に重合可能な第1のモノマーと、置換シクロペンタノニル基を有すると共に三次元方向に重合可能な第2のモノマーとが三次元的に重合してなる三次元構造を有する重合体。
  33. 前記第1のモノマーは、置換アセチレニル基を有する芳香族誘導体であることを特徴とする請求項32に記載の重合体。
  34. 前記第2のモノマーは、置換シクロペンタノニル基を有するアダマンタン誘導体又は置換シクロペンタノニル基を有するメタン誘導体であることを特徴とする請求項32に記載の重合体。
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