JP2007090975A - 制御システムのフェールセーフ制御装置 - Google Patents

制御システムのフェールセーフ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 システムを所定状態に維持するために設けられている部材のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にシステム所定状態を維持することができる制御システムのフェールセーフ制御装置を提供すること。
【解決手段】 システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材(バックアップクラッチ9)に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材(機械式リレー20)を追加設定し、前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラ(反力ECU-(A))と、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラ(転舵ECU-(B))とに分け、前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムのフェールセーフ制御装置に関する。
従来、ドライバーからの操舵入力を受ける操舵系と、操向輪を転舵する転舵系との間に機械的なつながりが無いステアバイワイヤシステムにおいて、失陥発生等によるバックアップ要求時、メカニカルバックアップ機構としてのバックアップクラッチを係合し、操舵系と転舵系とを機械的に連結することにより、フェールセーフモードを達成するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−75051号公報
しかしながら、失陥発生時にフェールセーフモードとなるシステムにおいて、フェールセーフモードを達成するためのソレノイドクラッチを、1つのコントローラでON/OFF制御しているため、フェールセーフ制御系がただ1つの制御系となり、ソレノイドクラッチとコントローラの何れかに失陥が発生すると、フェールセーフモードを維持できなくなる可能性がある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にシステム所定状態を維持することができる制御システムのフェールセーフ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、
前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けたことを特徴とする。
よって、本発明の制御システムのフェールセーフ制御装置にあっては、システムを所定状態に維持する制御系として、第1コントローラと第1部材による第1制御系と、第2コントローラと第2部材による第2制御系と、による2制御系統が成立する。
したがって、例えば、第2部材が失陥した場合、第1コントローラからの診断結果と、第2コントローラからの診断結果とが不一致となる。しかし、この場合、フェールセーフ制御手段において、両コントローラの診断結果が不一致である場合、第1部材あるいは第2部材の一方をONとしてシステムが所定状態(フェールセーフモード)に維持されることになる。
この結果、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にシステム所定状態を維持することができる。
以下、本発明の制御システムのフェールセーフ制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のフェールセーフ制御装置を適用したステアバイワイヤシステム(制御システムの一例)の全体構成図である。
前記ステアバイワイヤシステムは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル角度センサ2と、操舵反力モータ3と、操舵反力モータ角度センサ4と、転舵モータ5と、転舵モータ角度センサ6と、ピニオン角度センサ7と、タイロッド軸力センサ8と、バックアップクラッチ9(第1部材)と、コントローラ&駆動回路10と、操向輪11,11と、車両状態パラメータ12と、舵取り機構13と、を備えている。
前記バックアップクラッチ9は、ハンドル1及び操舵反力モータ3等を備えた操舵系と、舵取り機構13及び転舵モータ5等を備えた転舵系と、を連結する位置に設けている。
このバックアップクラッチ9は、開放することにより操舵系と転舵系を機械的に分離し、係合することにより操舵系と転舵系を機械的に連結する。
前記車両状態パラメータ12は、車速、ヨーレートや横(上下)加速度等の車両から得られるパラメータ(車両挙動状態量)を意味している。なお、ヨーレートや横加速度は、ヨーレートセンサ、横(上下)加速度センサを用いて実際に検出しても良いし、ハンドル角度と車速から算出した推定値を用いても良い。
前記コントローラ&駆動回路10には、前記ハンドル角度センサ2により検出されたハンドル角度と、前記操舵反力モータ角度センサ4により検出された前記操舵反力モータ3の角度と、前記転舵モータ角度センサ6により検出された前記転舵モータ5の角度と、前記ピニオン角度センサ7により検出されたピニオン角度と、前記タイロッド軸力センサ8により検出されたタイロッド軸力と、前記車両状態パラメータ12とが入力される。
図2はコントローラ&駆動回路10内(バックアップクラッチ9を除く)に構成されるフェールセーフ制御装置を適用した実施例1の制御システムを示すブロック図である。
実施例1の制御システムは、図2に示すように、バックアップクラッチ9と、機械式リレー20(第2部材、リレー)と、電源としてのバッテリ21と、反力ECU-(A)22(第1コントローラ、反力コントローラ)と、転舵ECU-(B)23(第2コントローラ、転舵コントローラ)と、接続ケーブル24と、を備えている。
実施例1の制御システムでは、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9の上流位置に、ノーマルオープン型の機械式リレー20を追加設定すると共に、ステアバイワイヤ制御ECUを、バックアップクラッチ9をON/OFF制御する反力ECU-(A)22と、機械式リレー20をON/OFF制御する転舵ECU-(B)23と、に分けた構成としている。
前記反力ECU-(A)22は、タイロッド軸力や車両状態パラメータ12から、操舵反力モータ3の操舵反力指令を演算し、操向輪11,11を転舵した際の路面状態を、操舵反力トルクとして模擬し、操舵反力モータ3に対する制御指令により、ドライバーへの操舵反力を制御する。
前記転舵ECU-(B)23は、ハンドル角度や車両状態パラメータ12から転舵モータ5への転舵指令を演算し、その制御指令を転舵モータ5に出力し、舵取り機構13を介した角度制御により操向輪11,11を転舵制御する。
前記接続ケーブル24は、便宜上、図2において1本線で記載しているが、実際には、電力供給線や信号線や通信線(CANやFlexRay等)等の複数の線から構成される。この接続ケーブル24により、前記反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23とは、各モータ3,5の制御状態やバックアップクラッチ9のON/OFF状態や自己診断結果の情報交換を行う。
前記反力ECU-(A)22には、反力制御系が正常であるか失陥であるかの自己診断を行う自己診断プログラムが組み込まれている。また、前記転舵ECU-(B)23には、転舵制御系が正常であるか失陥であるかの自己診断を行う自己診断プログラムが組み込まれている。さらに、前記反力ECU-(A)22と前記転舵ECU-(B)23には、互いの自己診断結果を情報交換し、2つの自己診断結果に基づいて、前記バックアップクラッチ9及び前記機械式リレー20のON/OFF制御をするフェールセーフ制御プログラム(図3)が、それぞれの自己診断プログラムと共に組み込まれている。なお、フェールセーフ制御では、バックアップクラッチ9のコイル電圧測定点である(ア)点と、機械式リレー20のコイル電圧測定点である(イ)点と、から(ア)/(イ)の電位が、Low/HighまたはHigh/LowまたはLow/Lowであるかが確認される。
上記構成により、システム起動前には、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対しても転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してもOFF指令の出力状態となることで、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9は係合状態である。
そして、システム起動後で、かつ、制御系が正常であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対しON指令を出力すると共に、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対しON指令を出力することで、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9が開放され、ステアバイワイヤ制御が実行される。
また、システム起動後、制御系が失陥であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対するOFF指令の出力、または、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対するOFF指令の出力によりノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9を係合し、機械的結合状態による操舵を確保するフェールセーフモードが維持される。
さらに、システム起動後に正常診断がなされ、その後、正常診断から失陥診断へ変更された時には、バックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御から、バックアップクラッチ9を係合してのフェールセーフモードへ移行する。
なお、フェールセーフモードでは、操舵反力モータ3と転舵モータ5のうち、少なくとも一方のモータの正常作動が確保されている場合、このモータを操舵力をアシストするアシストモータとし、電動パワーステアリング(EPS)機能を発揮させて操舵力を軽減させるようにしても良い。
図3は実施例1の反力ECU-(A)22及び転舵ECU-(B)23にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(フェールセーフ制御手段)。この処理は、システム起動時(機械式リレー20にOFF指令出力、バックアップクラッチ9にOFF指令出力で、バックアップクラッチ9が係合状態)のときに開始される。
(1) ステップS1では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS2及びステップS3では、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にOFF指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にOFF指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はLow/Highとなる。
(2) 反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、転舵ECU-(B)23自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS4へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力し、それ以外の場合は、ステップS5へ進んで、機械式リレー20へのOFF指令を維持する。
(3) ステップS6では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS7及びステップS8では、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にON指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にOFF指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はHigh/Lowとなる。
(4) 転舵ECU-(B)23は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS9へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し(バックアップクラッチ開放状態)、それ以外の場合は、ステップS10へ進んで、バックアップクラッチ9へのOFF指令を維持する。
(5) ステップS11では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS12及びステップS13では、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にON指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にON指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はLow/Lowとなる。
(6) 転舵ECU-(B)23と反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他ECUの結果がOKの場合にのみ、ステップS9へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続し、それ以外の場合は、ステップS14へ進んで、バックアップクラッチ9及び機械式リレー20へOFF指令を出力する。
上記処理は、バックアップクラッチ9が係合状態のときに開放状態に移行するべくバックアップクラッ9にON指令を出すバックアップクラッチON時制御である。一方、反力ECU-(A)22及び転舵ECU-(B)23にて実行されるバックアップクラッチ9が開放状態のときに係合状態に移行するべくバックアップクラッ9にOFF指令を出すバックアップクラッチOFF時制御は、上記の逆工程となる。
次に、作用を説明する。
[フェールセーフ制御作用]
従来、ステアバイワイヤシステムにおいて、失陥発生等によるバックアップ要求時、メカニカルバックアップ機構としてのバックアップクラッチを係合し、操舵系と転舵系とを機械的に連結することにより、フェールセーフモードを達成するシステムが知られている。
しかし、失陥発生時にフェールセーフモードとなるシステムにおいて、フェールセーフモードを達成するためのバックアップクラッチを、1つのコントローラでON/OFF制御しているため、フェールセーフ制御系がただ1つの制御系となり、クラッチのソレノイドアクチュエータとコントローラの何れかに失陥が発生すると、フェールセーフモードを維持できなくなる可能性がある。
これに対し、本発明のフェールセーフ制御装置では、第1部材をON/OFF制御する第1コントローラの診断結果と、第2部材をON/OFF制御する第2コントローラの診断結果が不一致である場合、第1部材あるいは第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けることで、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にシステム所定状態を維持することができるようにした。
実施例1では、前記システムをステアバイワイヤシステムとし、前記第1コントローラを、反力ECU-(A)22とし、前記第2コントローラは、転舵ECU-(B)23とし、前記第1部材を、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9とし、前記第2部材を、ノーマルオープン型の機械式リレー20としている。
すなわち、実施例1のフェールセーフ制御装置にあっては、ステアバイワイヤシステムをフェールセーフモード状態に維持する制御系として、反力ECU-(A)22とノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9による第1制御系と、転舵ECU-(B)23とノーマルオープン型の機械式リレー20による第2制御系と、による2制御系統が成立する構成を採用した。
したがって、例えば、機械式リレー20が失陥した場合、反力ECU-(A)22からの診断結果と、転舵ECU-(B)23からの診断結果とが不一致となる。しかし、この場合、フェールセーフ制御手段において、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23の診断結果が不一致である場合、バックアップクラッチ9を係合としてステアバイワイヤシステムがフェールセーフモードに維持されることになる。
この結果、ステアバイワイヤシステムをフェールセーフモードに維持するために設けられているバックアップクラッチ9と機械式リレー20のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にロックアップクラッチ9を係合して操舵系と転舵系を機械的に連結したフェールセーフモードを維持することができる。
[両制御系が正常であるとの診断時]
システム起動時において、リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断時には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS4での転舵ECU-(B)23からの機械式リレー20に対するON指令と、ステップS8での反力ECU-(A)22からのバックアップクラッチ9に対するON指令と、により係合されていたバックアップクラッチ9が開放され、その後、ステアバイワイヤ制御(反力制御と転舵制御)が実行される。
そして、バックアップクラッチ9の開放によるステアバイワイヤ制御中、転舵ECU-(B)23と反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他ECUの結果がOKの場合にのみ、つまり、リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常である状態を維持する限り、ステップS9→ステップS11→ステップS12→ステップS13へと進む流れが繰り返され、バックアップクラッチ9の開放状態が継続される。
[リレー及びクラッチへOFF出力状態での失陥時]
システム起動時において、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、転舵ECU-(B)23自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS4へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力する。
しかし、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果がNG)、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS5へと進み、ステップS5では、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対するOFF指令が維持される。
また、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであると確認されたが(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果がOK)、転舵ECU-(B)23において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23自身の診断結果がNG)、図3のフローチャートにおいて、ステップ1→ステップS2→ステップS3→ステップS5へと進み、ステップS5では、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対するOFF指令が維持される。
上記のように、実施例1のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、転舵ECU-(B)23は、反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果がOKで、かつ、転舵ECU-(B)23自身の診断結果がOKである場合以外は、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがONのまま故障したような場合、機械式リレー20へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
[リレーON出力状態でクラッチOFF出力状態での失陥時]
システム起動時において、転舵ECU-(B)23は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS9へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し、バックアップクラッチ9を開放状態にする。
しかし、転舵ECU-(B)23において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果がNG)、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS10へと進み、ステップS10では、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対するOFF指令が維持される。
また、転舵ECU-(B)23において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであると確認されたが(転舵ECU-(B)23から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果がOK)、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22自身の診断結果がNG)、図3のフローチャートにおいて、ステップ1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS10へと進み、ステップS10では、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対するOFF指令が維持される。
上記のように、実施例1のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20へON指令を出力し、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、反力ECU-(A)22は、転舵ECU-(B)23から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果がOKで、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKである場合以外は、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20へON指令を出力状態で、かつ、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、転舵ECU-(B)23が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがOFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
[リレー及びクラッチへON出力状態での失陥時]
リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断に基づき、機械式リレー20に対するON指令とバックアップクラッチ9に対するON指令によりバックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御中、転舵ECU-(B)23と反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他ECUの結果がOKの場合にのみ、ステップS9へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続する。
しかし、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果がNG)、図3のフローチャートにおいて、ステップS9→ステップS11→ステップS12→ステップS14へと進み、ステップS14では、反力ECU-(A)22からからバックアップクラッチ9に対してOFF指令が出力され、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令が出力される。
また、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであると確認されたが(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果がOK)、転舵ECU-(B)23において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23自身の診断結果がNG)、図3のフローチャートにおいて、ステップS9→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14へと進み、ステップS14では、反力ECU-(A)22からからバックアップクラッチ9に対してOFF指令が出力され、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令が出力される。
上記のように、実施例1のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力しているとき、転舵ECU-(B)23と反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他ECUの結果がOKの場合以外は、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力し、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22や転舵ECU-(B)23が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがON/OFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力及び機械式リレー20へのOFF指令出力により、開放されているバックアップクラッチ9を係合とし、フェールセーフモードに移行することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の制御システムのフェールセーフ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けたため、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にシステム所定状態を維持することができる。
(2) 前記システムは、ドライバーからの操舵入力を受ける操舵系と、操向輪11,11を転舵する転舵系との間に機械的なつながりが無いステアバイワイヤシステムであり、前記第1コントローラは、ドライバーに付与する操舵反力を制御する反力ECU-(A)22であり、前記第2コントローラは、操向輪11,11の転舵角を制御する転舵ECU-(B)23であるため、ステアバイワイヤシステムをフェールセーフモードに維持するために設けられている部材のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にフェールセーフモードを維持することができると共に、ステアバイワイヤ制御ECUを反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23とに機能分割したことで、ECU故障発生時の保守性向上(=クレーム費低減)を図ることができる。
(3) 前記第1部材は、バックアップ要求時に操舵系と転舵系とを機械的に連結するバックアップクラッチ9であり、前記第2部材は、前記バックアップクラッチ9のクラッチ断接を行う機械式リレー20であるため、ステアバイワイヤシステムをフェールセーフモードに維持するために設けられているバックアップクラッチ9と機械式リレー20のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にフェールセーフモードを維持することができる。
(4) 前記バックアップクラッチ9は、ノーマルクローズ型クラッチであり、前記機械式リレー20は、ノーマルオープン型リレーであるため、バックアップクラッチ9と機械式リレー20に対していずれもOFF指令によりバックアップクラッチ9が係合となり、電源断を含めてフェールセーフモードを達成することができる。
(5) 前記フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、転舵ECU-(B)23は、反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果がOKで、かつ、転舵ECU-(B)23自身の診断結果がOKである場合以外は、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令を出力するため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがONのまま故障したような場合、機械式リレー20へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
(6) 前記フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20へON指令を出力し、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、反力ECU-(A)22は、転舵ECU-(B)23から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果がOKで、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKである場合以外は、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力するため、機械式リレー20へON指令を出力状態で、かつ、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、転舵ECU-(B)23が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがOFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
(7) 前記フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力しているとき、転舵ECU-(B)23と反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他ECUの結果がOKの場合以外は、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力し、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令を出力するため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22や転舵ECU-(B)23が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがON/OFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力及び機械式リレー20へのOFF指令出力により、開放されているバックアップクラッチ9を係合とし、フェールセーフモードに移行することができる。
実施例2は、実施例1では反力ECUと転舵ECUとが共に1個であるのに対し、転舵ECUを1個増設して2個設けた例である。
図4はコントローラ&駆動回路10内(バックアップクラッチ9を除く)に構成されるフェールセーフ制御装置を適用した実施例2の制御システムを示すブロック図である。
実施例2の制御システムは、図4に示すように、バックアップクラッチ9と、機械式リレー20(第2部材、リレー)と、電源としてのバッテリ21と、反力ECU-(A)22(第1コントローラ、第1反力コントローラ)と、転舵ECU-(B)23(第2コントローラ、第1転舵コントローラ)と、接続ケーブル24と、転舵ECU-(C)25(第2コントローラ、第2転舵コントローラ)と、を備えている。
実施例2の制御システムでは、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9の上流位置に、ノーマルオープン型の機械式リレー20を追加設定すると共に、ステアバイワイヤ制御ECUを、バックアップクラッチ9をON/OFF制御する反力ECU-(A)22と、機械式リレー20をON/OFF制御する転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25と、に分けた構成としている。
前記反力ECU-(A)22は、実施例1と同様に、操舵反力モータ3に対する反力制御を行う。前記転舵ECU-(B)23は、実施例1と同様に、図外の第1転舵モータ5-1に対して転舵制御を行い、前記転舵ECU-(C)25は、実施例1と同様に、図外の第2転舵モータ5-2に対して転舵制御を行う。転舵制御は、通常、2個の転舵モータ5-1,5-2に対する協調制御を行い、転舵系の1個が失陥すると、正常な1個の転舵系を用いて転舵制御を続行する。
前記接続ケーブル24により、前記反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25とは、各モータ3,5の制御状態やバックアップクラッチ9のON/OFF状態や自己診断結果の情報交換を行う。
前記反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25には、それぞれ自己診断プログラムが組み込まれている。さらに、前記反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25とには、互いの自己診断結果を情報交換し、3つの自己診断結果に基づいて、前記バックアップクラッチ9及び前記機械式リレー20のON/OFF制御をするフェールセーフ制御プログラム(図6及び図7)が、それぞれの自己診断プログラムと共に組み込まれている。なお、フェールセーフ制御では、バックアップクラッチ9のコイル電圧測定点である(ア)点と、機械式リレー20のコイル電圧測定点である(イ)点と、から(ア)/(イ)の電位が、Low/HighまたはHigh/LowまたはLow/Lowであるかが確認される。
実施例2で示す反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25との3個のECUで構成するステアバイワイヤシステムの状態遷移図は図5に示すようになる。
すなわち、システム起動後で、かつ、制御系が正常であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対しON指令を出力すると共に、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対しON指令を出力することで、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9が開放され(クラッチOFF)、ステアバイワイヤ制御(SBW制御)が実行される。
このSBW制御中、転舵系の1個のモータが失陥すると、正常な1個の転舵系の転舵モータを用いてSBW制御を続行する。
SBW制御中、反力系の1個が失陥すると、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9を係合し、機械的結合状態による操舵を確保するフェールセーフモードに移行する。
このフェールセーフモードでは、2個の転舵系が正常に作動している状態から反力系の1個が失陥すると、2個の転舵モータ5-1,5-2を操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行され、さらに、2個の転舵モータ5-1,5-2のうち1個に失陥が発生すると、1個の転舵モータ5-1または5-2を操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。また、1個の転舵系の転舵モータを用いてSBW制御中に反力系の1個が失陥した場合にも、1個の転舵モータ5-1または5-2を操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。
さらに加えて、残り1個の転舵系までも失陥すると、操舵力アシストのない直結操舵へ移行する。
図6及び図7は実施例2の反力ECU-(A)22,転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(フェールセーフ制御手段)。この処理は、システム起動時(機械式リレー20にOFF指令出力、バックアップクラッチ9にOFF指令出力で、バックアップクラッチ9が係合状態)のときに開始される。
(1) ステップS21では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS22、ステップS23及びステップS24では、反力ECU-(A)22、転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にOFF指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にOFF指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はLow/Highとなる。
(2) 反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS25へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力し、それ以外の場合は、ステップS26へ進んで、機械式リレー20へのOFF指令を維持する。
(3) ステップS27では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS28、ステップS29及びステップS30では、反力ECU-(A)22、転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にON指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にOFF指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はHigh/Lowとなる。
(4) 転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果の少なくとも一方の結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS31へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し(バックアップクラッチ開放状態)、それ以外の場合は、ステップS32へ進んで、バックアップクラッチ9へのOFF指令を維持する。
(5) ステップS33では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS34、ステップS35、ステップS36では、反力ECU-(A)22、転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にON指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にON指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はLow/Lowとなる。
(6) 反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS31へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続し、それ以外の場合は、ステップS37へ進んで、バックアップクラッチ9及び機械式リレー20へOFF指令を出力する。
上記処理は、バックアップクラッチ9が係合状態のときに開放状態に移行するべくバックアップクラッ9にON指令を出すバックアップクラッチON時制御である。一方、反力ECU-(A)22及び転舵ECU-(B)23にて実行されるバックアップクラッチ9が開放状態のときに係合状態に移行するべくバックアップクラッ9にOFF指令を出すバックアップクラッチOFF時制御は、上記の逆工程となる。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[両制御系が正常であるとの診断時]
システム起動時において、リレー制御系(2個の転舵ECUのうち少なくとも1個)及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断時には、図6及び図7のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23(→ステップS24)→ステップS25→ステップS27→ステップS28(→ステップS29)→ステップS30→ステップS31へと進み、ステップS25での転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25からの機械式リレー20に対するON指令と、ステップS31での反力ECU-(A)22からのバックアップクラッチ9に対するON指令と、により係合されていたバックアップクラッチ9が開放され、その後、ステアバイワイヤ制御(反力制御と転舵制御)が実行される。
そして、バックアップクラッチ9の開放によるステアバイワイヤ制御中、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、つまり、リレー制御系(2個の転舵ECUのうち少なくとも1個)及びクラッチ制御系の何れもが正常である状態を維持する限り、ステップS31→ステップS33→ステップS34→ステップS35(→ステップS36)へと進む流れが繰り返され、バックアップクラッチ9の開放状態が継続される。
[リレー及びクラッチへOFF出力状態での失陥時]
システム起動時において、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS25へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力する。
しかし、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果がNG)、図6のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS26へと進み、ステップS26では、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対するOFF指令が維持される。
また、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであると確認されたが(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果がOK)、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の両方において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23自身の診断結果がNGで、転舵ECU-(C)25自身の診断結果がNG)、図6のフローチャートにおいて、ステップ21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS26へと進み、ステップS26では、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対するOFF指令が維持される。
上記のように、実施例2のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25は、反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果がOKで、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKである場合以外は、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがONのまま故障したような場合、機械式リレー20へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
[リレーON出力状態でクラッチOFF出力状態での失陥時]
システム起動時において、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その診断結果のうち少なくとも一方の結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS31へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し、バックアップクラッチ9を開放状態にする。
しかし、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果の両方がNG)、図6及び図7のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS27→ステップS28→ステップS29→ステップS32へと進み、ステップS32では、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対するOFF指令が維持される。
また、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25との少なくとも一方において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであると確認されたが(転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果のうち少なくとも一方の結果がOK)、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22自身の診断結果がNG)、図3のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS27→ステップS28(→ステップS29)→ステップS30→ステップS32へと進み、ステップS32では、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対するOFF指令が維持される。
上記のように、実施例2のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20へON指令を出力し、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、反力ECU-(A)22は、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の少なくとも一方から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果がOKで、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKである場合以外は、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20へON指令を出力状態で、かつ、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがOFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
[リレー及びクラッチへON出力状態での失陥時]
リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断に基づき、機械式リレー20に対するON指令とバックアップクラッチ9に対するON指令によりバックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御中、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS31へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続する。
しかし、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果がNG)、図7のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS33→ステップS34→ステップS37へと進み、ステップS37では、反力ECU-(A)22からからバックアップクラッチ9に対してOFF指令が出力され、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対してOFF指令が出力される。
また、反力ECU-(A)22において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであると確認されたが(反力ECU-(A)22から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果がOK)、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25自身の診断結果が共にNG)、図7のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS33→ステップS34→ステップS35→ステップS36→ステップS37へと進み、ステップS37では、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対してOFF指令が出力され、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令が出力される。
上記のように、実施例2のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力しているとき、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合以外は、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力し、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22が誤診断してしまうような失陥時や、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがON/OFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力及び機械式リレー20へのOFF指令出力により、開放されているバックアップクラッチ9を係合とし、フェールセーフモードに移行することができる。
[転舵ECUの2個分割作用]
実施例2のフェールセーフ制御装置では、反力ECUとして、反力ECU-(A)22を1個設け、転舵ECUとして、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の2個設けた。このため、転舵ECUが1個である実施例1に比べ、下記に列挙するメリットを得ることができる。
a) 転舵ECU-(B)23の失陥時には、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(C)25で、転舵ECU-(C)25の失陥時には、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23で、1個の転舵モータによるSBW制御(=1モータSBW)が可能となるため、バックアップクラッチ9は係合されず、ドライバーに違和感を与えることが少なくできる。言い換えると、失陥発生時に、失陥の内容やグレード(影響度)に応じて段階的に状態を遷移させることが可能となる。
b) 2個の転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25を用いるSBW制御時、協調制御により転舵ECU1個当たりの通電電流を減少させることができるため、モータ駆動回路の小型化が図られ、結果として転舵ECUを小型化することができる。
c) 高速走行時などの転舵制御に比較的高いトルクを必要としない、すなわち、複数のモータの同時作動を必要としない領域で、1モータSBW制御を積極的に活用することで、システムの低消費電力化が図られ、結果として燃費を向上することが可能となる。
d) 3個の反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25を、同一のハードウェアで構成することが可能となり、コスト低減や部品管理上の利便性向上が可能となる。
次に、効果を説明する。
実施例2の制御システムのフェールセーフ制御装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 反力ECUとして、反力ECU-(A)22を1個設け、転舵ECUとして、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の2個設け、フェールセーフ制御手段は、転舵系2個失陥が発生しない限り、転舵系1個失陥時にはSBW制御を維持するため、転舵系の1個が失陥してもフェールセーフモードへの移行を要さず、ドライバーへ違和感を与えるケースを少なくできるばかりでなく、転舵ECUの小型化や燃費の向上やコスト低減や部品管理上の利便性向上が可能となる。
実施例3は、実施例2では反力ECUが1個で転舵ECUが2個であるのに対し、反力ECUを1個増設して2個設けた例である。
図8はコントローラ&駆動回路10内(バックアップクラッチ9を除く)に構成されるフェールセーフ制御装置を適用した実施例3の制御システムを示すブロック図である。
実施例3の制御システムは、図8に示すように、バックアップクラッチ9と、機械式リレー20(第2部材、リレー)と、電源としてのバッテリ21と、反力ECU-(A)22(第1コントローラ、第1反力コントローラ)と、反力ECU-(D)26(第1コントローラ、第2反力コントローラ)と、転舵ECU-(B)23(第2コントローラ、第1転舵コントローラ)と、接続ケーブル24と、転舵ECU-(C)25(第2コントローラ、第2転舵コントローラ)と、を備えている。
実施例3の制御システムでは、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9の上流位置に、ノーマルオープン型の機械式リレー20を追加設定すると共に、ステアバイワイヤ制御ECUを、バックアップクラッチ9をON/OFF制御する反力ECU-(A)22及び反力ECU-(D)26と、機械式リレー20をON/OFF制御する転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25と、に分けた構成としている。
前記反力ECU-(A)22は、実施例1と同様に、図外の第1操舵反力モータ3-1に対する反力制御を行い、前記反力ECU-(D)26は、実施例1と同様に、図外の第2操舵反力モータ3-2に対する反力制御を行う。前記転舵ECU-(B)23は、実施例1と同様に、図外の第1転舵モータ5-1に対して転舵制御を行い、前記転舵ECU-(C)25は、実施例1と同様に、図外の第2転舵モータ5-2に対して転舵制御を行う。操舵反力制御は、通常、2個の操舵反力モータ3-1,3-2に対する協調制御を行い、反力系の1個が失陥すると、正常な1個の反力系を用いて操舵反力制御を続行する。転舵制御は、通常、2個の転舵モータ5-1,5-2に対する協調制御を行い、転舵系の1個が失陥すると、正常な1個の転舵系を用いて転舵制御を続行する。
前記接続ケーブル24により、前記反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25とは、各モータ3,5の制御状態やバックアップクラッチ9のON/OFF状態や自己診断結果の情報交換を行う。
前記反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25には、それぞれ自己診断プログラムが組み込まれている。さらに、前記反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25とには、互いの自己診断結果を情報交換し、4つの自己診断結果に基づいて、前記バックアップクラッチ9及び前記機械式リレー20のON/OFF制御をするフェールセーフ制御プログラム(図10乃至図12)が、それぞれの自己診断プログラムと共に組み込まれている。なお、フェールセーフ制御では、バックアップクラッチ9のコイル電圧測定点である(ア)点と、機械式リレー20のコイル電圧測定点である(イ)点と、から(ア)/(イ)の電位が、Low/HighまたはHigh/LowまたはLow/Lowであるかが確認される。
実施例3で示す反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25との4個のECUで構成するステアバイワイヤシステムの状態遷移図は図9に示すようになる。
すなわち、システム起動後で、かつ、制御系が正常であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対しON指令を出力すると共に、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対しON指令を出力することで、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9が開放され(クラッチOFF)、ステアバイワイヤ制御(SBW制御)が実行される。
このSBW制御中、転舵系の1個が失陥すると、正常な1個の転舵系の転舵モータを用いてSBW制御を続行する。SBW制御中、反力系の1個が失陥すると、正常な1個の反力系の操舵反力モータを用いてSBW制御を続行する。
SBW制御中、反力系の2個のモータが失陥したり転舵系の2個のモータが失陥すると、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9を係合し、機械的結合状態による操舵を確保するフェールセーフモードに移行する。
このフェールセーフモードで、反力系または転舵系で2個のモータの正常作動が確保される場合には、2個のモータを操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。さらに、2個のうち1個のモータに失陥が発生すると、1個のモータを操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。
さらに加えて、残り1個のモータまでも失陥すると、操舵力アシストのない直結操舵へ移行する。
図10乃至図12は実施例3の反力ECU-(A)22、反力ECU-(D)26、転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(フェールセーフ制御手段)。この処理は、システム起動時(機械式リレー20にOFF指令出力、バックアップクラッチ9にOFF指令出力で、バックアップクラッチ9が係合状態)のときに開始される。
(1) ステップS41では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS42、ステップS43、ステップS44、ステップS45では、反力ECU-(A)22、反力ECU-(D)26、転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にOFF指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にOFF指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はLow/Highとなる。
(2) 反力ECU-(A)22及び反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果の少なくとも一方がOK、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS46へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力し、それ以外の場合は、ステップS47へ進んで、機械式リレー20へのOFF指令を維持する。
(3) ステップS48では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS49、ステップS50、ステップS51、ステップS52では、反力ECU-(A)22、反力ECU-(D)26、転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にON指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にOFF指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はHigh/Lowとなる。
(4) 転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果の少なくとも一方の結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS53へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し(バックアップクラッチ開放状態)、それ以外の場合は、ステップS54へ進んで、バックアップクラッチ9へのOFF指令を維持する。
(5) ステップS55では、図2の(ア)/(イ)の電位を読み出し、ステップS56、ステップS57、ステップS58、ステップS59では、反力ECU-(A)22、反力ECU-(D)26、転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25のそれぞれにて図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるかを確認する。なお、ノーマルオープン型の機械式リレー20にON指令を出力し、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9にON指令を出力しているとき、ステアバイワイヤ制御系が正常であると、図2の(ア)/(イ)の電位はLow/Lowとなる。
(6) 反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS53へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続し、それ以外の場合は、ステップS60へ進んで、バックアップクラッチ9及び機械式リレー20へOFF指令を出力する。
上記処理は、バックアップクラッチ9が係合状態のときに開放状態に移行するべくバックアップクラッ9にON指令を出すバックアップクラッチON時制御である。一方、反力ECU-(A)22及び転舵ECU-(B)23にて実行されるバックアップクラッチ9が開放状態のときに係合状態に移行するべくバックアップクラッ9にOFF指令を出すバックアップクラッチOFF時制御は、上記の逆工程となる。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[両制御系が正常であるとの診断時]
システム起動時において、リレー制御系(2個の転舵ECUのうち少なくとも1個)及びクラッチ制御系(2個の反力ECUのうち少なくとも1個)の何れもが正常であるとの診断時には、図10乃至図12のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42(→ステップS43)→ステップS44(→ステップS45)→ステップS46→ステップS48→ステップS49(→ステップS50)→ステップS51(→ステップS52)→ステップS53へと進み、ステップS46での転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25からの機械式リレー20に対するON指令と、ステップS53での反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からのバックアップクラッチ9に対するON指令と、により係合されていたバックアップクラッチ9が開放され、その後、ステアバイワイヤ制御(反力制御と転舵制御)が実行される。
そして、バックアップクラッチ9の開放によるステアバイワイヤ制御中、反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、つまり、リレー制御系(2個の転舵ECUのうち少なくとも1個)及びクラッチ制御系(2個の反力ECUのうち少なくとも1個)の何れもが正常である状態を維持する限り、ステップS53→ステップS55→ステップS56(→ステップS57)→ステップS58(→ステップS59)へと進む流れが繰り返され、バックアップクラッチ9の開放状態が継続される。
[リレー及びクラッチへOFF出力状態での失陥時]
システム起動時において、反力ECU-(A)22及び反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果の少なくとも一方がOK、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS46へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力する。
しかし、反力ECU-(A)22及び反力ECU-(D)26において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22及び反力ECU-(D)26から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果が共にNG)、図10及び図11のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS47へと進み、ステップS47では、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対するOFF指令が維持される。
また、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26の少なくとも一方において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであると確認されたが(反力ECU-(A)22または及び反力ECU-(D)26から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23、転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果がOK)、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の両方において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Highであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23自身の診断結果がNGで、転舵ECU-(C)25自身の診断結果がNG)、図10及び図11のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44→ステップS45→ステップS47へと進み、ステップS47では、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対するOFF指令が維持される。
上記のように、実施例3のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25は、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ送られた診断結果の少なくとも一方がOKで、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKである場合以外は、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがONのまま故障したような場合、機械式リレー20へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
[リレーON出力状態でクラッチOFF出力状態での失陥時]
システム起動時において、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その診断結果のうち少なくとも一方の結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26自身の診断結果の少なくとも一方がOKの場合にのみ、ステップS53へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し、バックアップクラッチ9を開放状態にする。
しかし、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26へ送られた診断結果の両方がNG)、図11及び図12のフローチャートにおいて、ステップS48→ステップS49→ステップS50→ステップS54へと進み、ステップS54では、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対するOFF指令が維持される。
また、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25との少なくとも一方において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであると確認されたが(転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果のうち少なくとも一方の結果がOK)、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26において図2の(ア)/(イ)の電位がHigh/Lowであるとの確認がとれない場合(反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26自身の診断結果が共にNG)、図11及び図12のフローチャートにおいて、ステップS48→ステップS49→ステップS50→ステップS51→ステップS52→ステップS54へと進み、ステップS54では、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対するOFF指令が維持される。
上記のように、実施例3のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20へON指令を出力し、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力しているとき、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26は、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の少なくとも一方から接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ送られた診断結果がOKで、かつ、反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26自身の診断結果のうち少なくとも一方OKである場合以外は、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20へON指令を出力状態で、かつ、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがOFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
[リレー及びクラッチへON出力状態での失陥時]
リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断に基づき、機械式リレー20に対するON指令とバックアップクラッチ9に対するON指令によりバックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御中、反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS53へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続する。
しかし、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるとの確認が共にとれない場合(反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果が共にNG)、図12のフローチャートにおいて、ステップS53→ステップS55→ステップS56→ステップS57→ステップS60へと進み、ステップS60では、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対してOFF指令が出力され、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対してOFF指令が出力される。
また、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26の少なくとも一方において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであると確認されたが(反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26から接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25へ送られた診断結果の少なくとも一方がOK)、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25において図2の(ア)/(イ)の電位がLow/Lowであるとの確認がとれない場合(転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25自身の診断結果が共にNG)、図12のフローチャートにおいて、ステップS53→ステップS55→ステップS56→ステップS57→ステップS58→ステップS59→ステップS60へと進み、ステップS37では、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対してOFF指令が出力され、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対してOFF指令が出力される。
上記のように、実施例3のフェールセーフ制御装置において、フェールセーフ制御手段は、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力しているとき、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合以外は、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対してOFF指令を出力し、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対してOFF指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26が共に誤診断してしまうような失陥時や、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがON/OFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力及び機械式リレー20へのOFF指令出力により、開放されているバックアップクラッチ9を係合とし、フェールセーフモードに移行することができる。
[反力ECUの2個分割作用]
実施例3のフェールセーフ制御装置では、反力ECUとして、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26の2個設け、転舵ECUとして、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の2個設けた。このため、転舵ECUが1個である実施例1に比べ、実施例2に記載したメリットを得ることができるのに加え、反力ECUが1個である実施例2に比べ、下記に述べるメリットが追加される。
反力ECU-(A)22の失陥時には、反力ECU-(D)26と転舵ECU-(B)23/転舵ECU-(C)25で、反力ECU-(D)26の失陥時には、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23/転舵ECU-(C)25で、2個のモータによるSBW制御(=2モータSBW)が可能となるため、バックアップクラッチ9は係合されず、ドライバーに違和感を与えるケースが実施例2に場合よりさらに少なくできる。
次に、効果を説明する。
実施例3の制御システムのフェールセーフ制御装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 反力ECUとして、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26の2個設け、転舵ECUとして、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の2個設け、フェールセーフ制御手段は、反力系2個失陥または転舵系2個失陥が発生しない限り、反力系1個失陥時や転舵系1個失陥時にはSBW制御を維持するため、転舵系の1個が失陥しても反力系の1個が失陥してもフェールセーフモードへの移行を要さず、ドライバーへ違和感を与えるケースをさらに少なくできるばかりでなく、反力ECUや転舵ECUの小型化や燃費の向上やコスト低減や部品管理上の利便性向上が可能となる。
以上、本発明の制御システムのフェールセーフ制御装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22がバックアップクラッチ9をON/OFF制御し、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23が機械式リレー9をON/OFF制御する例を示したが、当然、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22が機械式リレー9をON/OFF制御し、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23がバックアップクラッチ9をON/OFF制御するように機能分担しても同様の効果を得ることができる。同じく、実施例1では、リレーとして、ノーマルオープン型の機械式リレー20で構成する例を示したが、当然、半導体式のリレーで構成しても同様の効果が得られる。
実施例2では、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22がバックアップクラッチ9をON/OFF制御し、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23/転舵ECU-(C)25が機械式リレー9をON/OFF制御する例を示したが、当然、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22が機械式リレー9をON/OFF制御し、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23/転舵ECU-(C)25がバックアップクラッチ9をON/OFF制御するように機能分担しても同様の効果を得ることができる。同じく、実施例2では、リレーとして、ノーマルオープン型の機械式リレー20で構成する例を示したが、当然、半導体式のリレーで構成しても同様の効果が得られる。
実施例3では、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26がバックアップクラッチ9をON/OFF制御し、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23/転舵ECU-(C)25が機械式リレー9をON/OFF制御する例を示したが、反対に、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23/転舵ECU-(C)25がバックアップクラッチ9をON/OFF制御し、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26が機械式リレー9をON/OFF制御するように機能分担しても良い。当然、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(D)26、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(C)25がバックアップクラッチ9をON/OFF制御し、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23が機械式リレー9をON/OFF制御するように機能分担したり、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(D)26、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(B)23がバックアップクラッチ9をON/OFF制御し、操舵反力モータ3を制御する反力ECU-(A)22、転舵モータ5を制御する転舵ECU-(C)25が機械式リレー9をON/OFF制御するように機能分担しても同様の効果が得られる。ちなみに、組み合わせとしては、2×2×2=8通り考えられる。同じく、実施例3では、リレーとして、ノーマルオープン型の機械式リレー20で構成する例を示したが、当然、半導体式のリレーで構成しても同様の効果が得られる。
実施例1〜3では、ステアバイワイヤシステムへの適用例を示したが、ブレーキバイワイヤシステムやアクセルバイワイヤシステムやシフトバイワイヤシステム等、様々な制御システムへ適用することができる。要するに、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムであれば適用できる。
実施例1のフェールセーフ制御装置を適用したステアバイワイヤシステム(制御システムの一例)の全体構成図である。 コントローラ&駆動回路10内(バックアップクラッチ9を除く)に構成されるフェールセーフ制御装置を適用した実施例1の制御システムを示すブロック図である。 実施例1の反力ECU-(A)22及び転舵ECU-(B)23にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャートである。 コントローラ&駆動回路10内(バックアップクラッチ9を除く)に構成されるフェールセーフ制御装置を適用した実施例2の制御システムを示すブロック図である。 反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25との3個のECUで構成する実施例2におけるステアバイワイヤシステムの状態遷移図である。 実施例2の反力ECU-(A)22,転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャート1である。 実施例2の反力ECU-(A)22,転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャート2である。 コントローラ&駆動回路10内(バックアップクラッチ9を除く)に構成されるフェールセーフ制御装置を適用した実施例3の制御システムを示すブロック図である。 反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25との4個のECUで構成する実施例3におけるステアバイワイヤシステムの状態遷移図である。 実施例3の反力ECU-(A)22,反力ECU-(D)26,転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャート1である。 実施例3の反力ECU-(A)22,反力ECU-(D)26,転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャート2である。 実施例3の反力ECU-(A)22,反力ECU-(D)26,転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25にて実行されるフェールセーフ制御処理の流れを示すフローチャート3である。
符号の説明
1 ハンドル
2 ハンドル角度センサ
3 操舵反力モータ
4 操舵反力モータ角度センサ
5 転舵モータ
6 転舵モータ角度センサ
7 ピニオン角度センサ
8 タイロッド軸力センサ
9 バックアップクラッチ(第1部材)
10 コントローラ&駆動回路
11,11 操向輪
12 車両状態パラメータ
13 舵取り機構
20 機械式リレー(第2部材、リレー)
21 バッテリ
22 反力ECU-(A)(第1コントローラ、第1反力コントローラ)
23 転舵ECU-(B)(第2コントローラ、第1転舵コントローラ)
24 接続ケーブル
25 転舵ECU-(C)(第2コントローラ、第2転舵コントローラ)
26 反力ECU-(D)(第1コントローラ、第2反力コントローラ)

Claims (11)

  1. システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、
    前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
    前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
    前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けたことを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  2. 請求項1に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記システムは、ドライバーからの操舵入力を受ける操舵系と、操向輪を転舵する転舵系との間に機械的なつながりが無いステアバイワイヤシステムであり、
    前記第1コントローラは、ドライバーに付与する操舵反力を制御する反力コントローラであり、
    前記第2コントローラは、操向輪の転舵角を制御する転舵コントローラであることを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  3. 請求項2に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記第1部材は、バックアップ要求時に操舵系と転舵系とを機械的に連結するバックアップクラッチであり、
    前記第2部材は、前記バックアップクラッチのクラッチ断接を行うリレーであることを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  4. 請求項2に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記バックアップクラッチは、ノーマルクローズ型クラッチであり、
    前記リレーは、ノーマルオープン型リレーであることを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  5. 請求項4に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記フェールセーフ制御手段は、前記ノーマルオープン型リレー及び前記ノーマルクローズ型クラッチへOFF指令を出力しているとき、前記転舵コントローラは、前記反力コントローラから転舵コントローラへ送られた診断結果がOKで、かつ、転舵コントローラ自身の診断結果がOKである場合以外は、転舵コントローラから前記ノーマルオープン型リレーに対してOFF指令を出力することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  6. 請求項4または5に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記フェールセーフ制御手段は、前記ノーマルオープン型リレーへON指令を出力し、前記ノーマルクローズ型クラッチへOFF指令を出力しているとき、反力コントローラは、転舵コントローラから反力コントローラへ送られた診断結果がOKで、かつ、反力コントローラ自身の診断結果がOKである場合以外は、反力コントローラから前記ノーマルクローズ型クラッチに対してOFF指令を出力することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  7. 請求項4乃至6の何れか1項に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記フェールセーフ制御手段は、前記ノーマルオープン型リレー及び前記ノーマルクローズ型クラッチへON指令を出力しているとき、前記転舵コントローラと反力コントローラは、診断結果を互いに交換し、自ら及び他のコントローラの結果がOKの場合以外は、反力コントローラから前記ノーマルクローズ型クラッチに対してOFF指令を出力し、転舵コントローラから前記ノーマルオープン型リレーに対してOFF指令を出力することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  8. 請求項2乃至7の何れか1項に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記反力コントローラとして、第1反力コントローラを1個設け、前記転舵コントローラとして、第1転舵コントローラと第2転舵コントローラの2個設け、
    前記フェールセーフ制御手段は、転舵系2個失陥が発生しない限り、転舵系1個失陥時にはステアバイワイヤ制御を維持することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  9. 請求項2乃至7の何れか1項に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
    前記反力コントローラとして、第1反力コントローラと第2反力コントローラを2個設け、前記転舵コントローラとして、第1転舵コントローラと第2転舵コントローラの2個設け、
    前記フェールセーフ制御手段は、反力系2個失陥または転舵系2個失陥が発生しない限り、反力系1個失陥や転舵系1個失陥時にはステアバイワイヤ制御を維持することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  10. システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、
    前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
    前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
    前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果とに基づいて、前記第1部材及び前記第2部材のON/OFFを制御するフェールセーフ制御手段を設けたことを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
  11. システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、
    前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
    前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
    前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
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