JP2007090975A - 制御システムのフェールセーフ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材(バックアップクラッチ9)に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材(機械式リレー20)を追加設定し、前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラ(反力ECU-(A))と、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラ(転舵ECU-(B))とに分け、前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けた。
【選択図】 図2
Description
前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けたことを特徴とする。
したがって、例えば、第2部材が失陥した場合、第1コントローラからの診断結果と、第2コントローラからの診断結果とが不一致となる。しかし、この場合、フェールセーフ制御手段において、両コントローラの診断結果が不一致である場合、第1部材あるいは第2部材の一方をONとしてシステムが所定状態(フェールセーフモード)に維持されることになる。
この結果、システムを所定状態に維持するために設けられている部材のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にシステム所定状態を維持することができる。
図1は、実施例1のフェールセーフ制御装置を適用したステアバイワイヤシステム(制御システムの一例)の全体構成図である。
前記ステアバイワイヤシステムは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル角度センサ2と、操舵反力モータ3と、操舵反力モータ角度センサ4と、転舵モータ5と、転舵モータ角度センサ6と、ピニオン角度センサ7と、タイロッド軸力センサ8と、バックアップクラッチ9(第1部材)と、コントローラ&駆動回路10と、操向輪11,11と、車両状態パラメータ12と、舵取り機構13と、を備えている。
このバックアップクラッチ9は、開放することにより操舵系と転舵系を機械的に分離し、係合することにより操舵系と転舵系を機械的に連結する。
実施例1の制御システムは、図2に示すように、バックアップクラッチ9と、機械式リレー20(第2部材、リレー)と、電源としてのバッテリ21と、反力ECU-(A)22(第1コントローラ、反力コントローラ)と、転舵ECU-(B)23(第2コントローラ、転舵コントローラ)と、接続ケーブル24と、を備えている。
そして、システム起動後で、かつ、制御系が正常であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対しON指令を出力すると共に、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対しON指令を出力することで、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9が開放され、ステアバイワイヤ制御が実行される。
また、システム起動後、制御系が失陥であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23から機械式リレー20に対するOFF指令の出力、または、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対するOFF指令の出力によりノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9を係合し、機械的結合状態による操舵を確保するフェールセーフモードが維持される。
さらに、システム起動後に正常診断がなされ、その後、正常診断から失陥診断へ変更された時には、バックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御から、バックアップクラッチ9を係合してのフェールセーフモードへ移行する。
なお、フェールセーフモードでは、操舵反力モータ3と転舵モータ5のうち、少なくとも一方のモータの正常作動が確保されている場合、このモータを操舵力をアシストするアシストモータとし、電動パワーステアリング(EPS)機能を発揮させて操舵力を軽減させるようにしても良い。
[フェールセーフ制御作用]
従来、ステアバイワイヤシステムにおいて、失陥発生等によるバックアップ要求時、メカニカルバックアップ機構としてのバックアップクラッチを係合し、操舵系と転舵系とを機械的に連結することにより、フェールセーフモードを達成するシステムが知られている。
しかし、失陥発生時にフェールセーフモードとなるシステムにおいて、フェールセーフモードを達成するためのバックアップクラッチを、1つのコントローラでON/OFF制御しているため、フェールセーフ制御系がただ1つの制御系となり、クラッチのソレノイドアクチュエータとコントローラの何れかに失陥が発生すると、フェールセーフモードを維持できなくなる可能性がある。
したがって、例えば、機械式リレー20が失陥した場合、反力ECU-(A)22からの診断結果と、転舵ECU-(B)23からの診断結果とが不一致となる。しかし、この場合、フェールセーフ制御手段において、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23の診断結果が不一致である場合、バックアップクラッチ9を係合としてステアバイワイヤシステムがフェールセーフモードに維持されることになる。
この結果、ステアバイワイヤシステムをフェールセーフモードに維持するために設けられているバックアップクラッチ9と機械式リレー20のいずれか1つに失陥が発生しても、確実にロックアップクラッチ9を係合して操舵系と転舵系を機械的に連結したフェールセーフモードを維持することができる。
システム起動時において、リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断時には、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS4での転舵ECU-(B)23からの機械式リレー20に対するON指令と、ステップS8での反力ECU-(A)22からのバックアップクラッチ9に対するON指令と、により係合されていたバックアップクラッチ9が開放され、その後、ステアバイワイヤ制御(反力制御と転舵制御)が実行される。
システム起動時において、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、転舵ECU-(B)23自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS4へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがONのまま故障したような場合、機械式リレー20へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
システム起動時において、転舵ECU-(B)23は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS9へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し、バックアップクラッチ9を開放状態にする。
このため、機械式リレー20へON指令を出力状態で、かつ、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、転舵ECU-(B)23が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがOFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断に基づき、機械式リレー20に対するON指令とバックアップクラッチ9に対するON指令によりバックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御中、転舵ECU-(B)23と反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他ECUの結果がOKの場合にのみ、ステップS9へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22や転舵ECU-(B)23が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがON/OFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力及び機械式リレー20へのOFF指令出力により、開放されているバックアップクラッチ9を係合とし、フェールセーフモードに移行することができる。
実施例1の制御システムのフェールセーフ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
実施例2の制御システムは、図4に示すように、バックアップクラッチ9と、機械式リレー20(第2部材、リレー)と、電源としてのバッテリ21と、反力ECU-(A)22(第1コントローラ、第1反力コントローラ)と、転舵ECU-(B)23(第2コントローラ、第1転舵コントローラ)と、接続ケーブル24と、転舵ECU-(C)25(第2コントローラ、第2転舵コントローラ)と、を備えている。
すなわち、システム起動後で、かつ、制御系が正常であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対しON指令を出力すると共に、反力ECU-(A)22からバックアップクラッチ9に対しON指令を出力することで、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9が開放され(クラッチOFF)、ステアバイワイヤ制御(SBW制御)が実行される。
このSBW制御中、転舵系の1個のモータが失陥すると、正常な1個の転舵系の転舵モータを用いてSBW制御を続行する。
SBW制御中、反力系の1個が失陥すると、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9を係合し、機械的結合状態による操舵を確保するフェールセーフモードに移行する。
このフェールセーフモードでは、2個の転舵系が正常に作動している状態から反力系の1個が失陥すると、2個の転舵モータ5-1,5-2を操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行され、さらに、2個の転舵モータ5-1,5-2のうち1個に失陥が発生すると、1個の転舵モータ5-1または5-2を操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。また、1個の転舵系の転舵モータを用いてSBW制御中に反力系の1個が失陥した場合にも、1個の転舵モータ5-1または5-2を操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。
さらに加えて、残り1個の転舵系までも失陥すると、操舵力アシストのない直結操舵へ移行する。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
[両制御系が正常であるとの診断時]
システム起動時において、リレー制御系(2個の転舵ECUのうち少なくとも1個)及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断時には、図6及び図7のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23(→ステップS24)→ステップS25→ステップS27→ステップS28(→ステップS29)→ステップS30→ステップS31へと進み、ステップS25での転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25からの機械式リレー20に対するON指令と、ステップS31での反力ECU-(A)22からのバックアップクラッチ9に対するON指令と、により係合されていたバックアップクラッチ9が開放され、その後、ステアバイワイヤ制御(反力制御と転舵制御)が実行される。
システム起動時において、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果がOK、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS25へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22が誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがONのまま故障したような場合、機械式リレー20へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
システム起動時において、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その診断結果のうち少なくとも一方の結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22自身の診断結果がOKの場合にのみ、ステップS31へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し、バックアップクラッチ9を開放状態にする。
このため、機械式リレー20へON指令を出力状態で、かつ、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがOFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断に基づき、機械式リレー20に対するON指令とバックアップクラッチ9に対するON指令によりバックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御中、反力ECU-(A)22は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS31へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22が誤診断してしまうような失陥時や、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがON/OFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力及び機械式リレー20へのOFF指令出力により、開放されているバックアップクラッチ9を係合とし、フェールセーフモードに移行することができる。
実施例2のフェールセーフ制御装置では、反力ECUとして、反力ECU-(A)22を1個設け、転舵ECUとして、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の2個設けた。このため、転舵ECUが1個である実施例1に比べ、下記に列挙するメリットを得ることができる。
a) 転舵ECU-(B)23の失陥時には、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(C)25で、転舵ECU-(C)25の失陥時には、反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23で、1個の転舵モータによるSBW制御(=1モータSBW)が可能となるため、バックアップクラッチ9は係合されず、ドライバーに違和感を与えることが少なくできる。言い換えると、失陥発生時に、失陥の内容やグレード(影響度)に応じて段階的に状態を遷移させることが可能となる。
b) 2個の転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25を用いるSBW制御時、協調制御により転舵ECU1個当たりの通電電流を減少させることができるため、モータ駆動回路の小型化が図られ、結果として転舵ECUを小型化することができる。
c) 高速走行時などの転舵制御に比較的高いトルクを必要としない、すなわち、複数のモータの同時作動を必要としない領域で、1モータSBW制御を積極的に活用することで、システムの低消費電力化が図られ、結果として燃費を向上することが可能となる。
d) 3個の反力ECU-(A)22と転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25を、同一のハードウェアで構成することが可能となり、コスト低減や部品管理上の利便性向上が可能となる。
実施例2の制御システムのフェールセーフ制御装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
実施例3の制御システムは、図8に示すように、バックアップクラッチ9と、機械式リレー20(第2部材、リレー)と、電源としてのバッテリ21と、反力ECU-(A)22(第1コントローラ、第1反力コントローラ)と、反力ECU-(D)26(第1コントローラ、第2反力コントローラ)と、転舵ECU-(B)23(第2コントローラ、第1転舵コントローラ)と、接続ケーブル24と、転舵ECU-(C)25(第2コントローラ、第2転舵コントローラ)と、を備えている。
すなわち、システム起動後で、かつ、制御系が正常であるとの診断時には、転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25から機械式リレー20に対しON指令を出力すると共に、反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からバックアップクラッチ9に対しON指令を出力することで、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9が開放され(クラッチOFF)、ステアバイワイヤ制御(SBW制御)が実行される。
このSBW制御中、転舵系の1個が失陥すると、正常な1個の転舵系の転舵モータを用いてSBW制御を続行する。SBW制御中、反力系の1個が失陥すると、正常な1個の反力系の操舵反力モータを用いてSBW制御を続行する。
SBW制御中、反力系の2個のモータが失陥したり転舵系の2個のモータが失陥すると、ノーマルクローズ型のバックアップクラッチ9を係合し、機械的結合状態による操舵を確保するフェールセーフモードに移行する。
このフェールセーフモードで、反力系または転舵系で2個のモータの正常作動が確保される場合には、2個のモータを操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。さらに、2個のうち1個のモータに失陥が発生すると、1個のモータを操舵力のアシストモータとするEPS制御が実行される。
さらに加えて、残り1個のモータまでも失陥すると、操舵力アシストのない直結操舵へ移行する。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
[両制御系が正常であるとの診断時]
システム起動時において、リレー制御系(2個の転舵ECUのうち少なくとも1個)及びクラッチ制御系(2個の反力ECUのうち少なくとも1個)の何れもが正常であるとの診断時には、図10乃至図12のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42(→ステップS43)→ステップS44(→ステップS45)→ステップS46→ステップS48→ステップS49(→ステップS50)→ステップS51(→ステップS52)→ステップS53へと進み、ステップS46での転舵ECU-(B)23または転舵ECU-(C)25からの機械式リレー20に対するON指令と、ステップS53での反力ECU-(A)22または反力ECU-(D)26からのバックアップクラッチ9に対するON指令と、により係合されていたバックアップクラッチ9が開放され、その後、ステアバイワイヤ制御(反力制御と転舵制御)が実行される。
システム起動時において、反力ECU-(A)22及び反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23へ診断結果(OK/NG)を送り、その結果の少なくとも一方がOK、かつ、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25自身の診断結果のうち少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS46へ進んで、機械式リレー20にON指令を出力する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがONのまま故障したような場合、機械式リレー20へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
システム起動時において、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25は、接続ケーブル24を用いて反力ECU-(A)22へ診断結果(OK/NG)を送り、その診断結果のうち少なくとも一方の結果がOK、かつ、反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26自身の診断結果の少なくとも一方がOKの場合にのみ、ステップS53へ進んで、バックアップクラッチ9にON指令を出力し、バックアップクラッチ9を開放状態にする。
このため、機械式リレー20へON指令を出力状態で、かつ、バックアップクラッチ9へOFF指令を出力している状態で、例えば、転舵ECU-(B)23及び転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがOFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力により、バックアップクラッチ9を係合としたままのフェールセーフモードを維持することができる。
リレー制御系及びクラッチ制御系の何れもが正常であるとの診断に基づき、機械式リレー20に対するON指令とバックアップクラッチ9に対するON指令によりバックアップクラッチ9を開放してのステアバイワイヤ制御中、反力ECU-(A)22/反力ECU-(D)26は、接続ケーブル24を用いて転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の診断結果(OK/NG)を交換し、自ら及び他の転舵ECUの少なくとも一方の結果がOKの場合にのみ、ステップS53へ進んで、バックアップクラッチ9へのON指令と機械式リレー20へのON指令を継続する。
このため、機械式リレー20及びバックアップクラッチ9へON指令を出力している状態で、例えば、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26が共に誤診断してしまうような失陥時や、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25が共に誤診断してしまうような失陥時や、機械式リレー20を駆動するトランジスタがON/OFFのまま故障したような場合、バックアップクラッチ9へのOFF指令出力及び機械式リレー20へのOFF指令出力により、開放されているバックアップクラッチ9を係合とし、フェールセーフモードに移行することができる。
実施例3のフェールセーフ制御装置では、反力ECUとして、反力ECU-(A)22と反力ECU-(D)26の2個設け、転舵ECUとして、転舵ECU-(B)23と転舵ECU-(C)25の2個設けた。このため、転舵ECUが1個である実施例1に比べ、実施例2に記載したメリットを得ることができるのに加え、反力ECUが1個である実施例2に比べ、下記に述べるメリットが追加される。
実施例3の制御システムのフェールセーフ制御装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
2 ハンドル角度センサ
3 操舵反力モータ
4 操舵反力モータ角度センサ
5 転舵モータ
6 転舵モータ角度センサ
7 ピニオン角度センサ
8 タイロッド軸力センサ
9 バックアップクラッチ(第1部材)
10 コントローラ&駆動回路
11,11 操向輪
12 車両状態パラメータ
13 舵取り機構
20 機械式リレー(第2部材、リレー)
21 バッテリ
22 反力ECU-(A)(第1コントローラ、第1反力コントローラ)
23 転舵ECU-(B)(第2コントローラ、第1転舵コントローラ)
24 接続ケーブル
25 転舵ECU-(C)(第2コントローラ、第2転舵コントローラ)
26 反力ECU-(D)(第1コントローラ、第2反力コントローラ)
Claims (11)
- システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、
前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持するフェールセーフ制御手段を設けたことを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項1に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記システムは、ドライバーからの操舵入力を受ける操舵系と、操向輪を転舵する転舵系との間に機械的なつながりが無いステアバイワイヤシステムであり、
前記第1コントローラは、ドライバーに付与する操舵反力を制御する反力コントローラであり、
前記第2コントローラは、操向輪の転舵角を制御する転舵コントローラであることを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項2に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記第1部材は、バックアップ要求時に操舵系と転舵系とを機械的に連結するバックアップクラッチであり、
前記第2部材は、前記バックアップクラッチのクラッチ断接を行うリレーであることを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項2に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記バックアップクラッチは、ノーマルクローズ型クラッチであり、
前記リレーは、ノーマルオープン型リレーであることを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項4に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記フェールセーフ制御手段は、前記ノーマルオープン型リレー及び前記ノーマルクローズ型クラッチへOFF指令を出力しているとき、前記転舵コントローラは、前記反力コントローラから転舵コントローラへ送られた診断結果がOKで、かつ、転舵コントローラ自身の診断結果がOKである場合以外は、転舵コントローラから前記ノーマルオープン型リレーに対してOFF指令を出力することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項4または5に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記フェールセーフ制御手段は、前記ノーマルオープン型リレーへON指令を出力し、前記ノーマルクローズ型クラッチへOFF指令を出力しているとき、反力コントローラは、転舵コントローラから反力コントローラへ送られた診断結果がOKで、かつ、反力コントローラ自身の診断結果がOKである場合以外は、反力コントローラから前記ノーマルクローズ型クラッチに対してOFF指令を出力することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項4乃至6の何れか1項に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記フェールセーフ制御手段は、前記ノーマルオープン型リレー及び前記ノーマルクローズ型クラッチへON指令を出力しているとき、前記転舵コントローラと反力コントローラは、診断結果を互いに交換し、自ら及び他のコントローラの結果がOKの場合以外は、反力コントローラから前記ノーマルクローズ型クラッチに対してOFF指令を出力し、転舵コントローラから前記ノーマルオープン型リレーに対してOFF指令を出力することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項2乃至7の何れか1項に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記反力コントローラとして、第1反力コントローラを1個設け、前記転舵コントローラとして、第1転舵コントローラと第2転舵コントローラの2個設け、
前記フェールセーフ制御手段は、転舵系2個失陥が発生しない限り、転舵系1個失陥時にはステアバイワイヤ制御を維持することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - 請求項2乃至7の何れか1項に記載された制御システムのフェールセーフ制御装置において、
前記反力コントローラとして、第1反力コントローラと第2反力コントローラを2個設け、前記転舵コントローラとして、第1転舵コントローラと第2転舵コントローラの2個設け、
前記フェールセーフ制御手段は、反力系2個失陥または転舵系2個失陥が発生しない限り、反力系1個失陥や転舵系1個失陥時にはステアバイワイヤ制御を維持することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、
前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果とに基づいて、前記第1部材及び前記第2部材のON/OFFを制御するフェールセーフ制御手段を設けたことを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。 - システムを所定状態に維持するために設けられている部材のON/OFF制御をコントローラで行う制御システムにおいて、
前記部材は、システムを所定状態に維持するために予め設けられている第1部材に、同様にシステムを所定状態に維持するための第2部材を追加設定し、
前記コントローラは、前記第1部材をON/OFF制御する第1コントローラと、前記第2部材をON/OFF制御する第2コントローラとに分け、
前記第1コントローラの診断結果と、前記第2コントローラの診断結果が不一致である場合、前記第1部材あるいは前記第2部材の一方をONとしてシステムを所定状態に維持することを特徴とする制御システムのフェールセーフ制御装置。
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