JP2007090616A - 合成樹脂成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】射出シリンダの長さ方向の途中部の前側位置に超臨界状態の発泡用第1流体14を注入する第1注入ノズル19を、また後側位置に超臨界状態の発泡用第2流体15を注入する第2注入ノズル20を夫々接続しておき、 各射出サイクル毎に、第1流体14が注入された第1溶融合成樹脂層14aと第2流体15が注入された第2溶融合成樹脂層15aとを前後にほぼ隣接する状態に準備し、次に各射出サイクルの射出開始までに、射出シリンダ8のチャンバー18内に第1溶融合成樹脂層14aと、第2溶融合成樹脂層15aとを前後に隣接して並ぶ状態に配置し、次に射出時に、第1溶融合成樹脂層14aを射出後第2溶融合成樹脂層15aを射出する。
【選択図】図1
Description
この製造方法では、発泡樹脂を射出充填後、減圧時に、ガス透過度の高い樹脂に溶解している炭酸ガスの気泡の成長がガス透過度の低い樹脂により阻害されるため、合成樹脂組成物内で微細な気泡が形成される。
他方、超臨界状態の窒素ガスを溶融合成樹脂に注入して成形する場合は、窒素ガスは、炭酸ガスよりも溶融樹脂に対する溶解度が低いため、合成樹脂内で高発泡状態の気泡が形成されるので、軽量化を図ることが可能である反面、成形品の剛性強度を高めるのが難しく、成形品の外観表面性状が粗くなるため外観品質を確保することができない。
請求項3の合成樹脂成形品の製造方法は、請求項1又は2の発明において、第1流体が、第2流体とは異なる超臨界状態の不活性ガスであることを特徴とするものである。
請求項5の合成樹脂成形品の製造方法は、請求項1〜4の何れかの発明において、第1流体が発泡した合成樹脂で成形品の表層側部分を形成し、第2流体が発泡した合成樹脂で成形品の芯側部分を形成してなる発泡成形品を製造することを特徴とするものである。
しかも、第1流体と第2流体とを射出シリンダの途中部の前側位置と後側位置とに注入し、射出時、第1流体が溶解し発泡した第1溶融合成樹脂層を先に、第2流体が溶解し発泡した第2溶融合成樹脂層をその直後に射出するという簡単な方法で実現することができる。
図1に示すように、合成樹脂成形品の製造装置1は、射出成形機2と、流体注入手段3と、制御手段4等で構成されている。射出成形機2は、合成樹脂の加熱・可塑化と射出等を行なう射出ユニット5と、成形金型6の開閉、高圧保持及び成形品の取り出し等を行なう型締めユニット30等で構成されている。
シリンダ前部8aには、シリンダ後部8bからシリンダ前部8aに搬送された溶融合成樹脂に流体注入手段3により発泡用の第1,第2流体14,15が注入されるガス注入部16と、第1流体14を溶融合成樹脂に注入した第1溶融合成樹脂層14a(図4参照)を前側に,第2流体15を溶融合成樹脂に注入した第2溶融合成樹脂層15a(図4参照)を後側にほぼ隣接する状態を維持したまま混練する混練部17とが設けられている。
型締めユニット30には、固定型32と、固定型32に対して型開きできる可動型31とからなる成形金型6と、固定型32を固定する金型取付盤33と、可動型31を固定する金型取付動盤34と、駆動装置35などが設けられている。本実施例の場合の固定型32は、例えば断面「コ字」形状の成形品を成形する雌側の型であり、その底部36には溶融樹脂の流入孔38が形成され、この流入孔38が金型取付盤33の流入孔39を介して射出シリンダ8の前端のノズル部7に接続されている。
流体注入手段3は、射出シリンダ8内のガス注入部16へ発泡用の第1,第2流体14,15を夫々注入する第1,第2注入ノズル19,20と、発泡用の第1,第2流体14,15を供給するための流体供給手段46とを有する。射出シリンダ8の途中部のうちの、前側位置に第1注入ノズル19が接続され、後側位置に第2注入ノズル20が接続されている。
図3に示すように、P1において、ホッパー9に投入された粒状の合成樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂)がシリンダ後部8b内に投入され、P2において計量部12により、スクリュ13の回転数から金型6内へ射出する合成樹脂が計量され、バンドヒータ11により合成樹脂が溶融される。
各射出サイクル毎に、流体供給手段46から供給される発泡用の第1,第2流体14,15が、第1,第2注入ノズル19,20から射出シリンダ8内のガス注入部16へ夫々注入され、第1流体14を注入した第1溶融合成樹脂14aと、第2流体15を注入した第2溶融合成樹脂層15aとが射出シリンダ8内に前後に隣接して並ぶように準備され、射出時に、第1溶融合成樹脂層14aを射出後連続的に第2溶融合成樹脂層15aを射出するように射出シリンダ8と型締めユニット30と流体注入手段3とが制御手段4により制御される。
1]実施例では、第1流体14を超臨界状態のCO2 流体、第2流体15を超臨界状態のN2 流体としたが、これらの流体以外にその他、ヘリウム、水素、酸素、アルゴン、メタンなどを超臨界状態にして使用することもできる。但し、第2流体は、第1流体よりも溶融合成樹脂に対する溶解度が低いものであることが必要である。
2]実施例では、合成樹脂としてポリプロピレン樹脂を一例としたが、その他の種々の合成樹脂(ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネートなど)を採用してもよい。
2 射出成形機
3 流体注入手段
4 制御手段
6 成形金型
8 射出シリンダ
14 第1流体
14a 第1溶融合成樹脂層
15 第2流体
15a 第2溶融合成樹脂層
19 第1注入ノズル
20 第2注入ノズル
21 合成樹脂成形品
Claims (6)
- 前端のノズル部から成形金型へ溶融合成樹脂を射出する射出シリンダを有する射出成形機を用いて合成樹脂製の発泡成形品を製造する方法において、
前記射出シリンダの長さ方向途中部のうちの前後に離隔した前側位置と後側位置のうち、前記前側位置に発泡用の第1流体を注入する第1注入ノズルを予め接続すると共に、前記後側位置に溶融合成樹脂に対する溶解度が第1流体よりも低い発泡用の第2流体を注入する第2注入ノズルを予め接続しておき、
各射出サイクル中の所定時期に射出シリンダ内の溶融合成樹脂に第1,第2注入ノズルから第1,第2流体を注入して、射出シリンダ内に第1流体が注入された第1溶融合成樹脂層を前側に、第2流体が注入された第2溶融合成樹脂層を後側にほぼ隣接する状態に準備する第1工程と、
次に、各射出サイクルの射出開始までに、射出シリンダの前端側部分内に第1溶融合成樹脂層を前側に、第2溶融合成樹脂層を後側に並ぶ状態に配置する第2工程と、
次に、各射出サイクルの射出時に、第1溶融合成樹脂層を射出後連続的に第2溶融合成樹脂層を射出する第3工程と、
を備えたことを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。 - 前記第2流体が、超臨界状態の不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
- 前記第1流体が、第2流体とは異なる超臨界状態の不活性ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
- 前記第1流体が超臨界状態の炭酸ガスであり、前記第2流体が超臨界状態の窒素ガスであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の合成樹脂成形品の製造方法。
- 前記第1流体が発泡した合成樹脂で成形品の表層側部分を形成し、前記第2流体が発泡した合成樹脂で成形品の芯側部分を形成してなる発泡成形品を製造することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の合成樹脂成形品の製造方法。
- 前端ノズル部から成形金型へ溶融合成樹脂を射出する射出シリンダを有し、合成樹脂製の発泡成形品を製造する製造装置において、
前記射出シリンダの長さ方向途中部のうちの前後に離隔した前側位置と後側位置のうち、前記前側位置に接続された第1注入ノズルと、前記後側位置に接続された第2注入ノズルとを有し、発泡用の第1流体を前側の第1注入ノズルに、また、溶融合成樹脂に対する溶解度が第1流体よりも低い発泡用の第2流体を後側の第2注入ノズルに供給可能な流体注入手段と、
各射出サイクル毎に、射出シリンダ内に、第1注入ノズルから第1流体を溶融合成樹脂に注入した第1溶融合成樹脂層を前側に、第2注入ノズルから第2流体を溶融合成樹脂に注入した第2溶融合成樹脂層を後側に準備し、第1溶融合成樹脂層を射出後連続的に第2溶融合成樹脂層を射出するように射出シリンダ及び流体注入手段を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする合成樹脂成形品の製造装置。
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