JP2007087704A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製電池缶の金属イオンの溶出による電池電圧の低下を抑制することができる非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】円筒型リチウム二次電池20は電池缶16を有しており、電池缶16内には正負極がセパレータを介して捲回された電極群15が収容されている。電池缶16と上蓋12とがかしめられている。電池缶16は、鋼板から深絞り加工で有底円筒状に成形されている。電池缶16の内面及び外面には、深絞り加工後に、ニッケルメッキが施されメッキ層5が形成されている。メッキ層5の厚さは、1μm以上、10μm以下に設定されている。メッキ層5のマイクロポアの形成、電池缶16が変形したときのメッキ層5の割れを防止し、鋼板と非水電解液との接触を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は非水電解液二次電池に係り、特に、内面にメッキ層を有する金属製電池缶と金属製電池蓋とがかしめられた非水電解液二次電池に関する。
従来、再充電可能な二次電池の分野では、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の水溶液系電解液を用いた電池が主流であった。しかしながら、電気機器の小型化、軽量化が進むにつれて、高エネルギ密度を有する非水電解液を用いた電池が着目され、現在では、携帯電話やノートパソコンのポータブル機器等の小型民生用電源に非水電解液二次電池が広く普及している。また、例えば、電気自動車用の大型の非水電解液二次電池も実用化に至っている。
非水電解液二次電池の電池容器には、鋼板やアルミニウム等の金属製電池缶や、アルミラミネートフィルム等が用いられているが、耐衝撃性に優れる点から、一側(上側)に開口部が形成された金属製電池缶が主流となっている。電池缶は、正負極を捲回又は積層した電極群が収容され、非水電解液が注液された後、開口部に金属製電池蓋がかしめられることで密閉される。
このような金属製電池缶では、電池缶の金属(地金)が非水電解液と接触すると、非水電解液に地金の金属イオンが溶出することがある。溶出した金属イオンは電池を充放電した際に負極表面に金属として析出し成長するため、正負極間を離隔するセパレータを貫通して正負極間の微小短絡が発生し、微小短絡が発生すると電池電圧の低下を招くこととなる。これを回避するためには、地金の金属イオンの溶出を防止することが必要である。このため、電池缶には非水電解液に金属イオンを溶出する鉄等の金属を使用しないことが好ましいが、電池缶を負極と接続しマイナスの極性にして使用する場合は、非水電解液二次電池を充電した後、電池缶が電気的影響により還元されることで金属イオンが溶出しにくくなるため、コスト面も踏まえ電池缶に鉄等の金属が使用されている。
ところが、非水電解液二次電池を充電する前、すなわち、電池缶に電極群を収容し非水電解液を注液してから充電するまでは電池缶の地金の金属イオンが溶出する。非水電解液を注液してから充電するまでの期間としては、正負極の面積や非水電解液の注液方法等にもよるが、非水電解液を正負極表面全体に行きわたらせ初期の充放電特性の安定化を図るため、数日間程度あることが好ましい。一方、電池缶の地金からの金属イオンの溶出を抑制する技術として、電池缶を金属イオンの溶出しにくい金属でメッキする方法がある。例えば、鉄製の電池缶の表面に、耐腐食性に優れるフッ素樹脂の微粉末を含有させたニッケルのメッキ層を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。メッキ方式としては、量産性に優れたバレルメッキ(電池缶を入れたメッキ容器を回転させながらメッキする方式)が多く用いられている。
特開2002−231195号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、電池缶に電池蓋をかしめるときに電池缶が変形するため、電池缶と電池蓋とがかしめられた部分で電池缶を被覆するメッキ層が電池缶の変形に耐えられず、割れてしまうことがある。特に、メッキ層の厚さが大きすぎると高頻度で割れてしまう。また、通常用いられるバレルメッキでは、電池缶の内面にほとんどメッキ層が形成されず、メッキ層が形成されても厚さが小さすぎるため、メッキ欠陥のマイクロポア(微細孔)が形成され易くなる。メッキ層の割れた部分やマイクロポアが形成された部分では、電池缶の地金が非水電解液と接触するため、地金から非水電解液中に金属イオンが溶出する。溶出した金属イオンにより上述した正負極間の微小短絡が発生するため、電池電圧の低下を招く、という問題がある。
本発明は上記事項に鑑み、金属製電池缶の金属イオンの溶出による電池電圧の低下を抑制することができる非水電解液二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、内面にメッキ層を有する金属製電池缶と金属製電池蓋とがかしめられた非水電解液二次電池において、前記電池缶の極性がマイナス、前記電池蓋の極性がプラスであり、前記メッキ層の厚さが、内底面で1μm以上で、前記電池缶と前記電池蓋とがかしめられた部分で1μm〜10μmであることを特徴とする。
本発明では、金属製電池缶の内面のメッキ層の厚さを内底面で1μm以上としたことで、メッキを施すときに電池缶の地金と非水電解液とを接触させるマイクロポアの形成を防止し、メッキ層の厚さが10μmより大きいと電池缶と電池蓋とをかしめるときにメッキ層が電池缶の変形で割れるため、メッキ層の厚さを電池缶と電池蓋とがかしめられた部分で1μm〜10μmとしたことで、電池缶と電池蓋とをかしめてもメッキ層が割れないことから、地金と非水電解液とが接触しないので、地金の金属イオンの溶出を防止することができる。従って、正負極間の微小短絡が抑制されるので、電池電圧の低下を軽減することができる。
この場合において、電池缶が更に外面にメッキ層を有しており、該メッキ層の厚さを電池缶と電池蓋とがかしめられた部分で1μm〜10μmとすれば、マイクロポアの形成が防止され、電池缶と電池蓋とがかしめられた部分でメッキ層の割れが防止されるので、外気中の水分や酸素による地金の酸化、変色を防止することができる。また、電池缶が、深絞り加工された鋼板にメッキが施されていれば、深絞り加工に伴う変形でもメッキ層の割れを防止することができる。このようなメッキ層を、主としてニッケルとしてもよい。
本発明によれば、金属製電池缶の内面のメッキ層の厚さを内底面で1μm以上としたことで、マイクロポアの形成を防止し、メッキ層の厚さが10μmより大きいと電池缶と電池蓋とをかしめるときにメッキ層が割れるため、メッキ層の厚さを電池缶と電池蓋とがかしめられた部分で1μm〜10μmとしたことで、メッキ層が割れないことから、地金と非水電解液とが接触しないので、地金の金属イオンの溶出を防止することができ、正負極間の微小短絡を抑制し、電池電圧の低下を軽減することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した円筒型リチウム二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の円筒型リチウム二次電池20は、有底円筒状で上側が
金属製上蓋(電池蓋)12で封口された電池缶16及び帯状の正負極がセパレータを介して断面渦巻状に軸芯14の周りに捲回された電極群15を有している。
電池缶16は、鋼板から深絞り加工で有底円筒状に成形されている。電池缶16の内面及び外面には、深絞り加工後に、ニッケル又は亜鉛のメッキが施されメッキ層5が形成されている。ニッケルメッキでは、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ほう酸等を水に溶解したメッキ浴が使用され、亜鉛メッキでは、塩化亜鉛、水酸化ナトリウム等を水に溶解したメッキ浴が使用される。メッキを施すときは、電池缶16と同形状の電極が使用され、電池缶16の内面及び外面にメッキ層5が形成される。このとき、電池缶16内部でもメッキ浴の濃度が一定となるように、メッキ浴が攪拌される。メッキ層5の厚さは、それぞれの電極の電流値を変えることにより、1μm以上、10μm以下となるように調整されている。
電極群15の上側には、軸芯14のほぼ延長線上に正極からの電位を集電するための正極集電リング13が配置されている。正極集電リング13は、軸芯14の上端部に固定されている。正極集電リング13の周囲から一体に張り出している鍔部周縁には、正極から導出された正極リード片の端部が超音波溶接で接合されている。正極集電リング13の上方には、正極外部端子となる円盤状の上蓋12が配置されている。上蓋12には、内圧上昇により開裂する開裂弁11が配置されている。正極集電リング13の上部には複数枚のアルミニウム製リボンを重ね合わせて構成した正極リード板の一端が固定されており、上蓋12の下面には上蓋リード板の一端が溶接されている。正極リード板及び上蓋リード板の他端同士は溶接で接合されている。
一方、電極群15の下側には負極からの電位を集電するための負極集電リング17が配置されている。負極集電リング17の内周面には軸芯14の下端部外周面が固定されている。負極集電リング17の外周縁には、負極から導出された負極リード片の端部が溶接で接合されている。負極集電リング17の下部には電気的導通のための銅製の負極リード板が溶接されており、負極リード板は電池缶16の内底面に溶接で接合されている。
上蓋12は、絶縁性及び耐熱性の樹脂製ガスケットを介して電池缶16の上側にかしめられている。このとき、電極群15を収容した電池缶16の内面側で電極群15の上方に、上蓋12を載せるための段付け部を形成する段付け加工が電池缶16に施され、段付け部より上側に上蓋12をかしめられる。このため、リチウム二次電池20の内部は密封されており、電池缶16が負極外部端子(極性がマイナス)を兼ね、上蓋12が正極外部端子(極性がプラス)を兼ねている。また、電池缶16内には、非水電解液が注液されている。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒中に電解質として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものが用いられている。
電極群15は、正極と負極とが、これら正負極が直接接触しないようにセパレータを介し、軸芯14の周囲(外側)に捲回されている。セパレータには、本例では、厚さ40μmのポリエチレン製微多孔膜が使用されている。正極リード片と負極リード片とは、それぞれ電極群15の互いに反対側の両端面に配置されている。電極群15及び正極集電リング13の鍔部周面全周には、絶縁被覆が施されている。絶縁被覆には、ポリイミド製の基材の片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤が塗布された粘着テープが用いられている。粘着テープは鍔部周面から電極群15の外周面に亘って一重以上巻かれている。
電極群15を構成する負極は、負極集電体として厚さ10μmの圧延銅箔を有している。圧延銅箔の両面には、負極活物質の炭素材として非晶質炭素粉末を含む負極合剤が塗着されている。負極合剤には、例えば、非晶質炭素粉末の90重量部に対して、バインダ(結着材)のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)の10重量部が配合されている。圧延銅箔に負極合剤を塗着するときには、分散溶媒のN−メチル−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)が用いられる。圧延銅箔の長寸方向一側の側縁には、負極合剤の未塗着部が形成されている。未塗着部は櫛状に切り欠かれており、切り欠き残部で負極リード片が形成されている。負極は、乾燥後、加熱可能なロールプレス機でプレス加工され、裁断されている。
一方、正極は、正極集電体として厚さ20μmのアルミニウム箔を有している。アルミニウム箔の両面には、正極活物質としてリチウムマンガン複酸化物であるマンガン酸リチウム(LiMn)を含む正極合剤が塗着されている。正極合剤には、例えば、マンガン酸リチウムの85重量部に対して、導電材の鱗片状黒鉛の10重量部及びバインダのPVDFの5重量部が配合されている。アルミニウム箔に正極合剤を塗着するときには、分散溶媒のNMPが用いられる。アルミニウム箔の長寸方向一側の側縁には、負極と同様に正極合剤の未塗着部が形成されており、正極リード片が形成されている。正極は、乾燥後、負極と同様にプレス加工され、裁断されている。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウム二次電池20の作用等について説明する。
従来リチウム二次電池では、電池缶に用いられる鋼板から鉄イオン等の金属イオンが非水電解液中に溶出することを防ぐため、電池缶表面にニッケル等のメッキ層が形成されている。ところが、メッキ層の厚さを1μmより小さくした場合、メッキ層にメッキ欠陥のマイクロポア(微細孔)が形成されやすくなる。また、メッキ層の厚さを10μmより大きくした場合、電池缶に段付け加工を施すときや電池缶に電池蓋をかしめるときに電池缶が変形すると、電池缶の変形にメッキ層が耐えられないため、メッキ層に割れ(ひび割れも含む)が発生する。マイクロポアや割れが発生した部分で鋼板が非水電解液と接触するため、鋼板から非水電解液中に鉄イオン等の金属イオンが溶出する。溶出した金属イオンが電池の充放電に伴い負極表面に金属として析出し成長してデンドライトを形成するため、セパレータを貫通して正負極間の短絡を引き起こし、電池電圧の低下を招く。電池缶がマイナスの極性のときは、リチウム二次電池を充電することで、負極電位が鉄の酸化還元電位より小さくなるため、電池缶の鉄イオンが溶出しにくくなるが、非水電解液注液後の充電前では鉄イオンの溶出が起こる。更に、電池缶の外面にメッキ層が形成されたリチウム二次電池では、高温多湿の環境下で保管すると、外気中の水分や酸素がメッキ層のマイクロポアや割れた部分を通じて鋼板と接触するため、鋼板の鉄等が酸化(腐食)し変色するおそれがある。本実施形態は、これらの問題を解決するリチウム二次電池である。
本実施形態のリチウム二次電池20では、電池缶16の内面にニッケル又は亜鉛のメッキ層5が形成されている。メッキ層5の厚さは、1μm以上に設定されている。このため、電池缶16の内面にメッキ層5を形成するときに、マイクロポアの形成を防止することができる。また、メッキ層5の厚さは、10μm以下に設定されている。このため、電池缶16に段付け加工を施すときや、上蓋12と電池缶16とをかしめるときに、段付け部や上蓋12と電池缶16とがかしめられた部分(以下、かしめ部という。)で電池缶16が変形してもメッキ層5の割れを防止することができる。このメッキ層5により電池缶16の鋼板と非水電解液との接触が妨げられるので、鉄イオンの非水電解液中への溶出を防止することができる。また、非水電解液注液後の充電前に放置しても鋼板に非水電解液が接触しないので、鉄イオンの溶出を防止することができる。従って、リチウム二次電池20を充放電しても、鉄の析出による正負極間の微小短絡が形成されず電池電圧の低下を抑制することができる。
また、本実施形態のリチウム二次電池20では、電池缶16の外面にも内面と同様のメッキ層5が形成されている。外面のメッキ層5の厚さは、1μm以上に設定されているため、メッキ層5を形成するときにマイクロポアの形成を防止することができる。また、外面のメッキ層5の厚さは、10μm以下に設定されているため、上蓋12と電池缶16とをかしめるとき等に、電池缶16が変形してもメッキ層5の割れを防止することができる。これにより、リチウム二次電池20を、高温多湿の環境下で保管しても、外気中の水分等が鋼板と接触せず、鋼板の鉄等の酸化を防止することができ外観上の変色を防止することができる。
更に、本実施形態のリチウム二次電池20では、電池缶16が鋼板の深絞り加工により有底円筒状に成形されており、深絞り加工後にメッキ層5が形成されている。このため、メッキ層5が深絞り加工による変形を受けないので、電池缶16の作製時にメッキ層5の割れの発生を防止することができる。
なお、本実施形態では、メッキ層5の厚さを電池缶16の内面及び外面共に、1μm以上、10μm以下に設定する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。メッキ層5の厚さは、内底面で1μm以上で、かしめ部で1μm〜10μmであればよい。これにより、メッキ層5を形成するときのマイクロポアの形成や電池缶16と上蓋12とをかしめるときの割れの発生を防止することができる。
また、本実施形態では、鋼板から成形された電池缶16にニッケル又は亜鉛のメッキ層5を形成する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、鋼板としては、鉄と炭素とを含む炭素鋼、更にニッケルやクロムを含む特殊鋼等を使用することができる。また、本実施形態以外で用いることができるメッキ層5としては、ニッケル合金等を挙げることができる。主としてニッケルのメッキ層5を形成すれば、ニッケルは鉄よりイオン化傾向が小さく、また表面に不導体被膜を形成するため、耐腐食性(金属イオンを溶出しない性質)に優れた効果を発揮することができる。
更に、本実施形態では、メッキ層5を形成するときに電池缶16と同形状の電極を用いた電気メッキ法を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、真空メッキ法や化学蒸着法等としてもよく、メッキ層5の厚さを調整可能な方法であればよい。
また更に、本実施形態では、円筒型リチウム二次電池20を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非水電解液を用いる二次電池であれば適用することができる。また、電池形状についても制限はなく、例えば、角形や多角形であってもよい。更に、正極及び負極がセパレータを介して捲回された電極群15以外に正負極が積層された電極群を用いてもよい。
次に、本実施形態に従い作製したリチウム二次電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例のリチウム二次電池についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、内面に厚さ1μmに設定したニッケルのメッキ層5を形成し、外面にメッキ層5を形成しない電池缶16を用いた。なお、表1において、内側メッキ厚及び外側メッキ厚は、電池缶の内面及び外面に形成されたメッキ層の厚さをそれぞれ示し、メッキ材のNiはニッケルを、Znは亜鉛をそれぞれ示している。
Figure 2007087704
(実施例2〜実施例3)
表1に示すように、実施例2〜実施例3では、内側メッキ厚を変える以外は実施例1と同様にした。内側メッキ厚は、実施例2では5μm、実施例3では10μmに設定した。
(実施例4〜実施例8)
表1に示すように、実施例4〜実施例8では、内面に内側メッキ厚5μmのニッケルのメッキ層5を形成し、外面にそれぞれ外側メッキ厚を変えてニッケルのメッキ層5を形成した電池缶16を用いた。外側メッキ厚は、実施例4では1μm、実施例5では5μm、実施例6では10μm、実施例7では0.5μm、実施例8では12μm、に設定した。
(実施例9)
表1に示すように、実施例9では、あらかじめ厚さ5μmのニッケルメッキ層を形成した鋼板から深絞り加工により成形した電池缶を用いた。すなわち、実施例9では、深絞り加工前にニッケルメッキ層を形成した電池缶を用いており、内側メッキ厚及び外側メッキ厚は共に5μmとなる。
(実施例10)
表1に示すように、実施例10では、内側メッキ厚及び外側メッキ厚共に5μmに設定した亜鉛のメッキ層5を形成した電池缶16を用いた。
(比較例1〜比較例2)
表1に示すように、比較例1〜比較例2では、内面にそれぞれ内側メッキ厚を変えてニッケルのメッキ層を形成し、外面にはメッキ層を形成しない電池缶を用いた。内側メッキ厚は、比較例1では0.5μm、比較例2では12μmに設定した
<試験・評価>
実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例2の各電池について、非水電解液注液後、充電を行わずに1日放置し、非水電解液中における鉄イオン濃度を測定した。下表2に鉄イオン濃度の測定結果を示す。
Figure 2007087704
表2に示すように、内側メッキ厚をそれぞれ0.5μm、12μmとした比較例1、比較例2のリチウム二次電池では、非水電解液中の鉄イオン濃度はそれぞれ158μg/ml、124μg/mlを示した。これに対して、内側メッキ厚をそれぞれ1μm、5μm、10μmとした実施例1、実施例2、実施例3のリチウム二次電池20では、非水電解液中の鉄イオン濃度は20〜23μg/mlを示し、鉄イオンの溶出が大きく抑制されることが判った。このことは、内側メッキ厚を1μmより薄くした場合(比較例1)、メッキ層を形成するときにマイクロポアが形成され、その部分で非水電解液が電池缶の鋼板と接触したためと考えられる。また、内側メッキ厚を10μmより厚くした場合(比較例2)、電池缶と上蓋とをかしめるときに、電池缶の変形にニッケルメッキが耐えられず、ニッケルメッキ層に割れが発生したためと考えられる。従って、内側メッキ厚を1〜10μmに設定することで、非水電解液注液後、充電を行わずに放置しても鋼板の鉄イオンが溶出することを抑制できることが判明した。
次に、実施例4〜実施例8の各電池について、充電後、環境温度50±2°C、相対湿度90%以上の雰囲気下で10日間放置し、電池缶の外観を目視にて調査した。下表3に外観の調査結果を示す。
Figure 2007087704
表3に示すように、外側メッキ厚をそれぞれ1μm、5μm、10μmに設定した実施例4、実施例5、実施例6のリチウム二次電池20では、電池缶16の外観に特に変化は観察されなかった。これに対して、外側メッキ厚をそれぞれ0.5μm、12μmに設定した実施例7、実施例8のリチウム二次電池20では、電池缶16の外観に変色箇所が観察された。このことは、外側メッキ厚を1μmより薄くした場合、ニッケルメッキ層にマイクロポアが存在するため、鋼板が外気中の水分等に接触して酸化し変色したと考えられる。また、外側メッキ厚を10μmより厚くした場合、かしめ部のニッケルメッキ層に割れが発生し、同様に変色したと考えられる。従って、外側メッキ厚を1〜10μmに設定することで、高温多湿の雰囲気下に電池を放置しても、外観上の変色を抑制できることが判明した。
次に、実施例5及び実施例9の各電池について、充電後、環境温度50±2°C、相対湿度90%以上の雰囲気下で10日間放置し、電池缶の外観を目視にて調査した。下表4に調査結果を示す。
Figure 2007087704
表4に示すように、あらかじめ厚さ5μmのニッケルのメッキ層を形成した鋼板から成形した電池缶を用いた実施例9の電池では、かしめ部以外にも深絞り加工部、特に、底面の近傍に変色箇所が見られた。これに対して、鋼板から電池缶を成形した後に電池缶の内面及び外面にニッケルのメッキ層5を形成した実施例5の電池では、電池缶外観には特に変化は観察されなかった。このことは、深絞り加工でメッキ層5に割れが発生したためと考えられる。従って、メッキ層5の形成は深絞り加工後に行うことが好ましいことが明らかとなった。
次に、実施例5及び実施例10の各電池について、充電後、環境温度50±2°C、相対湿度90%以上の雰囲気下で10日間放置し、電池缶の外観を調査した。下表5に調査結果を示す。
Figure 2007087704
表5に示すように、内面及び外面に厚さ5μmのニッケルのメッキ層5を形成した電池缶16を用いた実施例5の電池、内面及び外面に厚さ5μmの亜鉛のメッキ層5を形成した実施例10の電池では、外観上特に変化は観察されなかった。このことから、電池缶外面のメッキ層5としては、亜鉛を用いてもニッケルと同様の効果を得ることができることが明らかとなった。しかしながら、亜鉛の場合、亜鉛イオンを溶出することで鋼板の鉄イオンの溶出を防止すると考えられることから、亜鉛イオンの溶出を考慮すれば、ニッケルの方が適している。また、亜鉛イオンが溶出することから、電池缶内面のメッキ層5に亜鉛を使用すると、鋼板からの鉄イオンの溶出は防止することができるものの、亜鉛イオンの溶出が考えられるため、ニッケルを用いることが好ましい。
本発明は金属製電池缶の金属イオンの溶出による電池電圧の低下を抑制することができる非水電解液二次電池を提供するため、非水電解液二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウム二次電池を示す断面図である。
符号の説明
5 メッキ層
12 上蓋(金属製電池蓋)
15 電極群
16 電池缶(金属製電池缶)
20 円筒型リチウム二次電池(非水電解液二次電池)

Claims (4)

  1. 内面にメッキ層を有する金属製電池缶と金属製電池蓋とがかしめられた非水電解液二次電池において、前記電池缶の極性がマイナス、前記電池蓋の極性がプラスであり、前記メッキ層の厚さが、内底面で1μm以上で、前記電池缶と前記電池蓋とがかしめられた部分で1μm〜10μmであることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記電池缶は更に外面にメッキ層を有しており、該メッキ層の厚さは前記電池缶と前記電池蓋とがかしめられた部分で1μm〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記電池缶は、深絞り加工された鋼板にメッキが施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記メッキ層は主としてニッケルであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。
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