JP2007085098A - 耐震補強ブレース構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】柱梁仕口の構面内に設けられた開口部を確保しつつ、開口部の位置や大きさに合わせて設置可能であり、引張材につき簡易な張力導入が可能な、耐震補強ブレース構造を提供する。
【解決手段】耐震補強ブレース10は、柱梁仕口9の構面内に略四辺形に配置される閉鎖状部材1、閉鎖状部材1の四隅を保持する締結部品2、及び締結部品2を近接する柱梁仕口9に接続する放射状部材3から構成され、締結部品2の配置を調節することで、閉鎖状部材1及び放射状部材3が開口部8の範囲外に配置される。また、この閉鎖状部材1に取付けられた長さ調節可能な継手部7により、耐震補強ブレース10全体の張力導入が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐震補強ブレース構造に係り、特に、開口部を有する構面に用いる耐震補強ブレース構造に関する。
建造物の柱梁から成る骨組構造において、地震力等の水平力に対する抵抗要素として柱梁の構面内に配置されるブレース構造が用いられている。また、既存の建造物の耐震性能を向上させるため、壁面に耐震補強ブレースを追加して取付ける補強が行われている。ここで、建造物とは、建築物、土木構造物、工作物等を総称する。また、新築の建造物か、又は既存の建造物の補強かを問わない。さらには、建造物の構造躯体は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造等、その種別を問わない。
ブレース構造には、対角上の柱梁仕口相互を交差して取付ける、いわゆる「筋交い」といわれるX型ブレース構造がある。X型ブレース構造は、通常、ブレースの材長が部材幅に対して長くなり、両端部での柱梁仕口における曲げモーメントへの固定度が低いため、軸力のみを伝達するピン接合部材となる。また、軸力は、圧縮力は負担せずに引張力のみを負担する引張材として用いられる。
図7(a)に、X型ブレースの概念図を示す。柱梁構面に左右から地震力等の水平力Fが交互に加わった場合、水平力Fに対して、引張力Tが発生する一方のブレース材が交互に抵抗するため、水平力Fの方向に関わらず一定の強度を有し、効率的な構造である。また、これらのブレース材は、柱梁仕口において、柱と梁の中心軸の交点を結んだ対角線上に配置されるため、力の流れに無駄がなく、最も経済的な構造である。このX型ブレースは、例えば、仮設住宅、工事現場の仮設事務所、学校の体育館等では、一般的な構造として広く用いられている。また、開口部を有さない柱梁の構面には、一般的な構造として広く用いられる。
開口部を有する柱梁の構面に取付けられるブレース構造には、上述のX型以外にも多様な形式がある。図7(b)、(c)、(d)にそれらの例を示す。通常は、建造物の設計の際に開口部の位置や大きさから、個別に上記ブレースの形式が選択され採用される。
これらのブレース材には、例えば、アングル材やチャンネル材といった形鋼、丸形鋼管、角形鋼管、棒鋼、ケーブルが引張材として用いられる。棒鋼とは、中実の丸鋼をいいPC鋼棒も含まれる。一般にロッドと称されるものも鋼棒に含まれる。ケーブルとは、鋼線をより合わせたロープをいい、例えば、構造用ストランドロープ、構造用スパイラルロープが含まれる。
これらの引張材のうち、例えば、ケーブルや鋼棒という可撓性を有する材料は、現場での取り付けの際に張力を導入する必要がある。X型ブレースの個々の部材には、例えば、ターンバックル等の長さ調節機能が取付けられ、引張材の取付け後にその部材の長さを調節することで個々の引張材に張力が導入される。この張力導入により引張材には、部材が弛むことなく張られ、地震等の水平力が加わった場合に、即座に機能することができる。
一方、既存建造物において、「新耐震設計基準」に基づき耐震診断された結果、耐震性能の不足が判明した場合、壁面に耐震補強ブレースを取付け耐力壁とすることが行われている。
例えば、特許文献1には、既存木造住宅の外付け型耐震補強ブレース金物が、特許文献2には、有効な開口部を確保した建物の補強ブレース構造が、特許文献3には、柱、梁の3交点から引き出した引張り材を所定の角度で1点に結合したブレース制震装置が開示されている。
特許文献1に開示されている耐震補強ブレースを図8に示す。この耐震補強ブレースは、住宅の柱梁接合部A等へ外付けされる接合金物20と、接合金物20とは連結金物21を介して応力の伝達が可能に緊結されるX型ブレース材22との組合せから成る。また、ブレース材22は、その端部に張力の導入が可能な機構を備えている。
特許文献2に開示されている補強ブレース構造を図9に示す。各補強ブレース23は、それぞれ、その一端が柱25又は鉛直フレームの中間部に接合され、他端が梁26又は水平フレームの中間部に接合される。この菱形に組まれた構造により、ブレース内面に開口部24を確保できる。
特許文献3に開示されているブレース制震装置を図10に示す。このブレース制震装置27は、柱29、梁30の3交点から引き出した引張り材28を所定の角度で1点(連結金物31)に結合して、ブレースには引張力だけが作用するように構成するブレースを、柱、梁で囲まれる構面内に配置する。
登録実用新案第3040650号公報 特開平11−200638号公報 特開平11−148245号公報
建造物の柱梁の構面内には、一般的に、窓や出入口等といった開口部が設けられる。特許文献1に開示されているX型ブレース構造は、地震力等の水平力に対して最も効率の良い構造形式ではあるが、この開口部を避けて配置することは難しい。例えば、仮設住宅、工事現場の仮設事務所といった一時的な建造物、あるいは、学校の体育館のような公共施設で、建物としての機能を果たせばよい場合には、開口部にブレース材が架かっていても許容される場合がある。しかし、個人住宅やデザイン性の高い建造物では、意匠上の美観や開口部の機能面から許容されないという問題がある。したがって、X型ブレース構造では、開口部の位置や大きさに合わせてブレースの配置を調節することは難しい。また、引張材の張力導入はブレースごとに設けられた長さ調節機構によるため、簡易な張力導入方法とはいえない。
特許文献2に開示されているような補強ブレースでは、各補強ブレースの両端は、柱及び梁の中間部において交わるように、菱型を構成して配置される。この菱型を崩して4本の補強ブレースの両端と柱及び梁との交点とをそれぞれ異なる位置にずらすと、柱及び梁に局部的な偏芯による曲げモーメントが発生し、構造上の問題が発生する。したがって、このブレース構造形式では、開口部の位置や大きさに合わせてブレースの配置を調節することは難しい。また、引張材の張力導入はブレースごとに設けられた長さ調節機構によるため、簡易な張力導入方法とはいえない。
特許文献3に開示されているようなブレース制震装置では、地震等の水平力が加わった場合、3本のブレースのうち、対角上の柱梁の交点に繋がる2本のブレースには引張力が発生するものの、他の1本のブレースにはわずかな軸力しか発生しない。この他の1本のブレースは対角上の柱梁の交点に繋がる2本のブレースに対する制震装置としての役割を持つものであり、その配置は、開口部を確保ではなく、機能上の制約から決定される。つまり、原理的には、X型ブレースの片側のブレースを取り除いた構造に制震装置を取付けたものにすぎない。したがって、このブレース構造形式では、開口部の位置や大きさに合わせてブレースの配置を調節することは難しい。また、3本のブレースが結合される角度が固定されているため、引張材の張力導入はブレースごとに設けられた長さ調節機構によるため、簡易な張力導入方法とはいえない。
本願の目的は、かかる課題を解決し、柱梁仕口の構面内に設けられた開口部を確保しつつ、開口部の位置や大きさに合わせて設置可能であり、引張材につき簡易な張力導入が可能な、耐震補強ブレース構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る耐震補強ブレース構造は、建造物の隣接する柱と、それらの柱の両端に取り付く隣接する梁とで形成され、開口部を有する構面内において、対角上の柱梁仕口相互を筋交いで接続する耐震補強ブレース構造であって、筋交いが、構面内に略四辺形に配置される閉鎖状部材、閉鎖状部材の四隅を保持する締結部品、及び締結部品を近接する柱梁仕口に接続する放射状部材から構成され、締結部品の配置を調節することで、閉鎖状部材及び放射状部材が開口部範囲外に配置されることを特徴とする。また、この閉鎖状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることが好ましい。さらに、この閉鎖状部材は、ケーブルであることが好ましい。
また、耐震補強ブレース構造は、閉鎖状部材は、始端と終端とを連結する継手部を有する引張材から成り、締結部品は、閉鎖状部材を滑動可能に保持することが好ましい。さらに、この閉鎖状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることが好ましい。さらに、この閉鎖状部材は、ケーブルであることが好ましい。
また、耐震補強ブレース構造は、閉鎖状部材は、引張材から成り、3箇所の締結部品が、閉鎖状部材を滑動可能に保持し、1箇所の締結部品は、閉鎖状部材の両端部を固定して保持することが好ましい。また、この閉鎖状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることが好ましい。さらに、この閉鎖状部材は、ケーブルであることが好ましい。
また、耐震補強ブレース構造は、閉鎖状部材は、複数の引張材から構成され、締結部品は、閉鎖状部材相互を連結して保持することが好ましい。また、この閉鎖状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることが好ましい。
さらに、上記目的を達成するため、本発明に係る耐震補強ブレース構造は、建造物の隣接する柱と、それらの柱の両端に取り付く隣接する梁とで形成され、開口部を有する構面内において、対角上の柱梁仕口相互を筋交いで接続する耐震補強ブレース構造であって、筋交いが、構面内に梁と略並行に配置される線状部材、線状部材の両端を保持する締結部品、及び締結部品を近接する複数の柱梁仕口に接続する放射状部材から構成され、締結部品の配置を調節することで、線状部材及び放射状部材が開口部範囲外に配置されることを特徴とする。また、この線状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることが好ましい。さらに、この線状部材は、ケーブルであることが好ましい。
さらに、上記目的を達成するため、本発明に係る耐震補強ブレース構造は、建造物の隣接する柱と、それらの柱の両端に取り付く隣接する梁とで形成され、開口部を有する構面内において、対角上の柱梁仕口相互を筋交いで接続する耐震補強ブレース構造であって、筋交いが、構面内に柱と略並行に配置される線状部材、線状部材の両端を保持する締結部品、及び締結部品を近接する複数の柱梁仕口に接続する放射状部材から構成され、締結部品の配置を調節することで、線状部材及び放射状部材が開口部範囲外に配置されることを特徴とする。また、この線状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることが好ましい。さらに、この線状部材は、ケーブルであることが好ましい。
上記構成により、柱梁仕口の構面内に略四辺形の閉鎖状部材と、その四隅の締結部品から柱梁仕口に接続する放射状部材との組合せにより、後述するように、締結部品の配置を調節することで、開口部を確保することが可能となる。また、各放射状部材は、柱梁仕口に接続するため、柱や梁に取り付かず、構造的に効率の良いブレース構造が可能となる。
また、閉鎖状部材が引張材であり、締結部品が引張材を滑動可能に保持することで、閉鎖状部材を一体の引張材とし、締結部品の配置を調節することが可能となる。
また、上記閉鎖状部材を、柱に略平行な線状部材か、梁に略平行な線状部材のいずれかに置き換えることで、締結部品の配置を調節して開口部を確保することが可能となる。また、各放射状部材は、柱梁仕口に接続するため、柱や梁に取り付かず、構造的に効率の良いブレース構造が可能となる。
また、閉鎖状部材が引張材であり、長さ調節可能な継手部を備えることで、個々の部材ごとに張力を導入する必要がなく、閉鎖状部材全体の長さを継手部に設けられた長さ調節機構を締めこむことで、その張力が放射状部材に伝わり、耐震補強ブレース全体の部材に張力を導入することが可能となる。線状部材が引張材である場合も同様に、長さ調節可能な継手部を備えることで、線状部材の継手部に設けられた長さ調節機構を締めこむことで、その張力が放射状部材に伝わり、耐震補強ブレース全体の部材に張力を導入することが可能となる。
以上のように、本発明による耐震補強ブレース構造によれば、柱梁仕口の構面内に設けられた開口部を確保しつつ、開口部の位置や大きさに合わせて設置可能であり、張力導入の容易な耐震補強ブレース構造が可能となる。
以下に、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。
図1に耐震補強ブレース10の一つの実施形態での構成を示す。耐震補強ブレース10は、開口部8を有し、隣接する柱5と、柱の両端に取り付く隣接する梁6と、柱梁仕口9とで構成される構面内に取付けられる。耐震補強ブレース10は、この開口部8を確保するように、閉鎖状部材1、締結部品2、放射状部材3、仕口部取付金物4、及び継手部7により構成される。
閉鎖状部材1は、1本のケーブルから成り、構面内に略四辺形に配置される。これは、ケーブルが、可撓性を有し、適切な曲率半径を有するサドル状の部材に支持されることで略直角に屈曲できるからである。また、ケーブルは、鋼線をより合わせたロープであるが、その両端は定着金物により接合が可能となり、継手部7によりケーブルの両端の定着金物相互が連結される。
ケーブルとは、例えば、構造用ストランドロープ、構造用スパイラルロープをいう。ケーブルは、通常の鋼材と比べ高強度の亜鉛めっき鋼線(引張強さ1470N/mm、1570N/mm等)をより合わせたものであり、圧縮力、せん断力、及び曲げ応力には抵抗できないが、引張力に対しては著しい強度を有する。
この閉鎖状部材1は、ケーブル以外の引張材、例えば、アングル材やチャンネル材などの形鋼、丸形鋼管、角形鋼管、鋼棒から構成されても良い。あるいは、これらの引張材の組み合わせであっても良い。それらの場合には、閉鎖状部材1は、4本の上記いずれかの引張材を略四辺形に配置し、それぞれの引張材相互は締結部品2により連結される。これらの場合でも構成部材が引張材であるため、張力導入機構である継手部7を必要とする場合がある。
図2に、放射状部材3に関し、その一端での、締結部品2との接合の1つの実施例と、その他端での、仕口部取付金物4との接合の1つの実施例とをそれぞれ示す。放射状部材3は、本実施の態様では鋼棒から成り、その両端部には、同じく鋼棒からなる取付部12が、溶接によりT字型に接続されている。この取付部12のうち締結部品2との接続部分は、サドル13に設けられた孔に差し込まれてピン接合により接続される。また、この取付部12のうち仕口部取付金物4との接続部分は、プレート14に設けられた孔に差し込まれてピン接合により接続される。放射状部材3は鋼棒以外の他の引張材、例えば、アングル材やチャンネル材等の形鋼、丸形鋼管、角形鋼管、ケーブルなどであっても良い。
締結部品2は、閉鎖状部材1であるケーブルを適切な曲率半径により支持するサドルとしての機能と、閉鎖状部材1と放射状部材3とを接続する役割を兼ね備える。図2に締結部品2の概略を示す。締結部品2は、半割りのサドル13を閉鎖状部材1を挟んで重ね合わせ、3本のボルト11により締め付けられる。図2には、半割りの一方のサドル13のみを示す。この半割りのサドル13には、閉鎖状部材1を曲率半径Rにより支持する半円の溝が切られている。この溝により閉鎖状部材1は、滑動可能となる。
仕口部取付金物4は、放射状部材3を柱梁仕口9に固定する機能を有する。図2に、仕口部取付金物4の概略を示す。本実施の態様では、仕口部取付金物4は、柱5及び梁6にそれぞれボルト16により取付けられる2枚のプレート14及び15から構成される。プレート14及び15には、放射状部材3を挿入可能な孔が明けられている。
これらの閉鎖状部材1、締結部品2及び放射状部材3の組合せから、締結部品2の位置を調節することで、開口部8の位置及び大きさに合わせて耐震補強ブレース10を配置することが可能となる。
図3に耐震補強ブレース10の開口部8の位置及び大きさに対する配置の実施例の概念図を示す。図3(a)は、開口部8が横長な窓等である場合を、図3(b)は、開口部8が2つの窓からなる場合を、図3(c)は、開口部8が、出入口である場合を示す。このように、締結部品2の位置を、開口部8の稜線を延長した線により決まる斜線部A及びB(図3(a))内の任意の位置に配置することで、開口部8を確保しつつ耐震補強ブレース10を取付けることができる。この締結部品2は、上記範囲内であって、柱梁の仕口を対角線上に結んだ一点鎖線m及びn(図3(a))の一方と最も平行に近くなるように位置決めをすることで、構造上効率の良いブレース構造となる。
耐震補強ブレース10の張力導入は、ケーブルである閉鎖状部材1に取付けられた継手部7により行われる。図4(a)に、閉鎖状部材1の継手部7の概略を示す。ケーブルから成る閉鎖状部材1の端部は、定着部19により定着され、定着部19からケーブルとは反対側に締結ボルト17が取付けられる。一本の閉鎖状部材1の始端と終端の定着部19から延びた締結ボルト17は、相互に逆ネジが切られたカップラー18により結合される。このカップラー18を締めこむことで双方の定着部19の間隔が短縮され、閉鎖状部材1全体に張力が導入される。閉鎖状部材1は、連続した1本のケーブルが、締結部品2において滑動可能に支持される。耐震補強ブレース10の取り付けの際、締結部品2のボルト11をルーズにしておくことで、閉鎖状部材1は締結部品2のサドル13に沿って移動可能となる。
また、締結部品2は、閉鎖状部材1の継手部7での長さ調節による張力導入により、全体的に閉鎖状部材1の内側へと移動する。これに従い、放射状部材3は締結部品2に接続する端部も移動しようとするが、仕口部取付金物4に接続する端部の位置が固定されているために、放射状部材3自体にも張力が導入される。
この長さ調節を行う継手部7は、閉鎖状部材1に少なくとも1箇所取付けられていればその機能を果たすが、2箇所以上取付けられていてもよい。また、放射状部材3に取付けられた、例えば、ターンバックルと併用されても良い。
また、他の実施の態様では、この継手部7が締結部品2に組み込まれる。すなわち、3箇所の締結部品2は閉鎖状部材1をサドル13により滑動可能に支持し、1箇所の締結部品2は、ケーブルの両端の定着部19を、サドル13を用いずに定着させ、長さ調節機構をこの継手部7に設けることが可能である。図4(b)に、締結部品2に設けた長さ調節機構の実施例を示す。一方の閉鎖状部材1は、その定着部19に取付けられた締結ボルト17により締結部品2に直接ねじ込まれる。他方の閉鎖状部材1は、その定着部19と締結部品2との間にカップラー18が設けられる。定着部19及び締結部品2から延びた締結ボルト17は、相互に逆ネジが切られたカップラー18により結合される。このカップラー18を締めこむことで定着部19と締結部品2との間隔が短縮され、閉鎖状部材1全体に張力が導入される。
図5に、耐震補強ブレース10の他の実施の形態を示す。この耐震補強ブレース10は、柱梁の構面内に梁6と略並行に配置される線状部材32と、線状部材32の両端を保持する締結部品2と、締結部品2をそれぞれ近接する2箇所の柱梁仕口9の仕口部取付金物4に接続する放射状部材3とから構成される。締結部品2の位置を、開口部8の稜線を延長した線により決まる斜線部A内の任意の位置に配置することで、開口部8を確保しつつ耐震補強ブレース10を取付けることができる。この締結部品2は、上記範囲内であって、柱梁仕口9を対角線上に結んだ一点鎖線m及びnの一方と最も平行に近くなるように位置決めをすることで、構造上効率の良いブレース構造となる。
この耐震補強ブレース10の場合には、この線状部材32に長さ調節可能な継手部7が取付けられる。締結部品2は、線状部材32の継手部7での長さ調節による張力導入により、線状部材32側へと移動する。これに従い、放射状部材3は締結部品2に接続する端部も移動しようとするが、仕口部取付金物4に接続する端部の位置が固定されているために、放射状部材3自体にも張力が導入される。
図6に、耐震補強ブレース10の他の実施の形態を示す。この実施の形態は、上記実施の形態の線状部材32を柱5に略並行にした場合であり、その他の構成は上記実施の形態と同様である。
この耐震補強ブレース10の場合には、この線状部材32に長さ調節可能な継手部7が取付けられ、この継手部7での長さ調節による張力導入により、上記と同様に放射状部材3自体にも張力が導入される。
本発明に係る耐震補強ブレースの実施の態様を示す概略図である。 放射状部材の両端部での、締結部品及び仕口部取付金物との接合例を示す概略図である。 耐震補強ブレースの配置例を示す概念図である。 閉鎖状部材の継手部の構成の例を示す概略図である。 耐震補強ブレースの他の実施の態様を示す概略図である。 耐震補強ブレースの他の実施の態様を示す概略図である。 従来のブレース構造の種類を示す概略図である。 従来技術を示す図である。 従来技術を示す図である。 従来技術を示す図である。
符号の説明
1 閉鎖状部材、2 締結部品、3 放射状部材、4 仕口部取付金物、5,25,29 柱、6,26,30 梁、7 継手部、8,24 開口部、9 柱梁仕口、10 耐震補強ブレース、11,16 ボルト、12 取付部、13 サドル、14,15 プレート、17 締結ボルト、18 カップラー、19 定着部、20 接合金物、21,31 連結金物、22 ブレース材、23 補強ブレース、27 ブレース制震装置、28 引張り材、32 線状部材。

Claims (10)

  1. 建造物の隣接する柱と、それらの柱の両端に取り付く隣接する梁と、で形成され、開口部を有する構面内において、対角上の柱梁仕口相互を筋交いで接続する耐震補強ブレース構造であって、
    筋交いが、構面内に略四辺形に配置される閉鎖状部材、閉鎖状部材の四隅を保持する締結部品、及び締結部品を近接する柱梁仕口に接続する放射状部材から構成され、
    締結部品の配置を調節することで、閉鎖状部材及び放射状部材が開口部範囲外に配置されることを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  2. 請求項1に記載の耐震補強ブレース構造において、
    閉鎖状部材は、始端と終端とを連結する継手部を有する引張材から成り、締結部品は、閉鎖状部材を滑動可能に保持することを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  3. 請求項1に記載の耐震補強ブレース構造において、
    閉鎖状部材は、引張材から成り、3箇所の締結部品は、閉鎖状部材を滑動可能に保持し、1箇所の締結部品は、閉鎖状部材の両端部を固定して保持することを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  4. 請求項1に記載の耐震補強ブレース構造において、
    閉鎖状部材は、複数の引張材から構成され、締結部品は、閉鎖状部材相互を連結して保持することを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  5. 請求項1、2、3、4のいずれか1に記載の耐震補強ブレース構造において、
    閉鎖状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  6. 建造物の隣接する柱と、それらの柱の両端に取り付く隣接する梁と、で形成され、開口部を有する構面内において、対角上の柱梁仕口相互を筋交いで接続する耐震補強ブレース構造であって、
    筋交いが、構面内に梁と略並行に配置される線状部材、線状部材の両端を保持する締結部品、及び締結部品を近接する複数の柱梁仕口に接続する放射状部材から構成され、
    締結部品の配置を調節することで、線状部材及び放射状部材が開口部範囲外に配置されることを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  7. 建造物の隣接する柱と、それらの柱の両端に取り付く隣接する梁と、で形成され、開口部を有する構面内において、対角上の柱梁仕口相互を筋交いで接続する耐震補強ブレース構造であって、
    筋交いが、構面内に柱と略並行に配置される線状部材、線状部材の両端を保持する締結部品、及び締結部品を近接する複数の柱梁仕口に接続する放射状部材から構成され、
    締結部品の配置を調節することで、線状部材及び放射状部材が開口部範囲外に配置されることを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  8. 請求項6又は7に記載の耐震補強ブレース構造において、
    線状部材は、長さ調節可能な継手部を備えることを特徴とするブレース構造。
  9. 請求項1、2、3、5のいずれか1に記載の閉鎖状部材は、ケーブルであることを特徴とする耐震補強ブレース構造。
  10. 請求項6、7、8のいずれか1に記載の線状部材は、ケーブルであることを特徴とする耐震補強ブレース構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112878708A (zh) * 2021-01-27 2021-06-01 北京建工四建工程建设有限公司 一种钢筋混凝土柱加固结构及其施工方法
CN114059793A (zh) * 2021-12-01 2022-02-18 成都理工大学 一种土木工程建筑结构加固装置
KR20220111855A (ko) * 2021-02-03 2022-08-10 주식회사 지원산업 개구부 내진보강 시스템

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