JP2007085008A - 保管庫及び可搬式診療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材を有効に活用して、抗堪性、耐火性及び耐水性を兼ね備えた保管庫及びこの保管庫を用いた可搬式診療装置を提供する。
【解決手段】保管庫本体110は、外側筐体110a、この外側筐体内に嵌装した中側筐体110b及びこの中側筐体内に嵌装した内側筐体110cの三層構造からなる。また、外蓋120は、四角環状枠体120a及びこの枠体の上端開口部に嵌着した蓋壁120bでもって構成されている。蓋壁は、内壁部124上に中壁部125及び外壁部126を順次積層して三層構造に構成されている。外側筐体、枠体及び外壁部は、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されている。中側筐体及び中壁部は、鉄板で形成されている。内側筐体及び内壁部は杉板で形成されている。枠体の下端開口部及び保管庫本体の上端開口部は、互いに気密的に嵌合するように、断面階段形状に形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、色々な保管物を収納する保管庫及びこの保管庫を用いてなる可搬式診療装置に関する。
近年、震災、火災や風水害等による大きな災害がしばしば発生している。例えば、大震災が発生すると、大病院等の医療機関の建物は倒壊しなくとも、この建物内に設置されていた各種の医療機器やコンピュータ等の支援機器が破壊されてしまう。これは、当該医療機器やコンピュータ等の支援機器が抗堪性に欠けることによる。
また、上述した医療機器やコンピュータ等の支援機器が破壊されなくても、大震災の発生に伴い火災が起きると、当該医療機器やコンピュータ等の支援機器が、焼失してしまう。これは、当該医療機器やコンピュータ等の支援機器が耐火性に欠けることによる。このようなことは、震災とは関係なく別途火災が発生しても同様である。
また、上述した医療機器やコンピュータ等の支援機器が破壊されなくても、大震災の発生に伴い大きな津波が発生するか、液状化現象の発生により、当該医療機器やコンピュータ等の支援機器が、水害にあって、使用不能となってしまう。これは、当該医療機器やコンピュータ等の支援機器が耐水性に欠けることによる。このようなことは、震災とは関係なく別途水害が発生しても同様である。
従って、上述のような災害から医療機器やコンピュータ等の支援機器を保護するためには、当該医療機器やコンピュータ等の支援機器を適宜な保管庫に収納しておくことが考えられる。
このような保管庫の一例としては、下記特許文献1に開示された耐火収納庫が挙げられる。この耐火収納庫は、外側筐体の内側に緩衝層を介し内側筐体を収容して構成されている。ここで、外側筐体は、鉄板からなる外壁の内側に、不燃液を含浸してなる吸水性耐火板を介し、鉄板からなる内壁を積層して構成されている。また、内側筐体は、耐湿性或いは断湿性の断熱材からなる桐パーテェクル板でもって構成されている。また、緩衝層は、耐湿性或いは断湿性を有する断熱性弾性部材、例えば、グラスファイバーでもって構成されている。
特開平08−214932号公報
ところで、上述した耐火収納庫においては、外側筐体のうち、鉄板からなる外壁が外部に直接晒されることになる。ここで、鉄板は外部からの衝撃や熱に弱く変形し易い。
このため、上述のような震災や火災に伴い、耐火収納庫が外部から衝撃や熱を受けると、この耐火収納庫は、その外壁から変形し破壊されたりつぶれたりしていく。
また、上述のごとく、耐火収納庫においては、外側筐体のうち、鉄板からなる外壁が外部に直接晒される。ここで、当該外側筐体の外壁を構成する鉄板は、耐水性に欠ける。このため、上述のような津波や水害に伴い、耐火収納庫が水に晒されると、この耐火収納庫内には、水が、外側筐体の外壁を構成してなる隣り合う鉄板の合わせ目を通して浸入し易い。
以上のようなことは、外側筐体が、上述のような材料からなる三層構造であっても、特に変わりはない。これは、外側筐体の外壁自体が鉄板でもって構成されているためである。
従って、耐火収納庫は、上述した抗堪性、耐火性及び耐水性に欠けるため、このような耐火収納庫内に医療機器やコンピュータ等の支援機器を収納しておいても、当該医療機器やコンピュータ等の支援機器を上述した災害から適切に保護することはできず、このような医療機器やコンピュータ等の支援機器では、被災者の診療には役に立たないという不具合を招く。
また、耐火収納庫を、上述のような医療機器やコンピュータ等の支援機器の収納に利用するのではなく、例えば、金庫として利用するとしても、当該金庫は、その収容物を上述した災害から適切に保護するのには、同様に、役立たないという不具合を招く。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材を有効に活用して、抗堪性、耐火性及び耐水性を兼ね備えた保管庫及びこの保管庫を用いた可搬式診療装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係る保管庫は、請求項1の記載によれば、
保管物を収納するための保管庫本体(110)と、この保管庫本体の上端開口部に開閉可能に設けられる蓋(120)とを備える。
当該保管庫において、
保管庫本体は、
桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材に難燃溶液を含浸して形成される外側筐体(110a、110e、110h)と、
この外側筐体内に嵌装されて鉄板或いはこの鉄板と同様の特性を有する金属板で形成してなる中側筐体(110b、110f、110i)と、
この中側筐体内に嵌装されて木材で形成してなる内側筐体(110c、110g、110j)とを備えて、
上記上端開口部を、各筐体の全上端開口部でもって構成してなり、
蓋は、
桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材に難燃溶液を含浸して形成される中空状枠体(120a、120d〜120f)と、
この枠体の上端開口部内に嵌着されてなる蓋壁であって、木材からなる内壁部(124)、この内壁部上に積層されて鉄板或いはこの鉄板と同様の特性を有する金属板で形成してなる中壁部(125)及びこの中壁部上に積層されて桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材からなる外壁部(126)でもって構成される蓋壁(120b)とを備えており、
枠体の下端開口部及び各筐体の全上端開口部は、それぞれ、互いに気密的に嵌合する嵌合形状に形成されていることを特徴とする。
これによれば、保管庫の各構成部材のうち外部に対向する構成部材は、保管庫本体の外側筐体及び蓋である。また、保管庫本体は、外側筐体、中側筐体及び内側筐体の三層構造で構成されているとともに、蓋の蓋壁は、内壁部、中壁部及び外壁部の三層構造で構成されている。
しかも、保管庫本体では、外側筐体が、桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材で形成され、中側筐体が、鉄板或いはこの鉄板と同様の特性を有する金属板で形成され、内側筐体が木材で形成されている。また、蓋では、枠体及び外壁部が、桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材で形成され、中壁部が、鉄板或いはこの鉄板と同様の特性を有する金属板で形成され、内壁部が木材で形成されている。
従って、外部から強い衝撃力が保管庫に加わると、この保管庫は、上記三層構造のもとに、外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部にて、上記強い衝撃力を外力として受けることになる。
しかし、外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部は、上述のごとく、桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材で形成されている。また、当該木材の厚さが、上述の強い衝撃力を十分にかつ緩やかに緩和吸収し得る厚さであれば、上述の外力は、桐板或いはこの桐材と同様の特性を有する木材からなる外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部により、その固有の特性及び板厚でもって、上記外力を受けた部位を中心として応力分散し、良好にかつ緩やかに緩和吸収されて、中側筐体や蓋壁の中壁部に伝わる。従って、当該中側筐体や蓋壁の中壁部が塑性変形したりすることがない。
しかして、上述のように中側筐体や蓋壁の中壁部は木材よりも堅い上記金属板からなることから、上述のように伝わる外力は、中側筐体や蓋壁の中壁部によりさらに急激に緩和吸収されて内側筐体や蓋壁の内壁部に伝わる。
然る後、上述のように内側筐体や蓋壁の内壁部は、木材で形成されているため、上述のように内側筐体や蓋壁の内壁部に伝わる外力は、内側筐体や蓋壁の内壁部により緩和吸収され得る。
以上のような過程を経て、上述の強い衝撃力は、上述の三層構造からなる保管庫本体や蓋によって、良好に緩和吸収され得る。このことは、保管庫が良好な抗堪性を有することを意味する。
また、外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部が、上述のごとく、桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材に難燃溶液を含浸して形成されている。このため、外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部は高い温度の耐火性に優れている。従って、火災が発生しても、外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部は燃えにくい。
しかも、保管庫本体及び蓋は上述のような三層構造に構成され、かつ、中側筐体及び蓋壁の中壁部は、鉄板或いはこの鉄板と同様の特性を有する金属板で形成されている。このため、外側筐体及び蓋壁の外壁部の高い温度の耐火性と相まって、保管庫の耐火性がさらに向上する。このことは、保管庫は、優れた耐火性を有することを意味する。
また、外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部は、上述のごとく、桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材で形成されている。この木材は、耐湿性に富むという特性を有する。しかも、枠体の下端開口部及び各筐体の全上端開口部は、それぞれ、互いに気密的に嵌合する嵌合形状に形成されている。
このような前提のもと、桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材がその耐湿性に起因して浸水に対して膨張する特性を発揮することで、外側筐体、枠体や蓋壁の外壁部が浸水に対しても耐水性を良好に発揮し得る。このことは、保管庫が優れた耐水性を有することを意味する。
その結果、当該保管庫は、重要な物を良好に保管する金庫その他の保管庫として使用するのに有効である。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の保管庫において、
蓋が保管庫本体の上端開口部に対し上下方向に傾斜状に回動するように、枠体の下端開口部及び各筐体の全上端開口部は、その各対応端部にて、互いに支持されており、
各筐体の全上端開口部の嵌合形状は、内側筐体側から外側筐体側にかけて断面階段形状となっており、枠体の下端開口部の嵌合形状は、内側筐体側から外側筐体側にかけて上記断面階段形状とは逆の断面階段形状となっていることを特徴とする。
これにより、蓋と保管庫本体との間の嵌め合わせ部分(嵌合部分)の気密性がより一層具体的に確保され、その結果、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1に記載の保管庫において、
各筐体の全上端開口部のうち内側筐体の上端開口部は、外側及び中側の両筐体の各上端開口部よりも上方へ筒状に突出しており、
枠体の下端開口部が内側筐体の筒状上端開口部に気密的に嵌合するように当該筒状上端開口部の外形寸法に合わせて筒状に形成されていることを特徴とする。
このような構成により、蓋が、枠体の下端開口部にて、内側筐体の筒状上端開口部に気密的に嵌合する。その結果、本請求項3に記載の発明によっても、耐水性を良好に確保しつつ、請求項1に記載の発明のその他の作用効果が達成され得る。
また、本発明に係る可搬式診療装置は、請求項4の記載によれば、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の保管庫(100)と、
この保管庫に収納してなる診療用測定器(300)、端末(400)及び電源(500)その他の医療に必要な部材とを備えることを特徴とする。
これにより、例えば、大震災による地震、火災、津波や液状化現象が発生しても、保管庫は、上述のごとく、抗堪性、耐火性及び耐水性に優れるので、医療に必要な部材は、被災することなく、保管庫により良好に保管され得る。また、当該保管庫の形成材料の大半が木材であることから、軽く、可搬式に優れる。従って、当該診療装置を大震災の発生による被災地に容易に移動させることができる。
よって、当該診療装置に収納してある医療に必要な部材を用いて、多数の被災者の診療が、タイミングよく、迅速にかつ容易に行い得る。また、上記医療に必要な部材のうち電力を要する部材にあっては、保管庫に収納してある電源の電力を利用できる。従って、商用電源が、当該診療装置の近くになかったり、大震災のために使用不能となっていても、これにかかわりなく、上記医療に必要な部材を用いて診療を行うことが可能である。
このことは、当該診療装置は、多数の被災者の緊急時の診療装置として有益であることを意味する。
また、本発明に係る可搬式診療装置は、請求項5の記載によれば、
請求項1又は2のいずれか1つに記載の保管庫(100)と、
この保管庫に収納してなる診療用測定器(300)、端末(400)及び電源(500)その他の医療に必要な部材とを備え、
保管庫は、保管庫本体の上端開口部内にこの上端開口部を開閉可能に設けられた内蓋(130、160)と、保管庫本体の下面に設けられたキャスター手段(110d)とを備えており、
端末は、内蓋の面に固定されていることを特徴とする。
これにより、請求項4に記載の発明と同様の作用効果が達成され得るのは勿論のこと、上述のように保管庫本体の下面にキャスター手段を設けることで、当該診療装置の可搬性がさらに向上し得る。また、保管庫本体の上端開口部内に開閉可能に設けられた内蓋の面に端末を固定することで、端末が、保管庫本体内で移動したりすることなく安定して保護され得る。さらに、当該内蓋によれば、上記蓋による保護と相まって、上記医療に必要な部材のうち端末以外の部材の保護が、当該部材の保管庫本体からの取り出しを可能としつつ、さらに向上され得る。
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項5に記載の可搬式診療装置において、
保管庫本体の周壁に横方向に変位可能にかつ立設状に支持される支持体(150)を備え、
内蓋は、その基端部にて、保管庫本体の内側筐体の上端開口部に支持体側にて上下方向へ傾斜状に回動可能に支持されており、
端末は、内蓋の下面に固定されており、
内蓋が開かれるとき、保管庫本体の周壁から支持体を横方向に変位させることで、内蓋を支持体により下方から支持するようにしたことを特徴とする。
このように、支持体が保管庫本体の周壁に横方向に変位可能に支持され、内蓋が、その基端部にて、保管庫本体の内側筐体の上端開口部に支持体側にて上下方向に傾斜して開閉可能に支持されることで、開かれた内蓋が支持体により下方から支持される。このとき、端末が内蓋上に位置するので、端末の操作が容易になり、便利である。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明が適用されてなる可搬式診療装置の第1実施形態を示している。当該可搬式診療装置は、図1〜図3にて示すごとく、保管庫100を備えている。なお、図1において、紙面の手前側及び奥側が、当該診療装置の前側及び後側に対応する。また、図1において、図示左側及び右側が、当該診療装置の右側及び左側に対応する。また、保管庫100の高さは、設置面から約50cmである。
この保管庫100は、保管庫本体110を有しており、当該保管庫本体110は、図4〜図6から分かるように、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cでもって構成されている。
外側筐体110aは、四角筒状の周壁111の下端開口部を底壁112でもって閉じるように構成されている。周壁111は、前壁111a、後壁111b、左壁111c及び右壁111dでもって四角筒状となるように接合して構成されている。
ここで、前壁111aは、その左右両側縁部にて、左壁111c及び右壁111dの各前縁部に接着剤でもって接合されている。また、後壁111bは、各左右両側縁部にて、左壁111c及び右壁111dの各後側縁部に接着剤でもって接合されている。また、底壁112は、その外周縁部にて、周壁111の下端開口部に接着剤でもって嵌合されている。
本第1実施形態では、周壁111の前壁111a、後壁111b、左壁111c及び右壁111d並びに底壁112は、それぞれ、長方形状の桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されている。
このように桐板を採用するのは、当該桐板は、桐タンス等に使用されているように、防湿性、耐熱性、軽量性、保温性及び耐衝撃性に富むという固有の特性を有するためである。また、上述のように、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸することとしたのは、メタルシリコン系難燃溶液は、その含浸により、桐板に良好な耐熱性を与えるためである。例えば、メタルシリコン系難燃溶液を含浸した桐板は、鉄の溶融温度に近いかなり高い耐熱温度を有し、例えば1200℃の炎に10分間晒されても、十分に良好な難燃性を発揮し得る。
また、周壁111及び底壁112を構成する各桐板としては、外部からの強い衝撃力を分散して良好に緩和或いは吸収することができ、かつ汎用性の高い板厚12mmの桐板が採用されている。
中側筐体110bは、外側筐体110aに嵌装されているもので、この中側筐体110bは、四角筒状周壁113の下端開口部を底壁114でもって閉じるように構成されている。周壁113は、前壁113a、後壁113b、左壁113c及び右壁113dを、四角筒状となるように接合して形成されている。
ここで、当該周壁113の前壁113a、後壁113b、左壁113c及び右壁113dは、それぞれ、長方形状の鉄板でもって形成されており、前壁113aは、左右両側縁部にて、左壁113c及び右壁113dの各前縁部にスポット溶接でもって接合されている。また、後壁113bは、左右両側縁部にて、左壁113c及び右壁113dの各後側縁部にスポット溶接でもって接合されている。なお、周壁113の上端面113e(中側筐体110bの上端開口部の開口端面)は、周壁111の上端面111e(外側筐体110aの上端開口部の開口端面)と同一の面内に位置する。
底壁114は、長方形状の鉄板でもって形成されており、この底壁114は、その外周縁にて、周壁113の下端開口部にスポット溶接でもって接合して嵌合されている。なお、周壁113及び底壁114を構成する各鉄板としては、汎用性の高い板厚1.2mmの鉄板が採用されている。
内側筐体110cは、中側筐体110bに嵌装されているもので、この内側筐体110cは、四角筒状周壁115の下端開口部を底壁116でもって閉じるように構成されている。
周壁115は、前壁115a、後壁115b、左壁115c及び右壁115dを、四角筒状となるように接合して形成されている。ここで、前壁115aは、左右両側縁部にて、左壁115c及び右壁115dの各前側縁部に接着剤でもって接合されている。また、後壁115bは、左右両側縁部にて、左壁115c及び右壁115dの各後側縁部に接着剤でもって接合されている。また、底壁116は、その外周縁部にて、周壁115の下端開口部内に接着剤でもって接合されている。
また、内側筐体110cの周壁115は、その上端面115e(内側筐体110cの上端開口部の開口端面)にて、中側筐体110bの周壁113の上端面113e(中側筐体110bの上端開口部の開口端面)よりも上方に突出している。このことは、周壁115の上端面115eが、周壁113の上端面113eよりも上方に位置することを意味する。これにより、各周壁111、113及び115の上端面(各周壁111、113及び115の全上端開口部の上端面)が、全体として、図4〜図6にて例示するような断面階段状に形成される。
但し、周壁115において、上端面115eは、図4〜図6にて例示するごとく、周壁113の上端面113eから上方へかつ内方に向け傾斜状に形成されて、傾斜面115fとなっている。なお、保管庫本体110の上端開口部の開口端面が、周壁111の上端面111e、周壁113の上端面113e及び周壁115の上端面115eでもって構成される。
また、本第1実施形態では、周壁115の前壁115a、後壁115b、左壁115c及び右壁115d並びに底壁116は、それぞれ、長方形状の杉板により形成されている。このように杉板を採用したのは、杉板が、桐板に準ずるような木材としての特性を有し、かつ当該桐板よりも曲げ応力に強く低コストであるためである。また、周壁115及び底壁116を構成する各杉板としては、汎用性の高い板厚12mmの杉板が採用されている。
また、保管庫本体110は、4つのキャスター110dを備えており、これら各キャスター110dは、それぞれ、外側筐体110aの底壁112の四隅に装着されている。
当該保管庫100は、外蓋120及び内蓋130を備えており、これら外蓋120及び内蓋130は、保管庫本体110の開口部を開閉する二重蓋構造を構成する。
外蓋120は、四角環状枠体120aの中空部内に四角板状の蓋壁120bを嵌着して構成されており、この外蓋120は、図4にて示すごとく、枠体120aの右端部にて、蝶番120cを介し、外側筐体110aの右壁111dの上端部に上下方向に傾斜状に開閉可能に支持されている。
枠体120aは、前後左右の枠板部を接着剤でもって四角環状に接着して形成されている。当該枠体120aの各枠板部は、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されており、枠体120aの下端面は、図4〜図6にて示すごとく、周壁111、113及び115の各上端面の全体としての断面階段形状とは、逆の断面階段形状となるように形成されている。詳細には、枠体120aの下端面(枠体120a或いは外蓋120の下端開口部の下端面)は、周壁111、113の各上端面に接合する外側端面121、周壁115の傾斜面115fに接合する傾斜端面122及び周壁115の上端面115eに接合する内側端面123でもって構成されている。これは、枠体120aの下端面を周壁111、113及び115の各上端面に気密的かつ液密的に一様に接合させるためである。換言すれば、枠体120a(外蓋120)の下端開口部を保管庫本体110の上端開口部に気密的かつ液密的に嵌合させるためである。
蓋壁120bは、図4〜図6にて示すごとく、内壁部124、中壁部125及び外壁部126を順次積層して構成されており、中壁部125は、内壁部124上に接着剤でもって接着されている。また、外壁部126は、中壁部125上に接着剤でもって接着されている。また、内壁部124、中壁部125及び外壁部126は、その各外周端面にて、枠体120aの中空部内面に接着剤でもって接着されている。
なお、外壁部126は、厚さ12mmの桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されている。また、中壁部125は、板厚1.2mmの鉄板でもって形成されている。また、内壁部124は、板厚12mmの杉板でもって形成されている。
内蓋130は、桐板で形成されており、この内蓋130は、図5にて示すごとく、基端部131にて、蝶番130aを介し、周壁115の左壁115cの上端部に上下方向に開閉可能に支持されている。また、内蓋130は、閉じたとき、図1〜図4にて示すごとく、その先端部132にて、長手状の受け部材117上に支持されるようになっている。ここで、長手状の受け部材117は、周壁115の右壁115dの上端部の内面に沿い前後方向に固着されている。
蝶番130aは、両金属板133、134を金属ロッド135に回動可能に連結してなるもので、金属板133は、周壁115の左壁115cの上端部の内面に沿い前後方向に装着されている。
また、金属板134は、金属ロッド135から内蓋130の基端部131に向けて延出してなるもので、この金属板134は、各周壁111、113及び115の上端面に一様に当接するような断面階段形状に形成されている。
具体的には、金属板134は、基板部134a、内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dでもって構成されている。基板部134aは、金属ロッド135から回動可能に延出している。内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dは、内板部134bから外板部134dにかけて、左壁115c、113c及び111cの各上端面に一様に当接するように、断面階段状に形成されている。
換言すれば、基板部134aを金属板133に沿わせるように金属板134を回動させたとき、内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dが、それぞれ、左壁115c、113c及び111cの各上端面に一様に当接するように、金属板134の断面形状が、断面階段状に形成されている。なお、金属板133、134及び金属ロッド135は、鉄でもって形成されている。
また、保管庫100は、両ストッパー部材140及び支持体150を備えている。両ストッパー部材140は、長手状のもので、これら両ストッパー部材140は、図2にて示すごとく、内蓋130の対角線方向に沿い互いに平行となるように、内蓋130の外面136上に突設されている。
支持体150は、図2或いは図3にて示すごとく、支持板150aと、キャスター150bとを備えており、支持板150aは、その基端部にて、蝶番150cを介し、外側筐体110aの左壁111cの後端部に横方向に回動可能に支持されている。なお、支持板150aは、両ストッパー部材140の各対向面の間隔よりも幾分狭い板厚を有する。
キャスター150bは、図1及び図3にて示すごとく、支持板150aの基端部から離れた位置にて当該支持板150aの下端部に取り付けられている。これにより、支持板150aは、設置面上においてキャスター150bにより横方向に回動可能に支持される。
また、当該可搬式診療装置は、図1にて示すごとく、保管庫100内に収納してなるカメラ200、診療用測定器300、端末400及び電源500を備えている。
カメラ200は、患者の患部を撮影して、この患者の患部の画像を画像データとして取得するために用いられる。診療用測定器300は、血圧計、心拍計及び体温計からなるもので、これら血圧計、心拍計及び体温計は、患者の血圧、心拍及び体温を測定するために用いられる。
端末400は、携帯型パーソナルコンピュータからなるもので、この端末400は、図1にて示すごとく、内蓋130の下面に保管庫本体110内から着脱可能に取り付けられている。
当該端末400は、カメラ200及び診療用測定器300に接続することにより、カメラ200により取得された画像データ及び診療用測定器300により計測された血圧、心拍、体温を診断データとして取得し、これらの診断データを液晶パネルの画面に表示する。
電源500は、保管庫100の底部内に収納してなるもので、この電源500は、カメラ200、診療用測定器300及び端末400に接続されて電力を供給する。なお、電源500は、当該可搬式診療装置に専用の電源である。
また、当該可搬式診療装置は、図1にて示すごとく、保管庫100に収納してなる緊急医療品収納箱600を備えており、この緊急医療品収納箱600には、緊急時に必要とされる包帯、注射器や医薬品等が収納されている。
以上のように構成した本第1実施形態において、大震災が、ある地域(以下、被災地ともいう)において発生すれば、医療機関の建物が倒壊しなくても、例えば、当該建物内の戸棚その他の什器が地震の揺れでもって転倒することが多い。
ここで、当該可搬式診療装置が、上記大震災の発生前において、保管庫100を外蓋120によりきちんと閉めた状態にて、予め、上記被災地の医療機関の建造物内に配備されているものとする。このような状態では、外蓋120の下端開口部が保管庫本体110の上端開口部(各筐体110a、110b及び110cの周壁の全上端開口部)に気密的かつ液密的に嵌合している。
例えば、上述のような戸棚の転倒に伴い当該戸棚が当該診療装置に当たると、この診療装置は、戸棚から強い衝撃力を外力として受ける。
ここで、当該診療装置の保管庫100の各構成部材のうち外部に対向する構成部材は、上述した構成から分かるように、保管庫本体110の外側筐体110a及び外蓋120である。また、保管庫本体110は、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cの三層構造で構成されているとともに、外蓋120は、枠体120aと、蓋壁120bである内壁部124、中壁部125及び外壁部126の三層構造とで構成されている。
従って、保管庫100は、上記三層構造のもとに、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126にて、上述した戸棚からの強い衝撃力である外力を受けることになる。
ここで、保管庫本体110では、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cが、それぞれ、桐板、鉄板及び杉板で形成され、外蓋120では、枠体120a及び、外壁部126が、それぞれ、桐板で形成され、中壁部125及び内壁部124が、それぞれ、鉄板及び杉板で形成されている。
また、桐板は、12mmという板厚を有し、上述の強い衝撃力を分散して十分にかつ緩やかに緩和吸収し得る。このため、上述の外力は、桐板からなる外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126により、上記外力を受けた部位を中心として応力分散し、桐板の固有の特性及び桐板の板厚でもって良好にかつ緩やかに緩和吸収されて、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125に伝わる。従って、中側筐体110b、枠体120aや蓋壁120bの中壁部125が塑性変形したりすることがない。
しかして、上述のように中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125は木材よりも堅い鉄板からなることから、上述のように伝わる外力は、分散され、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125によりさらに急激に緩和吸収されて内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124に伝わる。なお、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125を形成する鉄の板厚は、上述のごとく、1.2mmであるが、この板厚は、桐板からなる外側筐体110aや蓋壁120bの外壁部126でもって上述のように緩和吸収された外力を緩和吸収するには十分である。
然る後、内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124は、上述のように、桐板に準ずる木材としての特性を有する杉板で形成されており、曲げ応力に強い特性を有するため、上述のように内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124に伝わる外力は、内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124により緩和吸収され得る。
以上のような過程を経て、上述の強い衝撃力は、上述の三層構造からなる保管庫本体110や外蓋120によって、良好に緩和吸収され得る。このことは、保管庫100が良好な抗堪性を有することを意味する。従って、医療機関の建物内にある医療機器やコンピュータ等の支援機器が地震の影響を直接受けて破壊されて使用不能となっても、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用測定器300、端末400、電源500及び緊急医療品収納箱600は、保管庫100により上記外力から良好に使用可能に保護され得る。
また、上述のような大震災の発生に伴い医療機関の建物内に火災が発生すると、当該建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接火災の影響を受けて焼失し、使用不能となることが多い。
しかし、当該診療装置においては、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126が、上述のごとく、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されている。このため、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126は高い温度の耐火性に優れている。従って、上述のように医療機関の建物内に火災が発生しても、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126は燃えにくい。
しかも、保管庫本体110及び外蓋120の蓋壁120bは上述のような三層構造に構成され、かつ、中側筐体110b及び蓋壁120bの中壁部125は、鉄で形成されている。このため、外側筐体110a及び蓋壁120bの外壁部126の高い温度の耐火性と相まって、保管庫100の耐火性がさらに向上する。このことは、保管庫100は、優れた耐火性を有することを意味する。
その結果、上述のように医療機関の建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接火災の影響を受けて焼失して使用不能となっても、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用測定器300、端末400、電源500及び緊急医療品収納箱600は、火災の影響を受けることなく、保管庫100により良好に使用可能に保護され得る。
また、上述のような大震災の発生に伴いビル建物の液状化現象で浸水したり上記被災地に津波が発生して医療機関の建物が浸水すると、当該建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接浸水して、使用不能となることが多い。
しかし、当該診療装置においては、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126は、上述のごとく、桐板で形成されている。この桐板は、上述のごとく耐湿性に富むという特性を有する。しかも、外側筐体110aの隣り合う各両壁の接合(左右両壁と前壁及び後壁との間の接合)は、接着剤でもって良好に確保されている。また、枠体120aの下端開口部の保管庫本体110の上端開口部に対する嵌め合わせ(外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cの各上端開口部からなる全上端開口部に対する嵌合)は、上述のような枠体120a及び保管庫本体110の上端開口部(上記全上端開口部)の開口端面の各断面階段形状でもって、気密的かつ液密的に良好に確保されている。
このような前提のもと、桐板がその耐湿性に起因して浸水に対して膨張する特性を発揮することで、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126が浸水に対しても耐水性を良好に発揮し得る。このことは、保管庫100が優れた耐水性を有することを意味する。
その結果、上述のように医療機関の建物内の医療機器やコンピュータ等の支援機器が直接浸水して、使用不能となっても、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用測定器300、端末400、電源500及び緊急医療品収納箱600は、浸水の影響を受けることなく、保管庫100により良好に使用可能に保護され得る。
以上述べたように、当該診療装置の保管庫100は、抗堪性、耐火性及び耐水性に優れるため、大震災による地震、火災、津波やビル建物の液状化現象の発生に起因して、つぶれたり、焼失したり、水の浸入を許したりすることがなく、当該保管庫100は、カメラ200、診療用測定器300、端末400、電源500及び緊急医療品収納箱600を良好に保護し得る。このことは、当該診療装置は、上記大震災にもかかわらず、良好な使用可能状態に維持されることを意味する。
上述のように大震災が発生すると、上記被災地では、道路の寸断、橋の破壊、家屋の倒壊等の種々の被害が発生し、多数の被災者が発生することが多い。これら被災者は、上述の被害の発生のために外傷を負ったり、心身の疲労によりさらに疾患になったりする。
しかし、当該診療装置は、上述のごとく、大震災にもかかわらず、良好な使用可能状態に維持されている。ここで、保管庫100の高さは50cm程度で扱い易い。また、保管庫100の保管庫本体110では、外側筐体110a、枠体120aや蓋壁120bの外壁部126が、木材のうちで最も軽いといわれる桐板で形成され、内側筐体110cや蓋壁120bの内壁部124が杉板で形成されており、中側筐体110bや蓋壁120bの中壁部125が、1.2mmの薄い鉄で形成されているにすぎない。このため、保管庫100、ひいては当該診療装置は、非常に軽い。しかも、保管庫100が各キャスター110dを備えている。よって、当該診療装置は容易に持ち上げたり移動させたりすることができる。
従って、医療機関の建物内における診療が、上述の大震災の発生のために困難であっても、当該診療装置を、上記建物から容易に取り出して、多数の被災者の集まり易い場所に移動させることができる。
しかして、このように当該診療装置を、上記建物から容易に取り出して、多数の被災者の集まり易い場所に移動させた後は、次のようにして当該診療装置を使用可能状態におく。
まず、外蓋120の一部を把持して、当該外蓋120を、持ち上げて、図7にて二点差線で示すごとく、蝶番120cを基準に上方に回動させて開く。このとき、内蓋130は、保管庫100の開口部を閉じた状態にある。このため、保管庫100に収納してあるカメラ200、診療用測定器300、端末400、電源500及び緊急医療品収納箱600は、内蓋130により外部から適切に保護され得る。
上述のように外蓋120を開いた後、支持板150aを、各キャスター150bを案内として、蝶番150cを基準に外側筐体110aの左壁111cから横方向に約45°だけ回動させる(図7及び図8参照)。
ついで、内蓋130を、その一部を把持して、保管庫本体110の開口部内から蝶番130aを基準に回動させて支持板150aの上端部上に載置する。この載置は、支持板150aの上端部を内蓋130の両ストッパー部材140の間に挿入させるように行う。
このとき、蝶番130aは、上述のように断面階段状に形成した基板部134a、内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dでもって、上述のように断面階段状に形成した内側筐体110cの左壁115cの上端面115e及び傾斜面115f、中側筐体110bの左壁113cの上端面113e並びに外側筐体110aの左壁111cの上端面111eに一様に密接するようにして、外板部134dにて外方に向け延出する。
これにより、内蓋130は、蝶番130aの外板部134dでもって、図7〜図9にて示すごとく、支持板150aの上端部上に相対的に移動不能に、かつ外側筐体110aの底壁112とほぼ平行に支持され得る。
このとき、内蓋130の裏面に固定した端末400は、内蓋130上に固定された状態で位置する。また、カメラ200並びに診療用測定器300である血圧計、心拍計及び体温計を保管庫本体110から取り出して端末400に接続し、端末400、カメラ200並びに診療用測定器300の血圧計、心拍計及び体温計を電源500に接続すれば、端末400、カメラ200並びに診療用測定器300の血圧計、心拍計及び体温計は使用可能状態となる。これにより、カメラ200による被災者の患部の撮影や上記血圧計、心拍計及び体温計による被災者の血圧、心拍及び体温を測定し得る。
ここで、電源500は、当該診療装置に専用の電源として装備されているので、商用電源が、当該診療装置の近くになかったり、大震災のために使用不能となっていても、これにかかわりなく、当該電源500の利用により、カメラ200による撮影や上記血圧計、心拍計及び体温計による測定をなし得る。
また、外蓋120を蝶番120cを基準に回動させて、保管庫本体110を外蓋120との嵌合により閉じれば、外蓋120は、診療に必要な作業台或いは上記血圧計、心拍計、体温計及びカメラの載置台として使用できて、便利である。このとき、当該診療装置の高さは50cm程度であることから、外蓋120及び内蓋130は、共に、50cm程度の高さにあるので、外蓋120を作業台や載置台として使用し易いのは勿論のこと、端末400の操作も容易である。
以上より、当該診療装置を用いれば、上述した多数の被災者の診療が、緊急時に即した状態で、円滑になされ得る。
(第2実施形態)
図10〜図13は、本発明が適用される可搬式診療装置の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態の診療装置の構成は、上記第1実施形態にて述べた診療装置とは以下の点で相違する。
本第2実施形態の診療装置では、上記第1実施形態にて述べた保管庫本体110において、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cに代えて、外側筐体110e、中側筐体110f及び内側筐体110gを採用した構成となっている。外側筐体110e、中側筐体110f及び内側筐体110gは、それぞれ、外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cの各形成材料と同一の材料でもって形成されている。
また、本第2実施形態の診療装置では、上記第1実施形態にて述べた外蓋120において、四角環状枠体120aに代えて、四角環状枠体120dを採用した構成となっている。
また、本第2実施形態の診療装置では、上記第1実施形態にて述べた端末400が、当該第1実施形態とは異なり、内蓋130の外面136上に載置固定されている。
このように端末400が内蓋130の外面136上に載置固定されていることから、枠体120d内における端末400の収納スペースを確保するため、当該枠体120dの軸方向長さは、上記第1実施形態にて述べた枠体120aの軸方向長さよりも長い。これに伴い、外側筐体110e、中側筐体110f及び内側筐体110gの各高さは、診療装置としての高さ約50cmを確保すべく、上記第1実施形態にて述べた外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110cの各高さよりも低くなっている。
本第2実施形態の外側筐体110e、中側筐体110f及び内側筐体110g並びに枠体120dのその他の構成は、上記第1実施形態にて述べた外側筐体110a、中側筐体110b及び内側筐体110c並びに枠体120aの構成と同様である。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた内蓋130は、蝶番130a及び受け部材117に代えて、左右一対の長手状下側支持部材118及び左右一対の長手状上側支持部材119により支持されるようになっている。
左右一対の下側支持部材118は、互いに同一の高さを維持するように、内側筐体110gの開口端部の左右内面に装着されている。また、左右一対の上側支持部材119は、左右一対の下側支持部材118よりも内蓋130の板厚だけ高い位置を維持するように、枠体120dの開口端部の左右内面に装着されている。これにより、内蓋130は、その左右両端部にて、左側の両支持部材118、119及び右側の両支持部材118、119の間に嵌装されて下側支持部材118上にその長手方向に移動可能に支持されている。
支持金具130bは、後述のように、内蓋130を保管庫本体110の外側にて支持する役割を果たすもので、この支持金具130bは、上記第1実施形態にて述べた蝶番130aの金属板134と同一の断面階段形状を有するように、鉄板で形成されている。
即ち、支持金具130bは、金属板134の基板部134a、内板部134b、傾斜板部134c及び外板部134dにそれぞれ対応する基板部137a、内板部137b、傾斜板部137c及び外板部137dでもって、金属板134と同一の断面階段形状に形成されている。
ここで、支持金具130bは、図10にて示すごとく、外板部137dにて、内蓋130の先端部132にその内面側から装着されて、左右一対の下側支持部材118に平行に延出している。このことは、当該支持金具130bは、外板部137dから基板部137aにかけて内蓋130の先端部132から延出することを意味する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた両ストッパー部材140は採用されていない。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態においては、保管庫の各筐体110e、110f、110gは、上述のごとく、各筐体110a、110b、110cの形成材料と同一の材料でもってそれぞれ形成されている。従って、本第2実施形態の保管庫は、上記第1実施形態の保管庫と同様に、抗堪性、耐火性及び耐水性に優れる。
また、当該診療装置は次のようにして使用可能状態におかれる。なお、当該診療装置が外蓋120を閉じた状態にあれば、内蓋130が、その左右両端部にて、左右の各両支持部材118、119により挟持されているので、端末400が内蓋130を介し保管庫100内にしっかりと保持され得る。
このような状態において、上記第1実施形態にて述べたと同様に、外蓋120を開くとともに支持体150を横方向に回動させる。ついで、内蓋130を保管庫本体110の開口部から左右の両支持部材118に沿い引き出す。ついで、支持金具130bが、その基板部137a、内板部137b及び傾斜板部137cにて、内側筐体110gの左壁(内側筐体110cの左壁113cに対応)の上端部に図13にて示すごとく上方から嵌り込むと、内蓋130は、下方に変位して支持体150により支持板150aの上端部上に支持される。このとき、端末400は、内蓋130の外面136上に位置している。
ここで、支持金具130bは、内側筐体110g、中側筐体110f及び外側筐体110eの各上端部で形成する断面階段形状と同様の形状となっている。このため、支持金具130bの基板部137a、内板部137b及び傾斜板部137cが、内側筐体110gの左壁の上端部を挟み込むように、当該上端部に嵌り込む。従って、内蓋130は、支持板150aにより下方から支持された状態にて、先端部132にて、支持金具130bにより内側筐体110gの上端部に変位不能にしっかりと支持され得る。
また、このような状態において、外蓋120を閉じれば、枠体120dが、その断面階段状下端面でもって、支持金具130bの内板部137b、傾斜板部137c及び外板部137dの傾斜板部137c側部位を、内側筐体110gの左壁の上端面115e及び傾斜面115f、中側筐体110fの左壁の上端面113e及び外側筐体110eの左壁の上端面111e上に押さえ込むように固定する。これにより、内蓋130に対する支持金具130bによる支持がより一層強化され得る。
以上説明したように、当該診療装置の使用にあたり、上記第1実施形態とは異なり、内蓋130を保管庫100から引き出すように構成しても、当該診療装置が使用可能状態に置かれた後は、上記第1実施形態と同様に上述した多数の被災者の診療が、緊急時に即した状態で、円滑になされ得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図14〜図17は、本発明の第3実施形態の要部を示している。この第3実施形態では、上記第2実施形態において、枠体120dに代えて、四角環状枠体120eを採用し、かつ、内蓋130及び支持金具130bに代えて、内蓋160を採用した構成となっている。
枠体120eは、枠体120aの形成材料と同一の材料でもって、前後左右の枠板部を四角環状に接着して形成されており、この枠体120eは、その四角状中空部にて、上記第2実施形態にて述べた枠体120dに代えて、蓋壁120bに嵌着されている。
この枠体120eでは、左側枠板部(以下、左側枠板部127という)が、上記第2実施形態とは異なり、その下端面にて、内蓋160の引き出し方向外端部の板厚分だけ、上方に位置するように形成されている。なお、左側枠板部127の下端面は、枠体120dの下端面の断面階段形状と同一である。また、枠体120eの下端面のうち左側枠板部127の下端面以外の部位は、枠体120dの下端面と同一の断面階段形状を有する。
内蓋160は、桐板にメタルシリコン系難燃溶液を含浸して形成されており、この内蓋160は、その左右両端部にて、上記第1実施形態にて述べた内蓋130に代えて、左右の上下一対の支持部材118、119の間に挟持されている。
当該内蓋160は、板部材160aと、各両突部161、162及び163、164とを備えている。両突部161、162は、板部材160aの引き出し方向内端部にて上下に突出形成されており、一方、両突部163、164は、板部材160aの引き出し方向外端部にて上下に突出形成されている。
突部161は、上端面161a及び傾斜面161bを有しており、これら上端面161a及び傾斜面161bは、板部材160aの上面のうち傾斜面161bの近傍部位(以下、引き出し方向内端側上面近傍部位ともいう)とでもって、枠体120eの下端面の断面階段形状と同様の断面階段形状に形成されている。これにより、内蓋160が保管庫本体110から引き出されたとき、突部161は、上端面161a及び傾斜面161b及び上記引き出し方向内端側上面近傍部位にて、左側枠板部127の下端面、即ち、内側端面123a、傾斜端面122a及び外側端面121aに気密的かつ液密的に接合するようになっている。
また、突部162は、傾斜面162a及び下端面162bを有しており、これら傾斜面162a及び下端面162bは、板部材160aの下面のうち引き出し方向内端部近傍部位(以下、引き出し方向内端側下面近傍部位ともいう)とでもって、内側筐体110gの左壁の上端面115e及び傾斜面115f、中側筐体110fの左壁の上端面113e並びに外側筐体110eの左壁の上端面111eからなる断面階段形状と同様の断面形状にて形成されている。これにより、内蓋160が保管庫本体110から持ち上げるようにして引き出されたとき、突部162は、上記引き出し方向内端側下面近傍部位、傾斜面162a及び下端面162bにて、内側筐体110gの左壁の上端面115e及び傾斜面115f、中側筐体110fの左壁の上端面113e並びに外側筐体110eの左壁の上端面111eに気密的かつ液密的に接合するようになっている。
また、突部163は、突部161と同様の断面形状となるように、上端面163a及び傾斜面163bを有するように形成されている。従って、上端面163a及び傾斜面163bは、板部材160aの上面のうち引き出し方向外端部近傍部位(以下、引き出し方向外端側上面近傍部位ともいう)とでもって、突部161の上端面161a、傾斜面161b及び上記引き出し方向内端側上面近傍部位で形成する断面階段形状と同様の断面形状に形成されている。これにより、内蓋160が保管庫本体110内に引き込まれたとき、突部163は、上端面163a、傾斜面163b及び上記引き出し方向外端側上面近傍部位にて、左側枠板部127の内側端面123a、傾斜端面122a及び外側端面121aに気密的かつ液密的に接合するようになっている。
また、突部164は、突部162と同様の断面形状となるように、傾斜面164a及び下端面164bを有するように形成されている。従って、傾斜面164a及び下端面164bは、板部材160aの下面のうち引き出し方向外端部近傍部位(以下、引き出し方向外端側下面近傍部位ともいう)とでもって、上記引き出し方向内端側下面近傍部位、突部162の傾斜面162a及び下端面162bで形成する断面階段形状と同様の断面形状に形成されている。これにより、内蓋160が保管庫本体110内に引き込まれたとき、突部164は、上記引き出し方向外端側下面近傍部位、傾斜面164a及び下端面164bにて、内側筐体110gの左壁の上端面115e及び傾斜面115f、中側筐体110fの左壁の上端面113e並びに外側筐体110eの左壁の上端面111eに気密的かつ液密的に接合するようになっている。なお、本実施形態では、端末400は、枠体120e内にて、内蓋160上に載置固定されている。その他の構成は上記第2実施形態と同様である。
以上のように構成した本第3実施形態においては、枠体120eが、枠体120aの形成材料と同一の材料でもって形成されている。従って、本第3実施形態の保管庫も、上記第2実施形態にて述べた保管庫と同様に、抗堪性、耐火性及び耐水性に優れる。
また、当該診療装置は次のようにして使用可能状態におかれる。なお、当該診療装置が外蓋120を閉じた状態では、内蓋160が、その左右両端部にて、左右の各両支持部材118、119により挟持されているので、端末400が内蓋160を介し保管庫100内にしっかりと保持され得る。また、上述のように外蓋120が閉じている状態では、枠体120eの上述のような下端面の断面形状のもと、保管庫100の内部は、外部から液密的かつ気密的に遮断されている。
このような状態において、上記第2実施形態にて述べたと同様に、外蓋120を開くとともに支持体150を横方向に回動させる。
ついで、端末400を固定してなる内蓋160を、持ち上げるようにして引き出し、支持板150aの上端部に載置する。このとき、内蓋160が、上記引き出し方向内端部下面近傍部位、突部162の傾斜面162a及び下端面162bにて、内側筐体110gの左壁の上端面115e及び傾斜面115f、中側筐体110fの左壁の上端面113e並びに外側筐体110eの左壁の上端面111eに接合するように、内蓋160を支持板150aの上端部に載置する。
然る後、保管庫本体110からカメラ200、診療用測定器300の血圧計、心拍計及び体温計を取り出す。ついで、外蓋120を閉じる。このとき、外蓋120は、枠体120eの左側枠板部127の下端面にて、内蓋160の突部161の上端面161a、傾斜面161b及び上記引き出し方向内端側上面近傍部位を、左側枠板部127の内側端面123a、傾斜端面122a及び外側端面121aに押しつけるようにして挟持する。これにより、端末400は、支持板150aの上端部上にて、内蓋160を介し、保管庫本体110に移動不能に支持され得る。
このように外蓋120を閉じた後、カメラ200、診療用測定器300の血圧計、心拍計及び体温計を端末400と共に電源500に接続する。これにより、当該診療装置が使用可能状態におかれる。
以上説明したように、上記第2実施形態にて述べた内蓋130及び支持金具130b並びに枠体120dに代えて、内蓋160及び枠体120eを採用するようにしても、上記第2実施形態と実質的に同様の作用効果が達成され得る。
(第4実施形態)
図18は、本発明の第4実施形態の要部を示している。この第4実施形態では、上記第2実施形態にて述べた外側筐体110e、中側筐体110f及び内側筐体110gに代えて、外側筐体110h、中側筐体110i及び内側筐体110jを採用し、かつ、枠体120dに代えて、枠体120fを採用した構成となっている。
外側筐体110h及び中側筐体110iは、上記第2実施形態にて述べた外側筐体110eの高さと同一の高さを有する。内側筐体110jは、外側筐体110h及び中側筐体110iの高さよりも所定長さHだけ高くなっている。このため、内側筐体110jは、その四角筒状上端開口部119aにて、中側筐体110iの上端開口部よりの所定長さHだけ上方に突出している。本第4実施形態では、外側筐体110h及び中側筐体110iは、それぞれ、上記第2実施形態にて述べた外側筐体110e及び中側筐体110fの各形成材料と同様の各材料でもって形成されている。但し、内側筐体110jは、上記第2実施形態とは異なり、桐板でもって、形成されている。
枠体120fは、四角筒状に構成されており、この枠体120fは、上側開口部128a及び下側開口部128bを有する。これら上側開口部128a及び下側開口部128bは枠体120fに同軸的に形成されており、上側開口部128aには、蓋壁120bが嵌着されている。このことは、本第4実施形態では、上記第2実施形態にて述べた外蓋120が、枠体120f及び蓋壁120bでもって構成されることを意味する。
また、下側開口部128bは、内側筐体110jの筒状上端開口部119aに気密的かつ液密的に嵌合されるように、当該筒状上端開口部119aの外形寸法に合わせて形成されている。これは、下側開口部128bと筒状上端開口部119aとの間に、いわゆる茶筒の気密的な嵌め合い構造と同様の構造を利用するためである。従って、上述した所定長さHは、下側開口部128bと筒状上端開口部119aとの間の気密的かつ液密的な嵌合を十分に確保し得る値、例えば、内側筐体110jの板厚のおよそ4倍に設定されている。
なお、枠体120fは、上記第2実施形態にて述べた枠体120dの形成材料と同様の形成材料でもって形成されている。また、本実施形態では、上記第2実施形態にて述べた支持体150の他内蓋130は採用されていない。これに伴い、端末400は、上記第2実施形態にて述べたカメラ200、診療用測定器300、電源500及び緊急医療品収納箱600と共に保管庫内に収納されている。その他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
以上のように構成した本第4実施形態では、当該診療装置の保管庫100は、枠体120fの下側開口部128bを内側筐体110jの筒状上端開口部119aに嵌合させることで、予め閉じられている。
ここで、下側開口部128bと筒状上端開口部119aとの間の嵌め合い(嵌合)は、その嵌め合い長さを上述した所定長さHに設定すること並びに下側開口部128b及び筒状上端開口部119aの形成材料が共に桐であることで、気密的かつ液密的に十分に確保されている。従って、当該診療装置の保管庫100は、上記第2実施形態の保管庫と同様の耐湿性や耐水性を確保し得る。
なお、外側筐体110h、中側筐体110i及び枠体120fは、それぞれ、上述のごとく、外側筐体110e、中側筐体110f及び枠体120dと同様の形成材料でもって形成されており、また、内側筐体110jは、内側筐体110gのように杉板ではなく桐板で形成されている。従って、本第4実施形態の保管庫も、上記第2実施形態の保管庫と同様の抗堪性及び耐火性を有することは勿論である。
また、当該診療装置の使用可能にあたっては、外蓋120の下側開口部128bを内側筐体110jの筒状上端開口部119aから引き抜くことで、保管庫100を開く。その後は、カメラ200、診療用測定器300、端末400及び緊急医療品収納箱600を取り出す。これにより、本第4実施形態においても、多数の災害者の緊急医療が可能となる。なお、端末400は、外蓋120上におくようにすれば、便利である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態にて述べた保管庫は、診療装置ではなく、例えば、金庫のような重要な物を保管する保管庫として利用してもよく、また、コンピュータ及びデータディスクの保管庫として利用してもよい。
(2)上記各実施形態にて述べた外側筐体、外蓋の枠体及び外壁部は、桐に代えて、杉などの桐と同様の特性を有する木材でもって形成するようにしてもよい。なお、難燃性確保の点から、杉などの桐と同様の特性を有する木材にメタルシリコン系難燃溶液を含浸することが望ましい。
(3)上記第1〜第3の実施形態にて述べた内側筐体は、杉に代えて、桐或いは杉と同様の特性を有する木材でもって形成してもよい。
(4)上記各実施形態にて述べた桐板は、12mmの板厚のものに限らず、必要に応じ適宜変更採用してもよい。
(5)上記各実施形態にて述べた中側筐体及び外蓋の中壁部は、鉄板に限らず、この鉄板と同様の特性を有する金属板でもって形成するようにしてもよい。
また、鉄板の板厚は、1.2mmに限らず、例えば、1mm〜1.2mmの範囲以内の値でもよく、また、これに限らず、必要に応じて適宜変更してもよい。
(6)上記各実施形態にて述べた保管庫の各筐体及び枠体の外周形状は、四角形状に限ることなく、例えば、5角形状や円筒形状等に適宜変更してもよい。
(7)上記各実施形態において、メタルシリコン系難燃溶液に代えて、この難燃溶液と同様の難燃特性を有する溶液を採用してもよい。
(8)上記各実施形態において、保管庫の高さは、約50cmに限ることなく、可搬性を満たす範囲で適宜変更してもよい。
本発明が適用される可搬式診療装置の第1実施形態を示す正面図である。 上記第1実施形態における可搬式診療装置の部分破断平面図である。 上記第1実施形態における可搬式診療装置の左側面図である。 図2の4−4線に沿う部分破断断面図である。 図2の5−5線に沿う部分断面図である。 図2の6−6線に沿う部分断面図である。 上記第1実施形態において可搬式診療装置を使用可能状態を説明するための正面図である。 上記第1実施形態において可搬式診療装置の使用可能状態を示す平面図である。 上記第1実施形態において可搬式診療装置の使用可能状態を示す左側面図である。 本発明が適用される可搬式診療装置の第2実施形態の要部を示す部分断面図である。 上記第2実施形態における可搬式診療装置の上部左側部位を正面側から見た部分断面図である。 上記第2実施形態における可搬式診療装置の上部正面側部位を左側から見た部分断面図である。 上記第2実施形態における可搬式診療装置の使用可能状態を示す部分断面図である。 本発明の第3実施形態における可搬式診療装置の部分断面図である。 上記第3実施形態における可搬式診療装置の上部左側部位を正面側から見た部分断面図である。 上記第3実施形態における可搬式診療装置の部分左側面図である。 上記第3実施形態における可搬式診療装置の使用可能状態を示す部分断面図である。 本発明の第4実施形態の要部を示す部分断面図である。
符号の説明
100…保管庫、110…保管庫本体、110a、110e、110h…外側筐体、
110b、110f、110i…中側筐体、
110c、110g、110j…内側筐体、110d…キャスター、120…外蓋、
120a、120d〜120f…枠体、120b…蓋壁、124…内壁部、
125…中壁部、126…外壁部、130、160…内蓋、150…支持体、
300…診療用測定器、400…端末、500…電源。

Claims (6)

  1. 保管物を収納するための保管庫本体と、この保管庫本体の上端開口部に開閉可能に設けられる蓋とを備える保管庫において、
    前記保管庫本体は、
    桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材に難燃溶液を含浸して形成される外側筐体と、
    この外側筐体内に嵌装されて鉄板或いはこの鉄板と同様の特性を有する金属板で形成してなる中側筐体と、
    この中側筐体内に嵌装されて木材で形成してなる内側筐体とを備えて、
    前記上端開口部を、前記各筐体の全上端開口部でもって構成してなり、
    前記蓋は、
    桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材に難燃溶液を含浸して形成される中空状枠体と、
    この枠体の上端開口部内に嵌着されてなる蓋壁であって、木材からなる内壁部、この内壁部上に積層されて鉄板或いはこの鉄板と同様の特性を有する金属板で形成してなる中壁部及びこの中壁部上に積層されて桐材或いはこの桐材と同様の特性を有する木材からなる外壁部でもって構成される蓋壁とを備えており、
    前記枠体の下端開口部及び前記各筐体の全上端開口部は、それぞれ、互いに気密的に嵌合する嵌合形状に形成されていることを特徴とする保管庫。
  2. 前記蓋が前記保管庫本体の上端開口部に対し上下方向に傾斜状に回動するように、前記枠体の下端開口部及び前記各筐体の全上端開口部は、その各対応端部にて、互いに支持されており、
    前記各筐体の全上端開口部の嵌合形状は、前記内側筐体側から前記外側筐体側にかけて断面階段形状となっており、前記枠体の下端開口部の嵌合形状は、前記内側筐体側から前記外側筐体側にかけて前記断面階段形状とは逆の断面階段形状となっていることを特徴とする請求項1に記載の保管庫。
  3. 前記各筐体の全上端開口部のうち前記内側筐体の上端開口部は、前記外側及び中側の両筐体の各上端開口部よりも上方へ筒状に突出しており、
    前記枠体の下端開口部が前記内側筐体の筒状上端開口部に気密的に嵌合するように当該筒状上端開口部の外形寸法に合わせて筒状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の保管庫。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の保管庫と、
    この保管庫に収納してなる診療用測定器、端末及び電源その他の医療に必要な部材とを備えることを特徴とする可搬式診療装置。
  5. 請求項1又は2のいずれか1つに記載の保管庫と、
    この保管庫に収納してなる診療用測定器、端末及び電源その他の医療に必要な部材とを備え、
    前記保管庫は、前記保管庫本体の上端開口部内にこの上端開口部を開閉可能に設けられた内蓋と、前記保管庫本体の下面に設けられたキャスター手段とを備えており、
    前記端末は、前記内蓋の面に固定されていることを特徴とする可搬式診療装置。
  6. 前記保管庫本体の周壁に横方向に変位可能にかつ立設状に支持される支持体を備え、
    前記内蓋は、その基端部にて、前記保管庫本体の内側筐体の上端開口部に前記支持体側にて上下方向へ傾斜状に回動可能に支持されており、
    前記端末は、前記内蓋の下面に固定されており、
    前記内蓋が開かれるとき、前記保管庫本体の周壁から前記支持体を横方向に変位させることで、前記内蓋を前記支持体により下方から支持するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の可搬式診療装置。

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