JP2007083591A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜状の発熱手段を有する発泡式インクジェット装置において、所望のタイミングで安定した気泡を発生させる。
【構成】ヒータ1aの表面には、縦横に規則的な配列で複数の凹部分3が形成されている。ヒータ1a内の電流密度は、凹部分3の近傍では大きく、その他の部分では相対的に小さく、凹部分3の底の温度が局所的に高くなる。凹部分3から気泡4の核が発生し、気泡4が成長し、気泡4はひとつの大きな気泡5に成長して流路内のインクをノズルから所定量だけ吐出させる。このひとつの大きな気泡は常にヒータ1aの同じ位置に安定して発生するため、発泡によるインク滴の吐出態様及びタイミングが安定する。
【選択図】図2
【構成】ヒータ1aの表面には、縦横に規則的な配列で複数の凹部分3が形成されている。ヒータ1a内の電流密度は、凹部分3の近傍では大きく、その他の部分では相対的に小さく、凹部分3の底の温度が局所的に高くなる。凹部分3から気泡4の核が発生し、気泡4が成長し、気泡4はひとつの大きな気泡5に成長して流路内のインクをノズルから所定量だけ吐出させる。このひとつの大きな気泡は常にヒータ1aの同じ位置に安定して発生するため、発泡によるインク滴の吐出態様及びタイミングが安定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、吐出口が形成されたインク収納用空間の内部に発熱手段が設けられた単位構成を有し、前記発熱手段の発熱により前記空間内のインクを発泡させて前記吐出口から外部にインク滴を吐出させて画像形成を行う発泡式インクジェット装置に係り、特に表面状態が滑らかであるために突沸による気泡の発生が一定のタイミングで起きにくい面状の発熱手段を有する発泡式インクジェット装置において、所望のタイミングで気泡を発生させられるようにしたものである。
従来、吐出口が形成されたインク収納用空間の内部に発熱手段を設け、前記発熱手段の発熱により前記空間内のインクを発泡させて前記吐出口から外部に吐出させる発泡式インクジェット装置が知られている。インク収納用空間に配設された発熱手段(ヒータ)としては、発熱抵抗体層を利用した面状のものが使用可能であり、これに通電して発生させた熱でインクを気化させ、体積の膨張による圧力の上昇によってノズルからインク滴を噴射させている。
このような面状の発熱手段は、インク収納空間を構成する基体の内部の所定位置に配線電極層を設けておき、この配線電極層の上に発熱抵抗体層としてのTaSix Oy 層を形成し、発熱抵抗体層及び配線電極層に対してリソグラフイ・エッチングでパターニングを施して発熱領域を形成した後に、露出した発熱抵抗体層の表面を自己酸化させて保護層を形成することにより構成できる。
このように、発泡式インクジェット装置において気泡を発生させるための面状の発熱手段(ヒータ)は、一般には薄膜製造技術で作成されるものであり、その結果、表面は滑らかで均一な状態に仕上げられる。
下記特許文献1は、インクの吐出口を備えたインク収納空間の内部に面状の発熱手段(ヒータ)を設けた上述したようなインクジェット記録装置の一例を示している。
特開2005−7582号公報
ところが、このような面状の発熱手段(ヒータ)を発熱させてインク中に気泡を発生させようとした場合、面状の発熱手段の表面があまりにも滑らかで均一に作られているために、過飽和状態のように気泡が発生しない現象が発生してしまい、突沸を発生させるタイミングがずれ、インク滴を所望のタイミングで吐出させることができない場合が生じていた。
ここで突沸とは、ヒータの表面にこびり付いたゴミとかインクのカスなどを核として気泡が発生する現象であり、このような突沸のきっかけとなる核がないと気泡は発生しなくなる。
例えば、綺麗に洗った試験管に水を入れてアルコールランプで加熱した場合、水は、徐々にに沸騰してくるものではなく、しばらく平静な状態が続いた後に、ある時、突然に一気に沸騰する。このような現象を突沸という。つまり水を温めると気体になるが、温度勾配差等、何らかのきっかけが無いと水は気体になれない。そのきっかけがあれば水が突如気体となる突沸が起こる。このきっかけがなければ、いつまでも水は液体の状態で居続けることになる。
面状の発熱手段を有する発泡式インクジェット装置においては、このような突沸と呼ばれる現象がインクジェットのヒータの近傍に発生してインクの吐出が行われるのであるが、あまりにもヒータの表面が滑らかで、温度差的にも均一になっていると、気泡を発生するタイミングがずれたり、また、気泡を発生する場所(ヒータ表面の何処か)を限定することができないために気泡の形やタイミングにバラツキが起こってしまい、インクを吐出させたいときにインクが吐出しなかったり、またはインクを吐出しなければならないタイミングがずれてしまうという不都合が発生してしまう。
図15〜図17は、以上説明したような面状の発熱手段を有する従来の発泡式インクジェット装置における前述の問題点を示した図であり、図15はヒータ100の隅で気泡101が発生した場合、図16は同中央部で気泡101が発生した場合、そして図17は同ヒータ100の端面で気泡101が発生した場合をそれぞれ示すものである。このように、面状の発熱手段を有する従来の発泡式インクジェット装置においては、ヒータ表面の何処で気泡が発生するのかは特定されておらず、気泡が発生する場所によっては著しくインクの吐出を阻害する場合もあった。
なお、前記特許文献1に開示されたインクジェット記録装置は、このような従来の技術における課題を解決する一つの方向性を示すものであり、一つのインク収納用空間内にある発熱体を複数に分割して複数箇所で発泡させるようにしたものである。しかしながら、これでは構造が複雑で製造も複数の工程が追加になってコスト高となるため、経済的効果がなく、実用化することができなかった。
そこで、本発明は、面状の発熱手段を有する発泡式インクジェット装置において、所望のタイミングで気泡を発生させるようにすることを目的としている。
請求項1に記載された発泡式インクジェット装置は、吐出口が形成された空間の内部に面状の発熱手段が設けられ、前記空間内に収納されたインクを前記発熱手段の発熱により発泡させて前記吐出口から外部に吐出させる発泡式インクジェット装置において、前記発熱手段の表面を、該表面の発熱温度が位置により異なるように凹凸状態に形成したことを特徴としている。
請求項2に記載された発泡式インクジェット装置は、請求項1記載の発泡式インクジェット装置において、前記発熱手段の表面に凹部分を設け、前記発熱手段を流れる電流の同部分における電流密度を高くして同部分の温度をその他の部分に比べて局所的に高くさせることを特徴としている。
請求項3に記載された発泡式インクジェット装置は、請求項1記載の発泡式インクジェット装置において、前記発熱手段の表面に凸部分を設け、前記発熱手段を流れる電流の同部分における電流密度を低くして同部分の温度をその他の部分に比べて局所的に低くさせることを特徴としている。
請求項4に記載された発泡式インクジェット装置は、請求項1記載の発泡式インクジェット装置において、前記発熱手段の表面に、該発熱手段とは異なる材質の凸部分を設け、同部分の温度をその他の部分に比べて局所的に低くさせることを特徴としている。
請求項1に記載された発泡式インクジェット装置によれば、面状の発熱手段の表面における発熱温度が当該表面内での位置により異なり、発熱手段の表面の温度分布が一様でないので、相対的に温度が高くなる特定の部分から気泡の核が発生して気泡が成長することができ、気泡の形やタイミングにバラツキが生じず、インクを吐出させたいときにインクを吐出させることができ、インク吐出のタイミングがずれることがないという効果が得られる。
請求項2に記載された発泡式インクジェット装置によれば、特に発熱手段の表面に設けた凹部分において発熱手段を流れる電流の電流密度が高くなるので、凹部分の温度がその他の部分に比べて局所的に高くなり、上述した効果が得られる。
請求項3に記載された発泡式インクジェット装置によれば、特に発熱手段の表面に設けた凸部分において発熱手段を流れる電流の電流密度が低くなるので、凸部分の温度がその他の部分に比べて局所的に低くなり、上述した効果が得られる。
請求項4に記載された発泡式インクジェット装置によれば、発熱手段の表面に発熱手段とは異なる材質で凸部分を形成したので、発熱時、この凸部分はその他の部分よりも温度が局所的に低くなり、上述した効果が得られる。
としている。
としている。
以下に説明する本実施形態の発泡式インクジェット装置は、吐出口(ノズル)が形成されたインク収納用空間の内部に面状の発熱手段が設けられた構造が多数列設された装置であり、発熱手段の発熱で空間内のインクを発泡させて所望の吐出口からインク滴を選択的に吐出し、印刷用紙等の表面に画像を形成する機能を備えている。そして、本例では、装置に与えた駆動信号のタイミングに遅れることなく発熱手段の発熱で所定位置に安定して気泡を発生させるために、発熱手段の表面にインクを突沸させるきっかけとなる凹凸を形成し、該表面における発熱温度が位置により異なるように構成したものである。
まず、本例の発泡式インクジェット装置の全体としての基本構成を図14を参照して説明し、以後、要部の具体的な構成について複数の実施形態を挙げて説明する。
まず、本例の発泡式インクジェット装置の全体としての基本構成を図14を参照して説明し、以後、要部の具体的な構成について複数の実施形態を挙げて説明する。
(1)発泡式インクジェット装置の基本構成(図14)
図14はバブル方式のインクジェット装置の断面図である。このインクジェット装置10は、面状のヒータに電圧を印加して発熱させることでインク流路内にバブルを発生させてインクを吐出させるバブル方式のインクジェット装置である。
図14はバブル方式のインクジェット装置の断面図である。このインクジェット装置10は、面状のヒータに電圧を印加して発熱させることでインク流路内にバブルを発生させてインクを吐出させるバブル方式のインクジェット装置である。
インクジェット装置10の筐体50の内部には、図示しないインクカートリッジに接続されるインク溜り51があり、該インク溜り51はインク収納用空間である複数の流路52を介して吐出口であるノズル53から外部に連通している。各流路52のノズル53に近接した部分には面状の発熱手段としてのヒータ1がそれぞれ設けられており、この各ヒータ1が制御手段であるCPUからの指令を受けたインクジェット装置駆動制御回路により駆動される。
すなわち、ヒータ1に電圧を加えるとヒータ1が発熱して流路52内に気泡(バブル)が発生し、流路52内で気泡が膨張して体積が増加した分だけインクがノズル53から外に吐出され、バブルが消滅すると次の動作としてインク溜り51からインクが補充される。
以下に、前記ヒータ1の具体的な構成を説明する。
以下に、前記ヒータ1の具体的な構成を説明する。
(2)第1実施形態(図1〜図5)
図1に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状の発熱手段であるヒータ1aが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路52の各ヒータ1aごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図1に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状の発熱手段であるヒータ1aが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路52の各ヒータ1aごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図1及び図2に示すように、前記ヒータ1aの表面には、縦横に規則的な配列で複数の凹部分3が形成されており、表面が凹凸状態に加工されている。従って、図2に示すように、ヒータ1aの厚さは凹部分3では小さく(薄く)、凹部分3以外の部分では大きく(厚く)なっている。このため、ヒータ1a内を流れる電流の密度は、凹部分3の近傍では大きくなり、その他の部分では相対的に小さくなり、凹部分3では電流が集中して凹部分3の底の温度が局所的に高くなる。従って、凹部分3と凹部分3以外の部分との温度差により、ヒータ1aの表面の温度分布は一様ではなくなる。
よって、図3に示すように温度が高くなる凹部分3から気泡4の核が発生し、図4に示すように凹部分3ごとに気泡4が成長していき、図5に示すように各凹部分3に発生した気泡4はひとつの大きな気泡5に成長して流路52内にあるインクをノズル53から所定量だけ吐出させる。ここで、このひとつの大きな気泡5は常にヒータ1aの同じ位置に安定して発生するため、発泡によるインク滴の吐出態様が安定するという効果がある。
また、駆動信号を与えてから各凹部分3に気泡4が発生し、最終的にひとつの大きな気泡5が生成するタイミングは実質的に常に一定となり、その結果、インク滴の吐出のタイミングにずれが生じることもない。
ヒータ1aへの通電を無くすと温度が低下して気泡5は消える。また多数の凹部分3を形成したため、ヒータ1aの表面積が増えて放熱効果が増大するので、通電が無くなった時の気泡5の消滅時間が短くなる。このため、インク吐出の高速動作が可能になる。
本例のヒータ1aの表面に、フォトレジスト法を用いて凹部分3を形成する方法を説明する。
薄膜生成技術によって所定厚さの面状のヒータを形成した後、フォトレジスを塗布し、乾燥後に所定のパターンで微小な穴が開いている光マスク(フイルム)を介して露光し、現像によって所定のパターンで多数の微小な孔が形成された被膜を形成し、この孔の部分をエッチングすることにより、所定パターンで配置された多数の前記凹部分3を形成することができる。
薄膜生成技術によって所定厚さの面状のヒータを形成した後、フォトレジスを塗布し、乾燥後に所定のパターンで微小な穴が開いている光マスク(フイルム)を介して露光し、現像によって所定のパターンで多数の微小な孔が形成された被膜を形成し、この孔の部分をエッチングすることにより、所定パターンで配置された多数の前記凹部分3を形成することができる。
(3)第2実施形態(図6〜図8)
図6〜図8に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状のヒータ1bが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路52の各ヒータ1bごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図6〜図8に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状のヒータ1bが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路52の各ヒータ1bごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図6及び図7に示すように、前記ヒータ1bの表面には、所定間隔をおいて複数の凹部分6として半円筒状の溝が形成されており、表面が凹凸状態に加工されている。従って、ヒータ1bの厚さは凹部分6では小さく(薄く)、凹部分6以外の部分では大きく(厚く)なっている。このため、ヒータ1b内を流れる電流の密度は、図8に示すように、凹部分6の近傍では大きくなり、その他の部分では相対的に小さくなり、凹部分6では電流が集中して凹部分6の底の温度が局所的に高くなる。従って、凹部分6と凹部分6以外の部分との温度差により、ヒータ1bの表面の温度分布は一様ではなくなる。
よって、第1実施形態と略同様に各凹部分から気泡の核が発生し、これらがそれぞれ成長していき、これらは最終的にはひとつの大きな気泡に成長して流路内にあるインクをノズルから所定量だけ吐出させる。その他の作用効果及び凹部分である溝の形成方法は第1実施形態と略同様である。
(4)第3実施形態(図9、図10)
図9に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状のヒータ1cが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路52の各ヒータ1cごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図9に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状のヒータ1cが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路52の各ヒータ1cごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図9及び図10に示すように、前記ヒータ1cの表面の中央には、単一の凹部分3が形成されており、表面に凹凸状態が加工されている。従って、ヒータ1cの厚さは中央の凹部分3では小さく(薄く)、凹部分3以外の部分では大きく(厚く)なっている。このため、ヒータ1c内を流れる電流の密度は、図10に示すように、凹部分3の近傍では大きくなり、その他の部分では相対的に小さくなり、凹部分3では電流が集中して凹部分3の底の温度が局所的に高くなる。従って、凹部分3と凹部分3以外の部分との温度差により、ヒータ1cの表面の温度分布は一様ではなくなる。
よって、通電時には、中央の凹部分3はその他の部分よりも温度が高い特異点となり、その部分に核が発生して気泡4が発生し、これが大きな気泡5に成長して流路52内にあるインクをノズル53から所定量だけ吐出させる。その他の作用効果及び凹部分3の形成方法は第1実施形態と略同様である。
(5)第4実施形態(図11、図12)
図11に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状のヒータ1dが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路53の各ヒータ1dごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図11に示すように、本例では、インク収納用空間である前記流路52の内面に面状の電極2が設けられ、該電極2の上に所定厚さの面状のヒータ1dが形成されている。また、図示はしないが、前記電極2は配線を介してインクジェット装置駆動制御回路に接続されており、各流路53の各ヒータ1dごとに駆動信号を選択的に加えることができる。
図11及び図12に示すように、前記ヒータ1dの表面の中央には、単一の凸部分7が形成されており、表面に凹凸状態が加工されている。従って、ヒータ1dの厚さは中央の凸部分7では大きく(厚く)、凸部分7以外の部分では小さく(薄く)なっている。このため、図12に示すように、凸部分7における電流の密度は、その周囲に比べて粗くなり、凸部分7では温度が局所的に低くなる。従って、凸部分7と凸部分7以外の部分との温度差により、ヒータ1dの表面の温度分布は一様ではなくなる。
よって、通電時には、中央の凸部分7はその他の部分よりも温度が低い特異点となり、その部分に核が発生して気泡4が発生し、これが大きな気泡5に成長して流路53内にあるインクをノズル53から所定量だけ吐出させる。その他の作用効果及び凸部分7の形成方法は第1実施形態と略同様である。
(6)第5実施形態(図13)
以上説明した各実施形態では、面状のヒータの表面に凹部又は凸部を形成して当該部分の電流密度を変化させ、その結果としてヒータの表面に発生する温度が凹部又は凸部において変化して差異が生じるようにしていた。本例は、これとは異なり、面状のヒータの表面にヒータの材質とは異なる非導電性の材料で凸部を後加工し、当該部分の電流密度は変化しないが、温度が低下して周囲との温度差が生じるようにしたものである。
以上説明した各実施形態では、面状のヒータの表面に凹部又は凸部を形成して当該部分の電流密度を変化させ、その結果としてヒータの表面に発生する温度が凹部又は凸部において変化して差異が生じるようにしていた。本例は、これとは異なり、面状のヒータの表面にヒータの材質とは異なる非導電性の材料で凸部を後加工し、当該部分の電流密度は変化しないが、温度が低下して周囲との温度差が生じるようにしたものである。
図13に示すように、ヒータ1eの表面に、円形の通孔8が形成されたスクリーン9を配置し、スキージ10を用いて樹脂材料を移行させ、印刷後に焼き固める(焼成)して球の一部を裁断したような凸形状の凸部11を形成する。この樹脂材料は熱に強いが導電性がなく、ヒータ2eから電気が流入しないので当該部分における電流密度が低下することはないが、凸部が熱を吸い取るので周囲に比べて温度が低くなり、その結果、他の実施形態と同様に気泡が生じる。
なお、上記のように焼成を行わなくとも、熱に強い二液混合硬化型樹脂を印刷すれば、同様の機能を備えた凸部を形成できる。
以上説明した各実施形態における面状のヒータとしては、薄膜状又は厚膜状のいずれのヒータでもよく、要するに所定面積の発熱面を有する全体として概ね平坦な形状のヒータであればよく、これを形成する製造方法の如何も問わないものとする。
1,1a,1b,1c,1d…発熱手段としてのヒータ
2…電極
3,6…凹部分
4,5…気泡
7…凸部分
10…インクジェット装置
52…インク収納空間としての流路
53…吐出口としてのノズル
2…電極
3,6…凹部分
4,5…気泡
7…凸部分
10…インクジェット装置
52…インク収納空間としての流路
53…吐出口としてのノズル
Claims (4)
- 吐出口が形成された空間の内部に面状の発熱手段が設けられ、前記空間内に収納されたインクを前記発熱手段の発熱により発泡させて前記吐出口から外部に吐出させる発泡式インクジェット装置において、
前記発熱手段の表面を、該表面の発熱温度が位置により異なるように凹凸状態に形成したことを特徴とする発泡式インクジェット装置。 - 前記発熱手段の表面に凹部分を設け、前記発熱手段を流れる電流の同部分における電流密度を高くして同部分の温度をその他の部分に比べて局所的に高くさせることを特徴とする請求項1記載の発泡式インクジェット装置。
- 前記発熱手段の表面に凸部分を設け、前記発熱手段を流れる電流の同部分における電流密度を低くして同部分の温度をその他の部分に比べて局所的に低くさせることを特徴とする請求項1記載の発泡式インクジェット装置。
- 前記発熱手段の表面に、該発熱手段とは異なる材質の凸部分を設け、同部分の温度をその他の部分に比べて局所的に低くさせることを特徴とする請求項1記載の発泡式インクジェット装置。
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