JP2007082893A - 薬液注入装置用バルーン - Google Patents

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Abstract

【課題】 薬液注入装置の組立作業において、バルーンがその軸心を中心として周方向に均一に膨張できるように、膨張薬液流入出管の軸心とバルーンの軸心とが真っ直ぐに重って薬液注入装置に装着できているかどうかを容易に確認できるようにした薬液注入装置用バルーンを提供する。
【解決手段】 均一の肉厚からなる管状のゴム状弾性材料の一端を封止し、他端から薬液を注入してゴム状弾性体を軸方向及び円周方向に膨張させてゴム状弾性体内に所定量の薬液を充填させた後に、充填した薬液をゴム状弾性材料の弾性復元力によって少しずつ持続して排出させる透明乃至半透明の薬液注入装置用バルーン1において、薬液注入装置Sに装着する装着部18の外周面又は内周面に、バルーン1の外周面を覆う摺動可能な止め輪15の取付位置を示す指標19を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、手術後の疼痛に対する麻酔、鎮痛剤の投与や抗癌剤の投与等に使用される薬液注入装置に使用される部品であって、管状のゴム状弾性材料の一端を封止し、他端から薬液を注入してゴム状弾性体を軸方向及び円周方向に膨張させてゴム状弾性体内に所定量の薬液を充填させた後に、ゴム状弾性体の弾性復元力(収縮力)の作用によって充填した薬液を注入した側から少しずつ持続して排出させることにより患者に薬液を注入することを目的とした薬液注入装置用バルーンに関する。
従来、人体に薬液を比較的長時間注入する方法として、注射針又はカテーテルに薬液を入れた注射器を接続し、その注射器を手動、バネ、電動等により薬液を排出していた。手動による持続的な注入の場合には、患者及び施術者が一定時間を拘束されるので、両者は肉体的にも精神的にも大きな苦痛を伴っていた。バネや電動を利用した場合であっても、注射器の設備、電源の確保等が必要であり患者の行動が制限されていた。
そこで、現在では、このような不都合を解消するために、患者や施術者の行動を制限しないで小型で取扱いが簡便な薬液注入装置が開発されている。
取り扱いの簡便な小型の薬液注入装置としては、バルーンの収縮力を利用して薬液を長時間少しずつ持続して患者に注入するものが一般的であり、バルーンと、このバルーンを収納するハウジングと、バルーン内に充填された薬液を注射針等の人体装着具を介して人体に注入させる薬液流出部からなっている。そして、バルーン内に貯蔵した薬液を一定速度で長時間少しずつ持続して注入するための手段として、薬液流出部に微細孔を有するパイプ等の流量制御部を備えることでバルーンから排出される薬液の流量をパイプの長さや微細孔の孔径を適宜変化させることで、さまざまな設定流量に対応させるようにしている(たとえば、特許文献1を参照のこと)。
また、薬液を一定速度で長時間少しずつ持続して注入するための他の手段としては、バルーンの性質を改良したものがある。
このバルーンの性質を改良した薬液注入装置にあっては、天然ゴムをベースとした筒状体の内腔表面をシリコーン樹脂膜で覆った多層構造にすることで、薬液の排出時のバルーンの内圧を高くし薬液をほぼ一定の速度で注入できるようにしている(たとえば、特許文献2を参照のこと)。
ところで、薬液注入装置用のバルーンは中空円筒状をしており、その中空円筒状の中空部に薬液が充填されると共に充填された薬液を排出して人体に薬液を注入する駆動力を発生する機能部品であって、薬液注入装置の中に組み込まれて使用されるものである。具体的には、薬液注入装置の製造元では、外部の鋭利な物体に触れて破損するのを防止すると共に、バルーン自体のピンホールなどの欠陥によってバルーンから液漏れが発生した場合に外部に薬液が飛散しないように、バルーンを透明な保護筒の中に納めている。保護筒の中心部には、薬液をバルーンに充填するための流入口と薬液をバルーンから排出するための排出口とを兼ねた薬液流入出管が設けられており、この薬液流入出管にバルーンが装着されることになる。そして、薬液流入出管の接続部には、バルーンの上端面と当接することのできる当接面を有する鍔部が形成されており、バルーンにはバルーンの外周面を覆う摺動可能な止め輪が設けられており、バルーンと接続部とが止め輪により緊締され、薬液の漏れを完全に防止されるようになっている。
特開平3−140163号公報 特開平4−2360号公報
薬液注入装置としては薬液を一定速度で長時間少しずつ精度良く持続して患者に注入できることが要求されるが、そのためには薬液をバルーンに充填した状態でバルーンがその軸心を中心として周方向に均一に膨張することが必要となる。
しかしながら、バルーンを薬液流入出管に装着するのは組立作業者が手組みによって行うため、薬液流入出管の軸心に対してバルーンの軸心が斜めになって取り付けられてしまうことがあった。また、バルーンを薬液流入出管に取り付けた後で止め輪による緊締作業も人手によって行っているため、バルーンの軸心が薬液流入出管の軸心に対して真っ直ぐに取り付けられていたとしても、止め輪の押し込み時に止め輪の内周面によってバルーンの外周面が引っ張られてバルーンが斜めになって装着されてしまうことがあった。
薬液流入出管の軸心に対してバルーンの軸心が斜めに取り付けられてしまった場合には、薬液を充填した際に薬液流入出管の軸心に対してバルーンが偏って膨張することとなり、バルーンの弾性復元力による薬液の排出速度が一定しないため、薬液を一定速度で長時間少しずつ精度良く持続して患者に注入することができないという問題があった。
薬液流入出管の軸心とバルーンの軸心とが真っ直ぐに重なるようにするためには、目に見えない膨張前の中空円筒状のバルーンの軸心と、目に見えない薬液流入出管の軸心とが一致しているかどうかをそれらの外観から確認することになるが、容易なことではなく組立作業者の疲労を招く作業となっていた。
そこで、この発明は、以上のような薬液注入装置の組立作業において、バルーンがその軸心を中心として周方向に均一に膨張できるように、膨張薬液流入出管の軸心とバルーンの軸心とが真っ直ぐに重って薬液注入装置に装着できているかどうかを容易に確認できるようにした薬液注入装置用バルーンを提供することを課題とする。
上記課題を実現するために、請求項1に記載の発明では、均一の肉厚からなる管状のゴム状弾性材料の一端を封止し、他端から薬液を注入してゴム状弾性体を軸方向及び円周方向に膨張させてゴム状弾性体内に所定量の薬液を充填させた後に、充填した薬液をゴム状弾性材料の弾性復元力によって少しずつ持続して排出させる透明乃至半透明の薬液注入装置用バルーンにおいて、薬液注入装置に装着する装着部の外周面又は内周面に、バルーンの外周面を覆う摺動可能な止め輪の取付位置を示す指標を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、前記指標が、前記装着部の外周面の全周に設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、前記指標が、着色化合物、蛍光化合物および紫外線吸収化合物のうちから選択される一つの化合物を塗布することにより形成されたものであることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記指標が、シボ加工模様により形成されたものであることを特徴としている。
この発明は以上のような構成であるから、請求項1に記載の発明によれば、
バルーンの装着部の外周面又は内周面に設けた指標に止め輪の端面を合致させるといった簡単な作業により、止め輪が必要とするバルーンとの相対移動が十分確保されることになるから、バルーンの軸心が薬液流入出管の軸心と真っ直ぐに重った状態でバルーンを薬液注入装置に緊締する組立作業が実現できる。これにより、組立作業者に過度の疲労を与えることなく、品質の安定した薬液注入装置を組み立てることができる。また、これにより、バルーンがその軸心を中心として周方向に均一に膨張できることから、バルーンに充填された薬液の排出速度を一定に保つことができ、薬液注入装置を介して薬液を一定速度で長時間少しずつ精度良く持続して患者に注入できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記指標が、前記装着部の外周面の全周に設けられているので、請求項1の効果に加え、作業者は指標と止め輪の端面との位置合わせが360度どの方向からも目視で確認できることになり、組立が容易でかつより品質の安定した薬液注入装置を完成させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記指標が、着色化合物、蛍光化合物および紫外線吸収化合物のうちから選択される一つの化合物を塗布することにより形成されたものであるので、請求項1の効果に加え、多少暗い環境下でも指標が明瞭に見えるため、組立作業者の疲労を最小限に抑えつつ薬液注入装置へのバルーンの組み付け作業が正確に行える。
請求項4に記載の発明によれば、前記指標が、シボ加工模様により形成されたものであるので、請求項2の効果に加え、成形と同時に指標が完成されるから製造コストを抑えつつ指標を形成することができる。また、シボ加工を施したことで、止め輪とバルーンとが滑りやすくなり簡単迅速に薬液注入装置へのバルーンの組み付け作業が実現できる。
[発明の実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る薬液注入装置の保護筒を取り付ける前の状態を示した薬液注入装置用バルーンの一部断面とした側面図である。図2は、この発明の実施の形態1に係る薬液注入装置用バルーンに薬液を注入する前の状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。
薬液注入装置Sの中に組み込まれて使用されるバルーン1は、薬液が充填されると共に充填された薬液を排出して人体に薬液を注入する駆動力を発生するものであって、中空円筒状をしている。
バルーン1は伸縮性に富み、外部からの作用によって容易に破損しない高靭性の材料から作られるのが好ましく、シリコーンゴム、ブチルゴム、ニトリルブタジエンゴム、ポリ−1.4−ブタジエンゴム、ポリイソプレン(天然ゴムもしくは合成ゴム)、ポリウレタン、ブタジエンスチレン共重合体等が挙げられる。また、その長さ、外径、肉厚は、患者への薬液注入量、注入時間に応じて適宜選択することができる。
薬液の排出力はバルーン1の収縮力に関係し、バルーン1の収縮力を向上するにはバルーン1の弾性復元力を高めるべく、バルーン1の材料の引張強度及び伸びを向上させることが効果的であり、引張強度は7.0〜15.0MPa、より好ましくは8.0〜12.0MPaとし、伸びは700〜1200%、より好ましくは800〜1000%とするとよい。引張強度が7.0MPa未満であると充填時と排出時との圧力差が大きくなり薬液の安定した注入ができなくなり、15.0MPaを越えると材料が高価のものとなり実用性に乏しい。伸びが700%未満であるとバルーン1が破裂する危険があり、1200%を越えると材料が高価のものとなり実用性に乏しい。
また、伸び歪みは、15%以下、より好ましくは10%以下とするとよい。
伸び歪みが15%を越えると排出時の圧力が小さくなり薬液の安定した注入ができなくなる。
バルーン1のゴム弾性材料の硬度を調整することでバルーン1の全長に渡って均一な変形性能を持たせることができる。バルーン1のゴム弾性材料の硬度は、25〜40(JIS A)とし、より好ましくは30〜35(JIS A)とするのがよい。硬度が25未満であると初期充填時のバルーン1の内圧が小さくなってしまい、40を越えると薬液がバルーン1内に充填しにくくなりバルーン1が破裂する危険もある。
なお、バルーン1の硬度を高めるには、一般成形用のシリコーンゴムの場合には、充填する補強材のシリカの充填量と架橋密度を上げることが有効である。後述する試験結果からして、フィラーがBET法による比表面積が100m/g以上である補強性シリカを含み、架橋密度が3.0×10−5〜8.0×10−4mole/ccとすることが好ましいといえる。架橋密度が3.0×10−5mole/cc未満であるとシリコーンゴムの硬度、引張強度、伸びが求める値より小さくなり、架橋密度が8.0×10−4mole/ccを越えるとシリコーンゴムの硬度、引張強度、伸びが求める値より大きくなってしまうので好ましくない。
バルーン1は、バルーン1が外部の鋭利な物体に触れて破損するのを防止すると共に、バルーン1自体のピンホールなどの欠陥によってバルーンから薬液漏れが発生した場合に外部に薬液が飛散しないように、保護筒2の中に納められている。
保護筒2は、薬液の注入状況を外部から目視にて観察できるように透明なポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の合成樹脂で形成されるのが好ましい。
保護筒2の形状は特に限定されず、円筒状、球状、角柱状などの適宜の形状を採用すればよい。また、バルーン1の膨脹時の寸法に対応して選定され、薬液充填完了時(バルーン1の最大膨脹時)に膨脹したバルーン1と保護筒2の内面に若干の隙間が存在するように保護筒2の内径を選定するのが好ましい。これは、バルーン1が保護筒2の内面との摩擦によって、均等な膨脹、収縮が妨げられることがないようにするためである。
保護筒2は万一バルーン1が破損しても薬液が外部に漏れることがないようにするものであるが、内部を完全に気密状態にすると、バルーン1内に薬液を注入するにつれて、内部の空気が圧縮され保護筒2内の圧力が高くなり、或る程度以上には薬液を注入することができなくなる不都合が生じる。そこで、保護筒2の適宜の箇所に空気抜きの開口部3を形成している。
バルーン1の上端部は保護筒2の中心部に設けた薬液流入出管4に固定されるが、バルーン1の下端部の内部には閉塞栓5が嵌合されている。閉塞栓5にはバルーン1の下端部から張り出した鍔部6が設けられており、この鍔部6にはバルーン1の外周面を覆うと共に鍔部6と嵌合する第一止め輪7が設けられている。第一止め輪7の内面はバルーン1の中央部へ向かうほど小径としたテーパ状をしており、第一止め輪7をバルーン1の端部側へ移動すればするほど閉塞栓5に対してバルーン1の内面が接近する構造となっている。したがって、バルーン1と閉塞栓5とが第一止め輪7により緊締され、薬液の漏れる心配がない。
薬液流入出管4は、薬液をバルーン1に充填するための流入口と薬液をバルーン1から排出するための排出口とを兼ねている。薬液流入出管4は保護筒2の上面に固定されており、その上端部には保護筒2の上面から突出して送液チューブ8と接続される出し入れ部9を形成している。薬液流入出管4の中間部にはバルーン1の上端部を取り付けるための接続部10を有し、接続部10の下方にはバルーン1の円筒状の形態を保つための案内となる棒状体11を有している。棒状体11には、出し入れ部9と連通している連通孔12を介してバルーン1の内部に通じる開口13を有している。薬液流入出管4の棒状体11の先端は、図1に示したように、バルーン1に薬液を注入する前の状態で閉塞栓5と接触しない程度に近接した長さとしている。
薬液流入出管4の接続部10には、バルーン1の上端面と当接することのできる当接面を有する鍔部14が形成されており、この鍔部14にはバルーン1の外周面を覆う摺動自在な第二止め輪15が設けられている。バルーン1と接続部10と第二止め輪15との関係は、バルーン1と閉塞栓5とが第一止め輪7との関係と同じであって、バルーン1と接続部10とが第二止め輪15により緊締され、薬液の漏れる心配がない。
図3は、この発明の実施の形態1を示した薬液注入装置用バルーンに薬液を注入した後の正常状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。
図3に示したように、閉塞栓5は薬液がバルーン1内に充填されるに従って、バルーン1が膨張する動きに伴って下降するが、その移動位置とバルーン1に残っている薬液の量との関係は一定であるので、閉塞栓5の鍔部6に嵌合した第一止め輪7の外周面に標線16を表示すると共に保護筒2に目盛り17を設けることで薬液の流出量を確認できるようにするとよい。
バルーン1は薬液を充填することにより、半径方向とともに長手方向にも膨脹し得る構造になっている。人体静脈は60mmHg前後であるからこれ以上の圧力があれば患者に薬液を注入できるが、継続的な安定した薬液投与を実現するには、バルーン1に薬液を収納したときのバルーン1の内圧(収縮力)は250〜800mmHgの圧力が好ましい。収縮力が250mmHg未満であると注入速度のコントロールが正確に行えず、800mmHgを越えると、バルーン1内に注射器等により薬液を注入するのが人の力では困難となる。
図4は、薬液注入装置用バルーンに薬液を注入する前の異常状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。図5は、薬液注入装置用バルーンに薬液を注入した後の異常状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。
図4に示したように、バルーン1を薬液流入出管4へ装着する組立作業の不手際により、薬液流入出管4の軸心に対してバルーン1の軸心が斜めになって取り付けられてしまった場合には、図5に示したように、薬液を充填した際に薬液流入出管4の軸心に対してバルーン1が偏って膨張することとなり、場合によってはバルーン1の外周面が保護筒2の内周面に接触することもある。このような場合には、バルーン1の弾性復元力による薬液の排出速度が一定しないため、薬液を一定速度で長時間少しずつ精度良く持続して患者に注入することができず、実際に使用することはできない。
ところで、この発明の実施の形態1では、図1に示したように、薬液注入装置の保護筒を取り付ける前のバルーン1の一端である下端部の内部に閉塞栓5が嵌合され第一止め輪7でバルーン1と閉塞栓5とが緊締されて密閉状態となっている。また、バルーン1の他端である上端部には、バルーン1の外周面を覆う摺動自在な第二止め輪15がバルーン1の内周面と第二止め輪15の内周面との摩擦力により、任意の位置で留ることが可能となっている。
そこで、この発明の実施の形態1では、薬液注入装置Sに装着するバルーン1の装着部18の外周面又は内周面に第二止め輪15の取付位置を示す線状の指標19を設けることで、この指標19に第二止め輪15の下端を合わせることで第二止め輪15の取付位置を一定になるようにしている。
指標19の位置は、バルーン1の装着部18に相当する上端部が第二止め輪15の先端部から僅かに突出した状態で、第二止め輪15の下端が指標19に
一致する場所としている。指標19の位置がバルーン1の上端部側に寄り過ぎていると、バルーン1の上端部が第二止め輪15の中に隠れてしまい、バルーン1の上端部が薬液流入出管4の所定の位置まで挿入できているか否かが目視で確認できないことになるので都合が悪い。
従来のように指標19がない場合には、バルーン1の上端部を薬液流入出管4の接続部10の鍔部14に当接させることで位置決めすることが考えられるが、この場合には第二止め輪15を上方にずらしてバルーン1を薬液流入出管4に緊締する作業を行う際に、第二止め輪15の押し込み時に第二止め輪15の内周面によってバルーン1の外周面が引っ張られて、バルーン1全体をより上方に移動しようとする力が作用することになる。しかしながら、バルーン1の上端部は最初から薬液流入出管4の接続部10の鍔部14に当接しているため、バルーン1はそれより上方に移動できず、このため第二止め輪15が上方に移動することが不可能となり、結果として第二止め輪15によるバルーン1と薬液流入出管4の接続部10との緊締作業ができないことになる。
正しい位置に指標19が設けられたバルーン1によれば、バルーン1の上端部が薬液流入出管4の所定の位置まで挿入されているか否かを容易に目視で確認できるためバルーン1を薬液流入出管4に挿入する第一工程が正しく行われると共に、第二止め輪15をバルーン1の上方にずらして行く際にバルーン1が薬液流入出管4の接続部10の鍔部14側に移動することが可能であるから第二止め輪15によってバルーン1を薬液流入出管4に緊締する第二工程が正しく行われることになる。
線状の指標19は、レーザ加工や研磨加工等によりバルーン1の装着部18の表面に傷を付けることで実現できる。また、指標19は、バルーン1の外周面又は内周面の一部乃至全周に設けられており、着色化合物、蛍光化合物および紫外線吸収化合物のうちから選択される一つの化合物を塗布するようにしてもよい。
指標19をバルーン1の外周面又は内周面の全周に設けた場合には、作業者は指標19と第二止め輪15の下端との位置合わせが360度どの方向からも目視で確認できることになり、より品質の安定した薬液注入装置Sを完成させることができる。また、指標として、着色化合物、蛍光化合物および紫外線吸収化合物等を塗布した場合には、多少暗い環境下でも指標が明瞭に見えるため、組立作業者の疲労を最小限に抑えつつ薬液注入装置Sへのバルーン1の組み付け作業が正確に行えるので好ましい。
なお、図1に示した実施の形態1のようにバルーン1が上下対称の形状をしているものの場合には、バルーン1の上方と下方の両側に指標19を設けるとよい。これにより、バルーン1の上下いずれを薬液流入出管4の接続部10に取り付ける場合にも、上方と下方の両側に設けた各指標19がバルーン1と第二止め輪15との位置関係を最適な状態に保つための目印として機能させることができる。
[発明の実施の形態2]
図6は、この発明の実施の形態2に係る薬液注入装置の保護筒を取り付ける前の状態を示した薬液注入装置用バルーンの一部断面とした側面図である。
この発明の実施の形態2では、薬液注入装置Sに装着するバルーン1の外周面に挿入位置を示す指標19としてシボ加工模様を採用しており、シボ加工模様のない部分とシボ加工模様のある部分との境界が実施の形態1の線状の指標19に該当している。シボ加工模様は、金型の彫り込み模様が転写されることにより成形と同時にその指標が完成されるから製造コストを抑えることができる。また、バルーン1の外周面にシボ加工を施したものでは、第二止め輪15とバルーン1とが滑りやすくなり、より簡単迅速に薬液注入装置Sへのバルーン1の組み付け作業が実現できる。
なお、実施の形態2のその他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるから、同じ構成に同じ符号を付してそれらの説明を省略する。
以上に説明したこの発明の実施の形態1及び2では、両端が開口している中空円筒状であって、その一端に別部材である閉塞栓5を嵌合させたバルーン1を示したが、バルーンはこれに限らず、最初から中空円筒状の一端にのみに開口部を有する風船のような形態のものであってもよい。
この発明の実施の形態1に係る薬液注入装置の保護筒を取り付ける前の状態を示した薬液注入装置用バルーンの一部断面とした側面図である。 同実施の形態1に係る薬液注入装置用バルーンに薬液を注入する前の状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。 同実施の形態1を示した薬液注入装置用バルーンに薬液を注入した後の正常状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。 薬液注入装置用バルーンに薬液を注入する前の異常状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。 薬液注入装置用バルーンに薬液を注入した後の異常状態を示した薬液注入装置の縦断面図である。 この発明の実施の形態2に係る薬液注入装置の保護筒を取り付ける前の状態を示した薬液注入装置用バルーンの一部断面とした側面図である。
符号の説明
1 バルーン(薬液注入装置用バルーン)
2 保護筒
3 開口部
4 薬液流入出管
5 閉塞栓
6,14 鍔部
7 第一止め輪
8 送液チューブ
9 出し入れ部
10 接続部
11 棒状体
12 連通孔
13 開口
15 第二止め輪(止め輪)
18 装着部
19 指標
S 薬液注入装置

Claims (4)

  1. 均一の肉厚からなる管状のゴム状弾性材料の一端を封止し、他端から薬液を注入してゴム状弾性体を軸方向及び円周方向に膨張させてゴム状弾性体内に所定量の薬液を充填させた後に、充填した薬液をゴム状弾性材料の弾性復元力によって少しずつ持続して排出させる透明乃至半透明の薬液注入装置用バルーンにおいて、薬液注入装置に装着する装着部の外周面又は内周面に、バルーンの外周面を覆う摺動可能な止め輪の取付位置を示す指標を有することを特徴とする薬液注入装置用バルーン。
  2. 前記指標が、前記バルーンの全周に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の薬液注入装置用バルーン。
  3. 前記指標が、着色化合物、蛍光化合物および紫外線吸収化合物のうちから選択される一つの化合物を塗布することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の薬液注入装置用バルーン。
  4. 前記指標が、シボ加工模様により形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液注入装置用バルーン。
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