JP2007081603A - 差動増幅回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力電圧の反転を防止するとともに、入力電圧範囲を広くすることができる差動増幅回路を提供する。
【解決手段】 第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1の電源電位に接続し、第1および第2のトランジスタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、第1のトランジスタのコレクタにエミッタを、第2電源電位にベースを接続した第3のトランジスタと、第3のトランジスタのコレクタと第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、第2のトランジスタのコレクタと第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、第3のトランジスタのコレクタに接続した第1の出力端子とで構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、過大な入力信号が入力したときに出力電圧が反転することを防止することができるとともに、最小入力電圧を低く、または最大入力電圧を高くとることができる差動増幅回路に関する。
従来、オペアンプなどの差動増幅回路には図6のような回路が用いられていた。図6において、10は電流源、11はPNPトランジスタからなる第1のトランジスタ、12はPNPトランジスタからなる第2のトランジスタ、14は第1の負荷、15は第2の負荷、17はバッファである。図6に示す差動増幅回路では、第1のトランジスタ11のベースに接続する入力端子Vin1に入力信号が入力し、第2のトランジスタ12のベースに接続する入力端子Vin2に基準電圧が入力する。図9は、図6の差動増幅回路において、入力端子Vin1に正弦波を入力したときの出力端子Vout3の出力電圧を示したものである。図9に示すように、第1のトランジスタ11のコレクタ−ベース間ダイオードが順方向バイアス電圧以上となる電圧が入力端子Vin1に入力すると、第1の負荷14を通して入力端子Vin1方向に電流が流れ、出力端子Vout3の電圧は急速に上昇し、出力電圧が反転してしまうという問題があった。
このような問題を解決するため、本願出願人は、図7に示す差動増幅回路を提案している(非特許文献1)。図7に示すように、図6の差動増幅回路の第1のトランジスタ11のコレクタと第1の負荷14との間にダイオード43を付加している。図10は、図7に示す差動増幅回路において、入力端子Vin1に正弦波を入力したときの出力端子Vout3の出力電圧を示したものである。図9でみられた出力電圧の急速な上昇はみられない。第1のトランジスタ11のコレクタ−ベース間ダイオードが順方向で動作した場合でも、ダイオード43が第1の負荷14から入力端子Vin1方向に電流が流れることを防ぎ、出力端子Vout3の出力電圧の反転を防止しているからである。
"半導体データブック オペアンプ NJM2123"、P.1 等価回路図、[online]、2003年3月13日、新日本無線(株)、[2005年9月7日検索]、インターネット<URL:http://www.njr.co.jp/pdf/aj/aj04035.pdf>
ところで、図7に示す差動増幅回路の最小入力電圧は、ダイオード43と第1のトランジスタ11のエミッタサイズが同じならば、次のように表される。
最小入力電圧=(第1の負荷14の両端電圧)+(ダイオード43の両端電圧)+(第1のトランジスタ11のコレクタ−エミッタ間電圧Vce)−(第1のトランジスタ11のベース−エミッタ間電圧Vbe)≒(第1の負荷14の両端電圧)+(第1のトランジスタ11のコレクタ−エミッタ間電圧Vce)
同様に、図6に示す差動増幅回路の最小入力電圧は、次のように表される。
最小入力電圧=(第1の負荷14の両端電圧)+(第1のトランジスタ11のコレクタ−エミッタ間電圧Vce)−(第1のトランジスタ11のベース−エミッタ間電圧Vbe)
このように、出力電圧の反転を防止することができる図7に示す差動増幅回路は、図6の差動増幅回路に比べて、最小入力電圧が高くなり、入力電圧範囲が狭くなるという問題点があった。本発明はこのような問題点に鑑み、出力電圧の反転を防止するとともに、入力電圧範囲を広くすることができる差動増幅回路を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタを、第2電源電位にベースをそれぞれ接続した第3のトランジスタと、該第3のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、前記第2のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、前記第3のトランジスタのコレクタに接続した第1の出力端子と、で構成することを特徴とするものである。
本願請求項2に係る発明は、第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタを、第2電源電位にベースをそれぞれ接続した第3のトランジスタと、前記第2のトランジスタのコレクタにエミッタを、前記第2電源電位にベースをそれぞれ接続した第4のトランジスタと、前記第3のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、前記第4のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、前記第3のトランジスタのコレクタに接続した第1の出力端子と、前記第4のトランジスタのコレクタに接続した第2の出力端子と、で構成することを特徴とするものである。
本願請求項3に係る発明は、第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、前記第1のトランジスタのコレクタにソースを、第2電源電位にゲートをそれぞれ接続した第5のトランジスタと、該第5のトランジスタのドレインと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、前記第2のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、前記第5のトランジスタのドレインに接続した第1の出力端子と、で構成することを特徴とするものである。
本願請求項4に係る発明は、第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、前記第1のトランジスタのコレクタにソースを、第2電源電位にゲートをそれぞれ接続した第5のトランジスタと、前記第2のトランジスタのコレクタにソースを、前記第2電源電位にゲートをそれぞれ接続した第6のトランジスタと、前記第5のトランジスタのドレインと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、前記第6のトランジスタのドレインと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、前記第5のトランジスタのドレインに接続した第1の出力端子と、前記第6のトランジスタのドレインに接続した第2の出力端子と、で構成することを特徴とするものである。
本発明は、出力電圧の反転を防止するため、従来用いられていたダイオード43をトランジスタのエミッタ−コレクタ間電圧あるいはソース−ドレイン間電圧に置き換えることで、バイポーラトランジスタ差動対のままで出力反転を防止するとともに、最小入力電圧を低くすることができ、入力電圧範囲を広げることができる。あるいはトランジスタの導電型を反転させれば、最大入力電圧を高くすることができ、入力電圧範囲を広げることができるという利点がある。
またバイポーラトランジスタ差動対に、それぞれ別のトランジスタを接続する構成とすると、バイポーラトランジスタ差動対のコレクタ電圧のオフセットが生じず、好適となるという利点もある。
本発明は出力電圧の反転を防止するためのダイオードをトランジスタに置き換えることにより、出力電圧の反転を防止するとともに、最小入力電圧を低く、あるいは最大入力電圧を高くしている。以下、実施例に基づき詳しく説明する。
図1は本発明の第1の実施例の差動増幅回路を示す図である。10は電流源、11はPNPトランジスタからなる第1のトランジスタ、12はPNPトランジスタからなる第2のトランジスタ、13はPNPトランジスタからなる第3のトランジスタ、14は抵抗あるいは電流源からなる第1の負荷、15は第2の負荷である。
図1に示すように、入力信号(第1の入力信号)をベースに入力する第1のトランジスタ11と、基準電圧(第2の入力信号)をベースに入力する第2のトランジスタ12と、第1のトランジスタ11および第2のトランジスタ12のエミッタに電流を供給する電流源10とで差動回路を構成している。
本発明では、出力電圧の反転を防止するため、第3のトランジスタ13が設けられている。第3のトランジスタ13は、入力端子Vin1へ入力する入力信号が、第1のトランジスタ11のコレクタ−ベース間を順方向バイアスする電圧以上となったとき、出力電圧反転防止の効果を発揮する。第3のトランジスタ13の作用により、第1のトランジスタ11のベース−コレクタ間ダイオードが順方向で動作しても、第3のトランジスタ13のベースからエミッタ方向に、およびコレクタからエミッタ方向に電流は流れないので、出力端子Vout1の出力電圧が反転することを防ぐことができる。
図11は、図7同様、出力端子Vout1および第2のトランジスタ12のコレクタにバッファ17を接続し、図8に示す回路構成とした時の出力端子Vout3の出力電圧を示したものである。図11に示すように、入力端子Vin1に正弦波を入力したとき、出力端子Vout3の出力電圧は、出力反転が起きていないことがわかる。
また、図8に示す差動増幅回路では、第3のトランジスタ13のベースを接地電位に接続しているため、第1のトランジスタ11と第3のトランジスタ13のエミッタサイズが同じならば、最小入力電圧は次のように表される。
最小入力電圧=(第3のトランジスタ13のベース−エミッタ間電圧Vbe)+(第1のトランジスタ11のコレクタ−エミッタ間電圧Vce)−(第1のトランジスタ11のベース−エミッタ間電圧Vbe)≒(第1のトランジスタ11のコレクタ−エミッタ間電圧Vce)
この最小入力電圧は、図7に示す差動増幅回路の最小入力電圧と比べて、第1の負荷14の両端電圧分だけ低くなっている。図12は、図8および図7の差動増幅回路の入力端子Vin1にそれぞれ正弦波を入力したときの出力端子Vout3の出力波形を比較するための拡大図である。図8の差動増幅回路の出力波形51は、図7の差動増幅回路の出力波形52よりも正弦波を維持できている。このように図8に示す本発明の差動増幅回路は、図7に示す従来の差動増幅回路と比べて最小入力電圧を低くとることができることがわかる。
図2は本発明の第2の実施例の差動増幅回路を示す図である。第1の実施例で説明した差動増幅回路の差動入力トランジスタである第2のトランジスタ12側に、第4のトランジスタ16を追加した構成となっている。これは、前述の第1の実施例において、第1のトランジスタ11と第2のトランジスタ12のコレクタ電圧のちがいにより、入力端子間にオフセットが発生するという問題が生じる場合に、コレクタ電圧を一致させることでオフセットの発生を抑える方法として効果が大きい。なお、本実施例においても、第1の実施例と同様の効果が得られることはいうまでもない。
図3は本発明の第3の実施例の差動増幅回路を示す図である。第1の実施例で説明した第3のトランジスタ13をエンハンスメント型PチャネルMOSFETまたはJFETからなる第5のトランジスタ23に置き換えたものである。なお、第5のトランジスタ23のバックゲートは、電源電位と接続しておく必要がある。バックゲートをソース端子と接続した場合、バックゲートを通してドレイン端子から入力端子への電流経路ができてしまい、出力反転防止の効果が発揮されなくなるからである。このように構成しても第1の実施例と同様の効果が得られる。
さらに図4は本発明の第4の実施例の差動増幅回路を示す図である。第2の実施例で説明した第3のトランジスタ13および第4のトランジスタ16を、第3の実施例同様、エンハンスメント型PチャネルMOSFETまたはJFETからなる第5のトランジスタ23および第6のトランジスタ24に置き換えることができる。この場合でも実施例2と同様の効果が得られる。
図5は本発明の第5の実施例の差動増幅回路を示す図である。第1の実施例のPNPトランジスタからなる第1のトランジスタ11、第2のトランジスタ12および第3のトランジスタ13を、それぞれNPNトランジスタからなる第1のトランジスタ31、第2のトランジスタ32および第3のトランジスタ33に置き換えたもので、第1の実施例とは対称の構成となっている。このようにNPN差動対を使用した場合にも、出力反転することを防止することができ、さらに最大入力電圧を高くとることができる。従って、トランジスタの導電型を反転させた場合でも、入力電圧範囲を広げることができることになる。
また、第2の実施例の差動増幅回路において、PNPトランジスタからなる第1のトランジスタ11、第2のトランジスタ12、第3のトランジスタ13および第4のトランジスタ16を、第5の実施例同様、それぞれNPNトランジスタに置き換えれば、同様の効果が得られる。
さらに、第3の実施例および第4の実施例の差動増幅回路において、PNPトランジスタからなる第1のトランジスタ11および第2のトランジスタ12を、第5の実施例同様にそれぞれNPNトランジスタに置き換え、エンハンスメント型PチャネルMOSFETまたはJFETからなる第5のトランジスタ23を、エンハンスメント型NチャネルMOSFETまたはJFETに置き換えても、同様の効果が得られる。
本発明の第1の実施例の説明図である。 本発明の第2の実施例の説明図である。 本発明の第3の実施例の説明図である。 本発明の第4の実施例の説明図である。 本発明の第5の実施例の説明図である。 従来の差動増幅回路の一例である。 従来の差動増幅回路の別の一例である。 本発明に係る第1の実施例の応用回路例である。 図6に示す差動増幅回路の出力電圧を示す図である。 図7に示す差動増幅回路の出力電圧を示す図である。 図8に示す差動増幅回路の出力電圧を示す図である。 図7に示す差動増幅回路と図8に示す差動増幅回路の出力波形を比較するための拡大図である。
符号の説明
10、30:電流源、11、31:第1のトランジスタ、12、32:第2のトランジスタ、13、33:第3のトランジスタ、14:第1の負荷、15:第2の負荷、
16:第4のトランジスタ、17:バッファ、23:第5のトランジスタ、
24:第6のトランジスタ

Claims (4)

  1. 第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、
    前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタを、第2電源電位にベースをそれぞれ接続した第3のトランジスタと、
    該第3のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、
    前記第2のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、
    前記第3のトランジスタのコレクタに接続した第1の出力端子と、で構成することを特徴とする差動増幅回路。
  2. 第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、
    前記第1のトランジスタのコレクタにエミッタを、第2電源電位にベースをそれぞれ接続した第3のトランジスタと、
    前記第2のトランジスタのコレクタにエミッタを、前記第2電源電位にベースをそれぞれ接続した第4のトランジスタと、
    前記第3のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、
    前記第4のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、
    前記第3のトランジスタのコレクタに接続した第1の出力端子と、
    前記第4のトランジスタのコレクタに接続した第2の出力端子と、で構成することを特徴とする差動増幅回路。
  3. 第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、
    前記第1のトランジスタのコレクタにソースを、第2電源電位にゲートをそれぞれ接続した第5のトランジスタと、
    該第5のトランジスタのドレインと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、
    前記第2のトランジスタのコレクタと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、
    前記第5のトランジスタのドレインに接続した第1の出力端子と、で構成することを特徴とする差動増幅回路。
  4. 第1の入力信号をベースに入力する第1のトランジスタと、第2の入力信号をベースに入力する第2のトランジスタと、第1電源電位に接続し、前記第1および第2のトランジスタのエミッタに電流を供給する電流源とからなる差動回路と、
    前記第1のトランジスタのコレクタにソースを、第2電源電位にゲートをそれぞれ接続した第5のトランジスタと、
    前記第2のトランジスタのコレクタにソースを、前記第2電源電位にゲートをそれぞれ接続した第6のトランジスタと、
    前記第5のトランジスタのドレインと前記第2電源電位との間に接続した第1の負荷と、
    前記第6のトランジスタのドレインと前記第2電源電位との間に接続した第2の負荷と、
    前記第5のトランジスタのドレインに接続した第1の出力端子と、
    前記第6のトランジスタのドレインに接続した第2の出力端子と、で構成することを特徴とする差動増幅回路。
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