JP2007081436A - 半導体装置及びそれを使った電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
高耐圧かつ低オン電圧でかつ作り易いIGBTを得る。
【解決手段】
本発明の半導体装置は、半導体基体と、基体内に位置する第1導電形の第1の半導体領域と、第1の半導体領域上に位置する第2導電形の第2の半導体領域と、第2の半導体領域内に伸び、第2の半導体領域より高いキャリア濃度を有する複数個の第2導電形の第3の半導体領域と、第3の半導体領域内に位置する第1の導電形の第4の半導体領域と、第4の半導体領域内に位置する第2の導電形の第5の半導体領域と、第2から第5の半導体領域の表面上に形成されたゲート絶縁膜と、さらに絶縁膜上に形成されたゲート電極と、第4の半導体領域と第5の半導体領域に低抵抗接触したエミッタ電極と、第1の半導体領域に低抵抗接触したコレクタ電極とを有することを特徴とする。
【効果】
n層がホールのバリアとなり、n- 層中にホールが蓄積されるためオン電圧が低減される。
【選択図】図1
Description
Trench-Gate Bipolar Transistor(CSTBT)と呼ばれ、International Simposium ofPower Semiconductor Devices and ICs(ISPSD1996,349ページから352ページ)で発表された素子である。
500,ゲート電極300が形成され、ゲート電極300は絶縁膜60で覆われている。ゲート電極300間にはp層310、p層310下にはn層230が、p層310内にはn+ 層400が形成され、エミッタ電極2にp層310とn+ 層400が低抵抗で接触し、短絡されている。一方、p+ 層10はコレクタ電極1に低抵抗で接触している。
230から注入し、n- 層22の伝導度変調を促進することが特徴である。特に従来の
IGBTでは難しかったp層310近傍のn- 層22の伝導度変調を高めることができ、オン電圧を低減できる。さらにn層230をトレンチゲート電極300と同等の深さまで深く形成すると、耐圧を確保しながら、オン電圧を低くできると言われている。
202は、特開昭61−150378号で示され、n+ 基板24上のn- 層22の表面に、プレーナ型のMOSゲートが形成されている。MOSゲートは、ゲート絶縁膜501とゲート電極301からなり、ゲート電極301は絶縁膜60で覆われている。トレンチゲートと異なり、ゲート電極301はほぼ平坦な表面上に形成されている。そのゲート電極301間からn- 層22中にp層311,n+ 層401が拡散され、ゲート電極301下のn+ 層401,p層311,n- 層22の表面にnチャンネルMOSFET構造が形成されている。
n+ 基板にはドレイン電極1が低抵抗接触し、上面ではソース電極2がn+ 層401とp層311に低抵抗接触している。図8の素子202の特徴は、p層311の回りをn層
231で囲っている点である。これにより、導通時でのp層311とn- 層22の逆バイアスで生じるn- 層22中の空乏層の伸びを抑え、p層311間のピンチ効果を抑制することによって、電流を流れやすくし、オン抵抗を低減することである。特開昭61−150378号では、導通時のn層231が空乏層の伸びを抑える条件等について述べられている。
330を設けることにより、n層231,p層330,n- 層22間,nバッファ層21,p基板10からなるサイリスタを導通させるため、非常にオン電圧を小さくできる特徴を持つ。
1015cm-3から1016cm-3のオーダのキャリア濃度を有し、その厚さは数ミクロンである。p層31は1017cm-3のオーダのキャリア濃度を有し、厚さは約5μm以下と薄く、その表面にはp層31を低抵抗にするためにp+ 層32が1018cm-3の以上のキャリア濃度で形成されている。
40,反転層,n層23,n- 層22,nバッファ層21を経由してp+ 層10に注入する。注入した電子により、p+ 層10よりホールがnバッファ層21、さらにはn- 層
22へ注入される。これによりn- 層22は伝導度変調し、低抵抗化され、半導体装置
100は低いオン電圧になる。このとき、n層23により注入したホールがp層31へ拡散するのを抑制し、ホールをn- 層22中に蓄積する効果があり、n層23がない一般的なIGBTに比べオン電圧がより一層下がるのは、図7で示した従来例と同じである。
pnpnpnの6層構造をしており、製作工程が複雑であること、及びターンオフ時にホールがn層231の表面がp反転したpチャンネル層を通じて、カソード電極に流れるため、pチャンネル層の抵抗が大きく、ターンオフ時間が長くなるという不具合があるが、本発明の装置100では、p層31とn層23に逆バイアスが加わったターンオフ時には、n層23は空乏化するためにn- 層22に蓄積されたホールは直接p層31に流れ込むことができるため、高速にターンオフできるという特長を合わせて持つ。
22のキャリア濃度は7.5×1016/Vb 以下で、かつその厚さがVb/12μm以上であることが好ましい。
23には、一つのp層31内において隣り合うn+ 層40の内側端部から各々下ろした仮想垂線の間に位置し、n層23の他の領域よりも不純物濃度が高い領域231が部分的に形成されている。すなわち、領域231はエミッタ電極2の低抵抗接触個所の直下に位置する。領域231においては、p層30とn層20との間のpn接合のアバランシェ降伏がn層23の他の領域よりも起こり易い。これにより、本実施例の半導体装置は、後述するようにラッチアップしにくくなり安全動作領域が拡大する。
31中を流れ、寄生抵抗によるn+ 層40下での電圧降下は小さくなり、ラッチアップを避けることができる。そのため図11の半導体装置102は、安全動作領域が広く信頼性が高くなる。図1において、領域231は、n+ 層40の内側の両端からコレクタ電極1側に下ろした各仮想垂線の間の範囲であればゲート電極3間の中心からずれていても良い。また、領域231は、複数あっても良く、そのうち少なくとも一つがこの範囲内に入っていれば同様の効果がある。また、領域231は、本実施例のように不純物濃度を高くするほか、後述するようにn層23の形状によって形成してもよい。いずれにしても、領域
231におけるpn接合の耐圧は、n層23の他の領域のpn接合の耐圧よりも低く、アバランシェ降伏が起き易くなっていればよい。
51の上にゲート電極3として、多結晶シリコンを堆積する。ここで、薄いゲート酸化膜51上でゲート電極3とともに第1の開口部を開ける。このとき、この開口部の左右の薄いゲート酸化膜51の平面方向の長さは、略等しくし、予めn層23の平面方向の拡散深さより長くなるように設定する。まず、領域231を形成するために、第1の開口部より小さな第2の開口部のマスクを通してリンをイオン注入,拡散する。また、第1の開口部よりゲート電極3をマスクとして、n層23の不純物としてリンをイオン注入し、熱拡散する。このときn層231の深さをn層23より深くすることでn層23とp層31の界面の接合底部にn型の濃度の高い部分を作る。次に同じ第1の開口部よりゲート電極3をマスクとして、p層31の不純物としてホウ素をイオン注入し、熱拡散する。さらにn+ 層40下のp層31の横方向抵抗を低減するために、n+ 層40よりも深く、ホウ素をイオン注入し拡散して、p+ 層32を形成する。さらに次に、ホトレジストのパターンを使ってn+ 層40の不純物である砒素をイオン注入し、熱拡散する。このときゲート電極3側はゲート電極3の端部をマスクとしてセルファラインで砒素が注入される。このように、薄いゲート酸化膜51下に達するn層23,p層31,n+ 層40が全て、ゲート電極3の端部をマスクとしてセルファラインで形成できるので、ゲートしきい値電圧が安定する。その後、絶縁膜60を堆積し、ゲート電極3を覆うようにホトレジストを使って開口部を開け、エミッタ電極2でp+ 層32とn+ 層40を短絡し、電気的に接触させる。さらに、p+ 層10にもコレクタ電極1を形成し、電気的に結合する。
1200V耐圧の素子では、n+ 層40の領域を全体のチャネル幅の70%にして飽和電流を抑制しても、オン電圧はn層23がない従来のIGBTのオン電圧の85%である。このような断続エミッタを持つIGBTにおいて領域231は連続的に配置しても良いが、n+ 層40と領域231を互い違いにしてn+ 層40の下には領域231がないように配置すると、アバランシェ時にn+ 層40下に電流が流れることをさらに確実に防ぐことができる。またp+ 層32とn+ 層40が互い違いに梯子状に形成された素子でも同様に、領域231はp層の下のみに配置することが好ましい。なお、本実施例において、領域231としては、図11,図14,図15,図16の構成を用いてもよい。
13,図14,図15,図16に示した半導体素子102を混在させる。このときチップ上のコーナー部,端部といった電界が集中するためアバランシェが起きやすい部位に、選択的に半導体素子102のセルを配列し、残りの大部分に領域231のない半導体素子
100のセルを配列する。チップ上にメッシュセルを配列する場合も同様である。また、このとき、領域231のない半導体素子のセルにおいては、耐圧の低い領域231を設けない代わりに、n層23の濃度を高くして半導体素子100と同じ耐圧を確保したままホールを蓄積する効果を上げて、オン電圧をさらに低減すると、チップ全体のオン電圧が下がることができる。
Claims (14)
- 一対の主表面を有する半導体基体と、該基体内に位置する第1導電形の第1の半導体領域と、前記第1の半導体領域上に位置する第2導電形の第2の半導体領域と、前記第2の半導体領域内に伸び、前記第2の半導体領域のキャリア濃度より高いキャリア濃度を有する複数個の第2導電形の第3の半導体領域と、該第3の半導体領域内に位置する第1の導電形の第4の半導体領域と、該第4の半導体領域内に位置する第2の導電形の第5の半導体領域と、前記第2,第3,第4及び第5の半導体領域の表面上に形成されたゲート絶縁膜と、さらに該絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記第4の半導体領域と第5の半導体領域に低抵抗接触したエミッタ電極と、前記第1の半導体領域に低抵抗接触したコレクタ電極とを有し、前記第3の半導体領域のシートキャリア濃度が1×1012cm-2以下であることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域に挟まれ、前記第2の半導体領域のキャリア濃度より高いキャリア濃度を有する第2導電形の第6の半導体領域を有することを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、前記第3の半導体領域の厚さが4μm以下であることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、第2の半導体領域のキャリア濃度と第3の半導体領域のキャリア濃度の和が、1.5×1012cm-2 以下であることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、第3の半導体領域のキャリア濃度が半導体装置の耐圧Vb(V)の7.5×1016/Vbcm-3 以下で、かつ第3の半導体領域の厚さがVb/12μm以上であることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、前記ゲート絶縁膜の厚さが薄い領域と厚い領域とからなり、前記第3及び第4の表面上は少なくとも薄いゲート絶縁膜の領域があり、前記第2の半導体領域表面上は厚いゲート絶縁膜に覆われていることを特徴とする半導体装置。
- 請求項2において、前記第2の半導体領域,前記第6の半導体領域のいずれかまたは両方の領域の一部に、少数キャリアのライフタイムを低減する不純物が導入され、該不純物が殆ど導入されていない第2の半導体領域または第6の半導体領域よりキャリア濃度が低いことを特徴とする半導体装置。
- 請求項7において、前記不純物がプロトンかへリウムであることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、前記第1の半導体領域,第2の半導体領域,第3の半導体領域,第4の半導体領域,第5の半導体領域,エミッタ電極及びコレクタ電極が前記半導体基体の同一主表面にあることを特徴とする半導体装置。
- 請求項1において、前記第3の半導体領域が、部分的領域であって前記第3の半導体領域の他の領域よりもアバランシェ降伏が起き易い領域を、前記エミッタ電極の低抵抗接触個所の直下に有することを特徴とする半導体装置。
- 請求項10において、前記部分的領域の不純物濃度が前記他の領域よりも高いことを特徴とする半導体装置。
- 請求項10において、前記第3の半導体領域と前記第4の半導体領域の接合界面の曲率が、前記部分的領域で最も大きくなることを特徴とする半導体装置。
- 請求項12において、第3の半導体領域と第4の半導体領域の断面が円形をなしていることを特徴とする半導体装置。
- スイッチング素子によって負荷に供給する電力を制御する電力変換装置において、前記スイッチング素子として請求項1乃至13のいずれかの一項の半導体装置を用いることを特徴とする電力変換装置。
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