JP2007081271A - 膜パターンの形成方法、デバイス及び電子機器 - Google Patents

膜パターンの形成方法、デバイス及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 バンク内のインクの濡れ性を向上し、均一な膜を形成することのできる膜パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明の膜パターンの形成方法は、基体上に機能液を配置することにより膜パターンを形成する方法であって、基体P上にバンクBを形成する工程と、バンクBによって区画された領域に機能液Lを配置する工程とを有する。バンクBの形成工程は、基体P上に無機材料膜B1fを形成する工程と、無機材料膜B1fの表面に有機材料成分を含む有機バンク層B2を形成する工程と、有機バンク層B2をマスクとして、フッ素成分を含むガスを用いたドライエッチングにより無機材料膜B1fをパターニングし、有機バンク層B2と基体Pとの間に、無機材料膜からなる無機バンク層B1を形成する工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、膜パターンの形成方法、デバイス及び電子機器に関するものである。
電子回路や集積回路等の配線を有するデバイスの製造には例えばフォトリソグラフィ法が用いられている。このフォトリソグラフィ法は、予め導電膜を塗布した基体上にレジストと呼ばれる感光性材料を塗布し、回路パターンを照射して現像し、レジストパターンに応じて導電膜をエッチングすることで薄膜の配線パターンを形成するものである。このフォトリソグラフィ法は真空装置などの大掛かりな設備や複雑な工程を必要とし、また材料使用効率も数%程度でそのほとんどを廃棄せざるを得ず、製造コストが高い。
これに対して、液滴吐出ヘッドから液体材料を液滴状に吐出する液滴吐出法、所謂インクジェット法を用いて基体上に配線パターンを形成する方法が提案されている。この方法では、金属微粒子等の導電性微粒子を分散した機能液である配線パターン形成用インクを基体に直接パターン塗布し、その後熱処理やレーザ照射を行って薄膜の導電膜パターンに変換する。この方法によれば、フォトリソグラフィが不要となり、プロセスが大幅に簡単なものになるとともに、原材料の使用量も少なくてすむというメリットがある。
インクジェット法を用いて基体上に膜パターンを形成する場合には、通常、インク(機能液)の広がりを防止するために、バンクと呼ばれる土手構造を形成する。バンクは、無機バンク層と有機バンク層との2層構造からなるものが一般的である。これら2種類のバンク層は、材料膜の形成とパターニングとを繰り返すことによって、無機バンク層、有機バンク層の順に下層側から1層ずつ形成していく。また、バンクの内側のみにインクを配置するために、有機バンク層の表面にCFプラズマ処理を施し、インクに対して撥液性を持たせるようにしている(特許文献1を参照)。
WO99/48339号パンフレット
しかしながら、上述の方法で形成されたバンクには以下のような問題点が存在する。
(1)有機バンク層をパターニングしたときに基体上に現像残渣が残り、これがバンク内のインクの濡れ性に影響を与える場合がある。
(2)有機バンク層の表面をプラズマ処理した際に有機バンク層の一部がアッシングされ、その残渣が有機バンク層の開口部内に堆積することがある。このような堆積物は、現像残渣と同様に、バンク内のインクの濡れ性に影響を与える。
(3)無機バンク層と有機バンク層とを一層ずつ形成していく方法では、無機バンク層と有機バンク層との間に微妙な位置ずれを生じる場合があり、この位置ずれが膜の平坦性に影響を与えることがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、バンク内のインクの濡れ性を向上し、均一な膜を形成することのできる膜パターンの形成方法を提供することを目的とする。また、このような膜パターンを備えることにより、優れた特性を発揮することのできるデバイス及び電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の膜パターンの形成方法は、基体上に機能液を配置することにより膜パターンを形成する方法であって、前記基体上にバンクを形成する工程と、前記バンクによって区画された領域に前記機能液を配置する工程とを有し、前記バンクの形成工程は、前記基体上に無機材料膜を形成する工程と、前記無機材料膜の表面に、有機材料成分を含む有機バンク層を形成する工程と、前記有機バンク層をマスクとして、フッ素成分を含むガスを用いたドライエッチングにより前記無機材料膜をパターニングし、前記有機バンク層と前記基体との間に、前記無機材料膜からなる無機バンク層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
この方法によれば、無機バンク層をパターニングする際に、塗布むらの原因である有機バンク層の現像残渣等も除去できるので、従来のように無機バンク層と有機バンク層とを一層ずつ形成していく場合に比べて、バンク内全体にむらなく膜を形成することができる。また、無機バンク層が有機バンク層に対して自己整合的に形成されるので、両者の間に位置ずれを生じることがなく、膜の平坦性及び膜厚の均一性も優れたものとなる。また、無機バンク層をパターニングするためのレジストマスクの形成が不要になるので、工程が簡単になるといった利点もある。さらに、フッ素成分を含むガスによって無機材料膜をドライエッチングするので、無機バンク層のパターニングと同時に有機バンク層の撥液化も行なうことができ、更に工程が簡単になる。
なお、「有機材料成分を含む」とは、有機バンク層が有機材料成分のみからなる場合だけでなく、有機材料成分と無機材料成分との混合成分(有機・無機ハイブリッド材料)からなる場合も含むことを意味する。
本発明においては、前記機能液の配置を液滴吐出法により行なうものとすることができる。
この方法によれば、液滴吐出法を用いることにより、スピンコート法などの他の塗布技術に比べて、液体材料の消費に無駄が少なく、基体上に配置する液体材料の量や位置の制御を行ないやすいという利点がある。
本発明のデバイスは、前述した本発明の膜パターンの形成方法により形成された膜パターンを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、簡単な工程で、優れた特性を有するデバイスを提供することができる。本発明のデバイスとしては、有機エレクトロルミネッセンス装置やカラーフィルタ基板等があり、これら有機エレクトロルミネッセンス装置の有機機能層(発光層、電荷輸送層等)や画素電極のパターン、又はカラーフィルタ基板のカラーフィルタパターンの形成工程等に、本発明の膜パターンの形成方法を好適に適用することができる。
本発明の電子機器は、前述した本発明のデバイスを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、優れた特性を有する電子機器を提供することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の膜パターンの形成方法を概念的に示す図である。
本発明の膜パターンの形成方法では、まず図1(a)に示すように、基体P上に無機材料膜B1fを形成し、さらに前記無機材料膜B1fの表面に有機材料成分を含む有機バンク層B2を形成する。
基体Pとしては、ガラス、石英ガラス、Siウエハ、プラスチックフィルム、金属板など各種のものが挙げられ、さらに、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものも含む。
無機材料膜B1fは、パターニングにより、後述の無機バンク層B1を形成するものである。無機材料膜B1fの形成材料としては、酸化シリコンが好適である。係る材料は液体材料に対する親和性(親液性)が高く、基体P上に塗布した液体材料を無機バンク層B1の壁面に沿って良好に濡れ広がらせることが可能だからである。また本発明では、有機バンク層B2をマスクとして無機材料膜B1fをパターニングするため、無機材料膜B1fを酸化シリコンとすれば、ポリイミド等からなる有機バンク層B2との間で高い選択比が得られるようになる。
有機バンク層B2の形成材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂等の高分子材料、ポリシラザン、ポリシロキサン等を含有した有機・無機ハイブリッド材料等が用いられる。有機バンク層B2は、このような有機材料成分を含む材料膜を無機材料膜B1fの表面に形成し、これをフォトリソグラフィ技術等を用いてパターニングすることによって得られる。有機バンク層B2に形成される開口部H2は、膜パターンの形成領域に対応するものである。
有機バンク層B2を形成したら、図1(b)に示すように、有機バンク層B2をマスクとして、ドライエッチングにより無機材料膜B1fをパターニングする。エッチングガスとしては、CF、SF、CHF等のフッ素成分を有するガスを用いる。このようなガスを用いることにより、有機バンク層B2の撥液処理も同時に行なうことができる。すなわち、従来は無機バンク層と有機バンク層とを一層ずつ形成した後、CFプラズマ処理を行なって有機バンク層の表面を撥液化していたが、本発明では、無機バンク層B1のエッチングをCFガス等を処理ガスとしたプラズマ処理によって行なうので、マスクである有機バンク層B2の表面もこのプラズマ処理による影響を受け、有機バンク層B2内に塗布される機能液に対して非親和性(撥液性)を示すようになるのである。
なお、この工程によって有機バンク層B2の表面は撥液化されるが、有機バンク層B2の素材自体(例えば有機バンク層B2の形成材料)に予めフッ素基等の撥液成分を充填しておき、より撥液性の高い状態を得ることもできる。有機バンク層B2の表面を撥液化することにより、有機バンク層B2の開口部にのみ膜を形成し、有機バンク層B2の上面に不要な膜が形成されるのを防ぐことができる。
無機材料膜B1fのパターニングにより、図1(c)に示すように、有機バンク層B2と基体Pとの間には、有機バンク層B2の開口部H2と連通する開口部H1を有する無機バンク層B1が形成される。無機バンク層B1は有機バンク層B2と共に、膜パターンを仕切る仕切部材(バンクB)を構成し、これら2つのバンク層B1,B2に形成された開口部H1,H2が、膜パターンの形成領域Hとなる。
この工程では、無機バンク層B1の開口部H1は有機バンク層B2の開口部H2に対して自己整合的に形成される。このため、2つの開口部H1,H2の相対位置を精密にアライメントしなくても、両者の間に位置ずれが生じることはない。すなわち、無機材料膜B1fのエッチングがオーバーエッチとならないようにエッチング条件を適切に制御すれば、無機バンク層B1の壁面B1cと有機バンク層B2の壁面B2cと面一に形成することが可能である。
バンクBを形成したら、図1(d)に示すように、バンクBによって区画された領域Hに機能液Lを配置する。機能液Lは、膜パターンを構成する材料を溶媒に溶解ないし分散させてなる液体材料である。
膜パターンを構成する材料としては、電気的機能や光学的機能等の種々の機能を持った材料(機能性材料)を用いることができる。例えば、有機EL素子の発光層を形成する場合には、機能性材料として蛍光あるいはリン光を有する材料を用いればよく、カラーフィルタを形成する場合には、顔料等の微粒子着色材料を用いればよい。また、液晶装置等の透明画素電極を形成する場合には、インジウム錫酸化物(ITO)等の微粒子導電材料を用いればよい。
溶媒としては、上記の機能性材料を溶解ないし分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好適である。
機能液Lを、バンクBによって区画された領域に配置する方法としては、液滴吐出法、いわゆるインクジェット法を用いるのが好ましい。液滴吐出法を用いることにより、スピンコート法などの他の塗布技術に比べて、液体材料の消費に無駄が少なく、基体上に配置する機能液の量や位置の制御を行ないやすいという利点がある。但し、機能液LをバンクBによって区画された領域に配置する方法がインクジェット法に限られるという訳ではなく、必要であればスピンコート法等を用いて配置しても良い。
液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。
帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm 程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。
電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。なお、液滴吐出法により吐出される液状材料(流動体)の一滴の量は、例えば1〜300ナノグラムである
図2は、液滴吐出法によって基体上に液体材料を配置する液滴吐出装置(インクジェット装置)IJの概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、X軸方向駆動軸4と、Y軸方向ガイド軸5と、制御装置CONTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ15とを備えている。
ステージ7は、この液滴吐出装置IJによりインク(液体材料)を設けられる基体Pを支持するものであって、基体Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド1は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルからは、ステージ7に支持されている基体Pに対して、上述した導電性微粒子を含むインクが吐出される。
X軸方向駆動軸4には、X軸方向駆動モータ2が接続されている。X軸方向駆動モータ2はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸4を回転させる。X軸方向駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸5は、基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、Y軸方向駆動モータ3を備えている。Y軸方向駆動モータ3はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ2に液滴吐出ヘッド1のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ3にステージ7のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は、液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものである。クリーニング機構8には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構8は、Y軸方向ガイド軸5に沿って移動する。クリーニング機構8の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ15は、ここではランプアニールにより基体Pを熱処理する手段であり、基体P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行なう。このヒータ15の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基体Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基体Pに対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、X軸方向を走査方向、X軸方向と直交するY軸方向を非走査方向とする。したがって、液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、図2では、液滴吐出ヘッド1は、基体Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド1の角度を調整し、基体Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド1の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することが出来る。また、基体Pとノズル面との距離を任意に調節することが出来るようにしてもよい。
図3は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。
図3において、液体材料(配線パターン用インク、機能液)を収容する液体室21に隣接してピエゾ素子22が設置されている。液体室21には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系23を介して液体材料が供給される。
ピエゾ素子22は駆動回路24に接続されており、この駆動回路24を介してピエゾ素子22に電圧を印加し、ピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形し、ノズル25から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み速度が制御される。
ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
図1に戻って、バンクBに区画された領域Hに機能液Lを配置したら、図1(e)に示すように、機能液Lの溶媒を乾燥により除去し、必要に応じて焼成処理を行なうことにより、バンクBの開口部Hに前記機能性材料からなる膜パターンFを形成する。
本発明の膜パターンの形成方法では、バンクBによって区画された領域に機能液Lが配置され、この機能液Lが乾燥又は焼成されることにより、基体P上に膜パターンFが形成される。この場合、バンクBによって膜パターンFの形状が規定されることから、例えば隣接するバンクB、B間の幅を狭くするなど、バンクBを適切に形成することにより、膜パターンFの微細化や細線化が図られる。
また、有機バンク層B2をマスクとして下地の無機バンク層B1をパターニングするので、無機バンク層をパターニングする際に、有機バンク層の現像残渣や、有機バンク層を撥液処理したときの堆積物等を除去することができる。このため、従来の方法に比べて機能液Lに対する濡れ性が向上し、バンク内全体に均一な膜が形成されるようになる。また、無機バンク層B1が有機バンク層B2に対して自己整合的に形成されるので、両者の間に位置ずれを生じることがなく、膜の平坦性も良好なものとなる。さらに、無機バンク層B1をパターニングするためのレジストマスクの形成が不要になるので、工程が簡単になるといった利点もある。
[第2の実施の形態]
次に、図4を用いて、本発明の膜パターンの形成方法の第2の実施形態について説明する。図4(a)は、バンクBの構造を示す断面図であり、図4(b)及び図4(c)は、バンクBに区画された領域Hに機能液Lを吐出した状態を示す平面図である。
本実施形態のバンクBの基本的な構造及び製造方法は第1実施形態と同じであり、異なるのは、バンクBの側面に無機材料膜B1fをオーバーエッチしてなる溝部Gを設けた点のみである。すなわち、第1実施形態では無機バンク層B1の壁面B1cを有機バンク層B2の壁面B2cと面一になるように形成したが、本実施形態では無機材料膜B1fをオーバーエッチし、有機バンク層B2と基体Pとの間に、図4(a)のような逆テーパ状の溝部Gを設けた点が異なっている。
この溝部Gは、無機材料膜B1fをオーバーエッチすることにより形成されたものであるが、最初にドライエッチング等で無機バンク層B1と有機バンク層B2とを面一に形成し、その後、フッ酸溶液等で無機バンク層B1の壁面B1cをサイドエッチ(オーバーエッチ)することにより、有機バンク層B1の下に溝部Gを形成することも可能である。
バンクBの壁面に溝部Gを形成すると、この溝部Gに沿って機能液LをバンクBの開口部全体に均一に濡れ広がらせることが可能になる。例えば、図4(b)のようにバンクBの開口部Hに機能液Lを吐出すると、機能液Lは吐出位置を中心として等方的に広がるが、バンクBの壁面に達すると、図4(c)のように毛細管現象により機能液Lが溝部G内に入り込み、そのまま溝部Gに沿って開口部H全体に濡れ広がる。溝部GはバンクBの壁面全体に形成されているので、開口部Hの隅々まで機能液Lを行き渡らせることが可能である。開口部Hには、塗布むらの原因となる有機バンク層B2の現像残渣等が残留していないので、機能液Lの塗膜は開口部H全体にむらなく均一に形成されるようになり、これを乾燥して得られる膜パターンも平坦性及び膜厚均一性に優れたものとなる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明のデバイスの製造方法の一実施の形態として、本発明の膜パターンの形成方法を有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL装置)の製造方法に適用した例について説明する。この有機EL装置は、有機EL素子を画素として基体上に配列してなる有機EL装置であり、例えば電子機器等の表示手段として好適に用いることができるものである。
図5は有機EL装置70の回路構成図、図6は、同有機EL装置70に備えられた各画素71の平面構造を示す図であって、(a)は画素71のうち、主にTFT等の画素駆動部分を示す図、(b)は画素間を区画するバンク(隔壁部材)等を示す図である。また図7は、図6(a)のA−A線に沿う断面構成を示す図である。
図5に示すように、有機EL装置70は、ガラス等からなる基体上に、複数の走査線(配線、電力導通部)131と、これら走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号線(配線、電力導通部)132と、これら信号線132に並列に延びる複数の共通給電線(配線、電力導通部)133とがそれぞれ配線されたもので、走査線131及び信号線132の各交点毎に、画素(画素領域)71が設けられて構成されたものである。
信号線132に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、及びアナログスイッチ等を備えるデータ側駆動回路72が設けられている。一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査側駆動回路73が設けられている。また、画素領域71の各々には、走査線131を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)142と、このスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)142を介して信号線132から供給される画像信号(電力)を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用TFT143と、この駆動用TFT143を介して共通給電線133に電気的に接続したときに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極141と、この画素電極141と共通電極154との間に挟み込まれる発光部140と、が設けられている。そして、前記画素電極(第1電極)141と共通電極(第2電極)154と、有機機能層からなる発光部140とによって構成される素子が、有機EL素子である。
このような構成のもとに、走査線131が駆動されてスイッチング用TFT142がオンとなると、そのときの信号線132の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、駆動用TFT143のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT143のチャネルを介して共通給電線133から画素電極141に電流が流れ、さらに発光部140を通じて共通電極154に電流が流れることにより、発光部140は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
次に、図6(a)に示す画素71の平面構造をみると、画素71は、平面視略矩形状の画素電極141の四辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。また図7に示す画素71の断面構造をみると、基体P上に、駆動用TFT143が設けられており、駆動用TFT143を覆って形成された複数の絶縁膜を介した基体P上に、有機EL素子200が形成されている。有機EL素子200は、基体P上に立設された有機バンク層150に囲まれる領域内に設けられた有機機能層140を主体として構成され、この有機機能層140を、画素電極141と共通電極154との間に挟持した構成を備える。
ここで、図6(b)に示す平面構造をみると、有機バンク層150は、画素電極141の形成領域に対応した平面視略矩形状の開口部151を有しており、この開口部151に先の有機機能層140が形成されるようになっている。
図7に示すように、駆動用TFT143は、半導体膜210に形成されたソース領域143a、ドレイン領域143b、及びチャネル領域143cと、半導体層表面に形成されたゲート絶縁膜220を介してチャネル領域143cに対向するゲート電極143Aとを主体として構成されている。半導体膜210及びゲート絶縁膜220を覆う第1層間絶縁膜230が形成されており、この第1層間絶縁膜230を貫通して半導体膜210に達するコンタクトホール232,234内に、それぞれドレイン電極236、ソース電極238が埋設され、各々の電極はドレイン領域143b、ソース領域143aに導電接続されている。第1層間絶縁膜230上には、第2層間絶縁膜240が形成されており、この第2層間絶縁膜240に貫設されたコンタクトホールに画素電極141の一部が埋設されている。そして画素電極141とドレイン電極236とが導電接続されることで、駆動用TFT143と画素電極141(有機EL素子200)とが電気的に接続されている。画素電極141の周縁部に一部乗り上げるようにして無機絶縁材料からなる無機バンク層(第1隔壁層)149が形成されている。無機バンク層149上には、有機材料からなる有機バンク層(第2隔壁層)150が積層され、この有機EL装置における隔壁部材を成している。
上記有機EL素子200は、画素電極141上に、電荷輸送層としての正孔注入層140Aと、発光層140Bとを積層し、この発光層140Bと有機バンク層150とを覆う共通電極154を形成することにより構成されている。
基体Pとしては、いわゆるボトムエミッション型の有機EL装置の場合、基体P側から光を取り出す構成であるので、ガラス等の透明基板が用いられる。一方、いわゆるトップエミッション型の有機EL装置の場合には、有機EL素子200が配設された側から光を取り出す構成であるので、ガラス等の透明基板のほか、不透明基板も用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。
画素電極141は、基体Pを介して光を取り出すボトムエミッション型の場合には、ITO(インジウム錫酸化物)等の透光性導電材料により形成されるが、トップエミッション型の場合には透光性である必要はなく、金属材料等の適宜な導電材料によって形成できる。
共通電極154は、発光層140Bと有機バンク層150の上面、さらには有機バンク層150の側面部を形成する壁面を覆った状態で基体P上に形成される。この共通電極154を形成するための材料としては、トップエミッション型の場合、透明導電材料が用いられる。透明導電材料としてはITOが好適であるが、他の透光性導電材料であっても構わない。ボトムエミッション型の場合には、透明導電材料のほか、アルミニウム等の不透明若しくは光反射性を有する導電材料を用いることができる。
共通電極154の上層側には、陰極保護層を形成してもよい。係る陰極保護層を設けることで、製造プロセス時に共通電極154が腐食されるのを防止する効果が得られ、無機化合物、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン窒酸化物等のシリコン化合物により形成できる。共通電極154を無機化合物からなる陰極保護層で覆うことにより、無機酸化物からなる共通電極154への酸素等の侵入を良好に防止することができる。
なお、このような陰極保護層は、共通電極154の平面領域の外側の基体上まで、10nmから300nm程度の厚みに形成される。
[有機EL装置の製造方法]
次に、有機EL装置70の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図8〜図11は、本発明の一実施形態による有機EL装置の製造方法を示す断面工程図である。なお、以下の説明では、図5〜図7に示す構成の有機EL装置を液滴吐出法(インクジェット法)を用いて製造する方法を例示して説明する。但し、以下に示す手順や機能液の材料構成は一例であってこれに限定されるものではない。
まず、図8(a)に示すように、基体P上に駆動用TFT143、第1層間絶縁膜230、第2層間絶縁膜240及び画素電極141を形成する。これらは公知の方法により形成することができる。なお、画素電極141は、ボトムエミッション型の場合には、ITO等の透光性導電材料により形成される。トップエミッション型の場合には、透光性導電材料のほかアルミニウム、銀、金、プラチナ等の不透明又は光反射性を有する導電材料によって形成される。また、ITO/Alの積層膜としてもよい。
次に、図8(b)に示すように、画素電極141を覆って無機絶縁材料からなる第1の材料膜(無機材料膜)149fを形成し、続いて、図8(c)に示すように、第1の材料膜149fを覆って、有機絶縁材料成分を含む第2の材料膜150fを形成する。第1の材料膜149f及び第2の材料膜150fは、パターニングにより、それぞれ無機バンク層149及び有機バンク層150となるものである。
第1の材料膜149f及び第2の材料膜150fの材料は、耐熱性、溶剤耐性に優れたものであれば、特に限定されない。
第1の材料膜149fとしては、例えば酸化シリコン等を用いることができる。係る材料は下地基板との密着性に優れており、また誘電率も高いので、共通電極154と配線131,132,133との寄生容量を低減する上でも好ましいものである。
第2の材料膜150fとしては、ポリイミド等の高分子材料、又はポリシラザン等を含有した有機・無機ハイブリッド材料等を用いることができる。第2の材料膜150fの高さ(すなわち、有機バンク層150の高さ)は、機能液の吐出量を十分に確保するために、例えば1〜2μm程度に設定される。
次に、図9(a)に示すように、第2の材料膜150fをパターニングし、画素電極109上の領域を部分的に開口させることで、有機バンク層150を形成する。これにより、有機EL素子200の正孔注入層や発光層の形成場所、すなわちこれらの形成材料の塗布位置とその周囲の有機バンク層150との間に十分な高さの段差からなる開口部151が形成される。
次に、図9(b)に示すように、有機バンク層150をマスクとして、ドライエッチングにより第1の材料膜149fをパターニングし、画素電極141上に開口部149bを形成する。エッチングガスとしては、CF、SF、CHF等のフッ素成分を有するガスを用いる。CFガスを用いた場合のCFプラズマ処理の条件は、例えば、大気雰囲気中あるいは真空中にてプラズマパワー100〜1000W、CFガス流量10〜500SCCM、基板温度20〜200℃、真空度1mmTorr、の条件で行われる。
係る処理により、有機バンク層B2の撥液処理も同時に行なうことができる。これに加えて、有機バンク層150の素材自体に予めフッ素基等の撥液成分を充填しておいてもよい。このような処理により、有機バンク層150の開口部151にのみ膜を形成し、有機バンク層150の上面に不要な膜が形成されるのを防ぐことができる。
無機バンク層149を形成することにより、基体P上には、無機バンク層149と有機バンク層150との2層構造からなるバンクBが形成される。有機バンク層150の開口部151と無機バンク層149の開口部149bとは互いに連通し、画素電極141はこれらの開口部内において露出した状態となっている。
なお、図9(b)では、無機バンク層149の開口部149bを有機バンク層150の開口部151と面一に形成しているが、第2実施形態の図4(a)のように、無機バンク層149bをオーバーエッチし、その壁面を逆テーパ状に形成することも可能である。
バンクBを形成したら、図10(a)に示すように、正孔注入層を形成するための機能液114aを液滴吐出ヘッド1によりバンクBに囲まれた塗布位置に選択的に塗布する。機能液114aは、正孔注入層形成材料(電荷輸送層形成材料)及び溶媒を含む。
正孔注入層形成材料としては、ポリマー前駆体がポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム、ポリスチレンスルフォン酸、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルフォン酸との混合物(PEDOT/PSS)等を例示することができる。また、溶媒としては、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリノン等の極性溶媒を例示することができる。
上述した正孔注入層形成材料を含む機能液114aが液滴吐出ヘッド1より基体P上に吐出されると、流動性が高いため水平方向に広がろうとするが、塗布された位置を囲んで有機バンク層150が形成されているので、機能液114aは有機バンク層150を越えてその外側に広がらない。また、画素電極141や無機バンク層149の表面は良好な親液性を保った状態であるので、吐出された機能液114aは画素電極等の表面全体に塗れ広がり、均一な塗膜を形成する。また、無機バンク層149の開口部149bが有機バンク層150の開口部151に対して自己整合的に形成されるので、無機バンク層149と有機バンク層150との間に位置ずれや段差が生じることがなく、得られる塗膜も平坦性の良いものとなる。
続いて、加熱あるいは光照射により機能液114aの溶媒を蒸発させて画素電極141上に固形の正孔注入層140Aを形成する。または、大気環境下又は窒素ガス雰囲気下において所定温度及び時間(一例として200℃、10分)焼成するようにしてもよい。あるいは大気圧より低い圧力環境下(減圧環境下)に配置することで溶媒を除去するようにしてもよい。本実施形態では、機能液114aの塗膜がバンク内全体に均一に形成されているので、得られる正孔注入層140Aも膜厚、膜質が均一であり、その表面の平坦性にも優れたものとなる。
続いて、図10(b)に示すように、正孔注入層を形成するための機能液114bを液滴吐出ヘッド1によりバンクB内の正孔注入層140A上に選択的に塗布する。機能液114bは、発光層形成材料及び溶媒を含む。
発光層形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の高分子発光材料である、ポリフルオレン誘導体(PF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン(PDAF)、ポリフルオレンベンゾチアジアゾール(PFBT)、ポリアルキルチオフェン(PAT)や、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)等のポリシラン系などを好適に用いることができる。また、これらの発光材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
前記発光層形成材料については、極性溶媒に溶解または分散させて液体材料とし、この液体材料を液滴吐出ヘッド1から吐出するのが好ましい。極性溶媒は、前記発光材料等を容易に溶解または均一に分散させることができるため、液滴吐出ヘッド1のノズル孔での発光層形成材料中の固型分が付着したり目詰りを起こすのを防止することができる。
このような極性溶媒として具体的には、水、メタノール、エタノール等の水と相溶性のあるアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルイミダゾリン(DMI)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、2,3−ジヒドロベンゾフラン等の有機溶媒または無機溶媒が挙げられ、これらの溶媒を2種以上適宜混合したものであってもよい。
上記、機能液114bを液滴吐出ヘッド1から吐出することによる発光層の形成は、赤色の発色光を発光する発光層形成材料を含む機能液、緑色の発色光を発光する発光層形成材料を含む機能液、青色の発色光を発光する発光層形成材料を含む機能液を、それぞれ対応する画素71(開口部151)に吐出し塗布することによって行う。なお、各色に対応する画素71は、これらが規則的な配置となるように予め決められている。
このようにして各色の発光層形成材料を含む機能液114bを吐出し塗布したならば、機能液114b中の溶媒を蒸発させる。この工程により、図9(c)に示すように正孔注入層140A上に固形の発光層140Bが形成され、これにより正孔注入層140Aと発光層140Bとからなる有機機能層140が得られる。ここで、発光層形成材料を含む機能液114b中の溶媒の蒸発については、必要に応じて加熱あるいは減圧等の処理を行うが、発光層形成材料は通常乾燥性が良好で速乾性であることから、特にこのような処理を行うことなく、したがって各色の発光層形成材料を順次吐出塗布することにより、その塗布順に各色の発光層140Bを形成することができる。また先に記載のように、機能液114bが配される正孔注入層140Aの表面は良好に平坦化されているので、その上に形成される発光層140Bも良好な平坦性を持って形成され、膜厚及び膜質が均一なものとなる。従って、均一かつ良好な発光特性、信頼性を備えた発光層となる。
その後、図11に示すように、基体Pの表面全体に、あるいはストライプ状に、ITO等からなる共通電極154を形成する。こうして、有機EL素子200を製造することができる。
このような有機EL素子の製造方法においては、正孔注入層140Aや発光層140Bといった有機EL素子の構成要素となる薄膜は液滴吐出装置により製造されるので、正孔注入層140Aや発光層140Bの形成材料となる液体材料のロスは少なく、正孔注入層140Aや発光層140Bは比較的安価にしかも安定して形成される。
また、有機バンク層149をマスクとして無機バンク層150をパターニングするので、塗布むらの原因である有機バンク層150の現像残渣や、有機バンク層150を撥液処理したときに生じる堆積物等が基体P上に残ることがない。また、無機バンク層149が有機バンク層150に対して自己整合的に形成されるので、両者の間に位置ずれを生じることもない。このため、画素内全体に平坦且つ均一な厚さの有機機能層を形成でき、発光特性及び信頼性に優れた有機EL装置が製造される。さらに、無機バンク層149をパターニングするためのレジストマスクの形成が不要になるので、工程も簡単になる。
なお、本実施形態の有機EL装置70は、画素電極141を陽極とし、共通電極154を陰極とした構造を採用したが、これとは逆に画素電極141を陰極とし、共通電極154を陽極とする構造を採用することも可能である。この場合、画素電極と発光層との間に配置される電荷輸送層としては電子注入層が形成される。また、本実施形態では、有機EL装置70をアクティブマトリクス型の有機EL表示装置としたが、パッシブマトリクス型の有機EL表示装置、又はラインヘッド等の表示装置以外の用途で用いる有機EL装置に対して本発明の膜パターンの形成方法を適用することも可能である。
[第4の実施の形態]
次に、本発明のデバイスの製造方法の一実施の形態として、本発明の膜パターンの形成方法をカラーフィルタ基板の製造方法に適用した例について説明する。このカラーフィルタ基板は、例えば液晶表示パネルの色表示手段として好適に適用可能なものである。
図12は、本実施形態のカラーフィルタ基板の製造方法を示す概念図である。
このカラーフィルタ基板の製造方法では、ガラスやプラスチック等からなる基体P上に、前述の液滴吐出ヘッド20を用いて複数のカラーフィルタF(F,F,F)を形成する。生産性を向上させる観点から、基体Pとしてはガラスやプラスチック等からなる大面積の基板(大型基板)を用い、この大型基板P上に形成された複数のパネル領域Tの内部に、ドット状に配列した複数のカラーフィルタFを形成する。
パネル領域Tは、表示用のカラーフィルタFが形成される領域である。パネル領域TにはバンクBが形成されており、バンクBによって区画される各々の領域、すなわちバンクBの開口部Hがカラーフィルタの形成領域である。カラーフィルタFは、バンクBの開口部Hに、顔料等の微粒子着色材料を含む機能液を配置することにより形成される。
各パネル領域Tは、後で大型基板Pを切断することにより、表示パネルに適合するカラーフィルタ基板として用いることができる。パネル領域Tには、赤色着色材料を含む赤色カラーフィルタF、緑色着色材料を含む緑色カラーフィルタF、及び青色着色材料を含む青色カラーフィルタFが設けられており、これらのカラーフィルタF,F,Fは、例えば、図12(b)に示すように、液滴吐出ヘッド20を矢印A1及び矢印A2で示す方向に複数回主走査させながら、それらの主走査の間に、赤色着色材料を含む機能液、緑色着色材料を含む機能液、及び青色着色材料を含む機能液をそれぞれ複数のノズル81から所定の開口部Hに選択的に吐出することにより形成される。
ここで、カラーフィルタ基板は、赤、緑、青の各色のカラーフィルタをストライプ配列、デルタ配列又はモザイク配列等の形態で配列することによって製造される。すなわち、図12(b)に示す液滴吐出ヘッド20によるカラーフィルタFの形成は、赤、緑、青のうちの1色だけを吐出する液滴吐出ヘッド20を赤、緑、青の3色に対応して予め3種類用意しておき、これらの液滴吐出ヘッド20を前記3色に対応して順繰りに用いて、1枚の大型基板P上に赤、緑、青の3色の配列を形成することによって行なわれる。
図13に具体的な製造工程を示す。
図13には、赤色カラーフィルタFが形成される赤色領域、緑色カラーフィルタFが形成される緑色域、及び青色カラーフィルタFが形成される青色領域の3つの領域が示されている。
まず、図13(a)に示すように、大型基板Pの一方の面にバンクBを形成する。
バンクBは、カラーフィルタFが形成される領域を仕切る仕切り部材として機能するものである。バンクBは、表示パネルの画素パターンに対応する開口部Hを有している。本発明のカラーフィルタ基板の製造方法では、バンクBによって区画された領域に着色材料を含む機能液が配置され、この機能液が乾燥することにより、大型基板P上にカラーフィルタ(膜パターン)Fが形成される。この場合、バンクBによってカラーフィルタFの形状が規定されることから、例えば隣接するバンクBの幅を狭くするなど、バンクBを適切に形成することにより、カラーフィルタFの微細化が図られる。
バンクBの形成方法は、第1実施形態〜第3実施形態のバンクBの形成方法と同じである。すなわち、大型基板P上に無機材料膜を形成し、この無機材料膜の上に有機バンク層B2を形成した後、該有機バンク層B2をマスクとして無機材料膜をパターニングする。無機材料膜のパターニングは、CF等のフッ素成分を含むガスを用いたドライエッチングにより行なう。これにより、無機材料膜のパターニング(すなわち無機バンク層B1の形成)と有機バンク層B2の撥液処理とを同時に行なうことができる。有機バンク層B2として透光性のない材料(例えば黒色樹脂)を用いた場合には、バンクBをブラックマトリクスとして機能させることができる。
バンクBを形成したら、図13(b)に示すように、液滴吐出ヘッド20により、着色材料を含む機能液LをバンクBに区画された領域Hに選択的に吐出する。機能液Lは、顔料等の着色材料を溶媒に溶解ないし分散させたものである。
機能液の吐出は、赤色着色材料を含む機能液、緑色着色材料を含む機能液、青色着色材料を含む機能液を、それぞれ対応するカラーフィルタ形成領域Hに吐出することにより行なう。図13(b)では、青色領域に機能液Lを吐出する工程が示されている。
機能液Lを吐出したら、機能液L中の溶媒を蒸発させる。この工程により、図13(c)に示すように、青色領域に固形の青色のカラーフィルタFが形成される。この際、バンクBが無機バンク層B1と有機バンク層B2との2層構造からなり、且つこれら2つのバンク層B1,B2の間に位置ずれが生じていないので、得られる膜は膜の平坦性及び膜厚の均一性に優れたものとなる。
青色領域に青色カラーフィルタFを形成したら、同様の手順で、緑色領域に緑色カラーフィルタFを形成し、さらに赤色領域に青色カラーフィルタFを形成する。図13(d)は、全てのカラーフィルタ形成領域にカラーフィルタを形成した状態を示している。
全てのカラーフィルタ形成領域にカラーフィルタFが形成されたら、必要に応じてカラーフィルタFの表面に保護膜を形成する。
その後、大型基板Pをパネル領域T,Tの間に設けたスクライブラインに沿って切断し、個々のカラーフィルタ基板を得る。これにより、カラーフィルタ基板が完成する。
本実施形態のカラーフィルタ基板の製造方法では、カラーフィルタFの形成工程に本発明の膜パターンの形成方法が適用されているので、パネル領域全体にわたって均一な膜厚のカラーフィルタFが形成される。このため、色むらが少なく、表示特性に優れたカラーフィルタ基板を提供することが可能である。また、カラーフィルタFを平坦に形成することができるので、この上に電極を形成する場合には、断線等が生じにくい、信頼性に優れたカラーフィルタ基板となる。
[電子機器]
次に、上述の有機EL装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図14は、電子機器の一例を示す斜視構成図である。
図14に示す映像モニタ1200は、先の実施形態の有機EL装置を備えた表示部1201と、筐体1202と、スピーカ1203等を備えて構成されている。そして、この映像モニタ1200は、先の有機EL装置により高画質で、均一な明るさの表示が可能である。
上記の実施形態の有機EL装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、いずれの電子機器においても、高画質表示が可能になっている。さらに、上記の有機EL装置は、ラインプリンタの露光手段として使用する等、表示装置以外の電子機器にも広く適用可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。また、第3の実施の形態又は第4の実施形態では、本発明の膜パターンの形成方法を有機EL装置又はカラーフィルタ基板の製造方法に適用した例を示したが、本発明は有機EL装置又はカラーフィルタ基板以外の他のデバイス、例えば配線基板の製造方法等に広く適用可能である。
本発明の膜パターンの形成方法を概念的に示す図である。 液滴吐出装置の概略斜視図である。 ピエゾ方式による液状体の吐出原理を説明するための図である。 本発明の膜パターンの形成方法の他の例を示す図である。 本発明のデバイスの一例である有機EL装置の回路構成図である。 同、有機EL装置の平面構成図である。 図6のA−A線に沿う断面構成図である。 有機EL装置の製造工程を示す断面構成図である。 有機EL装置の製造工程を示す断面構成図である。 有機EL装置の製造工程を示す断面構成図である。 有機EL装置の製造工程を示す断面構成図である。 本発明のデバイスの一例であるカラーフィルタ基板の製造方法を示す概念図である。 同カラーフィルタ基板の製造工程の一例を示す工程図である。 電子機器の一例を示す斜視構成図である。
符号の説明
70…有機EL装置(デバイス)、114a,114b…機能液、140…有機機能層(膜パターン)、149…無機バンク層、149b…無機バンク層の開口部、149f…第1の材料膜(無機材料膜)、150…有機バンク層、151…有機バンク層の開口部、1200…映像モニタ(電子機器)、B…バンク、B1…無機バンク層、B1f…無機材料膜、B2…有機バンク層、F…膜パターン、L…機能液、P…基体

Claims (4)

  1. 基体上に機能液を配置することにより膜パターンを形成する方法であって、
    前記基体上にバンクを形成する工程と、
    前記バンクによって区画された領域に前記機能液を配置する工程とを有し、
    前記バンクの形成工程は、
    前記基体上に無機材料膜を形成する工程と、
    前記無機材料膜の表面に、有機材料成分を含む有機バンク層を形成する工程と、
    前記有機バンク層をマスクとして、フッ素成分を含むガスを用いたドライエッチングにより前記無機材料膜をパターニングし、前記有機バンク層と前記基体との間に、前記無機材料膜からなる無機バンク層を形成する工程とを含むことを特徴とする膜パターンの形成方法。
  2. 前記機能液の配置を液滴吐出法により行なうことを特徴とする請求項1記載の膜パターンの形成方法。
  3. 請求項1又は2記載の膜パターンの形成方法により形成された膜パターンを備えたことを特徴とするデバイス。
  4. 請求項3記載のデバイスを備えたことを特徴とする、電子機器。

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