JP2007078879A - ディスプレイ用光学シート - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるシート状物の積層体であって、シート状物の傷やゆがみを発生させにくい、光学特性に優れたディスプレイ用光学シートを提供する。
【解決手段】2枚以上の光学シート12、14、18が積層されており、光学シート同士が周縁の少なくとも1以上の接合箇所10A、10Aにおいて接合されており、この接合箇所の接合が解除可能となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスプレイ用光学シートに係り、特に、液晶表示素子等に使用されるシート状物の積層体であって、シート状物の傷やゆがみを発生させにくい、光学特性に優れたディスプレイ用光学シートに関する。
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させるフィルムや、正面方向に光を集光するレンズフィルム等が用いられている。
この場合、各種の光学フィルム(シート)を積層して使用する例が多い。たとえば、特許文献1においては、反射型偏光フィルムと位相差フィルムと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光フィルムが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提供されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものフィルムが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。
また、特許文献2〜4においては、1枚の光拡散フィルムとレンズフィルムの機能を一体化したフィルムが開示されている。
特開2004−184575号公報 特開平7−230001号公報 特許第3123006号公報 特開平5−341132号公報
しかしながら、上記の従来の構成において、何層ものフィルムを積層するには多数の工程を経ることが求められ、工程が複雑になるとともにコストアップは避けられない。
また、レンチキュラーレンズやプリズムシートのような平板レンズは表面が傷つき易く、また汚れ易いので、表面に保護シートが貼られた状態で納品される形態が一般的である。
ところが、このような保護シートは、平板レンズから剥離された後には、廃却されるのみであり、資源として無駄であるのみならず、コストアップの要因ともなり、好ましくない。また、保護シートを平板レンズから剥離する作業が必要であり、その分だけ生産性を落すことともなる。更に、保護シートを平板レンズから剥離する際に剥離帯電により塵埃等のコンタミネーションを平板レンズに付着させ易く、品質面でも問題が多い。
また、何層ものフィルム(シート)を積層する際に、積層時の擦れ、熱膨張・熱収縮による擦れ、ハンドリングによる擦れ等の原因でフィルムに傷を生じさせ易い。
更に、複数のフィルム間の熱膨張・熱収縮によるミスマッチングによる不具合(歪みやカール等)を矯正するために、個々のフィルムの厚さを増す等の対策(剛性アップ等)も必要なことがあり、設計上の制約やコストアップ等のデメリットも多い。
これらの問題は、あらかじめ必要な光学シートを複数枚積層したディスプレイ用光学シート(積層光学シート)とすることにより解決される。
この積層光学シートは、輸送、搬送時の振動等に起因する擦れによる傷を防ぐために各シート同士が固定されていることが望ましい。しかし、この積層光学シートが液晶表示素子等のディスプレイに装着された後は、各シート間の熱膨張率、吸湿率の違いなどにより各シートが個々の寸法変化をする。したがって、各シート同士を固定した場合、積層シートにゆがみが発生してしまい、所望の光学性能が得られないといった問題を生じるのみならず、輝度ムラ等の故障を引き起こす問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるシート状物の積層体であって、シート状物の傷やゆがみを発生させにくい、光学特性に優れたディスプレイ用光学シートを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の少なくとも1以上の接合箇所において接合されており、該接合箇所の接合力が0.01〜1.0N/25mmとなっていることを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
本発明によれば、光学シート同士が周縁の少なくとも1以上の箇所において接合されており、該接合箇所の接合力が0.01〜1.0N/25mmとなっている。したがって、たとえば接合状態で輸送、搬送が行える。すなわち、輸送、搬送時の振動等に起因する擦れによる傷を防ぐ程度の接合力を有している。また、液晶表示素子等のディスプレイに装着された後にも、接合力が小さいので、各シート間の熱膨張率、吸湿率の違いなどによる積層シートのゆがみを吸収でき、積層シートのゆがみ発生等を防止できる。
なお、接合力(接着力)の測定方法については後述する。
また、本発明は、前記目的を達成するために、2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の少なくとも1以上の接合箇所において接合されており、該接合箇所の接合が解除可能となっていることを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
本発明によれば、光学シート同士が周縁の少なくとも1以上の箇所において接合されており、該接合箇所の接合が解除可能となっている。したがって、たとえば接合状態で輸送、搬送が行え、輸送、搬送時の振動等に起因する擦れによる傷を防ぐことができ、液晶表示素子等のディスプレイに装着される直前又は装着された後に接合箇所の接合を解除し、各シート間の熱膨張率、吸湿率の違いなどによる積層シートのゆがみ発生等を防止できる。
以上の点より、本発明によれば、シート状物の傷やゆがみを発生させにくい、光学特性に優れたディスプレイ用光学シートを得ることができる。
なお、光学シート(光学フィルム)とは、光学的な機能を備える各種シートの総称であり、拡散シート、偏光板(偏光フィルム)、各種レンズシート(レンチキュラーレンズ、フライアイレンズ(蠅の目レンズ)、プリズムシート等)が代表的であるが、殆ど光学的な機能を果さない保護シート(保護フィルム)等も含むものとする。
また、「接合が解除」とは、接合が完全に解除されてフリーの状態になる場合のみならず、接合力が所定以下となり、積層シートのゆがみ等を吸収できる状態になる場合をも含むものとする。
本発明において、前記光学シート同士が周縁の少なくとも1辺において接合されていることが好ましい。このように、積層体の周縁の少なくとも1辺において接合がなされれば、積層体の固定がより強固になる。なお、1辺において接合とは、積層体の1辺において線状に接合されている状態のみならず、積層体の1辺において所定間隔毎に点状に接合されている状態をも含む。
また、本発明において、前記光学シート同士が周縁の4辺において接合されていることが好ましい。このように、積層体の周縁の4辺において接合がなされれば、積層体の固定がより強固になり、また、ごみ等の汚染の混入も、より効果的に防止できる。なお、4辺において接合とは、積層体の4辺において線状に接合されている状態のみならず、積層体の4辺において所定間隔毎に点状に接合されている状態をも含む。
また、本発明において、前記接合箇所において前記光学シート同士が放射線硬化樹脂又は熱硬化樹脂により接合されており、放射線の照射又は加熱により該接合箇所の接合が解除可能となっていることが好ましい。このように、光学シート同士が紫外線硬化樹脂等の放射線硬化樹脂又は熱硬化樹脂により接合されていれば、ディスプレイに装着される直前又は装着された後の放射線の照射又は加熱により接着力が低減し、積層シートのゆがみ発生等を防止できる。
また、本発明において、前記接合箇所において前記光学シート同士が粘着材により接合されており、放射線の照射又は加熱により該接合箇所の接合が解除可能となっていることが好ましい。このように、光学シート同士が粘着材により接合されていれば、ディスプレイに装着される直前又は装着された後の放射線の照射又は加熱により粘着力が低減し、積層シートのゆがみ発生等を防止できる。
また、本発明において、前記接合箇所において前記光学シート同士が接着剤により接合されており、溶媒の供給により該接合箇所の接合が解除可能となっていることが好ましい。このように、光学シート同士が接着剤により接合されていれば、ディスプレイに装着された後の溶媒の供給により接着力が低減し、積層シートのゆがみ発生等を防止できる。なお、溶媒には水も含まれる。
また、本発明において、前記接合箇所において前記光学シート同士がクランプ手段により接合されており、該クランプ手段の解除により該接合箇所の接合が解除可能となっていることが好ましい。このようなクランプ手段としては、たとえば事務用品としてのクリップ等が使用できる。
また、本発明において、前記接合箇所における接合力が2N/25mm以上であり、該接合箇所の接合解除時の接合力が0〜1.0N/25mmとなることが好ましい。このような接合力の制御により、積層シートのゆがみ発生等を防止できる。
すなわち、接合解除時に1.0N/25mmより接合力が高いと、積層シートから光学シート剥離する時に、積層シートが変形する等の問題が発生し易い。なお、接合力は、剥離速度0.2m/分、剥離角度90度にて室温で測定した値である。
また、接合箇所における接合力が2N/25mm以上であり、該接合箇所の接合解除時の接合力が0〜0.2N/25mmとなることがより好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、シート状物の傷やゆがみを発生させにくい、光学特性に優れたディスプレイ用光学シートを得ることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様について説明する。先ず、本発明に係るディスプレイ用光学シートの例(第1及び第2実施形態)の構成を説明し、次いでこれらのディスプレイ用光学シートの製造方法について説明し、次いでディスプレイ用光学シートの作用について説明する。
図1は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの例(第1実施形態)の構成を示す断面図である。このディスプレイ用光学シート10は、下から順に、第1の拡散シート12、プリズムシート14、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18は、透明なフィルム(支持体)の表面(片面)にビーズをバインダーで固定したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。第1の拡散シート12と第2の拡散シート18とはビーズの径(平均粒径)が異なっており、光拡散性能も異なっている。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用される透明なフィルム(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18のビーズの径は、100μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。たとえば所定の分布7〜38μmの範囲で、平均粒径が17μmとできる。
プリズムシート14は、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートであり、たとえば、ピッチを50μmと、凹凸高さを25μmと、凸部の頂角を90度(直角)とできる。図1において、このプリズムシート14の凸状レンズの軸は紙面に垂直方向に配されている。
プリズムシート14の材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
また、ホットプレスにより、プリズムシートの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
また、他の製造方法として、第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、凹凸ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
より具体的には、表面に接着剤と樹脂とが順次塗布されることにより、接着剤層と樹脂層(たとえばUV硬化性樹脂)とが2層以上に形成されている透明なフィルムを連続走行させ、この透明なフィルムを回転する凹凸ローラに巻き掛け、樹脂層に凹凸ローラ表面の凹凸を転写し、透明なフィルムが凹凸ローラに巻き掛けられている状態で樹脂層を硬化させる(たとえばUV照射する)凹凸状シートの製造方法が採用できる。なお、接着剤はなくてもよい。
なお、プリズムシート14の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸形状が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
図1に示されるように、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部は、接合部10Aにより各層が一体化されている。この接合部10Aの形成は、放射線硬化樹脂による接合、粘着材による接合、又は、接着剤による接合により行える。また、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部を図示しないクランプ手段により一体化する構成も採用できる。
この接合部10Aの形成に使用される放射線硬化樹脂としては、接合時に所定の接着強度が確保でき、紫外線の照射又は加熱により接着成分が硬化し、これにより粘着力が低減するタイプのものが好ましく、下記のものが使用できる。
たとえば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合性コモノマーとの共重合体(アクリル系ポリマー)と、紫外線硬化成分(前記アクリル系ポリマーの側鎖に炭素−炭素二重結合を付加させる成分)及び光重合開始剤と、必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤などの慣用の添加剤を加えたものが使用される。
ちなみに、前記紫外線硬化成分としては、分子中に炭素−炭素二重結合を有しラジカル重合により硬化可能なモノマー、オリゴマー、ポリマーであればよく、たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル;エステルアクリレートオリゴマー、2−プロペニルジ−3−ブテニルシアヌレート、2−ヒドロキシエチルビス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物などが挙げられる。
なお、アクリル系ポリマーとして、ポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を有する紫外線硬化型ポリマーを使用する場合においては、特に上記の紫外線硬化成分を加える必要はない。
紫外線重合開始剤としては、その重合反応のきっかけとなり得る適当な波長の紫外線を照射することにより開裂し、ラジカルを生成する物質であればよく、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイル、ベンゾフェン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの芳香族ケトン類、ベンジルジメチルケタールなどの芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン;クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類などを挙げることができる。
なお、前記架橋剤には、たとえば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどが含まれる
この放射線硬化樹脂は、接合時に所定の接着強度が確保でき、紫外線の照射又は加熱により接着成分が硬化し、これにより粘着力が低減するタイプのものである。
接合部10Aの形成に使用される粘着材としては、接合時に所定の接着強度が確保でき、紫外線の照射又は加熱により接着成分が硬化し、これにより粘着力が低減するタイプのものが好ましく、下記のものが使用できる。
粘着材に熱硬化型接着剤を用いる場合、上記のUV硬化型接着剤(粘着剤)に記載の硬化成分において、紫外線重合開始剤の代わりに熱重合開始剤を使用したものが使用可能である。熱重合開始剤の例としては、たとえばアゾイソブチロニトリル等のようなアゾ化合物類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、アルキルパーオキサイド類、アシルパーオキサイド類及びパーオキシエステル類等の各種有機過酸化物類、或いは過硫酸アンモニウム等のような無機過酸化物類等がある。
常温放置又は100 °C以下の比較的低温で加熱する場合、上記熱重合開始剤と共に重合促進剤を配合するのが良く、好ましい重合促進剤として、たとえばコバルト、鉄、マンガン等の金属とナフテン酸、リノール酸、アセチルアセトン等との有機金属塩類、ジメチルパラトルイジン、アスコルビン酸等の還元性アミン類及びその他の還元性物質等がある。
これらの重合促進剤は、たとえばハイドロパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、パーオキシエステル類と有機金属塩、或いはアシルパーオキサイド類と還元性アミン類という組合せで併用する。
この粘着材は、接合時に所定の接着強度が確保でき、紫外線の照射又は加熱により接着成分が硬化し、これにより粘着力が低減する。
接合部10Aの形成に使用される接着剤としては、接合時に所定の接着強度が確保でき、溶媒(水を含む)の供給により、接着成分が溶解除去され、これにより粘着力が低減するタイプのものが好ましく、下記のもの(水溶性接着剤)が使用できる。
水溶性接着剤としては、水に可溶なポリマ−及びこれと可塑剤との組み合わせであれば良く、水に可溶なポリマ−としてはたとえば、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリルアミド、水性ビニルウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリビニルエ−テル、ゼラチン、にかわ、でんぷんなどが挙げられ、可塑剤としてはグリセリン、デキストリンなどが挙げられる。
この接着剤は、接合時に所定の接着強度が確保でき、溶媒(水を含む)の供給により、接着成分が溶解除去され、これにより粘着力が低減する。
以上の放射線硬化樹脂、粘着材、及び接着剤は、接合時における接合力が2N/25mm以上であり、接合解除時の接合力が0〜1.0N/25mmとなるものであることが好ましい。このような接合力の制御により、積層シートのゆがみ発生等を防止できる。
接合部10Aの形成に使用される他のタイプの接着剤としては、接合時より所定の接着強度以下のタイプのもの(接合力が0〜1.0N/25mm)が好ましく、下記のもの(粘着剤)が使用できる。
この粘着剤には、粘着剤として一般に用いられる、各種アクリルモノマーを共重合して得られるアクリル系粘着剤、天然ゴム粘着剤、ポリイソブチレン、ブチルゴム、スチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SBS)等の合成ゴム系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系粘着剤等、及び、これらの混合系粘着剤を使用することができる。
この中で特に、粘着フィルムの全光線透過率が80%以上になるような高透明粘着剤が得易い、また、被着体である光学シート面への汚染が少ない粘着剤を得易い等の理由から、架橋型アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
この架橋型アクリル系粘着剤は、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、2−エチルヘキシルアクリレート等の低Tgモノマーを主モノマーとし、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基モノマーと共重合することで得られたアクリル共重合体を架橋剤にて、架橋することにより得ることができる。
このアクリル共重合体としては、重量平均分子量が10万〜100万の範囲内のものが好ましく用いられる。重量平均分子量が10万より小さいと、粘着剤中の低分子量物が多くなるため、粘着フィルムとした場合に低分子量物が被着体である光学シートに転写し、汚染するといった不具合が発生する。また、重量平均分子量が100万を超えると溶剤に溶かした時の粘度が高く、粘着フィルムにした時に平滑な粘着剤塗工外観が得難い問題がある。
更に、このアクリル共重合体の分子量分散度(重量平均分子量を数平均分子量で割った値)は、5以下が好ましい。5より大きいとアクリル共重合体中の低分子量物が多くなるため、粘着フィルムとした場合に、低分子量物が被着体である光学シートに転写し、汚染するといった不具合が発生し易くなる。
また、このアクリル共重合体のガラス転移点(Tg)は、−20°C以下のものが好ましく使用できる。−20°CよりTgが高いと粘着剤が硬くなり、光学シートに対して適度な粘着力が得られなくなる。
この架橋剤としては、イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等公知の架橋剤を用いることができる。また、この架橋剤としては、粘着剤中に緩やかに広がった網目状構造を形成するために、3官能、4官能といった多官能架橋剤がより好ましく用いられる。また、粘着剤中の架橋状態は、ゲル分率で評価した場合、70%以上が好ましい。ゲル分率が70%より低いと粘着フィルムとした場合に、低分子量物が被着体である光学シートに転写し、汚染するといった不具合が発生し易くなる。
粘着フィルムの粘着剤層の厚みは、通常1〜30μmとすることが適当である。ここでの粘着層の形成方法としては、有機溶剤に溶解し粘度を調整した粘着剤を塗布する方法、粘着剤を溶解し塗布する方法や水に分散し塗布する方法等の公知の方法を用いることができるが、架橋型アクリル系粘着剤の形成方法としては、有機溶剤に溶解し粘度を調整した粘着剤を塗布する方法が一般的である。
接合部10Aの形成に代えて、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部を図示しないクランプ手段により一体化する場合には、たとえば事務用品としてのクリップ等が使用できる。クランプ手段としては、接合時(クランプ時)における接合力が2N/25mm以上であり、接合解除時の接合力が0〜1.0N/25mmとなるものであることが好ましい。このような接合力の制御により、積層シートのゆがみ発生等を防止できる。
以上に説明したディスプレイ用光学シート10は、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。この場合、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できるというメリットに加え、液晶表示素子のアセンブル作業も非常に容易となるというメリットが得られる。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第2実施形態)について説明する。図2は、ディスプレイ用光学シート20の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート20は、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。
第2のプリズムシート16は、既述の第1のプリズムシート14と同一のものである。なお、第2のプリズムシート16の構成(ピッチ、凹凸高さ、凸部の頂角、板厚、等)を第1のプリズムシート14と異ならせることもできる。
第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とは、凸状レンズ(プリズム)の軸が略直行する向きに配されている。すなわち、図2において、第1のプリズムシート14の凸状レンズの軸は紙面に垂直方向に配されており、第2のプリズムシート16の凸状レンズの軸は紙面に平行方向に配されている。なお、図2においては、第2のプリズムシート16の断面が凸状のレンズである旨が理解できるように、実際とは異なった向きに示されている。
図2に示されるように、ディスプレイ用光学シート20の左右の端部は、接合部20Aにより各層が一体化されている。この接合部20Aの形成は、既述のディスプレイ用光学シート10の接合部10Aと同様にできる。
以上に説明したディスプレイ用光学シート20は、ディスプレイ用光学シート10と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。この場合、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できるというメリットに加え、液晶表示素子のアセンブル作業も非常に容易となるというメリットが得られる。
次に、ディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。この製造方法は、既述のディスプレイ用光学シート10、20等に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成のディスプレイ用光学シート(第2実施形態)に適用した場合について説明する。この製造方法は、接着剤を使用する例である。
図3は、ディスプレイ用光学シート製造ライン11の構成図である。図の左端部に設けられているロール12B、14B、16B、及び18Bは、それぞれ、既述の図2に示される第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が巻回されたロールである。
このロール12B、14B、16B、及び18Bは、図示しない繰り出し手段の回転軸にそれぞれ軸支されており、ロール12B、14B、16B、及び18Bより第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18がそれぞれ略同一速度で繰り出し可能となっている。
繰り出された第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18は、それぞれガイドローラG、G…に支持され、各ディスペンサ42、44及び46の上流側において積層されるようになっている(積層工程)。
このディスペンサ42、44及び46は、それぞれ接着剤を先端より吐出する供給装置である。ディスペンサ42は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを接着するために、第1の拡散シート12の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ44は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを接着するために、第1のプリズムシート14の表面に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ46は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを接着するために、第2のプリズムシート16の表面に接着剤を供給するものである。
接着剤の塗布厚さは、0.5μm〜50μmが好ましい。
なお、下流のプレスローラ(ガイドローラG)までの間に、接着剤を乾燥させる乾燥手段を設けるのが好ましい。この乾燥手段としては、特に制限はなく、公知の乾燥方法、たとえば、温風や熱風による乾燥、脱湿風による乾燥、等が挙げられる。
ディスペンサ42、44及び46はX方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸に取り付けられ、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができるようになっている。
これらのディスペンサ42、44及び46より接着剤を積層体周縁の被接合箇所に供給し、積層体を搬送しながら下流のプレスローラ(ガイドローラG)により積層体の周縁を接合する。
ディスペンサ42、44及び46の下流の打ち抜きプレス装置48は、積層体の周縁を製品サイズに裁断する装置である。この打ち抜きプレス装置48では、接着された部分の中心部分に刃物が入るようにすることにより、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10、20)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。
以上の工程を経ることにより、ディスプレイ用光学シート20(図2参照)が形成される。裁断及び接合されたディスプレイ用光学シート20は、コンベア26上に搬送されて停止する。コンベア26上のディスプレイ用光学シート10は吸着横移載装置28により
集積装置32上に順次重ねられる。
一方、打ち抜きプレス装置48によりディスプレイ用光学シート20が打ち抜かれたシートの積層体34は、巻き取り装置(詳細は不図示)の巻き取りロール36に巻き取られる。
以上のディスプレイ用光学シートの製造方法によれば、以下の1)〜3)の効果が得られる。
1)傷故障削減効果
レンズシート(第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果もあることより、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1の拡散シート12、第2の拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことからレンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)、及び第2実施形態のディスプレイ用光学シート20(図2参照)においてその効果が大きい。
2)組立工数削減効果
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第2実施形態のディスプレイ用光学シート20(図2参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート20を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1の拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2の拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、この製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
3)保護シートの削減効果
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本発明品は、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
具体的には、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)において保護シートを2枚削減でき、第2実施形態のディスプレイ用光学シート20(図2参照)において保護シートを4枚削減できる。
次に、ディスプレイ用光学シート10、20の作用について説明する。
組立てられたディスプレイ用光学シート10、20は、輸送、搬送時には各シート間が所定の接着力、好ましくは接合箇所における接合力が2N/25mm以上で固定されており、各シート同士の擦りが防止され、品質が維持される。
そして、工場でディスプレイ(表示素子)に装着する前又は装着後に、各シート間の接着力を低下させる。具体的には、接合部10A、20Aが放射線硬化樹脂で形成されている場合には、放射線の照射又は加熱により接着成分を分解させる。接合部10A、20Aが粘着材で形成されている場合には、紫外線の照射又は加熱により接着成分を分解させる。
接合部10A、20Aが接着剤で形成されている場合には、溶媒(水を含む)の供給により、接着成分を溶解除去させる。接合部10Aの形成に代えて、ディスプレイ用光学シート10、20の端部を図示しないクランプ手段により一体化する場合には、このクランプ手段を開放する。
なお、各シート間の接着力を低下させる手順としては、各種の手順が採用できる。たとえば、積層体の全体を紫外線で露光方法でもよく、各シートを1枚ずつ取り外す方法でもよい。
そして、好ましくは接合箇所における接合力が0〜1.0N/25mmになる状態とする。これにより、各シート間の熱膨張率、吸湿率の違いなどにより各シート個々の寸法変化を生じても、各シート同士の固定が解除されており、積層シートにゆがみを発生させたり、所望の光学性能が得られないといった問題を生じることはなく、また、輝度ムラ等の故障を引き起こす問題もない。
特に、表面が傷つきやすく保護フイルムが使用される各種レンズシートに関して有効である。中でも、プリズムシートと拡散シートの組み合わせに対して効果的である。
以上、本発明に係るディスプレイ用光学シートの実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態の例では、いずれの場合においてもプリズムシートと拡散シートとの組み合わせとなっているが、これ以外の組み合わせ、たとえば、偏光板と拡散シートとの組み合わせや、偏光板とプリズムシートとの組み合わせ等も採用できる。
また、ディスプレイ用光学シートの層構成も実施形態の例(3層構成及び4層構成)に限定されるものではなく、たとえば、2層構成や5層構成も採用できる。以上のような構成であっても、本実施形態と同様に作用し、同様の効果が得られるからである。
以下、各実施例及び各比較例のディスプレイ用光学シートを作成し、それぞれを評価した。各例のディスプレイ用光学シートとしては、図2の構成のディスプレイ用光学シート20とした。各例のディスプレイ用光学シート20について、接合力(接着力)を測定し、また、傷の有無及びひずみについて評価した。この評価方法を以下に記す。
(接着力の測定)
接着される2枚のシ−トのうち、下側になるシ−トの表面に25mm以上の幅で接着剤液を塗設し、上側になるシ−トの裏面と重ねて2枚のシ−トを接着した。このシ−トを25mm幅に裁断し、上側のシ−トをTピール状態で剥離速度0.2m/分、室温雰囲気下で剥がす時の剥離力(N/25mm)を測定し、接着力とした。
なお、接着剤液以外で接着する場合、たとえば接着テ−プを使用する場合は、この接着テ−プの幅を25mmなるようにして、同様にサンプルを作成、測定し、接着力を求めた。
(積層シートの傷の評価)
積層品をそれぞれ10セット、液晶デバイスに組み込んで、傷故障の有無を評価し、傷による輝線が目視で確認されるものをNGとした。
(積層シートのひずみ評価)
積層シートを85°Cのオ-ブンに10日間入れた後、取り出して形状を観察した。
[実施例1]
各シートを接着するUV硬化性接着剤として下記の接着剤液Aを用い、図3のディスプレイ用光学シート製造ライン11により積層シ−トを得た。
(接着剤液A)
・合成例1のアクリル共重合体(詳細は、下記) 100重量部
・多官能イソシアネート架橋剤 5重量部
(日本ポリウレタン工業株式会社製、コローネートL)
(合成例1)
主モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸エチルを用い、官能基モノマーとしてヒドロキシエチルメタクリレートとアクリル酸を用いたアクリル共重合体を溶液重合法にて合成した。この合成したアクリル共重合体の重量平均分子量は40万、ガラス転移点は−40°Cであった。
得られた積層シートの10セットを、液晶デバイスに組み込む直前に各シ−トを剥離し、液晶デバイスに組み込んだ。剥離は簡単に行われた。その後、傷故障の有無を評価したが、傷による輝線が目視で確認されるものはなかった。
また、各シ−トが剥離されたままで積層シ−トのひずみ評価を行ったが、特にカ−ル等のひずみは見られなかった。
なお、別途作成した接着力測定用サンプルによる接着力は0.3〜0.7N/25mmであった。
[実施例2]
各シートを接着するUV硬化性接着剤として下記の接着剤液Bを用い、図3のディスプレイ用光学シート製造ライン11により積層シ−トを得た。
(接着剤液B)
・合成例3のアクリル共重合体(詳細は、下記) 50重量部
・合成例4のアクリル共重合体(詳細は、下記) 50重量部
・ダロキュア1173 3重量部
(チバ・ガイギ−(株)製 光重合開始剤)
(合成例2)
エチルアクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレートがモル比で80:5:15からなる重量平均分子量23万のアクリル系共重合体に2−イソシアネートエチルメタクリレートを2−ヒドロキシエチルアクリレートに対してモル比で60%付加反応させた紫外線硬化性アクリル系共重合体を合成した。
(合成例3)
エチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートがモル比で80:10:10からなる重量平均分子量14万のアクリル系共重合体に、2−イソシアネートエチルメタクリレートを2−ヒドロキシエチルアクリレートに対してモル比で60%付加反応させた紫外線硬化性アクリル系共重合体を合成した。
得られた積層シートの10セットを、液晶デバイスに組み込む直前に高圧水銀灯にて500mj/cm(365nm)で露光し、各シ−トを剥離して液晶デバイスに組み込んだ。剥離は簡単に行われ、10セット中、傷によるNGのものはなかった。
更に、この積層シ−トのひずみを評価したところ、特にカ−ル等のひずみは見られなかった。
なお、別途作成した、接着力測定用サンプルでの接着力は、未露光の状態で3〜5N/25mmであり、高圧水銀灯にて500mj/cm(365nm)での露光後は0.1〜0.2N/25mmであった。
[比較例1]
各シートを接着するUV硬化性接着剤として下記の接着剤液Cを用い、図3のディスプレイ用光学シート製造ライン11により積層シ−トを得た。
(接着剤液C)
・合成例4のアクリル共重合体(詳細は、下記) 100重量部
・多官能イソシアネート架橋剤 5重量部
(日本ポリウレタン工業株式会社製、コローネートL)
(合成例4)
主モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸エチルを用い、官能基モノマーとしてヒドロキシエチルメタクリレートとアクリル酸を用いたアクリル共重合体を溶液重合法にて合成した。この合成したアクリル共重合体の重量平均分子量は80万、ガラス転移点は−60°Cであった。
得られた積層シートの10セットを、液晶デバイスに組み込む直前に各シ−トを剥離し、液晶デバイスに組み込んだ。剥離には力を要し、一部のシ−トにクニックが発生した。傷故障の有無を評価したが、傷による輝線が目視で確認されるものはなかった。また、各シートが剥離されたままで積層シートのひずみ評価を行ったが、特にカ−ル等のひずみは見られなかった。
なお、別途作成した接着力測定用サンプルによる接着力は2〜5N/25mmであった。
[比較例2]
実施例2と同一の条件で積層シートを作成した。
得られた積層シートの10セットを、各シ−トを剥離せず(UV照射せず)液晶デバイスに組み込んだ。傷故障の有無を評価したが、傷による輝線が目視で確認されるものはなかった。また、各シートが接合されたままで積層シートのひずみ評価を行ったが、プリズム層面の側へのカールが発生していた。
[比較例3]
第1の拡散シート、第1のプリズムシート、第2のプリズムシート、及び第2の拡散シートを使用し、各シートを個別に製品サイズに切り抜き、その後、各シートを順に1枚ずつ積層する方式で積層シートを作成した。
この積層シート10セットにつき、液晶デバイスに組み込んだ後、傷故障の有無を評価したが、傷がNGのものが2セットあった。なお、ひずみ評価でのカール等のひずみは見られなかった。
以上の比較結果より、本発明の実施例によれば、大幅に傷故障を削減でき、ひずみ評価テストでのひずみにも起こりにくいことが確認できた。
本発明に係るディスプレイ用光学シートの実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図
符号の説明
10、20…ディスプレイ用光学シート、12…第1の拡散シート、14…第1のプリズムシート、16…第2のプリズムシート、18…第2の拡散シート

Claims (10)

  1. 2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の少なくとも1以上の接合箇所において接合されており、該接合箇所の接合力が0.01〜1.0N/25mmとなっていることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
  2. 2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の少なくとも1以上の接合箇所において接合されており、該接合箇所の接合が解除可能となっていることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
  3. 前記光学シート同士が周縁の少なくとも1辺において接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ用光学シート。
  4. 前記光学シート同士が周縁の4辺において接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ用光学シート。
  5. 前記接合箇所において前記光学シート同士が粘着材により接合されており、放射線の照射又は加熱により該接合箇所の接合が解除可能となっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  6. 前記粘着材が放射線硬化樹脂又は熱硬化樹脂であることを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ用光学シート。
  7. 前記接合箇所において前記光学シート同士が接着剤により接合されており、溶媒の供給により該接合箇所の接合が解除可能となっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  8. 前記接合箇所において前記光学シート同士がクランプ手段により接合されており、該クランプ手段の解除により該接合箇所の接合が解除可能となっていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  9. 前記接合箇所における接合力が2N/25mm以上であり、該接合箇所の接合解除時の接合力が0〜1.0N/25mmとなることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  10. 前記光学シートとして、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシート及び/又は拡散シートが使用されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。


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JP2013178547A (ja) * 2013-04-22 2013-09-09 Dainippon Printing Co Ltd 映像表示装置

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