JP2007155936A - ディスプレイ用光学シート - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示素子に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造する。
【解決手段】2枚以上の光学シート12、14及び18を積層し、光学シート同士の周縁の1辺又は2以上の辺において熱接着フィルム80により光学シート12、14及び18を接合する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ディスプレイ用光学シートに係り、特に、液晶表示素子等に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストかつ高品質で製造するのに好適なディスプレイ用光学シートに関する。
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させるフィルムや、正面方向に光を集光するレンズフィルム等が用いられている。
この場合、各種の光学フィルム(シート)を積層して使用する例が多い。たとえば、特許文献1においては、反射型偏光フィルムと位相差フィルムと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光フィルムが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提供されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものフィルムが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。
また、特許文献2〜4においては、1枚の光拡散フィルムとレンズフィルムの機能を一体化したフィルムが開示されている。
特開2004−184575号公報 特開平7−230001号公報 特許第3123006号公報 特開平5−341132号公報
しかしながら、上記の従来の構成において、何層ものフィルムを積層するには多数の工程を経ることが求められ、工程が複雑になるとともにコストアップは避けられない。
また、レンチキュラーレンズやプリズムシートのような平板レンズは表面が傷つき易く、また汚れ易いので、表面に保護シートが貼られた状態で納品される形態が一般的である。
ところが、このような保護シートは、平板レンズから剥離された後には、廃却されるのみであり、資源として無駄であるのみならず、コストアップの要因ともなり、好ましくない。また、保護シートを平板レンズから剥離する作業が必要であり、その分だけ生産性を落すことともなる。更に、保護シートを平板レンズから剥離する際に剥離帯電により塵埃等のコンタミネーションを平板レンズに付着させ易く、品質面でも問題が多い。
また、何層ものフィルム(シート)を積層する際に、積層時の擦れ、熱膨張・熱収縮による擦れ、ハンドリングによる擦れ等の原因でフィルムに傷を生じさせ易い。
更に、複数のフィルム間の熱膨張・熱収縮によるミスマッチングによる不具合(歪みやカール等)を矯正するために、個々のフィルムの厚さを増す等の対策(剛性アップ等)も必要なことがあり、設計上の制約やコストアップ等のデメリットも多い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造するのに好適なディスプレイ用光学シートを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の1辺において熱接着フィルムにより接合されていることを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
また、本発明は、2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の2以上の辺において熱接着フィルムにより接合されていることを特徴とするディスプレイ用光学シートを提供する。
本発明によれば、光学シート同士が周縁の1辺又は2以上の辺において熱接着フィルムにより接合されているので、何枚ものフィルム(シート)をそれぞれ製品サイズに裁断する工程が省け、何層ものフィルム(シート)を位置決めしながら積層する工程も省ける。また、保護シートによる上記の問題も生じず、コスト面及び品質面でも有利である。更に、何層ものフィルムを積層する際の上記問題点も生じない。
また、複数のフィルム間の熱膨張・熱収縮によるミスマッチングは、熱接着フィルムの層により緩和され、ミスマッチングによる不具合(歪みやカール等)は生じにくい。したがって、この不具合を矯正するために、個々のフィルムの厚さを増す等の対策(剛性アップ等)も不要であり、設計上の制約が少なく、コストダウンによるメリットも得られる。この熱接着フィルムの詳細及びこの熱接着フィルムによる各種の効果については、後で詳述する。
以上の各点より、本発明によれば、液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できる。
なお、光学シート(光学フィルム)とは、光学的な機能を備える各種シートの総称であり、拡散シート、偏光板(偏光シートフィルム)、各種レンズシート(レンチキュラーレンズ、フライアイレンズ(蠅の目レンズ)、プリズムシート等)、光反射防止シート、光反射シート、光一部反射一部透過シート、回折格子シート、干渉フィルタシート、色フィルタシート、光波長変換シート、ホログラムシートが代表的であるが、殆ど光学的な機能を果さない保護シート(保護フィルム)等も含むものとする。
本発明において、前記周縁の辺において前記光学シート同士の間に前記熱接着フィルムが挟まれていることが好ましい。このように、光学シート同士の間に熱接着フィルムが挟まれる構成であれば、組立て工程が容易であり、また、光学シート同士の間のクリアランスも均一にしやすい。
また、本発明において、前記光学シートの端縁より2〜4mmまでの位置に前記熱接着フィルムが配されていることが好ましい。このような部位に熱接着フィルムが配されていれば、表示装置の視野範囲に影響を及ぼしにくく、また、接着力も充分に確保できる。
また、本発明において、前記周縁の辺において前記光学シートの端面に前記熱接着フィルムが接着されていることが好ましい。このように、光学シートの端面に熱接着フィルムが接着される構成によっても、組立て工程が容易であり、また、熱接着フィルムを剥離する必要が生じた際にも、剥離が容易である。
また、本発明において、前記熱接着フィルムの接着後の厚さが0.1mm以下であることが好ましい。このような厚さであれば、光学シート同士の間のクリアランスを均一にしやすく、干渉縞を発生させるような不具合を生じにくい。
また、本発明において、前記熱接着フィルムがポリエステル系のフィルムであることが好ましい。熱接着フィルムの材質としては、ポリアミド系、ポリウレタン系、EVA系(エチレン・ビニル・アセテート系)も可能であるが、ポリエステル系であれば、優れた接着力と優れた可撓性の両立が可能である。
また、本発明において、前記光学シートが、拡散シートを含むことが好ましい。また、本発明において、前記光学シートが、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートを含むことが好ましい。なお、「1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシート」とは、レンチキュラーレンズやプリズムシートが代表的であり、他に回折格子等も含まれる。
また、本発明において、前記光学シートが、同一の光学性能である2枚以上のシートを含むことが好ましい。同一の光学性能である2枚以上のシートを含む場合とは、たとえば、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートの2枚が、凸状レンズの軸が略直行する向きで積層されている例や、拡散シートがこのレンズシートの積層体の表面及び裏面に積層されている例が挙げられる。なお、「レンズの軸が略直行する向きで積層」とあるが、モアレ縞等の防止のために角度を若干量調整してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様について説明する。先ず、本発明に係るディスプレイ用光学シートの例(第1〜第6実施形態)の構成を説明し、次いでこれらのディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。
図1は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの例(第1実施形態)の構成を示す断面図である。このディスプレイ用光学シート10は、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18は、透明なフィルム(支持体)の表面(片面)にビーズをバインダーで固定したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。第1の拡散シート12と第2の拡散シート18とはビーズの径(平均粒径)が異なっており、光拡散性能も異なっている。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用される透明なフィルム(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18のビーズの径は、100μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。たとえば所定の分布7〜38μmの範囲で、平均粒径が17μmとできる。
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16は、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートであり、たとえば、ピッチを50μmと、凹凸高さを25μmと、凸部の頂角を90度(直角)とできる。
この第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とは、凸状レンズ(プリズム)の軸が略直行する向きに配されている。すなわち、図1において、第1のプリズムシート14の凸状レンズの軸は紙面に垂直方向に配されており、第2のプリズムシート16の凸状レンズの軸は紙面に平行方向に配されている。なお、図1においては、第2のプリズムシート16の断面が凸状のレンズである旨が理解できるように、実際とは異なった向きに示されている。
第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16の材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
また、ホットプレスにより、プリズムシートの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
また、他の製造方法として、第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、凹凸ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
より具体的には、表面に接着剤と樹脂とが順次塗布されることにより、接着剤層と樹脂層(たとえばUV硬化性樹脂)とが2層以上に形成されている透明なフィルムを連続走行させ、この透明なフィルムを回転する凹凸ローラに巻き掛け、樹脂層に凹凸ローラ表面の凹凸を転写し、透明なフィルムが凹凸ローラに巻き掛けられている状態で樹脂層を硬化させる(たとえばUV照射する)凹凸状シートの製造方法が採用できる。なお、接着剤はなくてもよい。
なお、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸形状が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
図1に示されるように、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部は、接合部10Aにより各層が一体化されている。この接合部10Aの詳細については後述する。
以上に説明したディスプレイ用光学シート10は、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。この場合、既述した各種のメリット(ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できる)に加え、液晶表示素子のアセンブル作業も非常に容易となるというメリットが得られる。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの他の例(第2実施形態)について説明する。図2は、ディスプレイ用光学シート20の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート20は、下から順に、拡散シート12、第1のプリズムシート14、及び第2のプリズムシート16が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート20は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの更に他の例(第3実施形態)について説明する。図3は、ディスプレイ用光学シート30の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)及び図2(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート30は、下から順に、第1の拡散シート12、プリズムシート14、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートである。
このディスプレイ用光学シート30は、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されているものである。
以上に説明したディスプレイ用光学シート30は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの更に他の例(第4実施形態)について説明する。図4は、ディスプレイ用光学シート40の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート40は、下から順に、拡散シート12、及びプリズムシート14が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート40は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの他の例(第5実施形態)について説明する。図5は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート50は、下から順に、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート50は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの他の例(第6実施形態)について説明する。図6は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート60は、下から順に、第1のプリズムシート14、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート60は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
以上に説明した各ディスプレイ用光学シート10〜60の平面サイズに特に制限はないが、各種のディスプレイ(液晶表示素子等)のバックライトユニットのサイズに対応させることができ、たとえば対角で127mm(5インチ)〜1640mm(65インチ)のサイズとすることができる。
次に、本発明の特徴部分である接合部10A(20A、30A、40A、50A、及び60A)の詳細について説明する。図7は、ディスプレイ用光学シート30(図3の第3実施形態)の接合部30Aを説明する図であり、(A)は、平面図であり、(B)は、(A)の右側面図である。
このディスプレイ用光学シート30においては、熱接着フィルム80により1長辺のみに接合部30Aが形成されている。具体的には、図7(B)に示されるように、第1の拡散シート12とプリズムシート14との間、及びプリズムシート14と第2の拡散シート18との間に、それぞれ同一幅Wの熱接着フィルム80が端辺に沿って配されている。
熱接着フィルム80の幅Wは、2〜4mm(端縁より2〜4mmまでの範囲)が好ましい。このような範囲であれば、熱接着フィルム80が表示装置の視野範囲に影響を及ぼしにくく、また、接着力も充分に確保できる。
なお、図7(B)の例では、熱接着フィルム80の右端部とディスプレイ用光学シート30の右端部とが面一となっているが、熱接着フィルム80の右端部をディスプレイ用光学シート30の右端部より内側に位置させる構成も採用できる。
また、図7の構成のように、1長辺のみに接合部30Aが形成される構成に代えて、2以上の辺(対向する2辺、隣接する2辺、3辺、4辺)に接合部30Aを形成する態様も採り得る。
また、1辺の全ての長さ部分に接合部30Aが形成される構成に代えて、断続的な線状に接合部30Aを形成する態様も採り得る。
熱接着フィルム80の接着後の厚さは、0.1mm以下が好ましい。このような厚さであれば、光学シート同士の間のクリアランスを均一にしやすく、干渉縞を発生させるような不具合を生じにくい。
熱接着フィルム80は、「ホットメルト」とも称呼されているフィルムであり、加熱(及び加圧)により部材同士を接合させるフィルムである。この熱接着フィルム80は、以下の1)〜6)の特徴を備えているので、本発明のディスプレイ用光学シートに好適に使用できる。
1)フィルム状のため、均一な(特に、均一な厚さの)接着層が得られる。
2)自由な形状に切断でき、また、接着層のはみ出しがない。
3)従来タイプの接着剤のような粘度調整が不要であり、また、溶剤の乾燥工程も不要であり、更に、取り扱いに熟練度を要求されない。
4)接着に際し、高周波加熱、超音波加熱、熱プレス等、各種の方法が採用でき、いずれの接着方法でも容易に強力な接着力が得られる。
5)ホットメルトタイプで、溶剤を使用しないので、安全面(臭気等による健康面、引火等による防火面)で優れている。
6)経時変化がなく、また、硬化変質がない。
このような熱接着フィルム80としては、たとえば、日本マタイ社製の熱接着フィルム(商品名:エルファン)が使用できる。このうち、エルファンNT(ポリアミド系)、エルファンUH(ポリウレタン系)、エルファンPH(ポリエステル系)、及びエルファンOH(EVA系)のいずれも使用できるが、特にエルファンPH(ポリエステル系)が好ましい。
熱接着フィルム80の接着方法としては、既述した高周波加熱(高周波シール装置)、超音波加熱(超音波シール装置)、熱プレス(ヒータバー加熱装置)等、各種の方法(装置)が採用できる。
たとえば、熱プレスによる加熱手段としてはインパルスシーラー(たとえば、富士インパルス社製)が採用できる。熱接着フィルム80の接着温度(加熱温度)としては、フィルムの材質等により最適温度が異なるが、110〜230°Cの範囲が好ましい。
以上に説明したディスプレイ用光学シート30は、上記の各特徴を備えた熱接着フィルム80を使用しているので、複数のフィルム間の熱膨張・熱収縮によるミスマッチングによる不具合(歪みやカール等)は生じない。したがって、この不具合を矯正するために、個々のフィルムの厚さを増す等の対策(剛性アップ等)も不要であり、設計上の制約が少なく、コストダウンによるメリットも得られる。
次に、接合部10A(20A、30A、40A、50A、及び60A)の他の形態について説明する。図8は、ディスプレイ用光学シート30(図3の第3実施形態)の接合部30Aを説明する図であり、(A)は、斜視図であり、(B)は、(A)の右側面図である。
このディスプレイ用光学シート30においては、熱接着フィルム80により1長辺の端辺のみに接合部30Aが形成されている。具体的には、図7(B)に示されるように、第1の拡散シート12、プリズムシート14、及び第2の拡散シート18の右端辺に熱接着フィルム80が貼着されており、この熱接着フィルム80によりシート同士が接合されている。
なお、図8の構成のように、1長辺のみに接合部30Aが形成される構成に代えて、2以上の辺(対向する2辺、隣接する2辺、3辺、4辺)に接合部30Aを形成する態様も採り得る。
また、1辺の全ての長さ部分に接合部30Aが形成される構成に代えて、断続的な線状に接合部30Aを形成する態様も採り得る。
この熱接着フィルム80の材質は、既述の図7の構成に使用されるものと同一のものが使用できる。また、熱接着フィルム80の接着方法としても、既述した高周波加熱(高周波シール装置)、超音波加熱(超音波シール装置)、熱プレス(ヒータバー加熱装置)等、各種の方法(装置)が採用できる。
特に、本実施態様では、ディスプレイ用光学シート30の端辺に熱接着フィルム80が貼着されるので、製本に使用される「無せん綴じ機」や「背表紙貼り機」等の名称で使用される装置と同様の構成の装置が好ましく使用できる。
本実施態様では、既述の図7の構成と異なり、ディスプレイ用光学シート30の完成後においても、熱接着フィルム80が露出状態にあるので、必要に応じて熱接着フィルム80を剥離させることも容易にできる。
また、本実施態様では、ディスプレイ用光学シート30の複数セット分の各光学シートを積層させておき、複数セット分のディスプレイ用光学シート30の端辺に熱接着フィルム80を貼着、接合し、その後、各ディスプレイ用光学シート30に分離すべく熱接着フィルム80を切断することもできる。
以上、図8により説明したディスプレイ用光学シート30は、図7の既述のディスプレイ用光学シート30と略同様の優れた効果が得られる。
次に、ディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。この製造方法は、既述のディスプレイ用光学シート10〜60に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成のディスプレイ用光学シート(第1実施形態)に適用した場合について説明する。
図9は、ディスプレイ用光学シート製造ライン11の構成図である。図の左端部に設けられているロール12B、14B、16B、及び18Bは、それぞれ、既述の図1に示される第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が巻回されたロールである。
このロール12B、14B、16B、及び18Bは、図示しない繰り出し手段の回転軸にそれぞれ軸支されており、ロール12B、14B、16B、及び18Bより第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18がそれぞれ略同一速度で繰り出し可能となっている。
繰り出された第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18は、それぞれガイドローラG、G…に支持され、最終的には、後述するプレス装置48の上流側において積層されるようになっている(積層工程)。そして、積層体の周縁を製品サイズに裁断するために、打ち抜きプレス装置48が採用されている。
このディスプレイ用光学シート製造ライン11においては、ロール12B、14B、16B、及び18Bの下流にフィルム供給装置52、54、56が設けられている。このフィルム供給装置52、54及び56は、それぞれ熱接着フィルム80を先端より供給する供給装置である。
フィルム供給装置52は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを接着するために、第1の拡散シート12の表面に熱接着フィルム80を供給するものであり、フィルム供給装置54は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを接着するために、第1のプリズムシート14の表面に熱接着フィルム80を供給するものであり、フィルム供給装置56は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを接着するために、第2のプリズムシート16の表面に熱接着フィルム80を供給するものである。
各シート間の適正位置に熱接着フィルム80が供給されたシートの積層体はインパルスシーラー72に送り込まれ、端辺の接合部10Aが加熱及び加圧され、熱接着フィルム80により接合される。
接合後のシートの積層体は打ち抜きプレス装置48に送り込まれ、周縁が製品サイズに裁断される。
以上の工程を経ることにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成される。このディスプレイ用光学シート10は、コンベア26上に搬送されて停止する。コンベア26上のディスプレイ用光学シート10は吸着横移載装置28により集積装置32上に順次重ねられる。
一方、プレス装置48によりディスプレイ用光学シート10が打ち抜かれたシートの積層体34は、巻き取り装置(詳細は不図示)の巻き取りロール36に巻き取られる。
以上のディスプレイ用光学シートの製造方法によれば、以下の1)〜3)の効果が得られる。
1)傷故障削減効果
レンズシート(第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果もあることより、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1の拡散シート12、第2の拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことからレンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)、及び第2実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)においてその効果が大きい。
2)組立工数削減効果
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1の拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2の拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、第1の製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
3)保護シートの削減効果
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本発明品は、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
具体的には、第4実施形態のディスプレイ用光学シート40(図4参照)、及び第6実施形態のディスプレイ用光学シート60(図6参照)において保護シートを1枚削減でき、第3実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)において保護シートを2枚削減でき、第2実施形態のディスプレイ用光学シート20(図2参照)、及び第5実施形態のディスプレイ用光学シート50(図5参照)において保護シートを3枚削減でき、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)において保護シートを4枚削減できる。
次に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18の積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10)の平面配置について説明する。
図10は、積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10)の平面配置を説明する図である。
図10において、(A)は、積層体の搬送方向に対して平行及び直交する方向に切断を行う状態を示し、(B)は、積層体の搬送方向に対して斜め方向に切断を行う状態を示す。
以上、説明したように、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造することができる。
また、本発明によれば、以下の効果も得られる。
1)コストの削減、薄型化による製品価値の向上
大型液晶テレビに用いられる光学シートは剛性が必要なため、支持体の厚さをそれぞれ従来より2倍程度に厚くしたものが用いられている。しかしながら、本発明による光学シートは、シートを複合化したものであるため、それぞれの厚さを厚くせずとも充分に剛性を持たせることができ、各層の厚さを減らすことができる。
2)集光効果の低減防止による性能の向上
レンズシートの傷付き防止(傷を目立たなくする目的)のために、裏面をマット処理している製品もある。本発明による光学シートではその必要がなく、生産コストが削減できるのみならず、マット処理による集光効果低減防止が可能であり、性能が向上する。
以上、本発明に係るディスプレイ用光学シートの実施形態の各例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態の例では、いずれの場合においても第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16のプリズムが上向きになっているが、このプリズムを下向きにして積層することもできる。
また、ディスプレイ用光学シートの層構成も実施形態の例に限定されるものではなく、たとえば、保護シートを上下面に積層することもできる。
以上のような構成であっても、本実施形態と同様に作用し、同様の効果が得られるからである。
[プリズムシートの作成]
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に使用するプリズムシートを作成した。このプリズムシートは、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に共通して使用する。
・樹脂液の調整
図11の表に示す化合物を記載の重量比にて混合し、50°Cに加熱して撹拌溶解し、樹脂液を得た。なお、各化合物の名称と内容は以下の通りである。
EB3700:エベクリル3700、ダイセルUC(株)製、
ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、
(粘度:2200mPa・s/65°C)
BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製、
エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル、
(粘度:590mPa・s/25°C)
BR−31 :ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬工業(株)製、
トリブロモフェノキシエチルアクリレート、
(常温で固体、融点50°C以上)
LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製の光ラジカル発生剤、
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
MEK :メチルエチルケトン
図12に示される構成のプリズムシートの製造装置を使用してプリズムシートの製造を行った。
シートWとして、幅500mm、厚さ100μmの透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを使用した。
エンボスローラ83として、長さ(シートWの幅方向)が700mm、直径が300mmのS45C製で表面の材質をニッケルとしたローラを使用した。ローラの表面の略500mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用した切削加工により、ローラ軸方向のピッチが50μmの溝を形成した。溝の断面形状は、頂角が90度の三角形状で、溝の底部も平坦部分のない90度の三角形状である。すなわち、溝幅は50μmであり、溝深さは約25μmである。この溝は、ローラの周方向に継ぎ目がないエンドレスとなるので、このエンボスローラ83により、シートWに断面が三角形のレンチキュラーレンズ(プリズムシート)が形成できる。ローラの表面には、溝加工後にニッケルメッキを施した。
塗布手段82として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッド82Cを用いたダイコータを使用した。
塗布液F(樹脂液)として、既述の図11の表に記載した組成の液を使用した。塗布液F(樹脂)の湿潤状態の厚さは有機溶剤乾燥後の膜厚が20μmになるように、塗布ヘッド82Cへの各塗布液Fの供給量を、供給装置82Bにより制御した。
乾燥手段89として熱風循環式の乾燥装置を用いた。熱風の温度は100°Cとした。
ニップローラ84として、直径が200mmで、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを使用した。エンボスローラ83とニップローラ84とでシートWを押圧するニップ圧(実効のニップ圧)は、0.5Paとした。
樹脂硬化手段85として、メタルハライドランプを使用し、1000mJ/cmのエネルギーで照射を行った。
以上により、凹凸パタ−ンが形成されたプリズムシートを得た。
[第1の拡散シート12の作成]
下塗り層、バックコート層、光拡散層の順に、以下の方法により各層を形成することにより、第1の拡散シート12(下用拡散シート)を作製した。
・下塗り層
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の片面に、下記組成の下塗り層用塗布液としてのA液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が1.5μmの下塗り層を得た。
(下塗り層用塗布液)
メタノール 4165g
ジュリマーSP−50T(日本純薬社製) 1495g
シクロヘキサノン 339g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 1.85g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・バックコート層
前記支持体の、下塗り層を塗布した反対側の面に、下記組成のバックコート層用塗布液としてのB液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が2.0μmのバックコート層を得た。
(バックコート層用塗布液)
メタノール 4171g
ジュリマーSP−65T(日本純薬社製) 1487g
シクロヘキサノン 340g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 2.68g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・光拡散層
上記で作成した支持体の下塗り層側に、下記組成の光拡散層用塗布液としてのC液を、ワイターバー(ワイヤーサイズ:#22)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、光拡散層を得た。なお、後述するが、この光拡散層は、C液を調製した直後に塗布したものと、C液を調整して2時間静置した後に塗布したものとをそれぞれ得た。
(光拡散層用塗布液)
シクロヘキサノン 20.84g
ディスパロンPFA−230 固形分濃度20質量% 0.74g
(粒子沈降防止剤:脂肪酸アミド、楠本化成社製)
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−117、三菱レーヨン社製)20質量%メチルエチルケトン溶液 17.85g
ジュリマーMB−20X(日本純薬社製) 11.29g
(有機粒子;ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径18μmの球状超微粒子)
F780F(大日本インキ社製) 0.03g
(メチルエチルケトン 30質量%溶液)
[第2の拡散シート18の作成]
上記の第1の拡散シート12の光拡散層のジュリマーMB−20Xの添加量を11.29gから、1.13gに変更した以外は、上記の第1の拡散シート12と同一の条件及び同一のフローで第2の拡散シート18(上用拡散シート)を作製した。
[ディスプレイ用光学シートの作成方法]
ディスプレイ用光学シートの構成としては、既述の図3に示される、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、及び第2の拡散シート18が積層されてなるディスプレイ用光学シート30(光学シートのモジュール)とした。接合部30Aは、図7に示される形態(長辺の1辺)とした。
熱接着フィルム80として、日本マタイ社製の熱接着フィルム(商品名:エルファンPHE411(ポリエステル系))を使用した。
熱接着フィルム80の幅(図7の幅W)は、1mm、2mm、3mm、4mm、及び5mmのものを準備した。また、それぞれの幅の熱接着フィルム80に対し、厚さを0.05mm(接着後0.02mm)、0.1mm(接着後0.05mm)、0.2mm(接着後0.1mm)、及び0.3mm(接着後0.15mm)とした。
インパルスシーラー72のシール部の設定温度を150°Cとし、設定圧力を0.2MPa(2kgf/cm)とした。
[ディスプレイ用光学シートの評価]
作成したディスプレイ用光学シートを、市販の液晶デバイス(バックライトユニット)に組み込んで、接着状況と干渉縞の有無を評価した。
接着状況の評価は、最上面の第2の拡散シート18のみを持ち上げたときに、シート同士の接合部30Aが剥離しなければ良と判定し、接合部30Aが一部でも剥離した場合は不良と判定した。
干渉縞の有無の評価は、熱接着フィルム80に起因する干渉縞が認められないものを良と判定し、熱接着フィルム80に起因する干渉縞が認められるものを不良と判定した。
そして、総合評価として、接着状況及び干渉縞の有無の両方が良の場合を合格と判定した。
以上の評価結果を図13の表に纏める。この表より、熱接着フィルム80の幅が2〜4mmで、かつ、厚さが0.05〜1mmのものが総合評価で良であることが解る。
なお、これ以外の総合評価で不良のものであっても、従来のディスプレイ用光学シート(光学シートの積層体)と比べて性能的に遜色はなく、バックライトユニットに採用できることが確認されている。したがって、本発明の各種の効果が得られることが確認された。
本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの更に他の実施形態の断面図 ディスプレイ用光学シートの接合部を説明する図 ディスプレイ用光学シートの接合部を説明する図 ディスプレイ用光学シート製造ラインの構成図 積層体より打抜かれるシートの平面配置を説明する図 プリズムシートの作成に使用される樹脂液の組成を示す表 プリズムシートの製造装置の構成図 実施例の評価結果を示す表
符号の説明
10、20、30、40、50、60…ディスプレイ用光学シート、10A、20A、30A、40A、50A、60A…接合部、12…第1の拡散シート、14…第1のプリズムシート、16…第2のプリズムシート、18…第2の拡散シート、72…インパルスシーラー、80…熱接着フィルム

Claims (11)

  1. 2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の1辺において熱接着フィルムにより接合されていることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
  2. 2枚以上の光学シートが積層されており、前記光学シート同士が周縁の2以上の辺において熱接着フィルムにより接合されていることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
  3. 前記周縁の辺において前記光学シート同士の間に前記熱接着フィルムが挟まれている請求項1又は2に記載のディスプレイ用光学シート。
  4. 前記光学シートの端縁より2〜4mmまでの位置に前記熱接着フィルムが配されている請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
  5. 前記周縁の辺において前記光学シートの端面に前記熱接着フィルムが接着されている請求項1又は2に記載のディスプレイ用光学シート。
  6. 前記熱接着フィルムの接着後の厚さが0.1mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  7. 前記熱接着フィルムがポリエステル系のフィルムである請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  8. 前記光学シートが、拡散シートを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  9. 前記光学シートが、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  10. 前記光学シートが、同一の光学性能である2枚以上のシートを含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。
  11. 前記光学シートの積層体が表示装置のバックライトユニットに使用されている請求項1〜10のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シート。

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