JP2007078881A - ディスプレイ用光学シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造する。
【解決手段】シートの平面サイズが製品サイズ以上である2枚以上の光学シート12、14、16、18を積層し、この光学シート同士を少なくとも1以上の接合箇所10Aにおいて溶剤により接合し、接合後の光学シートの積層体の周縁を製品サイズに裁断する。
【選択図】 図1
【解決手段】シートの平面サイズが製品サイズ以上である2枚以上の光学シート12、14、16、18を積層し、この光学シート同士を少なくとも1以上の接合箇所10Aにおいて溶剤により接合し、接合後の光学シートの積層体の周縁を製品サイズに裁断する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディスプレイ用光学シートの製造方法に係り、特に、液晶表示素子等に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで製造するのに好適なディスプレイ用光学シートの製造方法に関する。
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させるフィルムや、正面方向に光を集光するレンズフィルム等が用いられている。
この場合、各種の光学フィルム(シート)を積層して使用する例が多い。たとえば、特許文献1においては、反射型偏光フィルムと位相差フィルムと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光フィルムが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提案されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものフィルムが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。
また、特許文献2〜4においては、1枚の光拡散フィルムとレンズフィルムの機能を一体化したフィルムが開示されている。
特開2004−184575号公報
特開平7−230001号公報
特許第3123006号公報
特開平5−341132号公報
しかしながら、上記の従来の構成において、何層ものフィルムを積層するには多数の工程を経ることが求められ、工程が複雑になるとともにコストアップは避けられない。
また、レンチキュラーレンズやプリズムシートのような平板レンズは表面が傷つき易く、また汚れ易いので、表面に保護シートが貼られた状態で納品される形態が一般的である。
ところが、このような保護シートは、平板レンズから剥離された後には、廃却されるのみであり、資源として無駄であるのみならず、コストアップの要因ともなり、好ましくない。また、保護シートを平板レンズから剥離する作業が必要であり、その分だけ生産性を落すことともなる。更に、保護シートを平板レンズから剥離する際に剥離帯電により塵埃等のコンタミネーションを平板レンズに付着させ易く、品質面でも問題が多い。
また、何層ものフィルム(シート)を積層する際に、積層時の擦れ、熱膨張・熱収縮による擦れ、ハンドリングによる擦れ等の原因でフィルムに傷を生じさせ易い。
更に、複数のフィルム間の熱膨張・熱収縮によるミスマッチングによる不具合(歪みやカール等)を矯正するために、個々のフィルムの厚さを増す等の対策(剛性アップ等)も必要なことがあり、設計上の制約やコストアップ等のデメリットも多い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液晶表示素子等のディスプレイ用途に使用されるシート状物の積層体を、従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造するのに好適なディスプレイ用光学シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、シートの平面サイズが製品サイズ以上である2枚以上の光学シートを積層する積層工程と、前記光学シート同士を少なくとも1以上の接合箇所において溶剤により接合する接合工程と、前記光学シートの積層体の周縁を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えることを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、平面サイズが製品サイズ以上である2枚以上の光学シートを積層し、この光学シート同士を1以上の箇所において溶剤により接合し、この周縁を製品サイズに裁断する。
したがって、何枚ものフィルム(シート)をそれぞれ製品サイズに裁断する工程が省け、何層ものフィルム(シート)を位置決めしながら積層する工程も省ける。また、保護シートによる上記の問題も生じず、コスト面及び品質面でも有利である。更に、何層ものフィルムを積層する際の上記問題点も生じない。
特に、溶剤を使用して接合するので、接着剤の塗布や両面粘着テープの貼着よりも作業が容易であり、工程もクリーンになる。また、接着剤の塗布や両面粘着テープの貼着に比べて、接合部分の厚さも薄くできる。更に、接着剤の塗布や両面粘着テープの貼着に比べて、コスト面でも有利である。
なお、「溶剤を使用して接合」とは、光学シート(たとえば、材質がPET)に溶剤(たとえば、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、等)を塗布し、溶剤により光学シートの表面の一部を溶解させ、これにより光学シート同士を接着させることを意味する。
また、光学シート(光学フィルム)とは、光学的な機能を備える各種シートの総称であり、拡散シート、偏光板(拡散シートフィルム)、各種レンズシート(レンチキュラーレンズ、フライアイレンズ(蠅の目レンズ)、プリズムシート等)が代表的であるが、殆ど光学的な機能を果さない保護シート(保護フィルム)等も含むものとする。
以上の各点より、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造することができる。
なお、「シートの平面サイズが製品サイズ以上」とあることより、光学シートの平面サイズが製品サイズより大である場合のみならず、光学シートの平面サイズが製品サイズと同一の場合も含まれる。このような場合、裁断工程において、光学シートの1辺以上が裁断されないこともあり得る。
また、本発明においては、積層工程の後において、接合工程と裁断工程のうち、いずれを先に行っても特有の効果が得られる。すなわち、積層工程、接合工程、裁断工程の順であってもよく、積層工程、裁断工程、接合工程の順であってもよい。
また、本発明は、前記目的を達成するために、シートの平面サイズが製品サイズ以上であり、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートの少なくとも1枚に対し、シートの平面サイズが製品サイズ以上である光学シートを該レンズシートの表面及び/又は裏面に配して積層する積層工程と、前記レンズシートと前記光学シートとを少なくとも1以上の接合箇所において溶剤により接合する接合工程と、前記光学シートとレンズシートとの積層体の周縁を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えることを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、シートの平面サイズが製品サイズ以上であるレンズシートに、シートの平面サイズが製品サイズ以上である光学シートを表面及び/又は裏面に配して積層し、溶剤により接合し、周縁を製品サイズに裁断する。
したがって、上記のように、各工程も省け、保護シートによる上記の問題も生じず、コスト面及び品質面でも有利であり、更に、何層ものフィルムを積層する際の上記問題点も生じない。
特に、溶剤を使用して接合するので、上記のように、作業が容易であり、工程もクリーンになり、接合部分の厚さも薄くできる。
なお、「1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシート」とは、レンチキュラーレンズやプリズムシートが代表的であり、他に回折格子等も含まれる。
また、本発明は、前記目的を達成するために、シートの平面サイズが製品サイズ以上であり、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートの2枚を、前記凸状レンズの軸が略直交する向きで積層し、シートの平面サイズが製品サイズ以上である光学シートを前記レンズシートの積層体の表面及び/又は裏面に配して積層する積層工程と、前記レンズシート同士及び前記レンズシートと前記光学シートとを少なくとも1以上の接合箇所において溶剤により接合する接合工程と、前記光学シートとレンズシートとの積層体の周縁を製品サイズに裁断する裁断工程と、を備えることを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、レンズシートの2枚を凸状レンズの軸が略直交する向きで積層し、この表面及び/又は裏面に光学シートを積層する構成においても、同様に上記の各種効果が得られる。したがって、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造することができる。
なお、「レンズの軸が略直交する向きで積層」とあるが、モアレ縞等の防止のために角度を若干量調整してもよい。
本発明において、前記接合箇所が光学シート製品の周縁の少なくとも1辺に該当することが好ましい。このように、積層体の周縁の少なくとも1辺において接合がなされれば、積層体の固定がより強固になる。なお、1辺において接合とは、積層体の1辺において線状に接合されている状態のみならず、積層体の1辺において所定間隔毎に点状に接合されている状態をも含む。
また、本発明において、前記接合箇所が光学シート製品の周縁の4辺に該当することが好ましい。このように、積層体の周縁の4辺において接合がなされれば、積層体の固定がより強固になり、また、ごみ等の汚染の混入も、より効果的に防止できる。なお、4辺において接合とは、積層体の4辺において線状に接合されている状態のみならず、積層体の4辺において所定間隔毎に点状に接合されている状態をも含む。
また、本発明において、前記接合箇所を光学シート製品の周縁より20mm以内に設けることが好ましい。接合箇所を光学シート製品の周縁より20mm以内に設ければ、通常の製品使用時に視野が遮られることもない。
また、本発明において、前記接合箇所をシート面に対し凸状に形成することが好ましい。このように接合箇所をシート面に対し凸状に形成すれば、溶剤が必要以上に接合箇所の周縁に拡散する不具合も生じにくい。
以上説明したように、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造することができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施態様について説明する。先ず、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1〜第6実施形態)の構成を説明し、次いでこれらのディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。
図1は、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの例(第1実施形態)の構成を示す断面図である。
このディスプレイ用光学シート10は、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18は、透明なフィルム(支持体)の表面(片面)にビーズをバインダーで固定したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。第1の拡散シート12と第2の拡散シート18とはビーズの径(平均粒径)が異なっており、光拡散性能も異なっている。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用される透明なフィルム(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18のビーズの径は、100μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。たとえば所定の分布7〜38μmの範囲で、平均粒径が17μmとできる。
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16は、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートであり、たとえば、ピッチを50μmと、凹凸高さを25μmと、凸部の頂角を90度(直角)とできる。
この第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とは、凸状レンズ(プリズム)の軸が略直交する向きに配されている。すなわち、図1において、第1のプリズムシート14の凸状レンズの軸は紙面に垂直方向に配されており、第2のプリズムシート16の凸状レンズの軸は紙面に平行方向に配されている。なお、図1においては、第2のプリズムシート16の断面が凸状のレンズである旨が理解できるように、実際とは異なった向きに示されている。
第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16の材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
また、ホットプレスにより、プリズムシートの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
また、他の製造方法として、第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、凹凸ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
より具体的には、表面に接着剤と樹脂とが順次塗布されることにより、接着剤層と樹脂層(たとえばUV硬化性樹脂)とが2層以上に形成されている透明なフィルムを連続走行させ、この透明なフィルムを回転する凹凸ローラに巻き掛け、樹脂層に凹凸ローラ表面の凹凸を転写し、透明なフィルムが凹凸ローラに巻き掛けられている状態で樹脂層を硬化させる(たとえばUV照射する)凹凸状シートの製造方法が採用できる。なお、接着剤はなくてもよい。
なお、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸形状が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
図1に示されるように、ディスプレイ用光学シート10の左右の端部は、接合部10Aにより各層が一体化されている。この接合部10Aは、各シート(第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16)の上面に凸状に形成されており、接合部10Aの上面とこの上側のシートの対応する箇所が溶剤により接着されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート10は、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。この場合、既述した各種のメリット(ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できる)に加え、液晶表示素子のアセンブル作業も非常に容易となるというメリットが得られる。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第2実施形態)について説明する。図2は、ディスプレイ用光学シート20の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート20は、下から順に、拡散シート12、第1のプリズムシート14、及び第2のプリズムシート16が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略されている。
図2に示されるように、ディスプレイ用光学シート20の左右の端部は、接合部20Aにより各層が一体化されている。この接合方法は、第1実施形態と略同様である。
以上に説明したディスプレイ用光学シート20は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第3実施形態)について説明する。図3は、ディスプレイ用光学シート30の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)及び図2(第1実施形態)と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート30は、下から順に、第1の拡散シート12、プリズムシート14、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートである。
このディスプレイ用光学シート30は、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されているものである。
図3に示されるように、ディスプレイ用光学シート30の左右の端部は、接合部30Aにより各層が一体化されている。この接合方法は、第1実施形態と略同様である。
以上に説明したディスプレイ用光学シート30は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの更に他の例(第4実施形態)について説明する。図4は、ディスプレイ用光学シート40の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート40は、下から順に、拡散シート12、及びプリズムシート14が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
図4に示されるように、ディスプレイ用光学シート40の左右の端部は、接合部40Aにより各層が一体化されている。この接合方法は、第1実施形態と略同様である。
以上に説明したディスプレイ用光学シート40は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第5実施形態)について説明する。図5は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート50は、下から順に、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略されている。
図5に示されるように、ディスプレイ用光学シート50の左右の端部は、接合部50Aにより各層が一体化されている。この接合方法は、第1実施形態と略同様である。
以上に説明したディスプレイ用光学シート50は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法により製造されたディスプレイ用光学シートの他の例(第6実施形態)について説明する。図6は、ディスプレイ用光学シート50の構成を示す断面図である。なお、図1(第1実施形態)、図2(第2実施形態)等と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート60は、下から順に、第1のプリズムシート14、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
図6に示されるように、ディスプレイ用光学シート60の左右の端部は、接合部60Aにより各層が一体化されている。この接合方法は、第1実施形態と略同様である。
以上に説明したディスプレイ用光学シート60は、第1実施形態と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、ディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。この製造方法は、既述のディスプレイ用光学シート10〜60に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成のディスプレイ用光学シート(第1実施形態)に適用した場合について説明する。
図7は、本発明の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン21の構成図である。図の左端部に設けられているロール12B、14B、16B、及び18Bは、それぞれ、既述の図1に示される第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が巻回されたロールである。
このロール12B、14B、16B、及び18Bは、図示しない繰り出し手段の回転軸にそれぞれ軸支されており、ロール12B、14B、16B、及び18Bより第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18がそれぞれ略同一速度で繰り出し可能となっている。
繰り出された第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18は、それぞれガイドローラG、G…に支持され、最終的には、後述する打ち抜きプレス装置48の上流側において積層されるようになっている(積層工程)。
ディスペンサ42、44及び46は、それぞれ溶剤を先端より吐出する供給装置である。ディスペンサ42は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを接着するために、第1の拡散シート12の表面に溶剤を供給するものであり、ディスペンサ44は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを接着するために、第1のプリズムシート14の表面に溶剤を供給するものであり、ディスペンサ46は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを接着するために、第2のプリズムシート16の表面に溶剤を供給するものである。
ディスペンサ42、44及び46より供給される溶剤は、各シート(第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18)の表面の一部を溶解させ、これにより各シート同士を接着させるものが好ましい。
各シートの材質が、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)である場合には溶剤としては、たとえば、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、等が好ましく採用できる。
溶剤の塗布厚さは、0.5μm〜50μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましい。
溶剤が塗布され、シート同士が密着された積層状態のシートの下流には、溶剤を乾燥させる乾燥手段を設けるのが好ましい。この乾燥手段としては、特に制限はなく、公知の乾燥方法、たとえば、温風や熱風による乾燥、脱湿風による乾燥、等が挙げられる。
ディスペンサ42、44及び46はX方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸に取り付けられ、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができるようになっている。
これらのディスペンサ42、44及び46より溶剤を積層体周縁の被接合箇所に供給し、積層体を搬送しながら下流のプレスローラ(ガイドローラG)により積層体の周縁を接合する。
ディスペンサ42、44及び46の下流の打ち抜きプレス装置48は、積層体の周縁を製品サイズに裁断する装置である。この打ち抜きプレス装置48では、接着された部分の中心部分に刃物が入るようにすることにより、打抜かれたシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の全片又は任意の片の端部分だけが接着された複合シートを得ることができる。
以上の工程を経ることにより、ディスプレイ用光学シート10(図1参照)が形成される。裁断及び接合されたディスプレイ用光学シート10は、コンベア26上に搬送されて停止する。コンベア26上のディスプレイ用光学シート10は吸着横移載装置28により
集積装置32上に順次重ねられる。
集積装置32上に順次重ねられる。
一方、打ち抜きプレス装置48によりディスプレイ用光学シート10が打ち抜かれたシートの積層体34は、巻き取り装置(詳細は不図示)の巻き取りロール36に巻き取られる。
以上のディスプレイ用光学シートの製造方法によれば、以下の1)〜3)の効果が得られる。
1)傷故障削減効果
レンズシート(第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果もあることより、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1の拡散シート12、第2の拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことからレンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)、及び第2実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)においてその効果が大きい。
レンズシート(第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果もあることより、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1の拡散シート12、第2の拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことからレンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)、及び第2実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)においてその効果が大きい。
2)組立工数削減効果
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1の拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2の拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、第1の製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1の拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2の拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、第1の製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
3)保護シートの削減効果
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本発明品は、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本発明品は、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
具体的には、第4実施形態のディスプレイ用光学シート40(図4参照)、及び第6実施形態のディスプレイ用光学シート60(図6参照)において保護シートを1枚削減でき、第3実施形態のディスプレイ用光学シート30(図3参照)において保護シートを2枚削減でき、第2実施形態のディスプレイ用光学シート20(図2参照)、及び第5実施形態のディスプレイ用光学シート50(図5参照)において保護シートを3枚削減でき、第1実施形態のディスプレイ用光学シート10(図1参照)において保護シートを4枚削減できる。
次に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18の積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置について説明する。
図8は、本発明の製造方法において、積層体より打抜かれるシート(ディスプレイ用光学シート10〜60)の平面配置を説明する図である。
図8において、(A)は、積層体の搬送方向に対して平行及び直交する方向に接合(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示し、(B)は、積層体の搬送方向に対して斜め方向に接合(接合工程)及び打ち抜き(裁断工程)を行う状態を示す。図において、積層体より打抜かれるシートの周縁部の点は、接合箇所を示す。
以上、説明したように、本発明によれば、ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造することができる。
また、本発明によれば、以下の効果も得られる。
1)コストの削減、薄型化による製品価値の向上
大型液晶テレビに用いられる光学シートは剛性が必要なため、支持体の厚さをそれぞれ従来より2倍程度に厚くしたものが用いられている。しかしながら、本発明による光学シートは、シートを複合化したものであるため、それぞれの厚さを厚くせずとも充分に剛性を持たせることができ、各層の厚さを減らすことができる。
大型液晶テレビに用いられる光学シートは剛性が必要なため、支持体の厚さをそれぞれ従来より2倍程度に厚くしたものが用いられている。しかしながら、本発明による光学シートは、シートを複合化したものであるため、それぞれの厚さを厚くせずとも充分に剛性を持たせることができ、各層の厚さを減らすことができる。
2)集光効果の低減防止による性能の向上
レンズシートの傷付き防止(傷を目立たなくする目的)のために、裏面をマット処理している製品もある。本発明による光学シートではその必要がなく、生産コストが削減できるのみならず、マット処理による集光効果低減防止が可能であり、性能が向上する。
レンズシートの傷付き防止(傷を目立たなくする目的)のために、裏面をマット処理している製品もある。本発明による光学シートではその必要がなく、生産コストが削減できるのみならず、マット処理による集光効果低減防止が可能であり、性能が向上する。
以上、本発明に係るディスプレイ用光学シートの製造方法の実施形態の各例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態の例では、溶剤の供給手段としてディスペンサ42、44及び46を使用したが、これ以外の公知の液供給手段、たとえばインクジェットプリンタと同様の構成の液噴射手段(液供給手段)等も使用できる。
また、本実施形態の例では、いずれの場合においても第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16のプリズムが上向きになっているが、このプリズムを下向きにして積層することもできる。
また、ディスプレイ用光学シートの層構成も実施形態の例に限定されるものではなく、たとえば、保護シートを上下面に積層することもできる。
以上のような構成であっても、本実施形態と同様に作用し、同様の効果が得られるからである。
[プリズムシートの作成]
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に使用するプリズムシートを作成した。このプリズムシートは、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に共通して使用する。
・樹脂液の調整
図9の表に示す化合物を記載の重量比にて混合し、50°Cに加熱して撹拌溶解し、樹脂液を得た。なお、各化合物の名称と内容は以下の通りである。
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に使用するプリズムシートを作成した。このプリズムシートは、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16に共通して使用する。
・樹脂液の調整
図9の表に示す化合物を記載の重量比にて混合し、50°Cに加熱して撹拌溶解し、樹脂液を得た。なお、各化合物の名称と内容は以下の通りである。
EB3700:エベクリル3700、ダイセルUC(株)製、
ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、
(粘度:2200mPa・s/65°C)
BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製、
エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル、
(粘度:590mPa・s/25°C)
BR−31 :ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬工業(株)製、
トリブロモフェノキシエチルアクリレート、
(常温で固体、融点50°C以上)
LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製の北ラジカル発生剤、
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
MEK :メチルエチルケトン
図10に示される構成のプリズムシートの製造装置を使用してプリズムシートの製造を行った。
ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、
(粘度:2200mPa・s/65°C)
BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製、
エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル、
(粘度:590mPa・s/25°C)
BR−31 :ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬工業(株)製、
トリブロモフェノキシエチルアクリレート、
(常温で固体、融点50°C以上)
LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製の北ラジカル発生剤、
エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
MEK :メチルエチルケトン
図10に示される構成のプリズムシートの製造装置を使用してプリズムシートの製造を行った。
シートWとして、幅500mm、厚さ100μmの透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)のフィルムを使用した。
エンボスローラ83として、長さ(シートWの幅方向)が700mm、直径が300mmのS45C製で表面の材質をニッケルとしたローラを使用した。ローラの表面の略500mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用した切削加工により、ローラ軸方向のピッチが50μmの溝を形成した。溝の断面形状は、頂角が90度の三角形状で、溝の底部も平坦部分のない90度の三角形状である。すなわち、溝幅は50μmであり、溝深さは約25μmである。この溝は、ローラの周方向に継ぎ目がないエンドレスとなるので、このエンボスローラ83により、シートWに断面が三角形のレンチキュラーレンズ(プリズムシート)が形成できる。ローラの表面には、溝加工後にニッケルメッキを施した。
塗布手段82として、エクストルージョンタイプの塗布ヘッド82Cを用いたダイコータを使用した。塗布手段82のうち、82Aは塗布液タンクであり、82Bはポンプである。
塗布液F(樹脂液)として、既述の図9の表に記載した組成の液を使用した。塗布液F(樹脂)の湿潤状態の厚さは有機溶剤乾燥後の膜厚が20μmになるように、塗布ヘッド82Cへの各塗布液Fの供給量を、供給装置82Bにより制御した。
乾燥手段89として熱風循環式の乾燥装置を用いた。熱風の温度は100°Cとした。
ニップローラ84として、直径が200mmで、表面にゴム硬度が90のシリコンゴムの層を形成したローラを使用した。エンボスローラ83とニップローラ84とでシートWを押圧するニップ圧(実効のニップ圧)は、0.5Paとした。
樹脂硬化手段85として、メタルハライドランプを使用し、1000mJ/cm2のエネルギーで照射を行った。
以上により、凹凸パタ−ンが形成されたプリズムシートを得た。
[第1の拡散シート12の作成]
下塗り層、バックコート層、光拡散層の順に、以下の方法により各層を形成することにより、第1の拡散シート12(下用拡散シート)を作製した。
・下塗り層
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の片面に、下記組成の下塗り層用塗布液としてのA液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が1.5μmの下塗り層を得た。
[第1の拡散シート12の作成]
下塗り層、バックコート層、光拡散層の順に、以下の方法により各層を形成することにより、第1の拡散シート12(下用拡散シート)を作製した。
・下塗り層
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の片面に、下記組成の下塗り層用塗布液としてのA液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が1.5μmの下塗り層を得た。
(下塗り層用塗布液)
メタノール 4165g
ジュリマーSP−50T(日本純薬社製) 1495g
シクロヘキサノン 339g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 1.85g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・バックコート層
前記支持体の、下塗り層を塗布した反対側の面に、下記組成のバックコート層用塗布液としてのB液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が2.0μmのバックコート層を得た。
メタノール 4165g
ジュリマーSP−50T(日本純薬社製) 1495g
シクロヘキサノン 339g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 1.85g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・バックコート層
前記支持体の、下塗り層を塗布した反対側の面に、下記組成のバックコート層用塗布液としてのB液を、ワイヤーバー(ワイヤーサイズ:#10)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、膜厚が2.0μmのバックコート層を得た。
(バックコート層用塗布液)
メタノール 4171g
ジュリマーSP−65T(日本純薬社製) 1487g
シクロヘキサノン 340g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 2.68g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・光拡散層
上記で作成した支持体の下塗り層側に、下記組成の光拡散層用塗布液としてのC液を、ワイターバー(ワイヤーサイズ:#22)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、光拡散層を得た。なお、後述するが、この光拡散層は、C液を調製した直後に塗布したものと、C液を調整して2時間静置した後に塗布したものとをそれぞれ得た。
メタノール 4171g
ジュリマーSP−65T(日本純薬社製) 1487g
シクロヘキサノン 340g
ジュリマーMB−1X(日本純薬社製) 2.68g
(有機粒子:ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径6.2μmの球状超微粒子)
・光拡散層
上記で作成した支持体の下塗り層側に、下記組成の光拡散層用塗布液としてのC液を、ワイターバー(ワイヤーサイズ:#22)で塗布し、120°Cで2分間乾燥させて、光拡散層を得た。なお、後述するが、この光拡散層は、C液を調製した直後に塗布したものと、C液を調整して2時間静置した後に塗布したものとをそれぞれ得た。
(光拡散層用塗布液)
シクロヘキサノン 20.84g
ディスパロンPFA−230 固形分濃度20質量% 0.74g
(粒子沈降防止剤:脂肪酸アミド、楠本化成社製)
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−117、三菱レーヨン社製)20質量%メチルエチルケトン溶液 17.85g
ジュリマーMB−20X(日本純薬社製) 11.29g
(有機粒子;ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径18μmの球状超微粒子)
F780F(大日本インキ社製) 0.03g
(メチルエチルケトン 30質量%溶液)
[第2の拡散シート18の作成]
上記の第1の拡散シート12の光拡散層のジュリマーMB−20Xの添加量を11.29gから、1.13gに変更した以外は、上記の第1の拡散シート12と同一の条件及び同一のフローで第2の拡散シート18(上用拡散シート)を作製した。
[ディスプレイ用光学シート10の作成:実施例]
以上の各シートを使用し、既述の図1に示される、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなるディスプレイ用光学シート10(光学シートのモジュール)を作成した。
シクロヘキサノン 20.84g
ディスパロンPFA−230 固形分濃度20質量% 0.74g
(粒子沈降防止剤:脂肪酸アミド、楠本化成社製)
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−117、三菱レーヨン社製)20質量%メチルエチルケトン溶液 17.85g
ジュリマーMB−20X(日本純薬社製) 11.29g
(有機粒子;ポリメチルメタクリレート架橋タイプ、重量平均粒子径18μmの球状超微粒子)
F780F(大日本インキ社製) 0.03g
(メチルエチルケトン 30質量%溶液)
[第2の拡散シート18の作成]
上記の第1の拡散シート12の光拡散層のジュリマーMB−20Xの添加量を11.29gから、1.13gに変更した以外は、上記の第1の拡散シート12と同一の条件及び同一のフローで第2の拡散シート18(上用拡散シート)を作製した。
[ディスプレイ用光学シート10の作成:実施例]
以上の各シートを使用し、既述の図1に示される、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなるディスプレイ用光学シート10(光学シートのモジュール)を作成した。
製造装置としては、既述の図7に示されるディスプレイ用光学シート製造ライン21を使用した。溶剤としてジオキソランを使用した。ディスペンサ42、44及び46よりの溶剤の供給量は、塗布膜厚が5μmになるように制御した。溶剤の塗布箇所(接合箇所)は、ディスプレイ用光学シート10の4周の4辺とした。
溶剤を塗布して積層させたシートを60°Cの熱風により乾燥させた後に、打ち抜きプレス装置48によりこの積層体の周縁を製品サイズに裁断した。
[ディスプレイ用光学シートの作成:比較例]
以上の各シート(第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18)を使用し、各シートを個別に製品サイズに切り抜き、その後、各シートを順に1枚ずつ積層、接合する方式でディスプレイ用光学シートを作成した。溶剤や接着剤による固定は行わなかった。
[ディスプレイ用光学シートの評価]
実施例及び比較例のディスプレイ用光学シートをそれぞれ100セット、液晶デバイスに組み込んで、傷故障の有無を評価した。傷による輝線が目視で確認された場合はNGとした。
[ディスプレイ用光学シートの作成:比較例]
以上の各シート(第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18)を使用し、各シートを個別に製品サイズに切り抜き、その後、各シートを順に1枚ずつ積層、接合する方式でディスプレイ用光学シートを作成した。溶剤や接着剤による固定は行わなかった。
[ディスプレイ用光学シートの評価]
実施例及び比較例のディスプレイ用光学シートをそれぞれ100セット、液晶デバイスに組み込んで、傷故障の有無を評価した。傷による輝線が目視で確認された場合はNGとした。
実施例の100セットのうち、NGは1セットのみであった。これに対し、比較例の100セットのうち、NGは24セットであった。以上の比較結果より、本発明の実施例によれば、大幅に傷故障を削減できることを確認した。
10、20、30、40…ディスプレイ用光学シート、12…第1の拡散シート、14…第1のプリズムシート、16…第2のプリズムシート、18…第2の拡散シート
Claims (7)
- シートの平面サイズが製品サイズ以上である2枚以上の光学シートを積層する積層工程と、
前記光学シート同士を少なくとも1以上の接合箇所において溶剤により接合する接合工程と、
前記光学シートの積層体の周縁を製品サイズに裁断する裁断工程と、
を備えることを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。 - シートの平面サイズが製品サイズ以上であり、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートの少なくとも1枚に対し、シートの平面サイズが製品サイズ以上である光学シートを該レンズシートの表面及び/又は裏面に配して積層する積層工程と、
前記レンズシートと前記光学シートとを少なくとも1以上の接合箇所において溶剤により接合する接合工程と、
前記光学シートとレンズシートとの積層体の周縁を製品サイズに裁断する裁断工程と、
を備えることを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。 - シートの平面サイズが製品サイズ以上であり、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートの2枚を、前記凸状レンズの軸が略直交する向きで積層し、シートの平面サイズが製品サイズ以上である光学シートを前記レンズシートの積層体の表面及び/又は裏面に配して積層する積層工程と、
前記レンズシート同士及び前記レンズシートと前記光学シートとを少なくとも1以上の接合箇所において溶剤により接合する接合工程と、
前記光学シートとレンズシートとの積層体の周縁を製品サイズに裁断する裁断工程と、
を備えることを特徴とするディスプレイ用光学シートの製造方法。 - 前記接合箇所が光学シート製品の周縁の少なくとも1辺に該当することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
- 前記接合箇所が光学シート製品の周縁の4辺に該当することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
- 前記接合箇所を光学シート製品の周縁より20mm以内に設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
- 前記接合箇所をシート面に対し凸状に形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスプレイ用光学シートの製造方法。
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JP2005264454A JP2007078881A (ja) | 2005-09-12 | 2005-09-12 | ディスプレイ用光学シートの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018516381A (ja) * | 2015-04-03 | 2018-06-21 | エルエムエス カンパニー リミテッドLms Co., Ltd. | 光学シート及びこれを備えたバックライトユニット |
-
2005
- 2005-09-12 JP JP2005264454A patent/JP2007078881A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018516381A (ja) * | 2015-04-03 | 2018-06-21 | エルエムエス カンパニー リミテッドLms Co., Ltd. | 光学シート及びこれを備えたバックライトユニット |
US10996500B2 (en) | 2015-04-03 | 2021-05-04 | Lms Co., Ltd | Optical sheet and backlight unit having same |
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