JP2007078445A - 質量特性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価な構成で質量特性を測定できる質量特性測定装置を提供する。
【解決手段】 測定対象物である自動車の前後左右の各タイヤがそれぞれ載せられる水平なテーブル1A〜1Dと、各テーブル1A〜1Dをそれぞれ鉛直方向に沿う上下方向に昇降させる加振機2A〜2Dと、各テーブル1A〜1Dを各加振機2A〜2Dに対してそれぞれ水平方向に沿う前後方向及び左右方向にスライド可能にするスライダ3A〜3Dと、各テーブル1A〜1Dにそれぞれ加わる上下方向の荷重、前後方向の荷重及び左右方向の荷重を個別に計測する荷重計4A〜4Dと、各加振機2A〜2Dにそれぞれ設けられ各テーブル1A〜1Dの変位を計測する変位計5A〜5Dと、演算装置7を含む制御装置6と、を備える。演算装置7は各荷重計4A〜4D、各変位計5A〜5Dからの出力に基いて質量特性を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車やその他構造物に特有の質量特性を測定する質量特性測定装置に関する。
質量特性とは、物体が有する重量、重心位置、慣性モーメントの総称であり、この質量特性を把握することは構造物の最適化を図るために極めて重要である。特に、自動車の場合は、その質量特性が走行性能や乗り心地等の定量的な評価に用いられることから、質量特性の測定は欠かせない。
従来一般には、質量特性の測定は、振り子方式の測定装置によって行われる(例えば特許文献1参照)。この測定装置では、荷重計からの出力に基いて測定対象物である自動車の重量(車重)、前後方向の重心位置、左右方向の重心位置及び上下方向の重心位置を算出する。次いで、その重心位置を通るピッチ軸を支軸として吊り上げた自動車を振り子のように前後に自由振動させ、自由振動が安定した後に、加速度センサ及び角度計からの出力に基いてピッチ軸周りの慣性モーメントを算出する。そして今度は、重心位置を通るロール軸を支軸として吊り上げた自動車を振り子のように左右に自由振動させ、自由振動が安定した後に、加速度センサ及び角度計からの出力に基いてロール軸周りの慣性モーメントを算出する。こうして質量特性を測定するようになっている。
また、別の手法として、加振方式の測定装置がある(例えば特許文献2、3参照)。この測定装置では、測定対象物が載せられた台に前後方向、左右方向及び上下方向から油圧シリンダ等の加振機によって振動が与えられ、台と共に測定対象物を振動させる。そして、各加振機の加振力、及び加速度センサからの出力に基いて質量特性を算出するようになっている。
特開平8−62083号公報 特開平11−166877号公報 特開平11−295183号公報
しかし、上記した従来の質量特性測定装置では、いずれも、高価な加速度センサを必要とすることから、測定装置自体の価格が高くならざるを得ない。そうすると、測定装置を使用するユーザにとっては負担が大きくなるという問題がある。しかも、加速度センサを用いる場合には、適正な位置に正確な角度で加速度センサを取り付けることが要求されるため、その取付けには極めて慎重性を有する大変な作業が強いられる。
これに加え、振り子方式の質量特性測定装置では、慣性モーメントを測定する際、自由振動が安定するまで測定が待たされることから、測定の所要時間が必然的に長くなるという不都合も生じる。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、安価な構成で質量特性を測定できる質量特性測定装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明による質量特性測定装置は、測定対象物である自動車の前後左右の各タイヤがそれぞれ載せられる水平なテーブルと、各テーブルをそれぞれ鉛直方向に沿う上下方向に昇降させる加振機と、各テーブルを各加振機に対してそれぞれ水平方向に沿う前後方向及び左右方向にスライド可能にするスライダと、各テーブルにそれぞれ加わる上下方向の荷重、前後方向の荷重及び左右方向の荷重を個別に計測する荷重計と、各加振機にそれぞれ設けられ各テーブルの変位を計測する変位計と、各加振機、各荷重計及び各変位計に接続され演算装置を含む制御装置と、を備える。
ここでの演算装置は、第1に、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、各テーブルが同一水平面上におかれた状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重に基いて自動車の重量、前後方向の重心位置及び左右方向の重心位置を算出する。第2に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルが後側の各テーブルよりも上昇した状態、又は後側の各テーブルが前側の各テーブルよりも上昇した状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて自動車の上下方向の重心位置を算出する。
第3に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルと後側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてピッチ軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて個々のピッチ軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントを算出する。第4に、左側の各スライダ又は右側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、左側の各テーブルと右側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてロール軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び左右方向の各荷重に基いて個々のロール軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて自動車のロール軸周りの慣性モーメントを算出する。
このようにすれば、特に慣性モーメントの測定に加速度センサのような高価なセンサが不要であるため、その結果として、測定装置自体の価格を抑えることが可能になる。また、慣性モーメントを測定する際、測定対象物である自動車に与える正弦波振動が各加振機による加振に起因するため、直ちに安定した正弦波振動となり、待ち時間なく測定が行える。
ここで、測定精度の向上を図る観点から、前記自動車の各タイヤについて車軸を中心とする回転を拘束し、前記自動車のサスペンションを拘束していることが好ましい。
この場合、簡便性を踏まえ、前記自動車のサスペンションの拘束は、各タイヤのタイヤホイールとボディとをバンドによって互いに締め上げることで行うとよい。
そしてこの場合、より測定精度の向上を図る観点から、前記演算装置は、前記自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントを算出する際、算出した前記自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントから、予め算出した前記バンドのピッチ軸周りの慣性モーメントを引いた値を、自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントとして採用するとよい。加えて、前記自動車のロール軸周りの慣性モーメントを算出する際、算出した前記自動車のロール軸周りの慣性モーメントから、予め算出した前記バンドのロール軸周りの慣性モーメントを引いた値を、自動車のロール軸周りの慣性モーメントとして採用するとよい。
また同様に、より測定精度の向上を図る観点から、前記演算装置は、前記ピッチ軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、静的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用するとよい。加えて、前記ロール軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、静的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用するとよい。
また同様に、より測定精度の向上を図る観点から、前記演算装置は、前記ピッチ軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、前記各荷重計の上に設置されてその各荷重計に荷重を与える治具の動的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用するとよい。加えて、前記ロール軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、前記各荷重計の上に設置されてその各荷重計に荷重を与える治具の動的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用するとよい。
また、上記目的を達成するための本発明による質量特性測定装置は、測定対象物が載せられ下面に前後に左右一対ずつの支持脚が突設されたプレートと、各支持脚の半球状の先端をそれぞれ支える水平なテーブルと、各テーブルをそれぞれ鉛直方向に沿う上下方向に昇降させる加振機と、各テーブルを各加振機に対してそれぞれ水平方向に沿う前後方向及び左右方向にスライド可能にするスライダと、各テーブルにそれぞれ加わる上下方向の荷重、前後方向の荷重及び左右方向の荷重を個別に計測する荷重計と、各加振機にそれぞれ設けられ各テーブルの変位を計測する変位計と、各加振機、各荷重計及び各変位計に接続され演算装置を含む制御装置と、を備える。
ここでの演算装置は、第1に、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、各テーブルが同一水平面上におかれた状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重に基いて測定対象物の重量、前後方向の重心位置及び左右方向の重心位置を算出する。第2に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルが後側の各テーブルよりも上昇した状態、又は後側の各テーブルが前側の各テーブルよりも上昇した状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて測定対象物の上下方向の重心位置を算出する。
第3に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルと後側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてピッチ軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて個々のピッチ軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて測定対象物のピッチ軸周りの慣性モーメントを算出する。第4に、左側の各スライダ又は右側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、左側の各テーブルと右側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてロール軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び左右方向の各荷重に基いて個々のロール軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて測定対象物のロール軸周りの慣性モーメントを算出する。
このようにすれば、特に慣性モーメントの測定に加速度センサのような高価なセンサが不要であるため、その結果として、測定装置自体の価格を抑えることが可能になる。また、慣性モーメントを測定する際、測定対象物に与える正弦波振動が各加振機による加振に起因するため、直ちに安定した正弦波振動となり、待ち時間なく測定が行える。
本発明の質量特性測定装置によれば、測定装置自体の価格を抑えることが可能になるため、測定装置を使用するユーザにとっては負担が軽くて済む。また、慣性モーメントを測定する際、待ち時間なく測定が行えるため、測定の所要時間が短くて済む。
以下に、本発明の質量特性測定装置の実施形態について図面を参照しながら詳述する。先ず、本発明の第1実施形態である質量特性測定装置について、その全体構成から説明する。図1は第1実施形態の質量特性測定装置の構成を模式的に示す斜視図、図2はその質量特性測定装置の構成を模式的に示す側面図、図3はその質量特性測定装置の構成を模式的に示す正面図である。なお、図1は後述する各実施形態に共通し、図2及び図3は後述する第2〜第4実施形態に共通する。
本実施形態での質量特性測定装置は、自動車を測定対象物とし、その重量(車重)、重心位置、ピッチ軸周りの慣性モーメント、ロール軸周りの慣性モーメントといった質量特性を測定するためのものである。図1〜図3に示すように、質量特性測定装置は、自動車20の前後左右の4つの各タイヤ21A、21B、21C、21Dがそれぞれ載せられる4つの水平なテーブル1A、1B、1C、1Dと、各テーブル1A〜1Dをそれぞれ下から支持し鉛直方向に沿う上下方向に昇降させる加振機2A、2B、2C、2Dを備える。加振機2A〜2Dとしては油圧シリンダが好適である。
各テーブル1A〜1Dとこれを支持する各加振機2A〜2Dとは、それぞれスライダ3A、3B、3C、3Dを介在して連結されていて、各テーブル1A〜1Dは、それぞれ各加振機2A〜2Dに対して、水平方向に沿う前後方向及び左右方向にスライド可能になっている。但し、各スライダ3A〜3Dは、個別に、各テーブル1A〜1Dのスライドを拘束する(各加振機に対して各テーブルをスライドさせない)ロック機構も有する。
各テーブル1A〜1Dと各スライダ3A〜3Dとの間には、自動車20の重量を受けて各テーブル1A〜1Dに加わる荷重を計測する荷重計4A、4B、4C、4Dが挟み込まれている。各荷重計4A〜4Dは、鉛直方向に沿う上下方向であるz方向の荷重はもとより、水平方向に沿う前後方向であるx方向の荷重、及び左右方向であるy方向の荷重を個別に計測することができる。荷重計4A〜4Dとしては水晶圧電型の3成分力センサが好適である。
各加振機2A〜2Dには、各テーブル1A〜1Dの昇降位置に相当する変位を計測する変位計5A、5B、5C、5Dが設けられている。各変位計5A〜5Dは、本質的には各加振機2A〜2Dの動作を制御するために、通常設けられるものである。変位計5A〜5Dとしては、差動トランスが好適である。
なお、各加振機2A〜2Dは、測定対象物となる自動車20のサイズに合わせて、各テーブル1A〜1D、各スライダ3A〜3D、荷重計4A、4B、4C、4D、及び各変位計5A〜5Dと一体で、水平方向に沿う前後方向及び左右方向に、その位置が調整可能になっている。
また、質量特性測定装置は、全体の動作を制御する制御装置6を備える。制御装置6には、信号線を介して、各加振機2A〜2D、各変位計5A〜5D、及び各荷重計4A〜4Dが接続されている。ここでの制御装置6は、各荷重計4A〜4Dや各変位計5A〜5Dからの出力を受け、これに基いて測定対象物である自動車20の質量特性を算出する演算装置7も含む。
このような質量特性測定装置による質量特性の測定手順とその動作について、引き続き説明する。最初に、初期状態として各テーブル1A〜1Dが全て同一水平面上となる最下降した位置にあり、各テーブル1A〜1D上に測定対象物である自動車20の各タイヤ21A〜21Dをそれぞれ載せる。
ここで、測定対象物である自動車20については、タイヤ21A〜21Dとボディとを一体の剛体として取り扱えるようにしておくことが重要である。後の測定で得られる質量特性の精度に悪影響するからである。
そのため、第1に、タイヤ21A〜21Dが車軸を中心に回らないようにその回転を拘束しておく。これは、フットブレーキをかけた状態がよく、フットブレーキのペダルを突っかい棒等で押さえ込んだままエンジンを止めることで実現できる。なお、タイヤ21A〜21Dの回転を拘束できる限り、例えばパーキングブレーキが4輪ともディスクブレーキ方式を採用する場合は、パーキングブレーキをかけることでも構わない。
第2に、上下方向のサスペンションが静止の状態から伸びないように、更に前後方向のサスペンションが静止の状態から伸縮しないように、サスペンションを拘束しておく。これは、タイヤホイールとボディとをバンドによって互いに締め上げることで実現できる。例えば図4に示すように、左右のドアの窓を開け、左右の前輪については、その各タイヤホイールに両端を掛けたバンド22Aを、開いた窓の枠から車内を通じて掛け渡して締め上げ、同じく各タイヤホイールに両端を掛けた別のバンド22Bを、フロントバンパ近くを掛け渡して締め上げる。他方左右の後輪については、その各タイヤホイールに両端を掛けたバンド22Cを、開いた窓の枠から車内を通じて掛け渡して締め上げ、同じく各タイヤホイールに両端を掛けた別のバンド22Dを、リアバンパ近くを掛け渡して締め上げる。このようにして簡単にサスペンションを拘束できる。なお、サスペンションを拘束できる限り、バンドの位置を変えたり、バンドの本数を増やしたりしても構わない。
このような準備が整った後、先ず、車重、前後方向の重心位置及び左右方向の重心位置の測定を行う。制御装置6からの指令により、各変位計5A〜5Dの出力がモニタされながら各加振機2A〜2Dが駆動されて、各テーブル1A〜1Dを全て一定量上昇させる。これにより、図5及び図6に示すように、測定対象物である自動車20は、水平姿勢の静止状態におかれる。
このように自動車20が水平姿勢で静止した状態で、演算装置7は各荷重計4A〜4Dから出力を受け、次式(1)により、自動車20の車重Mcを算出する。
Mc=F0z;Fr,Le+F0z;Fr,Ri+F0z;Re,Le+F0z;Re,Ri ・・・(1)
ここで、F0z;Fr,Leは、左前の荷重計4Aから出力されたz方向の荷重であり、F0z;Fr,Riは、右前の荷重計4Bから出力されたz方向の荷重であり、F0z;Re,Leは、左後の荷重計4Cから出力されたz方向の荷重であり、F0z;Re,Riは、右後の荷重計4Dから出力されたz方向の荷重である。
また、演算装置7は、次式(2)により、自動車20の前後方向(x方向)の重心位置Gxを算出する。ここでのx方向の原点は前輪の車軸の位置であって、前輪から後輪に向けて正方向とする。
Figure 2007078445
ここで、Clは、予め制御装置6内のメモリに登録された自動車20の前輪と後輪との距離であるホイールベースである。F0z;Reは、左後の荷重計4Cから出力されたz方向の荷重F0z;Re,Leと、右後の荷重計4Dから出力されたz方向の荷重F0z;Re,Riの和である。Mcは上記の式(1)より導かれる。
なお、上記の式(2)中のF0z;Reを算出するにあたっては、後側の各荷重計4C、4Dから出力されたz方向の各荷重F0z;Re,Le、F0z;Re,Riを直接用いても構わないが、「F0z;Re,Le+F0z;Re,Ri」が「Mc−(F0z;Fr,Le+F0z;Fr,Ri)」に相当するため、左前の荷重計4Aから出力されたz方向の荷重F0z;Fr,Le、及び右前の荷重計4Bから出力されたz方向の荷重F0z;Fr,Riを用いることも可能である。
もっとも、各荷重計4A〜4Dに出力誤差があろうことを考慮すれば、上記の式(2)中のF0z;Reとしては、「F0z;Re,Le+F0z;Re,Ri」と「Mc−(F0z;Fr,Le+F0z;Fr,Ri)」の平均を採用することが好ましい。
また、演算装置7は、次式(3)により、自動車20の左右方向(y方向)の重心位置Gyを算出する。ここでのy方向の原点は左輪と右輪との中心の位置であって、左輪から右輪に向けて正方向とする。
Figure 2007078445
ここで、Cwは、予め制御装置6内のメモリに登録された自動車20の左輪と右輪との距離であるトレッドである。F0z;Leは、左前の荷重計4Aから出力されたz方向の荷重F0z;Fr,Leと、左後の荷重計4Cから出力されたz方向の荷重F0z;Re,Leの和である。Mcは上記の式(1)より導かれる。
なお、上記の式(3)中のF0z;Leを算出するにあたっては、左側の各荷重計4A、4Cから出力されたz方向の各荷重F0z;Fr,Le、F0z;Re,Leを直接用いても構わないが、「F0z;Fr,Le+F0z;Re,Le」が「Mc−(F0z;Fr,Ri+F0z;Re,Ri)」に相当するため、右前の荷重計4Bから出力されたz方向の荷重F0z;Fr,Ri、及び右後の荷重計4Dから出力されたz方向の荷重F0z;Re,Riを用いることも可能である。
もっとも、各荷重計4A〜4Dに出力誤差があろうことを考慮すれば、上記の式(3)中のF0z;Leとしては、「F0z;Fr,Le+F0z;Re,Le」と「Mc−(F0z;Fr,Ri+F0z;Re,Ri)」の平均を採用することが好ましい。
このようにして算出された車重Mc、前後方向の重心位置Gx、及び左右方向の重心位置Gyは、制御装置6内のメモリに記録される。
続いて、上下方向の重心位置の測定を行う。制御装置6からの指令により、各変位計5A〜5Dの出力がモニタされながら、前側の左右の各加振機2A、2Bが互いに同期しつつ、他方後側の左右の各加振機2C、2Dが互いに同期するように駆動されて、前側の左右の各テーブル1A、1Bを一定量下降させるとともに、後側の左右の各テーブル1C、1Dを一定量上昇させる。これにより、図7に示すように、測定対象物である自動車20は、その後側が持ち上げられた前傾姿勢の静止状態におかれる。
ここでの自動車20の傾斜角度θ0は、3〜10度(Degrees)程度で可能な限り大きい方がよく、7〜9度程度が好適である。傾斜角度θ0は、次式(4)により導かれる。
Figure 2007078445
ここで、Hθ0;Frは、左前の変位計5Aから出力された変位と、右前の変位計5Bから出力された変位の平均であり、Hθ0;Reは、左後の変位計5Cから出力された変位と、右後の変位計5Dから出力された変位の平均である。
なお、前側の各テーブル1A、1Bは停止させたまま、後側の各テーブル1C、1Dのみを一定量上昇させてもよい。逆に、後側の各テーブル1C、1Dは停止させたまま、前側の各テーブル1A、1Bのみを一定量下降させてもよい。
但し、その際、前側の左右の各スライダ3A、3Bはロックされ、他方後側の左右の各スライダ3C、3Dはロックが解除されている。従って、自動車20の前輪である各タイヤ21A、21Bが載せられた前側の左右の各テーブル1A、1Bは、下降に伴い各加振機2A、2Bに対して全くスライドしない。一方、自動車20の後輪である各タイヤ21C、21Dが載せられた後側の左右の各テーブル1C、1Dは、上昇に伴って前側の各テーブル1A、1Bと同一水平面上からずれるに従い、載せた後輪の各タイヤ21C、21Dとともに各加振機2C、2Dに対して前方に若干スライドする。
なお、これとは逆に、後側の各スライダ3C、3Dをロックし、他方前側の各スライダ3A、3Bのロックを解除しても構わない。この場合、後輪の各タイヤ21C、21Dが載せられた後側の各テーブル1C、1Dは、上昇に伴い各加振機2C、2Dに対して全くスライドしない一方、前輪の各タイヤ21A、21Bが載せられた前側の各テーブル1A、1Bは、下降に伴って後側の各テーブル1C、1Dと同一水平面上からずれるに従い、載せた前輪の各タイヤ21A、21Bとともに各加振機2A、2Bに対して後方に若干スライドすることになる。
いずれにしても、前側の左右の各スライダ3A、3B、後側の左右の各スライダ3C、3Dのいずれか一方はロックし、他方はロックを解除しておく。その選択にあたっては、ロックが解除された側の各スライダが円滑にスライドできることを考慮する。例えば、エンジンが前寄りに搭載されて前後方向の重心位置Gxが後輪よりも前輪に近い自動車20の場合、その重心位置Gxから離れた側である後輪の各タイヤ21C、21Dが載せられた各テーブルのスライダ、すなわち後側の各スライダ3C、3Dのロックを解除するとよい。後側の各テーブル1C、1Dの方が、前側の各テーブル1A、1Bよりも加わる荷重が小さいため、スライドの抵抗が小さくスライドし易いからである。
このように自動車20が傾斜角度θ0の前傾姿勢で静止した状態で、演算装置7は各荷重計4A〜4Dから出力を受け、次式(5)により、自動車20の上下方向(z方向)の重心位置Gzを算出する。ここでのz方向の原点は前輪の車軸の位置であって、鉛直上方に向けて正方向とする。
Figure 2007078445
ここで、Fθ0z;Reは、左後の荷重計4Cから出力されたz方向の荷重Fθ0z;Re,Leと、右後の荷重計4Dから出力されたz方向の荷重Fθ0z;Re,Riの和である。Fθ0x;Reは、左後の荷重計4Cから出力されたx方向の荷重Fθ0x;Re,Leと、右後の荷重計4Dから出力されたx方向の荷重Fθ0x;Re,Riの和であり、スライドする各スライダ3C、3Dに生じる摩擦抵抗の合計に相当する。Thは、予め制御装置6内のメモリに登録された自動車20の各タイヤ21A〜21Dの車軸から各テーブル1A〜1D上の接地面までの距離であり、各タイヤ21A〜21Dが自動車20の重量を受けて変形した分各タイヤ21A〜21Dの半径よりも若干小さい。Cl、Mc及びGxは制御装置6内のメモリから読み出され、θ0は上記の式(4)より導かれる。
なお、上記の式(5)中のFθ0z;Reを算出するにあたっては、後側の各荷重計4C、4Dから出力されたz方向の各荷重Fθ0z;Re,Le、Fθ0z;Re,Riを直接用いても構わないが、「Fθ0z;Re,Le+Fθ0z;Re,Ri」が「Mc−(Fθ0z;Fr,Le+Fθ0z;Fr,Ri)」に相当するため、左前の荷重計4Aから出力されたz方向の荷重Fθ0z;Fr,Le、及び右前の荷重計4Bから出力されたz方向の荷重Fθ0z;Fr,Riを用いることも可能である。
もっとも、各荷重計4A〜4Dに出力誤差があろうことを考慮すれば、上記の式(5)中のFθ0z;Reとしては、「Fθ0z;Re,Le+Fθ0z;Re,Ri」と「Mc−(Fθ0z;Fr,Le+Fθ0z;Fr,Ri)」の平均を採用することが好ましい。
ところで、上記した上下方向の重心位置Gzの測定では、測定対象物である自動車20について、その後側を持ち上げた前傾姿勢としたが、これとは逆に、その前側を持ち上げた後傾姿勢としても構わない。この場合、水平状態から、前側の左右の各テーブル1A、1Bを一定量上昇させるとともに、後側の左右の各テーブル1C、1Dを一定量下降させることになる。勿論、前側の各テーブル1A、1Bは停止させたまま、後側の各テーブル1C、1Dのみを一定量下降させてもよいし、逆に、後側の各テーブル1C、1Dは停止させたまま、前側の各テーブル1A、1Bのみを一定量上昇させてもよい。
このような後傾姿勢の場合も、上記の式(5)により、自動車20の上下方向の重心位置Gzを算出できる。
もっとも、前傾姿勢での測定の後に、後傾姿勢での測定を続いて行い、上記の式(5)より得られた両者の値の平均を、上下方向の重心位置Gzに採用することが好ましい。測定精度の向上が図れるからである。
このようにして算出された上下方向の重心位置Gzは、制御装置6内のメモリに記録される。
続いて、y軸と平行で測定対象物である自動車20の重心位置Gx、Gy、Gzを通るピッチ軸の周りの慣性モーメントの測定を行う。制御装置6からの指令により、各変位計5A〜5Dの出力がモニタされながら、前側の左右の各加振機2A、2Bが互いに同期しつつ、他方後側の左右の各加振機2C、2Dが互いに同期するように駆動される。但し、ここでは、前側の各加振機2A、2Bと、後側の各加振機2C、2Dとは、互いに周期が同じで逆位相の正弦波で加振され、前側の左右の各テーブル1A、1Bと、後側の左右の各テーブル1C、1Dとを、正弦波振動の態様で互いに相反して昇降させる。これにより、図8に示すように、測定対象物である自動車20は、その前側と後側とが互いに相反して繰り返し昇降する正弦波振動の状態におかれる。
ここでの自動車20の振動周波数、すなわち各加振機2A〜2Dの加振周波数は、0.3〜0.7[Hz]程度が好適であり、好ましくは0.4〜0.6[Hz]程度である。小さ過ぎると、各荷重計4A〜4Dでの計測が困難になり、逆に大き過ぎると、固有振動数が1〜2[Hz]程度である自動車20のサスペンションと共振を引き起こしてしまうからである。
また、各加振機2A〜2Dの加振振幅は、加速度が0.03〜0.1G程度となるように、50〜100mm程度が好適である。
但し、その際、上記した上下方向の重心位置Gzの測定時と同様に、前側の左右の各スライダ3A、3Bはロックされ、他方後側の左右の各スライダ3C、3Dはロックが解除されている。従って、自動車20の前輪である各タイヤ21A、21Bが載せられた前側の左右の各テーブル1A、1Bは、昇降に伴い各加振機2A、2Bに対して全くスライドしない。一方、自動車20の後輪である各タイヤ21C、21Dが載せられた後側の左右の各テーブル1C、1Dは、昇降に伴って前側の各テーブル1A、1Bと同一水平面上からずれるに従い、載せた後輪の各タイヤ21C、21Dとともに各加振機2C、2Dに対して前方に若干スライドを繰り返す。
なお、これとは逆に、後側の各スライダ3C、3Dをロックし、他方前側の各スライダ3A、3Bのロックを解除しても構わないが、いずれにしても、その選択にあたっては、上記した上下方向の重心位置Gzの測定時で述べた通り、ロックが解除された側の各スライダが円滑にスライドできることを考慮する。
このように自動車20が正弦波振動している状態で、演算装置7は各荷重計4A〜4D及び各変位計5A〜5Dから出力を受け、次の変換式(6)により、ピッチ軸周りの角加速度Aθを算出する。
Figure 2007078445
ここで、νθは、各加振機2A〜2Dの加振周波数である。θは、自動車20のピッチ方向での傾斜角度であり、次式(7)により導かれる。
Figure 2007078445
ここで、Hθ;Frは、左前の変位計5Aから出力された変位と、右前の変位計5Bから出力された変位の平均であり、Hθ;Reは、左後の変位計5Cから出力された変位と、右後の変位計5Dから出力された変位の平均である。Clは制御装置6内のメモリから読み出される。
更に、演算装置7は、上記の変換式(6)より得られた角加速度Aθを周波数変換する。
一方、それと併せて、演算装置7は、次の変換式(8)により、荷重計4A〜4Dごとの個々のピッチ軸周りのモーメントMθを算出する。
Figure 2007078445
ここで、Fθx、Fθy、Fθzは、それぞれ荷重計4A〜4Dごとに出力されたx方向、y方向、z方向の荷重である。Gx及びGzは制御装置6内のメモリから読み出され、θは上記の式(7)より導かれる。なお、ここでは、FθyはモーメントMθの算出に実質寄与しないことになる。
更に、演算装置7は、上記の変換式(8)より得られた荷重計4A〜4DごとのモーメントMθを合計し、合計したモーメントSumMθを周波数変換する。
そして、演算装置7は、周波数変換した角加速度Aθ、及び周波数変換したピッチ軸周りのモーメントSumMθから、次の伝達関数(9)により、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPを導出する。
P・Aθ=SumMθ ・・・(9)
このようにして導出されたピッチ軸周りの慣性モーメントIPは、制御装置6内のメモリに記録される。
なお、その慣性モーメントIPには、微小ではあるが、自動車20のサスペンションを拘束しているバンド22A〜22Dの慣性モーメントも含まれている。そこで、そのバンド22A〜22Dのピッチ軸周りの慣性モーメントを予め算出して制御装置6内のメモリに登録しておき、導出されたピッチ軸周りの慣性モーメントからそのバンド22A〜22Dの慣性モーメントを差し引いた値を、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPに採用することが好ましい。
続いて、x軸と平行で測定対象物である自動車20の重心位置Gx、Gy、Gzを通るロール軸の周りの慣性モーメントの測定を行う。制御装置6からの指令により、各変位計5A〜5Dの出力がモニタされながら、左側の前後の各加振機2A、2Cが互いに同期しつつ、他方右側の前後の各加振機2B、2Dが互いに同期するように駆動される。但し、ここでは、左側の各加振機2A、2Cと、右側の各加振機2B、2Dとは、互いに周期が同じで逆位相の正弦波で加振され、左側の前後の各テーブル1A、1Cと、右側の前後の各テーブル1B、1Dとを、正弦波振動の態様で互いに相反して昇降させる。これにより、図9に示すように、測定対象物である自動車20は、その左側と右側とが互いに相反して繰り返し昇降する正弦波振動の状態におかれる。
ここでの自動車20の振動周波数、すなわち各加振機2A〜2Dの加振周波数は、上記したピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定時と同様に、0.3〜0.7[Hz]程度が好適であり、好ましくは0.4〜0.6[Hz]程度である。
また、同様に、各加振機2A〜2Dの加振振幅は、加速度が0.03〜0.1G程度となるように、50〜100mm程度が好適である。
但し、その際、左側の前後の各スライダ3A、3Cはロックされ、他方右側の前後の各スライダ3B、3Dはロックが解除されている。従って、自動車20の左輪である各タイヤ21A、21Cが載せられた左側の前後の各テーブル1A、1Cは、昇降に伴い各加振機2A、2Cに対して全くスライドしない。一方、自動車20の右輪である各タイヤ21B、21Dが載せられた右側の前後の各テーブル1B、1Dは、昇降に伴って左側の各テーブル1A、1Cと同一水平面上からずれるに従い、載せた右輪の各タイヤ21B、21Dとともに各加振機2B、2Dに対して左方に若干スライドを繰り返す。
なお、これとは逆に、右側の各スライダ3B、3Dをロックし、他方左側の各スライダ3A、3Cのロックを解除しても構わない。この場合、右輪の各タイヤ21B、21Dが載せられた右側の各テーブル1B、1Dは、昇降に伴い各加振機2B、2Dに対して全くスライドしない一方、左輪の各タイヤ21A、21Cが載せられた左側の各テーブル1A、1Cは、昇降に伴って右側の各テーブル1B、1Dと同一水平面上からずれるに従い、載せた左輪の各タイヤ21A、21Cとともに各加振機2A、2Cに対して右方に若干スライドを繰り返すことになる。
いずれにしても、左側の前後の各スライダ3A、3C、右側の前後の各スライダ3B、3Dのいずれか一方はロックし、他方はロックを解除しておく。その選択にあたっては、ロックが解除された側の各スライダが円滑にスライドできることを考慮する。例えば、左右方向の重心位置Gyが右輪よりも左輪に近い自動車20の場合、その重心位置Gyから離れた側である右輪の各タイヤ21B、21Dが載せられた各テーブルのスライダ、すなわち右側の各スライダ3B、3Dのロックを解除するとよい。右側の各テーブル1B、1Dの方が、左側の各テーブル1A、1Cよりも加わる荷重が小さいため、スライドの抵抗が小さくスライドし易いからである。
このように自動車20が正弦波振動している状態で、演算装置7は各荷重計4A〜4D及び各変位計5A〜5Dから出力を受け、次の変換式(10)により、ロール軸周りの角加速度Aφを算出する。
Figure 2007078445
ここで、νφは、各加振機2A〜2Dの加振周波数である。φは、自動車20のロール方向での傾斜角度であり、次式(11)により導かれる。
Figure 2007078445
ここで、Hφ;Leは、左前の変位計5Aから出力された変位と、左後の変位計5Cから出力された変位の平均であり、Hφ;Riは、右前の変位計5Bから出力された変位と、右後の変位計5Dから出力された変位の平均である。Cwは制御装置6内のメモリから読み出される。
更に、演算装置7は、上記の変換式(10)より得られた角加速度Aφを周波数変換する。
一方、それと併せて、演算装置7は、次の変換式(12)により、荷重計4A〜4Dごとの個々のロール軸周りのモーメントMφを算出する。
Figure 2007078445
ここで、Fφx、Fφy、Fφzは、それぞれ荷重計4A〜4Dごとに出力されたx方向、y方向、z方向の荷重である。Gy及びGzは制御装置6内のメモリから読み出され、φは上記の式(11)より導かれる。なお、ここでは、FφxはモーメントMφの算出に実質寄与しないことになる。
更に、演算装置7は、上記の変換式(12)より得られた荷重計4A〜4DごとのモーメントMφを合計し、合計したモーメントSumMφを周波数変換する。
そして、演算装置7は、周波数変換した角加速度Aφ、及び周波数変換したロール軸周りのモーメントSumMφから、次の伝達関数(13)により、ロール軸周りの慣性モーメントIRを導出する。
R・Aφ=SumMφ ・・・(13)
このようにして導出されたロール軸周りの慣性モーメントIRは、制御装置6内のメモリに記録される。
なお、その慣性モーメントIRには、上記したピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定時と同様に、微小ではあるが、自動車20のサスペンションを拘束しているバンド22A〜22Dの慣性モーメントも含まれている。そこで、そのバンド22A〜22Dのロール軸周りの慣性モーメントを予め算出して制御装置6内のメモリに登録しておき、導出されたロール軸周りの慣性モーメントからそのバンド22A〜22Dの慣性モーメントを差し引いた値を、ロール軸周りの慣性モーメントIRに採用することが好ましい。
以上の通り、本実施形態での質量特性測定装置により、測定対象物である自動車20の質量特性として、車重Mc、前後方向の重心位置Gx、左右方向の重心位置Gy、上下方向の重心位置Gz、ピッチ軸周りの慣性モーメントIP、及びロール軸周りの慣性モーメントIRを測定することができる。しかも、その測定、特に慣性モーメントIP、IRの測定に加速度センサのような高価なセンサが不要であるため、その結果として、測定装置自体の価格を抑えることが可能になる。従って、測定装置を使用するユーザにとっては負担が軽くて済む。
また、慣性モーメントIP、IRを測定する際、測定対象物である自動車20に与える正弦波振動が各加振機2A〜2Dによる加振に起因するため、直ちに安定した正弦波振動となり、待ち時間なく測定が行える。従って、測定の所要時間が短くて済む。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態の特徴は、第1実施形態におけるピッチ軸周りの慣性モーメントIP、及びロール軸周りの慣性モーメントIRの測定に対して精度の向上を図った点にある。
これは、上記の第1実施形態においては、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの導出に用いられるモーメントMθを変換式(8)によって算出するにあたり、荷重計4A〜4Dごとに出力されたその算出の要素である各荷重Fθx、Fθy、Fθzのうちのz方向の荷重Fθzには、所望する動的荷重の他に、測定精度の悪化要因となる静的荷重が重力の影響により含まれるからである。同様に、ロール軸周りの慣性モーメントIRの導出に用いられるモーメントMφを変換式(12)によって算出するにあたり、その算出の要素であるz方向の荷重Fφzにも、測定精度の悪化要因となる静的荷重が含まれるからである。
そこで本実施形態では、先ず、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定に対しては、事前に、測定対象物である自動車20をピッチ方向に数種類の傾斜角度θに傾けて都度静止させ、その傾斜角度θごとに各荷重計4A〜4Dから出力されたz方向の荷重を計測する。この荷重はそれぞれ傾斜角度θごとの静的荷重に相当する。そして、その傾斜角度θごとにその計測された荷重(静的荷重)を割り付けたデータテーブルを、制御装置6内のメモリに登録しておく。
ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定時には、変換式(8)によってモーメントMθを算出する際に、演算装置7は、荷重計4A〜4Dごとに出力されたz方向の荷重Fθzに対し、制御装置6内のメモリに登録された上記のデータテーブルより、対応する傾斜角度θに応じた静的荷重を読み出し、読み出した静的荷重を差し引く。このようにすれば、モーメントMθの算出に、所望する動的荷重のみが寄与するため、そのモーメントMθに基いて導出されるピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定精度が向上する。
一方、ロール軸周りの慣性モーメントIRの測定に対しては、事前に、測定対象物である自動車20をロール方向に数種類の傾斜角度φに傾けて都度静止させ、その傾斜角度φごとに各荷重計4A〜4Dから出力されたz方向の荷重を計測する。この荷重はそれぞれ傾斜角度φごとの静的荷重に相当する。そして、その傾斜角度φごとにその計測された荷重(静的荷重)を割り付けたデータテーブルを、制御装置6内のメモリに登録しておく。
ロール軸周りの慣性モーメントIRの測定時には、変換式(12)によってモーメントMφを算出する際に、演算装置7は、荷重計4A〜4Dごとに出力されたz方向の荷重Fφzに対し、制御装置6内のメモリに登録された上記のデータテーブルより、対応する傾斜角度φに応じた静的荷重を読み出し、読み出した静的荷重を差し引く。このようにすれば、モーメントMφの算出に、所望する動的荷重のみが寄与するため、そのモーメントMφに基いて導出されるロール軸周りの慣性モーメントIRの測定精度が向上する。
なお、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定に対しては、上記した例では、事前に傾斜角度θごとの静的荷重を計測してデータテーブルにとりまとめ、このデータテーブルを用いてモーメントMθを算出しているが、次に示すように変更することも可能である。
傾斜角度θごとの静的荷重については、上記の第1実施形態で述べた上下方向の重心位置Gzを算出する際に用いた式(5)の関係から逆演算することができる。そして、その逆演算式のプログラムを予め制御装置6内のメモリに登録しておき、変換式(8)によってモーメントMθを算出する際に、演算装置7は、荷重計4A〜4Dごとに出力されたz方向の荷重Fθzに対し、上記の逆演算式のプログラムにより、対応する傾斜角度θに応じた静的荷重を算出し、算出した静的荷重を差し引く。このようにしても、モーメントMθの算出に、所望する動的荷重のみが寄与するため、そのモーメントMθに基いて導出されるピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定精度が向上する。しかもこの場合は、データテーブルのもとになる傾斜角度θごとの静的荷重の事前の計測が不要であることから簡便である。
但し、ロール軸周りの慣性モーメントIRの測定に対しては、傾斜角度φごとの静的荷重について、上記した式(5)のような関係が成り立たないため、上記のような逆演算式のプログラムを採用することはできない。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態の特徴は、第1、第2実施形態におけるピッチ軸周りの慣性モーメントIP、及びロール軸周りの慣性モーメントIRの測定に対してより詳細に精度の向上を図った点にある。
これは、上記の第1、第2実施形態においては、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの導出に用いられるモーメントMθを変換式(8)によって算出するにあたり、荷重計4A〜4Dごとに出力されたその算出の要素である各荷重Fθx、Fθy、Fθzのうちのz方向の荷重Fθzには、所望する測定対象物(自動車20)の動的荷重の他に、各荷重計4A〜4Dの上に設置されてこれに荷重を与える治具(ここでは各テーブル1A〜1D)の動的荷重が含まれるため、この治具の重量が測定精度の低下をもたらしかねないからである。同様に、ロール軸周りの慣性モーメントIRの導出に用いられるモーメントMRを変換式(12)によって算出するにあたり、その算出の要素であるz方向の荷重Fφzにも、測定精度の低下をもたらしかねない治具の動的荷重が含まれるからである。
そこで本実施形態では、事前に、各荷重計4A〜4Dの上に設置された治具である各テーブル1A〜1Dの重量をそれぞれ計測し、その治具の重量を制御装置6内のメモリに登録しておく。
ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定時には、変換式(8)によってモーメントMθを算出する際に、演算装置7は、荷重計4A〜4Dごとに出力されたz方向の荷重Fθzに対し、制御装置6内のメモリから治具の重量を読み出すとともに、変換式(6)によってピッチ軸周りの角加速度Aθを算出する。そして、読み出した治具の重量と、角加速度Aθとより治具の動的荷重を算出し、荷重計4A〜4Dごとに出力されたz方向の荷重Fθzから差し引く。このようにすれば、モーメントMθの算出に、所望する自動車20の動的荷重のみが寄与するため、そのモーメントMθに基いて導出されるピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定精度が向上する。
一方、ロール軸周りの慣性モーメントIRの測定時には、変換式(12)によってモーメントMφを算出する際に、演算装置7は、荷重計4A〜4Dごとに出力されたz方向の荷重Fφzに対し、制御装置6内のメモリから治具の重量を読み出すとともに、変換式(10)によってロール軸周りの角加速度Aφを算出する。そして、読み出した治具の重量と、角加速度Aφとより治具の動的荷重を算出し、荷重計4A〜4Dごとに出力されたz方向の荷重Fφzから差し引く。このようにすれば、モーメントMφの算出に、所望する自動車20の動的荷重のみが寄与するため、そのモーメントMφに基いて導出されるロール軸周りの慣性モーメントIRの測定精度が向上する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本第4実施形態の特徴は、第1〜第3実施形態におけるピッチ軸周りの慣性モーメントIP、及びロール軸周りの慣性モーメントIRの測定に対して更により詳細に精度の向上を図った点にある。
これは、上記の第1〜第3実施形態においては、図10に示すように、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定時に、自動車20の傾斜角度θの変動に伴い、各テーブル1A〜1D上での各タイヤ21A〜21Dの接地部分が幾何学的にずれてしまうため、そのタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれが測定精度の低下をもたらしかねないからである。一方、図11に示すように、ロール軸周りの慣性モーメントIRの測定時には、自動車20の傾斜角度φの変動に伴い、各タイヤ21A〜21Dが各テーブル1A〜1D上で倒れを繰り返して、その接地部分がずれてしまうため、そのタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれが測定精度の低下をもたらしかねないからである。
そこで本実施形態では、先ず、ピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定に対しては、上記した第1実施形態での変換式(8)に代えて、次の変換式(8A)により、荷重計4A〜4Dごとの個々のピッチ軸周りのモーメントMθを算出する。
Figure 2007078445
ここで、上記の式(8)と同様に、Fθx、Fθy、Fθzは、それぞれ荷重計4A〜4Dごとに出力されたx方向、y方向、z方向の荷重であり、Gx及びGzは制御装置6内のメモリから読み出され、θは上記の式(7)より導かれる。なお、ここでも、FθyはモーメントMθの算出に実質寄与しないことになる。
xθは、前後方向の重心位置Gxに対する、転がりによるタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれ量(図10参照)であり、次式(14)により導かれる。
Figure 2007078445
また、zθは、上下方向の重心位置Gz対する、転がりによるタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれ量(図10参照)であり、次式(15)により導かれる。
Figure 2007078445
ここで、上記の各式(14)、(15)中のThは、制御装置6内のメモリから読み出される。
このようにすれば、モーメントMθの算出に、転がりによるタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれ量が加味されるため、そのモーメントMθに基いて導出されるピッチ軸周りの慣性モーメントIPの測定精度が向上する。
一方、ロール軸周りの慣性モーメントIRの測定に対しては、上記した第1実施形態での変換式(12)に代えて、次の変換式(12A)により、荷重計4A〜4Dごとの個々のロール軸周りのモーメントMφを算出する。
Figure 2007078445
ここで、上記の式(12)と同様に、Fφx、Fφy、Fφzは、それぞれ荷重計4A〜4Dごとに出力されたx方向、y方向、z方向の荷重であり、Gy及びGzは制御装置6内のメモリから読み出され、φは上記の式(11)より導かれる。なお、ここでも、FφxはモーメントMφの算出に実質寄与しないことになる。
yφは、左右方向の重心位置Gyに対する、倒れによるタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれ量(図11参照)であり、次の条件式(16)により導かれる。
Figure 2007078445
ここで、Twは、予め制御装置6内のメモリに登録された自動車20の各タイヤ21A〜21Dの接地幅の半分であり、各タイヤ21A〜21Dの幅の半分よりの若干小さい。このTwは、そのメモリから読み出される。
また、zφは、上下方向の重心位置Gz対する、転がりによるタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれ量(図11参照)であり、ここでは0(ゼロ)である。
このようにすれば、モーメントMφの算出に、倒れによるタイヤ21A〜21Dの接地部分のずれ量が加味されるため、そのモーメントMφに基いて導出されるロール軸周りの慣性モーメントIPの測定精度が向上する。
次に、本発明の第5実施形態について、図12を参照しながら説明する。図12は第5実施形態の質量特性測定装置を模式的に示す側面図である。本第5実施形態の特徴は、第1〜第3実施形態における測定対象物の支持構造を変形した点にある。
つまり本実施形態では、図12に示すように、各テーブル1A〜1Dの上に1枚ものの剛性の高いプレート8を載せ、このプレート8上に測定対象物である自動車20が載せられるようになっている。プレート8としては、ある程度厚さのある鋼板が好適である。
ここで、プレート8の下面には、各テーブル1A〜1Dの位置に対応してそれぞれ支持脚9A、9B、9C、9Dが突設されており、プレート8は、その各支持脚9A〜9Dの先端が各テーブル1A〜1D上に接触して支えられる。但し、各支持脚9A〜9Dについては、各テーブル1A〜1Dの昇降に円滑に追従できるように、その先端形状が半球状となっている。その材質は、ゴムが好適である。
また、ここでは、プレート8上に載せられた自動車20は、その4つのジャッキアップポイントをそれぞれ中間治具10A、10B、10C、10Dを介してプレート8に固定されている。これにより、自動車20のサスペンションが拘束される。このようにすれば、上記の第1実施形態で述べたバンド22A〜22Dでの締め上げよりも確実に自動車20を固定できるため、より高精度な測定が期待できる。もっとも、自動車20のサスペンションの拘束手法については、上記の第1実施形態で述べたバンド22A〜22Dによる締め上げを代用することも可能である。
このような構成にしても、上記した第1〜第3実施形態と同様の測定手法を用いて、測定対象物である自動車20の車重Mc、前後方向の重心位置Gx、左右方向の重心位置Gy、上下方向の重心位置Gz、ピッチ軸周りの慣性モーメントIP、及びロール軸周りの慣性モーメントIRを測定することができる。なお、本実施形態を上記の第3実施形態に適用する場合、各荷重計4A〜4Dの上に設置されてこれに荷重を与える治具には、各テーブル1A〜1Dに加え、プレート8、各支持脚9A〜9D、及び各中間治具10A〜10Dも含まれることになる。
なお、本実施形態では自動車を測定対象物としたが、質量特性の測定を必要とする物である限り、自動車のエンジン単体やその部品、その他構造物にも適用できる。
その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本発明は、自動車やその他構造物に特有の質量特性を測定に有用である。
本発明の各実施形態に共通する質量特性測定装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の第1〜第4実施形態に共通する質量特性測定装置の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の第1〜第4実施形態に共通する質量特性測定装置の構成を模式的に示す正面図である。 測定対象物である自動車のサスペンションを拘束するバンドの締め上げ態様を示す側面図である。 車重、前後方向の重心位置及び上下方向の重心位置の測定状態を示す側面図である。 車重、前後方向の重心位置及び上下方向の重心位置の測定状態を示す正面図である。 上下方向の重心位置の測定状態を示す側面図である。 ピッチ軸周りの慣性モーメントの測定状態を示す側面図である。 ロール軸周りの慣性モーメントの測定状態を示す正面図である。 ピッチ軸周りの慣性モーメントの測定時において、測定対象物である自動車のタイヤの挙動を示す図である。 ロール軸周りの慣性モーメントの測定時において、測定対象物である自動車のタイヤの挙動を示す図である。 本発明の第5実施形態の質量特性測定装置を模式的に示す側面図である。
符号の説明
1A、1B、1C、1D テーブル
2A、2B、2C、2D 加振機
3A、3B、3C、3D スライダ
4A、4B、4C、4D 荷重計
5A、5B、5C、5D 変位計
6 制御装置
7 演算装置
20 自動車(測定対象物)
21A、21B、21C、21D タイヤ
22A、22B、22C、22D バンド

Claims (7)

  1. 測定対象物である自動車の前後左右の各タイヤがそれぞれ載せられる水平なテーブルと、
    各テーブルをそれぞれ鉛直方向に沿う上下方向に昇降させる加振機と、
    各テーブルを各加振機に対してそれぞれ水平方向に沿う前後方向及び左右方向にスライド可能にするスライダと、
    各テーブルにそれぞれ加わる上下方向の荷重、前後方向の荷重及び左右方向の荷重を個別に計測する荷重計と、
    各加振機にそれぞれ設けられ各テーブルの変位を計測する変位計と、
    各加振機、各荷重計及び各変位計に接続され演算装置を含む制御装置と、を備え、
    演算装置は、
    第1に、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、各テーブルが同一水平面上におかれた状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重に基いて自動車の重量、前後方向の重心位置及び左右方向の重心位置を算出し、
    第2に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルが後側の各テーブルよりも上昇した状態、又は後側の各テーブルが前側の各テーブルよりも上昇した状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて自動車の上下方向の重心位置を算出し、
    第3に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルと後側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてピッチ軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて個々のピッチ軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントを算出し、
    第4に、左側の各スライダ又は右側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、左側の各テーブルと右側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてロール軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び左右方向の各荷重に基いて個々のロール軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて自動車のロール軸周りの慣性モーメントを算出することを特徴とする質量特性測定装置。
  2. 前記自動車の各タイヤについて車軸を中心とする回転を拘束し、前記自動車のサスペンションを拘束していることを特徴とする請求項1に記載の質量特性測定装置。
  3. 前記自動車のサスペンションの拘束は、各タイヤのタイヤホイールとボディとをバンドによって互いに締め上げることで行うことを特徴とする請求項2に記載の質量特性測定装置。
  4. 前記演算装置は、
    前記自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントを算出する際、算出した前記自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントから、予め算出した前記バンドのピッチ軸周りの慣性モーメントを引いた値を、自動車のピッチ軸周りの慣性モーメントとして採用し、
    前記自動車のロール軸周りの慣性モーメントを算出する際、算出した前記自動車のロール軸周りの慣性モーメントから、予め算出した前記バンドのロール軸周りの慣性モーメントを引いた値を、自動車のロール軸周りの慣性モーメントとして採用することを特徴とする請求項3に記載の質量特性測定装置。
  5. 前記演算装置は、
    前記ピッチ軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、静的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用し、
    前記ロール軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、静的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の質量特性測定装置。
  6. 前記演算装置は、
    前記ピッチ軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、前記各荷重計の上に設置されてその各荷重計に荷重を与える治具の動的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用し、
    前記ロール軸周りのモーメントを算出する際、前記各荷重計から受けた前記上下方向の各荷重から、前記各荷重計の上に設置されてその各荷重計に荷重を与える治具の動的荷重を引いた値を、上下方向の各荷重として採用することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の質量特性測定装置。
  7. 測定対象物が載せられ下面に前後に左右一対ずつの支持脚が突設されたプレートと、
    各支持脚の半球状の先端をそれぞれ支える水平なテーブルと、
    各テーブルをそれぞれ鉛直方向に沿う上下方向に昇降させる加振機と、
    各テーブルを各加振機に対してそれぞれ水平方向に沿う前後方向及び左右方向にスライド可能にするスライダと、
    各テーブルにそれぞれ加わる上下方向の荷重、前後方向の荷重及び左右方向の荷重を個別に計測する荷重計と、
    各加振機にそれぞれ設けられ各テーブルの変位を計測する変位計と、
    各加振機、各荷重計及び各変位計に接続され演算装置を含む制御装置と、を備え、
    演算装置は、
    第1に、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、各テーブルが同一水平面上におかれた状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重に基いて測定対象物の重量、前後方向の重心位置及び左右方向の重心位置を算出し、
    第2に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルが後側の各テーブルよりも上昇した状態、又は後側の各テーブルが前側の各テーブルよりも上昇した状態で、各荷重計から出力を受け、その出力のうちの上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて測定対象物の上下方向の重心位置を算出し、
    第3に、前側の各スライダ又は後側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、前側の各テーブルと後側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてピッチ軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び前後方向の各荷重に基いて個々のピッチ軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて測定対象物のピッチ軸周りの慣性モーメントを算出し、
    第4に、左側の各スライダ又は右側の各スライダをスライド可能にしつつ、制御装置からの指令による各加振機の駆動により、左側の各テーブルと右側の各テーブルとが互いに相反して正弦波振動で昇降している状態で、各荷重計及び各変位計から出力を受け、その出力のうちの各変位に基いてロール軸周りの角加速度を算出するとともに、各変位、上下方向の各荷重及び左右方向の各荷重に基いて個々のロール軸周りのモーメントを算出し、更に、その角加速度及び各モーメントに基いて測定対象物のロール軸周りの慣性モーメントを算出することを特徴とする質量特性測定装置。
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