JP2007078391A - 位置検出装置および液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 延命を図ることが可能な構成を備えた位置検出装置を提供すること。
【解決手段】 リニアエンコーダ33は、発光部41と、発光部41からの光を透過する透光部31eおよび発光部41からの光を遮断する遮光部31dが交互に形成されたリニアスケール31と、透光部31eを透過した光を受光する受光部44とを備えている。受光部44は、180°位相が異なる2つの信号をそれぞれ出力する第1の受光素子44aと第3の受光素子44cとを備えている。遮光部31dの幅H1は、遮光部31dの幅H1と透光部31eの幅H2との和である明暗ピッチP1内に第1の受光素子44aと第3の受光素子44cとが配置されたときの配置ピッチP2よりも広く形成されている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、位置検出装置およびそれを備える液体吐出装置に関する。
紙等の所定の媒体へ液体を吐出する液体吐出装置としてインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタには、印刷対象物となる印刷用紙を搬送する搬送ローラを駆動するための紙送りモータや、印刷ヘッドが搭載されたキャリッジを駆動するためのキャリッジモータ等の各種のモータが搭載されている。かかるモータとしては、静音化等の目的で、DCモータが広く利用されている。DCモータが搭載されるプリンタは、DCモータの位置制御や速度制御等を行うための位置検出装置として、発光素子と受光素子とを有するフォトセンサと、発光素子からの光を透過する透光部と発光素子からの光を遮断する遮光部とが交互に形成されたスケールとから構成されるエンコーダを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1には、直線状のリニアスケールと、発光素子と受光素子とによってリニアスケールを挟み込むように配置されたフォトセンサとから構成されるリニアエンコーダが開示されている。この特許文献1に記載されたリニアエンコーダでは、フォトセンサが、発光素子から出射された光を平行光にするコリメータレンズを備え、リニアスケールの透光部を通過した平行光が受光素子で検知されている。また、このリニアエンコーダでは、リニアスケールの透光部の幅と遮光部の幅とが等しく形成されている。
また、この種のエンコーダでは、一般に、フォトセンサは少なくとも4つの受光素子を備えている(たとえば、特許文献2参照)。すなわち、特許文献2に記載されたリニアエンコーダでは、フォトセンサは、第1の受光素子、第2の受光素子、第3の受光素子および第4の受光素子を備え、これら4つの受光素子がこの順番で隣接するように配置されている。そして、第1の受光素子と第3の受光素子とは、互いに180°位相が異なる信号を出力し、第2受光素子と第4の受光素子とは、180°位相が異なる信号を出力している。また、第1の受光素子から出力された信号と第3の受光素子から出力された信号とからA相の出力信号を生成し、第2の受光素子から出力された信号と第4の受光素子から出力された信号とからB相の出力信号を生成している。これらのA相の出力信号とB相の出力信号とはリニアエンコーダから出力されている。また、これらのA相の出力信号とB相の出力信号とでは、互いに90°位相がずれている。
この特許文献2に記載されたリニアエンコーダでは、リニアスケールの透光部および遮光部の幅と、第1の受光素子と第3の受光素子との配置ピッチ(または、第2の受光素子と第4の受光素子との配置ピッチ)とが等しくなっている。
特開2004−202963号公報(段落番号0004から0007、図21等参照) 特開2002−34274号公報(図5等参照)
近年、インクジェットプリンタでは、印刷品質を向上させるため、高解像度での印刷が行われるようになってきている。高解像度で印刷が行われる場合には、印刷ヘッドから吐出されるインクの滴下量が減少する。そのため、従来に比べ、印刷ヘッドからインク滴が吐出される際、インク滴が印刷用紙等の印刷面に到達するまでの間、あるいは、インク滴が印刷面に到達した際に、インク滴の一部が霧状になって空気中を浮遊するインクミストが発生しやすくなっている。また、近年、インクジェットプリンタでは、印刷時間の短縮を図るため、キャリッジの高速化が要求されている。キャリッジが高速で移動すると、発生したインクミストは、プリンタ内部で拡散されやすくなり、インクミストはプリンタ内部の各構成に付着しやすくなる。たとえば、キャリッジモータや紙送りモータの制御に用いられるスケールにインクミストが付着しやすくなる。
ここで、スケールにインクミストが付着すると、インクミストの影響で、スケールは、発光素子から発光された光を適切に透過し、あるいは、遮断することができなくなる。また、特許文献1に記載されているように、従来から、エンコーダを構成するフォトセンサはコリメータレンズを備えているが、発光素子から出射された光を完全に平行光にすることは事実上不可能である。そのため、本来、スケールの遮光部よって発光素子からの光が遮られ、光を受光すべきでない受光素子が光を受光したり、透光部を透過した光を受光すべき受光素子が十分な光量の光を受光できないといった現象が生じる。そして、スケールに付着するインクミストの量がある一定量に達するとエンコーダは正確な信号を出力することができなくなる。すなわち、キャリッジモータや紙送りモータの回転位置や回転速度をエンコーダで検出できなくなり、スケールの清掃を行わない場合には、エンコーダの寿命が尽きる。
しかしながら、上述のように、印刷品質の向上や印刷時間の短縮化を図るため、スケールには、従来より多くのインクミストが付着しやすくなっている。その結果、エンコーダの寿命の短縮化の問題が顕著になりつつある。
そこで、本願発明者は、エンコーダの寿命を延ばすため(すなわち、エンコーダの延命を図るため)、種々の検討を行った。特に、スケールに形成される透光部および遮光部の幅に着目し、種々の検討を行った。その結果、従来は同じであった透光部の幅と遮光部の幅との比率を変更すると、エンコーダの延命効果を図れることを知見するに至った。
本発明は、かかる新たな知見に基づいてなされたものであり、本発明の課題は、延命を図ることが可能な構成を備えた位置検出装置および液体吐出装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の位置検出装置は、発光部と、発光部からの光を透過する透光部および発光部からの光を遮断する遮光部が交互に形成されたスケールと、透光部を透過した光を受光する受光部とを備え、遮光部の幅は、透光部の幅よりも広く形成されていることを特徴とする。
本発明の位置検出装置では、スケールに形成された遮光部の幅が透光部の幅よりも広くなっている。そのため、インクミストがスケールに付着しやすい状況下であっても、従来以上に位置検出装置の寿命を延ばすことができる。すなわち、本発明では、位置検出装置の延命を図ることが可能になる。
本発明において、遮光部の幅は、1つの遮光部の幅と1つの透光部の幅との和である明暗ピッチの70%以下であることが好ましい。遮光部の幅が広すぎると、透光部を透過して受光部で受光される光量が低下するため、受光部での検出が不安定になるおそれがある。そのため、遮光部の幅を明暗ピッチの70%以下とすると、受光部で受光される光量の低下を防止しつつ、位置検出装置の延命を図ることが可能になる。
本発明において、遮光部の幅は、明暗ピッチの55%以上60%以下であることが好ましい。このように構成すると、受光部で受光される光量の確保と位置検出装置の延命とを両立させることができる。すなわち、受光部で受光される光量の確保と位置検出装置の寿命とのバランスを図ることができる。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、発光部と、発光部からの光を透過する透光部および発光部からの光を遮断する遮光部が交互に形成されたスケールと、透光部を透過した光を受光する受光部とを備える位置検出装置であって、受光部は、180°位相が異なる2つの信号をそれぞれ出力する少なくとも2つの受光素子を備え、遮光部の幅は、1つの遮光部の幅と1つの透光部の幅との和である明暗ピッチ内に2つの受光素子が配置されたときの配置ピッチよりも広く形成されていることを特徴とする。
本発明の位置検出装置では、スケールに形成された遮光部の幅が、180°位相が異なる2つの信号をそれぞれ出力する2つの受光素子が明暗ピッチ内に配置されたときの配置ピッチよりも広くなっている。そのため、インクミストがスケールに付着しやすい状況下であっても、従来以上に位置検出装置の寿命を延ばすことができる。すなわち、本発明では、位置検出装置の延命を図ることが可能になる。
本発明において、遮光部の幅は、配置ピッチの1.4倍以下であることが好ましい。このように構成すると、受光部で受光される光量の低下を防止しつつ、位置検出装置の延命を図ることができる。
本発明において、遮光部の幅は、配置ピッチの1.1倍以上1.2倍以下であることが好ましい。このように構成すると、受光部で受光される光量の確保と位置検出装置の延命とを両立させることができる。
本発明の位置検出装置は、所定の媒体に液体を吐出する液体吐出部を備える液体吐出装置に用いることができる。この液体吐出装置では、吐出された液体がミスト状になって、スケールに付着した場合であっても、位置検出装置の延命を図ることができる。
本発明の液体吐出装置の液体吐出部は、たとえば、顔料系インクを吐出する。顔料系インクがインクミストとなってスケールに付着すると、他のインクと比較して、スケールの透光部を通過する光に回折や拡散が生じやすくなる。このように、スケールの透光部を通過する光に回折や拡散が生じやすくなる場合であっても、本発明では、位置検出装置の延命を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる位置検出装置および液体吐出装置を図面に基づいて説明する。
(液体吐出装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる液体吐出装置(プリンタ)1の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のプリンタ1の紙送りに関する部分の概略構成を示す概略側面図である。図3は、図1のキャリッジ3および図2のPF駆動ローラ6の検出機構を模式的に示す概略構成図である。図4は、図3のリニアスケール31の一端部の取付状態を示した概略斜視図である。図5は、図3のリニアスケール31の他端部の取付状態を示した概略斜視図である。
本形態の液体吐出装置1は、媒体としての印刷用紙P等に対して液体状のインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタである。以下では、本形態の液体吐出装置1をプリンタ1と表記する。本形態のプリンタ1は、図1から図3に示すように、インク滴を吐出する印刷ヘッド2が搭載されたキャリッジ3と、主走査方向MSのキャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(CRモータ)4と、印刷用紙Pを副走査方向SSへ搬送する紙送りモータ(PFモータ)5と、PFモータ5に連結されたPF駆動ローラ6と、印刷ヘッド2のノズル面(図2の下面)と対向するように配置されたプラテン7と、これらの構成が搭載された本体シャーシ8とを備えている。本形態では、CRモータ4とPFモータ5とは、ともに直流(DC)モータである。
また、プリンタ1は、図2に示すように、印刷前の印刷用紙Pが載置されるホッパ11と、ホッパ11に載置された印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ取り込むための給紙ローラ12および分離パッド13と、ホッパ11からプリンタ1の内部へ取り込まれた印刷用紙Pの通過を検出する紙検出器14と、プリンタ1の内部から印刷用紙Pを排出する排紙駆動ローラ15とを備えている。
キャリッジ3は、本体シャーシ8に固定された支持フレーム16に支持されたガイドシャフト17と、タイミングベルト18とによって主走査方向MSに搬送可能に構成されている。すなわち、タイミングベルト18は、その一部がキャリッジ3に固定されるとともに(図2参照)、CRモータ4の出力軸に取り付けられたプーリ19と支持フレーム16に回転可能に取り付けられたプーリ20とに掛け渡された状態で一定の張力を有するように配設されている。ガイドシャフト17は、キャリッジ3を主走査方向MSへ案内するように、キャリッジ3を摺動可能に保持している。また、キャリッジ3には、印刷ヘッド2に加え、印刷ヘッド2に供給される各種のインクが収納されたインクカートリッジ21が搭載されている。
印刷ヘッド2には、図示を省略する複数のノズルが配設されている。また、印刷ヘッド2には、たとえば、各ノズルに対応するように、電歪素子の1つであって応答性に優れるピエゾ素子(図示省略)が配設されている。より具体的には、ピエゾ素子は、インク通路(図示省略)を形成する壁面に接する位置に配設されている。そして、このピエゾ素子の動作によって壁面が押されることで、印刷ヘッド2は、インク通路の端部に配設されたノズルからインク滴を吐出するようになっている。このように、本形態では、印刷ヘッド2は、印刷用紙Pに対して液体状のインクを吐出する液体吐出部となっている。
インクカートリッジ21には、たとえば、発色が良く画質に優れる染料系インクや、耐水性や耐光性に優れる顔料系インク等が収納されている。すなわち、本形態では、液体吐出部としての印刷ヘッド2から染料系インクや顔料系インク等が吐出されるようになっている。
給紙ローラ12は、図示を省略するギアを介してPFモータ5に連結され、PFモータ5によって駆動されるようになっている。ホッパ11は、図2に示すように、印刷用紙Pを載置可能な板状部材であり、図示を省略するカム機構によって、上部に設けられた回動軸22を中心に揺動可能となっている。そして、カム機構による揺動によって、ホッパ11の下端部が給紙ローラ12に弾性的に圧接され、また、給紙ローラ12から離間するようになっている。分離パッド13は、摩擦係数の高い部材から形成され、給紙ローラ12に対向する位置に配置されている。そして、給紙ローラ12が回転すると、給紙ローラ12の表面と分離パッド13とが圧接するようになっている。そのため、給紙ローラ12が回転すると、ホッパ11に載置された印刷用紙Pのうち、一番上の印刷用紙Pは、給紙ローラ12の表面と分離パッド13との圧接部分を通過して排紙側へ送られるが、上から2番目以降に載置された印刷用紙Pは、分離パッド13によって、排紙側への搬送が阻止されるようになっている。
PF駆動ローラ6は、PFモータ5に直接あるいは図示を省略するギアを介して連結されている。また、図2に示すように、プリンタ1には、PF駆動ローラ6とともに印刷用紙Pを搬送するPF従動ローラ23が設けられている。PF従動ローラ23は、回転軸25を中心に揺動可能に構成された従動ローラホルダ24の排紙側に回動可能に保持されている。従動ローラホルダ24は、図示を省略するバネによって、PF従動ローラ23がPF駆動ローラ6へ向かう付勢力を常時受けるように、図示反時計方向へ付勢されている。そして、PF駆動ローラ6が駆動されると、PF駆動ローラ6とともに、PF従動ローラ23も回転するようになっている。
紙検出器14は、図2に示すように検出レバー26とセンサ27とから構成され、従動ローラホルダ24の近傍に設けられている。検出レバー26は、回転軸28を中心に回動可能になっている。そして、図2に示す印刷用紙Pの通過状態から、検出レバー26の下側を印刷用紙Pが通過し終わると、検出レバー26が反時計方向へ回動するようになっている。検出レバー26が回動すると、センサ27の発光部から受光部へ向かう光を遮断して、印刷用紙Pの通過を検出できるようになっている。
排紙駆動ローラ15は、プリンタ1の排紙側に配置され、図示を省略するギアを介してPFモータ5に連結されている。また、図2に示すように、プリンタ1には、排紙駆動ローラ15とともに印刷用紙Pを排紙する排紙従動ローラ29が設けられている。排紙従動ローラ29も、PF従動ローラ23と同様に、図示を省略するバネによって、常時、排紙駆動ローラ15へ向かう付勢力を受けている。そして、排紙駆動ローラ15が駆動されると、排紙駆動ローラ15とともに、排紙従動ローラ29も回転するようになっている。
また、プリンタ1は、図2から図5に示すように、CRモータ4の回転位置(すなわち、主走査方向MSにおけるキャリッジ3の位置)やCRモータ4の回転速度(すなわち、キャリッジ3の速度)等を検出する位置検出装置として、リニアスケール31およびフォトセンサ32を有するリニアエンコーダ33を備えている。また、プリンタ1は、図3に示すように、副走査方向SSにおけるPFモータ5の回転位置(すなわち、副走査方向SSにおける印刷用紙Pの位置)やPFモータ5の回転速度(すなわち、印刷用紙Pの搬送速度)等を検出する位置検出装置として、ロータリスケール34およびフォトセンサ35を有するロータリエンコーダ36を備えている。これらのリニアエンコーダ33およびロータリエンコーダ36から出力された信号は、図3に示すように、制御部37へ入力され、プリンタ1の各種の制御が行われるようになっている。なお、図1では、便宜上、リニアスケール31の図示を省略している。
リニアスケール31は、透明な樹脂等の薄板から細長の直線状に形成され、主走査方向MSと平行に支持フレーム16に取り付けられている。より具体的には、リニアスケール31の長手方向の両端側には、図4および図5に示すように、リニアスケール31を支持フレーム16に取り付けるための矩形状の取付孔31a、31bが形成されている。そして、図4に示すように、リニアスケール31の一端側に形成された取付孔31aが、図1における支持フレーム16の右側面に形成された係止フック16aに係止されている。また、図5に示すように、リニアスケール31の他端側に形成された取付孔31bが、図1における支持フレーム16の左側面側に移動可能の取り付けられた係止部材38のフック38aに係止されている。
リニアエンコーダ33を構成するフォトセンサ32は、図2および図3に示すように、発光部41と受光部42とを備え、キャリッジ3に固定されている。より具体的には、フォトセンサ32は、キャリッジ3の背面(図1の紙面奥側の面)に固定されている。リニアスケール31およびフォトセンサ32の詳細な構成については後述する。
ロータリエンコーダ36を構成するフォトセンサ35は、発光素子(図示省略)を有する発光部と受光素子(図示省略)を有する受光部とを備え、図示を省略するブラケットを介して本体シャーシ8等に固定されている。
ロータリスケール34は、たとえばステンレス製の薄鋼板や透明な樹脂製の薄板で、円盤状に形成されている。本形態のロータリスケール34は、PF駆動ローラ6と一体で回転するように、PF駆動ローラ6に取り付けられている。すなわち、PF駆動ローラ6が1回転すると、ロータリスケール34も1回転する。このロータリスケール34には、フォトセンサ35の発光素子からの光を透過する透光部(図示省略)と、フォトセンサ35の発光素子からの光を遮断する遮光部(図示省略)とが、円周方向に沿って、交互に形成されている。そして、ロータリエンコーダ36では、発光素子からロータリスケール34に向かって発光され、ロータリスケール34の透光部を透過した光を受光素子が受光して、所定の出力信号が出力されるようになっている。
なお、透明な樹脂の薄板でロータリスケール34を形成する場合には、その表面に、円周方向に沿って所定幅の印刷を所定のピッチで施すことで、透光部と遮光部とを形成することができる。また、ステンレス製の薄鋼板でロータリスケール34を形成する場合には、薄鋼板を貫通するスリット孔を、円周方向に沿って所定のピッチで形成することで、透光部と遮光部とを形成することができる。また、ロータリスケール34を、ギア等を介してPF駆動ローラ6に連結するようにしても良い。ただし、ロータリスケール34をPF駆動ローラ6と一体で回転するように直接取り付けることで、ギアの噛み合わせ部分に生じる遊び(ガタ)等の誤差を含むことなく、ロータリスケール34の回転量とPF駆動ローラ6の回転量とを正確に1対1で対応付けることができる。
制御部37は、ROMやRAM等の各種メモリや、各種モータ等の駆動回路、CPU、ASIC等を備えている。CPUおよびASIC等には、リニアエンコーダ33やロータリエンコーダ36等からの各出力信号が入力されるようになっている。
(リニアエンコーダの構成)
図6は、図2のリニアスケール31とフォトセンサ32との関係を示す模式図である。図7は、図2のリニアエンコーダ33の電気回路を示す回路図である。図8は、図1のキャリッジ3の一方向への移動に伴って、リニアエンコーダ33から出力される信号波形を示す図である。
リニアスケール31は、上述のように、透明な樹脂等の薄板で形成されている。本形態のリニアスケール31は、たとえば、厚さ180μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)で形成され、一方の表面に光を遮断する黒色等の印刷が所定間隔で施されている。より具体的には、リニアスケール31では、図6に示すように、PET製の基材31cの図示下面に一定幅H1の黒色の印刷が一定のピッチP1で施されている。すなわち、リニアスケール31には、黒色の印刷部分が縦縞をなすように(図4および図5参照)、主走査方向MSでピッチP1を保った状態で、一定幅H1の黒色の印刷がリニアスケール31の短手方向に施されている。この黒色の印刷が施された部分が、フォトセンサ32の発光部41からの光を遮断する遮光部31dとなっている。また、各遮光部31d間の、黒色の印刷が施されていない部分が、発光部41からの光を透過する透光部31eとなっている。すなわち、リニアスケール31には、遮光部31dと透光部31eとが交互に形成されている。なお、印刷部分の厚さは、たとえば、5μmとなっている。
図6に示すように、1つの遮光部31dの幅H1と1つの透光部31eの幅H2との和がピッチP1となっている。すなわち、ピッチP1は、リニアスケール31に形成された明暗ピッチになっており、遮光部31dの幅H1と透光部31eの幅H2との和が、リニアスケール31に形成された明暗ピッチになっている。以下では、ピッチP1を明暗ピッチP1と表記する。
また、図6に示すように、遮光部31dの幅H1は、透光部31eの幅H2よりも広くなっている。より具体的には、幅H1と幅H2の比率は、たとえば、5.5対4.5〜6対4となっている。すなわち、遮光部31dの幅H1は、明暗ピッチP1の55%以上60%以下となり、透光部31eの幅H2は、明暗ピッチP1の45%以下40%以上となっている。
フォトセンサ32は、図2および図3に示すように、略直方体形状のハウジングを備えている。このフォトセンサ32では、ハウジングの一側面(図2の下面)からハウジングの中央部にかけて、凹部32aが形成されている。この凹部32aにおいて相対向する2つの面(図2の左右方向で対向する2つの面)の一方に発光部41が配設され、他方に受光部42が配設されている。より具体的には、図2等に示すように、キャリッジ3側の面に発光部41が配設されている。また、凹部32aにおいて相対向する2つの面の距離は、たとえば、0.5mm〜1.5mmとなっている。
また、図2等に示すように、フォトセンサ32は、発光部41と受光部42とによってリニアスケール31を挟み込むように、キャリッジ3に固定されている。そして、リニアエンコーダ33では、発光部41からリニアスケール31に向かって発光され、透光部31eを透過した光を受光部42が受光して、所定の出力信号が出力されるようになっている。
発光部41は、発光素子(図示省略)と、発光素子から出射された光を平行光にするためのコリメータレンズ(図示省略)とを備えている。発光素子は、たとえば発光ダイオードである。なお、本形態では、発光源となる発光素子は、図6において、発光部41の略中心に配置されている。
受光部42は、図6に示すように、基板43と、この基板43上に形成された複数の受光素子44とを備えている。受光素子44は、たとえばフォトダイオードであり、受光光量に応じたレベルの信号を出力するようになっている。また、受光部42は、図7に示すように、第1から第4の4つのアンプ45、46、47、48と、第1差動信号生成回路49と、第2差動信号生成回路50とを備えている。
複数の受光素子44は、キャリッジ3の移動方向(すなわち、主走査方向MS)に沿って、互いに隣接するように基板43上に配置されている。より具体的には、第1の受光素子44aと第2の受光素子44bと第3の受光素子44cと第4の受光素子44dとがこの順番で配置されるとともに、これら4つの受光素子44a〜44dが1セットとなっている。そして、この1セットの受光素子44a〜44dが複数組配置されている。
図6に示すように、1セットの受光素子44a〜44dの配置ピッチは、明暗ピッチP1と略一致している。また、受光素子44a〜44dはそれぞれ、略等ピッチで配置されている。すなわち、第1の受光素子44aと第3の受光素子44cとは、明暗ピッチP1の2分の1の配置ピッチP2で配置され、第2の受光素子44bと第4の受光素子44dとは、明暗ピッチP1の2分の1の配置ピッチP2で配置されている。したがって、遮光部31dの幅H1は、配置ピッチP2よりも広く、透光部31eの幅は、配置ピッチP2よりも狭くなっている。より具体的には、遮光部31dの幅H1は、配置ピッチP2の1.1倍以上1.2倍以下となり、透光部31eの幅H2は、配置ピッチP2の0.9倍以下0.8倍以上となっている。
上述のように、第1の受光素子44aと第3の受光素子44cとは、明暗ピッチP1の2分の1の配置ピッチP2で配置され、第2の受光素子44bと第4の受光素子44dとは、明暗ピッチP1の2分の1の配置ピッチP2で配置されている。そのため、第1の受光素子44aから出力されるレベル信号と、第3の受光素子44cから出力されるレベル信号とは位相が180°異なっている。同様に、第2の受光素子44bから出力されるレベル信号と、第4の受光素子44dから出力されるレベル信号とは位相が180°異なっている。また、第1の受光素子44aと第2の受光素子44bとは、明暗ピッチP1の4分の1のピッチで配置されている。そのため、第1の受光素子44aから出力されるレベル信号と、第2の受光素子44bから出力されるレベル信号とは位相が90°異なっている。
また、キャリッジ3が移動すると、フォトセンサ32の発光部41と受光部42との間において、リニアスケール31が相対的に移動する。そして、リニアスケール31の相対的な移動に伴って、受光素子44は、その受光光量にしたがったレベルの信号を出力するようになっている。すなわち、透光部31eの位置に対応する受光素子44は、ハイレベルの信号を出力し、遮光部31dの位置に対応する受光素子44は、ローレベルの信号を出力するようになっている。このように、受光素子44は、リニアスケール31の相対移動速度(すなわち、キャリッジ3の移動速度)に応じた周期で変化するレベル信号を出力するようになっている。
図7に示すように、第1から第4の4つのアンプ45、46、47、48および、第1差動信号生成回路49、第2差動信号生成回路50は、基板43上に配設されている。
上述のように、第1の受光素子44a、第2の受光素子44b、第3の受光素子44cおよび第4の受光素子44dが1セットとなって、この1セットの受光素子44a〜44dが複数組配置されている(図6参照)。そして、第1のアンプ45には、複数の第1の受光素子44aが並列で接続されている。各第1の受光素子44aは、それぞれの受光光量に応じたレベル信号を出力するようになっている。また、第1のアンプ45は、各第1の受光素子44aから出力されたレベル信号を増幅したアナログ波形の信号を出力するようになっている。
同様に、第2のアンプ46には複数の第2の受光素子44bが並列で接続され、第2のアンプ46は、複数の第2の受光素子44bが出力するレベル信号を増幅したアナログ波形の信号を出力するようになっている。第3のアンプ47には複数の第3の受光素子44cが接続され、第3のアンプ47は、複数の第3の受光素子44cが出力するレベル信号を増幅したアナログ波形の信号を出力するようになっている。第4のアンプ48には複数の第4の受光素子44dが接続され、第4のアンプ48は、複数の第4の受光素子48が出力するレベル信号を増幅したアナログ波形の信号を出力するようになっている。
第1のアンプ45と第3のアンプ47とは、第1差動信号生成回路49へ、増幅したレベル信号を出力するようになっている。第1のアンプ45により増幅されたレベル信号は、第1差動信号生成回路49の非反転入力端子に入力され、第3のアンプ47により増幅されたレベル信号は、第1差動信号生成回路49の反転入力端子に入力されるようになっている。
第1差動信号生成回路49は、非反転入力端子に入力される第1のアンプ45の出力信号のレベルが、反転入力端子に入力される第3のアンプ47の出力信号のレベルより高い場合、ハイレベルを出力し、逆の場合には、ローレベルを出力するようになっている。すなわち、第1差動信号生成回路49は、図8に示すように、明暗ピッチP1に対応した周期Tのデジタル的な波形のA相信号S1を出力するようになる。
第2のアンプ46と第4のアンプ48とは、第2差動信号生成回路50へ、増幅したレベル信号を出力するようになっている。第2のアンプ46により増幅されたレベル信号は、第2差動信号生成回路50の非反転入力端子に入力され、第4のアンプ48により増幅されたレベル信号は、第2差動信号生成回路50の反転入力端子に入力されるようになっている。
第2差動信号生成回路50は、非反転入力端子に入力される第2のアンプ46の出力信号のレベルが、反転入力端子に入力される第4のアンプ48のレベルより高い場合、ハイレベルを出力し、逆の場合には、ローレベルを出力するようになっている。すなわち、第2差動信号生成回路50は、図8に示すように、明暗ピッチP1に対応した周期Tのデジタル的な波形のB相信号S2を出力するようになる。
上述のように、第1の受光素子44aから出力されるレベル信号と、第2の受光素子44bから出力されるレベル信号とは位相が90°異なっている。そのため、図8に示すように、第1差動信号生成回路49から出力されるA相信号S1と、第2差動信号生成回路50から出力されるB相信号S2とは、位相が90°ずれている。
(プリンタの概略動作)
以上のように構成されたプリンタ1では、給紙ローラ12や分離パッド13によってホッパ11からプリンタ1の内部に取り込まれた印刷用紙Pを、PFモータ5で回転駆動されたPF駆動ローラ6で副走査方向SSへ送りながら、CRモータ4で駆動されたキャリッジ3が主走査方向MSで往復移動する。キャリッジ3が往復移動する際には、印刷ヘッド2からインク滴が吐出され、印刷用紙Pへの印刷が行われる。また、印刷用紙Pへの印刷が終了すると、排紙駆動ローラ15等によって印刷用紙Pはプリンタ1の外部へ排出される。
キャリッジ3が移動すると、リニアエンコーダ33からA相信号S1およびB相信号S2が出力される。出力されたA相信号S1およびB相信号S2は、制御部37の所定の処理回路(たとえば、ASIC等)へ入力される。入力されたリニアエンコーダ33からのA相信号S1およびB相信号S2を利用して、制御部37の所定の処理回路は、CRモータ4の回転位置、回転方向および回転速度の検出を行う。そして、検出結果に基づいて、プリンタ1の制御を行う。たとえば、CRモータ4の回転速度の制御等を行う。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、リニアスケール31に形成された遮光部31dの幅H1が、透光部31eの幅H2よりも広くなっている。また、本形態では、リニアスケール31に形成された遮光部31dの幅H1は、180°位相が異なる2つの信号をそれぞれ出力する第1の受光素子44aと第3の受光素子44cとの配置ピッチP2(あるいは、第2の受光素子44bと第4の受光素子44dとの配置ピッチP2)よりも広くなっている。そのため、印刷ヘッド2からインク滴が吐出される際、インク滴が印刷用紙P等の印刷面に到達するまでの間、あるいは、インク滴が印刷面に到達した際に、インク滴の一部が、霧状になって空気中を浮遊するインクミストが発生し、このインクミストがリニアスケール31に付着しやすい状況下であっても、従来以上にリニアエンコーダ33の寿命を延ばすことができる。すなわち、本形態では、リニアエンコーダ33の延命を図ることができる。
特に本形態では、遮光部31dの幅H1は、明暗ピッチP1の55%以上60%以下となっている。また、遮光部31dの幅H1は、配置ピッチP2の1.1倍以上1.2倍以下となっている。そのため、受光素子44で受光される光量の確保とリニアエンコーダ33の延命とを両立させることができる。すなわち、受光素子44で受光される光量の確保とリニアエンコーダ33の寿命とのバランスを図ることができる。
以上の本形態の効果をより具体的に説明する。
図9(A)、(B)に示すように、透光部131eと遮光部131dとが同じ幅で形成された従来のリニアスケール131を本形態のプリンタ1に設置し、キャリッジ3を動作させ、各受光素子44から出力されるアナログ波形の信号を調べた。このとき、リニアスケール131は、インクミストが付着した状態のものを用いた。
その結果、図9(A)に示すように、顔料系インクI1が透光部31eに付着すると、受光素子44からの出力信号に乱れが生じるようになり、透光部31eを通過する光に回折や拡散が生じることがわかった。すなわち、発光素子からの光が平行光B1であっても、透光部31eを通過する光に回折や拡散が生じ、平行光B1であれば、本来、光を受光すべきでない受光素子44cが光を受光していることがわかった。この光の回折や拡散の影響による受光素子44からの出力信号の乱れは、発光部41の略中心に配置された発光素子(図示省略)からの距離が遠い受光素子44からの出力信号の方が大きいことがわかった。
また、染料系インクI2が透光部31eに付着しても、透光部31eを通過する光に回折や拡散がほとんど生じないことがわかった。一方、染料系インクが透光部31eに付着した場合であっても、発光部41の略中心に配置された発光素子(図示省略)からの距離が遠い受光素子44からの出力信号に乱れが生じており、図9(B)に示すように、発光素子から発光される光が完全な平行光でない(傾斜光B2である)ことによる影響で、本来、光を受光すべきでない受光素子44cが光を受光していることがわかった。
ここで、本願発明者は、遮光部31dおよび透光部31eの幅に着目し、遮光部31dおよび透光部31eの幅を変更しながら、本形態のリニアスケール31を用い、各受光素子44の出力信号を調べた。その結果、遮光部31dの幅H1を透光部31eの幅H2よりも広くすると(遮光部31dの幅H1を配置ピッチP2よりも広くすると)、受光素子44からの出力信号の乱れを低減できることがわかった。すなわち、リニアスケール31の透光部31eへの顔料系インクI1の付着による光の回折や拡散の影響を抑制できることがわかった。たとえば、図9(C)に示すように、平行光B1の回折や拡散によって、本来、光を受光すべきでない受光素子44cが光を受光するという現象を防止できることがわかった。また、発光素子から発光される光が完全な平行光でないことによる影響も抑制できることがわかった。たとえば、図9(D)に示すように、傾斜光B2によって、本来、光を受光すべきでない受光素子44cが光を受光するという現象を防止できることがわかった。
特に、遮光部31dの幅H1を明暗ピッチP1の55%以上60%以下した場合(遮光部31dの幅H1を配置ピッチP2の1.1倍以上1.2倍以下とした場合)には、リニアスケール31の透光部31eへの顔料系インクI1の付着による光の回折や拡散の影響や、発光素子から発光される光が完全な平行光でないことによる影響をより効果的に抑制できることがわかった。また、この場合には、遮光部31dの幅H1を透光部31eの幅H2よりも広くしても、位置検出を行うのに適切な光量を受光素子44で受光できることがわかった。
このように、遮光部31dの幅H1を透光部31eの幅H2よりも広くすると(遮光部31dの幅H1を配置ピッチP2よりも広くすると)、リニアスケール31に顔料系インクI1が付着しても、光の回折や拡散の影響を抑制できる。そのため、受光素子44で適切に光を受光することができる。その結果、リニアエンコーダ33の延命を図ることが可能となる。また、発光素子から発光される光が完全な平行光でないことによる影響も抑制できるため、光を透過しない色のインク(顔料系インクI1および/または染料系インクI2)が透光部31eに付着して受光素子44で受光する光量がある程度低下しても、受光素子44での適切な検出が可能となり、リニアエンコーダ33の延命を図ることが可能となる。
特に、印刷ヘッド2が顔料系インクI1を吐出する場合には、リニアスケール31への顔料系インクI1の付着による光の回折や拡散の影響と、発光素子から発光される光が完全な平行光でないことによる影響との複合的な影響で、リニアエンコーダ33の寿命は短くなりやすい。しかし、この場合であっても、遮光部31dの幅H1を透光部31eの幅H2よりも広くすることで(遮光部31dの幅H1を配置ピッチP2よりも広くすることで)、リニアエンコーダ33の延命を図ることが可能となる。
また、遮光部31dの幅H1を明暗ピッチP1の55%以上60%以下にすると(遮光部31dの幅H1を配置ピッチP2の1.1倍以上1.2倍以下にすると)、リニアスケール31への顔料系インクの付着による光の回折や拡散の影響や、発光素子から発光される光が完全な平行光でないことによる影響をより効果的に抑制できる。そのため、より効果的に、リニアエンコーダ33の延命を図ることが可能となる。また、この場合には、位置検出を行うのに適切な光量を受光素子44で受光できるため、受光素子44で受光される光量の確保とリニアエンコーダ33の延命とを両立させることができる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
上述した形態では、遮光部31dの幅H1は、明暗ピッチP1の55%以上60%以下であるが、遮光部31dの幅H1は、明暗ピッチP1の70%以下であっても良い。また、遮光部31dの幅H1は、配置ピッチP2の1.1倍以上1.2倍以下であるが、遮光部31dの幅H1は、配置ピッチP2の1.4倍以下であっても良い。遮光部31dの幅が広すぎると、透光部31eを透過して受光部42で受光される光量が低下するため、受光部42での検出が不安定になるおそれがある。しかし、遮光部31dの幅H1が明暗ピッチP1の70%以下であれば、すなわち、遮光部31dの幅H1を配置ピッチP2の1.4倍以下であれば、受光部42で受光される光量の低下を防止することができる。そのため、この場合には、受光部42で受光される光量の低下を防止しつつ、リニアエンコーダ33の延命を図ることが可能になる。
また、上述した形態では、リニアエンコーダ33を例に、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の構成は、ロータリエンコーダ36にも適用することができる。たとえば、ロータリエンコーダ36を構成するロータリスケール34を透明な樹脂等の薄板で形成するとともに、その表面に光を遮断する黒色等の印刷を円周方向に所定間隔で施しても良い。この場合、ロータリスケール34に形成される遮光部と透光部とは、リニアスケール31に形成される遮光部31dや透光部31eと同様の状態で形成される。すなわち、図10に示すロータリスケール34のX−X断面は、図6に示すリニアスケール31と同様の状態になる。また、ロータリエンコーダ36を構成するフォトセンサ35の発光部および受光部の構成もリニアエンコーダ33を構成するフォトセンサ32の発光部41および受光部42の構成と同様になる。さらに、ロータリスケール34とフォトセンサ35との関係も、図6に示すリニアスケール31とフォトセンサ32との関係と同様になる。このように構成した場合であっても、ロータリエンコーダ36の延命を図ることができる。
さらに、上述した形態では、受光部42には4つの受光素子44a〜44dが1セットとなって、この1セットの受光素子44a〜44dが複数組配置されている。この他にもたとえば、受光部42には、1セットの受光素子44a〜44dが1組配設されても良い。また、2つの受光素子が1セットとなって、この1セットの受光素子が1組あるいは複数組配設されても良い。この場合には、1セットとなる2つの受光素子は、明暗ピッチP1の2分の1の配置ピッチP2で配置されれば良い。
さらにまた、上述した形態では、液体吐出装置としてプリンタ1を例に本発明の構成を説明したが、本発明の構成は、たとえば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置等のインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置にも適用可能である。なお、これらの液体吐出装置で吐出される液体は、たとえば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク等を含む液体や、加工液、遺伝子溶液等になる。
実施の形態にかかる液体吐出装置(プリンタ)の概略構成を示す斜視図。 図1のプリンタの紙送りに関する部分の概略構成を示す概略側面図。 図1のキャリッジおよび図2のPF駆動ローラの検出機構を示す概略構成図。 図3のリニアスケールの一端部の取付状態を示した概略斜視図。 図3のリニアスケールの他端部の取付状態を示した概略斜視図。 図2のリニアスケールとフォトセンサとの関係を示す模式図。 図2のリニアエンコーダの電気回路を示す回路図。 図2のリニアエンコーダから出力される信号波形を示す図。 リニアスケールでの光の透過状態を模式的に示す模式図。 図2のロータリエンコーダを示す平面図。
符号の説明
1 プリンタ(液体吐出装置)、2 印刷ヘッド(液体吐出部)、31 リニアスケール(スケール)、31d 遮光部、31e 透光部、33 リニアエンコーダ(位置検出装置)、33 ロータリスケール(スケール)、36 ロータリエンコーダ(位置検出装置)、41 発光部、42 受光部、44 受光素子、H1 遮光部の幅、H2 透光部の幅、I1 顔料系インク、P 印刷用紙(媒体)、P1 明暗ピッチ、P2 配置ピッチ。

Claims (8)

  1. 発光部と、該発光部からの光を透過する透光部および上記発光部からの光を遮断する遮光部が交互に形成されたスケールと、上記透光部を透過した光を受光する受光部とを備え、
    上記遮光部の幅は、上記透光部の幅よりも広く形成されていることを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記遮光部の幅は、1つの前記遮光部の幅と1つの前記透光部の幅との和である明暗ピッチの70%以下であることを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
  3. 前記遮光部の幅は、前記明暗ピッチの55%以上60%以下であることを特徴とする請求項2記載の位置検出装置。
  4. 発光部と、該発光部からの光を透過する透光部および上記発光部からの光を遮断する遮光部が交互に形成されたスケールと、上記透光部を透過した光を受光する受光部とを備える位置検出装置であって、
    上記受光部は、180°位相が異なる2つの信号をそれぞれ出力する少なくとも2つの受光素子を備え、
    上記遮光部の幅は、1つの上記遮光部の幅と1つの上記透光部の幅との和である明暗ピッチ内に上記2つの受光素子が配置されたときの配置ピッチよりも広く形成されていることを特徴とする位置検出装置。
  5. 前記遮光部の幅は、前記配置ピッチの1.4倍以下であることを特徴とする請求項4記載の位置検出装置。
  6. 前記遮光部の幅は、前記配置ピッチの1.1倍以上1.2倍以下であることを特徴とする請求項5記載の位置検出装置。
  7. 請求項1から6いずれかに記載の位置検出装置と、所定の媒体に液体を吐出する液体吐出部とを備えることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 前記液体吐出部は、顔料系インクを吐出することを特徴とする請求項7記載の液体吐出装置。
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