JP2007078293A5 - - Google Patents

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熱間等方圧加圧装置
本発明は、熱間等方圧加圧装置に関するものである。
熱間等方圧加圧法(熱間静水圧プレス法、HIP法)は、高圧ガス雰囲気下で金属やセラミックス材料を高密度に焼結したり拡散接合したりする方法であって、粉末材料の高密度焼結又は拡散接合、或いは鋳造品のガス気孔や巣等の欠陥除去に広く使用されている。このHIP法の実施に用いられる熱間等方圧加圧装置(以下、HIP装置)は、高圧ガスを封じ込める高圧容器と、この高圧容器内の高圧ガスを加熱する加熱装置と、この加熱装置を取り囲む状態で高圧容器内に処理室を画成する断熱構造体とを有している。
該加熱装置は、円筒形等をした支持台の内面又は外面に抵抗線加熱方式のヒータエレメントを保持した構造が公知となっている。該加熱装置に対しては、高圧容器の内容積を処理スペースとして可及的広く活用できるようにコンパクトであって且つ高性能のものが要求されている。
大型の被処理体を処理するHIP処理においては、その処理温度を1000〜1400℃程度に維持する必要があるが、この場合に用いる加熱装置において、ヒータエレメントや支持台には、耐熱性の問題と価格の観点からモリブデン又はモリブデン合金製のものが用いられる。この場合、ヒータエレメント及び支持台が共に金属製であるため、支持台に対するヒータエレメントの固定には、セラミックス製の絶縁ガイシを金属製のピンやボルトで支持台に取り付けたうえで、この絶縁ガイシにヒータエレメントを保持させる構造が採用されている(例えば、特許文献1や特許文献2等参照)。
また、酸化物セラミックス等のHIP処理では、高圧ガス雰囲気をつくり出す圧媒ガスとしてアルゴンに酸素を加えたものが必要とされるところ、モリブデンは耐酸化性が殆どないことから、ヒータエレメントにはNi−Cr系、又はFe−Al−Cr系合金製のものが用いられ、支持台には酸化物セラミックス又はアルミナ系耐火物等の無機質材(金属以外の材料)製のものが用いられている。
このように支持台が無機質材製である場合には、ヒータエレメントをコイル状に成形して支持台に埋設する構造が知られている(例えば、特許文献3等参照)。この構造によれば、ヒータエレメントの電気絶縁と固定とが同時に得られるため、構造のシンプル化が図られる利点があった。近年では、無機質材として、アルミナ−シリカ系の長繊維のマットにセラミックス粉を混練した高粘質材料(キャスタブル)も用いられている。
一方、断熱構造体の構造に着目すると、耐熱性・加工性及び価格の観点からモリブデン系の材料を断熱構造体の最内壁に設ける構造とするのが一般的であった(特許文献1参照)。
また、処理室内の高圧ガス雰囲気に酸素を含ませ且つ処理温度を1250℃より高くさせるHIP処理を行う場合において、断熱構造体の最内壁にアルミナ系耐火物を用いることもあった(例えば、特許文献4等参照)。
実公昭55−13914号公報 実公昭55−49513号公報 特公昭56−53187号公報 特開昭61−289287号公報
近年、モリブデン等の高融点金属は供給不足と価格高騰の傾向にある。ゆえに、加熱装置の支持台やヒータエレメントにモリブデン系材料を用いれば、当然にHIP装置全体としての製作コストの高騰化や納期の長期化といった問題に繋がるため、モリブデン系材料の使用はできる限り避けたいという事情がある。
また、HIP法においては被処理体との反応回避のために不活性ガスのアルゴンがよく使用されているが、アルゴンも高価であるため、これを窒素へ変更しようとする提案がある。しかし、窒素を使用した場合、高温高圧のガス雰囲気下においては窒素が加熱装置の支持台やヒータエレメントを構成するモリブデン系材料と直接反応を起こし、反応前後でモリブデンの熱膨張係数が変わってしまうから、降温時に支持台やヒータエレメントにクラックが発生するという問題があった。
加えて、モリブデン系材料は、1300℃以上の高温下に暴露されたときに結晶粒の成長、拡大化が起こり、セラミックス以上に脆くなり、衝撃等によって比較的簡単に破損してしまう問題もあった。のみならず、窒素とモリブデン系材料との反応により、モリブデン系材料による形成物の表面から内部へ徐々に窒化されてしまうため、特に前記形成物がヒータエレメントである場合には、その電気抵抗が変化してしまうという問題もあった。
以上のことより、モリブデン系材料を支持台、ヒータエレメント、断熱構造体の最内壁に使用することには困難が多いことが明らかである。
一方、アルゴンに酸素を混合したガスを高圧ガスとして使用する場合、ヒータエレメントにおいては、その形成材料として耐酸化性が良好とされるNi−Cr又はFe−Al−Cr系の合金を使用したとしても、これらの合金の融点が1500℃と十分に高くないこともあって、処理温度が1250℃を超えると耐熱性不足に陥り、この結果、使用不可となる事情もある。
Ni−Cr又はFe−Al−Cr系の合金を支持台、断熱構造体の最内壁に使用しても同様の問題が生じる。
ところで、1250℃を超える高温下でも、処理室内径が100mm程度であれば支持台をアルミナ系耐火物製とし、ヒータエレメントを白金系合金製とすることは不可能ではない。しかし、アルミナ系耐火物は、熱衝撃に対する耐性は十分に高くなく、且つ温度分布差に起因した熱応力でクラックが発生し易いことから、大型化が難しいという問題が存在する。このことは、アルミナ系耐火物を断熱構造体の最内壁に適用する場合でも同様の問題を生じさせることとなる。加えて、セラミックス焼結体は硬くて脆いために、焼結後の孔加工や切断加工等は実質的に不可能であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、加熱装置の支持台やヒータエレメント、及び断熱構造体の最内壁が、断熱性、耐熱衝撃性に優れると共に、機械的強度の向上、構造の簡潔化、製作コストの低廉化を図り得るものとなっている熱間等方圧加圧装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る熱間等方圧加圧装置は、被処理体を取り囲むように配置され且つ該被処理体を加熱する加熱装置と、該加熱装置を取り囲むように配置された断熱構造体と、該断熱構造体を取り囲むように設けられた高圧容器とを備え、前記加熱装置は、金属製抵抗線により形成されたヒータエレメントと、このヒータエレメントを処理室内で上下方向に複数ゾーンに分配させて保持する支持台とを有し、前記支持台は、アルミナを主成分とするセラミックス長繊維材料により形成された織布を材料として筒型に形成され、当該支持台(21)の全体の密度は下限値が1.5〜1.9g/cm 3 、上限値が2.5〜3.0g/cm 3 であることを特徴とする。
このような織布を材料として形成された支持台は、脆性が改善され、機械的な衝撃、温度分布により発生する熱応力にも割れないという特性を有することとなる。しかもこの支持台は、高速度鋼製や超硬合金製の一般的な工具により孔加工や切断加工が可能である。
詳しくは、支持台を構成する織布にセラミックス長繊維を使用することにより、その破壊の形態が通常のセラミックスのように瞬時にクラックが走って割れることを回避でき、長繊維が母材から少しずつ抜けるように形で割れ、且つクラックがジグザグに進む形態とすることができる。ゆえに、支持台が熱応力等により瞬時には破壊するといった欠点を確実に回避できるようになる。
また、支持台を構成する織布の主成分をアルミナとすることにより、耐熱性(高温強度)が良好になる。ちなみに、Al23が60%,SiO2が40%程度のアルミナ系混合物では、耐熱温度が1400℃位であるが、Al23が98%以上になると、耐熱性は1600℃程度まで改善される。本発明では、Ptのヒータエレメントと組合せる場合の使用温度は1500℃強、Mo合金のヒータエレメントと組合せる場合で1400℃〜1500℃となることが予想されるが、アルミナを主成分とする支持台は、かかる高温状態に十分耐え得るものとなる。
加えて、支持台の密度を下限値が1.5〜1.9g/cm 3 、上限値が2.5〜3.0g/cm 3 と数値限定しているのは、主として良好な機械加工性を得るためである。すなわち、支持台の密度が大きすぎると、金鋸やドリルでの加工は不可能となり、逆に、製造の制約から一定以下の密度とすることは困難である。かかる数値限定範囲は、本願発明者らが様々な条件下で支持台を試作し実験した結果得られたものである。
また、前記支持台には、上下方向で分配されるヒータエレメントに各対応させた窓が周方向複数箇所に形成されているとよい。
即ち、上述したように支持台は孔加工や切断加工が容易であるから、例えば、複数の短円筒又はリングを形成して、これらを同じ材料からなるロッド、針金、ボルト等を用いて連結することにより、支持台としての全体形状(筒型)を形成させたり、金鋸等を用いて比較的開口の大きな窓を形成することができる。
支持台に窓を形成するのは、支持台の内径が500mm以下の比較的小型の場合であって、窓は、上下方向で分配されるヒータエレメントに各対応させる配置で、且つ周方向の複数箇所に形成する。なお、各ヒータエレメントは、窓相互間として残る部分を利用して支持台へ取り付ければよい。このようにすることで、高圧ガスの自然対流を、支持台の窓を通過する状態として上下方向の複数ゾーンに区切って発生させることができ、上下各位置のヒータエレメントを各別に温度制御する場合の制御精度や応答性を高めることができる。
なお、前記ヒータエレメントはモリブデン系又はタングステン系の金属製線材により形成され、前記支持台に対して、ヒータエレメントと同じ材料で形成された取付部材により固定されているとよい。
特に、モリブデン系金属は窒素を含んだ高圧ガス雰囲気で窒化反応を起こすので、このような高圧ガス雰囲気とする場合は、ヒータエレメントをタングステン系金属製の線材により形成するのが好適である。タングステン系金属であれば、窒素ガス圧力が1GPaのように高くなっても窒化反応を生じることはない。言うまでもなく、取付部材についてもタングステン系金属製とする。
なお、窒素を含まない高圧ガスにおいては、モリブデン系金属によってヒータエレメント及び取付部材を構成することが好ましい。
また、ヒータエレメントは、白金系合金製の線材により形成することもできる。このようにすることで、処理温度が1250℃以上のように高温の場合に好適に使用できる。
この場合、ヒータエレメントを支持台に固定するには、ヒータエレメントと同じ材料で形成された取付部材を用いるのが好適である。
より好ましくは、取付部材は、支持台に対するヒータエレメントの固定構造に縛り付け構造を採用可能にするために、可撓性を有した線材により形成されたものとするのが好適である。即ち、白金系合金は高価で機械加工によって切屑等を発生させるのは製作コストの観点から好ましくなく、ピンやボルトの形態より線材とするのが良策だからである。また白金系合金は、モリブデン系金属やタングステン系金属と異なって可撓性に富んでいるため、針金状にして曲げて使うのに適している。
また、前記断熱構造体の最内面には、支持台と同じ材料で形成されている内壁材が設けられるようにすることは非常に好ましい。
本発明に係る熱間等方圧加圧装置では、加熱装置の支持台やヒータエレメント、及び断熱構造体の最内壁が、断熱性、耐熱衝撃性に優れると共に、機械的強度の向上、構造の簡潔化、製作コストの低廉化を図り得るものとなる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る加熱装置1を示した側面図であり、図2は、この加熱装置1を具備してなるHIP装置(熱間等方圧加圧装置)2を概略的に示した側断面図であり、図3は、加熱装置1の平断面図(図1のA−A線に沿う断面図)である。
HIP装置2は、高圧ガスを封じ込める高圧容器3と、該高圧容器3の内部の高圧ガスを加熱する加熱装置1とが設けられていると共に、この加熱装置1を取り囲む状態で逆コップ状をした断熱構造体7が複数(3個)入れ子状に設けられており、一番内側に位置する断熱構造体7の中側に処理室6が画成され、この処理室6の中に被処理体(図示省略)が配置されるものとなっている。
高圧容器3は、円筒状の容器本体10と、該容器本体10の上面を覆う上蓋部11と、容器本体10の下面を覆う下蓋部12とを有し、上蓋部11には、高圧ガスの供給・排出用の注入・排出口13が設けられている。
本実施の形態においては、下蓋部12を下降させて容器本体10の下面を開放することにより処理室6が開かれ、この状態から下蓋部12を上昇させることにより処理室6が閉ざされる構造としてあり、被処理体の出し入れは、下蓋部12の上面に配備されたセラミックス製の被処理体台15の上に載置することによってなされる。
前記上蓋部11及び下蓋部12には、高圧運転時には内部のガス圧力によって数千トン以上もの軸方向荷重が作用するが、前記上蓋部11及び下蓋部12は、通常、窓枠状のプレスフレーム(図示略)によって支持されており、該プレスフレームの支持力によって前記軸方向加重に抗している。
加熱装置1は、ヒータエレメント20と、このヒータエレメント20を処理室6内で上下方向に複数ゾーン(図例では3ゾーン)に分配させて保持する支持台21とを有している。
支持台21は円筒形等の筒型に形成されており、薄肉とされている。この支持台21は、アルミナ(酸化アルミニウム)を主成分とするセラミックス長繊維材料により形成された織布を材料として形成されている。織布の密度は1.9〜2.5g/cm3である。
この織布を用いて実際に支持台21を形成するには、織布を厚さ約5mm程度で円筒形に巻き上げて成形した後、これに酸化物系のゾル又は酸化物微粉末スラリー(アルミナ又はシリカ系のゾル)を含浸させ、約1500℃で焼成して製作したものである。本実施形態において、支持台21の内径は250mm程度とした。
支持台21を構成する織布にセラミックス長繊維を使用することにより、その破壊の形態が通常のセラミックスのように瞬時にクラックが走って割れることが回避でき、長繊維が母材から少しずつ抜けるよう形で割れ、且つクラックがジグザグに進む形態となる。ゆえに、支持台が熱応力等により瞬時には破壊するといった欠点を確実に回避できるようになる。
セラミックス繊維材料の長繊維と短繊維との定義に関しては、数値的に厳格な定義は見当たらないが、当業者の技術常識として、長繊維とは通常その直径が1〜10μm程度であってその長さが直径の100倍以上のような形態のものをいう。逆に、短繊維とは,直径は同等でも長さが直径の50倍以下もしくは10〜20倍程度ものをいうことが多い。本実施形態の支持台21で使用した長繊維材料は、直径が約5μm、長さ5〜10mmである。このような長繊維は布状に織ることが可能であり、破壊の形態が脆性的でないことが特徴である。
また、支持台を構成する織布の主成分をアルミナとすることにより、耐熱性(高温強度)が良好になる。特に、Ptのヒータエレメントと組合せる場合の使用温度は1500℃強、Mo合金のヒータエレメントと組合せる場合で1400℃〜1500℃となることが予想されるが、アルミナを主成分とする支持台は、かかる高温状態に十分耐え得るものとなる。
加えて、支持台を構成する織布の密度を1.9〜2.5g/cm3と数値限定しているのは、主として良好な機械加工性を得るためである。詳しくは、密度の下限としては、支持台21は、アルミナ長繊維の織布にアルミナスラリーを混合したものを原料として加工することから、この加工上の制約により数値的な限界がある。具体的には、織布自体が0.9〜1.0g/cm3の密度を持っており且つこれに結合材料となるアルミナスラリーを混合・成形した後、焼結するが、ウェットな状態で円筒状に巻き上げて焼成する際に,残アルミナ量としては織布とほぼ同等量以上が必要であるため、支持台21全体の密度としては、約1.5〜1.9g/cm3が下限となる。密度の上限としては、一回のスラリー含浸・焼成操作では,前述のごとく焼結による綴密化収縮は生じないため、密度変化は約60%程度である。これはアルミナの真の密度を3.98g/cm3とすると、変化後は約2.5〜3.0g/cm3となる。アルミナスラリー含浸・焼成操作を繰返すことにより、さらに密度を上げることは可能ではあるが、密度が上がるほど金鋸やドリルによる機械加工性は低下するため、支持台21に採用することには困難性を伴うようになる。ゆえに、支持台21全体の密度としては、約2.5〜3.0g/cm3が上限となる。
要約するならば、このような織布を材料として形成された支持台21は、脆性が改善され、機械的な衝撃、温度分布により発生する熱応力にも割れないという特性を有することとなる。しかもこの支持台21は、高速度鋼製や超硬合金製の一般的な工具により孔加工や切断加工が可能である。
図1及び図3に示す如く、ヒータエレメント20は、モリブデン系若しくはタングステン系の金属製線材を上端位置及び下端位置で交互にUターンさせるようにジグザグに折り曲げて全体が帯状を呈するような形体に形成されている。そして、この帯状部分の長手方向で支持台21の外周面へ巻き付けるようにして該支持台21に配備されており、線材の両端部を支持台21の下端まで引き出してこれらをリード部(通電部)22とさせるようにしてある。
図4に示すように、ヒータエレメント20を形成する線材は、一本で所定の線径を満たすものとしてもよいが、作業性の観点からは、線径0.3〜1.0mm程度の比較的細いもの複数本を束状にまとめたりロープ状に撚ったりして用いてもよい。
上記したように支持台21には孔加工が簡単にできるので、ヒータエレメント20を支持台21に固定する部分へドリルやキリ等を用いて容易に小孔24が開設される。そして、ヤーンや線材等より形成した取付部材25でヒータエレメント20を抱き込ませ、この取付部材25を小孔24へ貫通させ、裏側(支持台21の筒内面側)で固定する等することにより、ヒータエレメント20が支持台21の外周に縛り付けられることとなる。取付部材25は、反応防止や熱膨張率の差による変形防止を図るために、ヒータエレメント20と同質の材料によって形成されたものを用いるとよい。
ヒータエレメント20は、支持台21によって上下に分配された配置とされているため、処理室6内を高圧ガス雰囲気としたときに発生する激しい自然対流も、上下各ヒータエレメント20に対応するようにして上下複数ゾーンに区切られて生じることとなる。
そこで、支持台21に対し、各ゾーンのヒータエレメント20に対応させる配置で温度測定用の熱電対(図示略)を設ける。これにより、処理室6内の各ゾーンの温度制御が行えることとなり、この結果、処理室6の上方域が高温で下方域が低温となるといった温度分布を生起させることを抑え、処理室6の上下方向の均熱化が図られることとなる。
なお、熱電対は、支持台21の周方向の1箇所(又は複数箇所)に筒軸方向に沿わせて設けた保護管27(図1、図3参照)の内部に設けておけばよい。この保護管27は、アルミナ等のセラミックスによって形成するのが好適であり、支持台21への取り付けには、ヒータエレメント20の場合と同様に、ヤーンや線材等によりなる取付部材25で縛り付ける構造とすればよい。
支持台21に対し、保護管27を取り付ける周方向の位置付けは任意である。本実施形態においては、上下方向で分配される各ヒータエレメント20のリード部22を一箇所にまとめると共に、このリード部22の配置部中央、即ち、各ヒータエレメント20の両極間を隔てるようにして、保護管27を配置させるようにしている。このようにすることでスペース的な有効利用が図られるだけでなく、ヒータエレメント20における両極間の絶縁が確実なものとなる。
本実施の形態の支持台21は上記したようにその内径が250mm程度としてあり、これは500mm以下の小型の部類に入るから、支持台21は、上下方向で分配される各ヒータエレメント20に対応させる配置あって且つ周方向の複数箇所に窓28を設けたものとしてある。
各ヒータエレメント20は、窓28の相互間として残る部分を利用して、上記取付部材25により支持台21へ取り付けられている。上記したように支持台21は切断加工が簡単にできるから、鋸等を用いれば窓28の形成も容易且つ精度良く、また失敗なく行える。
このような窓28を形成することにより、上下方向で分配される各ヒータエレメント20からの熱によって生じる高圧ガスの自然対流を、支持台21の窓28を通過する状態として上下方向の複数ゾーンに区切って発生させることができる。これにより、処理室6内の被処理体に対して高圧ガスの自然対流による熱を効率よく与えることができるのである。
したがって、上下各位置のヒータエレメント20を各別に温度制御する場合の制御精度や応答性を高められることとなる。
支持台21の下端部には、外周面から外方に張り出させるようにして下部フランジ30が設けられている。この下部フランジ30が設けられていることで、加熱装置1全体を断熱構造体7と共に高圧容器3の下蓋部12に固定することができる。この下部フランジ30は、支持台21と同じ材料で形成されている。
また、この下部フランジ30は、支持台21の下端部と断熱構造体7の最内面下端部との間にできる周隙間31を塞ぐための環状底部32(図2参照)を形成するものとなっている。このように環状底部32を設けることにより、上記周隙間31からの高圧ガスの流出が防止されることとなる。
なお、各断熱構造体7は、前述の如く逆コップ状をした形状で、円筒状の側壁と、図2中では上方に位置する底部とを有している。3つの断熱構造体7の内、最も内側に位置する断熱構造体7の内面側には、内壁材35が設けられており、この内壁材35は支持台21の材料と同じ材料、即ち、アルミナを主成分とするセラミックス長繊維材料により形成された密度1.9〜2.5g/cm3の織布によって形成されている。
なお、高圧ガスの透過に起因する断熱性能の低下を防止するため、内壁材35にアルミナゾルを含浸させて気孔の量(気孔率)をできる限り減少させておくことが必要である。また、この場合、どうしても水分が残留するので、HIP装置2の稼動前に加熱装置1を準備加熱させ、水分を極力蒸発させる操作をするのが好ましい。
このような構成の加熱装置1を具備してなるHIP装置2では、支持台21に対するヒータエレメント20の固定構造において、機械的強度の向上、構造の簡潔化、製作コストの低廉化が図られ、また高温の処理温度にも耐えるものとなる。また、窒化や脆化、電気抵抗の変化といった種々の問題を解消することができる。
なお、本実施形態においては支持台21が小型であるので、その全体を一体型の円筒状の成形体としている。これに対し、内径が1mを越えるような大型の支持台21では、例えば、厚さ5〜10mmで高さ50〜100mmといったリング状又は短筒状の成形体を、同種のセラミックス繊維により製作したロッド状の部材を用いて、籠状に形成することが好適となる。
この場合、リング状の各成形体に対して(要するにロッド状の部材で連結する前の段階で)窓28の形成ができるので、工程と材料の歩留まりの観点で非常に有利となる。ロッド部材と成形体の結合についても、孔加工が容易であるので、線材又はボルト状の結合部材を用いることで簡便に行うことができる。
一方、処理室6内の高圧ガス雰囲気として酸素が含有されているものとし、また、処理温度が1250℃以上となる場合では、ヒータエレメント20には白金系の合金を材料として形成されたものを用いるとよい。これにより、Fe−Al−Cr系やNi−Cr系材料が具備する耐熱性不足が回避されることとなる。
この場合、支持台21に対してヒータエレメント20を固定するための取付部材25としても白金系の材料を用いる必要が生じるが、白金系の材料は高価であるので、切粉の発生を伴うような機械加工をすることは製造コストの観点から見て好ましくない。そこで、取付部材25は線材として形成されている。白金系の材料は比較的柔らかいため、取付部材25を線材として形成することにより、該取付部材25は人手で操作できるような簡単な工具で所定形状に屈曲させることができ、これにより、上述の如き機械加工を伴うことなく容易にヒータエレメント20を取付部材25によって固定されることとなる。
このようにヒータエレメント20の形成材料を白金系合金としたうえで、酸素を含む高圧ガス雰囲気で使用する場合では、加熱装置1として、またHIP装置2全体としての大形化も抑制できる利点がある。
図5は、内径が1mを越えるような大型の支持台21において、この支持台21へのヒータエレメント20の固定を好適なものとする構成を示している。ヒータエレメント20はモリブデン系金属によって形成されている。この場合に用いる取付部材25は、ヒータエレメント20が大型で重量化するのに伴い、ボルト40とナット41とを有したものとのとするのが好適である。ボルト40及びナット41は、何れもモリブデン合金製とするのが好適である。
この構造にすれば、支持台21にはドリル等によって孔43を形成させるだけでよく、孔43内に雌ネジを刻設したり、アイボルト(雄ネジを有したピン)を埋設したりする必要がなく、簡潔構造となる。勿論、電気絶縁用のセラミックスガイシも不要である。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
本発明に係る熱間等方圧加圧装置の加熱装置を示す側面図である。 熱間等方圧加圧装置を示す側断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 ヒータエレメントの固定構造を拡大して示す斜視図である。 ヒータエレメントの別の固定構造を拡大して示す側断面図である。
符号の説明
1 加熱装置
2 熱間等方圧加圧装置(HIP装置)
3 高圧容器
6 処理室
7 断熱構造体
20 ヒータエレメント
21 支持台
25 取付部材
28 窓
31 周隙間
32 環状底部

Claims (6)

  1. 被処理体を取り囲むように配置され且つ該被処理体を加熱する加熱装置(1)と、該加熱装置(1)を取り囲むように配置された断熱構造体(7)と、該断熱構造体(7)を取り囲むように設けられた高圧容器(3)とを備え、前記加熱装置(1)は、金属製抵抗線により形成されたヒータエレメント(20)と、このヒータエレメント(20)を処理室(6)内で上下方向に複数ゾーンに分配させて保持する支持台(21)とを有し、
    前記支持台(21)は、アルミナを主成分とするセラミックス長繊維材料により形成された織布を材料として筒型に形成され、当該支持台(21)の全体の密度は下限値が1.5〜1.9g/cm 3 、上限値が2.5〜3.0g/cm 3 であることを特徴とする熱間等方圧加圧装置。
  2. 前記支持台(21)には、上下方向で分配されるヒータエレメント(20)に各対応させた窓(28)が周方向複数箇所に形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱間等方圧加圧装置。
  3. 前記ヒータエレメント(20)はモリブデン系又はタングステン系の金属製線材により形成され、前記支持台(21)に対して、ヒータエレメント(20)と同じ材料で形成された取付部材(25)により固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱間等方圧加圧装置。
  4. 前記ヒータエレメント(20)は白金系の金属製線材により形成されており、前記支持台(21)に対してヒータエレメント(20)と同じ材料の取付部材(25)によって固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱間等方圧加圧装置。
  5. 前記取付部材(25)は、可撓性を有する線材により形成されていることを特徴とする請求項4記載の熱間等方圧加圧装置。
  6. 前記断熱構造体(7)の最内面には、支持台(21)と同じ材料で形成されている内壁材(35)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の熱間等方圧加圧装置。
JP2005268865A 2005-09-15 2005-09-15 熱間等方圧加圧装置 Withdrawn JP2007078293A (ja)

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