JP2007077420A - ペーパースラッジ焼却灰造粒水熱固化体−アルミニウム複合材 - Google Patents

ペーパースラッジ焼却灰造粒水熱固化体−アルミニウム複合材 Download PDF

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Abstract

【課題】 PS焼却灰に少量の固化材(セメント、生石灰等)を添加し、水を加え混合機で撹拌造粒したものを高温高圧化のオートクレーブ養生で反応(水熱固化反応)により製造された非焼成の造粒固化体とアルミニウムを混合することで、断熱性の優れた複合材を提供する。
【解決手段】 ペーパースラッジを焼却する際に発生する焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰並びにセメントを加え、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、高温・高圧下で反応(水熱固化反応)させて製造された固化体を分散粒子として、またこれもリサイクルされるアルミニウム缶も利用できるアルミニウム素材を溶融金属として用い、PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウム素材とのなじみ(ぬれ)を向上させることで、高圧を負荷せずに制震、吸音、断熱性に優れ、十分な強度と耐久性を有する複合材を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、パルプ製造工程、紙製造工程、古紙処理工程等から発生するペーパースラッジ(以下PSと略す)を焼却処理した際に発生する焼却灰から、重金属類の溶出を抑制した、高強度、かつ、長期的に安定な粒状の水熱固化体を原料として作製された造粒品を分散粒子として、またこれもリサイクルであるアルミニウム缶も利用できるアルミニウム素材を溶融金属として用い、PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウム素材とのなじみ(ぬれ)を向上させることで、高圧を負荷せずに複合材を製造する方法に関する。
ペーパースラッジとは、一般的には、古紙を再生するときに生ずる産業廃棄物をいうが、ここでは、パルプ製造工程、紙製造工程、古紙処理工程等から発生するものを含む。
金属系マトリクスと粒子状の強化素材からなる複合材の代表的な製造方法として、次のような従来の技術がある。例えば、チクソキャスト法は、固液共存撹拌凝固させた合金を、再度固液共存域に加熱し、この揺変性という性質を利用して成形を行う加工技術である。これは、固液共存温度領域における半凝固プロセスである。
また、コンポキャスト法は、合金材料の固液共存状態において、撹拌子による機械的な回転撹拌を加えると同時に、非金属の微粒子や繊維を投与して、均質性の高い金属基複合材を作る方法である。これも、固液共存温度領域における半凝固プロセスである。
また、溶液浸透法である加圧鋳造法は、金属−粒子系複合材の製造方法として、古くから実験室レベルでの実験が数多く行われているが、粒子間隔に溶液を浸透させるため、高い圧力で加圧する高圧凝固鋳造法がとられている。加圧鋳造法として、特許文献1に、金型中に充填されたセラミックス等の微細中空体に、アルミニウム等の溶融金属を油圧プレスで高圧圧入して、軽量化複合材を得る方法が記載されている。
また、特許文献2に、チタニア(酸化チタン)粒子を機械的に撹拌しスプレードライにより造粒したものに、溶融金属であるアルミニウムを高圧含浸させ、延性と破壊じん性に優れた複合材を得る方法が記載されている。
一方、PS焼却灰は嵩高であることにより輸送賃がかかることと、灰の形状が不均一であることにより、フライアッシュのようにセメント原料としての用途が少ない。また、PS焼却灰には、重金属類の有害物質が含まれており、直接埋立処分ができず、埋立を行う場合は、管理型処分場といわれる遮水シート等で外部への浸透水流出を防止した処分場で埋立処分をしなければならないように義務づけられている。さらに、埋立処分とする場合、有害物質の溶出を抑制する中間処理が必要である。
中間処理として薬剤(キレート)処理や溶融固化処理があるが、高価なキレート剤が処理すべき灰に対して数%程度必要であり、溶融固化処理では設備費及び多くのエネルギーが必要となり、これらの中間処理方法は焼却灰処理費用を増大させる要因となる。また、埋立処分場を確保すること自体が、近年ますます困難になってきている。

特公昭52−17494号公報 特開平8−176703号公報
上記のように、(1)分散粒子がPS焼却灰のリサイクルによる造粒水熱固化体である溶融金属との複合材であること、(2)分散粒子と溶融金属を固相状態から混合して同時加熱すること、(3)半凝固プロセスではなく完全溶融状態における混合撹拌プロセスであること、(4)特別な装置を必要とする高圧鋳造ではなく重錘程度の低圧鋳造法であること、による技術は無い状況であった。
このような状況に鑑み、PS焼却灰を有効利用することで処理費の抑制を図る方法として、PS焼却灰に少量の固化材(セメント、生石灰等)を添加し、水を加え混合機で攪拌造粒したものを高温高圧のオートクレーブ養生で反応(水熱固化反応)により製造された非焼成の造粒固化体を分散粒子として、また溶融金属にこれもまたリサイクルであるアルミニウム缶も利用できるアルミニウム素材を用い、PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウム素材とのなじみ(ぬれ)を向上させることで、高圧を負荷せずに軽量で断熱性の高い複合材を提供すること、およびその製造方法を提供することを課題とした。
上記の課題を達成するために、本発明のペーパースラッジ灰造粒水熱固化体−アルミニウム複合材の製造方法は、ペーパースラッジを焼却する際に発生する焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰並びにセメントを加え、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、高温・高圧下で反応(水熱固化反応)させて製造された固化体を分散粒子として、リサイクルされるアルミニウム缶も利用できるアルミニウム素材、即ち、アルミニウム、アルミニウム合金、廃棄アルミニウム品及びこれらの二種以上の混合物からなる群から選択される材料を溶融金属として、ルツボに交互に投入しルツボをヒーターによって加熱することで、PS焼却灰造粒水熱固化体を乾燥しアルミニウム地金を溶解し、次に撹拌子で全体を撹拌し、上部(図1参照)をプランジャーで加圧して成型し、徐冷により凝固させ複合材を製造するように構成されている。
上記方法により、PS焼却灰の造粒後の水熱固化体、並びにアルミニウム、アルミニウム合金及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から成る、本発明の複合材が提供される。前記水熱固化体は、複合材の全容積の50%〜75%を占める。水熱固化体が複合材の全容積の50%とは、容積比では、PS焼却灰造粒水熱固化体:アルミニウム(アルミニウム合金の場合、アルミニウム合金の容積)=50:50であり、さらに、後述するように、PS焼却灰造粒水熱固化体の密度(0.855g/cm)とアルミニウムの密度(2.7g/cm)から、重量比では、PS焼却灰造粒水熱固化体:アルミニウム=25:75となる。前記水熱固化体が、複合材の全容積の50%未満では、得られる複合材が顕著となる軽量でかつ断熱性の高い効果を有することはできない。また、逆に75%を超えると、アルミニウムの溶融金属が水熱固化体間に均質に浸透されなくなり、強度が不足となり所定の強度が得られないという問題がある。
本発明によれば、PS焼却灰を原料としてこれに少量の固化材(セメント、生石灰等)と水を加え粒状としたものを高温・高圧下で反応(水熱固化反応)させ軽量で多孔質な固化品として生成されるPS焼却灰造粒水熱固化体を分散粒子として、溶融金属であるアルミニウムと混合することで、熱伝導率がアルミニウム単体の約1/16となる、断熱性の優れた複合材を得ることができる。
このようにして製造されたPS焼却灰造粒水熱固化体−アルミニウム複合材は、制震、吸音、断熱性に優れており、十分な強度と耐久性を有することから、道路防音壁、軌道振動制御、空調機騒音制御、建築材料など、多方面への用途に使用できる。
また、従来、有効活用が難しかったPS焼却灰を活用することで、処理費用の削減及び環境負荷低減またはエコロジーの観点からも、非常に好ましいものと言える。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
先ず、PS焼却灰造粒水熱固化体の製造に関して述べる。
PS焼却灰は、パルプ製造工程、紙製造工程、古紙処理工程等から発生するペーパースラッジをボイラーで焼却処理した焼却灰のことである。ボイラーには流動層ボイラやストーカ焼却炉等種々あるが、この場合、形式は限定されるものではない。また、助燃用とする程度であれば重油や石炭をペーパースラッジと共に、ボイラーで混焼しても構わない。
さらに、PS焼却灰の本来の性状である細孔性や多孔性を損なわない程度であれば、RDF(ごみ固形燃料)、RPF(産業系廃プラスチック・古紙類固形燃料)、その他一般可燃物もペーパースラッジと共に、ボイラーでの混焼は構わない。助燃用に石炭を使用した場合の、PS焼却灰は微量ながらも重金属類(六価クロム、砒素、セレン、フッ素、ホウ素等)を含んでいるのが、一般的である。
PS焼却灰に加える水及び/又は温水は、焼却灰100重量部に対して、60〜100重量部、望ましくは75〜95重量部である。水及び/又は温水の添加量は、造粒条件や造粒後の強度に影響する。焼却灰に対して、水及び/又は温水の添加量が多くなると、造粒時間は短くなる。これは、水及び/又は温水が速く焼却灰に浸透することで、造粒も速く進むと考えられる。但し、造粒後の強度は低くなる傾向にある。一方、焼却灰に対して、水及び/又は温水の添加量が少なくなると、造粒時間は長くなるが、造粒後の強度は高くなる傾向である。このことから、造粒後の強度も高く、製造効率も高い望ましい範囲を追究したところ、上記記載の、PS焼却灰に加える水及び/又は温水は、焼却灰100重量部に対して、60〜100重量部、望ましくは75〜95重量部であることが得られた。
PS焼却灰に加える生石灰量は、PS焼却灰に含有される生石灰分量にもよるが、焼却灰100重量部に対して、0〜20重量部の範囲が望ましい。また、ボイラーの脱硫用として、燃焼時に添加される炭酸カルシウムを増やすことで、PS焼却灰に含有される生石灰量が増すため、混合時に加える生石灰量を少なくすることができる。焼却灰とよく混合できるように、生石灰は粒状もしくは粉状が望ましい。添加される生石灰(CaO)は、PS焼却灰が元々含有している石灰分(CaO)と共に、後述するシリカ(SiO)と、水熱固化反応において強度向上及び重金属類の有害物質の溶出抑制に、重要な役割を果たす。PS焼却灰に加えるセメントは、必要な強度にもよるが、焼却灰100重量部に対して、0〜20重量部が望ましい。添加されるセメントは、水及び/又は温水とから成る強度自体を発生させる役割があることと、さらにはセメントに含有されるシリカ分(SiO)が、PS焼却灰が元々含有しているシリカ分(SiO)と共に、先述した石灰分(CaO)と、水熱固化反応において強度向上及び重金属類の有害物質の溶出抑制に、重要な役割を果たす。
必要により添加される硬化促進剤、分散剤は、PS焼却灰、水及び/又は温水、生石灰、セメントとの混合物において、水和作用を促進して早期に強度を発現させる役割があり、後述する前養生及び水蒸気養生の処理時間を短くする効果がある。硬化促進剤、分散剤には、塩化カルシウム、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、炭酸ソーダ、炭酸カリ、珪弗化亜鉛、珪弗化マグネシウム、珪弗化ソーダ等がある。
ペーパースラッジを焼却灰、水及び/又は温水、生石灰、セメント、必要により硬化促進剤、分散剤を加え、混合工程及び造粒工程を行う。混合・造粒工程の温度は、常温〜98℃、例えば、15〜98℃、望ましくは60〜95℃を保持することが強度向上のためには必要である。混合・造粒時間は先述したように、水及び/又は温水の添加量に影響され、また、混合装置(撹拌子の回転数や大きさ等)にも影響されるが、5〜10分間が望ましい。なお、PS焼却灰、水、生石灰、セメントは造粒機に別々に供給してもよく、予め混合した状態で供給してもよい。
造粒機には、押出造粒機、転動造粒機、ロール成形機、打錠式造粒機、フレーカ式造粒機等がある。押出造粒機は、一定の穴径を備えたダイスから材料を強制的に圧縮押出するものである。転動造粒機は、回転体に供給された材料が回転運動により相互に付着成長しながら、比較的ソフトで形状の整った球状物を大量に作るのに適している。ロール成形機は、相対する一対の回転ロールに凹状のポケットが刻んであり、上部より材料を供給し形状一定の造粒物を作る装置である。打錠式造粒機は、円板上に放射線上に並んだ金型に材料が充填され、押棒により圧縮され、次いで造粒物が排出される、これを連続で行うものである。フレーカ式造粒機は、溶融物やスラリー状の材料を回転ドラムやスチームベルトに付着させ、冷却又は加熱することによりフレーク状に造粒するものである。
本発明の造粒機は、細孔性及び多孔性を保持する必要から、粒子自体がソフトに成形でき、さらに、施工上締め固めしやすいように一定の粒径ではなく、ある範囲をもった粒度分布が得られ、また、用途上、大量生産に適したものでなければならない。これから、上記の造粒機の中では、転動造粒機がもっとも好適である。
造粒工程後、造粒品を前養生する必要がある。前養生を行うことにより、造粒品の硬度が増し、それによってその後の水熱固化体の硬度も増すことになるため、この前養生は重要である。養生方法には、大きく分けて自然養生と強制養生がある。自然養生とは、特に手を加えることなく、時間をかけることによる養生方法である。強制養生とは、高温状態に保持して、短時間で効率的な養生方法である。本発明においては、どちらの養生方法でも構わない。
前養生後、水蒸気養生(185℃で10気圧の蒸気によるオートクレーブ養生)による水熱固化反応を行うことにより、PS焼却灰が元々含有している石灰分(CaO)とシリカ(SiO)及び添加する生石灰(CaO)とセメントに含有されるシリカ(SiO)とから、水熱固化反応によってケイ酸カルシウム(トバモライト、5CaO・6SiO・5HO)の結晶が生成して、高強度、かつ、長期的に安定な粒状の水熱固化体が得られる。元々PS焼却灰が含有している石灰分とシリカだけでは、水熱固化反応で充分な強度を得ることはできないため、後添加の生石灰とセメントが必要である。
以上が、PS焼却灰造粒水熱固化体の製造に関する記載である。
次ぎに、上記で述べたSP焼却灰造粒水熱固化体を分散粒子として、アルミニウム素材を溶融金属として、複合材を製造する方法について述べる。
複合材の製造プロセスは、(a)金型内に、PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウム材を混合し装入する、(b)金型内に混合し装入した2つの材料を850℃に加熱することで、PS焼却灰造粒水熱固化体を乾燥・予熱するとともにアルミニウム材を溶融する、(c)アルミニウム材が溶融した後、撹拌しPS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウム材を均一に混合する、(d)金型の上部から重錘を載せることで、上部へ浮かんだPS焼却灰造粒水熱固化体を内部へ押込み均一混合化を図る、(e)中心部に引け巣ができないように、炉冷により複合材を常温まで徐冷する。この複合材の製造プロセスを図1に示す。
PS焼却灰造粒水熱固化体の粒径は、2.5〜10mm程度が好ましい。粒子が2.5mmより小さいと、溶解金属に対し粒子表面がぬれることが難しく、粒子の性状を発揮することができないため、複合材としても当然のことながら、所定の性能を得ることはできない。逆に粒子が10mmより大きいと、溶融金属に対する粒子表面のぬれは良好となるが、金属と粒子とが均一ではなくなり、これも複合材として所定の性能を得ることはできない。
鋳型形状は、撹拌しながら加熱するので、円柱形が好適である。
PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウムの混合割合は、重量比でPS焼却灰造粒水熱固化体:アルミニウム=50:50〜25:75、即ち、1:1〜1:3が好ましい。この重量比50:50〜25:75を、PS焼却灰造粒水熱固化体の密度(0.855g/cm)とアルミニウムの密度(2.7g/cm)から、容積比にすると、75:25〜50:50、即ち、1:(1/3)〜1:1となる。
溶解は、PS焼却灰造粒水熱固化体を乾燥させ、アルミニウム素材を溶解する両方の働きを有する。溶解時間は、アルミニウムが充分に溶融する時間とする。
混合撹拌方法は、溶解物中のアルミニウムとPS焼却灰造粒水熱固化体間のせん断率とせん断力を高い状態にするものである。せん断状態は、粒子表面を溶解金属が擦り磨くという物理的機構によって粒子表面から吸着しているガスやガス気泡を除去するのに役立ち、ガスや酸化物のような汚染物をきれいにする。このせん断は、また粒子表面上に溶解金属を拡散する傾向があり、せん断力が与えられると、粒子表面上を溶融金属が拡散するのを妨害する他の力に打ち勝つのに役立っている。また、せん断作用は粒子に対し、溶解金属がせん断する以外は粒子を変形したり破砕したりしない。
溶解金属であるアルミニウムがPS焼却灰造粒水熱固化体をぬらし、アルミニウム内にPS焼却灰造粒水熱固化体が分散するよう十分な時間をかけて撹拌子によって、アルミニウムを混合する。撹拌子の形状は、PS灰造粒水熱固化体とアルミニウムが充分に均一混合されるのであれば、特に問わない。
実験結果から、混合撹拌時間は5〜10分間であるが、混合撹拌時間は、PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウムが均一混合されるのであれば、この範囲に限るものではない。
加熱温度は、PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウムとの間で不必要な化学反応が起こらないよう、制御する必要がある。最適な加熱温度は、800〜850℃である。加熱温度が850℃より高いと、著しい酸化反応が発生する状態となり、金属の強度等の健全性が損なわれる。逆に、加熱温度が800℃より低いと、温度が低いところが発生し部分的に凝固を起してしまい、複合材としての均一性が損なわれる。
プランジャーによる加圧は、実験結果からは圧力範囲として、0.26〜0.52kg/cmである。
複合材の冷却方法は、中心部の引け巣を無くすため、及び造粒体の分布もほぼ均一で緻密な複合材を得るために、ヒーターによる加熱を止め室温まで徐々に炉及び複合材を全体的に冷却する徐冷方法が最適である。
以上の方法によって得られたペーパースラッジ焼却灰造粒水熱固化体−アルミニウム複合材は、制震性、吸音性、断熱性を有する。
以下に本発明の実施例を示すが、これは例示的なものであって、本発明がこれに限定されるべきではない。
表1に示す組成のPS焼却灰100重量部に対し、水91重量部、生石灰10重量部、セメント10重量部を造粒機で混合し造粒した粒状の造粒品を、前養生として2週間の自然養生を行い、さらに水熱固化処理として180℃で5時間の水蒸気養生を行って水熱固化体を得た。
Figure 2007077420
アルミニウムは、リサイクルアルミニウムとほぼ同一成分に溶製した擬似リサイクルアルミニウムを用いた。この擬似アルミニウムの化学成分を表2に示す。
Figure 2007077420
この擬似アルミニウムの融点の測定には、示差熱分析を行った。相変態温度は、擬似リサイクルアルミニウム溶湯に熱電対を挿入し、徐冷過程の冷却曲線を測定して決定した。擬似リサイクルアルミニウムの相変態温度は、表3の通りである。なお、これらの相変態温度は、複合材の製造にあたって、PS焼却灰造粒水熱固化体との混合温度の決定に重要である。
Figure 2007077420
PS焼却灰造粒水熱固化体を粒度調整し、2.5mm以下のもの、2.5〜5mmのもの、5mm以上のものに分級して、擬似リサイクルアルミニウムとの複合化を行った。PS焼却灰造粒水熱固化体を100〜200℃で長時間加熱し、加熱前後の重量測定から含水率を求めた結果、41%であった。また、PS焼却灰造粒水熱固化体の加熱乾燥後の密度を測定した結果、0.855g/cmであり、アルミニウムの密度(2.7g/cm)の約3倍軽量である。
複合材の製造プロセスは、図1に示す通りである。
複合材の諸特性は、最適な製造プロセスによって製造した複合材は、短尺複合材2つ(複合材A、B)と、長尺複合材2つ(複合材C、D)であり、その諸元を表4に示す。いずれの製造条件も、PS焼却灰造粒水熱固化体とアルミニウムの混合割合は、重量比で50:50であり、加熱温度は800℃である。この重量比50:50を、PS焼却灰造粒水熱固化体の密度(0.855g/cm)とアルミニウムの密度(2.7g/cm)から、容積比にすると、75:25となる。
Figure 2007077420
複合材の密度について、短尺複合材A、短尺複合材B、長尺複合材Cの頭部、中部、底部、長尺複合材Dの頭部、中部、底部の密度を図2に示す。
複合材の圧縮強さについて、複合材とアルミニウム単体材料等を用いて比較を行った。なお、本実験では試料を30%圧縮変形させた時の荷重で比較した。図3に各種材料の圧縮強さを示す。これより、造粒物の混合割合が高いものほど、圧縮強さが低くなることがわかる。
複合材の熱伝導率を、上下銅板の温度差Δθを測定して、次式より算出した。
λ=Δθ/(L×A×V)
Δθ:計測値の差[℃] L:計測する材料の厚さ
ここで、Lは計測する材料の厚さで、電流Aと電圧Vはそれぞれ55mA、10Vである。
測定結果を図4に他の材料との比較で示す。アルミニウムの熱伝導率が236W/mKと高いが、複合材(ハイブリッドB、M、T)はPS焼却灰造粒水熱固化体を含んでいるため、アルミニウムの約1/16であり断熱性が優れている。
PS焼却灰造粒水熱固化体とリサイクルアルミニウムとの複合材について、得られた結果は以下の通りである。
(1)リサイクルアルミニウムとPS焼却灰造粒物の混合は、アルミニウムが溶融状態で行ったときに最も良い結果が得られた。
(2)密度が低いPS焼却灰造粒水熱固化体は、混合したときに溶融アルミニウムの頭部に浮きあがってくるので、断熱性の高いもので蓋をして負荷をかける必要がある。
(3)混合した素材は液相状態で冷却するとき、徐冷しなければ素材内部に引け巣ができる可能性が高い。
(4)複合材の圧縮強さは、PS焼却灰造粒水熱固化体の分布比率が高くなるほど低くなる。
(5)複合材の熱伝導率はアルミニウムの約1/16であり、断熱性に優れていることがわかった。
本発明の複合材の製造プロセスを示す概略図である。 短尺複合材A、短尺複合材B、長尺複合材Cの頭部、中部、底部、長尺複合材Dの頭部、中部、底部の密度を示すグラフである。 複合材の圧縮強さについて、複合材とアルミニウム単体材料等を用いて比較を行ったグラフである。 本発明の複合材の熱伝導率について、アルミニウム単体材料等を用いて比較を行ったグラフである。

Claims (5)

  1. ペーパースラッジ焼却灰の造粒後の水熱固化体が複合材の全容積の50%〜75%を占める複合材において、前記水熱固化体、並びにアルミニウム、アルミニウム合金及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から成る前記複合材。
  2. 前記ペーパースラッジ焼却灰の造粒後の水熱固化体は、ペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰並びにセメントを加え、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、水熱固化反応を利用して固化体を製造することにより製造される請求項1記載の複合材。
  3. ペーパースラッジ焼却灰の造粒物の水熱反応による固化体をアルミニウム、アルミニウム合金、廃棄アルミニウム品及びこれらの二種以上の混合物からなる群から選択される材料とともに金型内で加熱して、アルミニウム素材を溶融させ、溶融または半凝固状態で撹拌混合し、次いで加圧させた後徐冷凝固することを特徴とする、ペーパースラッジ焼却灰の造粒後の水熱固化体が複合材の全容積の50%〜75%を占める複合材において、前記水熱固化体並びにアルミニウム、アルミニウム合金及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から成る前記複合材を製造する方法。
  4. 前記水熱固化体は、ペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰並びにセメントを加え、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、水熱固化反応を利用して固化体を製造することにより製造される請求項3記載の方法。
  5. 前記加圧は、プランジャーを介して行う請求項3記載の方法。
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