JP2007077356A - 難燃性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とし、固有粘度が0.7〜1.5(dl/g)のポリエステル樹脂(A)96〜30重量%に、リン系化合物(B)2〜20重量%、トリアジン系化合物(C)2〜20重量%、着色剤(D)0〜30重量%を配合したポリエステル樹脂組成物からなるフィルムであって、フィルム中に分散しているトリアジン系化合物(C)および着色剤(D)の粒子の平均粒径がいずれも10μm以下であることを特徴とする、難燃性ポリエステルフィルムを要旨とする。
【図面】 なし
Description
1.ハロゲン系化合物を使用しないで、優れた難燃性を発揮する難燃性ポリエステル樹脂フィルムを提供すること。
2.フィルム製造時には成形機械の腐食性ガスの発生が少なく、燃焼時には刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生が少なく、難燃性に優れた難燃性ポリエステル樹脂フィルムを提供すること。
1.本発明に係る難燃性ポリエステルフィルムは、ハロゲン系化合物を使用しないが、優れた難燃性を発揮する。
2.本発明に係る難燃性ポリエステルフィルムは、ハロゲン系化合物を使用しないので、フィルム製造時には成形機械の腐食性ガスの発生が少なく、燃焼時には刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生が少なく、作業環境・自然環境の汚染や、人体に健康障害を与えるという問題がない。
本発明で使用されるポリエステル樹脂(A)は、ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とするポリエステルであって、例えば1,4−ブタンジオールなどの多価アルコール成分と、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体などの多価カルボン酸成分とを原料とし、重縮合させて得られるブチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルである。主たる繰り返し単位とは、ブチレンテレフタレート単位が、全多価カルボン酸−多価アルコール単位中の70モル%以上を占めることを意味する。ブチレンテレフタレート単位の占める割合は、好ましくは80モル%以上、さらには90モル%、とりわけ好ましいのは95モル%以上である。ポリエステル樹脂(A)は、一種でもよく、本発明の目的を損なわない限り、原料成分や成分割合の異なるもの、または末端カルボキシル基濃度、融点、触媒残量などの異なる複数のポリエステル樹脂の混合物であってもよい。
実施例、比較例で使用したポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)は、以下に記載の方法で製造したものである。
1.PBT(A1)の製造例:
攪拌装置、加温装置、温度計、圧力計などを装備した容量が50キロリットルのスラリー調製槽に、テレフタル酸1モルに対して1,4−ブタンジオールを1.8モルの割合で仕込み、攪拌装置で混合してスラリーを調製した。このスラリーを、温度230℃、圧力78.7kPa(590mmHg)に調整したエステル化反応槽に連続的に供給しつつ、触媒のテトラ−n−ブチルチタネートを連続的に仕込み(樹脂の理論収量に対して50ppmを、1,4−ブタンジオールに溶解した溶液として)、攪拌下3時間エステル化反応させて、エステル化反応率97.5%のオリゴマーを得た。
上記PBT(A1)の製造例において、第二重縮合反応槽における滞留時間を0.75時間に変更した外は、同例におけると同様の手順で重縮合反応させた。得られたPBTは、100粒のペレット重量が2.5gの大きさのペレット状PBTであり、固有粘度[η] が0.70dl/g、チタン含有量が50ppmであった。以下、これをPBT(A2)と略称する。
上記PBT(A2)の製造例において得られた固有粘度[η] が0.70dl/gPBT(A2)のペレットを、窒素雰囲気下、200℃の温度条件下に7時間、固相重合させた。得られたPBTは高分子量化し、固有粘度[η] が1.70であった。以下、これをPBT(A3)と略称する。
*リン酸エステル化合物(B1):前記一般式(I)において、R1〜R8がCH3であり、R9がレゾルシノール骨格であるリン酸エステルである。
*リン酸エステル化合物(B2):前記一般式(I)において、R1〜R8がCH3であり、R9がp−フェニレン骨格であるリン酸エステルである。
*ポリリン酸アンモニウム化合物(B3):住友化学工業社製のスミセーフ(商品名)(リン含量31〜32重量%、窒素含量14〜16重量%)である。
*シアヌル酸メラミン(C1):シアヌル酸メラミン(三菱化学社製、商品名:MCA−C0)を、卓上ボールミルによって粉砕したものである。この粉砕品は、自動沈降粒度計(島津製作所社製)を使用して平均粒子径を測定したところ、2.5μmであった。
*シアヌル酸メラミン(C2):MCA−C0を、400メッシュの篩によって分級したもので、この分級品の平均粒子径は40μmであった。
*シアヌル酸メラミン(C3):MCA−C0を、200メッシュの篩によって分級したもので、この分級品の平均粒子径は80μmであった。
*二酸化チタン(D):石原産業社製の二酸化チタン(商品名:タイペークCR−60)であって、平均粒子径が0.21μmのものである。
<熱安定剤(E)>
*熱安定剤(E):ジラウロイルチオプロピオネート(旭電化工業社製、銘柄名:AO−412S)である。
上記PBT(A1、A2、A3)と、リン系化合物(B)、トリアジン系化合物(C)、着色剤(D)および熱安定剤(D)などを、表−1に示した割合で秤量し、ブレンダーで混合した。得られた混合物を、シリンダー径30mmのベント付き二軸押出機(日本製鋼所製、型式名:TEX30HCT)を使用し、シリンダー設定温度275℃の条件下、溶融混練してPBT樹脂組成物のペレットを得た。その後、得られたPBT樹脂組成物ペレットを、熱風オーブンによって120℃の温度で6時間乾燥した。
(a)固有粘度[η](dl/g):PBTを120℃で約6時間熱風乾燥した後、ウベローデ型粘度計を使用し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒に溶解し、30℃の温度で測定した(単位:dl/g)。
(b)フィルムの厚さ(μm):下記の実施例、比較例に記載した方法で調製したフィルムについて、ノギスで20箇所測定した値の平均値を示した。
(c)機械物性:下記の実施例、比較例に記載した方法で調製したフィルムについて、引張り試験(ASTM D−882)を行い、引張り破断伸度を指標としてフィルム機械的物性を評価した。評価基準は、次のとおりとした。◎は引張り破断伸度が100%を超えるもの、○は引張り破断伸度が10〜100%のもの、×は引張り破断伸度が0〜10%のものである。
(f)隠蔽性:得られた厚さが100μmフィルムについて、JIS P−8148に準拠し、フィルム白色度を隠蔽性の指標として評価した。評価基準は、次のとおりとした。◎は白色度が90を超えるもの、○は白色度が85〜90のもの、×は白色度が85未満のもの。
(h)総合評価:フィルムの機械物性、難燃性、隠蔽性、外観などを勘案して評価した。評価基準は、上記評価項目の総てが良好で実用性のあるものを○、上記評価項目のうち一つでも不良なものを×とした。
シリンダー径30mm、L/D=27のフルフライトスクリュを持った単軸押出機の先端に、ギヤポンプおよびTダイ(リップギャップ0.8mm、ダイ巾600mm)を装着した。この押出機のホッパーに、上記の方法で調製した表−1に記載した組成の乾燥PBT樹脂組成物ペレットを投入し、樹脂温度250℃で、40℃に温度調節したキャスティングロールに通して、厚さ100umのフィルムを得た。得られたフィルムについて、上記の評価項目について、上記の方法で評価試験を実施した。測定結果を、表−2に記載した。
1.本発明に係る難燃性ポリエステルフィルムは、フィルム製造時に破断が生じ難く、能率よく製造することができる(実施例1〜実施例8参照)。
2.実施例1〜実施例8のフィルムは、難燃性、機械的物性、隠蔽性、表面外観に優れている。
3.これに対して組成物に占める樹脂成分が請求項1で規定する範囲の下限未満であると、フィルム化できない(比較例3参照)。
4.また、リン系化合物(B)およびトリアジン系化合物(C)の一方または双方が、請求項1で規定する量配合されていない比較例1、比較例2、比較例4、比較例5、比較例7、比較例8は、いずれも難燃性に劣る。
5.さらに、トリアジン系化合物(C)と着色剤(D)の粒子の平均粒径が請求項1で規定する範囲に満たさない比較例2のフィルムは、フィルム外観が劣る。
Claims (6)
- ブチレンテレフタレート繰り返し単位を主成分とし、固有粘度が0.7〜1.5(dl/g)のポリエステル樹脂(A)96〜30重量%に、リン系化合物(B)2〜20重量%、トリアジン系化合物(C)2〜20重量%、および、着色剤(D)0〜30重量%を配合したポリエステル樹脂組成物からなるフィルムであって、フィルム中に分散しているトリアジン系化合物(C)および着色剤(D)の粒子の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする、難燃性ポリエステルフィルム。
- トリアジン系化合物(C)が、シアヌル酸とメラミン類との等モル反応物である、請求項1または請求項2に記載の難燃性ポリエステルフィルム。
- フィルム中に分散しているトリアジン系化合物(C)および着色剤(D)の粒子の平均粒径が8μm以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の難燃性ポリエステルフィルム。
- 着色剤が、無機系微粒子である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の難燃性ポリエステルフィルム。
- ポリエステル樹脂組成物100重量部にさらに熱安定剤(E)が0.01〜1.0重量部配合されてなる、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の難燃性ポリエステルフィルム。
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