JP2007077269A - テトラメチルビフェノール系芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

テトラメチルビフェノール系芳香族ポリエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 テトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分とする高い分子量の芳香族ポリエステルを界面重合法により容易に製造する方法を提供すること。
【解決手段】 フタル酸ハライド類の有機溶媒溶液と、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールのアルカリ水溶液とを接触させて、芳香族ポリエステルを界面重合法により製造する方法であって、前記有機溶媒溶液における有機溶媒が、シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン及びアニソールからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする該芳香族ポリエステルの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、テトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分として含有する芳香族ポリエステルの界面重合法による製造方法に関する。
従来のテトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分とする一般式で示される芳香族ポリエステルを界面重合法により製造する方法においては、塩化メチレンなどハロゲン化炭化水素類やトルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類を溶媒として使用する方法が開示されている(特許文献1〜3参照)。
しかし、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類の溶媒は、環境汚染等の問題から、製造・使用・廃棄等に各種規制が課せられているため、ハロゲン化炭化水素類の溶媒を使用しない製造方法が望まれていた。
一方、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素類やジエチルエーテルなどのエーテル系の溶媒を使用する方法を用いた場合、得られる芳香族ポリエステルの分子量を上げることができない問題があった。また、原料の仕込みモル比を変化させて分子量を上げようとしても、反応液が増粘して水相との分離ができなくなる問題が生じ得られる芳香族ポリエステルに多量のイオン分が残留する問題があった。
特開昭57−164120号公報 特開2001−354757号公報 特開平9−141255号公報
本発明が解決しようとする課題は、テトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分とする高い分子量の芳香族ポリエステルを界面重合法により容易に製造する方法を提供することにある。
本発明においては、フタル酸ハライド類の有機溶媒溶液と、テトラメチルビフェノールのアルカリ水溶液とを接触させて、芳香族ポリエステルを界面重合法により製造する際に、有機溶媒として、シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン及びアニソールからなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することにより、増粘等の問題を生じずに、テトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分として含有する芳香族ポリエステルを、低い分子量から高い分子量の範囲まで容易に製造できることを見出し、上記課題を解決した。
本発明の製造方法によれば、増粘等の問題を生じず、特別な精製工程を必要とせずに、テトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分として含有する高い分子量の芳香族ポリエステルを、容易に製造できる。このため、本発明の製造方法によれば、環境汚染等の問題から、製造・使用・廃棄等に各種規制のある塩素系溶媒を使用することなくテトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分として含有する芳香族ポリエステルを、低い分子量から高い分子量の範囲まで製造することができる。
本発明の製造方法は、フタル酸ハライド類の有機溶媒溶液と、テトラメチルビフェノールのアルカリ水溶液とを接触させて、芳香族ポリエステルを界面重合法により製造する方法であって、前記有機溶媒溶液における有機溶媒が、シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン又はアニソールからなる群から選ばれる少なくとも一種を使用するものである。これらの有機溶媒2種を混合しても既知の有機溶媒と混合してもよい。
本発明において使用するフタル酸ハライド類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などのフタル酸のハライドが例として挙げられ、ハライドとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、特に塩素が好ましい。なかでもテレフタル酸クロリド、イソフタル酸クロリドが工業的に入手しやすく好ましく使用できる。これらフタル酸ハライド類は、混合して使用することにより得られる芳香族ポリエステルの特性を調整できるため好ましい。特にイソフタロイル基/テレフタロイル基のモル比が、61/39〜95/5、特に75/25〜84/16の範囲であることが、芳香族ポリエステルの耐熱性および有機溶媒への溶解性を両立させるために好ましい。
また、フタル酸ハライド類は、有機溶媒に溶解して反応に供するが、得られる芳香族ポリエステルの分子量調節のため、1官能芳香族カルボン酸ハライド類を併用することが出来る。この1官能芳香族カルボン酸ハライド類としては、安息香酸ハライド、メチル安息香酸ハライドなどが挙げられる。この1官能芳香族カルボン酸ハライドの添加量は、フタル酸ハライド類に対し20モル%以下であれば、テレフタロイル基のみを含有した芳香族ポリエステルが出来にくく、有機溶媒への溶解性が劣る成分が副生するおそれが少ないため好ましい。
本発明の製造方法により製造される芳香族ポリエステルは、具体的には下記式(1)で表される構造単位と、下記式(2)で表される構造単位とを主たる構造単位とするものであり、全構造単位の80モル%以上がこれら構造単位で構成されているものが好ましい。
Figure 2007077269
Figure 2007077269
(式(2)中、Rはメチル基を表す。)
本発明においては、重合用の有機溶媒として、シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン又はアニソールを使用する。これら溶媒を使用することにより、テトラメチルビフェノールを芳香族ジオール成分として含有する芳香族ポリエステルを、増粘を生じることなく、広い分子量範囲で製造することができる。なかでもシクロヘキサノンは安価であるため工業的に大量生産する際には好ましく、また、アニソールは副反応が生じにくいため好ましい。
使用する有機溶媒の量は、得られる芳香族ポリエステル濃度が2〜25質量%となるように用いることが好ましく、5〜25質量%となることがより好ましい。特に高分子量の芳香族ポリエステルを得ようとする場合、芳香族ポリエステル濃度を低くすることで、反応中に反応液の粘度が増し撹拌翼への巻付きを防止することが出来る。低分子量の芳香族ポリエステルを得ようとする場合は、芳香族ポリエステル濃度を高くすることで、過大に大きな装置を用いる必要がなくなる。
本発明に用いる3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールはアルカリ水溶液として反応に供するが、得られる芳香族ポリエステルの分子量調節のため、1官能フェノール類を併用することが出来る。この1官能フェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、2,4,6−テトラメチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、m−ターシャリーブチルフェノール、o−ターシャリーブチルフェノール、2,4−ジターシャリーブチルフェノール、2,6−ジターシャリーブチルフェノール、p−セカンダリーブチルフェノール、m−セカンダリーブチルフェノール、o−セカンダリーブチルフェノール、2,4−ジセカンダリーブチルフェノール、2,6−ジセカンダリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノールなどが挙げられる。この1官能フェノールの添加量は、テトラメチルビフェノールに対し20モル%を越えると、テレフタロイル基のみを含有した芳香族ポリエステルが出来やすくなり、有機溶媒への溶解性が劣る成分が副生する。
さらにテトラメチルビフェノールの他に、他のビフェノール類、ビスフェノール類を加え、共重合することも可能である。このビスフェノール類としては、4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ビフェノール、1,1’−2−ビナフトールなど、ビスフェノールとしては、ビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラメチル−ビフェノールA、ビスフェノールF、3,3’,5,5’−テトラメチル−ビフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどが挙げられる。
本願発明において使用する3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールは、芳香族ポリエステルに高いガラス転移温度や優れた誘電特性等を付与することができるものであるが、上記共重合成分は、これら特性を損なわず、また、芳香族ポリエステルの有機溶媒への溶解性を損なわない範囲で、加えることが出来る。これら1官能フェノール類や他のビフェノール類、ビスフェノール類の水酸基モル数とテトラメチルビフェノールの水酸基モル数との和を、フェノール成分の水酸基モル数とする必要がある。
本発明に用いるフェノール類のアルカリ水溶液の量は、有機溶媒に対して、体積比で1〜3倍の範囲であることが好ましい。さらに、反応時に用いるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。この際、アルカリ水溶液の濃度は、アルカリ成分すなわち水酸化物イオンのモル数をフェノール性の水酸基のモル数で除した比率が1.0〜1.5の範囲とすることが好ましい。濃度がこの範囲内であると、水酸化物イオンによるフタル酸ハライド類の加水分解が起こりにくく、またエステル化の反応性も良好である。
フタル酸ハライド類の有機溶媒溶液とテトラメチルビフェノールのアルカリ水溶液とを接触させる方法としては、テトラメチルビフェノールのアルカリ水溶液を撹拌しながら、フタル酸ハライド類の有機溶媒溶液を滴下する方法が好ましい。この際の反応温度としては2〜40℃の範囲、反応時間としては0.5〜5時間の範囲が好ましい。
反応させる酸ハライド類の酸ハライド基と、フェノールの水酸基とのモル比は、高重合度のポリマーを得るためには、0.85〜1.10とすることが好ましく、0.90〜1.05にすることが特に好ましい。なお、使用する反応溶媒の種類や反応装置などの反応条件により、高い分子量を得る前述のモル比は変化する。また、分子量調節のため1官能芳香族カルボン酸ハライド類や1官能フェノール類を添加した場合は、未反応原料を少なくするためにも、同様なモル比の調整が必要となる。
界面重合時には、重合触媒が通常使用されるが、該重合触媒としては、メチルトリオクチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、テトラエチルアンモニウムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド、トリ−n−プロピルベンジルアンモニウムハライド、テトラ−n−プロピルアンモニウムハライド等の第4級アンモニウム塩類、トリメチルベンジルホスホニウムハライド、テトラメチルベンジルホスホニウムハライド、トリエチルベンジルホスホニウムハライド、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムハライド、トリフェニルベンジルホスホニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムハライド等の第4級ホスホニウム塩類、18−クラウン−6,18−ベンゾクラウン−6、18−ジベンゾクラウン−6、15−クラウン−5等のクラウンエーテル類が挙げられ、特に重合速度と価格の面から第4級アンモニウム塩が好ましい。
界面重合終了後には、塩類と未反応モノマーを含む水相と芳香族ポリエステルを溶解した有機溶媒相とを、静置分離や遠心分離等、従来公知の方法を用いて分離する。さらに、有機溶媒相を水洗し、残留する塩類やモノマーを除去することが好ましい。
本発明の方法によれば、高分子量の芳香族ポリエステルであっても増粘等の問題を生じることなく製造でき、分子量が20×10〜600×10程度の広範囲の平均分子量のものを好適に製造することができ、特に50×10〜400×10程度のものを容易に製造することができる。
以下に、本発明を実施例で具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでははい。
<インヘレント粘度の測定>
試料のクロロホルム溶液(0.1g/dL)を調製し、30℃においてウベローデ粘度計を用いて測定した。
<重量平均分子量の測定>
試料のテトラヒドロフラン溶液(0.1wt%)を調製し、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)にて測定した。使用した装置は、TSKGelGHxlシリーズ5000、3000、2000、1000カラムおよび示差屈折計(RI)検出器を備えたGPC装置(東ソー製HLC−8220GPC)で、試料溶液注入量50μl、テトラヒドロフランを移動相(1ml/分)とし、40℃で測定した。重量平均分子量は、標準スチレンからなる検量線から算出した。
<ナトリウム分の定量>
試料を硫酸と硝酸の混合水溶液中でマイクロウエーブを照射して分解した。得られた測定溶液を誘電プラズマ発光分析装置(パーキンエルマー製OPTIMA3300DV)にかけて定量を行った。
<塩素分の定量>
試料粉のまま蛍光X線分析装置(理学電気製ZSX100e)を用いて塩素分の定量測定を行った。定量は既知試料を用いた検量線から算出した。
(実施例1)
撹拌翼、窒素導入口を備えた反応装置に3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール48.46g(0.20モル)を、水酸化ナトリウム20g(0.5モル)を含む脱酸素水1000mlに溶解し水溶液を得た。別にイソフタル酸クロリド32.48g(0.16モル)、テレフタル酸クロリド8.12g(0.04モル)、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド1.2gをアニソール1000mlに溶解させ有機溶液を得た。
12℃に保ったまま水溶液を窒素気流下中で撹拌しながら、有機溶液を加え、そのまま30分間撹拌を続けた。撹拌を停止した後、下層に分離した水溶液相を取り除いた後、再び撹拌をしながら有機溶液相にアセトンを注ぎ、沈殿を得た。得られた沈殿を濾過により分離し、アセトンで洗浄、乾燥して芳香族ポリエステル71.5gを得た。
得られた芳香族ポリエステルのインヘレント粘度は、2.4dL/g、重量平均分子量は225×10、ナトリウム分54ppm、塩素分63ppmであった。
(実施例2)
フタル酸ハライド類をイソフタル酸クロリド30.86g(0.152モル)、テレフタル酸クロリド7.71g(0.038モル)に代えた以外は実施例1と同じ操作で芳香族ポリエステル70.2gを得た。この芳香族ポリエステルのインヘレント粘度は、3.5dL/g、重量平均分子量は411×10、ナトリウム分63ppm、塩素分48ppmであった。
(実施例3)
撹拌翼、窒素導入口を備えた反応装置に3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール48.46g(0.20モル)を、水酸化ナトリウム20g(0.5モル)を含む脱酸素水1000mlに溶解し水溶液を得た。別にイソフタル酸クロリド32.48g(0.16モル)、テレフタル酸クロリド8.12g(0.04モル)、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド1.2gを0℃でシクロヘキサノン1000mlに溶解させ有機溶液を得た。
2℃に保ったまま水溶液を窒素気流下中で撹拌しながら、有機溶液を加え、そのまま30分間撹拌を続けた。撹拌を停止した後、下層に分離した水溶液相を取り除いた後、再び撹拌をしながら有機溶液相にアセトンを注ぎ、沈殿を得た。得られた沈殿を濾過により分離し、アセトンで洗浄、乾燥して芳香族ポリエステル71.3gを得た。この芳香族ポリエステルのインヘレント粘度は、2.4dL/g、重量平均分子量は223×10、ナトリウム分52ppm、塩素分41ppmであった。
(実施例4)
シクロヘキサノン1000mlを2,6−ジメチルシクロヘキサノンに代えた以外は実施例3と同じ操作で芳香族ポリエステル69.8gを得た。この芳香族ポリエステルのインヘレント粘度は、2.4dL/g、重量平均分子量は222×10、ナトリウム分58ppm、塩素分38ppmであった。
(実施例5)
シクロヘキサノン1000mlをアニソール600ml、シクロヘキサノン400mlからなる混合溶媒に代えた以外は実施例3と同じ操作で芳香族ポリエステル70.9gを得た。この芳香族ポリエステルのインヘレント粘度は、2.4dL/g、重量平均分子量は224×10、ナトリウム分59ppm、塩素分51ppmであった。
(比較例1)
アニソール1000mをトルエン1000mlに代えた以外は実施例1と同じ操作で芳香族ポリエステル71.6gを得た。この芳香族ポリエステルのインヘレント粘度は、1.5dL/g、重量平均分子量は123×10で十分に分子量が上がらなかった。また、ナトリウム分は47ppm、塩素分36ppmであった。
(比較例2)
アニソール1000mlをトルエン100ml、およびイソフタル酸クロリド34.10g(0.168モル)、テレフタル酸クロリド8.53g(0.042モル)に代えた以外は実施例1と同じ操作を行った。30分間撹拌を続けた後、撹拌を停止したが、有機溶液相と水溶液相の分離はしなかった。そこでそのまま撹拌しながらアセトンを注ぎ、沈殿を得た。得られた沈殿を濾過により分離し、アセトンで洗浄、乾燥して芳香族ポリエステル71.3gを得た。この芳香族ポリエステルのインヘレント粘度は、2.3dL/g、重量平均分子量は200×10で十分に分子量が上がらなかった。また、ナトリウム分は2700ppm、塩素分5200ppmであった。
(比較例3)
アニソール1000mをジエチルエーテル1000mlに代えた以外は実施例1と同じ操作で芳香族ポリエステル62.8gを得た。この芳香族ポリエステルの重量平均分子量は12×10で分子量が上がらなかった。また、ナトリウム分は230ppm、塩素分670ppmであった。
上記実施例1〜5及び比較例1〜3において得られた結果を表1に示す。表1より明らかなように、トルエンやジエチルエーテルを使用した製造方法においては、高い分子量のものを好適に得ることができず、また、分子量を上げるために仕込み比を変化させると、得られる芳香族ポリエステル中に多量のイオン分が残存してしまった。これに対し、本願発明の製造方法によれば、好適に高い分子量の芳香族ポリエステルを製造でき、好適に分子量の調整も可能であった。
Figure 2007077269

Claims (4)

  1. フタル酸ハライド類の有機溶媒溶液と、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールのアルカリ水溶液とを接触させて、芳香族ポリエステルを界面重合法により製造する方法であって、前記有機溶媒溶液における有機溶媒が、シクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン及びアニソールからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする該芳香族ポリエステルの製造方法。
  2. 前記フタル酸ハライド類が、イソフタル酸ハライド及びテレフタル酸ハライドから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の芳香族ポリエステルの製造方法。
  3. 前記フタル酸ハライド類が、イソフタル酸ハライドとテレフタル酸ハライドとの混合物であって、イソフタロイル基/テレフタロイル基で表されるモル比が61/39〜95/5の範囲にある請求項1に記載の芳香族ポリエステルの製造方法。
  4. 前記有機溶媒溶液中の有機溶媒量が、製造される芳香族ポリエステル濃度が2〜25質量%となる量である請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリエステルの製造方法。
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