JP2007077105A - 抗菌薬 - Google Patents

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Yoichi Shimazaki
洋一 島崎
Akira Mannaka
晃 真中
Tomohiro Sugimoto
智洋 杉本
Toshibumi Asaga
俊文 朝賀
Kayoko Nanaumi
価代子 七海
Yoshie Kaneda
佳枝 金田
Keiko Suzuki
啓子 鈴木
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Abstract

【課題】エリスロマイシン耐性肺炎球菌及びエリスロマイシン耐性連鎖球菌に対する強い抗菌力を有し、また肺炎球菌による呼吸器感染症の治療効果を有し、更に薬物相互作用の少なく、抗菌薬又は肺炎球菌による呼吸器感染症の治療薬として有用な化合物の提供。
【解決手段】5−O−デソサミニル−3,11−ジデオキシ−2−フルオロ−11−アミノ−6−O−[3−[3−(3−ピリダジル)イソキサゾリル−5−イル]−2−プロピニル]−3−オキソエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメート。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗生物質エリスロマイシンの新規誘導体を有効成分とする抗菌薬に関する。
エリスロマイシンAはグラム陽性菌、マイコプラズマなどに起因する感染症の治療薬として広く使用されている抗生物質である。しかし、エリスロマイシンには胃酸で分解されるため、体内動態が一定しないという欠点があった。そこで酸に対する安定性を増した誘導体が検討され、その結果、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、ロキシスロマイシンなどの体内動態の安定したマクロライド剤が開発されてきた。外来の呼吸器感染症を治療領域とするこれらマクロライド剤は、特に臨床分離頻度の高い肺炎球菌、連鎖球菌並びにインフルエンザ菌に対し強い抗菌活性を有する必要がある。更に、市中肺炎からマクロライド耐性の肺炎球菌が高頻度に分離されている事から耐性肺炎球菌に有効である事も重要となっている。
近年、広範な研究の結果、エリスロマイシン耐性肺炎球菌、エリスロマイシン耐性連鎖球菌のいずれに対しても有効なマクロライドとしてAgouridasらは1995年にHMR3647(テリスロマイシン, 特許文献1)を、次いでOrらは1998年にABT-773(セスロマイシン, 特許文献2)を相次いで見出した。その後、更に薬効増強が図られた2−フルオロケトライド(特許文献3)が報告されている。一方、14員環マクロライド抗生物質は、薬物相互作用を起こす事が知られている。従って、臨床において十分な治療効果を発揮することは勿論であるが、それと同時に薬物相互作用を起こし難いマクロライド剤である事も非常に重要となっている。14員環マクロライド抗生物質が引き起こす薬物相互作用は、代謝に関与する分子種(Cyp3A4)が14員環マクロライドを代謝し、この代謝されたマクロライドがCyp3A4と不可逆的な結合をする事により引き起こされている。従って、ヒト型Cyp3A4に対して安定である事が重要とされている。
EP680967号 WO98/09978号 WO02/32919号
本発明の目的は、エリスロマイシン高度耐性肺炎球菌、エリスロマイシン耐性連鎖球菌に対する優れた抗菌活性を有し、ヒト型Cyp3A4代謝に対し安定である新たなケトライド誘導体を有効成分とする抗菌薬を提供することである。
本発明者等は、ケトライド誘導体について種々検討した結果、6位にある特定のビアリル複素環基を有するプロパルギル基を導入し、更に2位にフッ素原子を導入したケトライド誘導体が優れた抗菌活性を有し、ヒト型Cyp3A4に対しても安定であることを見出し、有効な抗菌薬であることを確認し、本発明を完成した。
本発明は、式
Figure 2007077105

で表される2−フルオロ−6−O−置換ケトライド誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする抗菌薬である。
好ましくは、式
Figure 2007077105

で表される2−フルオロ−6−O−置換ケトライド誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする抗菌薬である。
さらに上記式で表される2−フルオロ−6−O−置換ケトライド誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする肺炎球菌による呼吸器感染症の治療薬である。
本発明の化合物は、エリスロマイシン耐性肺炎球菌、エリスロマイシン耐性連鎖球菌に対して優れた抗菌活性を有し、更にはヒト代謝酵素に対しても安定である。
本発明の化合物は、エリスロマイシン耐性肺炎球菌、エリスロマイシン耐性連鎖球菌に対して優れた抗菌活性を有し、また肺炎球菌による呼吸器感染症の高い治療効果を有し、更にはヒト代謝酵素に対しても安定であり、副作用も軽減した安全な医薬である。
本発明の化合物は、例えば以下の方法により製造することができる。
Figure 2007077105
すなわち式(1)に示すように、3−メチルピリダジン(I)をカリウムt-ブトキシドなどの塩基存在下、亜硝酸ブチルのようなニトロソ化剤を反応させる方法、3−ホルミルピリダジン(II)をオキシム化し、引き続きN−クロロ琥珀酸イミドなどのクロル化剤によりクロル化する方法、また3−シアノピリダジン(III)にヒドロキシルアミンあるいはその塩を反応させヒドロキシアミジンとし、亜硝酸塩または亜硝酸アルキルを加えた後塩酸等を用いクロロ化する方法等により、化合物(IV)を得る。これにトリアルキルエチニルスズを塩基の存在下あるいは非存在下反応させた後、ヨウ素等のヨウ化剤を用いて、またはヨウ化アセチレンを作用して化合物(V)を得る。引き続きこれを化合物(VI)
Figure 2007077105

(式中R1は水素原子、アセチル基、ベンゾイル基、炭素原子数1−6のトリアルキルシリル基、R2は水素原子またはフッ素原子を示す)で表される化合物と、トリエチルアミン等の塩基の存在または非存在下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリドあるいは酢酸パラジウム等のパラジウム試薬と共に、THF等の極性溶媒またはトルエン等の非極性溶媒中室温から加熱還流の条件で作用させ、化合物(VII)
Figure 2007077105

(式中R1およびR2は前記と同意義である。)で表される化合物を得る。R1がアセチル基またはベンゾイル基である化合物は、WO02/32919号あるいはUS6124269号に記載の方法等によりR1が水素原子である化合物に導くことができ、R1が炭素原子数1−6のトリアルキルシリル基の化合物は、WO03/14136号に記載の方法等により、R1が水素原子である本発明化合物に導くことができる。
得られた本発明化合物は、酢酸エチル、酢酸エチル−ヘキサン、イソプロピルアルコール、エタノール、含水エタノール、アセトン、含水アセトンなどの溶媒を用い再結晶を行なうことが出来る。得られた結晶は、温風乾燥、又は減圧乾燥後結晶を室温放置することで容易に一分子の結晶水を取り込み一水和物として安定化する。
本発明において、医薬上許容される塩とは、細菌感染症の化学療法および予防において使用される塩を意味する。それらは、たとえば酢酸、プロピオン酸、酪酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ステアリン酸、コハク酸、エチルコハク酸、ラクトビオン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、アジピン酸、システイン、N−アセチルシステイン、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、ヨウ化水素酸、ニコチン酸、シュウ酸、ピクリン酸、チオシアン酸、ウンデカン酸、アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマーなどの酸との塩を挙げることができる。
本発明の2−フルオロ−6−O−置換ケトライド誘導体は、経口投与又は非経口投与され、成人を治療する場合で50〜1000mgであり、これを1日1〜3回に分けて投与する。この投与量は、患者の年齢、体重および症状によって適宜増減することができる。
経口投与する場合は、賦形剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、界面活性剤、可塑剤、着色剤、矯味矯臭剤などを混合して、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤などの製剤として投与され、非経口投与する場合は、注射剤、点滴剤などの製剤として投与される。製剤化する際には、通常の製剤化の方法が使用できる。
次に、参考例、実施例及び試験例にて本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
5−O−デソサミニル−3,11−ジデオキシ−2−フルオロ−11−アミノ−6−O−[3−[3−(3−ピリダジル)イソキサゾリル−5−イル]−2−プロピニル]−3−オキソエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメートの合成
(1)カリウムt-ブトキシド8.9g(80mol)をTHF 50mlに溶解し氷冷下3−メチルピリダジン5g(53mmol)のTHF溶液(10ml)を約5分かけて滴下した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した後、氷冷下亜硝酸t-ブチル 12.6ml(106mmol)のTHF溶液(10ml)を約5分かけて滴下し、その後室温で19時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し水20mlを加え、その後4N-塩酸水溶液を加え中和した。この混合物を減圧濃縮し、析出した結晶を濾取して3−ピリダジンアルドキシムの高極性異性体 1.8gを得た。母液は塩析して酢酸エチルで抽出(50ml×2)、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。残渣にヘキサンを加え、得られた粉末を濾取して、3−ピリダジンアルドキシムの低極性・高極性の異性体混合物2.8gを得た。合計4.6g(Y.71%)の3−ピリダジンアルドキシムを得た。
低極性異性体
MS(ESI) m/z 145.9[M+Na]+
1H-NMR(200 MHz, DMSO-d6) d (ppm) 7.79 (dd, J=9.01, 5.05 Hz, 1 H),7.84 (s, 1 H),8.57 (dd, J=8.79,1.76 Hz, 1H), 9.23 (dd, J=4.83, 1.76 Hz, 2 H),12.43 (s, 1 H)
高極性異性体
MS(ESI) m/z 145.9[M+Na]+
1H-NMR(200 MHz, DMSO-d6) d (ppm) 7.72 (m, 1 H),8.02 (dd, J=8.79,1.76 Hz, 1H), 8.34 (s, 1 H),9.20 (dd, J=4.83,1.76 Hz, 1 H),12.1 (s, 1 H)
(2)300mlナスフラスコに、上記3−ピリダジンアルドキシム異性体混合物3.7g(30mmol)、酢酸エチル100ml、トリブチルエチニルスズ8.5ml(d 1.09, 25mmol)、炭酸水素ナトリウム6.3g(75mmol)、水5ml、N-クロロコハク酸イミド4.0g(30mmol)を順次加え、室温で16時間攪拌した。水5mlをさらに加え4時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlを加え分液した。水層を酢酸エチルで抽出後有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮の後ヘキサンを加え析出した粉末を濾別し、母液を減圧濃縮してトリ−n−ブチル−{[3−(ピリダジン−3−イル)]イソキサゾール−5−イル}スズの粗生成物を得た。
この粗生成物をTHF100mlに溶解し、ヨウ素3.2g(25.2mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で35分攪拌した後反応混合物を6%チオ硫酸ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、残渣にヘキサンを加え析出している結晶を濾取した。この結晶をヘキサンで洗浄、乾燥して3−(5−ヨードイソキサゾ−ル−3−イル)ピリダジン 2.9gを得た。
MS(ESI) m/z 295.9[M+Na]+
1H NMR (200 MHz, CDCl3) d ppm 7.36 (s, 1 H) 7.62 (dd, J=8.35, 4.83 Hz, 1 H) 8.22 (dd, J=8.35, 1.76 Hz, 1 H) 9.26 (dd, J=4.83, 1.76 Hz, 1 H)
(3)WO99/21871号およびUS6124269号に記した方法により合成した5−O−デソサミニル−3,11−ジデオキシ−2−フルオロ−11−アミノ−3−オキソ−6−O−プロパルギルエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメート0.8g (1.22mmol)、3−(5−ヨードイソキサゾ−ル−3−イル)ピリダジン0.4g (1.46mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(II) 0.04g (0.06mmol)、アセトニトリル10ml、トリエチルアミン5mlを混合し、系内をアルゴン置換した後、60℃で14時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:25%アンモニア水=19:1:0.1)により精製し、ジエチルエーテル-ヘキサンにて固化、濾取、乾燥して標記化合物 0.59g(収率60%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) d ppm 0.93 (t, J=7.46 Hz, 3 H) 1.13-1.27 (m, 2 H) 1.16 (d, J=6.53 Hz, 3 H) 1.19 (d, J=6.99 Hz, 3 H) 1.24 (d, J=6.06 Hz, 3 H) 1.34 (d, J=6.99 Hz, 3 H) 1.52 (s, 3 H) 1.55 (s, 3 H) 1.59-1.73 (m, 2 H) 1.81 (d, J=21.45 Hz, 3 H) 1.92-2.05 (m, 1 H) 2.27 (s, 6 H) 2.41-2.51 (m, 1 H) 2.64-2.73 (m, 1 H) 2.95 (q, J=6.68 Hz, 1 H) 3.19 (dd, J=10.26, 7.31 Hz, 1 H) 3.48 (q, J=6.99 Hz, 1 H) 3.50-3.57 (m, 2 H) 3.62-3.71 (m, 1 H) 3.74 (s, 1 H) 3.79 (d, J=17.56 Hz, 1 H) 3.91 (d, J=17.72 Hz, 1 H) 4.13 (dd, J=10.26, 1.24 Hz, 1 H) 4.34 (d, J=7.31 Hz, 1 H) 5.07 (dd, J=9.64, 2.64 Hz, 1 H) 5.72 (s, 1 H) 7.48 (s, 1 H) 7.60 (dd, J=8.63, 5.05 Hz, 1 H) 8.29 (dd, J=8.55, 1.71 Hz, 1 H) 9.24 (dd, J=4.97, 1.71 Hz, 1 H)
ここで得られた本発明化合物は、酢酸エチル−ヘキサンを用いて再結晶を行ない、得られた結晶を、減圧乾燥後結晶を室温放置した。得られた本発明化合物は一分子の結晶水を取り込んだ一水和物で安定化した。
Anal. Calc. (%) for C41H56N5O10F・H2O: C 58.74, H 6.90, N 8.56. Found : C 58.54, H 6.77, N 8.46.
(参考例1)
5−O−デソサミニル−3,11−ジデオキシ−11−アミノ−6−O−[3−[3−(3−ピリダジル)イソキサゾリル−5−イル]−2−プロピニル]−3−オキソエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメートの合成
(1)WO01/77134号に記載の2’−O−ベンゾイル-5−O−デソサミニル−11−デオキシ−11−アミノ−6−O−プロパルギルエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメート8.73g、3−(5−ヨードイソキサゾ−ル−3−イル)ピリダジン3.37g、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(II) 0.41g (0.06mmol)をアセトニトリル90mlとトリエチルアミン45mlの溶液に加え、70℃で4.5時間攪拌し3−ヒドロキシ体を得た。
(2)N-クロロ琥珀酸イミド2.05gをトルエン30mlに懸濁させ、これに氷冷下ジメチルスルフィド1.30mlを加え2時間反応させた。次に上記(1)で得た3−ヒドロキシ体をトルエン10mlとテトラヒドロフラン10mlに溶解させた溶液を加え氷冷下更に1時間攪拌した。次いで、トリエチルアミン2.49mlを加え1時間反応させ2’−O−ベンゾイル−3−オキソ体7.20gを得た。
(3)上記(2)で得た2’−O−ベンゾイル−3−オキソ体1.50gをメタノール15mlに溶解し6時間過熱還流した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトン:ヘキサン:トリエチルアミン=20:20:1)により精製後、酢酸エチル-ヘキサンから結晶化し標記化合物 0.97gを得た。
MS(ESI) m/z 782.3[M+H]+
(試験例1:試験管内抗菌活性測定)
被験化合物は、実施例1の化合物と比較化合物1としてWO02/32919の実施例23記載の化合物(5−O−デソサミニル−3,11−ジデオキシ−2−フルオロ−11−アミノ−6−O−[3−[3−(5−ピリミジル)イソキサゾリル−5−イル]−2−プロピニル]−3−オキソエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメート)、比較化合物2として参考例1の化合物(実施例1の化合物の2位が水素原子である化合物: 5−O−デソサミニル−3,11−ジデオキシ−11−アミノ−6−O−[3−[3−(3−ピリダジル)イソキサゾリル−5−イル]−2−プロピニル]−3−オキソエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメート)及び比較化合物3としてテリスロマイシンを用いerm(B)保有エリスロマイシン耐性肺炎球菌及びエリスロマイシン耐性連鎖球菌に対する抗菌活性を、National Committee for Clinical Laboratory Standards に準じた微量液体希釈法にて評価した。羊血液寒天培地で一夜培養した肺炎球菌及び連鎖球菌をMueller-Hinton broth (MHB)で0.5 McFarand相当に懸濁し、これらを10倍に希釈(約107 CFU/ml)して接種用菌液とした。これらの菌液5 μlを3%馬溶血液添加の2価イオン濃度調整済み化合物各濃度含有MHB 100μLに約5×105 CFU/ml接種した。これらを35℃、好気条件で20時間培養後に各化合物の最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。これら試験の結果を表1に示す。実施例1の化合物は、エリスロマイシン耐性肺炎球菌の1017株に対して比較化合物1〜3に比べ強い抗菌活性を示し、またエリスロマイシン耐性肺炎球菌の1012株に対して比較化合物1と同程度の抗菌活性を示し、比較化合物2及び比較化合物3に比べ強い抗菌活性を示した。更にエリスロマイシン耐性連鎖球菌の1002株に対して比較化合物1〜3に比べ強い抗菌活性を示した。よって、本願発明の化合物は、エリスロマイシン耐性肺炎球菌及びエリスロマイシン耐性連鎖球菌に極めて有用であることが示された。
Figure 2007077105
(試験例2:Cyp阻害試験)
Cyp阻害試験は被験化合物を添加した後、蛍光基質を添加する前に45分間のプレインキュベーションを行った。その他はCrespiらの方法(Crespi CL, et al., Analyt. Biochem. 1997, 248, 188-190)に準拠して行った。
被験化合物としては、実施例1の化合物及び比較化合物1としてWO02/32919号の実施例23記載の化合物(5−O−デソサミニル−3,11−ジデオキシ−2−フルオロ−11−アミノ−6−O−[3−[3−(5−ピリミジル)イソキサゾリル−5−イル]−2−プロピニル]−3−オキソエリスロノリドA 11,12−サイクリックカーバメート)を用いた。
Figure 2007077105
実施例1の化合物及び比較化合物1のCyp3A4に対する阻害の強さは、それぞれ0.96、<0.046μMであり、実施例1の化合物は比較化合物1に比べ20倍以上Cyp3A4阻害作用が弱く、安全性に優れることが確認された。
(試験例3:マウス肺炎球菌呼吸器感染モデルを用いた感染治療試験)
被験化合物として、実施例1の化合物及び比較化合物3であるテリスロマイシンを使用し、マウス肺炎球菌呼吸器感染モデルに対する感染治療効果を検討した。
erm(B)保有エリスロマイシン耐性、ペニシリン中等度耐性肺炎球菌をCBA/JNCrj系雄性マウスに経鼻感染させ、呼吸器感染モデルを作製した。30mMクエン酸緩衝液に溶解した被験化合物を感染翌日より1日1回2日間経口投与し、感染3日後の肺内生菌数を測定した。実施例1の化合物の投与用量は1日あたり100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg及び12.5mg/kgの4段階とし、比較化合物3の投与用量は1日あたり100mg/kgの1段階のみとした。未治療対照群には30mMクエン酸緩衝液を投与した。結果を表3に示す。
実施例1の化合物(100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg及び12.5mg/kg)及び比較化合物3(100mg/kg)はいずれも未治療対照群と比較して、有意に肺内生菌数を減少させた。さらに実施例1の化合物は比較化合物3との同用量(100mg/kg)での比較において、有意に優れる肺内生菌数減少効果を示した。
Figure 2007077105
本発明の化合物は、エリスロマイシン耐性肺炎球菌、エリスロマイシン耐性連鎖球菌に対して優れた抗菌活性を有し、また肺炎球菌による呼吸器感染症の高い治療効果を有し、更にはヒト代謝酵素に対しても安定なことから、本発明の化合物は副作用が軽減し安全な抗菌薬又は肺炎球菌による呼吸器感染症の治療薬として極めて有用である。

Claims (3)


  1. Figure 2007077105

    で表される2−フルオロ−6−O−置換ケトライド誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする抗菌薬。

  2. Figure 2007077105

    で表される2−フルオロ−6−O−置換ケトライド誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする抗菌薬。
  3. 請求項1又は2に記載の2−フルオロ−6−O−置換ケトライド誘導体、その医薬上許容される塩又はその水和物を有効成分とする肺炎球菌による呼吸器感染症の治療薬。
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