JP2007076354A - ウェザーストリップの製造方法 - Google Patents

Abstract

【目的】 自動車のドアー、トランクパネル等の車体の開口周縁のフランジのコーナー部の所定の区間の中空シール部に対して変形中空シール部を形成する製造方法に関するものである。
【構成】 第１押出し成形機より第１金型ダイスによって成形された合成樹脂芯材の外周全体に被覆層と、中空シール部を形成し、その後、第２金型ダイスを通過後の軟化状態の時に変形治具の左右の作動によりコーナー部の所定区間の位置で、該中空シール部を変形治具によって、変形中空シール部を成形した後に冷却して成形することを特徴としている。

Description

本発明は、自動車のドアーパネル、トランクパネル等の車体の開口周縁のフランジ部分の特にコーナー部に変形を与えて適応させることを特徴とするウェザーストリップの製造方法に関するものである。

自動車の車体における開口周縁のフランジを保持する断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材を使用したウェザーストリップは、該開口周縁のコーナー部で、ウェザーストリップの中空シール部が押圧されて跳ね上がって変形し、中空シール部としての役目である密閉性や外観の不良及び段差等による品質の悪化等の問題点があった。
このために、従来品は、直線部の押出し成形品と、コーナー部分の湾曲変形した射出成形品を別個に作成し、これ等の両者を接続している。即ち、ウェザーストリップは、押出しされた成形品と、射出成形品を接続すると云う面倒な手間と時間が必要となり、更に、接続部分の表面に露出して大変に体裁が悪いと云う問題点もあった。

上記の如く、従来の自動車用ウェザーストリップの製造方法については、長手方向のウェザーストリップを環状に型取りした型内にセットし、型台に熱を加えて中空シール部の歪みを利用してコーナー部に沿う変形形状に曲付けして成型するものであり、二重の加工技術が必要である問題があった。
そこで、本発明のものは、上記の各問題を解決するために、その目的とする所は、合成樹脂芯材の走行中に、その外周に中空シール部、化粧リップ等を設けた被覆層を被着形成した成形品が、走行中に次の第２金型ダイスを通過した後の軟化状態の時に、コーナー部に当たる部分で曲付けを必要とする所定の区間のみに変形治具によって可変する変形中空シール部を成形するもので、コーナー部のフランジに装着した時に生ずる跳ね上がり等を防止して外観的にも優れた押出し成型品を提供するものである。

上記の目的を達成するために、本発明によれば、ウェザーストリップは、第１押出し成形機より第１金型ダイスによって断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材を成形する。その後合成樹脂芯材が走行しながら第２金型ダイスの内部に進入し、第２押出し成形機からの熱可塑性エラストマーの材料によって、該合成樹脂芯材の外周に被覆層を成形すると共に、該被覆層の外側に中空シール部を成形する。その後、ウェザーストリップが第２金型ダイスを通過後の軟化状態の時に該中空シール部における所定の区間に亘って変形治具の押圧によって、変形中空シール部を成形し、その後、冷却水槽で冷却成形するものである。

本発明のウェザーストリップの製造方法によれば、従来のように、車体の開口周縁のコーナー部のフランジに断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材を有するウェザーストリップ等の断面が一定形状の押出し成形品を装着保持するものでは、ウェザーストリップの中空シール部が跳ね上がり変形したり、密閉性が悪く、且つ外観が大変に見苦しい欠点を解決できる効果がある。さらに、本発明によれば、押出し成形機により断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材を形成した後に、走行しながら第２金型ダイスの内部で外周に被覆層と中空シール部を直線に成形されたウェザーストリップが第２金型ダイスを通過後の軟化状態の時に該中空シール部における所定の区間を変形治具の作動によってコーナー部となる曲折区間の中空シール部を変形中空シール部に形成したことにより、ウェザーストリップがコーナー部分の開口周縁のフランジ部に確実に装着保持できる効果と、該変形中空シール部によって密閉性が著しく向上し、且つ中空シール部の跳ね上がりが解消され、美麗等にも優れた効果もある。

次に、本発明のウェザーストリップの製造方法によれば、車体のドアー及びトランクルームの各フランジに装着するウェザーストリップは、断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材（２）の外周に被覆層（３）と中空シール部（５）を一体に設け、該被覆層（３）が軟化状態の時に形成した図１のコーナー部（１４）となる部分に変形治具（１０）によってコーナー部（１４）に沿って中空シール部（５）を変形中空シール部（６）に形成し、ウェザーストリップのＵ字条内にフランジ（１３）を挿着し、該変形中空シール部（６）の部分をコーナー部（１４）のボデーに圧接すると跳ね上がり段差等も解消され綺麗に仕上がり使用が良好となるものである。

次に、本発明の実施例を図面について説明すると、図１は、車体（１５）のドアー部分の開口部にウェザーストリップ（１）を装着した状態を示し、符号（１４）は、コーナー部を示したものであり、図２に示すものは、図１のコーナー部（１４）を拡大した背面よりの斜面を示すものである。該ウェザーストリップ（１）は、図１０に示す如く、硬質合成樹脂を注入した第１押出し成形機（１６）より第１金型ダイス（１７）によって断面略Ｕ字条の長手方向の合成樹脂芯材（２）を形成する。その後、該合成樹脂芯材（２）は、走行しながら第１冷却水槽（１８）及び送り出しローラー（１９）を経て切削機（２０）に進行する。該切削機（２０）は、該断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材（２）の両側面に所定の間隔で各種形状の切込部（９）（９）を形成するものである。

次に、該合成樹脂芯材（２）は、走行して第２押出し成形機（２４）に注入した熱可塑性エラストマーによって、第２金型ダイス（２５）を通過中の外周及び内周の全体に所定の被覆層（３）と、外周に中空シール部（５）と化粧リップ（７）とを一体に成形する。また、合成樹脂芯材（２）の該被覆層（３）の内周には、相対する固定突起（８）（８）を各成形してある。
更に、第２金型ダイス（２５）を通過中のウェザーストリップ（１）は軟化状態で移動し、該第２金型ダイス（２５）と第２冷却水槽（２６）との間を進行する所定の区間を設けて、図７及び図８に示す変形治具（１０）の先端部（１１）を左右又は上下に作動させて、図５に示す、ウェザーストリップ（１）のコーナーとなる車体（１５）のコーナー部（１４）に図５に示す中空シール部（５）を該変形治具（１０）を以って図６に示す変形中空シール部（６）を下側に押圧変形するもので、符号（１２）は、変形中空シール部（６）が下方に変形又は側方に押圧変形した状態の押圧変形幅を示すものである。符号（２７）は、該第２冷却水槽（２６）を通過した完成品を示すものである。
なお、本発明の所定の区間とは、ウェザーストリップ（１）が車体（１５）のコーナー部（１４）で折曲された時の区間を示すものである。
また、該変形治具（１０）は、第２冷却水槽（２６）の前方に連接する場合と、第２冷却水槽（２６）の内部に設置する場合もある。該変形治具（１０）は、長期間使用していると過熱するため、冷却が必要となるものである。

次に、図７に示すものは、図１０に示すウェザーストリップ（１）の製造に使用した変形治具（１０）を示したものである。また、図８に示すものは、中空シール部（５）の上下方向より変形治具（１０）を使用した場合を示したものである。なお、符号（１１）は、該変形治具（１０）の先端の圧接する先端部を示したものである。次に、図９に示すものは、合成樹脂芯材（２）の長手方向の両側面に互い違いの切込部（９）を形成したものである。
また、図４に示すものは、従来のウェザーストリップ（１）が、図２に示すコーナー部（１４）のＡ−Ａ線で中空シール部（５）が跳ね上がって上方に変形部（３０）を形成した状態を示したものである。図３に示すものは、ウェザーストリップ（１）の一般的な変形されない部分の断面形状を示すものである。
更に、図５に示すＢ−Ｂ線は、図６に示すウェザーストリップ（１）に設けてある中空シール部（５）のコーナー部（１４）における所定区間に変形中空シール部（６）を下側に押圧変形幅（１２）を形成した状態を示したものである。

次に、本発明が使用する材料を説明すると、断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材（２）を形成する硬質合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂または、それらの硬質合成樹脂にタルク、ガラス繊維等の粉体を混合した混合合成樹脂を使用し剛性を高め、線膨張係数を小さくする。好んで使用される混合合成樹脂としては、ポリプロピレン樹脂にタルクの粉体を２０〜４０重量％混合して、線膨張係数を約３０〜７０％小さくして使用する。
更に、被覆層（３）及び中空シール部（５）を形成する熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーが使用されるが、中空シール部（５）は被覆層（３）より軟質の熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性エラストマーの発泡体が使用されることが多く、２台目、３台目の押出し成形によって重合押出し成形することもある。

本発明を車体の開口部にウェザーストリップを取着した側面図である。 本発明の図１のコーナー部を拡大した背面よりの一部欠除した斜面図である。 本発明のウェザーストリップの一般部分の断面図である。 図２Ａ−Ａ線の従来例を示し、中空シール部が上方に跳ね上がって変形した縦断面図である。 本発明の変形中空シール部を直線上に示した一部欠除した斜面図である。 本発明のウェザーストリップの図５Ｂ−Ｂ線の変形中空シール部を示す縦断側面図である。 本発明の所定の区間のコーナー部に変形治具を使用状態の示す側面図である。 同じく本発明のコーナー部に他の変形治具を使用している状態の断面図である。 本発明の合成樹脂芯材に切込を設けた斜面図である。 本発明の完成品までの製造工程を示す一部欠除した側面図である。

符号の説明

１ ウェザーストリップ
２ 合成樹脂芯材
３ 被覆層
５ 中空シール部
６ 変形中空シール部
７ 化粧リップ
８ 固定突起
９ 切込部
１０ 変形治具
１１ 先端部
１２ 押圧変形幅
１３ フランジ
１４ コーナー部
１５ 車体
１６ 第１押出し成形機
１７ 第１金型ダイス
１８ 第１冷却水槽
１９ 送り出しローラー
２０ 切削機
２４ 第２押出し成形機
２５ 第２金型ダイス
２６ 第２冷却水槽
２７ 完成品
３０ 変形部

Claims (1)

1. 自動車車体の開口周縁のフランジに装着するウェザーストリップの製造方法において、第１押出し成形機より第１金型ダイスによって断面略Ｕ字条の合成樹脂芯材を成形し、該合成樹脂芯材は走行しながら第２金型ダイスの内部に進入し、第２押出し成形機より注入された熱可塑性エラストマーによって該合成樹脂芯材の内外の周囲に被覆層を成形すると共に、該被覆層の外側に中空シール部を成形し、その後、該ウェザーストリップが該第２金型ダイスを通過後の軟化状態の時に該中空シール部における所定の区間に亘って変形治具の押圧によって、変形中空シール部を成形した後、冷却成形したことを特徴とするウェザーストリップの製造方法。

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