JP2007076152A - 難燃性樹脂配管 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオンが溶出しにくく、難燃性、破断伸びに優れる難燃性樹脂配管の提供。
【解決手段】合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなる最外層と、合成樹脂からなる最内層とを有する難燃性樹脂配管。
【選択図】なし
【解決手段】合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなる最外層と、合成樹脂からなる最内層とを有する難燃性樹脂配管。
【選択図】なし
Description
本発明は、難燃性樹脂配管に関する。
近年、化石燃料の枯渇問題や、酸性雨、地球温暖化等の地球的規模における環境汚染の問題が深刻化していることから、燃料電池が開発されている。
従来、燃料電池に接続される配管には、燃料ガスなどの流体が配管から漏れるのを防止すべく、SUS316等のステンレス鋼の配管(以後、これを「金属配管」という。)が用いられている。
例えば、特許文献1には、「ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、ポリオルガノシロキサン1〜25wt%で表面処理した金属水和物を15〜100重量部配合した難燃性樹脂組成物を、金属配管に被覆したことを特徴とする難燃性樹脂被覆金属管。」が記載されている。
しかしながら、金属配管を使用する場合、金属配管内を流れる燃料ガスなどの流体中に金属配管から金属イオンが溶出し、金属イオンが燃料電池内の触媒を劣化させ、その結果、燃料電池の出力が著しく低下してしまうという問題がある。また、金属配管は大量生産しにくく、コストが高い。
このような事情から、本発明者は、燃料電池配管全体を樹脂製とすることが必要であると考えた。
燃料電池配管全体を樹脂製とする場合、例えば、家庭用などの定置型燃料電池の周辺で火災が発生すると、燃料電池の燃料ガスに引火する危険性があることから、燃料電池に使用される樹脂配管は難燃性であることが必要である。
樹脂の成形体に難燃性を持たせるには例えば樹脂組成物に難燃剤を添加する方法がある。例えば、特開2003−192919号公報には、合成樹脂に対して、特定の構造のリン酸エステル系難燃剤、特定の構造のリン酸エステル金属塩化合物およびドリップ防止剤を特定量で含有する難燃性合成樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、本発明者は、樹脂組成物にリン系難燃剤を添加すると、樹脂配管の機械的物性、特に破断伸びが極端に低下することを見出した。破断伸びが低下すると、樹脂配管の耐熱性や樹脂組成物の加工性に劣ることが考えられる。
また、樹脂組成物に難燃剤などの添加剤を添加すると、樹脂配管からイオンが生じて流体に溶出し、上記と同様に、燃料電池の出力が低下してしまうという問題が生じるおそれがある。
このような事情から、本発明者は、燃料電池配管全体を樹脂製とすることが必要であると考えた。
燃料電池配管全体を樹脂製とする場合、例えば、家庭用などの定置型燃料電池の周辺で火災が発生すると、燃料電池の燃料ガスに引火する危険性があることから、燃料電池に使用される樹脂配管は難燃性であることが必要である。
樹脂の成形体に難燃性を持たせるには例えば樹脂組成物に難燃剤を添加する方法がある。例えば、特開2003−192919号公報には、合成樹脂に対して、特定の構造のリン酸エステル系難燃剤、特定の構造のリン酸エステル金属塩化合物およびドリップ防止剤を特定量で含有する難燃性合成樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、本発明者は、樹脂組成物にリン系難燃剤を添加すると、樹脂配管の機械的物性、特に破断伸びが極端に低下することを見出した。破断伸びが低下すると、樹脂配管の耐熱性や樹脂組成物の加工性に劣ることが考えられる。
また、樹脂組成物に難燃剤などの添加剤を添加すると、樹脂配管からイオンが生じて流体に溶出し、上記と同様に、燃料電池の出力が低下してしまうという問題が生じるおそれがある。
したがって、本発明の目的は、イオンが溶出しにくく、難燃性、破断伸びに優れる難燃性樹脂配管を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の成分を含有する樹脂組成物からなる最外層と、特定の樹脂からなる最内層とを有する樹脂配管が、イオンを溶出させにくく、難燃性、破断伸びに優れることを知見し、本発明を完成させたのである。
即ち、本発明は、下記の(1)〜(4)を提供する。
(1)合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなる最外層と、合成樹脂からなる最内層とを有する難燃性樹脂配管。
(2)前記最外層の厚さが0.15mm以上である上記(1)に記載の難燃性樹脂配管。
(3)前記最内層と前記最外層の厚さの比が1:1〜10:1である上記(1)または(2)に記載の難燃性樹脂配管。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性樹脂配管を用いる燃料電池配管。
(1)合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなる最外層と、合成樹脂からなる最内層とを有する難燃性樹脂配管。
(2)前記最外層の厚さが0.15mm以上である上記(1)に記載の難燃性樹脂配管。
(3)前記最内層と前記最外層の厚さの比が1:1〜10:1である上記(1)または(2)に記載の難燃性樹脂配管。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の難燃性樹脂配管を用いる燃料電池配管。
本発明の難燃性樹脂配管は、イオンが溶出しにくく、難燃性、破断伸びに優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の難燃性樹脂配管は、
合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなる最外層と、合成樹脂からなる最内層とを有するものである。
本発明の難燃性樹脂配管は、
合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなる最外層と、合成樹脂からなる最内層とを有するものである。
本発明の難燃性樹脂配管における最外層について以下に説明する。
本発明の難燃性樹脂配管において、最外層は、合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなるものである。
難燃性樹脂組成物に含有される合成樹脂は、特に制限されない。例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレンおよび/またはα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタムおよびポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンのような熱可塑性樹脂およびこれらのブレンド物;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂を挙げることができる。さらに、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムのようなエラストマーを使用することができる。合成樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の難燃性樹脂配管において、最外層は、合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなるものである。
難燃性樹脂組成物に含有される合成樹脂は、特に制限されない。例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、スチレンおよび/またはα−メチルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等の直鎖ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタムおよびポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂、分岐ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタンのような熱可塑性樹脂およびこれらのブレンド物;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のような熱硬化性樹脂を挙げることができる。さらに、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムのようなエラストマーを使用することができる。合成樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
合成樹脂の中でも、熱可塑性樹脂が好ましく、α−オレフィン重合体、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレートがより好ましい。また、α−オレフィン重合体のなかでも、耐熱性、コスト、加工性の観点から、ポリプロピレンが好ましく、プロピレンホモポリマーがより好ましい。
プロピレンホモポリマーは、実質的にプロピレンのみをモノマー原料とするポリプロピレン樹脂であれば、特に制限されない。例えば、従来公知のものを使用することができる。
プロピレンホモポリマーの結晶含量は、通常20%以上であり、30%以上のものが好ましい。
プロピレンホモポリマーのアイソタクチック指数は、通常0.93を超えており、0.96を超えるものが好ましい。
プロピレンホモポリマーのアイソタクチック指数は、通常0.93を超えており、0.96を超えるものが好ましい。
プロピレンホモポリマーの溶融流量(Melt Flow Rate:MFR)は、JIS K7210−1999に準じて、試験温度230℃および公称荷重2.16kgで測定されたMFRが、通常、0.1〜50g/10分であり、0.3〜30g/10分であるのが、加工性、耐熱性の観点から、好ましい。
プロピレンホモポリマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の難燃性樹脂配管において、最外層に使用される難燃性樹脂組成物に含有される難燃剤について以下に説明する。
難燃性樹脂組成物に含有される難燃剤としては、例えば、金属水酸化物系、アンチモン系、ブロモ系、リン系が挙げられる。なかでも、樹脂の物性の低下がなく、毒性がなく、環境面に対する配慮という観点から、リン系難燃剤が好ましい。
リン系難燃剤としては、例えば、下記式(1)で表されるリン酸とアンモニアまたは下記式(2)で表されるトリアジン誘導体とのリン酸塩(I)、下記式(3)で表されるリン酸とR3R4N(CH2)nNR5R6で表される化合物(R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基を示し、nは1〜10の整数である。)、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンとのリン酸塩(II)が挙げられる。
難燃性樹脂組成物に含有される難燃剤としては、例えば、金属水酸化物系、アンチモン系、ブロモ系、リン系が挙げられる。なかでも、樹脂の物性の低下がなく、毒性がなく、環境面に対する配慮という観点から、リン系難燃剤が好ましい。
リン系難燃剤としては、例えば、下記式(1)で表されるリン酸とアンモニアまたは下記式(2)で表されるトリアジン誘導体とのリン酸塩(I)、下記式(3)で表されるリン酸とR3R4N(CH2)nNR5R6で表される化合物(R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基を示し、nは1〜10の整数である。)、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンとのリン酸塩(II)が挙げられる。
式中、mは1〜100の整数である。
式中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、−NR1R2(R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、メチロール基を示す。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基、フェニル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。
式中、nは1〜100の整数である。
リン酸塩(I)について以下に説明する。
リン酸塩(I)は、式(1)で表されるリン酸とアンモニアまたは式(2)で表されるトリアジン誘導体との塩である。
リン酸塩(I)は、式(1)で表されるリン酸とアンモニアまたは式(2)で表されるトリアジン誘導体との塩である。
式(1)で表されるリン酸において、mは1〜100の整数であり、耐熱性の観点から2〜10であるのが好ましい。
式(1)で表されるリン酸としては、例えば、リン酸(H3PO3)、ニリン酸(H4P2O7)、三リン酸(H5P3O10)が挙げられる。
式(1)で表されるリン酸としては、例えば、リン酸(H3PO3)、ニリン酸(H4P2O7)、三リン酸(H5P3O10)が挙げられる。
式(2)で表されるトリアジン誘導体において、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、−NR1R2(R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、メチロール基を示す。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基、炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基、フェニル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。
−NR1R2中のR1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、メチロール基を示す。
炭素原子数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基が挙げられる。
Z1およびZ2で表される炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、t−ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。
炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基としては、例えば、上記のアルキル基から誘導される基が挙げられる。
炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基としては、例えば、上記のアルキル基から誘導される基が挙げられる。
式(2)で表されるトリアジン誘導体としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、アクリルグアナミン、2,4−ジアミノ−6−ノニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−エトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−プロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジンが挙げられる。トリアジン誘導体は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
式(1)で表されるリン酸とアンモニアまたは式(2)で表されるトリアジン誘導体との組み合わせは特に制限されない。
また、式(1)で表されるリン酸のヒドロキシ基の少なくとも1個が、アンモニアまたは式(2)で表されるトリアジン誘導体と塩を形成すればよい。また、式(1)で表されるリン酸のすべてのヒドロキシ基がアンモニアまたは式(2)で表されるトリアジン誘導体と塩を形成することができる。
また、式(1)で表されるリン酸のヒドロキシ基の少なくとも1個が、アンモニアまたは式(2)で表されるトリアジン誘導体と塩を形成すればよい。また、式(1)で表されるリン酸のすべてのヒドロキシ基がアンモニアまたは式(2)で表されるトリアジン誘導体と塩を形成することができる。
リン酸塩(I)としては、例えば、リン酸またはポリリン酸とメラミンとの塩、ポリリン酸アンモニウム化合物が挙げられる。
リン酸またはポリリン酸とメラミンとの塩としては、例えば、リン酸メラミン、ニリン酸メラミン、三リン酸メラミンが挙げられる。ニリン酸メラミンが好ましい態様の1つとして挙げられる。
リン酸またはポリリン酸とメラミンとの塩は、その製造について特に制限されない。例えば、ニリン酸メラミンの場合は、ニリン酸ナトリウムとメラミンとを任意の反応比率で混合し、塩酸を加えて反応させ、水酸化ナトリウムで中和してニリン酸メラミンを得ることができる。
リン酸またはポリリン酸とメラミンとの塩としては、例えば、リン酸メラミン、ニリン酸メラミン、三リン酸メラミンが挙げられる。ニリン酸メラミンが好ましい態様の1つとして挙げられる。
リン酸またはポリリン酸とメラミンとの塩は、その製造について特に制限されない。例えば、ニリン酸メラミンの場合は、ニリン酸ナトリウムとメラミンとを任意の反応比率で混合し、塩酸を加えて反応させ、水酸化ナトリウムで中和してニリン酸メラミンを得ることができる。
ポリリン酸アンモニウム化合物は、ポリリン酸アンモニウム単体またはポリリン酸アンモニウムを主成分とする化合物であれば特に制限されない。
ポリリン酸アンモニウム単体としては市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、ヘキスト社製のエキソリット−422、エキソリット−700、モンサント社製のフォスチェク−P/30、フォスチェク−P/40、住友化学(株)社製のスミセーフ−P、チッソ(株)社製のテラージュ−S10、テラージュ−S20が挙げられる。
ポリリン酸アンモニウム単体としては市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、ヘキスト社製のエキソリット−422、エキソリット−700、モンサント社製のフォスチェク−P/30、フォスチェク−P/40、住友化学(株)社製のスミセーフ−P、チッソ(株)社製のテラージュ−S10、テラージュ−S20が挙げられる。
ポリリン酸アンモニウムを主成分とする化合物としては、例えば、ポリリン酸アンモニウムを熱硬化性樹脂で被覆またはマイクロカプセル化したもの、ポリリン酸アンモニウムの表面をメラミンモノマーや他の含窒素有機化合物で被覆したもの、ポリリン酸アンモニウムを界面活性剤やシリコンで処理を行ったもの、ポリリン酸アンモニウムを製造する過程でメラミン等を添加し難溶化させたものが挙げられる。
ポリリン酸アンモニウムを主成分とする化合物の市販品としては、例えば、ヘキスト社製のエキソリット−462、住友化学(株)社製のスミセーフ−PM、チッソ(株)社製のテラージュ−C60、テラージュ−C70、テラージュ−C80等が挙げられる。
リン酸塩(I)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリリン酸アンモニウムを主成分とする化合物の市販品としては、例えば、ヘキスト社製のエキソリット−462、住友化学(株)社製のスミセーフ−PM、チッソ(株)社製のテラージュ−C60、テラージュ−C70、テラージュ−C80等が挙げられる。
リン酸塩(I)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
リン酸塩(II)について以下に説明する。
リン酸塩(II)は、式(3)で表されるリン酸と、R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物(R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基を示し、xは1〜10の整数である。)、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンとの塩である。
リン酸塩(II)は、式(3)で表されるリン酸と、R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物(R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基を示し、xは1〜10の整数である。)、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンとの塩である。
式(3)で表されるリン酸において、nは、式(1)中のmと同義である。また、式(3)で表されるリン酸は、式(1)で表されるリン酸と同義である。
R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物において、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5の直鎮または分岐のアルキル基を示し、xは1〜10の整数である。
炭素原子数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基が挙げられる。
炭素原子数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基が挙げられる。
R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラメチルジアミノメタン、エチレンジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−ジエチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1、7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカンが挙げられる。
ピペラジン環を有するジアミンとしては、例えば、trans−2,5−ジメチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンが挙げられる。
式(3)で表されるリン酸とR3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンとの組み合わせは特に限定されない。
また、式(3)で表されるリン酸の中の少なくとも1個のヒドロキシ基が、R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンと塩を形成すればよい。また、式(3)で表されるリン酸のすべてのヒドロキシ基が、R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンと塩を形成することができる。
また、式(3)で表されるリン酸の中の少なくとも1個のヒドロキシ基が、R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンと塩を形成すればよい。また、式(3)で表されるリン酸のすべてのヒドロキシ基が、R3R4N(CH2)xNR5R6で表される化合物、ピペラジンまたはピペラジン環を含むジアミンと塩を形成することができる。
リン酸塩(II)としては、例えば、リン酸またはポリリン酸とピペラジンとの塩が挙げられる。リン酸またはポリリン酸とピペラジンとの塩としては、例えば、リン酸ピペラジン、ニリン酸ピペラジン、三リン酸ピペラジンが挙げられる。
リン酸またはポリリン酸とピペラジンとの塩は、その製造について特に制限されない。例えば、ニリン酸ピペラジンの場合は、ピペラジンとニリン酸とを水中またはメタノール水溶液中で反応させて、水難溶性の沈殿として得ることができる。ただし、ポリリン酸ピペラジンは、ニリン酸、三リン酸(トリポリリン酸)、これら以外のポリリン酸の混合物からなるポリリン酸とピペラジンとから得られる塩でもよく、原料のポリリン酸は特に限定されない。
リン酸塩(II)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
リン酸またはポリリン酸とピペラジンとの塩は、その製造について特に制限されない。例えば、ニリン酸ピペラジンの場合は、ピペラジンとニリン酸とを水中またはメタノール水溶液中で反応させて、水難溶性の沈殿として得ることができる。ただし、ポリリン酸ピペラジンは、ニリン酸、三リン酸(トリポリリン酸)、これら以外のポリリン酸の混合物からなるポリリン酸とピペラジンとから得られる塩でもよく、原料のポリリン酸は特に限定されない。
リン酸塩(II)は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
難燃剤は、リン酸塩(I)またはリン酸塩(II)を含んでいればよく、難燃性の観点から、リン酸塩(I)およびリン酸塩(II)を含むのが好ましい。
難燃性樹脂組成物において、難燃剤の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部である。このような範囲の場合、難燃性に優れる。また、難燃性、破断伸びにより優れ、押出加工性に優れるという観点から、難燃剤の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、5〜40質量部であるのが好ましく、10〜30質量部であるのがより好ましい。
難燃剤としてリン酸塩(I)を使用する場合、リン酸塩(I)の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、1〜40質量部であるのが好ましく、5〜30質量部であるのがより好ましい。
難燃剤としてリン酸塩(II)を使用する場合、リン酸塩(II)の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、4〜50質量部であるのが好ましく、10〜40質量部であるのがより好ましい。
難燃剤としてリン酸塩(II)を使用する場合、リン酸塩(II)の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、4〜50質量部であるのが好ましく、10〜40質量部であるのがより好ましい。
リン酸塩(I)とリン酸塩(II)の配合比[質量基準で、リン酸塩(I):リン酸塩(II)]は、20:80〜50:50が好ましく、30:70〜50:50がより好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管において、最外層に使用される難燃性樹脂組成物に含有されるドリップ防止剤について以下に説明する。
ドリップ防止剤は、樹脂を燃焼させた際樹脂が垂れること(ドリップ)を防止しうるものであれば、特に制限されない。
ドリップ防止剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンのようなフッ素系樹脂;アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンのような変性されたフッ素系樹脂;パーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロ−t−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩のようなパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩化合物;パーフルオロ−2−エチルヘキサンスルホン酸カルシウム塩のようなパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩;シリコーンゴム;酸化チタンが挙げられる。なかでも、難燃性により優れる観点から、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ドリップ防止剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ドリップ防止剤は、樹脂を燃焼させた際樹脂が垂れること(ドリップ)を防止しうるものであれば、特に制限されない。
ドリップ防止剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンのようなフッ素系樹脂;アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンのような変性されたフッ素系樹脂;パーフルオロメタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロ−t−ブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム塩のようなパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩化合物;パーフルオロ−2−エチルヘキサンスルホン酸カルシウム塩のようなパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ土類金属塩;シリコーンゴム;酸化チタンが挙げられる。なかでも、難燃性により優れる観点から、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ドリップ防止剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ドリップ防止剤の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部である。このような範囲の場合、ドリップ防止に優れる。また、ドリップ防止剤の含有量は、樹脂のドリップ防止により優れ、難燃性樹脂配管の熱収縮が小さく、コストが低いという観点から、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部であるのが好ましく、0.5〜2.5質量部であるのがより好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管において、最外層に使用される難燃性樹脂組成物は、さらに、リン酸エステル化合物を含有することができる。
リン酸エステル化合物としては、例えば、下記式(4)、式(5)で表されるリン酸エステル化合物またはその金属塩が挙げられる。
リン酸エステル化合物としては、例えば、下記式(4)、式(5)で表されるリン酸エステル化合物またはその金属塩が挙げられる。
式中、R7は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜24の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を表し、R8は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜6の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を表し、pは0〜20の整数である。
炭素原子数6〜24の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシルイソデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基が挙げられる。
炭素原子数6〜24の直鎖または分岐のアルケニル基としては、これらアルキル基に対応するものが挙げられる。
炭素原子数6〜24の直鎖または分岐のアルケニル基としては、これらアルキル基に対応するものが挙げられる。
炭素原子数2〜6の直鎖または分岐のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、エチルエチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
式中、R9は、それぞれ独立に、炭素原子数6〜24の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を表し、R10は、それぞれ独立に、炭素原子数2〜6の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を表し、qはそれぞれ独立に0〜20の整数である。
R9はR7と同義であり、R10はR8と同義である。
式(4)または式(5)で表されるリン酸エステル化合物の金属塩を構成する金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウムのようなアルカリ土類金属;亜鉛、アルミニウムが挙げられる。式(4)または式(5)で表されるリン酸エステル化合物の金属塩は、正塩、塩基性塩および酸性塩のうちのいずれの形態のものであっても用いることができる。
式(4)、(5)で表されるリン酸エステル化合物またはその金属塩としては、例えば、下記式(6)〜式(19)の化合物が挙げられる。
リン酸エステル化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
リン酸エステル化合物の含有量は、加工安定性の観点から、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部であるのが好ましく、0.1〜1質量部であるのがより好ましい。このような範囲の場合、加工安定性に優れ、難燃性樹脂の物性を維持することができる。
また、リン酸エステル化合物の含有量は、加工安定性の観点から、難燃剤100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのがより好ましい。
リン酸エステル化合物を含有することにより、難燃性樹脂組成物は加工安定性に優れるものとなりうる。
また、リン酸エステル化合物の含有量は、加工安定性の観点から、難燃剤100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのがより好ましい。
リン酸エステル化合物を含有することにより、難燃性樹脂組成物は加工安定性に優れるものとなりうる。
上述のとおり、本発明の難燃性樹脂配管において、最外層に使用される難燃性樹脂組成物は難燃剤を含有する。難燃剤は、その平均粒径が100μm以下であるのが好ましく、10μm以下のものがより好ましい。このような範囲の場合、難燃性樹脂組成物に含有される合成樹脂に対する分散性、成形後の機械的強度に優れ、難燃性により優れる。難燃剤をこのような平均粒子径のものとするには、難燃剤をあらかじめ粉砕すればよい。また、他の成分と混合してから粉砕することができる。
しかしながら、平均粒径の小さい難燃剤は二次凝集を起こすことがある。難燃剤の二次凝集を防ぐことを目的として、難燃性樹脂組成物は、さらに二酸化ケイ素または金属酸化物を含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、二酸化錫、二酸化鉛、酸化アンチモン、酸化モリブデン、酸化カドミウムが挙げられる。
二酸化ケイ素は、特に限定されない。二酸化ケイ素には、乾式法シリカ、湿式法シリカがある。市販品としては、例えば、日本アエロジル(株)製「AEROSIL」、トクヤマ(株)製「レオシール」、「トクシール」、塩野義製薬(株)製「カープレックス」、富士シリシア(株)製「サイリシア」、水澤化学工業(株)製「ミズカシル」が挙げられる。
また、表面処理を施した二酸化ケイ素を使用することができる。化学的に表面をメチル基で覆って疎水化した二酸化ケイ素の市販品としては、例えば、日本アエロジル(株)社製の「AEROSIL R972」、「AEROSIL R974」、「AEROSILR972V」、「AEROSIL R972CF」が挙げられる。
また、表面処理を施した二酸化ケイ素を使用することができる。化学的に表面をメチル基で覆って疎水化した二酸化ケイ素の市販品としては、例えば、日本アエロジル(株)社製の「AEROSIL R972」、「AEROSIL R974」、「AEROSILR972V」、「AEROSIL R972CF」が挙げられる。
二酸化ケイ素または金属酸化物の含有量は、難燃剤の二次凝集防止の観点から、難燃剤100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのが好ましい。このような範囲の場合、難燃剤の分散性に優れ、樹脂の物性を維持することができる。
また、二酸化ケイ素または金属酸化物の含有量は、難燃剤の分散性の観点から、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。
また、二酸化ケイ素または金属酸化物の含有量は、難燃剤の分散性の観点から、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。
また、二酸化ケイ素または金属酸化物による難燃剤の凝集防止効果や流動性を持続させるために、難燃性樹脂組成物は、さらに、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族カルボン酸金属塩、高級脂肪酸アミド系化合物および一価アルコールまたは多価アルコールと高級脂肪族カルボン酸とのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
高級脂肪族カルボン酸としては、例えば、ラウリル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、アルケニルコハク酸無水物が挙げられる。
高級脂肪族カルボン酸金属塩としては、例えば、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウムが挙げられる。
高級脂肪族カルボン酸金属塩としては、例えば、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウムが挙げられる。
高級脂肪酸アミド系化合物としては、例えば、ラウリン酸アミド、ミスチリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、エルカ酸アミド、モンタン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、メチレンビス(ステアリン酸アミド)、エチレンビス(ミスチリン酸アミド)、エチレンビス(ステアリン酸アミド)が挙げられる。
一価アルコールまたは多価アルコールと高級脂肪族カルボン酸とのエステルとしては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸エステルが挙げられる。
高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族カルボン酸金属塩、高級脂肪酸アミド系化合物および一価アルコールまたは多価アルコールと高級脂肪族カルボン酸とのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、難燃剤の凝集防止効果により優れ、樹脂の物性を維持することができるという観点から、難燃剤100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのがより好ましい。
また、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族カルボン酸金属塩、高級脂肪酸アミド系化合物および一価アルコールまたは多価アルコールと高級脂肪族カルボン酸とのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのがより好ましい。
また、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族カルボン酸金属塩、高級脂肪酸アミド系化合物および一価アルコールまたは多価アルコールと高級脂肪族カルボン酸とのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、難燃性樹脂組成物中の合成樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であるのが好ましく、0.1〜5質量部であるのがより好ましい。
また、難燃性樹脂組成物は、さらに、無機質強化材を含有することができる。無機質強化材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ウオラスナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、酸化チタンが挙げられる。無機質強化剤の形状としては、例えば、繊維状、粒状、板状、針状のものが挙げられる。
難燃性樹脂組成物は、合成樹脂と難燃剤とドリップ防止剤とを含有し、さらに必要に応じて二酸化ケイ素または金属酸化物と、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族カルボン酸金属塩、高級脂肪酸アミド系化合物および一価アルコールまたは多価アルコールと高級脂肪族カルボン酸とのエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種と、無機質強化材とを含有する他に添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤)、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、造核剤(例えば、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、芳香族リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール類)、帯電防止剤、金属石鹸、ハイドロタルサイト、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、ホスフェート系難燃剤、無機リン、ハロゲン系難燃剤、シリコン系難燃剤、充填剤、顔料、滑剤、凝集防止剤、発泡剤、可塑剤、抗菌剤が挙げられる。添加剤の含有量は、特に制限されない。
難燃性樹脂組成物の調製は、特に制限されず、例えば、合成樹脂にそれ以外の成分を別々に添加する方法、合成樹脂以外の成分をあらかじめ混合してこれを合成樹脂に配合する方法が挙げられる。具体的には、例えば、合成樹脂(例えば、プロピレンホモポリマー)と難燃剤とドリップ防止剤とを含有する難燃性樹脂組成物とを、ミキサー、二軸混練機、ロール、ブラベンダー、単軸押出機などのうちのいずれかを用いて溶融状態で混練し、押出機で押出をする方法が挙げられる。二軸混練機や単軸押出機を用いる場合、通常、混練後溶融状態で押出されたストランドは、水冷後、ストランドカッター(ペレタイザー)で適当な長さに切断され、ペレット化して用いることができる。使用される押出機は特に制限されない。
本発明の難燃性樹脂配管の最内層について以下に説明する。
本発明の難燃性樹脂配管において、最内層は、合成樹脂からなるものである。
最内層に使用される合成樹脂は、上記の難燃性樹脂組成物に含有される合成樹脂と同様のものが挙げられる。なかでも、耐熱性に優れ、イオンをより溶出させにくく、破断伸びにより優れるという観点から、ポリプロピレンであるのが好ましく、ポリプロピレンホモポリマーであるのがより好ましい。
最内層に使用される合成樹脂は、難燃性樹脂組成物中に含有される、合成樹脂以外の成分を含有することができる。イオンが難燃性樹脂配管内を通る流体に溶出しにくいという観点から、最内層は難燃剤を含有しないのが好ましく、合成樹脂のみからなるのがより好ましい。
最内層に使用される合成樹脂が合成樹脂以外の成分を含有する場合、その調製は、例えば、上記の難燃性樹脂組成物と同様の方法で行えばよい。
本発明の難燃性樹脂配管において、最内層は、合成樹脂からなるものである。
最内層に使用される合成樹脂は、上記の難燃性樹脂組成物に含有される合成樹脂と同様のものが挙げられる。なかでも、耐熱性に優れ、イオンをより溶出させにくく、破断伸びにより優れるという観点から、ポリプロピレンであるのが好ましく、ポリプロピレンホモポリマーであるのがより好ましい。
最内層に使用される合成樹脂は、難燃性樹脂組成物中に含有される、合成樹脂以外の成分を含有することができる。イオンが難燃性樹脂配管内を通る流体に溶出しにくいという観点から、最内層は難燃剤を含有しないのが好ましく、合成樹脂のみからなるのがより好ましい。
最内層に使用される合成樹脂が合成樹脂以外の成分を含有する場合、その調製は、例えば、上記の難燃性樹脂組成物と同様の方法で行えばよい。
本発明の難燃性樹脂配管は、難燃性樹脂組成物からなる最外層と合成樹脂からなる最内層とを有する。
本発明の難燃性樹脂配管は、このように少なくとも2層の構造を有する配管であれば、特に制限されない。例えば、難燃性樹脂組成物からなる外層と合成樹脂からなる内層との2層構造、最内層と最外層との間に例えばポリプロピレン、フッ素樹脂のような樹脂の中間層を有する3層構造が挙げられる。なかでも、加工性の観点から、難燃性樹脂組成物からなる外層と合成樹脂からなる内層とを有する2層構造であるのが好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管は、このように少なくとも2層の構造を有する配管であれば、特に制限されない。例えば、難燃性樹脂組成物からなる外層と合成樹脂からなる内層との2層構造、最内層と最外層との間に例えばポリプロピレン、フッ素樹脂のような樹脂の中間層を有する3層構造が挙げられる。なかでも、加工性の観点から、難燃性樹脂組成物からなる外層と合成樹脂からなる内層とを有する2層構造であるのが好ましい。
難燃性樹脂組成物からなる外層と合成樹脂からなる内層との2層構造を有する難燃性樹脂配管の場合、外層および内層に使用される合成樹脂の両方が、ポリプロピレンホモポリマーであるのが、2層間の接着性、耐熱性、コストの観点から、好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管の最外層は、難燃性により優れ、薄くても連続的な最外層を形成することができ、コストが低く、加工性に優れるという観点から、その厚さが0.15mm以上であるのが好ましく、5mm以下であるのがより好ましい。
難燃性の樹脂層は、通常薄ければ薄いほど燃えやすくなる。しかしながら、本発明においては、このように薄い最外層でも樹脂配管は優れた難燃性を有することができる。
また、本発明の難燃性樹脂配管の最外層は、耐熱性に優れるという観点から、その厚さが0.15mm以上であるのが好ましく、0.15〜5mmであるのがより好ましい。
難燃性の樹脂層は、通常薄ければ薄いほど燃えやすくなる。しかしながら、本発明においては、このように薄い最外層でも樹脂配管は優れた難燃性を有することができる。
また、本発明の難燃性樹脂配管の最外層は、耐熱性に優れるという観点から、その厚さが0.15mm以上であるのが好ましく、0.15〜5mmであるのがより好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管の最内層は、耐圧性に優れ、イオンがより溶出しにくく、破断伸びにより優れるという観点から、その厚さが0.15mm以上であるのが好ましく、5mm以下であるのがより好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂配管の最内層は、耐熱性に優れるという観点から、その厚さが0.5〜5mmであるのが好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂配管の最内層は、耐熱性に優れるという観点から、その厚さが0.5〜5mmであるのが好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管の最内層と最外層の厚さの比は、耐熱性、耐圧性に優れ、難燃性、イオンの溶出のしにくさ、破断伸びにより優れる観点から、1:5〜10:1であるのが好ましく、1:1〜10:1であるのがより好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管は、耐圧性に優れ、難燃性、イオンの溶出のしにくさ、破断伸びにより優れるという観点から、その全体の厚さが0.3mm以上であるのが好ましく、10mm以下であるのがより好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂配管は、耐熱性に優れるという観点から、その全体の厚さが0.3〜10mmであるのが好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂配管は、耐熱性に優れるという観点から、その全体の厚さが0.3〜10mmであるのが好ましい。
本発明の難燃性樹脂配管は、難燃性樹脂組成物からなる最外層と合成樹脂からなる最内層とを有するものであれば、その製造について特に限定されない。
成形方法としては、例えば、共押出成形、射出成形、プレス成形、ブロー成形(押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成形、3次元ブロー成形)、真空成形、回転成形が挙げられる。成形のしやすさ、加工性の観点から、共押出成形、ブロー成形が好ましい。
共押出成形は、特に制限されない。例えば従来公知の方法に従って行うことができる。ブロー成形についても同様である。
成形方法としては、例えば、共押出成形、射出成形、プレス成形、ブロー成形(押出ブロー成形、射出ブロー成形、多層ブロー成形、コネクションブロー成形、二重壁ブロー成形、延伸ブロー成形、3次元ブロー成形)、真空成形、回転成形が挙げられる。成形のしやすさ、加工性の観点から、共押出成形、ブロー成形が好ましい。
共押出成形は、特に制限されない。例えば従来公知の方法に従って行うことができる。ブロー成形についても同様である。
また、本発明の難燃性樹脂配管は、例えば、一体成形する方法、または、1本の難燃性樹脂配管をいくつかの部材に分けて成形し、その後部材を溶融接着して難燃性樹脂配管を形成する方法によって製造することができる。一般的に配管の全体構造は複雑なので、配管を分割して成形し、その後各部材を溶着する方法が好ましい態様の1つである。
本発明の難燃性樹脂配管は、その形状について特に限定されず、例えば、直管状、屈曲状、螺旋状、分岐状、合流状およびこれらの形状を複合して含む形状が挙げられ、これらの形状を複合するものが好ましい態様の1つとして挙げられる。さらには、センサー取り付け用のポート、強度補強用のリブ、配管取り付け用の金属インサート部品やフランジを有することができる。また、本発明の難燃性樹脂配管の断面は、特に限定されず、例えば、円、楕円、四角形が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂配管は、強度の維持を目的として、金属部品を用いて補強することができる。金属部品としては、例えば、フランジ、センサー取り付け用ポート、ボルト取り付け用インサートが挙げられる。
本発明の難燃性樹脂配管を他の部材(例えば、燃料電池、ホース、チューブ)に接続する方法は、特に限定されない。例えば、ボルト、ナット、バンドによる取り付けが挙げられる。また、接続部シールのため、O−リング、パッキン等の部材も使用することができる。
本発明の難燃性樹脂配管を他の部材(例えば、燃料電池、ホース、チューブ)に接続する方法は、特に限定されない。例えば、ボルト、ナット、バンドによる取り付けが挙げられる。また、接続部シールのため、O−リング、パッキン等の部材も使用することができる。
本発明の難燃性樹脂配管を用いる用途としては、例えば、燃料電池配管、流体輸送配管、自動車配管、電線被覆材が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂配管が燃料電池配管として使用される場合、具体的には、燃料ガス供給用配管、燃料オフガス排出用配管、酸化ガス供給用配管、酸素オフガス排出用配管、冷却水供給用配管、冷却水排出用配管として使用することができる。
本発明の難燃性樹脂配管を用いることができる燃料電池としては、例えば、アルカリ型燃料電池、直接型メタノール燃料電池、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池が挙げられる。
燃料電池の用途としては、例えば、自動車用、二輪車用、携帯機器用等の移動型;家庭用、業務用(コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ビル、病院等)、工業用、発電所用等の定置型が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂配管が燃料電池配管として使用される場合、具体的には、燃料ガス供給用配管、燃料オフガス排出用配管、酸化ガス供給用配管、酸素オフガス排出用配管、冷却水供給用配管、冷却水排出用配管として使用することができる。
本発明の難燃性樹脂配管を用いることができる燃料電池としては、例えば、アルカリ型燃料電池、直接型メタノール燃料電池、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物型燃料電池が挙げられる。
燃料電池の用途としては、例えば、自動車用、二輪車用、携帯機器用等の移動型;家庭用、業務用(コンビニエンスストア、スーパーマーケット、ビル、病院等)、工業用、発電所用等の定置型が挙げられる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.難燃性樹脂組成物の調製
プロピレンホモポリマー(プライムポリマー社製、商品名:プライムポリプロE−105GM、MFR=0.50、以下同様である。)100質量部と、難燃剤(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブFP−2100、リン酸塩系難燃剤)25質量部と、ドリップ防止剤(アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン樹脂、三菱レイヨン株式会社製、商品名:メタブレン A−3000)1.25質量部とを、ヘンシェルミキサーに投入して十分に予備混合し、得られた混合物を単軸押出機に供給して混練を行い、押し出されたストランドをストランドカッター(ペレタイザー)でペレット化することにより難燃性樹脂組成物を調製した。
プロピレンホモポリマー(プライムポリマー社製、商品名:プライムポリプロE−105GM、MFR=0.50、以下同様である。)100質量部と、難燃剤(旭電化工業社製、商品名:アデカスタブFP−2100、リン酸塩系難燃剤)25質量部と、ドリップ防止剤(アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン樹脂、三菱レイヨン株式会社製、商品名:メタブレン A−3000)1.25質量部とを、ヘンシェルミキサーに投入して十分に予備混合し、得られた混合物を単軸押出機に供給して混練を行い、押し出されたストランドをストランドカッター(ペレタイザー)でペレット化することにより難燃性樹脂組成物を調製した。
2.押出成形シートの作製
上記で得られた難燃性樹脂組成物を、Tダイ押出機により、押出成形して、厚さ2mmの押出成形シート1を作製した。
また、上記で得られた難燃性樹脂組成物を上記のプロピレンホモポリマーに代えたほかは上記と同様にして押出成形シート2を作成した。
また、上記で得られた難燃性樹脂組成物と上記のプロピレンホモポリマーとを用いて、Tダイ押出機により、押出成形して、難燃性樹脂とプロピレンホモポリマーとの2層の押出成形シート3(難燃性樹脂層の厚さ:1.0mm、プロピレンホモポリマーの厚さ:1.0mm)を作製した。
上記で得られた難燃性樹脂組成物を、Tダイ押出機により、押出成形して、厚さ2mmの押出成形シート1を作製した。
また、上記で得られた難燃性樹脂組成物を上記のプロピレンホモポリマーに代えたほかは上記と同様にして押出成形シート2を作成した。
また、上記で得られた難燃性樹脂組成物と上記のプロピレンホモポリマーとを用いて、Tダイ押出機により、押出成形して、難燃性樹脂とプロピレンホモポリマーとの2層の押出成形シート3(難燃性樹脂層の厚さ:1.0mm、プロピレンホモポリマーの厚さ:1.0mm)を作製した。
3.押出成形シートの物性の評価
各押出成形シートの特性について、引張試験をJIS K7113−1995に準じて行った。まず、上記の押出成形シートから、1号形試験片を切り出し、上記規定のとおりに状態を調製した。次いで、試験温度23℃で湿度60%または試験温度100℃で湿度60%、および、試験速度2mm/分または500mm/分の条件下で、それぞれ5個の試験片を用いて引張試験を行い、常温物性(23℃)、および、高温物性(100℃)を得た。結果を第1表に示す。
各押出成形シートの特性について、引張試験をJIS K7113−1995に準じて行った。まず、上記の押出成形シートから、1号形試験片を切り出し、上記規定のとおりに状態を調製した。次いで、試験温度23℃で湿度60%または試験温度100℃で湿度60%、および、試験速度2mm/分または500mm/分の条件下で、それぞれ5個の試験片を用いて引張試験を行い、常温物性(23℃)、および、高温物性(100℃)を得た。結果を第1表に示す。
4.難燃性樹脂配管の作製
(1)実施例1〜4
上記で得られた難燃性樹脂組成物と上記のプロピレンホモポリマーとを用いて、押出成形機により押出成形し、内層がプロピレンホモポリマーであり、外層が難燃性樹脂組成物からなる難燃性樹脂である、円筒状の二層の難燃性樹脂配管を作製した。得られた難燃性樹脂配管の内層、外層および配管の肉厚を第2表に示す。
(2)比較例1
プロピレンホモポリマーのみを用いて押出成形機により押出成形し、プロピレンホモポリマーの単層の樹脂配管を得た。得られた樹脂配管の肉厚を第2表に示す。
(1)実施例1〜4
上記で得られた難燃性樹脂組成物と上記のプロピレンホモポリマーとを用いて、押出成形機により押出成形し、内層がプロピレンホモポリマーであり、外層が難燃性樹脂組成物からなる難燃性樹脂である、円筒状の二層の難燃性樹脂配管を作製した。得られた難燃性樹脂配管の内層、外層および配管の肉厚を第2表に示す。
(2)比較例1
プロピレンホモポリマーのみを用いて押出成形機により押出成形し、プロピレンホモポリマーの単層の樹脂配管を得た。得られた樹脂配管の肉厚を第2表に示す。
5.難燃性樹脂配管の難燃性の評価
上記のようにして得られた難燃性樹脂配管(長さ30cm)を用いて難燃性の評価を行った。
難燃性の評価は、米国の民間の規格であるUL−94(プラスチック材料の難燃性試験)に準じて行った。まず、得られた難燃性樹脂配管を水平に保ち、難燃性樹脂配管の中央部分に下からバーナーの炎を10秒間当てた後、炎を取り除き、難燃性樹脂配管に着火した火が消えるまでの時間を測定した(1回目)。次に、火が消えると同時に再度バーナーの炎を10秒間当て、1回目と同様にして火が消えるまでの時間を測定した。また、配管が燃焼した際、配管からの液だれの有無を確認した。結果を第2表に示す。
上記のようにして得られた難燃性樹脂配管(長さ30cm)を用いて難燃性の評価を行った。
難燃性の評価は、米国の民間の規格であるUL−94(プラスチック材料の難燃性試験)に準じて行った。まず、得られた難燃性樹脂配管を水平に保ち、難燃性樹脂配管の中央部分に下からバーナーの炎を10秒間当てた後、炎を取り除き、難燃性樹脂配管に着火した火が消えるまでの時間を測定した(1回目)。次に、火が消えると同時に再度バーナーの炎を10秒間当て、1回目と同様にして火が消えるまでの時間を測定した。また、配管が燃焼した際、配管からの液だれの有無を確認した。結果を第2表に示す。
第1表に示す結果から明らかなように、2層の押出成形シート3は、破断伸びについて、プロピレンホモポリマー単層の押出成形シート2と略同等の結果を示した。
また、第2表に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の難燃性樹脂配管は、ほとんど燃焼せず、かつ、液だれが生じない。これに対して、比較例1の樹脂配管(プロピレンホモポリマー単層)は、燃焼しやすく燃焼が始まると燃え続けた。また比較例1の樹脂配管は液だれしてしまい、樹脂配管周辺へ燃焼が広がりやすい。
また、第2表に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の難燃性樹脂配管は、ほとんど燃焼せず、かつ、液だれが生じない。これに対して、比較例1の樹脂配管(プロピレンホモポリマー単層)は、燃焼しやすく燃焼が始まると燃え続けた。また比較例1の樹脂配管は液だれしてしまい、樹脂配管周辺へ燃焼が広がりやすい。
Claims (4)
- 合成樹脂100質量部と難燃剤0.1〜50質量部とドリップ防止剤0.01〜10質量部とを含有する難燃性樹脂組成物からなる最外層と、合成樹脂からなる最内層とを有する難燃性樹脂配管。
- 前記最外層の厚さが0.15mm以上である請求項1に記載の難燃性樹脂配管。
- 前記最内層と前記最外層の厚さの比が1:1〜10:1である請求項1または2に記載の難燃性樹脂配管。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂配管を用いる燃料電池配管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005266698A JP2007076152A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | 難燃性樹脂配管 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005266698A JP2007076152A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | 難燃性樹脂配管 |
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ID=37936913
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JP2005266698A Withdrawn JP2007076152A (ja) | 2005-09-14 | 2005-09-14 | 難燃性樹脂配管 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009119609A (ja) * | 2007-11-12 | 2009-06-04 | Togawa Sangyo Kk | 樹脂積層チューブ |
JP2014141657A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-08-07 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物および積層体 |
KR20200069407A (ko) * | 2018-12-06 | 2020-06-17 | 한국남동발전 주식회사 | 향상된 난연성을 갖는 폴리에틸렌 파이프 제조용 수지 조성물 및 폴리에틸렌 파이프 |
TWI829823B (zh) * | 2018-12-12 | 2024-01-21 | 日商信越化學工業股份有限公司 | 光罩空白基板及光罩之製造方法 |
-
2005
- 2005-09-14 JP JP2005266698A patent/JP2007076152A/ja not_active Withdrawn
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