JP2007075977A - 微細立体構造体の製造方法 - Google Patents

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服部  正
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貢一 糸魚川
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洋 上野
Hiroyasu Ueda
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Abstract

【課題】所定形状を有する微細な立体構造体を容易に製造することができる微細立体構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】露光する場合に、X線マスク23とレジスト層22とを所定の離間距離dだけ離間して配置し、当該X線マスク23を介するX線の直進光24b及び回折光24aの双方を利用してレジスト層22を露光するようにした。その結果、現像によりレジスト層22の露光部位を除去することにより、レジスト層22の表面に向かうにつれて開口面積が大きくなる凹部14及びレジスト層22の表面に向かうにつれて断面積が小さくなる突部15が得られる。回折光24aを利用してレジスト層22へのX線照射量を変化させるようにしたので、X線マスク23を基板21に対して平行に相対移動させるための移動機構を加工装置に搭載する必要がなく、当該加工装置の簡素化が図られ、ひいては設備コストの低減に寄与する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、微細立体構造体の製造方法に関するものである。
近年では、半導体集積回路の製造技術を応用して、極めて微細な構造体を形成する微細加工技術の研究が活発になってきている。なかでも高アスペクト比(開口幅に対する深さの比)の微細な立体構造体の製造が可能であるという点でLIGAプロセスは特に注目されている。「LIGA」とは、ドイツ語のLithographie、Galvanoformung、Abformungの頭文字を取ったもので、それぞれリソグラフィ、電鋳及びモールディング(型成形)を意味している。LIGAプロセスは、光源にシンクロトロン放射光X線を使用し、これらの要素技術を組み合わせることによって高アスペクト比微細構造体の製作を可能にした加工技術である。このLIGAプロセスの工程は例えば次のようなものである。
即ち、図6(a)に示すように、LIGAプロセスにおいては、まず基板51上にX線感光レジストとして例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)を材料とする所定の厚みを有するレジスト層52を形成する。次に、図6(b)に示すように、所定のパターンに配置形成されたX線吸収体(金等の重金属)53を有するX線マスク54をレジスト層52にかぶせ、そのX線マスク54を介してレジスト層52にX線を照射する。その結果、X線マスク54のX線吸収体53のパターンがレジスト層52に転写される。即ち、レジスト層52において、図6(b)にクロスハッチングで示すX線露光部位はX線によりPMMAの分子鎖が切れて分子量が減少し所定の現像液により溶解可能な状態に変質する。その後、所定の現像液により現像してレジスト層52のX線露光部位を除去する。レジスト層52の未露光部位は分子量が変わらないためそのまま残る。すると、図6(c)に示されるような例えば100以上の高アスペクト比を有するX線吸収体53のパターンと同一形状のPMMAからなるレジスト微細構造体55(残存したレジスト層52)が形成される。
次に、図6(d)に示すように、レジスト微細構造体55を型として電気めっきを行い、レジスト層52の除去された部位に金属を堆積させて金属微細構造体56を形成する(電鋳)。最後に、図6(e)に示すように、未露光部位のレジストであるレジスト微細構造体55(レジスト層52)を除去することにより電気めっきで付着させた金属からなる3次元の金属微細構造体56が創製される。この段階で金属微細構造体56をマイクロパーツとして製品とする場合もある。また、金属微細構造体56を使用してプラスチック等を型形成して製品としたり、そのプラスチック構造体を使用して二次的な金属製品を製作したりする場合もある。このように、LIGAプロセスは高アスペクト比を有する3次元的構造の加工ができる優れた技術である。
しかし、前述のように基板51に垂直にX線を入射させるため、基板51に垂直な方向(加工方向)の材料加工しかできないという大きな制約がある。即ち、残存したレジスト層52であるレジスト微細構造体55は、その水平断面積(基板51の表面と平行な断面の面積)が基板51の表面に直行する高さ方向の全長にわたって一定となる等断面形状に形成される。これは、基板51上のレジスト層52に対するX線照射量がX線マスク54のX線吸収体53の存在する位置ではほぼ0%、また存在しない位置ではほぼ100%となるからである。
そこで、従来、透過パターンの異なる複数枚のX線マスクを用意し、それらX線マスクを順次交換しながら複数回のX線露光を行う方法が提案されている。しかしこの方法には、次のような問題があった。即ち、複数枚のX線マスクが必要であり、それが製造コスト増大の一因となっていた。また、多重露光時においてはそれらX線マスクの基板に対する高い位置決め精度が要求され、製造プロセスが複雑となる。さらに、前述の複数のX線マスクを使用して形成される微細立体構造体は、加工方向(深さ方向)に階段状の段差を有することとなるため、それら段差を有しない滑らかな傾斜面を有する構造体の加工には適用困難であった。
前述したような段差を有しない滑らかな傾斜面を形成するために、例えば特許文献1に示されるように、円形のX線吸収体又は透孔を有するマスクを基板上のレジスト層に対して相対的に移動させながら当該マスクを介してレジスト層にX線を照射するようにした加工方法が従来提案されている。具体的には、マスクを水平面内においてX線吸収体の半径よりも小さな半径の円を描くように且つ一定角速度で連続的に移動させる。これにより、X線吸収体で常時X線が遮断される領域と常時X線が照射される領域との間にX線照射量が連続的に変化する領域が発生する。その結果、現像後のレジスト層の形状は円錐台状となる。このようにして、前述した段差のない滑らかな傾斜面が形成される。
また、同文献には次のような加工方法も開示されている。即ち、基板の上方に上下2枚のX線マスクを配置する。それらX線マスクはX線透過膜とX線吸収膜との積層体である。線吸収膜には正方形の孔が形成されており、2枚のX線マスクの孔の重複部分をX線が透過可能となっている。そして、2枚のX線マスクをそれらの孔が左右方向において互い違いに重なった状態から2枚のX線マスクの孔が一致するように直線的に移動させることによりレジスト層には逆四角錐状の微細構造体(孔)が形成される。このようにしても、前述した段差のない滑らかな傾斜面が形成される。
特許第3380878号公報
ところが、前記従来の微細立体構造体の製造方法においては、X線マスクを基板に対して平行に相対移動させるための移動機構を加工装置に搭載する必要であり、それは当該加工装置の複雑化につながり、ひいては設備コストの増大要因ともなっていた。また、X線マスクと基板との位置合わせ精度を高いレベルで確保する必要があり、X線マスクの移動制御が複雑化するという問題もあった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、所定形状を有する微細な立体構造体を容易に製造することができる微細立体構造体の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、所定のパターンに配置されたX線吸収体を有するマスクを介してワークにX線を照射する第1の工程と、前記ワークのX線に感光した露光部位を現像して除去することにより当該ワークにX線吸収体のパターンに応じた所定の加工を施す第2の工程と、を備えた微細立体構造体の製造方法であって、前記第1の工程において、マスクとワークとを所定距離だけ離間して配置し、当該マスクを介するX線の直進光及び回折光の双方を利用してワークを露光するようにしたことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の微細立体構造体の製造方法において、前記第1及び第2の工程を経て製造された微細立体構造体はワークの厚み方向に対して所定の角度をなす傾斜面を有し、前記第1の工程におけるマスクとワークとの離間距離を調節することにより前記所定の角度を調節するようにしたことをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の微細立体構造体の製造方法において、前記X線吸収体はX線透過方向における厚みに変化を持たせ、これにより前記ワークにおけるX線吸収体の投影部位に対するX線透過量をX線吸収体のX線透過方向における厚みに応じて異ならせるようにしたことをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の微細立体構造体の製造方法において、光学部品の製造に適用するようにしたことをその要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、所定のパターンに配置されたX線吸収体を有するマスクを介してワークにX線を照射する第1の工程において、マスクとワークとを所定距離だけ離間して配置することにより、当該マスクを介するX線の直進光及び回折光の双方によりワークが露光されることとなる。その結果、第2の工程における現像によりワークの露光部位を除去することにより、ワークの表面に向かうにつれて開口面積が大きくなる所定形状を有する微細な立体構造体が容易に得られる。
そして請求項2に記載するように、前記微細立体構造体はワークの厚み方向に対して所定の角度をなす傾斜面を有する形状とすることもできる。ここで前記所定の角度は前記第1の工程におけるマスクとワークとの離間距離を調節することにより容易に調節することができる。前記離間距離を調節することによりX線の回折光のワークの表面に対する到達位置が異なるからである。
また、X線吸収体は、例えば請求項3に示すようにX線透過方向における厚みに変化を持たせるように形成してもよい。その場合、ワークにおけるX線吸収体の投影部位に対するX線透過量はX線吸収体のX線透過方向における厚みに応じて異なり、X線の回折光との相乗効果でワークのX線照射量(X線吸収量)に変化がもたらされる。
そして、請求項4に示すように、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の微細立体構造体の製造方法は、例えば光学部品の製造に適用することもできる。
本発明によれば、X線の直進光及び回折光の双方を利用することにより所定形状を有する微細な立体構造体を容易に製造することができる。
以下、本発明を、例えば透過型液晶表示パネル用のバックライトに使用される導光体(ライトガイド)に具体化した一実施形態を図1に基づいて説明する。
<導光体>
図1に示すように、図示しない透過型液晶表示パネルを裏面から照明するバックライト11は光源12及び導光体13を備えている。バックライト11の薄型化を図るために導光体13は例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)等の透明材料により四角形の平板状に形成されており、当該導光体13の一辺に対向するように光源12が配置されている。導光体13の一方面(図1では上面)は発光面12aとされており、当該発光面12aには多数の凹部14が形成されることにより多数の突部15が形成されている。凹部14及び突部15はそれぞれ4つのテーパ面14a(傾斜面)を有する四角錐台状に形成されている。光源12からの光は導光体13の突部15及び凹部14(正確には、それらのテーパ面14a)により散乱又は反射されることにより導光体13の発光面12aの全面から出射し、当該発光面12aに対向配置された液晶表示パネルはその裏面から照明される。
<導光体の製造方法>
次に、前述のように構成された導光体の製造方法を説明する。本実施形態では、LIGAプロセスを利用して導光体13を製造する。LIGAプロセスはシンクロトロン放射光を使用したリソグラフィ、ニッケル又は銅等の電鋳による微細構造体の創製、さらにはその微細構造体を微細な金型として使用したプラスチックス又は粉体の射出成型により微細な立体構造体を創製する方法である。本実施形態では、それらLIGAプロセスの各工程におけるリソグラフィまでの工程で導光体13を製造する。
<レジスト塗布>
導光体13を製造するにあたっては、図2(a)に示すように、まず基板21上にレジスト層22を形成する。基板21としては、銅等の金属基板又はチタン等の金属が蒸着されたシリコン基板が使用される。また、レジスト層22の材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のレジスト材料が使用される。このレジスト材料は製造する製品等に応じて適宜選択される。またレジスト層22の厚みも製造する製品等に応じて適宜設定される。
<露光>
次に、図2(b)に示すように、基板21の上方にX線マスク23を配置し、X線マスク23を介してX線光源(図示略)からのX線24をレジスト層22に照射する。
X線マスク23は所定のパターンで配置形成されたX線吸収体25を備えている。X線マスク23を構成する透光性基材としては例えばポリイミドが使用される。X線吸収体25としては金等の重金属が使用され、当該X線吸収体25の厚み及び形状はそれぞれ所望のレジストパターンの厚み及び形状によって任意に選択される。本実施形態において、X線吸収体25は例えば正方形の板状に形成されている。
本実施形態では、X線マスク23とレジスト層22との間に所定の離間距離dが形成されるようにしている。この離間距離dについては後に詳述する。X線マスク23には遮蔽物としてのX線吸収体25が設けられているので、X線24の一部は直進することなく当該X線吸収体25の裏側に回り込んで進む。そして、回折光24aはレジスト層22におけるX線吸収体25の投影部位(即ち、X線マスク23のX線吸収体25の真下の領域)内に若干進入するように入射する。直進光24bと回折光24aとは所定の角度θをなしている。
レジスト層22はX線マスク23を透過してきたX線24の直進光24bとX線24の回折光24aとにより変質される。回折光24aは直進光24bよりも長い波長を有すると共に強度も低い。換言すれば、回折光24aのレジスト層22に対する照射量は直進光24bのレジスト層22に対する照射量よりも少ない。このため、回折光24aによるレジスト層22の変質深さは直進光24bによるレジスト層22の変質深さよりも浅くなる。従って、図2(b)にクロスハッチングで示すように、露光により変質されたレジスト層22の変質部位22aの幅W1は当該レジスト層22の表面に向かうにつれて広くなる。本実施形態では、X線吸収体25が正方形の板状であるので、レジスト層22の変質部位22aは逆四角錐台状となる。
<現像>
次に、露光されたレジスト層22を所定の現像液により現像してX線24(正確には、直進光24b及び回折光24a)による変質部位22aを除去する。すると、図2(c)に示されるように、レジスト層22には多数の凹部14及び突部15が形成される。本実施形態では、X線吸収体25が正方形の板状であるので、突部15は四角錐台状となり、凹部14は逆四角錐台状となる。このため、凹部14の開口幅W2(正確には、開口面積Sw)はレジスト層22の表面に向かうにつれて大きくなっている。突部15の基板21に平行な断面積はレジスト層22の表面に向かうにつれて小さくなっている。即ち、凹部14の4つの内側面及び突部15の4つの外側面(テーパ面14a)はそれぞれレジスト層22の厚み方向(図2(c)における上下方向)に対して所定の角度αをなすように傾斜している。この所定の角度αはX線マスク23とレジスト層22との離間距離dを調節することにより所定範囲内において変更可能となっている。このようにしてレジスト層22の微細立体構造体26が形成される。
その後、基板21を除去することによりレジスト層22の微細立体構造体26である導光体13が光学部品として創製される。以上で、導光体13の製造は完了となる。尚、前記所定の角度αは、所望のレジストパターン(即ち、微細立体構造体26)のサイズ、形状、加工深さ及びX線の波長領域によって、要求される値が異なる。
<X線マスクとレジスト層との離間距離>
次に、X線マスク23とレジスト層22との離間距離dと角度αとの関係について詳細に説明する。本実施形態では、X線マスク23とレジスト層22との離間距離dと角度αとの関係を求めるために次のような実験を行った。即ち、50μm角のX線透過部をもつX線マスク23を使用してPMMAからなるレジスト層22にX線露光を行った。X線照射量を一定(DOSE 50000mA・sec/mm)にしてX線マスク23とレジスト層22との離間距離dを0mm、3mm、10mm、30mm、90mm、150mmと変化させて4つの試料A,B,C,D,E,Fを作製した。その後、所定の現像液で24時間室温にて現像を行った。
その結果、X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=0mmの試料Aについては、図3(a)に示されるように凹部14の内側面はほぼ垂直になっている。即ち、テーパ面14aの角度αは0度であった。また、凹部14の内底面は中央より隅の方が若干深く加工されている。
X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=3mmの試料Bについては、図3(b)に示されるように凹部14の内底面の中央と隅とでの加工深さの差が試料Aよりも顕著になっている。凹部14の内側面に傾斜はほとんどない。即ち、テーパ面14aの角度αはほぼ0度であった。
X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=10mmの試料Cについては、図3(c)に示されるように凹部14の内側面は若干傾斜している。即ち、テーパ面14aの角度αは10度程度であった。また、凹部14の内底面は中央と隅とでは加工深さにほとんど差がない。
X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=30mmの試料Dについては、図3(d)に示されるように凹部14の内側面が明らかに傾斜している。即ち、テーパ面14aの角度αは12度程度であった。また、凹部14の内底面は中央と隅とでは加工深さにほとんど差がない。
図示はしないものの、X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=50mmの試料については、テーパ面14aの角度αは50度となった。
X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=90mmの試料Eについては、図3(e)に示されるように凹部14の内側面がさらに傾斜しており内側面と内底面との境が丸みを帯びている。テーパ面14aの角度αは41度程度であった。
図示はしないものの、X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=130mmの試料については、テーパ面14aの角度αは52度となった。
X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=150mmの試料Fについては、図3(f)に示されるように凹部14の内側面がさらに傾斜しており内側面と内底面との境が丸みがいっそう顕著になっている。また、凹部14とレジスト層22の上面との境が丸みを帯びている。テーパ面14aの角度αは60度程度であった。
図示はしないものの、X線マスク23とレジスト層22との離間距離d=170mmの試料については、テーパ面14aの角度αは70度となった。
以上の実験結果に基づいて、離間距離dとテーパ面14aの角度αとの関係をグラフにすると図4に示されるようになる。このグラフによれば、離間距離dと角度αとはほぼ比例関係にあり、離間距離dを変化させることにより所望の角度αで傾斜するテーパ面14aを有する凹部14を選択的に形成可能となることが分かる。即ち、離間距離dを調節することによりテーパ面14aの角度αを制御可能となっている。離間距離dを増大させるほどテーパ面14aの角度αは大きくなり、また離間距離dを減少させるほどテーパ面14aの角度αは小さくなる。
<実施形態の効果>
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)露光する場合に、X線マスク23とレジスト層22とを所定の離間距離dだけ離間して配置し、当該X線マスク23を介するX線の直進光24b及び回折光24aの双方を利用してレジスト層22を露光するようにした。その結果、現像によりレジスト層22の露光部位を除去することにより、レジスト層22の表面に向かうにつれて開口面積が大きくなる凹部14及びレジスト層22の表面に向かうにつれて断面積が小さくなる突部15が得られる。また、回折光24aを利用してレジスト層22へのX線照射量を変化させるようにしたので、X線マスク23を基板21に対して平行に相対移動させるための移動機構を加工装置に搭載する必要がなく、当該加工装置の簡素化が図られ、ひいては設備コストの低減に寄与する。また、X線マスクの移動制御が不要となるので加工制御の簡素化も図られる。さらに、X線マスク23と基板21との位置合わせ精度も両者を相対移動させるようにした場合と異なり確保しやすくなる。従って、本実施形態によれば、所定形状(滑らかな傾斜面)を有する微細な立体構造体としての導光体13を容易に製造することができる。そして、凹部14の内側面及び突部15の外側面はそれぞれ傾斜面となっているので、導光体13の側方から入射した光源からの光は効率よく発光面12aの方へ散乱又は反射される。
(2)凹部14はレジスト層22の厚み方向に対して所定の角度αをなすテーパ面14a(傾斜面)を有しており、当該テーパ面14aのレジスト層22の厚み方向に対する角度αはX線露光時においてX線マスク23とレジスト層22との離間距離dを調節することにより調節可能である。これは、前記離間距離dを調節することによりX線の回折光24aがレジスト層22の表面に到達する位置が異なるからである。具体的には、離間距離dを大きくするほど所定の角度αは大きくなり、逆に離間距離dを小さくするほど前記所定の角度αは小さくなる。このように、離間距離dを調節するだけで前記所定の角度αを簡単に調節することができる。
(3)X線マスク23とレジスト層22との離間距離dは10mm〜150mmの範囲内で設定するようにした。離間距離dをこの範囲内に設定すれば所定の傾斜面を有する凹部14及び突部15を回折光24aを利用して形成することができる。
(4)X線吸収体25はX線透過方向における厚みが均一になるように形成するようにした。X線吸収体25はX線透過方向において等断面形状となるので、その形成も簡単である。そしてその場合、レジスト層22におけるX線吸収体25の投影部位に対するX線透過量は均一になるものの、回折光24aによりレジスト層22のX線照射量(X線吸収量)に変化がもたらされる。
(5)光学部品としての導光体13を、LIGAプロセスを利用して簡単に製造することができる。
<別の実施形態>
なお、本実施形態は、次のように変更して実施してもよい。
・X線吸収体25の形状を円形の板状にしてもよい。
・X線吸収体25はX線透過方向における厚みに変化を持たせるようにしてもよい。その場合、レジスト層22におけるX線吸収体25の投影部位に対するX線透過量はX線吸収体25のX線透過方向における厚みに応じて異なり、X線の回折光24aとの相乗効果でレジスト層22のX線照射量(X線吸収量)に変化がもたらされる。X線吸収体25の形状としては例えば図5(a)に示されるようなバンプ形状とする。即ち、同図に示すように、X線吸収体25は四角柱状又は円柱状の本体部31と当該本体部31の上部に外方へ張り出すように形成された四角板状又は円板状の頭部32とを備えており、当該頭部32の上面は球面状に形成されている。このため、X線吸収体25の投影部位におけるX線透過強度は、本体部31に対応する部位が最も弱く、頭部32の中心から外周縁に向かうにつれて強くなる。そしてその場合のX線吸収体25の投影部分におけるX線透過強度の分布形状は図5(b)に示されるように台形状となる。従って、レジスト層22はそのX線透過強度に倣った形状に加工される。
・本実施形態では、レジスト層22の微細立体構造体26を製品(導光体13)としたが、次のようにしてもよい。即ち、レジスト層22の微細立体構造体26を型として電気めっきを行い、レジスト層22の除去された部位に金属を堆積させて金属微細構造体(図示略)を形成する。次に、レジスト層22の微細立体構造体26を除去することにより電気めっきで付着させた金属からなる3次元の金属微細構造体を創製する。その金属微細構造体を製品としてもよい。さらに、そうした金属微細構造体をプラスチックやセラミックスのモールドの鋳型(金型)にしてもよい。このようにすれば、高精度な微細構造部品を低コストで大量に生産することが可能となる。また、そうして生産したプラスチックス構造体を電気めっきの型として使用することにより2次的なマイクロマシン製品を製造することもできる。
本実施形態におけるライトガイドの正断面図。 (a)〜(c)はそれぞれ本実施形態のライトガイドの製造工程を示す正断面図。 (a)〜(f)はそれぞれ本実施形態においてX線マスクとレジスタ層との離間距離と微細構造体の形状との関係を示す微細構造体の要部正断面図。 本実施形態におけるX線マスクとレジスト層との離間距離とテーパ面の角度との関係を示すグラフ。 (a)は別の実施形態のX線マスクの正断面図、(b)は同じくX線吸収体のX線透過方向における厚みとX線透過強度との関係を示す特性図。 (a)〜(e)はLIGAプロセスの各工程を示す基板の断面図。
符号の説明
13…導光体(ライトガイド、微細立体構造体、光学部品)、14a…テーパ面、
22…レジスト層(ワーク)、22a…変質部位(露光部位)、23…X線マスク、24…X線、24a…回折光、24b…直進光、25…X線吸収体、
26…微細立体構造体、d…離間距離(所定距離)、α…角度。

Claims (4)

  1. 所定のパターンに配置されたX線吸収体を有するマスクを介してワークにX線を照射する第1の工程と、
    前記ワークのX線に感光した露光部位を現像して除去することにより当該ワークにX線吸収体のパターンに応じた所定の加工を施す第2の工程と、を備えた微細立体構造体の製造方法であって、
    前記第1の工程において、マスクとワークとを所定距離だけ離間して配置し、当該マスクを介するX線の直進光及び回折光の双方を利用してワークを露光するようにした微細立体構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の微細立体構造体の製造方法において、
    前記第1及び第2の工程を経て製造された微細立体構造体はワークの厚み方向に対して所定の角度をなす傾斜面を有し、
    前記第1の工程におけるマスクとワークとの離間距離を調節することにより前記所定の角度を調節するようにした微細立体構造体の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の微細立体構造体の製造方法において、
    前記X線吸収体はX線透過方向における厚みに変化を持たせ、これにより前記ワークにおけるX線吸収体の投影部位に対するX線透過量をX線吸収体のX線透過方向における厚みに応じて異ならせるようにした微細立体構造体の製造方法。
  4. 光学部品の製造に適用するようにした請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の微細立体構造体の製造方法。
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