JP2006251541A - 微細構造体の形成方法および微細構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レジスト層の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域を形成することが可能な工程を備える、微細構造体の形成方法および微細構造体を提供する。
【解決手段】 X線マスク20を用いて、レジスト層11に対して露光処理を行なう。光源にはX線R1を用い、X線マスク20を透過させる前に、フィルタを透過させる。次に、レジスト層11に対してチタン基板10側から、同じX線マスク20を用いてX線R1露光を行ない、レジスト層11に露光領域11bを形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】 X線マスク20を用いて、レジスト層11に対して露光処理を行なう。光源にはX線R1を用い、X線マスク20を透過させる前に、フィルタを透過させる。次に、レジスト層11に対してチタン基板10側から、同じX線マスク20を用いてX線R1露光を行ない、レジスト層11に露光領域11bを形成する。
【選択図】 図2
Description
この発明は微細構造体の形成方法および微細構造体に関し、特に、3次元の微細構造体を容易に形成することが可能な微細構造体の形成方法および微細構造体に関する。
半導体集積回路装置の製造技術を応用して、極めて微細な構造体を形成する微細加工技術の研究が近年活発になってきている。その中で、X線を使った深いリソグラフィと電解メッキで高アスペクト比の微細構造体を形成するLIGA(Lithographie Galvanformung Abformung)法は、特に注目されているところである。下記特許文献1には、このLIGA法に基づいた微細構造体の形成方法の一例が開示されている。
具体的には、3次元構造を有する微細構造体を基板上に形成する場合には、微細構造体の形状に対応したレジスト構造体を、基板上に成膜された被露光材料に対してリソグラフィ技術を用いて形成し、被露光材料からなるレジスト構造体内に電解メッキ技術によりメッキ処理を施し、レジスト構造体を除去することにより、メッキ材料からなる3次元構造を有する微細構造体を基板上に形成している。
下記の特許文献1には、X線源と材料との間に配置される1または複数枚のX線マスクと、このX線マスクを材料に対して相対的に移動させる第1移動手段とを有する制御手段を用い、第1移動手段でX線マスクを材料に対して相対的に移動させることにより、材料の表面と平行な平面内におけるX線のエネルギ分布が連続的に変化するように制御し、材料の各部でX線のエネルギ分布に応じた深さの加工を行なう、X線照射を用いた材料の加工方法が開示されている。
また、下記の特許文献2には、X線の照射量に応じた深さで加工可能な材料と、X線マスクとを相対的に移動させながらX線マスクを介して材料にX線を照射することにより、材料の各部を可変深さで加工する方法に関して、加工後の材料の所定方向の断面形状に対応した形状のX線吸収層を有するX線マスクを、材料の表面との間に所定の間隔を隔てて配置し、このX線マスクを材料の所定方向の断面と直交する方向へ相対移動させながらX線マスクを介して材料にX線を照射することにより材料を加工するという、X線照射を用いた材料の加工方法が開示されている。
特開2000−35500号公報
特開2002−151395号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に開示の加工方法によれば、X線マスクを基板に対して相対的に移動させる際に、移動速度は一定に制御されていることから、レジスト層の深さ方向の傾斜形状は一定となり、深さ方向の加工分布が制限されている。また、X線マスクの露光部分が部分的であるため、露光時間の短縮化が困難となっている。また、X線マスクを基板に対して相対的に移動させる場合、ミクロン単位での移動が必要となるため、精密な専用移動装置を必要としている。また、光源にシンクロトロン放射光(SR)を用いた場合においても、SR光源は広がる特性を有することから、垂直性の良いパターンを制御することは困難である。これらの課題から、上記加工方法によっては、レジスト層の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域を形成することは困難であった。
したがって、この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、レジスト層の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域を形成することが可能な工程を備える、微細構造体の形成方法および微細構造体を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明に基づいた微細構造体の形成方法および微細構造体の1つの局面においては、X線マスクを通過したX線を用いて基体上のレジスト層に露光領域を形成する、微細構造体の形成方法およびその方法によって形成された微細構造体であって、上記基体側、または、両面側から上記X線を上記レジスト膜に照射して、上記露光領域を形成する工程と、上記レジスト層から上記露光領域を残存または除去することにより、レジスト構造体を形成する工程とを備えている。
また、上記課題を解決するため、この発明に基づいた微細構造体の形成方法および微細構造体の他の局面においては、フォトリソグラフィによる微細構造体の形成方法であって、光透過性のある基板上にレジスト層を形成し、上記基板面側からフォトリソグラフィにより光を露光し、上記レジスト層に露光領域を形成する工程と、上記レジスト層から上記露光領域を除去し、レジスト構造体を形成する工程とを備えている。
この発明に基づいた微細構造体の形成方法および微細構造体によれば、レジスト層の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域を形成することができる。その結果、複雑な形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体が得られるとともに、このレジスト構造体を型として、複雑な開口形状を有する微細構造体としてのめっき構造体を得ることができる。
以下、この発明に基づいた各実施の形態における微細構造体の形成方法および微細構造体について、図を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図1〜図4は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図1を参照して、厚さ100μm以下、本実施の形態においては約50μmの基体としてのチタン(Ti)基板10の上にネガ型のレジスト層11を形成する。100μm以下としたのは、X線の透過性を考慮すると、最大でも100μmとなるからである。ネガ型のレジスト層の一例としては、「SU8」という名前でMicro Resist Technology GmbH社から発売されている周知のネガレジストが挙げられる。基体としてチタン(Ti)以外に、ベリリウム、アルミニウム、シリコン、カルシウム、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ポリイミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの化合物からなる群より選択される物質を含んだ材料の採用が可能である。これらの材料は、原子番号が小さい材料であり、原子番号が小さい材料ほど、X線透過性が良いからである。
図1〜図4を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図1〜図4は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図1を参照して、厚さ100μm以下、本実施の形態においては約50μmの基体としてのチタン(Ti)基板10の上にネガ型のレジスト層11を形成する。100μm以下としたのは、X線の透過性を考慮すると、最大でも100μmとなるからである。ネガ型のレジスト層の一例としては、「SU8」という名前でMicro Resist Technology GmbH社から発売されている周知のネガレジストが挙げられる。基体としてチタン(Ti)以外に、ベリリウム、アルミニウム、シリコン、カルシウム、スカンジウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ポリイミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの化合物からなる群より選択される物質を含んだ材料の採用が可能である。これらの材料は、原子番号が小さい材料であり、原子番号が小さい材料ほど、X線透過性が良いからである。
次に、透光性基板21に上に、所定の開口部22aを有するパターン層22が形成されたX線マスク20を用いて、レジスト層11に対して露光処理を行なう。光源にはX線R1を用い、X線マスク20を透過させる前に、厚さ100μm以下、本実施の形態においては厚さ約50μmのチタン(Ti)からなるフィルタ30を透過させた。ここでは、フィルタ30には、上記基体としてのチタン(Ti)基板10と同じ材料および同じ膜厚さを採用している。
レジスト層11へのX線R1の露光は、レジスト層11の膜厚さの半分程度となるように、露光量および露光時間をコントロールした。これにより、レジスト層11に、露光領域11aが形成される。露光領域11aの断面形状は、レジスト層11の深さ方向に向かって徐々に幅寸法が小さくなる形状となる。これは、X線マスク20を通してレジスト層11を露光する際に、レジスト層11の表面でのX線R1の光強度分布が、中心ほど強く中心から離れる周囲ほど弱くなるからである。
次に、図2を参照して、レジスト層11に対して基体としてのチタン(Ti)基板10側から、同じX線マスク20を用いてX線R1露光を行ない、レジスト層11に露光領域11bを形成する。このとき、表面の露光領域11aの露光と同じ条件で露光を行なうとともに、表面の露光領域11aと露光領域11bとの位置が、表裏面において同じ位置となるように、レジスト層11に対するX線マスク20の位置決めを行なった。露光領域11bの断面形状は、上記露光領域11aと同様に、レジスト層11の深さ方向に向かって徐々に幅寸法が小さくなる形状となる。
次に、図3を参照して、レジスト層11の非露光領域を現像液により除去し露光領域11a,11bを残存させることで、レジスト層11の深さ方向においてその略中央部が半径方向に窪んだ外形形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体11Aが得られる。さらに、このレジスト構造体11Aの表面に、チタン(Ti)基板10を導電層としてめっき処理を施した後、アッシング処理等により、レジスト層11およびチタン(Ti)基板10を除去することで、図4に示すような、深さ方向に開口径が変化する開口部40a(表面側および裏面側で最大開口径、中央部で最小開口径)を有する微細構造体としてのめっき構造体40が得られる。また、この金属からなるめっき構造体40を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
以上、本実施の形態の形態における微細構造体の形成方法および微細構造体によれば、レジスト層11の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域11a,11bを形成することができる。その結果、複雑な形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体11Aが得られるとともに、このレジスト構造体11Aを型として、複雑な開口形状を有する微細構造体としてのめっき構造体40、さらにはこのめっき構造体40を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
(実施の形態2)
次に、図5〜図8を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図5〜図8は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図5を参照して、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては約50μmの基体としてのチタン(Ti)基板10の上にポジ型のレジスト層51を形成する。ポジ型のレジスト層の一例としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート:poly methyl methacrylate)からなるポジレジストが挙げられる。基体としてチタン(Ti)以外には、上記実施の形態1の場合と同様の材料を用いることができる。
次に、図5〜図8を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図5〜図8は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図5を参照して、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては約50μmの基体としてのチタン(Ti)基板10の上にポジ型のレジスト層51を形成する。ポジ型のレジスト層の一例としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート:poly methyl methacrylate)からなるポジレジストが挙げられる。基体としてチタン(Ti)以外には、上記実施の形態1の場合と同様の材料を用いることができる。
次に、透光性基板61に上に、ライン・アンドスペースパターン62aを有するパターン層62が形成されたX線マスク60を用いて、レジスト層51に対して露光処理を行なう。光源にはX線R1を用い、X線マスク60を透過させる前に、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては厚さ約50μmのチタン(Ti)からなるフィルタ30を透過させた。ここでは、フィルタ30には、上記基体としてのチタン(Ti)基板10と同じ材料および同じ膜厚さを採用している。
レジスト層51へのX線R1の露光は、レジスト層51の膜厚さの半分程度となるように、露光量および露光時間をコントロールした。これにより、レジスト層51に、所定の間隔で隔てられたライン状の露光領域51aが複数形成される。露光領域51aの断面形状は、レジスト層51の深さ方向に向かって略垂直形状となる。上記実施の形態1と比較し、レジスト層51の露光厚さが半分であるため、光強度の広がりの影響を大きく受けることがなく、略垂直な露光面が形成される。
次に、図6を参照して、レジスト層51に対して基体としてのチタン(Ti)基板10側から、上記X線マスク60とは異なるX線マスク70を用いてX線R1露光を行ない、レジスト層51に露光領域51bを形成する。X線マスク70は、透光性基板71上に、X線マスク60に対して90度交差する方向にライン・アンドスペースパターン72aを有するパターン層72が形成されている。露光条件は、表面の露光領域51aの露光と同じ条件で露光を行なう。露光領域51bの断面形状は、上記露光領域51aと同様に、レジスト層51の深さ方向に向かって垂直性に富んだ形状になる。
次に、図7を参照して、レジスト層51の露光領域51a,51bを現像液により除去することで、レジスト層51の深さ方向においてパターン形状が異なる開口パターン51Bを有する微細構造体としてのレジスト構造体51Aが得られる。さらに、このレジスト構造体51Aの開口部内面に、チタン(Ti)基板10を導電層としてめっき処理を施した後、アッシング処理等により、レジスト層51およびチタン(Ti)基板10を除去することで、図8に示すように、井桁形状を有する複雑な形状の微細構造体としてのめっき構造体80が得られる。また、この金属からなるめっき構造体80を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
以上、本実施の形態の形態における微細構造体の形成方法および微細構造体によれば、レジスト層51の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域51a,51bを形成することができる。その結果、複雑な形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体51Aが得られるとともに、このレジスト構造体51Aを型として、複雑な立体形状を有する微細構造体としてのめっき構造体80、さらにはこのめっき構造体80を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
(実施の形態3)
次に、図9〜図13を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図9〜図13は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第5図(断面図)である。まず、図9を参照して、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては約50μmの基体としてのチタン(Ti)基板10の上にポジ型のレジスト層91を形成する。ポジ型のレジスト層の一例としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート:poly methyl methacrylate)からなるのポジレジストが挙げられる。基体としてチタン(Ti)以外には、上記実施の形態と同様の材料を用いることができる。
次に、図9〜図13を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図9〜図13は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第5図(断面図)である。まず、図9を参照して、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては約50μmの基体としてのチタン(Ti)基板10の上にポジ型のレジスト層91を形成する。ポジ型のレジスト層の一例としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート:poly methyl methacrylate)からなるのポジレジストが挙げられる。基体としてチタン(Ti)以外には、上記実施の形態と同様の材料を用いることができる。
次に、透光性基板101の上に、所定の開口部102aを有するパターン層102が形成されたX線マスク100を用いて、レジスト層91に対して露光処理を行なう。この際、図10に示すように、開口部102aの開口中心に対して偏心した位置に回転中心C1が位置するようにして、X線マスク100をその平面内において回転させる。レジスト層91側を移動させることも可能であり、レジスト層91に対してX線マスク100を相対的に移動させる。これにより、中心部においては露光量が多くなり、周縁部においては露光量が少なくなる。また、レジスト層91へのX線R1の露光は、レジスト層91の膜厚さの半分程度となるように、回転中心、露光量および露光時間をコントロールした。これにより、レジスト層91に、露光領域91aが形成される。露光領域91aの断面形状は、レジスト層91の深さ方向に向かって徐々に幅寸法が小さくなる、すり鉢形状となる。
光源にはX線R1を用い、X線マスク100を透過させる前に、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては厚さ約50μmのチタン(Ti)からなるフィルタ30を透過させた。ここでは、フィルタ30には、上記基体としてのチタン(Ti)基板10と同じ材料および同じ膜厚さを採用している。
次に、図11を参照して、レジスト層91に対して基体としてのチタン(Ti)基板10側から、同じX線マスク100を用いてX線R1露光を行ない、レジスト層91に露光領域91bを形成する。このとき、表面の露光領域91aの露光と同じ条件でX線マスク100をその平面内で回転させながら露光を行なうとともに、表面の露光領域91aと露光領域91bとの位置が、表裏面において同じ位置となるように、レジスト層91に対するX線マスク100の位置決めを行なった。露光領域91bの断面形状は、上記露光領域91aと同様に、レジスト層91の深さ方向に向かって徐々に幅寸法が小さくなる形状となる。
次に、図12を参照して、レジスト層91の露光領域91a,91bを現像液により除去することで、レジスト層91の深さ方向においてパターン形状が異なる開口パターンを有する微細構造体としてのレジスト構造体91Aが得られる。さらに、このレジスト構造体91Aの開口部内面に、チタン(Ti)基板10を導電層としてめっき処理を施した後、アッシング処理等により、レジスト層91およびチタン(Ti)基板10を除去することで、図13に示すように、高さ方向においてその略中央部が半径方向に窪んだ外形形状を有する微細構造体としてのめっき構造体110が得られる。また、この金属からなるめっき構造体110を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
以上、本実施の形態の形態における微細構造体の形成方法および微細構造体によれば、レジスト層91の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域91a,91bを形成することができる。その結果、複雑な形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体91Aが得られるとともに、このレジスト構造体91Aを型として、複雑な立体形状を有する微細構造体としてのめっき構造体110を得ることができ、さらにはこのめっき構造体110を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
(実施の形態4)
図14〜図17を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図14〜図17は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図14を参照して、厚さ約1mm以下、本実施の形態においては、基体として約300μmの石英基板120の上にネガ型のレジスト層130を形成する。さらに、このネガ型のレジスト層130を、厚さ約10μm以上、本実施の形態においては厚さ約100μmの石英基板120上に載置する。ネガ型のレジスト層の一例としては、「SU8」等の周知のネガレジストが挙げられる。
図14〜図17を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図14〜図17は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図14を参照して、厚さ約1mm以下、本実施の形態においては、基体として約300μmの石英基板120の上にネガ型のレジスト層130を形成する。さらに、このネガ型のレジスト層130を、厚さ約10μm以上、本実施の形態においては厚さ約100μmの石英基板120上に載置する。ネガ型のレジスト層の一例としては、「SU8」等の周知のネガレジストが挙げられる。
次に、透光性基板151に上に、所定の開口部152aを有するパターン層152が形成されたフォトマスク150を用いて、裏面側である石英基板120側から、レジスト層130に対して露光処理を行なう。光源にはUV光R2を用いた。レジスト層130へのUV光R2の露光は、レジスト層130の膜厚さの半分程度となるように、露光量および露光時間をコントロールした。これにより、レジスト層130に、露光領域130aが形成される。露光領域130aの断面形状は、レジスト層130の深さ方向に向かって徐々に幅寸法が小さくなる、逆円錐形状となる。これは、フォトマスク150を通してレジスト層130を露光する際に、レジスト層130の表面でのUV光R2の光強度分布が、中心ほど強く中心から離れる周囲ほど弱くなるからである。
次に、図15を参照して、非露光領域を現像液により除去することで、レジスト層130の深さ方向において徐々に直径が小さくなる逆円錐形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体130Aが得られる。さらに、図16に示すように、このレジスト構造体130Aの表面に、無電界めっき(たとえばNi)処理を施した後、電界めっき処理140Eを施す。その後、アッシング処理等により、石英基板120およびレジスト構造体130Aを除去することで、図17に示すように、深さ方向に開口径が変化する開口部(円錐形状穴パターン)140hを有する微細構造体としてのめっき構造体140Eが得られる。また、この金属からなるめっき構造体140Eを金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
以上、本実施の形態の形態における微細構造体の形成方法および微細構造体によれば、レジスト層130の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域130aを形成することができる。その結果、複雑な形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体130Aが得られるとともに、このレジスト構造体130Aを型として、複雑な開口形状を有する微細構造体としてのめっき構造体140E、さらにはこのめっき構造体140Eを金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
(実施の形態5)
次に、図18〜図21を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図18〜図21は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図18を参照して、厚さ約1mm以下、本実施の形態においては、基体として約500μmの石英基板170の上にポジ型のレジスト層160を形成する。さらに、このポジ型のレジスト層160を、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては厚さ約60μmの石英基板180上に載置する。ポジ型のレジスト層の一例としては、PMER P−HM3000PM(東京応化工業株式会社製)からなるのポジレジストが挙げられる。
次に、図18〜図21を参照して、本実施の形態における微細構造体の形成方法について説明する。なお、図18〜図21は、本実施の形態における微細構造体の製造工程を示す第1〜第4図(断面図)である。まず、図18を参照して、厚さ約1mm以下、本実施の形態においては、基体として約500μmの石英基板170の上にポジ型のレジスト層160を形成する。さらに、このポジ型のレジスト層160を、厚さ約100μm以下、本実施の形態においては厚さ約60μmの石英基板180上に載置する。ポジ型のレジスト層の一例としては、PMER P−HM3000PM(東京応化工業株式会社製)からなるのポジレジストが挙げられる。
次に、透光性基板191に上に、約20μmピッチで配置されたライン・アンドスペースパターン192aを有するパターン層192が形成されたフォトマスク190を用いて、レジスト層160に対して露光処理を行なう。光源にはUV光R2を用いた。レジスト層160へのUV光R2の露光は、レジスト層160の膜厚さの半分程度となるように、露光量および露光時間をコントロールした。これにより、レジスト層160に、所定の間隔で隔てられたライン状の露光領域160aが複数形成される。露光領域160aの断面形状は、レジスト層160の深さ方向に向かって略垂直形状となる。上記実施の形態4と比較し、レジスト層160の露光厚さが半分であるため、光強度の広がりの影響を大きく受けることがなく、略垂直な露光面が形成される。
次に、図19を参照して、レジスト層160に対して石英基板180側から、上記フォトマスク190とは異なるフォトマスク200を用いてUV光R2による露光を行ない、レジスト層160に露光領域160bを形成する。フォトマスク200は、透光性基板201上に、フォトマスク190に対して90度交差する方向にライン・アンドスペースパターン202aを有するパターン層202が形成されている。露光条件は、表面の露光領域160aの露光と同じ条件で露光を行なう。露光領域160bの断面形状は、上記露光領域160aと同様に、レジスト層160の深さ方向に向かって垂直性に富んだ形状になる。
次に、レジスト層160の露光領域160a,160bを現像液により除去することで、図20に示すように、レジスト層160の深さ方向においてパターン形状が異なる開口パターン160Bを有する微細構造体としてのレジスト構造体160Aが得られる。さらに、このレジスト構造体160Aの開口部内面に、無電界めっき後、電界めっき処理を施した後、アッシング処理等により、レジスト層160および石英基板170を除去することで、図21に示すように、井桁形状を有する複雑な形状の微細構造体としてのめっき構造体190が得られる。また、この金属からなるめっき構造体190を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
以上、本実施の形態の形態における微細構造体の形成方法および微細構造体によれば、レジスト層160の厚さ方向に対して複雑な形状の露光領域160a,160bを形成することができる。その結果、複雑な形状を有する微細構造体としてのレジスト構造体160Aが得られるとともに、このレジスト構造体160Aを型として、複雑な立体形状を有する微細構造体としてのめっき構造体190、さらにはこのめっき構造体190を金型として樹脂をモールドすることで、低コストにより微細樹脂型を形成することができる。
したがって、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるのではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
この発明における微細構造体の形成方法および微細構造体により、ネブライザー、無痛針、インクジェットプリンタノズル、複合圧電材料等に用いられる微細構造体を得ることができる。
10 チタン(Ti)基板、11,51,91,130,140,160 レジスト層、11a,11b,51a,51b,91a,91b,130a,160a,160b 露光領域、11A,51A,91A,130A,160A レジスト構造体、20,100 X線マスク、150,190,200 フォトマスク、21,101,151,191,201 透光性基板、22a,40a,102a,140a,152a 開口部、22,62,72,102,152,192,202 パターン層、30 フィルタ、40,80,110,140,190 めっき構造体、51B 開口パターン、61,71 透光性基板、62a,72a,192a,202a ライン・アンドスペースパターン、60,70,190 フォトマスク、120,140,180 シリコン基板、C1 回転中心、R1 X線、R2 UV光。
Claims (13)
- X線マスクを通過したX線を用いて基体上のレジスト層に露光領域を形成する工程を有する、微細構造体の形成方法であって、
前記基体側、または、両面側から前記X線を前記レジスト膜に照射して、前記露光領域を形成する工程と、
前記レジスト層の形成された前記露光領域を残存または除去することにより、レジスト構造体を形成する工程と、
を備える、微細構造体の形成方法。 - 前記基体は、ベリリウム、アルミニウム、シリコン、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ポリイミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの化合物からなる群より選択される物質を含んだ材料である、請求項1に記載の微細構造体の形成方法。
- 前記基体の厚さは、100μm以下である、請求項2に記載の微細構造体の形成方法。
- 両面側から前記X線を前記レジスト膜に照射して、前記露光領域を形成する工程において、両面において用いられる前記X線マスクは、それぞれ同一露光パターンまたは異なる露光パターンを有する、請求項1から3のいずれかに記載の微細構造体の形成方法。
- 前記X線を前記レジスト膜に照射して、前記露光領域を形成する工程において、前記X線を、さらにフィルタを通過させて前記露光領域を形成する、請求項1から4のいずれかに記載の微細構造体の形成方法。
- 前記フィルタは、ベリリウム、アルミニウム、シリコン、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ポリイミド、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの化合物からなる群より選択される物質を含んだ材料である、請求項5に記載の微細構造体の形成方法。
- 前記フィルタの厚さは、100μm以下である、請求項5および6に記載の微細構造体の形成方法。
- X線露光時に、前記X線マスクと前記レジスト層とを相対的に移動させる、請求項1から7のいずれかに記載の微細構造体の形成方法。
- フォトリソグラフィによる微細構造体の形成方法であって、
光透過性のある基板上にレジスト層を形成し、前記基板面側からフォトリソグラフィにより光を露光し、前記レジスト層に露光領域を形成する工程と、
前記レジスト層から前記露光領域を残存または除去することにより、レジスト構造体を形成する工程と、
を備える、微細構造体の形成方法。 - 前記レジスト層に露光領域を形成する工程において、
前記レジスト層面側からもフォトリソグラフィにより光を露光し、前記レジスト層に露光領域を形成する、請求項9に記載の微細構造体の形成方法。 - 前記レジスト構造体の表面にさらにメッキを施して金属構造体を形成する、請求項1から10のいずれかに記載の微細構造体の形成方法。
- 前記金属構造体を金型として、モールドにより樹脂構造体を形成する工程をさらに有する、請求項1から11のいずれかに記載の微細構造体の形成方法。
- 請求項1から12のいずれかに記載の微細構造体の形成方法を用いて形成された微細構造体。
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