JP2007075890A - プレス装置に連動する溶接装置 - Google Patents

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好高 青山
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Abstract

【課題】 プレス装置の進退動作に同期させて、プレス加工後の素材鋼板に部品を電気抵抗溶接で溶接することのできるプレス装置に連動する溶接装置を提供する。
【解決手段】 プレス装置1がプレス金型に進退動作を付与して素材鋼板9にプレス加工を行う形式のものであって、プレス装置9に、プレス金型から送出されたプレス加工後の素材鋼板9に部品21を供給する部品供給装置43と、進退動作によって素材鋼板9に部品21を電気抵抗溶接で溶接する溶接装置16とが組み合わされている。よって、プレス加工と電気抵抗溶接とが一連の工程として成立し、生産性が向上する。そして、プレス装置の改造を最小限とすることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、プレス装置から送出されたプレス加工後の素材鋼板に対して連続的に部品を溶接する溶接装置に関している。
先行して行われる素材鋼板に対する溶接工程と、その後の素材鋼板をプレス成形するプレス工程とが一連の工程として実行されるものが、特開平5−169165号公報に開示されている。ここに開示されている技術は、プレス工程に向かう素材鋼板の残量長さが残り少なくなると、後続の素材鋼板を供給して先行する素材鋼板に溶接するものである。
特開平5−169165号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術には、次のような問題がある。
つまり、プレス工程に供される素材鋼板が消費される前に、後続の追加鋼板を溶接するものである。したがって、複数回におよぶプレス工程の中で追加鋼板を補充するときにだけ溶接工程が実行される。このような考え方は、プレス工程と溶接工程とを同期させて生産性を向上するというものではない。とくに、帯状の素材鋼板を連続的にプレス加工し、そこに部品を溶接することは開示されていない。そして、この部品溶接をプレス工程との関連で効率的に実行することも一切言及されていない。
さらに、特許文献1における溶接は、先行する素材鋼板の後端部に後続の素材鋼板の先端部を突き合わせて、その突き合わせ部分に溶接トーチでシーム状に溶接するものである。したがって、素材鋼板に別の部品を溶接するという発想ではない。
また、プレス装置における進退動作を利用して電気抵抗溶接の可動電極に進退動作を行わせるに当たっては、プレス装置の進退動作に影響されることなく電気抵抗溶接にとって最適な可動電極の加圧特性が確保されなければならない。換言すると、プレス加工の進退動作はプレス加工にとって最適な動作特性が付与され、他方、電気抵抗溶接の進退動作は電気抵抗溶接にとって最適な動作特性が付与される必要があり、したがって、可動電極には可動電極特有の加圧特性の実現が必須となる。
さらに、重要な課題として、既存のプレス装置に特別な改造を行わないで溶接装置を連動させることである。一般に、プレス装置は汎用性のある既製品が使用されている。したがって、このようなプレス装置には改造を施さないか、または実質的に問題にならない程度の改造だけで溶接装置との連動を行うことが重要である。
本発明は、上記の問題点や課題を解決するために提供されたもので、プレス装置の進退動作に同期させて、プレス加工後の素材鋼板に部品を電気抵抗溶接で溶接することのできるプレス装置に連動する溶接装置を提供することを目的とする。
問題を解決するための手段
本発明は、以上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、請求項1記載の発明は、プレス装置がプレス金型に進退動作を付与して素材鋼板にプレス加工を行う形式のものであって、前記プレス装置に、前記プレス金型から送出されたプレス加工後の素材鋼板に部品を供給する部品供給装置と、前記進退動作によって素材鋼板に前記部品を電気抵抗溶接で溶接する溶接装置とが組み合わされていることを特徴とするプレス装置に連動する溶接装置である。
発明の効果
前記構成により、プレス金型から送出されたプレス加工後の素材鋼板に部品を供給し、プレス装置の進退動作によって素材鋼板に部品を電気抵抗溶接で溶接するものであるから、部品供給装置や溶接装置はプレス装置に対して付加的に配置される。このため、プレス装置には特別な改造を施すことなく溶接装置を連動させることができる。
また、プレス装置による素材鋼板のプレス工程と、素材鋼板に対する部品の溶接工程とを同期させて行うことができ、プレス加工と電気抵抗溶接とが連続的に遂行され、生産性の向上にとって有効である。さらに、プレス加工は進退動作によって行われ、また、電気抵抗溶接も可動電極の進退動作を伴うものであるから、プレスと溶接を同期させることにとって最適の動作特性であり、良好な連続加工を確保するのに効果的である。
請求項2記載の発明は、前記溶接装置の可動電極と、プレス装置の一部またはプレス装置と一体になって進退動作をする部材との間に加圧力補正手段が配置され、この加圧力補正手段によってプレス装置の進退動作が、電気抵抗溶接に適した可動電極の加圧特性となるように補正する構成とした請求項1記載のプレス装置に連動する溶接装置である。
プレス装置における進退動作は、プレス金型による素材鋼板の塑性加工にとって最適の動作特性とされている。プレス金型の動作特性は、例えば、金型ストロークの初期の段階では金型の進出速度を速く設定し、金型が下死点近傍に近づいて成型終了の段階では金型の進出速度を遅く設定し、このような速度制御によって素材鋼板の異常な塑性変形や割れの発生などが防止されている。
一方、電気抵抗溶接の可動電極の加圧特性は、溶接電流の適正な通電や、部品と素材鋼板間に生じる適正な溶融などを考慮して得られる加圧力や加圧時間であり、このような溶接特有の加圧特性をプレス金型の動作特性と共通にすると、正常な溶接品質を確保することが困難になる。
そこで、前記加圧力補正手段を、プレス装置の一部またはプレス装置と一体になって進退動作をする部材と可動電極との間に配置し、プレス装置特有の動作特性を可動電極特有の加圧特性に補正するのである。このような補正作用を介在させることにより、プレス装置の進退動作と電極の進退動作を同期させて、適正なプレス加工と電気抵抗溶接とが両立し、生産性の高い動作が得られる。
請求項3記載の発明は、前記加圧力補正手段による補正は、プレス装置の進退動作の下死点到達前に行われる請求項2記載のプレス装置に連動する溶接装置である。
このようにプレス装置の下死点到達前に、加圧力補正手段による可動電極の加圧力補正がなされるので、可動電極の加圧特性がプレス装置の進退動作から影響を受けることなく、最適な加圧特性として設定される。したがって、可動電極特有の加圧特性のもとで、良好な電気抵抗溶接が得られる。
請求項4記載の発明は、前記プレス装置に複数のプレス金型が所定の配列間隔で配置されているとともに素材鋼板は所定の送給間隔で連続的に送給される長尺な形状とされ、プレス金型の配列間隔と素材鋼板の送給間隔とが等しく設定され、プレス加工完了後の素材鋼板を送出するプレス金型と溶接装置との間隔は、前記送給間隔またはその整数倍の間隔に設定されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置である。
このような構成により、長尺な素材鋼板が所定の送給間隔で連続的に送給され、各金型におけるそれぞれのプレス加工が順次行われる。そして、プレス加工完了後の素材鋼板を送出するプレス金型、すなわち素材鋼板の送給方向で見た最も後流側のプレス金型と溶接装置との間隔は、前記送給間隔またはその整数倍の間隔に設定されているので、所定の送給間隔で送給された素材鋼板の部品溶接箇所が正確に溶接装置に合致する。したがって、プレス金型によるプレス加工と溶接装置による部品溶接とが同時に実行され、効率の良い生産が得られる。
請求項5記載の発明は、前記部品供給装置に設けられた部品の供給ロッドは、素材鋼板に形成されたプレス加工形状に応じて、その配置位置および進退方向が設定できるように構成した請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置である。
素材鋼板のプレス加工形状に応じて前記供給ロッドの動作軌跡が設定されるのであるが、供給ロッドの配置位置および進行方向が所定の状態に設定できるので、プレス加工形状に左右されることなく的確な部品供給が行える。
請求項6記載の発明は、前記溶接装置が、プレス装置の外側に配置されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置である。
このように溶接装置がプレス装置の外側に配置されていることにより、プレス装置に装着されるべきプレス金型が所定どおりに配置され、プレス装置としての機能を損なうことなく溶接装置の配置が可能となる。
請求項7記載の発明は、前記溶接装置が、プレス装置の内側に配置されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置である。
このように溶接装置がプレス装置の内側に配置されていることにより、プレス装置内の空いたスペースに溶接装置を配置して、プレス装置と溶接装置との一体化された装置をコンパクトに形成することができる。したがって、制約された工場環境であっても支障なく操業することができる。
請求項8記載の発明は、前記溶接装置による溶接の完了後に動作する素材鋼板の切断装置が、溶接装置の後流側に設けられている請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置である。
このように部品溶接が完了した素材鋼板が順次切断されることにより、送給間隔に同期した切断がなされ、生産性の高い動作が得られる。
つぎに、本発明のプレス装置に連動する溶接装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1〜図4は、第1の実施例を示す。
まず、プレス装置について説明する。
図1は、装置全体の正面図と素材鋼板の送給装置の配置を示す正面図、図2は、装置全体の側面図である。プレス装置全体は符号1で示されている。静止部材2は、図1では工場の床であり、ここに据え付けられた基台3に機枠4が起立した状態で結合されている。この機枠4に下部プラテン5と上部プラテン6とが上下方向に対向した状態で配置されている。両プラテン5,6は、ボルトスターとも称されているもので、プレス金型を取り付けるための基部材となっている。
この実施例におけるプレス装置1は、上部プラテン6が進退動作をするようになっており、この進退動作はクランク軸の回転によって求められている。いわゆるクランクプレスである。したがって、上部プラテン6すなわち金型の進退動作は、図4(A)に示すように、サインカーブSを呈する動きになっている。他方、油圧シリンダによって進退動作を行わせる場合には、素材鋼板に対する塑性加工に適した金型の進退特性が得られるようになっている。
この実施例では、2組のプレス金型が取り付けられており、これらは第1金型7と第2金型8である。長尺な素材鋼板9に両金型7,8によってプレス加工が順次施されるもので、図2に示すように、素材鋼板9の両側に反対向きの屈曲片10,11が成形される。第1金型7で上向きの屈曲片10が形成され、第2金型8で下向きの屈曲片11が成形される。各金型7,8は、下部プラテン5に結合されている下型12,13と、上部プラテン6に結合されている上型14,15とが対になっている。また、図1(A)に示すように、素材鋼板9に部品21の下孔25(図3参照)をあけるために、上型15にポンチ22が設けてある。
上記部品は、この実施例では図3に示すように、鉄製のプロジェクションナット21であり、ねじ孔23と溶着用突起24が設けられている。以下、単にナットと表現することもある。
第1金型7と第2金型8との間隔Pと同じ間隔が、前記素材鋼板9の送給間隔Pとされている。したがって、素材鋼板9は送給間隔P、すなわち送給ピッチPの長さの送給がなされると、停止して両金型7,8によるプレス加工を受けるようになっている。
つぎに、素材鋼板の送給装置について説明する。
素材鋼板9の送給を行う送給装置26は、図1(B)に示すように、一般的に採用されている形式のものであり、一対の送給ローラ27,28の間に素材鋼板9が圧接した状態で挿入され、送給ローラ27または28を駆動して送給ピッチPだけ素材鋼板9を送ると、今度は送給ローラ27,28に制動作用が働いて素材鋼板9が停止する。あるいは、他の形式としてスクエアーモーションをする送給部材によって素材鋼板9を間欠的に送給するものであってもよい。
つぎに、溶接装置について説明する。
溶接装置全体は、符号16で示されている。この実施例では、溶接装置16がプレス装置1の外側に配置されている。そのために、プレス装置1と一体になって進退動作をする部材、すなわち下部アーム部材17と上部アーム部材18がそれぞれ下部プラテン5と上部プラテン6に固定されている。各アーム部材17,18はそれぞれ素材鋼板9の送給方向の後流側に伸ばされている。
溶接装置16は、同軸上に配置された可動電極19と固定電極20を有する電気抵抗溶接装置であり、各電極19,20はそれぞれ上部アーム部材18と下部アーム部材17に取り付けられている。
上述のような構成により、溶接装置16の可動電極19は、上部プラテン6の進退動作に同期して進退動作をするよになっている。
素材鋼板9の送給方向(図1の右方へ送給)で見た最も後流側のプレス金型すなわち第2金型8の中心軸線と、溶接装置16すなわち両電極19,20の軸線との間隔は、前記送給間隔Pまたはその整数倍の間隔に設定されている。ここでは前記間隔が2Pとされている。したがって、所定の送給間隔Pで送給された素材鋼板9の部品溶接箇所が、正確に溶接装置16の電極軸線に合致する。前記のように、整数倍とすることにより、素材鋼板9が送給ピッチPで送給されると、部品溶接箇所が常に電極軸線に合致し、正確な溶接が実現する。
なお、前記下部アーム部材17には、溶接トランス29が取り付けられ、通電ケーブル30,31がそれぞれ可動電極19と固定電極20に接続してある。
図2および図3に示すように、固定電極20の上面からガイドピン37が突出したり後退したりするようになっている。そのために、固定電極19の中心部をガイドピン37が進退可能な状態で貫通しており、このガイドピン37をエアシリンダ38で進退駆動をする。このエアシリンダ38は固定電極20の下部に結合されており、作動空気を吸排する空気ホース39,40が接続されている。なお、下部アーム部材17に支持筒41が固定され、これの上側に可動電極20が固定され、また、この支持筒41の内部に前記エアシリンダ38が格納されている。
ついで、部品供給装置について説明する。
図2および図3に示すように、プロジェクションナット21を素材鋼板9の溶接箇所に供給する部品供給装置は、符号43で示されている。部品供給装置43としては、部品供給管の先端部を溶接箇所に開口させる形式のものや、進退動作をする供給ロッドの形式など種々なものが採用できる。この実施例は、後者の供給ロッド方式のものである。
供給ロッド44の先端部にプロジェクションナット21を保持する凹部45がその先端側が開放した状態で設けられ、そこに保持されたナット21の落下を防止するために、永久磁石46が埋設してある。供給ロッド44は、支持ブロック47に取り付けたエアシリンダ48によって、ほぼ水平方向に進退するようになっている。そして、支持ブロック47は、ほぼ鉛直方向に配置されたエアシリンダ49のピストンロッド50に結合されている。エアシリンダ48と49の進退動作が合成されて、符号51で示すスクエアーモーションがナット21に付与される。
ついで、素材鋼板の送給動作と溶接動作について説明する。
素材鋼板9は、図1(B)に示す送給装置26によって、図2および図3の紙面に対して垂直方向に送給ピッチPごとに送られる。他方、供給ロッド44が素材鋼板9の送給方向に直交する方向に進退するように、部品供給装置43の配置姿勢が設定されている。
素材鋼板9が送給されてくるときには、エアシリンダ38の動作によりガイドピン37が固定電極20の上面から後退している。素材鋼板9の下孔25がガイドピン37と同軸位置にきたときに、素材鋼板9は停止され、それに引き続いてガイドピン37が下孔25を貫通して図3に示すように、突出位置となる。
図3はエアシリンダ48の動作で供給ロッド44が上方位置で伸びきった状態であり、この状態からエアシリンダ49の動作で供給ロッド44全体が下降すると、ナット21のねじ孔23内にガイドピン37が相対的に進入する。その後、エアシリンダ48の動作により永久磁石46の吸引力に抗してそのままの位置で供給ロッド44が後退すると、ナット21はガイドピン37に係合した状態となって、ナット供給が完了する。
その後、上部プラテン6の下降動作とともに可動電極19が進出してナット21を素材鋼板9に加圧し溶接電流が通電されると、溶着用突起24が素材鋼板9に溶着しナット溶接が完了する。この溶接動作における可動電極19の加圧特性については後述する。
さらに、切断装置について説明する。
続いて、エアシリンダ38の動作でガイドピン37が後退し、プロジェクションナット21の溶接が完了した素材鋼板9が溶接装置16の電極軸線から送給ピッチPだけ送出されると、切断装置32によって切断され、プロジェクションナット21が溶接された鋼板部品が完成し、部品の受け箱(図5参照)に落下する。
切断装置32は、下部アーム部材17に取り付けられた固定刃33と、上部アーム部材18に取り付けられた可動刃34によって構成されている。可動刃34は支持部材35に進退可能な状態で支持され、圧縮コイルスプリング36で加圧されている。このような構造により、可動刃34は圧縮コイルスプリング36の弾性変形領域で素材鋼板9を切断するようになっている。
上述の実施例の構造において、各種機能を果たすエアシリンダが採用されているが、これらのエアシリンダを進退出力式の電動モータに置き換えることも可能である。
次に、部品供給装置のより好ましい動作タイミングについて説明する。
プレス成形が下死点位置で完了して上部プラテン6が上昇し可動電極19とともに上死点まで復帰する。その後、つぎのプレス加工のために上部プラテン6が可動電極19とともに下降を開始する。この下降開始の直後に供給ロッド44が進出して突出しているガイドピン37にナット21を供給し、その後ただちに供給ロッド44が後退する。この後退途上においも上部プラテン6は可動電極19とともに下降してゆき、可動電極19がナット21の加圧を開始し、それにともなって溶接電流の通電がなされ、上部プラテン6が下死点に達するときにナット21の溶着が完了する。
上記の動作において、上死点からナット供給が完了するまでの所要時間は10サイクル(1サイクルは1/60秒、以下同様)、ナット供給完了から加圧開始までの所要時間は10サイクル、加圧開始から溶接完了までの所要時間は10サイクルである。なお、このような所要時間は、溶接条件や部品供給装置43の供給速度などによって、適宜変更される。
上述のような動作タイミングを採用することにより、上部プラテン6の下降動作を停止することなくナット21を溶接箇所に供給し、さらに溶接工程をも完了させることができ、ナット供給や溶接のために特別な時間が加算されることなく、効率的な溶接が実行できる。すなわち、可動電極19とガイドピン37との間に空間が存在している時期に、供給ロッド44によってナット供給が果たされるので、プレス装置1の下降動作を停止することなく、プレス装置1の進退動作に同期させて溶接が実行される。
つぎに、前述の可動電極19の加圧特性について説明する。
実際には、プレス金型の動作特性は、例えば、金型ストロークの初期の段階では金型の進出速度を速く設定し、金型が下死点近傍に近づいて成型終了の段階では金型の進出速度を遅く設定し、このような速度制御によって素材鋼板の異常な塑性変形や割れの発生などが防止されている。前述のサインカーブを呈するプレス金型の動作特性は、ほぼ上述のような速度制御に近似している。また、プレス加工の形状によっては、塑性変形量が大きな成型段階では金型の進出速度を遅くして、素材鋼板の割れなどを防止し、塑性変形量が小さな成型段階では進出速度を速くして、成型時間の短縮を図ることが行われる。
一方、電気抵抗溶接の可動電極の加圧特性は、溶接電流の適正な通電や、部品と素材鋼板間に生じる適正な溶融などを考慮して得られる加圧力や加圧時間であり、このような溶接特有の加圧特性をプレス金型の動作特性と共通にすると、正常な溶接品質を確保することが困難になる。なお、溶接電流の通電時間は、上記加圧特性との相対関係を考慮して設定される。
そこで、プレス装置1と一体になって進退動作をする上部アーム部材18と可動電極19との間に、プレス装置1の進退動作を電気抵抗溶接に適した可動電極19の加圧特性に変換する加圧力補正手段54が配置されている。なお、上述の上部アーム部材18と可動電極19との間というのは、上部プラテン6の下降力の伝達経路で見た「間」である。
前記加圧力補正手段54は、簡単な構造としての圧縮コイルスプリングを用いたもの、進退出力式の電動モータを用いたもの、さらにはエアシリンダを用いたものなど種々な方式で実現することができる。この実施例では、エアシリンダ方式を採用している。
図1および図2に示すように、上部アーム部材18の上側に加圧力補正エアシリンダ55が固定され、その内部に収容されているピストン56のピストンロッド57がほぼ鉛直方向に配置され、このピストンロッド57の下端に可動電極19が結合されている。
前記ピストン56の下側のシリンダ空間に開口している空気吸排管58と、ピストン56の上側のシリンダ空間に開口している空気吸排管59が、圧力制御弁60に接続されている。この圧力制御弁60には、空気供給ポンプ(図示していない)からの空気供給管61が接続されている。
前記圧力制御弁60に動作信号を供給するために、補正制御装置62が設けられている。この補正制御装置62には、プレス装置1に装備されているプレス駆動制御装置63からの信号が入力されて、この信号がトリガーになって圧力制御弁60への動作信号が出力されるようになっている。
図4(A)は、サインカーブSを描きながら動作するプレス装置1の進退特性を示す線図である。この図において、上死点から下死点までの全ストロークはS1である。そして、可動電極19がナット21に突き当たった箇所が仮想線Lで示され、この仮想線Lの下側の範囲S2の領域において加圧力補正エアシリンダ55により、可動電極19の加圧動作に補正動作が付与される。
この補正動作の状態が図4(B)に示されている。ここでは補正された加圧特性が挙動線(イ)と挙動線(ロ)の2種類示されている。
前記挙動線(イ)は、可動電極19が仮想線Lの位置でナット21に突き当たった後、上部プラテン6とともにサインカーブS上に沿って加圧力を増大し、下死点前のa1点に達すると鎖線図示のように、加圧力は一定値をたどりb1点に達し、その後は再びサインカーブSに沿って加圧力が減少してゆく。このa1点からb1点の間に溶接電流の通電と溶着用突起24の溶融がなされる。そして、a1点において最大加圧力となり、この最大加圧力が可動電極19の適正加圧力として選定されている。
上述のような挙動線(イ)を求めるために、可動電極19がナット21に突き当たった時点からa1点に達するまでは、加圧力補正エアシリンダ55(上部プラテン6)とピストン56との相対位置は不変のまま加圧が進行する。このときには、前記相対位置を不変とするために、ピストン56の上下両空間の空気吸排は、補正制御装置62からの動作信号を受けた圧力制御弁60の動作によって停止されている。
そして、a1点に達するとピストン56がサインカーブSの挙動変位の推移に対して後退動作をさせられ、a1点からb1点までの加圧力一定の領域が形成される。
このようなa1点からb1点までの加圧力一定の領域を形成するために、上部プラテン6がa1点に達したストローク位置で、補正制御装置62から圧力制御弁60に対して、空気吸排管58に圧縮空気を供給し他方の空気吸排管59から空気をわずかずつ排出するように、制御信号が送られる。このような空気吸排の制御は、挙動線(イ)とサインカーブSとの間に圧力差S3が得られるように、ピストン56の上下空間の空気吸排量が時々刻々変化させられることにより行われる。こうすることにより、上部プラテン6は終始サインカーブSに沿って挙動するが、可動電極19は挙動線(イ)に沿って挙動するのである。
なお、前記S3は、上部プラテン6の進出量と可動電極19の進出量との差であるから、上部プラテン6すなわちプレス金型の加圧力と可動電極19の加圧力の差として把握することができる。後述のS4,S5についても同様である。
もうひとつの挙動線(ロ)は、一点鎖線で示すように、c1点−a2点−b2点−c2点が直線的に結ばれた挙動であり、サインカーブSが下死点に至る前にこのような挙動が形成される。c1点は仮想線Lの手前に設定され、また、c2点は可動電極19が仮想線Lを過ぎた箇所に設定されている。
挙動線(ロ)がサインカーブSとは異なった特性線となるようにするために、圧力差S4やS5が設定されている。このような圧力差は、前述の挙動線(イ)が求められるのと同様にして加圧力補正エアシリンダ55(ピストンロッド57)の出力変位が制御されて求められる。すなわち、c1点−a2点−b2点−c2点を経由するような動作信号が補正制御装置62から圧力制御弁60に投入され、それによって加圧力補正エアシリンダ55(ピストンロッド57)の出力変位が設定される。
この挙動線(ロ)においては、圧力差S4が設定され、また、圧力差S5は挙動線(イ)よりも大きく設定されているので、挙動線(ロ)の可動電極19の加圧力は挙動線(イ)の加圧力よりも小さくなっている。
以上に説明した実施例1の作用効果を列記すると、次のとおりである。
第2金型8から送出されたプレス加工後の素材鋼板9にプロジェクションナット21を供給し、プレス装置1の進退動作によって素材鋼板9にナット21を電気抵抗溶接で溶接するものであるから、部品供給装置43や溶接装置16はプレス装置1に対して付加的に配置される。このため、プレス装置1には特別な改造を施すことなく溶接装置16を連動させることができる。
また、プレス装置1による素材鋼板9のプレス工程と、素材鋼板9に対するナット21の溶接工程とを同期させて行うことができ、プレス加工と電気抵抗溶接とが連続的に遂行され、生産性の向上にとって有効である。さらに、プレス加工は進退動作によって行われ、また、電気抵抗溶接も可動電極19の進退動作を伴うものであるから、プレスと溶接を同期させることにとって最適の動作特性であり、良好な連続加工を確保するのに効果的である。
前記溶接装置16の可動電極と、プレス装置1と一体になって進退動作をする上部アーム部材18との間に加圧力補正手段54が配置され、この加圧力補正手段54によってプレス装置1の進退動作が、電気抵抗溶接に適した可動電極19の加圧特性となるように補正する構成である。
プレス装置1における進退動作は、第1金型7,第2金型8による素材鋼板9の塑性加工にとって最適の動作特性とされている。両金型7,8の動作特性は、例えば、金型ストロークの初期の段階では金型の進出速度を速く設定し、金型が下死点近傍に近づいて成型終了の段階では金型の進出速度を遅く設定し、このような速度制御によって素材鋼板の異常な塑性変形や割れの発生などが防止されている。
一方、電気抵抗溶接の可動電極19の加圧特性は、溶接電流の適正な通電や、ナット21と素材鋼板9間に生じる適正な溶融などを考慮して得られる加圧力や加圧時間であり、このような溶接特有の加圧特性をプレス金型の動作特性と共通にすると、可動電極19の加圧力が過大になって、正常な溶接品質を確保することが困難になる。
そこで、前記加圧力補正手段54を、プレス装置1と一体になって進退動作をする上部アーム部材18と可動電極19との間に配置し、プレス装置1特有の動作特性を可動電極19特有の加圧特性に補正するのである。このような補正作用を介在させることにより、プレス装置1の進退動作と可動電極19の進退動作を同期させて、適正なプレス加工と電気抵抗溶接とが両立し、生産性の高い動作が得られる。
上部プラテン6すなわち第1金型7,第2金型8は、サインカーブSに沿った挙動をしている。このような挙動とは異なった可動電極19特有の挙動が挙動線(イ)および(ロ)のように実行されることが、良好な溶接品質にとって必須である。加圧力補正エアシリンダ55により出力される補正挙動を媒介にして、可動電極19の挙動線(イ)および(ロ)が実現するので、プレス成形と電気抵抗溶接とがそれぞれ独立して良好に果たされる。
前記加圧力補正手段54による補正は、プレス装置1の進退動作の下死点到達前に行われる。
このようにプレス装置1の下死点到達前に、加圧力補正エアシリンダ55による可動電極19の加圧力補正がなされるので、可動電極19の加圧特性(挙動線(イ),(ロ))がプレス装置1の進退動作から影響を受けることなく、最適な加圧特性として設定される。したがって、可動電極19特有の加圧特性のもとで、良好な電気抵抗溶接が得られる。
なお、前記の「下死点到達前」なる表現は、サインカーブSによって得られる圧力推移よりも減圧された領域において挙動線(イ),(ロ)が形成されることを意味している。
前記プレス装置1に複数のプレス金型7,8が所定の配列間隔で配置されているとともに素材鋼板9は所定の送給間隔Pで連続的に送給される長尺な形状とされ、プレス金型7,8の配列間隔Pと素材鋼板9の送給間隔Pとが等しく設定され、プレス加工完了後の素材鋼板9を送出する第2金型8と溶接装置16の電極軸線との間隔は、前記送給間隔Pまたはその整数倍の間隔に設定されている。
このような構成により、長尺な素材鋼板9が所定の送給間隔Pで連続的に送給され、各金型7,8におけるそれぞれのプレス加工が順次行われる。そして、プレス加工完了後の素材鋼板9を送出する第2金型8、すなわち素材鋼板9の送給方向で見た最も後流側のプレス金型と溶接装置16との間隔は、前記送給間隔Pまたはその整数倍の間隔に設定されているので、所定の送給間隔Pで送給された素材鋼板9の部品溶接箇所が正確に溶接装置16の電極軸線に合致する。したがって、プレス金型7,8によるプレス加工と溶接装置16による部品溶接とが同時に実行され、効率の良い生産が得られる。
前記溶接装置16が、プレス装置1の外側に配置されている。
このように溶接装置16がプレス装置1の外側に配置されていることにより、プレス装置1に装着されるべき第1金型7,第2金型8が所定どおりに配置され、プレス装置1としての機能を損なうことなく、また、プレス装置1自体に特別な改造を施すことなく、溶接装置16の配置が可能となる。
前記溶接装置16による溶接の完了後に動作する素材鋼板9の切断装置32が、溶接装置16の後流側に設けられている。
このように部品溶接が完了した素材鋼板9が順次切断されることにより、送給間隔Pに同期した切断がなされ、生産性の高い動作が得られる。
図5および図6は第2の実施例を示す。
図5は、装置全体の正面図、図6は装置全体の平面図である。この実施例は、プレス装置1内にスペースがある場合の例である。したがって、溶接装置16と切断装置32は、それぞれ上部プラテン6と下部プラテン5に取り付けられている。つまり、プレス装置1自体の一部に溶接装置16が取り付けられている。なお、ここではプレス金型は一対だけであり、第1金型7または第2金型8が配置されている。
プレス金型の進退動作を正確に行わせるために、ガイドポスト64が設置されている。同様に可動電極19の進退動作を正確に行わせるために、溶接装置16にもガイドポスト65が設置されている。そして、素材鋼板9の送給が素材鋼板9の幅方向にずれないようにするために、左右にガイドローラ67が設けられている。
図6に示すように、ここでのプレス加工は下孔25,位置決め孔68およびスリット孔69の形成である。
本実施例では、加圧力補正手段54がプレス装置1の一部に取り付けられているが、ここでは上部プラテン6に間座部材64が結合され、この間座部材64に加圧力補正エアシリンダ55が取り付けられている。
切断装置32で切断された鋼板部品は、傾斜シュータ70から部品の受け箱71に落下するようになっている。これ以外の構成は先の実施例と同じであり、同じ機能を果たす部材には同様の符号が記載されている。なお、前述の補正制御装置62や圧力制御弁60などは図5に図示されていないが、この実施例2においても同様な制御システムが採用されている。また、部品供給装置43も、図3に示した先の実施例と同様なものが採用されている。
上記実施例2によれば、溶接装置16がプレス装置1の内側に配置されていることにより、プレス装置1内の空いたスペースに溶接装置16を配置して、プレス装置1と溶接装置16との一体化された装置をコンパクトに形成することができる。したがって、制約された工場環境であっても支障なく操業することができる。それ以外の作用効果は先の実施例と同様である。
図7は、第3の実施例を示す。
図7(A)は装置全体の平面図であり、(B),(C)および(D)は各部の断面図である。この実施例は、素材鋼板9の中央部に円筒形の内面を有する凹部73をプレス成形するもので、絞り深さが大きいので段階的に成形するようにした形式である。
そのために、プレス金型が浅絞りの第1金型74と、やや深い絞りの第2金型75と、最終の深絞りの第3金型76が送給間隔Pの配置間隔で配列され、これらの金型は図7(B),(C)に示すように、上部プラテン6に取り付けてある。各金型74,75および76は雄型であり、それに対する雌型は第3金型76に対する第3雌型77だけが図示されている。この第3雌型77は、下部プラテン5に固定されている。
図7(B),(C)に示した状態は、第1金型74,第2金型75,第3金型76が同時に下降して、各金型の成形が完了した段階を示しており、(B),(C)では第3金型76が下死点に達して凹部73の成形が完了したところが図示されている。このようにして成形された素材鋼板9は、第1金型74,第2金型75,第3金型76が上昇した後でも各金型に対応する雌型に嵌合された状態になっているので、素材鋼板9を持ち上げて各雌型から抜き取る必要がある。
そのために、素材鋼板9の長手方向に伸びるリフト部材78が素材鋼板9の両側に配置され、このリフト部材78に取り付けた多数のリフト片79が素材鋼板9の両側の下側に係合するようになっている。
リフト部材78のリフト力は油圧や空気圧のシリンダでもよいが、ここでは圧縮コイルスプリング80がリフトスプリングとして採用されている。リフト部材78の下側にガイドロッド81が結合され、それが下部プラテン5を摺動可能な状態で貫通している。このガイドロッド81がリフトスプリング80内を貫通している。また、リフト部材78の最大リフト高さを設定するために、ガイドロッド81の下端にストッパ片82が結合してある。
なお、リフト部材78は図7(A)に示すように、下部プラテン5すなわちプレス装置1の外側(同図の右方)に突出している。
図7(C)は、第3金型76が下死点まで下がり切った状態であり、リフトスプリング80は最も圧縮されている。この状態で第3金型76が上昇すると、それにともなってリフトスプリング80の張力で凹部73を第3雌型77から抜き取りながらリフト部材78(リフト片79)が上昇し、ストッパ片82が下部プラテン5の下面に受け止められて抜き取り動作が完了する。
図7(D)に示す部品供給装置43は、図3に示したものとほぼ同じ構造である。異なっているのは、凹部73内にプロジェクションナット21を供給するので、供給ロッド44の先端部に屈曲部83を設け、この下端部にナット21を保持するようにしてある。この保持のために、永久磁石84が屈曲部83内に挿入され、この永久磁石84はエアシリンダ85のピストンロッド86に結合してあり、エアシリンダ85の動作で永久磁石84がナット21から離隔できるようになっている。
したがって、(D)の状態から永久磁石84が後退すると、ナット21に作用していた吸引力が実質的に消滅するので、ナット21は図示の位置から落下してガイドピン37の貫通を受けるようになる。その後、エアシリンダ49と48の動作で供給ロッド44は退避し、その後、可動電極19が進出してナット21は凹部73の底部に溶接される。
なお、図示していないが、可動電極19は図2に示した加圧力補正手段54によってその加圧特性が先の実施例と同様に制御されるようになっている。
この実施例では、部品供給装置43がリフト部材78と一体になって進退動作をする点が特徴になっている。すなわち、図7(A)や(D)に示すように、リフト部材78に結合したアーム部材88に部品供給装置43が取り付けられている。アーム部材88は、リフト部材78がプレス装置1から突出した箇所に結合されている。それ以外の構成は先の各実施例と同様であり、同じ機能を果たす部材には同じ符号が記載されている。
したがって、素材鋼板9の凹部73と部品供給装置43との相対位置が常に不変となるので、部品供給装置43を動作したときにナット21が凹部73の底部に確実に供給されるという効果がある。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
図8および図9は、第4の実施例を示す。
この実施例は、プレス装置1で成型された鋼板部品の形状がどのような向きや姿勢であっても、部品供給装置43の供給ロッド44で確実にナット供給をするようにしたことが特徴になっている。すなわち、図8(C)に示すように、例えば、ハット型断面の鋼板部品90の開放部91がどのような方向を向いていても、ナット供給を可能としている。
そのために部品供給装置43の供給ロッド44が自由に向きを変えられるようになっている。供給ロッド44は、図8(B)に示す直線運動のX,Y,Zと回動運動のθの方向に自由に動作する。
静止部材2に固定した左右方向に伸びるほぼ水平状態のガイドレール93にスライド部材94がX方向に摺動可能な状態で組み付けてあり、ガイドレール93と同方向に伸びるスクリュウシャフト95がスライド部材94を貫通した状態でねじ込んである。このスクリュウシャフト95はガイドレール93の端部に固定した電動モータ96で回転するようになっており、この回転でスライド部材94がX方向に進退する。
前記スライド部材94に、(B)図の紙面に垂直な方向に配置されているガイドレール97が結合され、このガイドレール97にスライド部材98がY方向に摺動可能な状態で組み付けてある。符号99は、ガイドレール97の端部に固定した電動モータであり、また、符号100は、電動モータ99で回転されスライド部材98にねじ込まれているスクリュウシャフトであり、スクリュウシャフト100の回転でスライド部材98がY方向に進退する。なお、符号92はスライド部材98の進退マークである。
前記スライド部材98に、ほぼ鉛直方向に伸びているガイドレール101が結合され、このガイドレール101にスライド部材102がZ方向に摺動可能な状態で組み付けてある。ガイドレール101と同方向に伸びるスクリュウシャフト103がスライド部材102を貫通した状態でねじ込んである。このスクリュウシャフト103はガイドレール101の端部に固定した電動モータ104で回転するようになっており、この回転でスライド部材102がZ方向に進退する。
前記スライド部材102にアーム部材105が結合され、このアーム部材105の先端に回動装置106が取り付けてある。この回動装置106は、アーム部材105の先端に固定した軸受部材107に回動軸108がほぼ鉛直方向に支持され、この回動軸108の下端に供給ロッド44が固定されている。また、回動軸108の上端にはギヤー109が固定され、このギヤー109にウオーム110がかみ合っている。ウオーム110は、アーム部材105に固定した電動モータ111によって回転するようになっている。
図8(A)に示した溶接装置16は、プレス装置1から独立した状態で設置されている。このような場合においても、プレス装置1の進退動作と、溶接装置16の可動電極19の進退動作とは同期している。そして、溶接装置16には、良好な溶接品質を確保するために、先の各実施例と同様な加圧力補正手段54が設置してある。それ以外の構成は、先の各実施例と同様であり、同じ機能を果たす部材には同じ符号が記載してある。
上記構造により、供給ロッド44は、直線的なX,Y,Zの3方向に自由に移動でき、また、回動装置106により回動角θも自由に選択することができる。したがって、第2金型8から送出された鋼板部品90の開放部91がどのような方向に開放していても、供給ロッド44の先端部を開放部91に挿入することができるのである。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同様である。
なお、前述のように供給ロッド44の動作姿勢を自由に選定するに当たっては、供給ロッド44の到達箇所に応じて、各電動モータ96,99,104および111の駆動量を制御するのである。
また、図8(D)の事例は、ガイドピン37の長さを長くして、ナット21のねじ孔23にガイドピン37が入りやすくしたものである。
図9(A)は、図8の(D)図に示したような機構を独立した溶接装置16に採用した事例である。この場合は、溶接装置16全体がX,Y方向に移動して、溶接箇所が自由に選定できるものである。X,Y方向の移動は図8(B)に示した機構をそのまま利用することができる。したがって、図9(A)には図8(B)と同様な符号が記載されている。
また、ここに採用されている部品供給装置43は、図9(B)に示すように、ナット21のねじ孔23に供給ロッド44を串刺しにして可動電極21のガイドピン37に供給する形式である。すなわち、供給ロッド44はガイド筒113内に収容されている。供給ロッド44は、ナット21のねじ孔23を貫通するガイドロッド114と、それと一体の摺動ロッド115と、ガイドロッド114と摺動ロッド115の境界部に設けた押出面116から構成され、前記摺動ロッド115はガイド筒113内を摺動するようになっている。
ガイド筒113の端部に部品供給管117が溶接され、これによって仮止室118が構成されている。仮止室118の内壁を形成するガイド板119に永久磁石120が固定してある。部品供給管117は、パーツフィーダ(図示していない)から伸びてきている。
部品供給管117からのナット21は仮止室118に入ってガイド板119に受け止められ、永久磁石120の吸引力で一時係止される。ここで供給ロッド44が進出すると、ガイドロッド114がねじ孔23を貫通し、ついで押出面116がナット21の上面に当たって、ナット21の押出がなされる。その後、ガイドロッド114の先端がガイドピン37の直前で停止すると、ナット21がガイドピン37に移載される。
図9(C)に示した事例は、ロボット装置122に部品供給装置43を取り付けた事例であり、ひとつの事例は、前記ガイドロッド114を備えたタイプの部品供給装置43を、種々な方向から固定電極20に接近させるものである。また、もうひとつの事例は、図3に示したようなタイプの供給ロッド44を備えたタイプの部品供給装置43を、種々な方向から固定電極20に接近させるものである。
上述のように、電極19,20の位置をX,Y方向に自由に選定するとともに、ナット供給箇所も自由に変更できるので、鋼板部品の形状に応じてナット溶接箇所が適正に選択できる。例えば、自動車部品において、長方形の鋼板部品の左側にナット溶接を行って左用部品とし、また、長方形の鋼板部品の右側にナット溶接を行って右用部品とすることが簡単にできる。
上述の各実施例においては、部品がプロジェクションナットであるが、これをねじ軸とフランジとフランジに設けた溶着用突起とからなるプロジェクションボルトに置き換えることも可能である。プロジェクションボルトの場合には、素材鋼板9の下孔25と可動電極20にあけた受入孔にねじ軸を貫通させてから、可動電極19でフランジを加圧して溶接電流を通電する。
本発明のように、既存のプレス装置を特別に改造することなく溶接装置を連動させることができるので、設備投資を最小限にして高い生産性がえられ、広い製品分野で利用することができる。
装置全体を示す正面図である。 装置全体を示す側面図である。 部品供給装置の側面図である。 プレス装置と溶接装置の挙動を示す線図である。 他の実施例を示す装置全体の正面図である。 他の実施例を示す装置全体の側面図である。 他の実施例を示す装置全体の平面図と各部の断面図である。 他の実施例を示す装置全体の正面図、側面図などである。 溶接装置の移動機構の斜視図、断面図である。
符号の説明
1 プレス装置
5 下部プラテン
6 上部プラテン
7 第1金型
8 第2金型
9 素材鋼板
16 溶接装置
17 下部アーム部材
18 上部アーム部材
19 可動電極
20 固定電極
21 プロジェクションナット
23 ねじ孔
25 下孔
26 送給装置
32 切断装置
37 ガイドピン
43 部品供給装置
44 供給ロッド
54 加圧力補正手段

Claims (8)

  1. プレス装置がプレス金型に進退動作を付与して素材鋼板にプレス加工を行う形式のものであって、前記プレス装置に、前記プレス金型から送出されたプレス加工後の素材鋼板に部品を供給する部品供給装置と、前記進退動作によって素材鋼板に前記部品を電気抵抗溶接で溶接する溶接装置とが組み合わされていることを特徴とするプレス装置に連動する溶接装置。
  2. 前記溶接装置の可動電極と、プレス装置の一部またはプレス装置と一体になって進退動作をする部材との間に加圧力補正手段が配置され、この加圧力補正手段によってプレス装置の進退動作が、電気抵抗溶接に適した可動電極の加圧特性となるように補正する構成とした請求項1記載のプレス装置に連動する溶接装置。
  3. 前記加圧力補正手段による補正は、プレス装置の進退動作の下死点到達前に行われる請求項2記載のプレス装置に連動する溶接装置。
  4. 前記プレス装置に複数のプレス金型が所定の配列間隔で配置されているとともに素材鋼板は所定の送給間隔で連続的に送給される長尺な形状とされ、プレス金型の配列間隔と素材鋼板の送給間隔とが等しく設定され、プレス加工完了後の素材鋼板を送出するプレス金型と溶接装置との間隔は、前記送給間隔またはその整数倍の間隔に設定されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置。
  5. 前記部品供給装置に設けられた部品の供給ロッドは、素材鋼板に形成されたプレス加工形状に応じて、その配置位置および進退方向が設定できるように構成した請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置。
  6. 前記溶接装置が、プレス装置の外側に配置されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置。
  7. 前記溶接装置が、プレス装置の内側に配置されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置。
  8. 前記溶接装置による溶接の完了後に動作する素材鋼板の切断装置が、溶接装置の後流側に設けられている請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプレス装置に連動する溶接装置。
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