JP2007075763A - 個人用透析機排水の中和処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型化して個人用透析機ごとに対応できるようにし、しかも簡単な構造で安全性が高く且つ維持管理を容易にして透析機からの洗浄排水等の排水を安定的に且つ確実に中和処理できる透析機洗浄排水の中和処理装置を提供する。
【解決手段】 有底筒体10の下部に筒内を仕切る簀子板を設けると共に該簀子板より下方の有底筒体の底部に筒内と導通する流出用短管を設け、且つ有底筒体の上部開口に上蓋で着脱自在に蓋をして、有底筒体の上部又は該上蓋に筒内と導通する注入用短管を設けた装置本体1と、水に溶解して酸性又はアルカリ性を呈する粒状物にして、該装置本体内で前記簀子板上に充填される固形の中和剤2と、先端部が前記注入用短管に接続して個人用透析機からの排水を該注入用短管へと導く入チューブ3と、基端部が前記流出用短管に接続して先端部を放流口へと導く出チューブ4と、を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は個人用透析機からの消毒,洗浄等に伴う排水のpHを中性にする個人用透析機排水の中和処理装置に関する。
人工透析を行う病院,診療所等では透析終了後に、例えば水洗−酸洗浄−水洗−薬洗−水洗といった工程を経る透析機の消毒,洗浄がなされる。酸洗浄には酢酸などの酸性洗浄水が、薬洗には次亜塩素酸ナトリウムなどのアルカリ洗浄水が用いられる。これに伴って酸性に傾いた洗浄排水やアルカリ性に傾いた洗浄排水が排出される。
また、病院,診療所等によっては酢酸などの酸洗浄のみによる殺菌洗浄も行われ、これに伴い酸性に傾いた洗浄排水が排出される。該透析機洗浄排水は水質基準内に収まっていないため、中和処理してから下水道へ流されることとなる。本出願人等はこの酸性に傾いた透析機洗浄排水を中和処理する装置を先に提案した(特許文献1,2参照)。
特開2001−269670公報 特開2002−282869公報
しかるに、特許文献1,2には次のような問題があった。
透析機洗浄排水の配管途中のラインにpH調節機を組み込んだ大掛かりな設備であり、病院向け装置の使用に限られていた。透析機の洗浄排水を一定のベッド数ごとにまとめて合流させ、必要な大きさを決定し一台分の中和装置として病院,診療所等の規模に応じて中和装置の必要台数を設置していた。
ところが、近年患者数の増加と共に透析の治療内容及び透析必要時間も患者に合わせる形で多様化してきた。個人用透析機(「個人用透析装置」又は「個人用透析供給装置」ともいう。)の必要性が高まり普及しつつある。個人用透析機からの洗浄排水は、多人数用透析機からの洗浄排水と、透析機洗浄の開始時間も終了時間も異なる。従って、個人用透析機ごとに個別に中和処理する問題が生じてきた。また在宅透析が増える様相をみせ、この在宅透析も個人用透析機を用いて行われることから、各家庭排水が問題になる。一日の量が僅かでも、例えば個人用透析機から酸性排水が持続的に流れ続けると、配水管等を損傷させる虞があった。
本発明は上記問題点を解決するもので、小型化して個人用透析機ごとに対応できるようにし、しかも簡単な構造で安全性が高く且つ維持管理を容易にして透析機からの洗浄排水等の排水を安定的に且つ確実に中和処理できる透析機洗浄排水の中和処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明の要旨は、有底筒体の下部に筒内を仕切る簀子板を設けると共に該簀子板より下方の有底筒体の底部に筒内と導通する流出用短管を設け、且つ有底筒体の上部開口に上蓋で着脱自在に蓋をして、有底筒体の上部又は該上蓋に筒内と導通する注入用短管を設けた装置本体(1)と、水に溶解して酸性又はアルカリ性を呈する粒状物にして、該装置本体内で前記簀子板上に充填される固形の中和剤(2)と、先端部が前記注入用短管に接続して個人用透析機からの排水を該注入用短管へと導く入チューブ(3)と、基端部が前記流出用短管に接続して先端部を放流口へと導く出チューブ(4)と、を具備し、前記個人用透析機からの排水が装置本体内を流下し該中和剤の溶解により中和処理されるようにしたことを特徴とする個人用透析機排水の中和処理装置にある。
請求項2の発明たる個人用透析機排水の中和処理装置は、請求項1で、簀子板上に充填された前記中和剤の充填層よりも上方の有底筒体の筒内に、前記個人用透析機からの排水を分配する液分配器(15)を設けることを特徴とする。
請求項3の発明たる個人用透析機排水の中和処理装置は、請求項2で、入チューブから分岐して、出口が前記出チューブの経路途中に接続されるか又は放流口へと導かれるバイパスチューブ(5)と、該バイパスチューブの途中、又は前記入チューブから分岐する地点よりも入チューブの下流地点に組み込まれる開閉弁(6)と、をさらに具備することを特徴とする。
請求項4の発明たる個人用透析機排水の中和処理装置は、請求項2又は3で、上蓋にオーバーフロー用短管を設け、該オーバーフロー用短管に入口が接続され、出口が前記バイパスチューブ又は出チューブの途中に接続されるオーバーフローチューブ(7)をさらに具備することを特徴とする。
請求項5の発明たる個人用透析機排水の中和処理装置は、請求項4で、前記入チューブ(3)と前記出チューブ(4)と前記バイパスチューブ(5)と前記オーバーフローチューブ(7)が、それぞれ可撓性のあるゴム製又はプラスチック製のチューブからなることを特徴とする。
本発明の透析機洗浄排水の中和処理装置は、小型化でき個人用透析機ごとに対応可能にして、しかも簡単な構造ながら安全性が高く且つ維持管理を容易にして透析機からの洗浄排水等の排水を安定的に且つ確実に中和処理できるなど優れた効果を発揮する。
以下、本発明に係る個人用透析機排水の中和処理装置(以下、単に「中和処理装置という。)について詳述する。
(1)実施形態1
図1,図2は本発明の中和処理装置の一形態で、図1はその全体斜視図、図2は図1の装置本体周りの説明縦断面図である。
中和処理装置は装置本体1と中和剤2と入チューブ3と出チューブ4とバイパスチューブ5と開閉弁6とオーバーフローチューブ7とを備える(図1)。
装置本体1は起立させた有底筒体10内に中和剤2を充填して透析機9の洗浄等で酸性に傾いた排水SLを中和処理する装置の本体シェル等の主要部分である。有底筒体10の下部に筒内を仕切る簀子板11を設けると共に該簀子板11より下方の有底筒体10の底部101に筒内と導通する流出用短管12を設ける。さらに有底筒体10の上部開口に上蓋13で着脱自在に蓋をして、該上蓋13(又は有底筒体10の上部102)に筒内と導通する注入用短管14を設ける。有底筒体10は胴長の透明又は半透明の樹脂製円筒体10aの底部に、該円筒体よりも筒部が一回り大きな有底短円筒形のキャップ10bで蓋をすることによって形成される。円筒体10aの下部外周面に雄螺子部101aを形成し、該雄螺子部に螺合する雌螺子部10bをキャップ内周面に形成する。キャップ10bが円筒体10aの底部に螺着固定されて有底筒体10になる。キャップ10bの筒外周面には流出用短管12(ノズル)が突出し、該流出用短管12は簀子板11よりも下方の有底筒体10の底部筒内と導通する。
図2中、符号18は円筒体10aの下側開口寄り内周面に固着した円環からなる係止部材、符号19は円筒体10aの上側開口寄り内周面に固着した円環からなる係止部材を示す。
前記簀子板11は多孔板や網の目状、或いは格子状として、水切りし得る通水性を有する平板状体又はグリッドである。固形の中和剤2を充填保持する一方、注入用短管14,液分配器15を経由して装置本体1内に流れ落とされる排水を流下させることのできる通水板である。ここでの簀子板11は外径が円筒体10aの内径よりも若干小さい板面に多数の小さな通孔11cを穿設した多孔性円板とする。有底筒体10の上部開口(円筒体10aの上側開口)から該簀子板11を筒内へ挿入し係止部材18に係止して水平載置し、有底筒体10の下部100で筒内を仕切る。装置本体1内の該簀子板11の上に中和剤2を充填し、有底筒体10の上部開口から液分配器15を筒内へ挿入し係止部材19に係止,固定した後、有底筒体10の上部開口に上蓋13で蓋をすると、中和剤2を充填した装置本体1が完成する。
前記液分配器15は装置本体1に設けられる透析機9からの排水SLの液分散器で、より詳しくは装置本体1内の簀子板11上に充填される中和剤2の充填層に、その上から透析機9からの排水SLを分散させて注水し得る器具である。ここでの液分配器15は簀子板11と同様、多数の円板に多数の小孔15cを設けた多孔板からなる。有底筒体10の上部開口(円筒体10aの上側開口)から該液分配器15を筒内へ挿入し係止部材19に係止して水平配設する。液分配器15の小孔15cの大きさや数は中和剤2の充填層に上から略均等に散水できるよう設定される。透析機9から出る排水SLは入チューブ3,注入用短管14を経由して液分配器15上に導かれ、液分配器15に溜まった排水SLは小孔15cから如雨露から流れ出るような散水となって降り落ちる。液分配器15に設けた多数の小孔15cから充填層上面に略均等に透析機排水を散水できる。中和剤2を濡らすように液分配器15から透析機排水を散水して流下させ、該中和剤2の溶解により中和処理をなす。簀子板11は水切りとなり、その中和処理された排水SSLを流し去る。中和剤2が不必要に透析機排水に長時間浸からないので、中和剤2のやせ細りや過度の溶解が起こる虞はない。
前記上蓋13はキャップ10bとほぼ同形状の有底短円筒体で、キャップ10bの底部にあたる部分が上面となる。キャップ10bとは図1のごとく逆さ使用する。上蓋13の筒内周面に雌螺子部13aを形成しており、有底筒体10に係る円筒体10aの上部外周面に形成した雄螺子部102aに螺合させて、上蓋13が有底筒体10に取着される。上蓋13の上面には注入用短管14のノズルが立設し、該注入用短管14は有底筒体10に上蓋13が取着されると、装置本体1の筒内に導通する。
中和剤2は水に溶解して酸性又はアルカリ性を呈する粒状物にして、前記簀子板11上に充填される固形物である。図1のごとく粒状中和剤2が液分配器15近くまで充填される。透析機9からの洗浄排水が酸性の場合、中和剤2には水に溶解してアルカリ性を呈する粒状物が用いられる一方、透析機9からの洗浄排水がアルカリ性の場合、中和剤2には水に溶解して酸性を呈する粒状物が用いられる。
本実施形態の排水SLは酢酸などの酸洗浄による殺菌洗浄がなされた透析機洗浄排水であり、中和剤2は水に溶解してアルカリを呈する水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウム,炭酸カルシウム等の粒状物で、より好ましくは水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物とする。海水法水酸化マグネシウムによって得られる粒径が3mm〜5mmの水酸化マグネシウム粒状物又はそれを所定温度で焼成した酸化マグネシウムを用い、具体的には宇部マテリアルズ株式会社製の水酸化マグネシウム粒状物を用いる。海水法水酸化マグネシウムは、「脱炭酸海水に消石灰乳を添加して生成されるが、その水酸化マグネシウムではコロイド状となり沈降及び洗浄が困難になるので、種晶循環を実施し、粒子を大きくして沈降性,濾過性の良い水酸化マグネシウムが得られる」(『13398の化学商品』,化学工業日報社,165頁,1998)ことから、これを中和処理装置で用いても酸中和処理中にアク等が出ず、またその粒径も適度な大きさで、取扱いに優れたものとなっている。個人用透析機9からの排水SLが装置本体1内を流下し該中和剤2の溶解により中和処理されるよう、中和剤2の所定量が装置本体1内に充填される。
入りチューブ3は先端部32が前記注入用短管14に接続して個人用透析機(図3参照)からの排水SLを該注入用短管14へと導く可撓性を有するゴム製又はプラスチック製チューブである。本発明でいうプラスチックには、高温で可塑化されてプラスチックと同じように成形できて、常温ではゴム弾性体の性質を示す熱可塑性エラストマーを含む。透析機は例えば図3に示す透析機本体の側面に透析排水や透析後の洗浄排水が排水出口ノズル91から排出される。該排水出口ノズル91を入りチューブ3の基端部31に挿着し、注入用短管14を入りチューブ3の先端部32に挿着して、透析機9から出る排水SLを入りチューブ3で装置本体1内へと導く。入りチューブ3はゴムホースのごとく変形,融通性のある可撓性ある細長管で、図1のごとく全長に少し余裕をもたせ、弛ませた状態で透析機9の排水出口ノズル91と装置本体1の注入用短管14とをつなぐ。なお、本実施形態は入りチューブ3,出チューブ4,バイパスチューブ5,オーバーフローチューブ7を全て耐薬品性、しなやかに屈曲自在にして操作性に優れるシリコーンゴム製とする。
出チューブ4は基端部41が前記流出用短管12に接続して、先端部42を放流口RGへと導く可撓性を有するゴム製又はプラスチック製チューブである。流出用短管12を出チューブ4の基端部41に挿着し、出チューブ4の先端部42を下水路につながる放流口RGまで配設する。出チューブ4が装置本体1を通過し中和剤2で中和処理された排水SSLを放流口RGまで導く。出チューブ4も変形,融通性のある可撓性ある細長管で、全長に少し余裕をもたせ、弛ませた状態で装置本体1の流出用短管12から放流口RGまでをつなぐ。
バイパスチューブ5は前記入チューブから分岐して、出口側が前記出チューブ4の経路途中に接続される(又は放流口RGへと導かれる)可撓性を有するゴム製又はプラスチック製チューブである。本実施形態は、図1のごとく入りチューブ3の途中に三方継手81を組込み、入りチューブ3から分岐する該三方継手のノズルをバイパスチューブ5の入口側51に挿着する。さらに該バイパスチューブ5の出口側52を出チューブ4の経路途中に接続する。出チューブ4の途中に三方継手83を組込み、出チューブ4から分岐する該三方継手のノズルをバイパスチューブ5の出口側52に挿着する。バイパスチューブ5も変形,融通性のある可撓性ある細長管である。全長に少し余裕をもたせ弛ませた状態で、入りチューブ3から分岐してバイパス経路をつくって出チューブ4の途中に接続される。
開閉弁6は該バイパスチューブ5の途中(又は前記入チューブ3から分岐する地点よりも入チューブ3の下流地点)に組み込まれる弁である。本実施形態はバイパスチューブ5の途中に開閉弁6を組み込む。開閉弁6は図1のごとくのコックで、該コックを開けてここを通過する排水をそのまま流したり、開閉弁6を閉じてここを通過しようとする排水を止めたりできる。
本実施形態はさらに前記上蓋13にオーバーフロー用短管17を設ける。そして該オーバーフロー用短管17に入口側71が接続され、出口側72が前記バイパスチューブ5又は出チューブ4の途中に接続されるオーバーフローチューブ7を設ける。
ここでのオーバーフロー用短管17は下半部が上蓋13に設けた注入用短管14の下半部と共用する一方、上半部が注入用短管14からY字状に分かれてオーバーフロー用短管17を形成する。該オーバーフロー用短管17の上半部の先をオーバーフローチューブ7の入口側71に挿着し、該オーバーフローチューブ7の出口側72をバイパスチューブ5の経路途中、詳しくは開閉弁6よりも下流側に位置する経路途中に接続する。ここでは、開閉弁6よりも下流側にあるバイパスチューブ5の途中に三方継手82を組込み、バイパスチューブ5から分岐する該三方継手のノズルをオーバーフローチューブ7の出口側72に挿着する。オーバーフローチューブ7も変形,融通性のある可撓性ある細長管で、全長に少し余裕をもたせ、弛ませた状態でオーバーフロー用短管17と開閉弁6よりも下流側のバイパスチューブ5の部位とをつなぐ。図2中、符号141,171,121は注入用短管14,オーバーフロー用短管17,流出用短管12のノズル外周面に設けた隆起部を示す。それぞれ入りチューブ3,出チューブ4,オーバーフローチューブ7との挿着一体化を容易にする。
なお、図面を省略するが、例えば図2の形状とした装置本体1の中にアルカリ性排水用の中和剤2bを充填したものを別に用意し、図1の酸性排水用の中和剤2aを充填した本実施形態品と並行に置いて、入りチューブ3が切替弁を介して両者につながり、また出チューブ4の基端部を二股にして両者につながるようにした中和処理装置とすることもできる。透析機9から酸性排水が排出された時は切替弁で本実施形態品側へ、アルカリ性排水が排出された時は切替弁でアルカリ性排水の中和剤2bを充填したものの方へ導くのである。酸性排水のみならずアルカリ性排水が排出される個人用透析機9にも適用でき一層好都合となる。両排水を中和処理が可能な中和処理装置となる。
また、一の有底筒体10の簀子板11上に酸性排水の中和剤2aの充填層とアルカリ性排水の中和剤2bの充填層を積み上げ充填して、酸性排水のみならずアルカリ性排水が排出される個人用透析機9にも適用可能な中和処理装置とすることもできる。
実施形態では装置本体1の有底筒体10を起立して用いたが、該装置本体1を横に寝かせて用いることもできる。液分配器15による排水SLの分配機能が弱まり、また中和剤2が排水中に浸かるため消耗度合いが高まるものの、排水SLの中和剤2による中和処理は行えるからである。
このように構成した中和処理装置は個別の個人用透析機9ごとに中和処理する装置なので、排水処理量が少なくなって小型化できる。個人用透析機9の脇に設置できるほどにコンパクト化された装置となる。
病院内さらに在宅透析などで個人用透析機9が単独使用されても支障をきたさない。個別対応して簡単に中和処理できる。個人用透析機9からの酸性に傾いた洗浄排水等の排水SLは注入用短管14から各個人用透析機専用の中和処理装置の装置本体1内へと導かれる。装置本体1内の簀子板11上に粒状中和剤2を充填すると共に、中和剤2の充填層よりも上方に液分配器15を設置していることから、酸性に傾いた排水を液分配器15で中和剤2の充填層に散水して流下させ、中和剤2の溶解により円滑に中和処理をなす。粒状物からなる中和剤2で充填層を形成するので、排水と接する中和剤2の濡れ面積が大きいことから、中和処理装置の一層の小型化を促すことができる(図3)。
本中和処理装置は簡単な構造ながら透析機9からの洗浄排水等の排水SLを安定的に且つ確実に中和処理できる
具体的には、在宅透析等で例えば透析の時間帯の排水はpHがほぼ中性である。斯る場合、開閉弁6を開けて、透析機9からの排水を入りチューブ3,三方継手81,バイパスチューブ5,開閉弁6,バイパスチューブ5,三方継手83,出チューブ4へと導き、一般下水道等の放流口RGへ送ることができる。中和処理が不要な排水はこれをそのまま下水道へ排出できる。
透析を終えて透析機9の機器洗浄を行った排水は、例えば酢酸などの酸洗浄による殺菌洗浄がなされた透析機洗浄排水は酸性に傾く。斯る場合は、開閉弁6を閉にすることによって、透析機9からの排水SLを入りチューブ3,注入用短管14を経て装置本体1内の中和剤2の充填層を通過させて簡単に中和処理できる。その中和処理された排水SSLは流出用短管12,出チューブ4を通過して一般下水道の放流口RGに導かれる。酸性排水の場合は下水管を傷める不具合が生じるが、本中和処理装置が取付けられた個人用透析機9の場合は中和処理されているのでそのような不具合は生じない。操作が頗る簡単であり、透析時に家族と一緒にいられるメリットがあるとされる在宅透析向け個人用透析機9の中和処理装置として優れた効果を発揮する。
さらに透析機9からの洗浄排水等の排水の流量に変動があっても、容易に対応できる中和処理装置になっている。オーバーフローチューブ7が設けられているので、余剰の流量は該オーバーフローチューブ7内に流れ込み、バイパスチューブ5又は出チューブ4の途中に接続されて放流口RGに達する。
そして、有底筒体10が充填塔の構造にして、液分配器15から降り落ちる排水は、粒状中和剤2を濡らしながら流下するので、その過程で中和剤2は中和処理に必要な分だけその排水に溶け込んでいく。簀子板11は装置本体1内を流下する排水の水切り板として働く。液槽等のように液中に中和剤2が長く浸かることがないので、中和剤2が不必要に消耗されない。透析機9からの洗浄排水等の排水を長期に亘って安定且つ確実に処理できる。装置本体1の入りチューブ3,注入用短管14まで排水を導けば、重力落差を利用して透析機9からの排水を難なく処理できる。透析機9からの排水の処理に何ら動力を要しない。
また本実施形態は中和剤2に水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物を用いているので、中和剤2を濡らすように液分配器15から透析機9からの排水を散水して流下させることによって、中和剤2が適度に溶解し上手く中和処理ができる。水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを主成分とする粒状物を用いているので、天然岩石粒子等に比べ中和反応が速く、充填塔の充填物のごとく濡らすだけで十分となる。塔本体1内に充填する量も少なくて済み、装置の小型化が達成される。海水法水酸化マグネシウムからなる中和剤2を用いると、粒子を大きくして沈降性,濾過性の良いものが得られることから、酸中和処理中にアクが出ず、且つ粒径も適度な大きさで、作業性,取扱いに一段と優れたものとなる。該中和剤2は劇薬等と違って特段の注意を払う必要がないので、楽で安心して取り扱える。
さらに、中和剤2の消耗度合いは装置本体1の有底筒体10が透明又は半透明なので、中和剤2の補充時期が容易に判る。有底筒体10の上部開口に上蓋13で着脱自在に蓋をするので、中和剤2がなくなったときに上蓋13を外して簡単に中和剤2を補充できる。中和剤2の装置本体1内への補充は、入チューブが可撓性のあるゴム製又はプラスチック製のチューブからなるので、自由度がありこれを簡単に取り外すことができその補充作業が円滑に進む。加えて、入チューブ3のみならず出チューブ4とバイパスチューブ5とオーバーフローチューブ7もそれぞれ可撓性のあるゴム製又はプラスチック製のチューブからなり、且つ弛みをもたせているので調整がきき、在宅透析で透析機及び本中和装置を動かし部屋の配置変えをしたいときにもその要求に応えることができる。入りチューブ3,出チューブ4,バイパスチューブ5等を金属製配管で配設された中和装置にあっては、部屋の壁ぎわに中和処理装置をセットしたくても該配管が邪魔になって壁ぎわに寄せることができなかったりするが、本中和処理装置は入りチューブ3,出チューブ4,バイパスチューブ5等が可撓性を有するため、壁ぎわで当たる入りチューブ3等のそのチューブ部分を曲げて所望の位置に透析機及び本中和装置を動かし簡単にセットできる。気分転換などで部屋の配置変えも思い通りになる。
また病院の大部屋から個室に移る場合でも、個人用透析機と本中和処理装置が一対で、他の患者のものと別個独立しているので、そのまま移動できる。従来のごとく透析機の洗浄排水を所定ベッド数ごとにまとめて合流させ、一台分の中和装置を設置している所ではその切り離しが大変であり、また個室に移ったときに切り離された状態のままであると排水処理ができなくなってしまうが、本発明によればこうした問題も解消できる。
さらに、装置本体1は従来の中和処理装置に比べて小さく、且つ軽量,廉価のプラスチック製品でできているので、カセット方式にして所定期間が過ぎたところで使い切り、交換するようにすれば、さほどコストもかからないことから装置本体1を常に衛生的に保つことができる。本中和処理装置はこのように安全性が高く且つ維持管理も容易である。
(2)実施形態2
本中和処理装置は図3のごとくの装置である。実施形態1と異なりバイパスチューブ5は存在しない。
装置本体1の有底筒体10の上部側面に注入用短管14を設け、個人用透析機9からの排水SLを、入りチューブ3によって該注入用短管14へと導く。また有底筒体10の底部側面に筒内と導通する流出用短管12を設け、基端部41が該流出用短管12に接続して、先端部を放流口RGへと導く出チューブ4を設ける。オーバーフロー用短管17は単独で上蓋13上に立設する。該オーバーフロー用短管17にオーバーフローチューブ7の入口側71が接続され、その出口側は出チューブ4の途中に接続される。出チューブ4の途中に三方継手84を組込み、出チューブ4から分岐する該三方継手84から突出するノズルをオーバーフローチューブ7の出口側に挿着する。
符号9は透析機、符号90は透析機本体、符号91は該透析機から出る排水SLの出口ノズル、符号91aは排水出口、符号95は透析機9の下板、符号96はキャスタである。符号Kは装置本体1を透析機9に係止する係止バンド、符号Kは透析機9から張り出して、有底筒体10の底部101を受け支える保持具、符号Kは透析機9から張り出して、装置本体1の上蓋13を支える保持具を示す。他の構成は実施形態1と同様でその説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このように構成した装置本体1もバイパスチューブ5を設けたことによる効果を除けば、実施形態1と同様の効果を発揮する。
尚、本発明においては、前記実施形態,実施例に示すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々変更できる。装置本体1,中和剤2,入りチューブ3,出チューブ4,バイパスチューブ5,開閉弁6,オーバーフローチューブ7等の形状,大きさ,材質等は用途に合わせて本発明の範囲内で適宜選択できる。
実施形態1の中和処理装置で、その全体斜視図である。 図1の装置本体周りの説明縦断面図である。 実施形態2で、透析機に設置した本中和処理装置の全体斜視図である。
符号の説明
1 装置本体
10 有底筒体
11 簀子板
12 流出用短管
13 上蓋
14 注入用短管
15 液分配器
2 中和剤
3 入りチューブ
4 出チューブ
5 バイパスチューブ
6 開閉弁
7 オーバーフローチューブ
9 個人用透析機
SL 排水
SSL 中和処理された排水

Claims (5)

  1. 有底筒体の下部に筒内を仕切る簀子板を設けると共に該簀子板より下方の有底筒体の底部に筒内と導通する流出用短管を設け、且つ有底筒体の上部開口に上蓋で着脱自在に蓋をして、有底筒体の上部又は該上蓋に筒内と導通する注入用短管を設けた装置本体(1)と、水に溶解して酸性又はアルカリ性を呈する粒状物にして、該装置本体内で前記簀子板上に充填される固形の中和剤(2)と、先端部が前記注入用短管に接続して個人用透析機からの排水を該注入用短管へと導く入チューブ(3)と、基端部が前記流出用短管に接続して先端部を放流口へと導く出チューブ(4)と、を具備し、前記個人用透析機からの排水が装置本体内を流下し該中和剤の溶解により中和処理されるようにしたことを特徴とする個人用透析機排水の中和処理装置。
  2. 前記簀子板上に充填された前記中和剤の充填層よりも上方の有底筒体の筒内に、前記個人用透析機からの排水を分配する液分配器(15)を設ける請求項1記載の個人用透析機排水の中和処理装置。
  3. 前記入チューブから分岐して、出口が前記出チューブの経路途中に接続されるか又は放流口へと導かれるバイパスチューブ(5)と、該バイパスチューブの途中、又は前記入チューブから分岐する地点よりも入チューブの下流地点に組み込まれる開閉弁(6)と、をさらに具備する請求項2記載の個人用透析機排水の中和処理装置。
  4. 前記上蓋にオーバーフロー用短管を設け、該オーバーフロー用短管に入口が接続され、出口が前記バイパスチューブ又は出チューブの途中に接続されるオーバーフローチューブ(7)をさらに具備する請求項2又は3に記載の個人用透析機排水の中和処理装置。
  5. 前記入チューブ(3)と前記出チューブ(4)と前記バイパスチューブ(5)と前記オーバーフローチューブ(7)が、それぞれ可撓性のあるゴム製又はプラスチック製のチューブからなる請求項4記載の個人用透析機排水の中和処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014050509A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Clean Chemical Kk 人工透析装置のプライミング用排液処理錠剤とこれを用いたプライミング方法
JP2016022226A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 キョーラク株式会社 血液浄化回路パネル
US10894117B2 (en) 2014-04-07 2021-01-19 Kyoraku Co., Ltd. Hollow molded article

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