JP2007075327A - イオントフォレーシス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通電時におけるガスの発生や好ましくないイオンの発生を抑止することができるイオントフォレーシス装置、或いは更に電極反応による薬物イオンの変質を抑止することができるイオントフォレーシス装置の提供。
【解決手段】作用側電極構造体10aは、電源30の給電線31に接続される電極11と、電極11に接触するイオン性液体を保持するイオン性液体保持部12と、イオン性液体保持部12の前面側に配置され、薬液を保持する薬物保持部15とを備える。イオン性液体を構成するアニオンは、PF 、BF 、AlCl 、ClO 、硫酸水素イオン、ビス−トリフルオロアルキルサルフォニル−イミド又はトリフルオロメタンサルフォネートから選択され、イオン性液体を構成するカチオンは、イミダゾリウム誘導体、ピリジニウム誘導体、ピペリジニウム誘導体、ピロリジニウム誘導体又はテトラアルキルアンモニウム誘導体から選択される。
【選択図】図2

Description

本発明は、イオントフォレーシス装置に関し、特に、電極構造体における好ましくない電極反応を抑止ないし抑制できるイオントフォレーシス装置に関する。
イオントフォレーシスは、溶液中においてプラス又はマイナスのイオンに解離した薬物を電圧により駆動して経皮的に生体内に移行させるものであり、患者に対する負担が少なく、薬物の投与量の制御性に優れるなどの利点を有している。
図5は、上記イオントフォレーシスを行うための装置であるイオントフォレーシス装置の基本的な構成を示す説明図である。
図示されるように、イオントフォレーシス装置は、電極111と、プラス又はマイナスの薬物イオンに解離する薬物の溶液(薬液)を保持する薬物保持部114とを有する作用側電極構造体110、電極121と、電解液を保持する電解液保持部122とを有する非作用側電極構造体120、及び電極111、121に両端を接続された電源130を備えており、薬物保持部114及び電解液保持部122を生体皮膚に接触させた状態で電極111に薬物イオンと同一導電型の電圧を、電極121にその反対導電型の電圧を印加することで薬物イオンが生体に投与される。
このようなイオントフォレーシス装置における解決課題の一つに電極構造体110、120中において生じる種々の電極反応がある。
例えば、薬物がプラスの薬物イオンに解離するカチオン性薬物である場合には、水の電気分解によって電極111においては水素イオンや酸素ガスが発生する場合があり、電極121においては水酸基イオンや水素ガスが発生する場合があり、薬物の種類によっては薬物イオンが電極反応によって変質する場合があり、更に、薬物保持部114に塩素イオンが含まれている場合には塩素ガスや次亜塩素酸が発生する場合がある。
同様に、薬物がマイナスの薬物イオンに解離するアニオン性薬物である場合には、水の電気分解によって電極111においては水酸基イオンや水素ガスが発生する場合があり、電極121においては水素イオンや酸素ガスが発生する場合があり、薬物の種類によっては薬物イオンが電極反応によって変質する場合があり、更に、電解液保持部122に塩素イオンが含まれている場合には塩素ガスや次亜塩素酸が発生する場合がある。
電極構造体110、120において上記のようなガスが発生した場合には、電極111、121から薬液、電解液への通電が阻害されることになり、水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸が発生した場合には、これらが生体界面に移行することで生体に有害な作用を及ぼすこととなる。また薬物の変質を生じると、所期の薬効が得られなくなったり、有毒性の物質が生成されるなどの好ましくない状況を生じる場合がある。
上記のような問題を解決できるイオントフォレーシス装置として、特許文献1は、陽極に銀電極、陰極に塩化銀電極が使用されるイオントフォレーシス装置を開示している。
このイオントフォレーシス装置では、通電によって陽極の銀は酸化されて不溶性の塩化銀となり、陰極では塩化銀が還元されて金属銀となる反応が優先的に生じるため、上記のような電極反応による各種ガスの発生や各種イオンの生成を抑制することができる。
しかしながら、このイオントフォレーシス装置では、装置の保存中における銀電極の溶解を防止することが難しく、特にカチオン性の薬物を投与する装置の場合には、適用できる薬物の種類が極めて限定されてしまう。また、銀電極から塩化銀が生成される際のモルフォロジー変化が大きいために、そのようなモルフォロジーの変化が装置の特性に影響を与えないための特別の配慮が必要となり、装置の形態に大きな制約を生じる問題もある。更に、このイオントフォレーシス装置では、必ずしも通電時の電極反応による薬物の変質の問題は解消されない。
上記の問題を解決できる他のイオントフォレーシス装置として、特許文献2は、図6に示すイオントフォレーシス装置を開示している。
図示されるように、このイオントフォレーシス装置は、電極211と、電極211に接触する電解液を保持する電解液保持部212と、電解液保持部212の前面側に配置される第2導電型のイオン交換膜213と、イオン交換膜213の前面側に配置される第1導電型の薬物イオンを含む薬液を保持する薬物保持部214と、薬物保持部214の前面側に配置される第1導電型のイオン交換膜215を備える作用側電極構造体210と、図9と同様の非作用側電極構造体220及び電極230とから構成されている。
このイオントフォレーシス装置では、電解液と薬液とが第2導電型の第2イオン交換膜213によって区画されているため、電解液の組成を薬液と独立に選択することが可能である。従って、塩素イオンを含まない電解液を使用することが可能であり、電解液中の電解質として、水の電気分解よりも酸化又は還元電位の低いものを選択することで、水の電気分解に起因する酸素ガスや水素ガス、水素イオンや水酸基イオンの生成を抑制することが可能である。更に、このイオントフォレーシス装置では、薬物イオンの電解液保持部への移行が第2イオン交換膜により遮断されるために、電極反応による薬物イオンの変質の問題も解決されている。
しかし特許文献2に記載のイオントフォレーシス装置では、薬物保持部214の薬液を電解液保持部212の電解液から完全に分離することが難しいという問題がある。
即ち、電解液保持部212の電解液中には一般に、電解質がイオン解離して生じる第1、第2導電型のイオン及び未解離の電解質分子が共存するが、上記第2導電型のイオンや電解質分子はイオン交換膜213を通過して薬物保持部214に移行し得るため、薬物イオンや電解質の種類又はその組み合わせによっては、装置を一定以上の期間に渡って存置するうちに、これらのイオン又は分子が薬物保持部214に移行して薬物イオンに作用し、薬効の低下や薬液の変色などの好ましくない影響を与える場合がある。
米国特許第4744787号公報 特開平4−297277号公報
本発明は、特許文献1、2と同様に、電極構造体中における酸素ガス、塩素ガス又は水素ガスの発生を抑止又は抑制することができるイオントフォレーシス装置であって、特許文献1、2とは異なる構成のイオントフォレーシス装置を提供することをその目的とする。
本発明は、特許文献1、2と同様に、電極構造体中における水素イオン、水酸基イオン又は次亜塩素酸の発生を抑止又は抑制することができるイオントフォレーシス装置であって、特許文献1、2とは異なる構成のイオントフォレーシス装置を提供することをもその目的とする。
本発明は、特許文献2と同様に、通電時における電極反応による薬物イオンの変質を抑止又は抑制することができるイオントフォレーシス装置であって、特許文献2とは異なる構成のイオントフォレーシス装置を提供することをもその目的とする。
本発明は、上記のようなガス又はイオンの発生、或いは薬物の変質を抑止又は抑制できるとともに、通電によって電極に大きなモルフォロジーの変化を生じさせないイオントフォレーシス装置を提供することをもその目的とする。
本発明は、上記のようなガス又はイオンの発生、或いは薬物の変質を抑止又は抑制できるとともに、特許文献2と同様に、通電時の電極反応による薬物イオンの変質を防止できるイオントフォレーシス装置であって、特許文献2とは異なる構成のイオントフォレーシス装置を提供することをもその目的とする。
本発明は、上記のようなガス又はイオンの発生、或いは薬物の変質を抑止又は抑制できるとともに、装置の存置中における薬物の変質や変色を生じる可能性を、特許文献2に記載のイオントフォレーシス装置よりも低減することができるイオントフォレーシス装置を提供することをもその目的とする。
本発明は、
第1導電型の電圧が印加される第1電極と、
前記第1電極に接触するイオン性液体を保持するイオン性液体保持部と、
前記イオン性液体保持部の前面側に配置され、第1導電型の薬物イオンを保持する薬物保持部とを有する作用側電極構造体を備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置である(請求項1)。
本発明では、第1電極からイオン性液体への通電は、イオン性液体を構成するカチオン又はアニオンが酸化又は還元することにより生じる。従って、酸素ガス、塩素ガス、水素ガスなどのガスの発生や水素イオン、水酸基イオン又は次亜塩素酸などの有害イオンの発生を伴うことなく、作用側電極構造体における通電を行うことが可能となる。
ここで本発明におけるイオン性液体とは、常温付近で液体として存在する溶融塩を言う。
本発明のイオン性液体を構成するアニオンは、PF 、BF 、AlCl 、ClO 、下式(1)の硫酸水素イオン(hydrogensulfate)、下式(2)のビス−トリフルオロアルキルサルフォニル−イミド(bis-trifluoroalkylsulfonyl-imide)又は下式(3)のトリフルオロメタンサルフォネート(trifluoromethanesulfonate)又はこれらの組み合わせから選択することができる。
Figure 2007075327
なお、式(2)におけるnは、任意の自然数である。
本発明のイオン性液体を構成するカチオンは、下式(4)のモノアルキルイミダゾリウム、下式(5)のジアルキルイミダゾリウム、下式(6)のトリアルキルイミダゾリウムを含むイミダゾリウム誘導体、下式(7)の1−アルキルピリジニウムを含むピリジニウム誘導体、下式(8)のジアルキルピペリジニウムを含むピペリジニウム誘導体、下式(9)の1−アルキルピロリジニウムを含むピロリジニウム誘導体又は下式(10)のテトラアルキルアンモニウムを含むテトラアルキルアンモニウム誘導体又はこれらの組み合わせから選択することができる。
Figure 2007075327
なお、式(4)〜(10)におけるR、R1〜R4は任意のアルキル基又はフルオロアルキル基である。
本発明におけるイオン性液体には、疎水性のものを使用することが好ましく(請求項2)、この場合には上記本発明の基本的な効果に加え、イオン性液体保持部と薬物保持部との分離性を高めることができるという追加的な効果を達成することができる。従って、イオン性液体を構成するアニオン又はカチオンが薬物保持部に移行して薬物イオンの変質、薬液の変色などを生じることや、生体への安全性が低下することを防止することが可能であり、或いは薬物イオンがイオン性液体保持部に移行して電極反応により変質することを防止することが可能である。
このような疎水性のイオン性液体は、アニオンとして上記ビス−トリフルオロアルキルサルフォニル−イミドを選択し、カチオンとして上に例示したいずれのカチオンを選択することにより構成することができる。
本発明におけるイオン性液体には、そのイオン性液体よりも酸化還元電位の低い電解質を配合することが好ましい(請求項5)。
即ち、イオン性液体の酸化還元電位は多くの場合3〜5V程度であるため、より低い印加電圧での薬物投与が望ましい場合には、そのイオン性液体よりも酸化還元電位の低い電解質を溶解させることにより、薬物投与のために第1電極に印加することが必要となる電圧を低下させることが可能である。
この場合の電解質には、酸化還元によりガスや有害イオンを発生させることがない電解質を選択することが好ましく、場合によっては、更にその電解質又はその電解質が解離することで生じるイオンが薬物保持部に移行した場合でも、薬物イオンの変質や薬液の変色などの現象を生じさせることのない電解質を選択することが好ましい。
なお請求項5の発明は、上述のようにイオン性液体の酸化還元電位が水の酸化還元電位(1.23V)よりも大幅に高いことから、特許文献2に記載のイオントフォレーシス装置の場合よりも犠牲電解質(溶媒であるイオン性液体又は水よりも酸化還元電位が低く、酸化還元によりガスや有害イオンを発生させることのない電解質、或いは更に、薬物保持部に移行した場合に薬物イオンの変質などの現象を生じさせない電解質)の選択の幅を広げることができるという利点を有している。
イオン性液体に配合することができる犠牲電解質としては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄などの無機化合物、アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムなどの医薬剤、乳酸などの皮膚面に存在する酸性化合物、あるいはシュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸などの有機酸及び/又はその塩を例示することができる。
請求項1〜5の発明では、
前記薬物保持部が、前記薬物イオン及び第2導電型の薬物対イオンを含む薬液を保持し、
前記作用側電極構造体が、
前記薬物保持部と前記イオン性液体保持部の間に、少なくとも前記薬物対イオンの通過を許容する半透膜を更に有することが好ましく(請求項6)、これにより、イオン性液体保持部と薬物保持部の分離をより確実なものとすることができる。
なお、ここでの半透膜としては、第2導電型のイオン交換膜を使用することが可能であり、この場合には、イオン性液体保持部から薬物保持部への通電が、薬物対イオンのイオン性液体保持部への移行により確保される一方、イオン性液体保持部に存在する第1導電型のイオンの薬物保持部への移行や、薬物イオンのイオン性液体保持部への移行を第2導電型のイオン交換膜により遮断することができる。従って、イオン性液体保持部の第1導電型のイオンが薬物保持部に移行して薬液を変質させること、或いは生体への安全性が低下することを防止することが可能となり、或いはイオン性液体保持部に移行した薬物イオンが電極反応により変質することを防止することが可能となる。
ここでの半透膜としては、薬物対イオンの通過を許容する一方、薬物イオン及び/又はイオン性液体保持部の第1導電型のイオンの通過を遮断できる分子量分画特性を有する濾過膜を使用することも可能であり、この場合も第2導電型のイオン交換膜を使用した場合と同様の効果を達成することができる。
請求項1〜6の発明では、作用側電極構造体が、薬物保持部の前面側に、第1導電型のイオン交換膜を更に備えることが好ましく(請求項7)、この場合には、この第1導電型のイオン交換膜により、薬物投与の際における生体対イオンの薬物保持部への移行が遮断されるため、薬物イオンの投与効率を上昇させることが可能である。
請求項1〜5の発明では、
前記薬物保持部が、前記薬物イオンがドープされた第1導電型のイオン交換膜から構成されており、
前記作用側電極構造体が、
前記半透膜の前面側に配置され、電解液を保持する電解液保持部と
前記イオン性液体保持部と前記薬物保持部の間に配置され、少なくとも前記電解液保持部の第2導電型のイオンの通過を許容する半透膜を更に備え、
前記薬物保持部が、前記電解液保持部の前面側に配置されているよう構成することが好ましく(請求項8)、これにより、イオン性液体保持部と電解液保持部及び/又は薬物保持部との分離をより確実なものとすることができる。
なお、ここでの半透膜としては、請求項6の発明について上記したと同様のイオン交換膜又は濾過膜を使用することができ、請求項6の発明と同様の効果が達成される。
加えて、請求項8の発明では、下記の追加的な効果が併せて達成される。
(1)第1導電型のイオン交換膜が生体対イオンの装置内への移行を遮断するため、薬物の投与効率を上昇させることができる。
(2)薬物イオンが保持されるイオン交換膜を生体皮膚に直接接触させた状態で薬物イオンの投与が行われるために、薬物イオンの投与効率を一層上昇させることができる。
(3)薬物イオンが第1イオン交換膜にドープされた状態で保持されるため、保存中における薬物イオンの安定性が高くなり、安定化剤、抗菌剤、防腐剤などの使用量の低減又は装置の保存期間の延長が可能となる。
請求項1〜8の発明では、
第2導電型の電圧が印加される第2電極と、
前記第2電極に接触するイオン性液体を保持する第2イオン性液体保持部と、
前記第2イオン性液体保持部の前面側に配置され、電解液を保持する第2電解液保持部とを有する非作用側電極構造体を更に備えることが好ましい(請求項9)。
かかる発明では、第2電極からイオン性液体への通電が、イオン性液体を構成するカチオン又はアニオンが酸化又は還元することにより生じるため、非作用側電極構造体においても、通電によりガスや有害イオンが発生する問題を解消することが可能である。
第2イオン性液体保持部は、イオン性液体保持部について上記したと同様のイオン性液体を同様の態様で保持することができる。
本発明は、
第1電極と、第1導電型の薬物イオンを保持する薬物保持部とを有する作用側電極構造体を備え、
前記第1電極に印加される第1導電型の電圧により前記薬物イオンを生体に投与するイオントフォレーシス装置であって、
第2導電型の電圧が印加される第2電極と、
前記第2電極に接触するイオン性液体を保持する第2イオン性液体保持部と、
前記第2イオン性液体保持部の前面側に配置され、電解液を保持する第2電解液保持部とを有する非作用側電極構造体を更に備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置とすることも可能である(請求項10)。
本発明における第2電極からイオン性液体への通電は、イオン性液体を構成するカチオン又はアニオンが酸化又は還元することにより生じる。従って、酸素ガス、窒素ガス、水素ガスなどのガスの発生や水素イオン、水酸基イオン又は次亜塩素酸などの有害イオンの発生を伴うことなく、非作用側電極構造体における通電を行うことが可能となる。
本発明における第2イオン性液体保持部は、イオン性液体保持部について上記したと同様のイオン性液体を同様の態様で保持することができる。
本発明における作用側電極構造体は、図5における作用側電極構造体110と同様の構成とすることも可能であるが、特許文献1又は2と同様の構成とすることによってガスや有害イオンの発生を抑制することも可能であり、本願請求項1の発明における作用側電極構造体と同様の構成とすることでガスや有害イオンの発生を抑制することも可能である。
本明細書において「薬物」の語は、調製されているか否かに関わらず、一定の薬効又は薬理作用を有し、病気の治療、回復又は予防、健康の増進又は維持、病状や健康状態などの診断、或いは美容の増進又は維持などの目的で生体に投与される物質の意味で用いている。
本明細書における「薬物イオン」は、薬物がイオン解離することにより生じるイオンであって、薬効又は薬理作用を担うイオンを意味する。薬物の薬物イオンへの解離は、薬物を水、アルコール類、酸、アルカリなどの溶媒に溶解させることにより生じるものであっても良く、更に電圧の印加やイオン化剤の添加等を行うことにより生じるものであっても良い。
本明細書における「薬液」は、薬物を溶媒に溶解させた液体状の溶液だけでなく、溶媒中において薬物の少なくとも一部が薬物イオンに解離する限り、薬物を溶媒に懸濁又は乳濁させたもの、軟膏状又はペースト状に調整されたものなど各種の状態のものを含む。
本明細書における「薬物対イオン」は、薬液中に存在するイオンであって、薬物イオンとは反対導電型のイオンを意味する。
本明細書における「皮膚」は、イオントフォレーシスによる薬物投与を行い得る生体表面を意味しており、例えば口腔内の粘膜なども含まれる。「生体」は人又は動物を意味する。
本明細書における「生体対イオン」は、生体の皮膚上又は生体内に存在するイオンであって、薬物イオンの反対導電型のイオンを意味する。
本明細書における「前面側」の語は、薬物投与に際しての電流経路上の位置関係が皮膚に近い側であることを意味し、「αの前面側に配置されるβ」は、薬物投与に際してβがαよりも皮膚に近い側に位置することを意味する。
本発明における「第1導電型」は、プラス又はマイナスの電気極性を意味し、「第2導電型」は第1導電型と反対の導電型(マイナス又はプラス)を意味する。
本発明におけるイオン性液体保持部に含まれるカチオン及びアニオンは、必ずしもそれぞれ単一種類である必要はなく、いずれか一方又は双方が複数種類であっても構わない。同様に、薬物保持部に含まれる薬物イオン及び薬物対イオン、或いは電解液保持部の電解液に含まれるプラスイオン及びマイナスイオンは、必ずしもそれぞれ単一種類である必要はなく、いずれか一方又は双方が複数種類であっても構わない。
イオン交換膜には、イオン交換樹脂を膜状に形成したものの他、イオン交換樹脂をバインダーポリマー中に分散させ、これを加熱成型などにより製膜することで得られる不均質イオン交換膜や、イオン交換基を導入可能な単量体、架橋性単量体、重合開始剤などからなる組成物や、イオン交換基を導入可能な官能基を有する樹脂を溶媒に溶解させたものを、布や網、或いは多孔質フィルムなどの基材に含浸充填させ、重合又は溶媒除去を行った後にイオン交換基の導入処理を行うことにより得られる均質イオン交換膜など各種のものが知られている。
より具体的には、カチオン交換膜としては、(株)トクヤマ製ネオセプタCM−1、CM−2、CMX、CMS、CMBなどの陽イオン交換基が導入されたイオン交換膜が使用でき、アニオン交換膜としては、例えば、(株)トクヤマ製ネオセプタAM−1、AM−3、AMX、AHA、ACH、ACSなどの陰イオン交換基が導入されたイオン交換膜を使用できる。
本明細書における「第1導電型のイオン交換膜」は、第1導電型のイオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜、即ち、第1導電型のイオンが、第2導電型のイオンよりも通過し易いイオン交換膜を意味する。第1導電型がプラスである場合には「第1導電型のイオン交換膜」はカチオン交換膜であり、第1導電型がマイナスである場合には「第1導電型のイオン交換膜」はアニオン交換膜である。
同様に、「第2導電型のイオン交換膜」は、第2導電型のイオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜、即ち、第2導電型のイオンが、第1導電型のイオンよりも通過し易いイオン交換膜を意味する。第2導電型がプラスである場合には「第2導電型のイオン交換膜」はカチオン交換膜であり、第2導電型がマイナスである場合には「第2導電型のイオン交換膜」はアニオン交換膜である。
カチオン交換膜に導入される陽イオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等を挙げることができ、強酸性基であるスルホン酸基を使用することにより、輸率の高いカチオン交換膜を得ることができるなど、導入する陽イオン交換基の種類によってイオン交換膜の輸率を制御することが可能である。
アニオン交換膜に導入される陰イオン交換基としては、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基、4級イミダゾリウム基等を挙げることができ、強塩基性基である4級アンモニウム基や4級ピリジニウム基を使用することにより、輸率の高いアニオン交換膜を得ることができるなど、導入する陰イオン交換基の種類によってイオン交換膜の輸率を制御することが可能である。
陽イオン交換基の導入処理としては、スルホン化、クロロスルホン化、ホスホニウム化、加水分解などの種々の手法が、また陰イオン交換基の導入処理としては、アミノ化、アルキル化などの種々の手法が知られているが、このイオン交換基の導入処理の条件を調整することにより、イオン交換膜の輸率を調整することが可能である。
また、イオン交換膜中のイオン交換樹脂量や膜のポアサイズなどによってもイオン交換膜の輸率を調整することが可能である。例えば、多孔質フィルム中にイオン交換樹脂が充填されたタイプのイオン交換膜の場合にあっては、0.005〜5.0μm、より好ましくは0.01〜2.0μm、最も好ましくは0.02〜0.2μmの平均孔径(バブルポイント法(JIS K3832−1990)に準拠して測定される平均流孔径)の多数の小孔が、20〜95%、より好ましくは30〜90%、最も好ましくは30〜60%の空隙率で形成された5〜140μm、より好ましくは10〜120μm、最も好ましくは15〜55μmの膜厚を有する多孔質フィルムを使用し、5〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、特に好ましくは20〜60質量%の充填率でイオン交換樹脂を充填させたイオン交換膜を使用することができるが、これらの多孔質フィルムが有する小孔の平均孔径、空隙率、イオン交換樹脂の充填率によってもイオン交換膜の輸率を調整することが可能である。
本明細書においてイオン交換膜について述べる「イオンの通過の遮断」は、必ずしも一切のイオンを通過させないことを意味するのではなく、例えば、ある程度の速度をもってイオンの通過が生じる場合であっても、その程度が小さいが故に実用上十分な期間に渡って装置を保存しても通電の際に薬物の電極近傍での変質が生じない程度に薬物イオンの通過が抑制され、或いは薬物の投与効率を十分に高めることができる程度に生体対イオンの通過が抑制される場合などが含まれる。
同様に、本明細書においてイオン交換膜について述べる「イオンの通過の許容」は、イオンの通過に一切の制約が生じないことを意味するのではなく、イオンの通過がある程度制約される場合であっても、反対導電型のイオンに比較して十分に高い速度又は量をもって通過させる場合を含む。
本明細書において半透膜について述べる「イオン又は分子の通過の遮断」、「イオン又は分子の通過の許容」も上記と同様であり、イオンや分子を一切通過させないことや、イオンや分子の通過に一切の制限を生じないことを意味するものではない。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るイオントフォレーシス装置Xの概略構成を示す説明図である。
なお、以下では、説明の便宜上、薬効成分がプラスの薬物イオンに解離する薬物(例えば、塩酸リドカインや塩酸モルヒネなど)を投与するためのイオントフォレーシス装置を例として説明するが、薬効成分がマイナスの薬物イオンに解離する薬物(例えば、アスコルビン酸など)を投与するためのイオントフォレーシス装置の場合は、以下の説明における電源の極、各イオン交換膜の導電型、及びドーピング層やカチオン交換膜にドープされるイオンの導電型を逆転させることで、以下の実施態様と実質的に同一の効果を達成できるイオントフォレーシス装置を構成することができる。
図示されるように、イオントフォレーシス装置Xは、電源30と、電源30のプラス極と給電線31により接続された作用側電極構造体10及び電源30のマイナス極と給電線32により接続された非作用側電極構造体20から構成されている。
作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20は、その内部に以下に述べる各種の構造を収容できる空間が形成された容器17、27を備えている。
この容器17、27はプラスチックなどの任意の素材から形成することができるが、好ましくは内部からの水分の蒸発や外部からの異物の侵入を防ぐことができ、生体の動きや皮膚の凹凸に追随できる柔軟な素材から形成される。容器17、27の下面17b、27bは開放されているが、イオントフォレーシス装置Xの保存中における水分の蒸発や異物の混入を防ぐための適宜の材料からなる取り外し可能なライナーを下面17b、27b貼付することが可能であり、容器17、27の下端縁17e、27eには、薬物投与の際に皮膚との密着性を高めるための粘着剤層を設けることが可能である。
電源30としては、電池、定電圧装置、定電流装置、定電圧・定電流装置などを使用することができ、0.01〜1.0mA/cm、好ましくは、0.01〜0.5mA/cmの範囲で電流調整が可能であり、50V以下、好ましくは、30V以下の安全な電圧条件で動作する定電流装置を使用することが好ましい。
イオントフォレーシス装置Xは、作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20の下面17b、27bを生体皮膚に当接させた状態で電源30からの通電を行うことにより薬物イオンの生体への投与が行われる。
図2(A)〜(H)は、上記イオントフォレーシス装置Xの作用側電極構造体10として使用することができる作用側電極構造体10a〜10hの構成を示す断面説明図である。
図2(A)の作用側電極構造体10aは、電源30の給電線31に接続される電極11と、電極11に接触するイオン性液体を保持するイオン性液体保持部12と、イオン性液体保持部12の前面側に配置され、薬液を保持する薬物保持部15とを備えている。
電極11には、任意の導電性材料よりなる電極を特段の制限無しに使用することができ、電極11のモルフォロジー変化を避けるためには、銀などよりなる活性電極を使用するよりも、金、白金、カーボンなどよりなる不活性電極を使用することが好ましい。
イオン性液体保持部12のイオン性液体は、PF 、BF 、AlCl 、ClO 、硫酸水素イオン、ビス−トリフルオロアルキルサルフォニル−イミド又はトリフルオロメタンサルフォネート又はこれらの組み合わせから選択されるアニオンと、イミダゾリウム誘導体、ピリジニウム誘導体、ピペリジニウム誘導体、ピロリジニウム誘導体又はテトラアルキルアンモニウム誘導体又はこれらの組み合わせから選択されるカチオンとから構成される常温溶融塩である。
上記イオン性液体のアニオンとして、ビス−トリフルオロアルキルサルフォニル−イミドを選択した場合には、イオン性液体に疎水性の性状を付与することができ、従って、イオン性液体保持部12のイオン性液体と薬物保持部15の薬液の分離性を高めることができる。
また上記イオン性液体には、イオン性液体よりも酸化電位の低い電解質を配合することも可能であり、これにより電極11からイオン性液体保持部12への通電を生じさせるのに要する電圧を低減することが可能である。
このような目的に使用可能な電解質としては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸又はその塩を例示することができる。
イオン性液体保持部12は、イオン性液体を液体状態で保持することが可能であるが、適当な吸収性の担体(例えば、ポリイミド多孔膜、ポリテトラフルオロエチレン微多孔膜など微多孔性体やスポンジ状の高分子)にイオン性液体を含浸させた状態で保持するものとすることも可能であり、これにより、イオン性液体保持部12のイオン性液体と薬物保持部15の薬液との分離性を高めることが可能である。
薬物保持部15の薬液は、薬効成分がプラスの薬物イオンに解離する薬物の溶液である。薬物保持部15は、薬液を液体状態で保持することができるが、ガーゼ、濾紙、ゲルなどの適当な吸収性の担体に薬液を含浸させて保持することで、イオン性液体保持部12のイオン性液体と薬物保持部15の薬液との分離性を高めることが可能である。
作用側電極構造体10aでは、薬物保持部15を生体皮膚に当接させた状態で電極11にプラス電圧を印加することで、薬物保持部15の薬物イオンが生体に投与される。この場合の電極11からイオン性液体保持部12への通電は、イオン性液体を構成するアニオン又はカチオンが酸化されることにより生じる。或いは、イオン性液体にイオン性液体よりも酸化電位の低い電解質が配合されている場合には、電極11からイオン性液体保持部12への通電は、その電解質が酸化されることにより生じる。従って、従来のイオントフォレーシス装置において問題とされていた通電による酸素ガスや塩素ガスの発生、水素イオン、次亜塩素酸の生成が抑制される。
イオン性液体保持部12から薬物保持部15への通電は、主として薬物保持部15中の薬物対イオンがイオン性液体保持部12に移行することにより生じる。
なお、イオン性液体を構成するカチオンとして上記したものはいずれも疎水性であるため、イオン性液体保持部12から薬物保持部15への通電によって、イオン性液体を構成するカチオンが薬物保持部15に移行することは殆ど生じない。従って、イオン性液体を構成するカチオンが薬物保持部15に移行することによる薬物イオンの変質や生体への安全性の低下などの問題を回避することができる。
薬効成分がマイナスの薬物イオンに解離する薬物を投与するイオントフォレーシス装置にあっては、通電の際におけるイオン性液体を構成するアニオンの薬物保持部15への移行を防止する必要がある場合には、イオン性液体を構成するアニオンとして疎水性のビス−トリフルオロアルキルサルフォニル−イミドを選択することでこの移行を抑止することができる。
図2(B)の作用側電極構造体10bは、作用側電極構造体10aと同様の電極11、イオン性液体保持部12及び薬物保持部15を備えるとともに、イオン性液体保持部12と薬物保持部15の間にアニオン交換膜13を備えている。
作用側電極構造体10bでは、作用側電極構造体10aについて上記したと同様の効果が達成されることに加え、薬物イオンのイオン性液体保持部12への移行やイオン性液体保持部12中のプラスイオン(イオン性液体を構成するカチオン、及びイオン性液体に配合した電解質が解離することで生じるプラスイオン)の薬物保持部15への移行がアニオン交換膜13により遮断されるため下記の追加的な効果が達成される。
(1)電極反応による薬物イオンの変質が防止される。
(2)イオン性液体保持部12から薬物保持部15に移行したプラスイオンにより薬物イオンが変質したり、生体への安全性が低下することが防止される。
上記効果をより十全なものとするためには、アニオン交換膜13にはなるべく輸率の高いアニオン交換膜を使用することが好ましく、多孔質フィルムの孔中にアニオン交換樹脂を充填したタイプのアニオン交換膜を使用することが特に好ましい。
図2(C)の作用側電極構造体10cは、作用側電極構造体10aと同様の電極11、イオン性液体保持部12及び薬物保持部15を備えるとともに、薬物保持部15の前面側にカチオン交換膜16を備えている。
作用側電極構造体10cでは、作用側電極構造体10aについて上記したと同様の効果が達成されることに加え、生体側から薬物保持部15への生体対イオンの移行がカチオン交換膜16により遮断されるため、薬物投与における薬物イオンの輸率が上昇するという追加的な効果が達成される。
図2(D)の作用側電極構造体10dは、作用側電極構造体10bと同様の電極11、イオン性液体保持部12、アニオン交換膜13及び薬物保持部15を備えるとともに、薬物保持部15の前面側にカチオン交換膜16を備えている。
作用側電極構造体10dでは、作用側電極構造体10bについて上記したと同様の効果が達成されることに加え、生体側から薬物保持部15への生体対イオンの移行がカチオン交換膜16により遮断されるため、薬物投与における薬物イオンの輸率が上昇するという追加的な効果が達成される。
なお、作用側電極構造体10c、10dでは、薬物イオンの輸率を上昇させる効果を高めるためには、カチオン交換膜16になるべく輸率の高いカチオン交換膜を使用することが好ましく、多孔質フィルムの孔中にカチオン交換樹脂を充填したタイプのカチオン交換膜を使用することが特に好ましい。
作用側電極構造体10b、10dにおけるアニオン交換膜13は、薬物対イオンの通過を許容する一方、薬物イオン及び/又はイオン性液体保持部12中のプラスイオンの通過を遮断できる濾過膜に置換することも可能であり、この場合も作用側電極構造体10b、10dと同様の効果を達成することが可能である。
図2(E)の作用側電極構造体10eは、作用側電極構造体10aと同様の電極11、イオン性液体保持部12を備えるとともに、イオン性液体保持部12の前面側に配置された電解液を保持する電解液保持部14、及び電解液保持部14の前面側に配置された薬物イオンがドープされたカチオン交換膜16からなる薬物保持部15を備えている。
電解液保持部14は、イオン性液体保持部12から薬物保持部15への導通性を確保するための任意の電解液を保持することが可能であるが、通電中の薬物イオンの輸率をより高くするためには、移動度が薬物イオンと同程度又はそれ以下のプラスイオンを含まない電解液を使用することが好ましい。
電解液保持部14は、電解液を液体状体で保持することが可能であるが、ガーゼ、濾紙、ゲルなどの適当な吸収性の担体に電解液を含浸させて保持することで、イオン性液体保持部12のイオン性液体と電解液保持部14の電解液との分離性を高めることが可能である。
カチオン交換膜16には、作用側電極構造体10c、10dのカチオン交換膜と同様のものを使用することができ、このカチオン交換膜16への薬物イオンのドープは、カチオン交換膜16を適当な濃度の薬液に浸漬することにより行うことができる。カチオン交換膜16への薬物イオンのドープ量は、このときに使用する薬液の濃度や浸漬時間、浸漬回数などにより調整することができる。なお、薬物イオンはカチオン交換膜16にドープされることにより、カチオン交換膜16中のカチオン交換基にイオン結合するものと考えられる。
作用側電極構造体10eにおける電極11からイオン性液体保持部12への通電は作用側電極構造体10aと同様の態様により生じるため、通電による酸素ガスや塩素ガスの発生、水素イオン、次亜塩素酸の生成を抑制することができる。
またイオン性液体保持部12から電解液保持部14への通電は、主として電解液保持部14中のマイナスイオンがイオン性液体保持部12に移行することにより生じ、電解液保持部14から薬物保持部15への通電は、電解液保持部14中のプラスイオンが薬物保持部15に移行することにより生じる。薬物保持部15のカチオン交換膜16にドープされた薬物イオンは、電解液保持部14からのプラスイオンに置換されて生体に投与される。
作用側電極構造体10eでは、作用側電極構造体10aについて上記したと同様の効果に加え、次の追加的な効果が達成される。
(1)カチオン交換膜16が生体対イオンの薬物保持部15への移行を遮断するため、薬物イオンの投与効率が上昇する。
(2)薬物イオンがドープされたカチオン交換膜16を生体皮膚に直接接触させた状態で薬物イオンの投与が行われるために、薬物イオンの投与効率が更に上昇する。
(3)薬物イオンがカチオン交換膜16にドープされた状態で保持されるため、保存中における薬物イオンの安定性が高くなり、安定化剤、抗菌剤、防腐剤などの使用量の低減又は装置の保存期間の延長が可能となる。
図2(F)の作用側電極構造体10fは、作用側電極構造体10eと同様の電極11、イオン性液体保持部12、電解液保持部14及び薬物保持部15を備えるとともに、イオン性液体保持部12と電解液保持部14の間にアニオン交換膜13を備えている。
このアニオン交換膜13には、作用側電極構造体10bについて上記したと同様のアニオン交換膜を使用することができる。
作用側電極構造体10fでは、作用側電極構造体10eについて上記したと同様の効果が達成されることに加え、イオン性液体保持部12と電解液保持部14間でのプラスイオンの移動が遮断されるために下記の追加的な効果が達成される。
(1)カチオン交換膜16中の薬物イオンが電解液保持部14を経てイオン性液体保持部12に移行することが防止されるため、通電時の電極反応による薬物イオンの変質が防止される。
(2)イオン性液体保持部12中のプラスイオンが電解液保持部14を経て薬物保持部15に移行することが防止されるため、薬物イオンの変質が防止され、或いは生体への安全性が低下することが防止される。
作用側電極構造体10fにおけるアニオン交換膜13は、電解液保持部14中のマイナスイオンの通過を許容する一方、イオン性液体保持部12中のプラスイオン(特にイオン性液体を構成するカチオン)の通過を遮断できる濾過膜に置換することも可能であり、この場合も作用側電極構造体10fと同様の効果を達成することが可能である。
図2(G)の作用側電極構造体10gは、イオン性液体保持部12と薬物保持部15の間に2つの電解液保持部14A、14Bを備え、アニオン交換膜13がこの2つの電解液保持部14A、14Bの間に配置されている点においてのみ作用側電極構造体10fと相違している。
作用側電極構造体10gは、作用側電極構造体10fについて上記したと同様のメカニズムにより同様の効果を達成する。
図2(H)の作用側電極構造体10hは、作用側電極構造体10eと同様の電極11、イオン性液体保持部12、電解液保持部14及び薬物保持部15を備えるとともに、電解液保持部14と薬物保持部15の間にアニオン交換膜13を備えている。
作用側電極構造体10hにおけるアニオン交換膜13には、例えば、輸率が0.7〜0.98など、ある程度輸率の低いアニオン交換膜が使用される。
作用側電極構造体10hにおける電極11からイオン性液体保持部12への通電、及びイオン性液体保持部12から電解液保持部14への通電は、作用側電極構造体10eについて上記したと同様の態様で生じる。
電解液保持部14から薬物保持部15への通電は、電解液保持部14内のプラスイオンがアニオン交換膜13を通過して薬物保持部15に移行することにより生じる。薬物保持部15のカチオン交換膜16にドープされた薬物イオンは、電解液保持部14からのプラスイオンに置換されて生体に移行する。
従って、作用側電極構造体10hは、作用側電極構造体10fと同様の効果を達成する。
図3(A)〜(D)は、上記イオントフォレーシス装置Xの非作用側電極構造体20として使用することができる非作用側電極構造体20a〜20dの構成を示す断面説明図である。
図3(A)の非作用側電極構造体20aは、給電線32に接続される電極21と、電極21に接触する電解液を保持する電解液保持部24を備えている。
電極21には塩化銀などよりなる活性電極を使用することで、水の電気分解による水素ガスや水酸基イオンの発生を防止することが可能であるが、後述のように、電解液保持部24の電解液として、水よりも還元電位の低い電解質を溶解した電解液を使用する場合には、金、白金、カーボンなどよりなる不活性導電極を使用することも可能である。
電解液保持部24は、電極21から生体への通電性を確保するための任意の電解液を保持することが可能であるが、水よりも還元電位の低い電解質を溶解した電解液や、複数種類の電解質を溶解した緩衝電解液を使用することにより、電極反応による水素ガスの発生や水素イオンの生成によるpH変動を抑止することが可能である。
この電解液中の電解質として好ましく使用できるものとしては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄などの無機化合物、アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムなどの医薬剤、乳酸などの皮膚面に存在する酸性化合物、あるいはシュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸などの有機酸及び/又はその塩を例示することができる。
電解液保持部24は、電解液を液体状体で保持することが可能であるが、ガーゼ、濾紙、ゲルなどの適当な吸収性の担体に電解液を含浸させて保持することでその取り扱い性等を向上させることができる。
非作用側電極構造体20aは、作用側電極構造体10の対極としての役割を担うことができ、非作用側電極構造体20aによって、電源30のプラス極から作用側電極構造体10、生体、非作用側電極構造体20aを経て電源30のマイナス極に至る電流経路が閉じられる。
図3(B)の非作用側電極構造体20bは、給電線32に接続される電極21と、電極21に接触するイオン性液体を保持するイオン性液体保持部22及びイオン性液体保持部22の前面側に配置された電解液保持部24を備えている。
非作用側電極構造体20bの電極21には、任意の導電性材料よりなる電極を特段の制限無しに使用できるが、電極21のモルフォロジー変化を避けるためには、塩化銀などよりなる活性電極を使用するよりも、金、白金、カーボンなどよりなる不活性電極を使用することが好ましい。
イオン性液体保持部22は、イオン性液体保持部12と同様の構成とすることができる。
電解液保持部24は、イオン性液体保持部12から生体への通電性を確保するための電解液を保持するものであり、生体への安全性の高い生理食塩水など任意の電解液を保持することができる。
電解液保持部24は、電解液を液体状体で保持することが可能であるが、ガーゼ、濾紙、ゲルなどの適当な吸収性の担体に電解液を含浸させて保持することでイオン性液体保持部22のイオン性液体と電解液保持部24の電解液との分離性を高めることが可能である。
非作用側電極構造体20bでは、電極21からイオン性液体保持部22への通電は、イオン性液体を構成するアニオン又はカチオンが還元されることにより生じ、或いはイオン性液体にイオン性液体よりも還元電位の低い電解質が配合されている場合には、その電解質が還元されることにより生じる。
従って、非作用側電極構造体20bは、非作用側電極構造体20aと同様の役割を果たすことに加え、従来のイオントフォレーシス装置において問題とされていた通電による水素ガスや水酸基イオンの生成が抑制されるという追加的な効果を達成する。
図3(C)の非作用側電極構造体20cは、非作用側電極構造体20bと同様の電極21、イオン性液体保持部22及び電解液保持部24を備えることに加え、イオン性液体保持部22と電解液保持部24の間に配置されるカチオン交換膜23を更に備えている。
非作用側電極構造体20cでは、非作用側電極構造体20bについて上記したと同様の効果が達成されることに加え、イオン性液体保持部22から電解液保持部24へのマイナスイオンの移行がカチオン交換膜23により遮断される。従って、イオン性液体保持部22中のマイナスイオンが電解液保持部24に移行した場合に生じうる生体への安全性の低下を防止することができる。
なお、この効果をより十全なものとするためには、カチオン交換膜23にはなるべく輸率の高いカチオン交換膜を使用することが好ましく、多孔質フィルムの孔中にカチオン交換樹脂を充填したタイプのカチオン交換膜を使用することが特に好ましい。
図3(D)の非作用側電極構造体20dは、非作用側電極構造体20cと同様の電極21、イオン性液体保持部22、カチオン交換膜23及び電解液保持部24を備えることに加え、電解液保持部24の前面側に配置されるアニオン交換膜25を更に備えている。
非作用側電極構造体20dは、非作用側電極構造体20cについて上記したと同様の効果が達成されることに加え、電解液保持部24の前面側にアニオン交換膜25が配置されているために、アニオン交換膜25と皮膚の界面におけるイオンバランスをより良好に保つことができるという追加的な効果が達成される。
図4(A)〜(C)は、上記イオントフォレーシス装置Xの作用側電極構造体10として使用することができる作用側電極構造体10i〜10kであって、非作用側電極構造体20b、20c又は20dと組み合わせて使用されることで本発明に係るイオントフォレーシス装置Xを構成することができる作用側電極構造体10i〜10kの構成を示す断面説明図である。
図4(A)の作用側電極構造体10iは、電源30の給電線31に接続される電極11と、電極11に接触する薬液を保持する薬物保持部15とを備えている。
作用側電極構造体10iの薬物保持部15は、作用側電極構造体10aの薬物保持部15と同様の構成とすることができ、電極反応による酸素ガスや塩素ガスの発生、或いは水素イオンの生成を防止するため、電極11に銀電極を使用することができる。
作用側電極構造体10iを備えるイオントフォレーシス装置Xでは、作用側電極構造体10iから生体に薬物イオンが投与される一方、非作用側電極構造体20b〜20dにおけるガスの発生や有害イオンの生成がイオン性液体により抑制されるという効果が達成される。
図4(B)の作用側電極構造体10jは、電源30の給電線31に接続される電極11と、電極11に接触する電解液を保持する電解液保持部14と、電解液保持部14の前面側に配置されるアニオン交換膜13と、アニオン交換膜13の前面側に配置され、薬液を保持する薬物保持部15とを備えている。
作用側電極構造体10jにおける薬物保持部15は、作用側電極構造体10aの薬物保持部と同様の構成とすることができ、作用側電極構造体10jのアニオン交換膜13には、作用側電極構造体10bについて上記したと同様のアニオン交換膜を使用することができる。
作用側電極構造体10jでは、電解液保持部14の電解液として、水よりも酸化電位の低い電解質を溶解した電解液や、複数種類の電解質を溶解した緩衝電解液を使用することが可能であり、この場合には、電極11に、金、白金、カーボンなどの不活性電極を使用したとしても、電極反応による水素ガスや水素イオンの発生を防止することが可能である。
作用側電極構造体10jでは、作用側電極構造体10iと同様の効果が達成されることに加え、薬物保持部15から電解液保持部14への薬物イオンの移行がアニオン交換膜13によって遮断されるため、通電時の電極反応による薬物イオンの変質が防止できるという追加的な効果が達成される。
図4(C)の作用側電極構造体10kは、作用側電極構造体10jと同様の電極11、電解液保持部14、アニオン交換膜13及び薬物保持部15を備えることに加え、薬物保持部15の前面側に配置されたカチオン交換膜16を更に備えている。
このカチオン交換膜16には、作用側電極構造体10cについて上記したと同様のカチオン交換膜を使用することができる。
作用側電極構造体10kでは、作用側電極構造体10jと同様の効果が達成されることに加え、生体側から薬物保持部15への生体対イオンの移行がカチオン交換膜16により遮断されるため、薬物イオンの輸率の上昇という追加的な効果を達成することができる。
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態では、電源の両極にそれぞれ単一の作用側電極構造体及び非作用側電極構造体が接続される場合について説明したが、作用側電極構造体及び非作用側電極構造体のいずれか一方又は双方を複数とすることも可能である。この場合の複数の作用側電極構造体の少なくとも一つが請求項1に規定される作用側電極構造体であるイオントフォレーシス装置、或いは複数の非作用側電極構造体の少なくとも一つが請求項11に規定される非作用側電極構造体であるイオントフォレーシス装置は、本発明の範囲に含まれる。
また上記実施形態では、イオントフォレーシス装置が非作用側電極構造体を備える場合を例として説明したが、イオントフォレーシス装置そのものには非作用側電極構造体を設けないことも可能である。即ち、生体皮膚に作用側電極構造体を当接させ、アースとなる部材にその生体の一部を接触させた状態で作用側電極構造体に電圧を印加して薬物の投与を行うことも可能であり、この場合も、通電時における作用側電極構造体での酸素ガスや水素ガス、塩素ガスなどの発生、或いは水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸の生成が抑制されるという本発明の基本的な効果は達成されるのであり、そのようなイオントフォレーシス装置も本発明の範囲に含まれる。
また上記実施形態では、電源の一方の極に接続された作用側電極構造体のみから薬物イオンの投与が行われる場合について説明したが、電源の双方の極にそれぞれ一又は複数の作用側電極構造体を接続し、電源の双方の極に接続された一又は複数の作用側電極構造体から正負の薬物イオンが同時に投与されるようにすることも可能である。この場合、これらの作用側電極構造体の少なくとも一つが請求項1に規定される作用側電極構造体であるイオントフォレーシス装置は、本発明の範囲に含まれる。
また、上記実施形態では、作用側電極構造体、非作用側電極構造体及び電源がそれぞれ別体として構成されている場合について説明したが、これらの要素を単一のケーシング中に組み込み、或いはこれらを組み込んだ装置全体をシート状又はパッチ状に形成して、その取扱性を向上させることも可能であり、そのようなイオントフォレーシス装置も本発明の範囲に含まれる。
本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置の概略構成を示す説明図。 (A)〜(H)は、本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置の作用側電極構造体の構成を示す断面説明図。 (A)〜(D)は、本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置の非作用側電極構造体の構成を示す断面説明図。 (A)〜(C)は、本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置の作用側電極構造体の構成を示す断面説明図。 従来のイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。 従来の他のイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。
符号の説明
X イオントフォレーシス装置
10 作用側電極構造体
10a〜10k 作用側電極構造体
11 電極
12 イオン性液体保持部
13 アニオン交換膜
14 電解液保持部
15 薬物保持部
16 カチオン交換膜
17 容器
20 非作用側電極構造体
20a〜20d 非作用側電極構造体
21 電極
22 イオン性液体保持部
23 カチオン交換膜
24 電解液保持部
25 アニオン交換膜
30 電源
31、32 給電線
110、210 作用側電極構造体
111、211、121 電極
212 電解液保持部
213 イオン交換膜
114、214 薬物保持部
215 イオン交換膜
120、220 非作用側電極構造体
122 電解液保持部
130、230 電源

Claims (10)

  1. 第1導電型の電圧が印加される第1電極と、
    前記第1電極に接触するイオン性液体を保持するイオン性液体保持部と、
    前記イオン性液体保持部の前面側に配置され、第1導電型の薬物イオンを保持する薬物保持部とを有する作用側電極構造体を備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 前記イオン性液体が疎水性であることを特徴とする請求項1に記載のイオントフォレーシス装置。
  3. 前記イオン性液体を構成するアニオンがビス−トリフルオロアルキルサルフォニル−イミドであることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオントフォレーシス装置。
  4. 前記イオン性液体を構成するカチオンがイミダゾリウム誘導体、ピリジニウム誘導体、ピペリジニウム誘導体、ピロリジニウム誘導体又はテトラアルキルアンモニウム誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  5. 前記イオン性液体に、前記イオン性液体よりも酸化、還元電位の低い電解質が溶解されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  6. 前記薬物保持部が、前記薬物イオン及び第2導電型の薬物対イオンを含む薬液を保持し、
    前記作用側電極構造体が、
    前記薬物保持部と前記イオン性液体保持部の間に、少なくとも前記薬物対イオンの通過を許容する半透膜を更に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  7. 前記作用側電極構造体が、
    前記薬物保持部の前面側に、第1導電型のイオン交換膜を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  8. 前記薬物保持部が、前記薬物イオンがドープされた第1導電型のイオン交換膜から構成されており、
    前記作用側電極構造体が、
    前記イオン性液体保持部の前面側に配置され、電解液を保持する電解液保持部と
    前記イオン性液体保持部と前記薬物保持部の間に配置され、少なくとも前記電解液保持部の第2導電型のイオンの通過を許容する半透膜を更に備え、
    前記薬物保持部が、前記電解液保持部の前面側に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  9. 第2導電型の電圧が印加される第2電極と、
    前記第2電極に接触するイオン性液体を保持する第2イオン性液体保持部と、
    前記第2イオン性液体保持部の前面側に配置され、電解液を保持する第2電解液保持部とを有する非作用側電極構造体を更に備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  10. 第1電極と、第1導電型の薬物イオンを保持する薬物保持部とを有する作用側電極構造体を備え、
    前記第1電極に印加される第1導電型の電圧により前記薬物イオンを生体に投与するイオントフォレーシス装置であって、
    第2導電型の電圧が印加される第2電極と、
    前記第2電極に接触するイオン性液体を保持する第2イオン性液体保持部と、
    前記第2イオン性液体保持部の前面側に配置され、電解液を保持する電解液保持部とを有する非作用側電極構造体を更に備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
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