JP2007073678A - ガラス基板搬送用梱包構造、および、ガラス基板搬送用梱包方法 - Google Patents

ガラス基板搬送用梱包構造、および、ガラス基板搬送用梱包方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境に配慮してガラス基板間での紙の使用を廃止しかつ効率良くガラス基板を搬送できるガラス基板搬送用梱包構造を提供する。
【解決手段】ガラス基板搬送用梱包構造1は、ベース部材10と、ベース部材10上に立設された支持部材20と、支持部材20に支持されるガラス基板積層体30と、ガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定する固定部材50とを備えている。ガラス基板積層体30では、隣接するガラス基板31同士間に水溶性のパウダー32を介在させている。これにより、従来のような合紙や保護紙の使用を廃止することができ、環境悪化を防ぐと共にガラス基板31の搬送コストを低減できる。また、各ガラス基板31同士間の間隔を小さくできるので、ベース部材10にガラス基板31を載置できる枚数が増えて搬送効率を向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数のガラス基板を搬送するために前記複数のガラス基板を梱包するガラス基板搬送用梱包構造、および、ガラス基板搬送用梱包方法に関する。
従来、プラズマディスプレイパネルや液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなど、ガラス基板上に高精細パターンが形成されたディスプレイパネルがある。例えば、プラズマディスプレイパネルは、放電空間を介して互いに対向配置された一対の平面ガラス基板である前面基板および背面基板を備えている。
上記前面基板の内面側には、放電ギャップを介して対向する複数の透明電極およびこれら透明電極の一端部に積層するバス電極を備えた複数の表示電極対、これら表示電極対間に設けられた複数のブラックストライプ、これら表示電極対およびブラックストライプ上を覆う誘電体層および保護膜、などがそれぞれ設けられている。
一方、上記背面基板の内面側には、前面基板の表示電極と略直交する複数のアドレス電極、これらアドレス電極上を覆うアドレス電極保護層、このアドレス電極保護層上に設けられ放電空間を複数個の放電セルに区画するストライプ状または井桁状の隔壁、前記放電セル内部のそれぞれに充填された赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体層、などがそれぞれ設けられている。
このような表示電極対やブラックストライプ、アドレス電極などの高精細パターンが形成される前面基板および背面基板となるガラス基板は、厚さ0.5〜2mm程度の長方形状の基板である。そして、当該ガラス基板は、その表面状態が高精度に平滑であることが要求され、微小なキズがつかないよう細心の注意が払われる。このようなガラス基板は、ガラス基板製造メーカーで製造されて、例えば図1に示すようなガラス基板搬送用梱包構造で多数枚のガラス基板がまとめられた状態でプラズマディスプレイパネルの製造ラインまで搬送される。ここで、図1は、従来のガラス基板搬送用梱包構造を模式的に示した側面図である。
図1において、ガラス基板搬送用梱包構造900は、ベース部材910と、このベース部材910上に立設された支持部材920と、ベース部材910上で支持部材920に支持されるガラス基板積層体930と、このガラス基板積層体930を保護しかつ支持部材920に対向して配置された保護部材940と、この保護部材940を支持部材920側に付勢してガラス基板積層体930を支持部材920に対して固定する固定部材950とを備えている。
支持部材920は、ガラス基板積層体930を支持する傾斜面921を有し、この傾斜面921上にはガラス基板積層体930を保護するための複数の緩衝部材922が設けられている。ガラス基板積層体930は、多数枚のガラス基板931が積層され、これらガラス基板931の間に例えば100%バージンパルプからなる複数の合紙932が介在されて構成されている。
この合紙932により、ガラス基板931同士間での摩擦接触によるガラス基板931のキズの発生を防止している。また、各ガラス基板931をガラス基板搬送用梱包構造900から取り出して製造ラインに導入するに当たり、積層されたガラス基板931同士の密着性を下げて、採板性悪化が生じることを防止している。このようにして、高精細パターンが形成されるガラス基板の表面が基板搬送の段階で傷つくことを防ぎ、かつ、一度に大量のガラス基板を搬送可能としている。
また、従来、同様に保護紙を間に介在させて複数のガラス基板を積層して搬送するガラス基板搬送用パレットが知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の構成では、ガラス基板搬送用パレットは、ベース部材と、該ベース部材上に立設され、一方の面に傾斜面を有する支持部材と、該支持部材の両側に設けられた保持アームと、一対の保持アーム間に着脱自在に装着される押圧部材と、該押圧部材に移動可能に設けられた押圧プレートと、前記ベース部材上で前記傾斜面に支持されるガラス基板積層体と、前記押圧プレートに支持されて該ガラス基板積層体を保持する保護プレートとを備えている。そして、ガラス基板積層体は、複数のガラス基板の表面および側部を保護紙にて覆うように積層されている、という構成が採用されている。
このようにして、上記の図1に示した構成と同様に、大量のガラス基板を収納してガラス基板を傷つけることなく搬送することが可能とされている。
特開2000−353739号公報
しかしながら、図1に示した従来の構成では合紙932を使用しており、また、上記特許文献1に記載の構成では保護紙を使用している点において、多量の紙を消費してしまい、森林破壊などの環境問題の原因となってしまうおそれがある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みて、環境に配慮してガラス基板間での紙の使用を廃止しかつ効率良くガラス基板を搬送できるガラス基板搬送用梱包構造、および、ガラス基板搬送用梱包方法を提供することを1つの目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数のガラス基板を搬送するために前記複数のガラス基板を梱包するガラス基板搬送用梱包構造であって、ベース部材と、前記ベース部材上に立設された支持部材と、前記ベース部材上で前記支持部材に支持されるガラス基板積層体と、前記ガラス基板積層体を前記支持部材に対して固定する固定部材とを備え、前記ガラス基板積層体は、前記複数のガラス基板が積層されて、隣接する前記ガラス基板同士間に水溶性の粉体を介在させて構成されていることを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガラス基板搬送用梱包構造において、前記水溶性の粉体は、水溶性の洗剤からなることを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のガラス基板搬送用梱包構造において、前記支持部材は前記ガラス基板積層体を支持する傾斜面を有していることを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガラス基板搬送用梱包構造において、前記ガラス基板は、プラズマディスプレイパネルの前面基板および背面基板の少なくともいずれか一方であることを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造である。
請求項5に記載の発明は、複数のガラス基板を搬送するために前記複数のガラス基板を梱包するガラス基板搬送用梱包方法であって、隣接する前記ガラス基板同士間に水溶性の粉体を介在させた状態で、前記ガラス基板を複数積層してガラス基板積層体を構成し、ベース部材上に立設された支持部材にて、前記ベース部材上で前記ガラス基板積層体を支持させ、固定部材にて前記ガラス基板積層体を前記支持部材に対して固定することを特徴とするガラス基板搬送用梱包方法である。
以下に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るガラス基板搬送用梱包構造を模式的に示した側面図である。
〔ガラス基板搬送用梱包構造の構成〕
ガラス基板搬送用梱包構造1は、プラズマディスプレイパネルの前面基板および背面基板となるガラス基板を複数同時に搬送するための梱包構造である。
このガラス基板搬送用梱包構造1は、図2に示すように、ベース部材10と、このベース部材10上に立設された支持部材20と、ベース部材10上で支持部材20に支持されるガラス基板積層体30と、このガラス基板積層体30を保護しかつ支持部材20に対向して配置された保護部材40と、この保護部材40を支持部材20側に付勢してガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定する固定部材50とを備えている。
ベース部材10は、支持部材20が立設されかつガラス基板積層体30を支持する台座部11と、この台座部11に略垂直に立設した立上部12とを備えている。このベース部材10を移動することにより、複数のガラス基板31を同時に搬送可能としている。
支持部材20は、ガラス基板積層体30を支持する傾斜面21を有し、この傾斜面21上には複数の緩衝部材22が設けられている。
傾斜面21は、台座部11に対して所定の角度で傾斜した状態となっている。この傾斜面21により、ガラス基板31を台座部11上に配置していく際に安定して配置できるようになり、また、ガラス基板積層体30を安定して搬送できるようになる。
緩衝部材22は、例えばスポンジ材やゴム材などであり、支持部材20に対向するガラス基板の表面が支持部材20で傷つけられることを防止し、かつ、搬送中にガラス基板積層体30が破損することが防止可能となる。
ガラス基板積層体30は、多数枚のガラス基板31が傾斜面21と平行する状態で積層され、これらガラス基板31の間に水溶性の洗剤であるパウダー32が介在されて構成されている。なお、図2では、説明の簡易化のためにパウダー32の粒径を著しく大きく表現している。
ガラス基板31は、その大きさが例えば数十cm×1m〜数十cm×1.5mであり、その厚さは例えば1.8〜3.0mm程度である。また、積層可能枚数は、例えば十数枚程度である。
パウダー32は、例えば、市販されている洗濯用粉石けんなどの水溶性洗剤からなる。そして、ガラス基板31の表面に一様かつ均一に付着されている。このようなパウダー32は、ガラス基板31の使用の際に水にて洗い落とされ、ガラス基板31の表面を洗浄する洗剤として機能する。そして、パウダー32により、ガラス基板31同士間での摩擦接触によるガラス基板31のキズの発生が防止可能となっている。また、積層されたガラス基板31同士の密着性を下げて、採板性悪化が生じないようになっている。
保護部材40は、ガラス基板積層体30の支持部材20に当接する側の反対側におけるガラス基板31の一端面に当接され、当該一端面全体を覆う板状部材である。
固定部材50は、例えば所定の弾性を有した樹脂バンドであり、保護部材40の一端面および両側部と、各ガラス基板31の両側部と、支持部材20の両側部と、ベース部材10における立上部12の両側部とに亘って巻き回す状態に設けられている。これにより、保護部材40が支持部材20側に付勢されて、保護部材40および支持部材20にてガラス基板積層体30が挟持される状態となり、搬送時に積層された各ガラス基板31が位置ズレしないようになっている。
〔プラズマディスプレイパネルの製造動作〕
次に、上記したガラス基板搬送用梱包構造1を使用してプラズマディスプレイパネルを製造する動作について説明する。
まず、ガラス基板の梱包方法について説明する。プラズマディスプレイパネルの前面基板および背面基板となる複数のガラス基板31の両端面に、パウダー32を一様に付着させる。そして、一枚目のガラス基板31をベース部材10の台座部11および支持部材20の傾斜面21に載置する。さらに、2枚目以降のガラス基板31を前のガラス基板31に順に積層し、ベース部材10の台座部11に載置していく。所定の枚数のガラス基板31の積層が完了したら、最後に積層したガラス基板31の一端面を保護部材40で覆い、固定部材50にてガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定する。これにより、複数のガラス基板31の梱包作業が終了し、ガラス基板搬送用梱包構造1が搬送可能な状態となる。
この際、傾斜面21が台座部11に対して所定の角度で傾斜しているので、各ガラス基板31を傾斜面21に立て掛ける状態で台座部11上に配置していく時に、各ガラス基板31が転倒してしまうことがない。また、各ガラス基板31を傾斜面21に立て掛ける状態に台座部11上に配置するので、台座部11の載置面積が狭小であっても多数のガラス基板31を載置することが可能である。さらに、各ガラス基板31同士間には、従来のような保護紙を介在させる代わりに、パウダー32を介在させるので、各ガラス基板31同士間の間隔がより小さくなり、台座部11に載置可能なガラス基板31の枚数が従来よりも増える。
次に、上記のガラス基板搬送用梱包構造1をプラズマディスプレイパネルの製造ラインまで搬送する。
この際、各ガラス基板31は台座部11上において傾斜面21に立て掛けられた状態となっているので、各ガラス基板31の自重の殆どが台座部11に掛かり、各ガラス基板31同士間には大きな摩擦力が発生しない。また、各ガラス基板31同士間にはパウダー32が介在しているので、ガラス基板31同士間での摩擦接触によるガラス基板31のキズが発生しない。
この後、固定部材50による固定を解除し、保護部材40を取り外す。そして、各ガラス基板31をガラス基板搬送用梱包構造1から取り出して、プラズマディスプレイパネルの製造ラインへと導入する。
この際、各ガラス基板31同士間にはパウダー32が介在しているので、積層されたガラス基板31同士の密着性が下がり、各ガラス基板31は一枚ずつスムーズに取り出されて、複数枚のガラス基板31が密着してまとまった状態で製造ラインに導入されることがない。
次に、ガラス基板搬送用梱包構造1から取り出されたガラス基板31は、プラズマディスプレイパネルの製造ラインにおいて、最初の工程である洗浄工程にて水洗される。
この際、パウダー32はガラス基板31の表面を洗浄するための洗剤として機能するので、洗浄工程にて使用される洗浄用洗剤の使用量が大幅に削減されるか、あるいは、当該洗浄用洗剤を使用しなくて済む。
プラズマディスプレイパネルの前面基板の製造ラインでは、上記のようにしてガラス基板の表面を洗浄した後、当該ガラス基板の内面側の全面に透明電極材料層を形成して、フォトリソグラフィ法などにより複数の透明電極対を形成する。この透明電極対上にスクリーン印刷法などによりAg(銀)ペーストのパターンを積層形成してバス電極対を形成する。そして、これらバス電極対間に黒色微粒子を含んだブラックペーストをスクリーン印刷法などにより塗布して複数のブラックストライプを形成する。さらに、透明電極対、バス電極対およびブラックパターンを被覆する状態にダイコータなどによりガラスペーストを塗布して誘電体層を形成する。そして、この誘電体層の上にMgOなどによる保護層を成膜形成して、プラズマディスプレイパネルの前面基板が完成する。
一方、プラズマディスプレイパネルの背面基板の製造ラインでは、上記のようにしてガラス基板の表面を洗浄した後、当該ガラス基板の内面側の全面に金属薄膜を形成して、フォトリソグラフィ法によりアドレス電極パターンを形成する。このアドレス電極上にガラスペーストを塗布して、当該ガラスペーストを成形・焼成することによりアドレス電極保護層および複数の隔壁を形成する。そして、これら隔壁間に形成された放電セル内部にスクリーン印刷法などにより赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体ペーストを塗布して蛍光体層を形成して、プラズマディスプレイパネルの背面基板が完成する。
〔ガラス基板搬送用梱包構造およびガラス基板搬送用梱包方法の効果〕
上述したように、上記実施形態におけるガラス基板搬送用梱包構造およびガラス基板搬送用梱包方法によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)ガラス基板搬送用梱包構造1に、ベース部材10と、ベース部材10上に立設された支持部材20と、ベース部材10上で支持部材20に支持されるガラス基板積層体30と、ガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定する固定部材50とを設けている。そして、ガラス基板積層体30は、複数のガラス基板31を積層して構成し、隣接するガラス基板31同士間に水溶性のパウダー32を介在させている。
このようなパウダー32は、ガラス基板31の使用の際には水洗するだけで簡易に取り除くことができる。
これにより、従来のように合紙や保護紙を使用する代わりにガラス基板31間にパウダー32を介在させているので、合紙や保護紙の使用を廃止することができ、環境が悪化することを防ぐことができる。そして、合紙や保護紙の使用を廃止することでガラス基板31の搬送コストを低減することができる。
また、合紙や保護紙をガラス基板31間に介在させる従来の構成よりも、各ガラス基板31同士間の間隔を小さくでき、台座部11に載置可能なガラス基板31の枚数を増やすことができる。つまり、ガラス基板31の搬送効率を向上できる。
そして、各ガラス基板31をガラス基板搬送用梱包構造1から取り出す際にも、積層されたガラス基板31同士の密着性をパウダー32により下げることができるので、各ガラス基板31を一枚ずつスムーズに取り出すことができる。このため、複数枚のガラス基板31が密着した状態で製造ラインに導入されることを防ぐことができ、歩留まりの低下を防ぐことができる。
したがって、環境に配慮してガラス基板間での紙の使用を廃止しかつ効率良くガラス基板を搬送できる。
(2)水溶性のパウダー32は、水溶性の洗剤からなる。
これにより、ガラス基板31の使用の際には水洗するだけでパウダー32を簡易に取り除くことができ、この際、ガラス基板31の表面をパウダー32にて洗浄することができる。
(3)支持部材20はガラス基板積層体30を支持する傾斜面を有している。
これにより、各ガラス基板31を傾斜面21に立て掛ける状態で台座部11上に配置していく時に、各ガラス基板31が転倒してしまうことを防ぐことができる。このため、各ガラス基板31が破損することもなく歩留まりの低下を防ぐことができる。
また、各ガラス基板31を傾斜面21に立て掛ける状態に台座部11上に配置するので、台座部11の載置面積が狭小であっても多数のガラス基板31を載置することが可能である。
さらに、ガラス基板搬送用梱包構造1の搬送の際には、各ガラス基板31は台座部11上において傾斜面21に立て掛けられた状態となっているので、各ガラス基板31の自重の殆どが台座部11に掛かり、各ガラス基板31同士間に大きな摩擦力が発生することを防ぐことができる。
(4)ガラス基板31は、プラズマディスプレイパネルの前面基板および背面基板の少なくともいずれか一方である。
これにより、プラズマディスプレイパネルの製造工程における洗浄工程では、パウダー32がガラス基板31の表面を洗浄する洗剤として機能するので、洗浄工程にて使用される洗浄用洗剤の使用量を大幅に削減することができる、あるいは、当該洗浄用洗剤を使用せずに済ませることができる。このため洗浄工程にて使用される洗浄機のメンテナンスが容易となり、ガラス基板の搬送からプラズマディスプレイパネルの製造までの全体の流れにおいて必要な洗浄用洗剤の使用量が従来と変わらなくて済む。したがって、合紙や保護紙を使用しない分以上に、プラズマディスプレイパネルの全体的な製造コストを低減することができる。
(5)以上のような、本発明は、ガラス基板搬送用梱包構造としてのみならず、ガラス基板搬送用梱包方法としても成立し得るものである。すなわち、ガラス基板搬送用梱包方法は、隣接するガラス基板31同士間に水溶性のパウダー32を介在させた状態で、ガラス基板31を複数積層してガラス基板積層体30を構成し、ベース部材10上に立設された支持部材20にて、ベース部材10上でガラス基板積層体30を支持させ、固定部材50にてガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定するものである。
このような方法によれば上記(1)に示したガラス基板搬送用梱包構造の効果と同様の効果を奏することができる。すなわち、環境に配慮してガラス基板間での紙の使用を廃止しかつ効率良くガラス基板を搬送できる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、プラズマディスプレイパネルの前面基板および背面基板となるガラス基板31を本発明のガラス基板搬送用梱包構造1にて梱包・搬送して、プラズマディスプレイパネルを製造する構成について例示したが、これに限らない。すなわち、本発明のガラス基板搬送用梱包構造1は、液晶表示パネルや有機ELパネル、FED、電気泳動ディスプレイパネルなど、ガラス基板上に高精細パターンが形成されたディスプレイパネルの当該ガラス基板を搬送する場合にも適用できる。また、ディスプレイパネルのガラス基板以外にも、多量のガラス基板をキズがつかない状態で同時に搬送する必要があるいずれの場合にも適用できる。
前記実施形態では、パウダー32は水溶性洗剤からなるとしたが、これに限らない。すなわち、パウダー32は、洗剤として機能しない水溶性の粉体でもよい。この場合でも、前記実施形態と同様に、環境に配慮してガラス基板間での紙の使用を廃止しかつ効率良くガラス基板を搬送できる。
前記実施形態では、ベース部材10は台座部11およびこれに略垂直に立設した立上部12とを備えているとしたが、これに限らない。すなわち、例えば矩形箱型など、ベース部材10の形状は複数のガラス基板を載置可能な形状であればいずれでもよい。また、ガラス基板搬送用梱包構造1の搬送中に、パウダー32が空気中の水分を吸収しないように、ベース部材10をカバーで覆い内部に除湿剤を設けるなどしてもよい。
前記実施形態では、図2に示すようにガラス基板搬送用梱包構造1には固定部材50が1つだけ設けられているが、複数の固定部材50が設けられる構成でもよい。この場合、複数の固定部材50にてガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定するので、より確実に各ガラス基板31の位置ズレを防ぐことが可能となる。
前記実施形態では、ガラス基板搬送用梱包構造1に保護部材40が設けられる構成としたが、これに限らず、保護部材40を設けない構成としてもよい。この場合、保護部材40を設けない分だけガラス基板搬送用梱包構造1に掛かるコストを低減することができる。また、固定部材50に保護部材40の機能を持たせる構成とすることもできる。
〔実施形態の作用効果〕
上述したように、前記実施形態では、ガラス基板搬送用梱包構造1は、ベース部材10と、ベース部材10上に立設された支持部材20と、ベース部材10上で支持部材20に支持されるガラス基板積層体30と、ガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定する固定部材50とを備えている。そして、ガラス基板積層体30は、複数のガラス基板31を積層し、隣接するガラス基板31同士間に水溶性のパウダー32を介在させて構成している。このようなパウダー32は、ガラス基板31の使用の際には水洗するだけで簡易に取り除くことができる。これにより、従来のような合紙や保護紙の使用を廃止することができ、環境保全に貢献できると共にガラス基板31の搬送コストを低減できる。また、各ガラス基板31同士間の間隔を小さくできるので、ガラス基板31の載置可能な枚数を増やすことができ、ガラス基板31の搬送効率を向上できる。さらに、各ガラス基板31をガラス基板搬送用梱包構造1から取り出す際にも、積層されたガラス基板31同士の密着性をパウダー32により下げることができるので、各ガラス基板31を一枚ずつスムーズに取り出すことができる。したがって、環境に配慮してガラス基板間での紙の使用を廃止しかつ効率良くガラス基板を搬送できる。
また、前記実施形態におけるガラス基板搬送用梱包方法は、隣接するガラス基板31同士間に水溶性のパウダー32を介在させた状態で、ガラス基板31を複数積層してガラス基板積層体30を構成し、ベース部材10上に立設された支持部材20にて、ベース部材10上でガラス基板積層体30を支持させ、固定部材50にてガラス基板積層体30を支持部材20に対して固定するものである。このような方法によれば、上記ガラス基板搬送用梱包構造1と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、環境に配慮してガラス基板間での紙の使用を廃止しかつ効率良くガラス基板を搬送できる。
従来のガラス基板搬送用梱包構造を模式的に示した側面図。 本発明の一実施形態に係るガラス基板搬送用梱包構造を模式的に示した側面図。
符号の説明
1…ガラス基板搬送用梱包構造
10…ベース部材
20…支持部材
21…傾斜面
30…ガラス基板積層体
31…ガラス基板
32…パウダー(水溶性の粉体)
50…固定部材

Claims (5)

  1. 複数のガラス基板を搬送するために前記複数のガラス基板を梱包するガラス基板搬送用梱包構造であって、
    ベース部材と、
    前記ベース部材上に立設された支持部材と、
    前記ベース部材上で前記支持部材に支持されるガラス基板積層体と、
    前記ガラス基板積層体を前記支持部材に対して固定する固定部材とを備え、
    前記ガラス基板積層体は、前記複数のガラス基板が積層されて、隣接する前記ガラス基板同士間に水溶性の粉体を介在させて構成されている
    ことを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造。
  2. 請求項1に記載のガラス基板搬送用梱包構造において、
    前記水溶性の粉体は、水溶性の洗剤からなる
    ことを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガラス基板搬送用梱包構造において、
    前記支持部材は前記ガラス基板積層体を支持する傾斜面を有している
    ことを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガラス基板搬送用梱包構造において、
    前記ガラス基板は、プラズマディスプレイパネルの前面基板および背面基板の少なくともいずれか一方である
    ことを特徴とするガラス基板搬送用梱包構造。
  5. 複数のガラス基板を搬送するために前記複数のガラス基板を梱包するガラス基板搬送用梱包方法であって、
    隣接する前記ガラス基板同士間に水溶性の粉体を介在させた状態で、前記ガラス基板を複数積層してガラス基板積層体を構成し、
    ベース部材上に立設された支持部材にて、前記ベース部材上で前記ガラス基板積層体を支持させ、
    固定部材にて前記ガラス基板積層体を前記支持部材に対して固定する
    ことを特徴とするガラス基板搬送用梱包方法。
JP2005257940A 2005-09-06 2005-09-06 ガラス基板搬送用梱包構造、および、ガラス基板搬送用梱包方法 Withdrawn JP2007073678A (ja)

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