JP2007072098A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】投射レンズと、投射位置調整装置とを備えたプロジェクタは、投射位置調整装置の補助板84、および、ダイアル871の間に介在配置され、投射レンズのX軸方向移動範囲の中心を検知する基準位置検知機構10を備えており、基準位置検知機構10は、ダイアル871の裏面に形成された螺旋レール11と、補助板84に取り付けられ、ダイアル871の回転に応じて螺旋レール11内に摺接する摺接部材12と、螺旋レール11内に形成され、投射レンズがX軸方向移動範囲の中心に到達した際に摺接部材12と係合するレール係合穴112とを備えている。
【選択図】図15
Description
プロジェクタを使用する際に、プロジェクタの設置姿勢はそのままに、投射画像をスクリーン上の高さ方向又は左右方向にずらして表示させたい場合がある。このようなニーズに対応して、投射位置調整装置を備えるプロジェクタが提供されている(例えば、特許文献1参照)。投射位置調整装置とは、投射レンズを、投射方向に対して直交する面内に沿って移動させることができる装置である。このような投射位置調整装置を備えることで、プロジェクタは、投射画像をスクリーン上の高さ方向又は左右方向にずらして表示させることができる。
ユーザによりダイアルが一方の向きに回転されると、投射位置調整装置は、投射方向に対して直交する面に沿って、投射レンズを例えば左方に移動させる。すると、投射画像もスクリーン上を左方に移動する。一方、ユーザがダイアルを反対の向きに回転させると、投射位置調整装置は、投射方向に対して直交する面に沿って、投射レンズを右方に移動させる。すると、投射画像もスクリーン上を右方に移動する。
このように、投射レンズは、ダイアルの回転向きに応じて、投射方向に対して直交する移動経路を往復移動する。
本発明によれば、ユーザは、ダイアルを手で回転させながら、プロジェクタの投射位置を調整する。すると、プロジェクタの投射位置調整装置ではダイアルの回転に応じて移動部材が移動され、移動部材に支持された投射光学装置が、投射方向に直交する面上の移動経路に沿って移動する。このとき、基準位置検知機構では、ダイアルの回転に応じて、摺接部が案内部に摺接される。
これによれば、ユーザは、ダイアルを回転させて投射位置の調整をしている際に、ダイアルの振動またはクリック音が感じられたときの投射位置を、基準位置として認識することができる。従って、本発明のプロジェクタは、投射位置の調整時に、投射位置が基準位置に到達されたことを、比較的簡単な構成で、ユーザに分かり易く伝えることができる。
さらに、係合部は案内部底部の凹部であるので、簡単に形成できる。また押圧される力により、凹部に係合する摺接部も簡単な構成とすることができる。
移動部材の移動範囲が比較的大きい投射位置調整装置では、移動部材を一方向に移動させるためにダイアルが複数回転される。しかし、投射基準位置が、投射光学装置の移動経路の中心点など、移動経路上でひとつしかない場合、摺接部と係合部の係合・解除は、ダイアルの一方向の回転において、1回のみ行なわれることが好ましい。
すなわち、案内部内に形成された係合部が1つである場合、ダイアルの一方向の回転において、摺接部および係合部の係合・解除は、一回のみ行なわれる。従って、本発明は、移動部材の移動範囲が大きい投射位置調整装置を備えるプロジェクタに対しても、適用することができる。
ここで、駆動機構としては、例えば、互いに噛み合った複数のギアを備え、これらギアが、ダイアルの回転に応じて駆動して移動部材を移動させる構成を採用することができる。
しかし、ダイアルをこれまでの回転向きと反対向きに回転させると、ギアとギアの噛み合わせにガタが生じ、基準位置検知機構において、摺接部および係合部の係合が投射基準位置からずれるという誤差が生じる恐れがある。
本発明では、摺接部において、摺接部本体の一対の挿通孔、および、基部の一対の突起部は、それぞれ回転方向に対称となる位置に形成されており、突起部が挿通孔に挿通されている。これにより、摺接部本体が、ダイアルの回転方向に直交する方向に揺動しようとしても、挿通孔の縁が突起部に引っ掛かるため、摺接部本体の回転方向に直交する方向への揺動が規制される。従って、本発明によれば、摺接部本体が、基部に対して、ダイアルの回転方向に直交する方向へガタつくことを抑制することができる。
本発明によれば、投射位置調整装置において、移動部材が駆動機構により移動終端位置まで移動された際に、基準位置検知機構において、摺接部が回転規制部に係合される。摺接部が回転規制部に係合されることから、ダイアルはこれ以上回転することができなくなる。すなわち、本発明のプロジェクタは、移動部材が移動終端位置に到達するとダイアルの回転を規制する。
従って、本発明のプロジェクタは、移動部材が移動終端位置に到達した後もさらにダイアルが回転されることによって投射位置調整装置の各部材に負荷がかかってしまうことを防止することができる。
〔1.外観構成〕
図1および図2は、プロジェクタ1の外観を示す斜視図である。具体的に、図1は、プロジェクタ1を前面上方側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を背面上方側から見た斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1または図2に示すように、略直方体状の外装筺体2、およびこの外装筺体2から露出する投射光学装置としての投射レンズ3を備える。
投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、プロジェクタ1の装置本体により画像情報に応じて変調された画像光を拡大投射する。
アッパーケース21は、図1または図2に示すように、外装筺体2の天面、側面の一部、背面の一部、および前面の一部をそれぞれ形成する天面部21A、側面部21B(図2参照),21C(図1参照)、背面部21D(図2参照)、および前面部21E(図1参照)を含んで構成される。
この天面部21Aにおいて、前方側であって、前方から見て右側部分には、図1または図2に示すように、2つの開口部21A1,21A2が形成されている。この2つの開口部21A1,21A2は、投射レンズ3を操作可能としスクリーン(図示略)上に投射された投影画像の投射位置調整を実施するためのダイアル861,871の一部をそれぞれ露出させる。
図1または図2に示すように、2つのダイアル861,871のうち、ダイアル861をY1方向(前方向)に回転させると、投射レンズ3が−Y方向(下方)に動き、ダイアル861をY2方向(後方向)に回転させると、投射レンズ3が+Y方向(上方)に動くこととなる。また、ダイアル871をX1方向(プロジェクタ1後方から見て右方向)に回転させると、投射レンズ3が−X方向(右方向)に動き、ダイアル871をX2方向(プロジェクタ1後方から見て左方向)に回転させると、投射レンズ3が+X方向(左方向)に動くこととなる。
なお、投射位置調整装置8の詳細な構造については後述する。
なお、前述した操作パネル24の回路基板は、制御基板(図示略)と電気的に接続され、操作ボタン241の押下に伴う操作信号は、前記制御基板に出力される。
これらのうち背面部21Dにおいて、背面側から見て左側部分には、図2に示すように、下端縁から上方側に向けて平面視コ字状の切り欠き21D1が形成されている。
また、前面部21Eには、図1に示すように、下端縁から上方側に向けて平面視コ字状の切り欠き21E1が形成されている。
底面部22Aは、具体的な図示は省略するが、略矩形状の平坦面で構成されている。そして、この底面部22Aには、机等の接地面に接地する複数の脚部や、プロジェクタ1内部に外部の冷却空気を導入するための吸気口が形成されている。
これらのうち背面部22Dにおいて、背面側から見て左側部分には、図2に示すように、上端縁から下方側に向けて平面視コ字状の切り欠き22D1が形成されている。そして、アッパーケース21およびロアーケース22を組み合わせた状態で切り欠き21D1,22D1が接続して開口部25が形成される。この開口部25には、図2に示すように、該開口部25の形状に対応した外形形状を有する接続端子設置部26が嵌合固定される。
この接続端子設置部26は、図2に示すように、背面部21D,22Dの端面よりも内側に窪む断面略コ字形状を有し、底部分に複数の孔261が形成されている。そして、図2に示すように、これら複数の孔261を介して、外部の電子機器からの画像信号、音声信号等を入力するための複数の接続端子27が露出している。また、この接続端子設置部26の内側には、接続端子27から入力される信号を処理するインターフェース基板(図示略)が配置されている。
なお、前記インターフェース基板は、制御基板(図示略)と電気的に接続され、インターフェース基板にて処理された信号は、制御基板に出力される。
なお、この電源スイッチ29は、制御基板(図示略)と電気的に接続され、電源スイッチ29の切り替えに伴う操作信号は、前記制御基板に出力される。
このフロントケース23において、前方から見て右側部分には、図1に示すように、外装筺体2の内側に窪み、底部分に略円形状の開口231が形成されている。そして、この開口231は、投射レンズ3の先端部分を露出させる。
また、このフロントケース23において、長手方向略中央部分には、図1に示すように、リモコン受光窓232が形成されている。そして、このリモコン受光窓232の内側には、リモートコントローラ(図示略)からの操作信号を受信するリモコン受光モジュール(図示略)が配置されている。
なお、リモートコントローラには、前述した操作パネル24に設けられる起動スイッチ、調整スイッチ等と同様のものが設けられていて、リモートコントローラを操作すると、この操作に応じた赤外線信号がリモートコントローラから出力され、赤外線信号は、リモコン受光窓232を介してリモコン受光モジュールで受光され、制御基板(図示略)で処理される。
また、この排気口233周縁部分は、図1に示すように、内部に向けて突出する筒形状を有するように形成されている。より具体的には、排気口233周縁部分は、投射レンズ3に近接する方向に向けて投射レンズ3からの投射方向に対して傾斜して突出する筒形状を有するように形成されている。そして、排気口233の筒状内側部分には、図1に示すように、上下に架設され、排気口233周縁部分の突出方向に延出する複数の羽根板233Aが形成されている。
図3および図4は、プロジェクタ1の内部構成を示す図である。具体的に、図3は、アッパーケース21および制御基板を取り外した状態を前面上方側から見た斜視図である。図4は、アッパーケース21および制御基板を取り外した状態を背面上方側から見た斜視図である。
外装筺体2の内部には、図3または図4に示すように、プロジェクタ1の装置本体が収容されている。この装置本体は、画像投射装置としての光学ユニット4と、電源ユニット5と、冷却ユニット6等を含んで構成される。
なお、装置本体は、図示は省略するが、光学ユニット4、電源ユニット5、および冷却ユニット6の他、光学ユニット4の上方側に配置されプロジェクタ1全体を制御する制御基板等を備えている。
図5は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す平面図である。
光学ユニット4は、前記制御基板による制御の下、画像情報に応じて画像光を形成する。この光学ユニット4は、図3または図4に示すように、外装筺体2内において、背面部22Dに沿って左右方向に延び、側面部22Bに沿って前方に延びる平面視L字形状を有している。
この光学ユニット4は、図5に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、電気光学装置44と、これらの光学部品41〜44を内部に収納するとともに、投射レンズ3を所定位置で支持固定する合成樹脂製の光学部品用筐体45とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44を構成する後述する各液晶パネルの画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図5に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備えている。
ランプハウジング411Cは、光源ランプ411Aおよびリフレクタ411Bを内部に収納するものであり、ロアーケース22の底面部分に取り付けられるとともに光学部品用筐体45と接続する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に電気光学装置44の後述する各液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変換するタイプの液晶パネルを用いた本実施形態のプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ411Aからの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ411Aから射出された光束を略全て1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された色光を青色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
液晶パネル441は、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441とこれらの光束入射側および射出側にある偏光板442によって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
入射側偏光板442Aは、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、水晶またはサファイア等からなる基板に偏光膜が貼付されたものである。そして、この入射側偏光板442Aは、光学部品用筐体45を構成する後述する位置調整機構により、光学部品用筐体45内に設定される所定の照明光軸に対して位置調整可能に配置されている。
これらの入射側偏光板442A、射出側偏光板442Bは、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
光学部品用筐体45は、図3ないし図5に示すように、内部に光源装置411から射出された光束の照明光軸A(図5参照)が設定され、前述の各光学部品412〜415,417,421〜423,431〜434,442A,444を上方からスライド式に嵌め込む溝部(図示略)がそれぞれ設けられた容器状の部品収納部材451(図3、図5参照)と、部品収納部材451の上部の開口を閉塞する蓋状の蓋状部材452と、蓋状部材452の一部を含み、入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の双方の位置調整を実施する位置調整機構445(図3、図4参照)とを備えて構成されている。
また、平面視略L字状の光学部品用筐体45の一端側には、照明光軸A(図5参照)に対する所定位置に光源装置411が配設され、他端側には、照明光軸Aに対する所定位置に投射レンズ3が固定されている。また、投射レンズ3の光路前段には、電気光学装置44が固定されている。さらに、投射レンズ3の鏡筒は、後述する投射位置調整装置8に取り付けられている。
電源ユニット5は、インレットコネクタ28(図2参照)を介して外部から供給された電力を各構成部材に供給するものである。この電源ユニット5は、図3または図4に示すように、光学ユニット4の光源装置411の側方であって、外装筺体2の側面部22Cに沿って配設される。この電源ユニット5は、図3または図4に示すように、電源ブロック51と、ランプ駆動ブロック52とを備える。
電源ブロック51は、光源装置411の側方に配設され、インレットコネクタ28を介して外部から供給された電力をランプ駆動ブロック52および前記制御基板等に供給する。この電源ブロック51は、入力される交流を所定の電圧に変換するトランスや該トランスからの出力を所定の電圧の直流に変換する変換回路等が片面に実装された回路基板(図示略)と、この回路基板を覆う箱状部材511とを備える。
箱状部材511は、図3または図4に示すように、光源装置411とで略L字形状を有するように、前後方向に延出する形状を有している。そして、この箱状部材511には、背面側に冷却ユニット6からの空気を内部に導入するための第1導入口511A(図4参照)が形成され、光源装置411とで形成される略L字形状の内側端面に内部の空気を外部に排出するための排出口511B(図3参照)が形成されている。また、図示は省略するが、この箱状部材511には、光源装置411から離間する側の端面にランプ駆動ブロック52から排出された空気を導入するための第2導入口が形成されている。
箱状部材521は、図3または図4に示すように、箱状部材511と平行に前後方向に延出する形状を有している。そして、この箱状部材521には、背面側に冷却ユニット6からの空気を内部に導入するための導入口521A(図4)が形成され、箱状部材511と対向する側の端面に、箱状部材511の前記第2導入口に対応して、内部の空気を外部に排出するための排出口(図示略)が形成されている。
冷却ユニット6は、プロジェクタ1内部の構成部材を冷却するものである。この冷却ユニット6は、図3または図4に示すように、電源ユニット5を主に冷却する電源ユニット冷却部61と、プロジェクタ1内部の空気を外部に排出するための光源装置冷却部62等を含んで構成される。
なお、具体的な図示は省略するが、冷却ユニット6は、各液晶パネル441や偏光変換素子414を冷却するための冷却ファンやダクトで構成される液晶パネル冷却部等も備えている。
図6〜図8は、投射位置調整装置8の構造を示す図である。具体的に、図6は、投射位置調整装置8を光路後段側から見た斜視図、図7は、光路前段側から見た斜視図、図8は、投射位置調整装置8の分解斜視図である。
なお、図6〜図8では、説明の便宜上、投射レンズ3からの投射方向をZ軸、該Z軸と直交する2つの軸をX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
投射位置調整装置8は、投射レンズ3の投射位置を調整する。この投射位置調整装置8は、図8に示すように、固定板81と、第1の移動板82と、第2の移動板83と、補助板84と、支持板85と、第1の調整駆動部86と、第2の調整駆動部87と、付勢部材88と、シフトカバー89とを備える。
なお、このうち、補助板84および支持板85は、本発明の固定部材に相当し、第1の移動板82および第2の移動板83は、本発明の移動部材に相当し、第1の調整駆動部86および第2の調整駆動部87は、本発明の駆動機構に相当する。
この固定板81において、略中央部分には、投射レンズ3における鏡筒31を挿通可能とする平面略円状の開口部811が形成されている。
そして、固定板81における+Z軸方向端面の開口部811周縁部分を第1の移動板82が摺動することとなる。
さらに、この固定板81において、固定板81のZ軸方向に直交する端面の周縁部には、図8に示すように、5つの固定用孔813がZ軸方向に貫通されている。この固定用孔813にはねじ(図示略)が挿通され、このねじが、後述する補助板84の固定用筒842の筒内で螺合されることにより、固定板81および補助板84が接続される。
また、この固定板81において、+X軸方向端面の−Y軸方向端部側(下端部側)には、−X軸方向に向かって固定用ねじ孔815が形成されている。
また、この固定板81において、+Z軸方向端面には、図8に示すように、複数の補強リブ818が立設されている。このような補強リブ818を設けることで、投射位置調整装置8への外力の影響を緩和し、外力による投射位置のずれを抑制している。
この第1の移動板82において、略中央部分には、図8に示すように、投射レンズ3における鏡筒31を挿通可能とする開口部821が形成されている。
この開口部821は、鏡筒31の外周端部との隙間を小さくするために、鏡筒31の外形寸法に近い寸法を有するように形成されている。このように形成することで、鏡筒31と開口部821との隙間から光が漏れたり、塵埃等がプロジェクタ1内部に侵入したりすることを回避できる。
そして、この第1の移動板82において、+Z軸方向端面の+X軸方向端部側には、図8に示すように、−Z軸方向に陥設されY軸方向に沿って延びるレール溝824が形成されている。
移動突起825,826は、ともに後述する支持板85のトラック孔856に挿通される。このうち、移動突起825は、支持板85の−X軸方向側にて、後述する第1の調整駆動部86の駆動ギアと係合し、前記駆動ギアの力を受ける。これら移動突起825,826は、+X軸方向端面から−X軸方向に向かってねじ孔(図示略)が形成されている。
なお、移動突起826の+Y軸方向側には、第1の移動板82の+X軸方向端面から移動突起826に沿って突出する補強板826Aが形成されている。この補強板826Aは、−Y軸方向端部が移動突起826と一体となっている。
この架橋部材827は、Y軸方向に伸びる長尺部材であり、そのY軸方向両端部(上下端部)には、X軸方向に貫通された固定用孔827A,827Bがそれぞれ形成されている。この固定用孔827A,827BのY軸方向の間隔は、移動突起825,826のY軸方向の間隔と一致している。
そして、この架橋部材の固定用孔827A,827Bを介して、移動突起825,826のねじ孔に螺合するねじ827Cによって、架橋部材827は、移動突起825,826の+X軸方向端面に接合される。
また、第1の移動板82は、第2の移動板83とともに、X軸方向に移動される。第1の移動板82が、支持板81に対し、−X軸方向に最大限移動できるように、移動突起825,826および補強板826Aは、X軸方向に十分に長い寸法を有している。
この第2の移動板83において、−Z軸方向端面には、第1の移動板82のレール溝824に対応する位置に、Y軸方向に沿って延びる摺動突起830が形成されている。摺動突起830は、投射位置調整装置8を組み合わせた状態で、第1の移動板82のレール溝824に係合される。これにより、第1の移動板82は、レール溝824および摺動突起830により案内されて第2の移動板83に対してY軸方向に移動する。また、第1の移動板82は、レール溝824および摺動突起830により、第2の移動板83のX軸方向の移動に連動して、X軸方向に移動する。
この開口部831は、第2の移動板83に対して第1の移動板82が移動し投射レンズ3が移動した際に、鏡筒31の外周端部と開口部831の内周端部とが機械的に干渉しないように、鏡筒31の外周形状よりも大きい形状を有している。
また、この第2の移動板83において、+Y軸方向端部(上端部)のX軸方向略中央部分には、図8に示すように、XY平面の断面が略半円状となる凹部835が形成されている。そして、この凹部835には、後述する付勢部材88が配置される。
この補助板84において、略中央部分には、図8に示すように、投射レンズ3における鏡筒31を挿通可能とする開口部841が形成されている。
この開口部841は、投射レンズ3が移動した際に、鏡筒31の外周端部と開口部841の内周端部とが機械的に干渉しないように、鏡筒31の外周形状よりも大きい形状を有している。
これら固定用筒842は、+Z軸に向かって内部にねじ孔が形成されている。そして、固定用筒842を固定板81の固定用孔813に当接した状態で、固定用孔813を介してねじを固定用筒842のねじ孔に螺合することで、固定板81に対して補助板84が固定される。
また、この凹部843には、図8に示すように、+Z軸方向に突出し、内部に挿通孔844Aが形成された軸支部844が形成されている。そして、この軸支部844は、挿通孔844Aに第2の調整駆動部87を構成するダイアルギアの回動軸が挿通され、ダイアル871および前記ダイアルギアを回転可能に軸支する。
また、この補助板84において、+X軸方向端面には、支持板85を固定するための固定用筒847A,847B(図10参照)と、第1の調整駆動部86のダイアルギア、第2中間ギアおよび駆動ギアを回転可能に軸支する回動軸848A,848B,848C(図9、図10参照)とが形成されている。なお、固定用筒847A,847Bには、−X軸方向に向かってねじ孔が形成されている。
さらに、この補助板84において、+Z軸方向端面には、図6〜図8に示すように、複数の補強リブ849が立設されている。このような補強リブ849を設けることで、投射位置調整装置8への外力の影響を緩和し、外力による投射位置のずれを抑制している。
この支持板85では、図8に示すように、−Y軸方向側(下方側)の部位852が、+Y軸方向側(上方側)の部位851が対して、+X軸方向に膨出している。
この支持板85において、部位851の+Y軸方向側(上方側)には、図8に示すように、表裏を貫通する軸支部853が形成されている。そして、この軸支部853には、第1の調整駆動部86を構成するダイアルギアの軸部が挿通され、ダイアル861および前記ダイアルギアが回転可能に軸支される。
この固定用孔854A,854Bを介して、補助板84の固定用筒847A,847Bのねじ孔にそれぞれ螺合するねじによって、支持板85が補助板84に固定される。
さらに、この支持板85において、部位851には、図8に示すように、固定板81の固定用筒814および固定用ねじ孔815に対応する位置に、それぞれ固定用孔855Aおよび固定用孔855Bが形成されている。そして、固定用孔855A,855Bを介して、固定板81の固定用筒814および固定用ねじ孔815にねじを螺合することで、支持板85が固定板81に対して固定される。
投射位置調整装置8を組み立てた状態では、トラック孔856に移動突起825,826が挿通され、第1の移動板82の移動に応じて移動突起825,826が支持板85に機械的に干渉することが回避される。
第1の調整駆動部86は、利用者の操作により第1の移動板82をY軸方向に移動させ、投射レンズ3の投射位置をY軸方向に変更させる部分である。この第1の調整駆動部86は、図8または図9に示すように、ダイアル861(図8参照)と、ダイアルギア862と、第1中間ギア863と、第2中間ギア864と、駆動ギア865とを備える。
軸部862Aは、円柱形状を有し、先端面から歯車862A側へ向かってねじ孔(図示略)が形成されている。この軸部862Aのねじ孔に、+X軸方向から、ダイアル861の中心の孔、および、支持板85の853を介したねじが螺合されることにより、ダイアル861が支持板85に軸支される。
歯車862Bは、軸部862Aの基端部分と接続し、第1中間ギア863の後述する第1歯車と噛合し、ダイアル861の回転を第1中間ギア863に伝達する。この歯車862Bの回転中心には、図9に示すように、円孔862B1が形成され、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、該円孔862B1が補助板84の回動軸848Aに挿通され、ダイアルギア862が回動軸848Aに回転可能に軸支される。
第2中間ギア864は、図8に示すように、径寸法が大きい第1歯車864Aと、径寸法が小さい第2歯車864Bとが一体的に構成されたものであり、支持板85の−X軸方向側に配置される。
第1歯車864Aは、第1中間ギア863と噛合するものである。
第2歯車864Bは、駆動ギア865の噛合部と噛合するものであり、第1歯車864Aとともに第1中間ギア863の回転を駆動ギア865に伝達する。そして、第2中間ギア864の回転中心には、図9に示すように、円孔864Cが形成され、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、該円孔864Cが補助板84の回動軸848Bに挿通され、第2中間ギア864が回動軸848Bに回転可能に軸支される。
ギア本体865Aは、固定板81の回動軸848Cに回転可能に軸支される部分であり、基端部分に補助板84の回動軸848Cを挿通可能とする円孔865Cが形成されている。
また、ギア本体865Aには、円孔865Cの中心位置から放射状に拡がる方向に延びるトラック孔865Dが形成されている。そして、このトラック孔865Dには、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、第1の移動板82の移動突起825が挿通される。
噛合部865Bは、ギア本体865Aの先端部分の円弧状部分に形成され、第2中間ギア864の第2歯車864Bと噛合する。
この際、トラック孔865Dにて移動突起825が案内され、第1の移動板82が−Y軸方向(下方向)に移動する。そして、第1の移動板82とともに、投射レンズ3が−Y軸方向(下方向)に移動し、投射位置が−Y軸方向(下方向)に調整される。
また、利用者がY2方向(図9参照)にダイアル861を回転させた場合には、上記と逆に、駆動ギア865が回動軸848Cを中心としてY6方向(図9参照)に回転する。この際、トラック孔865Dにて移動突起825が案内され、第1の移動板82が+Y軸方向(上方向)に移動し、投射位置が+Y軸方向(上方向)に調整される。
ダイアルギア872は、図8に示すように、補助板84の−Z軸方向側に配置される。そして、このダイアルギア872は、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、図8に示すように、軸部872Aが補助板84の挿通孔844Aに挿通される。そして、軸部872Aのねじ孔とダイアル871の裏面における孔871A(図13参照)とが螺合されることにより、ダイアル871が補助板84に軸支される。
中間ギア873は、図10に示すように、補助板84の−Z軸方向側に配置される。そして、この中間ギア873は、投射位置調整装置8を組み立てた状態で、図10に示すように、円孔873Cに補助板84の回動軸845Aに挿通され、中間ギア873が回動軸845Aに回転可能に軸支される。
また、利用者がX2方向(図10参照)にダイアル871を回転させた場合には、上記と逆に、駆動ギア874が回動軸845Bを中心としてX6方向(図10参照)に回転する。この際、トラック孔874Dにて移動突起833が案内され、第2の移動板83および第1の移動板82が+X軸方向に移動し、投射位置が+X軸方向に調整される。
このシフトカバー89は、固定板81および補助板84に固定される部分であり、平面視矩形状の板体から構成される。
そして、3つの位置決め用孔89Bに、それぞれ位置決め突起817,846Aを挿通することで、各部材81〜84に対してシフトカバー89が位置決めされ、4つの固定用孔89Aを介してねじ(図示略)を固定板81および補助板84の各ねじ孔816,846Bに螺合することで、各部材81〜84に対してシフトカバー89が固定される。
また、このシフトカバー89には、図8に示すように、第2の調整駆動部87のダイアル871に対応して、開口部89C形成されている。すなわち、各部材81〜84に対してシフトカバー89を固定した状態では、開口部89Cを介してダイアル871の一部が露出することとなる。
4つの第1付勢部材88Aは、止め具88A1と、ばね88A2とから構成される。そして、図8に示すように、第1の移動板82の4つの付勢用孔823に、それぞれ、+Z軸方向から、ばね88A2が挿入され、さらに、挿入されたばね88A2を介して止め具88A1が嵌合されている。このため、止め具88A1にはZ軸方向の付勢が働く。
従って、投射位置調整装置8を組み立てた状態では、これら第1付勢部材88Aは、第1の移動板82を固定板81に対して付勢するとともに、第2の移動板83を補助板84に対して付勢する。
図11は、投射レンズ3の構造を示す分解斜視図である。なお、図11では、図6〜図8と同様に、投射レンズ3からの投射方向をZ軸、該Z軸と直交する2つの軸をX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
投射レンズ3は、図11に示すように、鏡筒31と、フランジ部32とを備えている。そして、鏡筒31は、レンズ部91と、ズーム調整リング92と、フランジリング93と、フォーカス調整リング94とを備えている。
レンズ部91は、レンズ911と、レンズ911を支持するレンズ枠912とを備えている。レンズ911は、投射レンズ3の鏡筒31の円筒径と略同等の径寸法を有する円形状レンズである。レンズ部91は、鏡筒31の筒内部に配置される。
具体的には、ズーム調整リング92は、図11に示すように、投射レンズ3の鏡筒31よりも大きい径寸法を有する略円筒形状部材である。このズーム調整リング92において、円筒形状外周面には、図11に示すように、外側に突出したつまみ921が形成されている。そして、つまみ921が利用者により操作され、つまみ921が円筒周方向に移動すると、ズーム調整リング92が円筒軸を中心として回転する。
ズーム調整リング92は、複数の部材で構成された鏡筒31のうち、回転することでレンズ部91の位置を変更し投影画像の倍率調整を実施する部材(図示略)に取り付けられており、周方向の回転により前記部材を回転させる。
第1フランジ931および第2フランジ932は、鏡筒31の円筒軸を中心とする半円弧形状を有し、この半円弧がZ軸方向に直交する面に沿って円周上に拡張する半環状板部材である。そして、第1フランジ931および第2フランジ932の内側円周は、リング枠部922の円筒外周と略同径である。
第2フランジ932の周端部においても、第1フランジ931の係止凸部931Aおよび係合凹部931Bと同様の、係止凸部(図示略)および係合凹部932Bが形成されている。
図12〜図15を用いて、基準位置検知機構10を説明する。図12は、基準位置検知機構10の全体図を示す図である。図13および図14は、基準位置検知機構10を構成する各部材を示す図である。図15は、基準位置検知機構10の動作を説明するための図である。
なお、図12および図15では、図6〜図8と同様に、投射レンズ3からの投射方向をZ軸、該Z軸と直交する2つの軸をX軸(水平軸)およびY軸(垂直軸)とする。
基準位置検知機構10は、図12に示すように、支持板85とダイアル861、および、補助板84とダイアル871との間にそれぞれ介在配置される。このうち、支持板85とダイアル861に介在される基準位置検知機構10は、投射レンズ3のY軸方向移動範囲の中心を検知する。一方、補助板84とダイアル871の間に介在される基準位置検知機構10は、投射レンズ3のX軸方向移動範囲の中心を検知する。
いずれの基準位置検知機構10も、構成および作用効果は同様である。従って、以下においては、ダイアル871と補助板84との間に介在される基準位置検知機構10を取り上げて説明する。
基準位置検知機構10は、図12に示すように、ダイアル871に形成された螺旋レール11と、摺接部としての摺接部材12と、補助板84に形成された上下動レール13とを備えている。
図13に示すように、ダイアル871の裏面側は、表面側に向かってくりぬかれている。
螺旋レール11は、くりぬかれた底面に立設され、孔871Aを中心にダイアル871の円周へ向かって螺旋状に形成された螺旋状立設部871Bにより形成されている。すなわち、螺旋レール11は、ダイアルの回転方向に沿って螺旋状に形成された溝である。なお、螺旋レール11は、本発明の案内部に相当する。
回転規制部111は、孔871Aの近傍、および、ダイアル871の円周近傍において、螺旋レール11の走行方向と直交して立設され、螺旋レール11を封止する。
前述したように、投射位置装置8(図6〜図8参照)では、ダイアル871の回転に応じて、第2の移動板83(図8参照)をX軸方向に往復移動させる。2つの回転規制部111は、第2の移動部材83が、補助板84(図8参照)に対するX軸方向移動範囲の終端位置に達した際に、螺旋レール11に摺接していた摺接頭1226が回転方向から当接される位置にそれぞれ形成されている。
レール係合穴112は、本発明の係合部に相当し、螺旋レール11の溝底面に円状に凹設されている。レール係合穴112は、螺旋レール11上において、2つの回転規制部111の中間点に形成されている。
摺接部材12は、略三日月形状を有する対称部材であり、図14に示すように、基部121と、基部121に支持される摺接部本体122と、基部121および摺接部本体122の間に介在されるばね123とを備えている。
基部121は、ベース板1211と、中空支柱1212と、突起部としての一対の円筒突起1213と、2本の先端柱1214と、4つの円状小突起1215とを備えている。
このうち、ベース板1211は、略三日月形状を有する板部材である。
円筒状中空1216は、中空支柱1212の内部において、断面円状に立設方向に貫通されて形成されたものである。そして、円筒状中空1216は、ベース板1211に形成された孔に連通している。谷部1217は、ベース板1211の略三日月形の弦方向に沿って、中空支柱1212の両側面から円筒状中空1216に向かって、谷状に切欠けられて形成されたものである。
2本の先端柱1214は、ベース板1211の両鋭角端部にそれぞれ立設されている。
4つの円状小突起1215は、ベース板1211の外周側面において、略三日月形の前記対称軸方向と平行な2つの側面に、前記対称軸方向に沿ってそれぞれ2つずつ形成されている。円状小突起1215は、このベース板1211側面から前記弦方向に沿って突出し、先端が円筒側面状を有する小突起である。
翼部1221は、基部121のベース板1211と平行な面上で前記弦方向に並列された2つの略直方体部材1224からなる。この略直方体部材1224は、基部121とは反対側端面から基部121側へ向かって内部がくり貫かれており、くり貫かれた底面に、基部121との重なり方向に貫通された挿通孔1225が形成されている。図15に示すように、この一対の挿通孔1225には、基部121の一対の円筒突起1213がそれぞれ挿通される。
揺動支軸1223は、2つの掛手部1222により支持され、前記重なり方向に伸びる円筒軸部材である。揺動支軸1223は、円筒状中空(図示略)と、摺接頭1226とを備えている。
円筒状中空は、揺動支軸1223の内部において、基部121側端面から前記重なり方向に沿って円筒状に陥設されたものである。円筒状中空の円径は、基部121の中空支柱1212に形成された円筒状中空1216と略同径である。
摺接頭1226は、基部121とは反対側の揺動支軸1223の先端部であり、半球状に形成されている。摺接頭1226は、図15に示すように、基準位置検知機構10が組み立てられた状態で、ダイアル871の回転に応じて、ダイアル871の螺旋レール11内に摺接する。
基準位置検知機構10が組み立てられた状態では、摺接頭1227は、ばね123の作用により、常にダイアル871の裏面を押圧しており、ダイアル871の回転に応じて回転方向に揺動する。
すなわち、基準位置検知機構10が組み立てられた状態では、揺動部本体122のダイアル871の回転方向と交差する方向への揺動が規制されることとなる。
上下動レール13は、軸支部844からX軸方向両側に所定距離離れた位置から、−Y軸方向へ向かって伸びる2本の上下レール131と、各上下レール131の+Y軸方向側端部から軸支部844まで伸びる左右レール132とを備えている。なお、2つの上下レール131間のX軸方向距離は、摺接部材12のベース板1211(図14参照)の前記弦方向寸法とほぼ同一である。
さらに、2つの上下レール131および左右レール132で包囲された補助板84の略矩形面には、凹部843よりもさらに−Z軸方向に削られた凹面133(図8参照)が形成されている。
図15に示すように、凹面133には、摺接部材12が、前記弦方向がX軸方向と平行になるように配置され、2つの上下レール131の凹面133側側面には、基部121の円状小突起1215先端が当接される。
まず、ダイアル871がX2方向に回転した場合を考える。
摺接部材12において、ダイアル871がX2方向に回転し始めると、摺接頭1226は、螺旋レール11の溝底面との摩擦によって、ダイアル871の回転方向(−X軸方向)の力を受ける。これにより、摺接部本体122は、中空支柱1212(図14参照)を支点に、回転方向(−X軸方向)に傾斜する。そして、ダイアル871がX2方向に回転され続けると、摺接頭1226は、回転方向(−X軸方向)に傾斜した状態で、回転方向に沿って螺旋レール11の溝底面に摺接する。
すなわち、摺接部材12において、ダイアル871がX1方向に回転し始めるとき、摺接頭1226は、螺旋レール11の溝底面との摩擦によって、ダイアル871の回転方向(+X軸方向)の力を受ける。これにより、摺接部本体122は、中空支柱1212を支点に、回転方向(+X軸方向)に傾斜する。そして、ダイアル871がX1方向に回転され続けると、摺接頭1226は、回転方向(+X軸方向)に傾斜した状態で、回転方向に沿って螺旋レール11の溝底面に摺接する。
このような摺接部材12の上下方向の移動により、摺接頭1226は、螺旋レール11に滑らかに摺接し、ひいては、ダイアル871が滑らかに回転される。
このとき、中空支柱1212を支点としてX2方向回転向き(−X軸方向)に傾斜していた揺動部本体122は、摺接頭1226および螺旋レール11の間で発生する摩擦により、X1方向回転向き(+X軸方向)に傾斜する。この揺動による摺接頭1226の回転方向の変位は、第2調整駆動部87(図8参照)の各ギア872〜874の間で生じるガタのバックラッシュに対応されている。
このような構成および動作により、ダイアル871の回転向きが変わったことから各ギア872〜874の噛み合わせにガタが生じている間、摺接頭1226が螺旋レール11に沿って摺動しないようにさせることができる。従って、プロジェクタ1は、各ギア872〜874のバックラッシュが、投射レンズ3のX軸方向移動範囲の中心の検出に与える誤差を低減することができる。
前述したように、レール係合穴112は、投射レンズ3の位置が移動可能範囲の中心点に達したときに、摺接頭1226に摺接される位置に形成されている。すなわち、回転中のダイアル871に軽い振動およびクリック音が生じたとき、投射レンズ3はX軸方向移動可能範囲の中心に位置しており、投射位置もX軸方向の移動経路の中心点に位置していることとなる。
さらに、螺旋レール11の溝底面を押圧している摺接部本体122は、押圧方向に移動してレール係合穴112に係合される。この係合によりダイアル871に生じる振動およびクリック音は、明瞭なものとなる。従って、ユーザは、ダイアル871の振動およびクリック音を明瞭に感じることができ、投射位置がX軸方向移動経路の中心点に到達されたことを、より分かり易く認識することができる。
従って、プロジェクタ1は、第2の移動板83が移動終端位置に到達した後もさらにダイアル871が回転されることによって、投射位置調整装置8の各部材に負荷がかかってしまうことを防止することができる。
すなわち、螺旋レール11に形成されたレール係合穴112が1つである場合、ダイアル871の一方向の回転において、摺接頭1226およびレール係合穴112の係合・解除は、一回のみ行なわれる。従って、第2の移動部材83のX軸方向移動範囲が大きい投射位置調整装置8を備えるプロジェクタに対しても、本発明を適用することができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、前記実施形態は、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、投射基準位置を投射レンズ3の移動範囲の中心としたが、本発明では、これに限らない。
前記実施形態では、案内部に螺旋レール11を採用したが、本発明では、円周状のレールを採用してもよい。このようにすれば、円周状のレール内に1つのレール係合穴112を形成しておくと、ダイアル861,871が1回転するごとに、ダイアル861,871が振動することになる。すなわち、ユーザは、ダイアル861,871の振動により、投射レンズ3が一定間隔移動されたことを認識できる。
本発明では、摺接部および係合部は、互いに係合される形状を有していればよく、例えば、係合部は、螺旋レール11の溝底面から僅かに突出した突起部であってもよい。
前記実施形態では、投射位置調整装置8は、投射レンズ3を投射方向に直交する方向であるX軸方向およびY軸方向に移動させることができるとしたが、本発明では、投射位置調整装置8は、投射レンズ3をどちらか一方の軸方向に移動させることができる構成であってもよい。
前記実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
Claims (6)
- 光源と、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置と、前記投射光学装置を投射方向に直交する面内で移動させ前記投射光学装置の投射位置を調整する投射位置調整装置とを備えたプロジェクタであって、
前記投射位置調整装置は、
前記プロジェクタに固定される固定部材と、
前記固定部材に対して前記投射方向に直交する面内に沿って移動可能である移動部材と、
前記固定部材に対して回転可能に軸支され、ユーザにより操作可能に構成されるダイアルと、
前記移動部材および前記ダイアルと係合し、前記ダイアルの回転を前記移動部材に伝達して前記移動部材を移動させる駆動機構とを備え、
前記固定部材および前記ダイアルの間に介在配置され、前記投射光学装置の投射基準位置を検知する基準位置検知機構とを備え、
前記基準位置検知機構は、
前記ダイアルの前記固定部材側端面に回転方向に沿って形成された溝状の案内部と、
前記固定部材に設けられ、前記ダイアルの回転に応じて前記案内部内に摺接する摺接部と、
前記案内部内に形成され、前記投射光学装置の投射位置が前記投射基準位置に到達した際に前記摺接部と係合する係合部とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタであって、
前記係合部は、前記案内部の底部に形成された凹部であり、
前記摺接部は、前記ダイアルの回転に応じて前記案内部の底部を押圧しながら摺接し、前記投射光学装置の投射位置が前記投射基準位置に到達した際に前記係合部と係合することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記案内部は、前記ダイアルの回転方向に沿う螺旋状に形成され、
前記摺接部は、前記固定部材に、前記ダイアルの回転方向に直交する方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記摺接部は、前記係合部と係合する摺接頭を有する摺接部本体と、前記固定部材に取り付けられ前記摺接部本体を支持する基部とを備え、
前記基部は、前記摺接頭が前記ダイアルの回転方向に沿って揺動可能に前記摺接部本体を支持することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記基部には、前記摺接部本体を支持した状態で、前記摺接頭を中心として前記ダイアルの回転方向に対称となる位置に前記摺接部本体に向けて突出する一対の突起部が形成され、
前記摺接部本体には、前記一対の突起物を挿通可能とする一対の挿通孔が形成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記案内部内には、前記移動部材の移動終端位置に応じた位置に、前記摺接部と係合し前記ダイアルの回転を規制する回転規制部が形成されていることを特徴とするプロジェクタ。
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