JP2007070515A - 止水シール材 - Google Patents

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Abstract

【課題】独立気泡を有する発泡構造体からなる止水シール材と止水対象となる構造部材との界面密着性に優れ、作業性を容易にし、安全性、衛生環境性及び信頼性を高めた止水シール材を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有する止水シール材であって、
上記各凹凸部の周縁を形成する凸部は、すべて同じ高さを有すると共に幅細で略同じ幅をもち、かつ、該凸部が止水対象となる構造部材との界面に接触したとき、発泡構造体中で発生した圧縮力が該凸部を介して最大限に発現することによって、止水シール材と止水対象となる構造部材との界面が密着することを特徴とする止水シール材などを提供した。
【選択図】図1

Description

本発明は、止水シール材に関し、さらに詳しくは、熱可塑性樹脂を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体をベースとした止水シール材に関する。
止水シール材は、車両、建築・土木、弱電等の各種構造物の間隙を埋めるために使用され、水の浸入を防止するものである。
この種の止水シール材には、従来からゴムの発泡体やウレタン発泡体が多く用いられ、これらを止水したい周縁部に圧縮した状態で設置し、その反発応力により界面との隙間を塞ぎ、水の浸入を防止している。
特に、自動車用ランプ、とくにリアランプは、トランクルームと貫通状態になっているものが多く、ランプ周縁部から車体内に水が浸入する恐れがあり、また、ランプ内に水が浸入し、ランプの接点がショートする可能性があり、これらを防止するための止水シール材の使用が不可欠となっている。
ゴム発泡体などは、優れたクッション性を有し、クッション材、パット材などの用途に有用である。発泡構造体における独立気泡と連続気泡とを比較すると、前者は、気泡間が立体格子状に隔壁で仕切られた構造であるのに対して、後者は、上記仕切られた一連の気泡間の隔壁が除去された構造であり、後者の方が力学的に変形させやすい。しかし、連続気泡は、止水作用があまり期待できないのに対し、独立気泡は、気泡間の隔壁のために止水作用が期待できる。
独立気泡と連続気泡との両気泡を有する発泡構造体は、連続気泡に基づく易変形性による複雑な間隙への充填作業の容易性と、独立気泡に基づく止水性とをともに期待できるため、複雑な間隙に充填して使用する定型の止水シ―ル材として適している。
しかしながら、独立気泡の発泡構造体や半独立気泡半連続気泡の発泡構造体を、止水シ―ル材として使用する場合、時間の経過により、発泡構造体としての反発応力が緩和され、これに伴って、発泡構造体と被着体(止水対象となる構造部材)界面との接触面圧が低下し、この界面沿いに水漏れが発生して、止水シ―ル材として有効に機能しなくなるという問題がある。
このような問題点を解決するために、独立気泡または連続気泡と独立気泡の両気泡を有する発泡構造体の表面に、図3に示す如く、特定の粘着剤層を設け、発泡構造体と被着体(止水対象となる構造部材)界面を接着シ―ルする方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかし、粘着剤層を設ける方法では、位置合わせ、位置直しなどのシ―ル作業に支障をきたしやすいという問題があった。
また、ベースとなる発泡構造体は、止水性の点より、独立気泡の発泡構造体であることが望ましいが、複雑な形状に追従することが困難で、隙間が発生しやすい問題がある。さらに、単純な形状の独立気泡の発泡構造体で止水するには、反発力が高くなり、構造物が経時で浮き上がり、止水性が損なわれることがある。
これらのことから、連続気泡の発泡構造体も使用されている。この連続気泡の発泡構造体は、厚みが6mm以上のものを70%以上に圧縮することでもって、使用されることが標準的な使用方法である。但し、連続気泡の発泡構造体は、高圧縮しても吸水性が高く、吸水した水が経時で蒸発し、水蒸気として内部に進入し、結露により止水性が損なわれることがある。特に、自動車用のランプに用いた場合では、太陽光による発熱により水蒸気が発生しやすく、ランプ内等に曇りが生じ、ランプ接点をショートさせる可能性がある。
さらに、使用される止水シール材の幅は、10〜20mmと細く加工されることが標準的な使用方法である。そして、連続気泡の発泡構造体は、前述のようなサイズで加工されると、コシがなく、容易に変形するため設置作業が困難である。特に高止水性が求められる自動車のランプ用としては、打ち抜き加工されたものが使用されることが多く、設置作業が困難であり、現在、これらのことを満足する止水シール材は提供されていない。
したがって、独立気泡を有する発泡構造体からなり、低圧縮で高性能の止水シール材であって、作業性を容易にし、さらに吸水することに起因するランプ内等の曇りを改良することにより、安全性、衛生環境性及び信頼性を高める止水シール材が、強く要望されている。
特開平11−035924号公報 特開平11−236552号公報 特開平11−236553号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、独立気泡を有する発泡構造体からなる止水シール材と止水対象となる構造部材との界面密着性に優れ、作業性を容易にし、安全性、衛生環境性及び信頼性を高めた止水シール材を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、上記のような発泡構造体の少なくとも一方の面に、幾何学的な模様、例えば、多角形の凹凸形状を付与することにより、圧縮した力が凹凸形状の凸部に集中することになり、その結果、少ない圧縮力でも、凸部と止水対象となる構造部材界面との密着性を高めることが可能となることを見出し、さらに、形状の大きさを小さくし、構造部材界面で密着させる凸部を増すことにより、止水性を向上させられることも、見出し、しかも、凹部を設けることにより、構造部材曲面への追従性を向上させることができるようになり、また、凹部の大きさを変えることにより、構造部材曲面への追従性を向上させることも、可能であることを見出した。それらの知見に、さらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、熱可塑性樹脂を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有する止水シール材であって、
上記各凹凸部の周縁を形成する凸部は、すべて同じ高さを有すると共に幅細で略同じ幅をもち、かつ、該凸部が止水対象となる構造部材との界面に接触したとき、発泡構造体中で発生した圧縮力が該凸部を介して最大限に発現することによって、止水シール材と止水対象となる構造部材との界面が密着することを特徴とする止水シール材が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記幾何学的な模様は、多角形、円、楕円、半円、扇形又は星形から選ばれる少なくとも1種の単位形状から構成されることを特徴とする止水シール材が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記単位形状は、三角形、四角形、五角形、六角形又は八角形から選ばれるいずれかの多角形であることを特徴とする止水シール材が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第2又は3の発明において、前記単位形状の個数は、2〜40個/cmであることを特徴とする止水シール材が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする止水シール材が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、前記発泡構造体は、シート状体であることを特徴とする止水シール材が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、前記発泡構造体は、凹凸部を有する表面が該発泡構造体の主原料とは異なる他の樹脂フィルムでラミネートされていることを特徴とする止水シール材が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、前記他の樹脂フィルムの原料樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデンから選ばれ、かつ止水対象となる構造部材との密着性に富んだ樹脂であることを特徴とする止水シール材が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1の発明において、前記発泡構造体は、凹凸部を有する表面が撥水性を向上させるために低極性物質でコーティング又はラミネートされていることを特徴とする止水シール材が提供される。
本発明の第10の発明によれば、第9の発明において、前記コーティングする低極性物質は、シリコン又はフッ素を分子構造中に含有する化合物、あるいは撥水性樹脂であることを特徴とする止水シール材が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第9の発明において、前記ラミネートする低極性物質は、撥水性樹脂でコーティングされた熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする止水シール材が提供される。
本発明の止水シール材によれば、第1の発明においては、独立気泡を有する発泡構造体からなる止水シール材と止水対象となる構造部材との界面密着性に優れ、作業性を容易にし、安全性、衛生環境性及び信頼性を高めることができるという効果があり、優れた止水シール材を提供できる。
また、第2〜4の発明においては、幾何学的な模様を特定の単位形状のものに規定しているので、さらに、止水性能および止水対象となる構造部材曲面への追従性を向上することができるという効果がある。
さらに、第5の発明においては、熱可塑性樹脂を特定しているので、さらに、止水対象となる構造部材との密着性を向上させ、止水性を向上させるという効果がある。
また、第6の発明においては、発泡構造体の形状を特定しているので、作業性や取り扱い性に優れるという効果がある。
さらに、第7〜11の発明においては、凹凸部を有する表面状態を特定しているので、さらに、止水対象となる構造部材との密着性を向上させ、止水性を向上させるという効果がある。
以下、本発明の止水シール材について、詳細に説明する。
本発明の止水シール材は、熱可塑性樹脂を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有する止水シール材であって、
上記各凹凸部の周縁を形成する凸部は、すべて同じ高さを有すると共に幅細で略同じ幅をもち、かつ、該凸部が止水対象となる構造部材との界面に接触したとき、発泡構造体中で発生した圧縮力が該凸部を介して最大限に発現することによって、止水シール材と止水対象となる構造部材との界面が密着することを特徴とするものである。
すなわち、本発明の最大の特徴は、発泡構造体中で発生した圧縮力(すなわち、反発応力または反発力)が止水シール材の表面の凸部にのみ働く(凹部は、構造部材と接着しない)ため、その凸部と止水対象となる構造部材界面とのシール性(又は密着性)が高められることにある。しかも、凹部を設けることにより、止水対象となる構造部材曲面への追従性を向上させることができるようになり、その結果、優れた止水シール材を提供できる。
本発明に用いられる発泡構造体は、主原料が熱可塑性樹脂で構成される独立気泡を有するものであり、一部に独立気泡を有するもの、又は一部に連続気泡と独立気泡の両気泡を有するものであれば、公知の各種のものを使用できるが、圧縮永久歪み(JIS K6767に準拠)が20%以下のもの、特に10%以下のものが形状回復性に優れ、好ましい。
また、発泡構造体の独立気泡率は、おおよそ5%以上であれば使用することが可能であるが、特に好ましい範囲は30%〜100%である。
本発明に係る発泡構造体の製造には、公知の方法を採ることができ、例えば、熱可塑性樹脂、加硫剤、発泡剤、充填剤などをバンバリ―ミキサや加圧ニ―ダなどの混練り機で混練したのち、カレンダ、押し出し機、コンベアベルトキヤステイングなどにより連続的に混練しつつシ―ト状、ロツド状に成形し、これを加熱して加硫、発泡させ、さらに必要により、この加硫発泡体を所定形状に裁断加工する方法や、熱可塑性樹脂、加硫剤、発泡剤、充填剤などをミキシングロ―ルなどで混練し、この混練組成物をバツチ式により、型で加硫、発泡ならびに成形する方法などを使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、(i)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、(ii)ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、(iii)ブタジエン−スチレン、アクリロニトリル−スチレン、スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、(iv)アクリロニトリル−ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−エチレン等の塩化ビニル系樹脂、(v)ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、(vi)6−ナイロン、6・6−ナイロン、12−ナイロン等のアミド樹脂、(vii)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、(viii)ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、各種エラストマーやこれらの架橋体などが挙げられる。
また、上記樹脂の中でも、特に形状回復性に優れるものとして、オレフィン樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、アクリル共重合体、軟質ポリウレタン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリアセタール、シリコーン樹脂、各種エラストマーが挙げられる。
さらに、特に、止水対象となる構造部材との密着性を向上させ、止水性を向上させるものとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル樹脂(ポリビニルアセテート)、塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル)、又は塩化ビニリデン樹脂(ポリ塩化ビニリデン)から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。これらは、例えば、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体やエチレンと塩化ビニルとの共重合体などの共重合体であってもよい。
本発明に用いられる発泡構造体の発泡方法は、プラスチックフォームハンドブックに記載されている方法を含め公知の方法が挙げられ、いずれの方法を用いてもよい。
また、発泡構造体の厚さは、特に限定されないが、一般に止水シールに用いられるには、1〜20mmの範囲であり、好ましくは3〜5mmの範囲にあるのがよい。
さらに、発泡構造体の形状は、シート状体であることが作業性や取り扱い性の観点から好ましい。
本発明においては、発泡構造体の少なくとも一方の面に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有することに特徴があって、その凹凸部の形状は、幾何学的な模様を示しており、その幾何学的な模様としては、図4に示すような、多角形、円、楕円、半円、扇形又は星形から選ばれる少なくとも1種の単位形状から構成されるものである。好ましくは、多角形であって、例えば、3角形、4角形、6角形、8角形の形状を連続で形成することがよい。
1パターンの形状(単位形状)の大きさ(縦横の長さ、直径)は、1〜10mmの範囲であり、好ましくは1.5〜3mmである。また、単位形状の個数は、2〜40個/cmであり、好ましくは8〜20個/cmである。
さらに、凹凸部形状の凹部の深さは、0.3〜2mmの範囲であり、好ましくは0.5〜1.5mmである。一方、凸部の壁厚みは、0.2〜3mmの範囲であり、好ましくは0.5〜1.5mmである。
また、本発明においては、例えば、多角形の凹凸部単位形状の大きさを小さくすることにより、凹凸部を数箇所設けることができ、止水性能および止水対象となる構造部材曲面への追従性を向上することができる。また、凹凸部単位形状の大きさを変えることにより、止水対象となる構造部材曲面への追従性を向上することができる。
さらに、凹凸部の形成により、発泡構造体は、50%以下の低圧縮率で止水が可能となり、また、使用材料の厚みも、従来の連続気泡の発泡構造体の厚みより、薄くすることも可能となる。さらに、凹凸部を設けることにより、発泡構造体の圧縮応力を低減させることが可能となる。尚、圧縮応力を低減させる手段としては、発泡構造体の凹凸部面の反対側の表層を除去することが有効である。
本発明の実施の態様として、本発明の止水シール材は、熱可塑性樹脂を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、その独立気泡を有する発泡構造体自体に凹凸加工を施すことにより、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有してもよい。
また、別の態様として、止水性をさらに向上させるために、止水対象となる構造部材界面との密着性を向上させる必要があり、具体的には、独立気泡を有する発泡構造体に、発泡構造体の主原料とは異なる他の熱可塑性樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸ビニル樹脂(ポリビニルアセテート)、塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル)、塩化ビニリデン樹脂(ポリ塩化ビニリデン)等を主原料としたフィルムを、ラミネート(積層)することができる。ラミネートすることにより、表面の平滑性を向上させることができ、その結果、柔軟性、密着性を向上することができる。その際、フィルムをラミネートした独立気泡を有する発泡構造体のフィルム面に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有するための、凹凸加工を施す。
さらに、別の態様として、止水シール材の表面の極性を低くすることにより、止水性能を向上でき、例えば、シリコンやフッ素を分子構造に含んだ低極性の分子の薄膜を付与することにより、止水性を向上することができる。具体的には、撥水性の樹脂をコーティングした独立気泡を有する発泡構造体や、撥水性の樹脂をコーティングしたフィルムをラミネートした独立気泡を有する発泡構造体に、凹凸加工を施すことにより、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有することができる。
このようにして、高性能の止水シール材を得ることができる。
本発明において、熱可塑性樹脂を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有するために、発泡構造体表面に凹凸加工を施す方法としては、特に限定されず、公知の方法を採ることができ、例えば、熱可塑性樹脂などを混練り機で混練したのち、カレンダ、押し出し機などにより連続的に混練しつつシ―ト状に成形し、これを加熱して発泡させた後、発泡構造体表面が軟化する程度、例えば80℃になるように加熱して、軟化させ、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部有する(表面にエンボス型が形成された)冷却ロールを圧着させ、発泡構造体表面に幾何学的な模様を付与させた後、冷却して、発泡構造体表面に凹凸加工を施すことができる。また、独立気泡を有する発泡構造体シートに、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部有するエンボスロール(彫刻ロール)を押しつけて加熱することにより、すなわちエンボス加工することにより、発泡構造体表面に凹凸の幾何学的模様を付与することができる。
また、フィルムをラミネートした独立気泡を有する発泡構造体の場合には、先ず、独立気泡を有する発泡構造体に、例えば、熱可塑性樹脂のフィルム又は撥水性の樹脂をコーティングしたフィルムを、接着剤や粘着剤にて、ラミネートした後、上記と同様に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部有する冷却ロールやエンボスロールを圧着させて、発泡構造体表面に凹凸の幾何学的模様を付与することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
密度が0.03〜0.04g/ml、厚みが4mmの、ポリエチレン(三井化学社製の2022D)を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体シートAに、エンボス型が形成された冷却ロールにて、エンボス賦型をし、その表面に、形状が一面同一サイズの四角形連続3mmピッチ模様、凹部深さ0.8〜1mm、凸部壁厚0.8〜1mmの凹凸模様を有する止水シール材シートを得た。
尚、上記発泡構造体シートAは、低密度ポリエチレン(三井化学社製の2022D)100重量部、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化学社製 SO−L)15重量部、発泡助剤としてのステアリン酸亜鉛1重量部、過酸化物としてのジクミルパーオキサイド0.5重量部をロールで練り(140℃×5分)、プレス(140℃×100kg/cm×5分)して150×150×3mmの原料シートを作製し、この原料シートを230℃のオーブン内に5分間投入し、発泡させ、得た。この発泡によって得られた独立気泡を有する発泡構造体は、発泡倍率が30.5倍、厚さが9.8mm、独立気泡率が85%であった。独立気泡率は、東京サイエンス社製の空気比較式比重計1000型を用いた1〜1/2〜1気圧法によって測定した。
[実施例2]
密度が0.03〜0.04g/ml、厚みが4mmの、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー社製の460H)を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体シートBに、エンボス型が形成された冷却ロールにて、エンボス賦型をし、その表面に、形状が一面同一サイズの四角形連続3mmピッチ模様、凹部深さ0.8〜1mm、凸部壁厚0.8〜1mmの凹凸模様を有する止水シール材シートを得た。
尚、上記発泡構造体シートBは、エチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製の460H)70重量部、低密度ポリエチレン(三井化学社製の2022D)30重量部、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド(大塚化学社製SO−L)15重量部、発泡助剤としてのステアリン酸亜鉛1重量部、過酸化物としてのジクミルパーオキサイド0.5重量部をロールで練り(140℃×5分)、プレス(140℃×100kg/cm×5分)して150×150×3mmの原料シートを作製し、この原料シートを230℃のオーブン内に5分間投入し、発泡させ、得た。この発泡によって得られた独立気泡を有する発泡構造体は、発泡倍率が30.5倍、厚さが9.8mm、独立気泡率が85%であった。
[実施例3]
密度が0.03〜0.04g/ml、厚みが4mmの、ポリエチレン(三井化学社製の2022D)を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体シートAの表面に、一般の離型紙に使用されるシリコンを、厚みが1μmの薄膜塗布したものに、エンボス型が形成された冷却ロールにて、エンボス賦型をし、その表面に、形状が一面同一サイズの四角形連続3mmピッチ模様、凹部深さ0.8〜1mm、凸部壁厚0.8〜1mmの凹凸模様を有する止水シール材シートを得た。
[実施例4]
密度が0.03〜0.04g/ml、厚みが4mmの、ポリエチレン(三井化学社製の2022D)を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体シートAに、ポリエチレン製フィルム(積水フィルム社製のKF1150、厚み50μm)をラミネートしたものに、エンボス型が形成された冷却ロールにて、エンボス賦型をし、その表面に、形状が一面同一サイズの四角形連続3mmピッチ模様、凹部深さ0.8〜1mm、凸部壁厚0.8〜1mmの凹凸模様を有する止水シール材シートを得た。
[実施例5]
密度が0.03〜0.04g/ml、厚みが4mmの、ポリエチレン(三井化学社製の2022D)を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体シートAに、ポリエチレン製フィルム(積水フィルム社製のKF1150、厚み50μm)をラミネートしたものの表面に、一般の離型紙に使用されるシリコンを、厚みが1μmの薄膜塗布したものに、エンボス型が形成された冷却ロールにて、エンボス賦型をし、その表面に、形状が一面同一サイズの四角形連続3mmピッチ模様、凹部深さ0.8〜1mm、凸部壁厚0.8〜1mmの凹凸模様を有する止水シール材シートを得た。
[実施例6]
密度が0.03〜0.04g/ml、厚みが4mmの、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)(東ソー社製の460H)を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体シートBの表面に、一般の離型紙に使用されるシリコンを、厚みが1μmの薄膜塗布したものに、エンボス型が形成された冷却ロールにて、エンボス賦型をし、その表面に、形状が一面同一サイズの四角形連続3mmピッチ模様、凹部深さ0.8〜1mm、凸部壁厚0.8〜1mmの凹凸模様を有する止水シール材シートを得た。
[比較例1]
密度が0.03〜0.04g/ml、厚みが4mmの、ポリエチレン(三井化学社製の2022D)を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体シートAを、止水シール材として用いた。
[比較例2、3]
比較例2では、密度が0.058〜0.067g/ml、厚みが8mmの、ポリウレタン(日本発条社製のH6)を主原料とする連続気泡を有する発泡構造体シートCを、止水シール材として用いた。
また、比較例3では、比較例2の発泡構造体シートCの表面に、一般の離型紙に使用されるシリコンを厚みが2μmの薄膜塗布したものを、止水シール材として用いた。
尚、上記発泡構造体シートCは、発泡倍率が16.5倍、厚さが7.8mm、連続気泡率が98%であった。連続気泡率は、東京サイエンス社製の空気比較式比重計1000型を用いた1〜1/2〜1気圧法によって測定した。
(評価)
上記で得られた実施例/比較例の止水シール材について、以下の項目の特性を評価した。
(1)発泡構造体シートの厚み(mm):JIS K6767に準拠して測定した。
(2)発泡構造体シートの密度(g/ml):JIS K7222に準拠して測定した。
(3)発泡構造体シートの圧縮率(%):止水評価のアクリル板に挟み、固定したときの隙間をノギスで測定し、その数値を圧縮したときの厚み(A)とする。次のように圧縮率を算出する。
圧縮率(%)=(圧縮前の厚み−圧縮厚み(A))/圧縮前の厚み×100
(4)発泡構造体シートの圧縮応力(kPa):JIS K6767に準拠して測定した。
(5)止水シール材の水密性:評価方法は、次のとおり。
(i)水密性評価試験サンプルを図5−1の大きさに切り抜く。
(ii)この試験サンプルを、2枚の150mm角、10mm厚みの透明アクリル板に、一方の面を両面テープで固定し、図5−2のように、底辺が平行になるように挟み込む。
(iii)試験サンプルの厚みに対して、所定の圧縮率で厚みを調整する。具体的には、透明アクリル板の四方のネジを調整することにより、均一の四方の隙間が等しくなるようにする。
(iv)隙間を調整後、図5−3のように、100mmの高さまで水を注ぐ(開始点)。
(v)試験サンプル周りからの水漏れを目視で観察し、止水時間(h)として評価する。1滴でも漏れを確認した時点を止水時間の終点とした。
上記の評価結果を表1に示す。
Figure 2007070515
表1の評価結果によれば、実施例1と比較例1との対比から、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有する止水シール材の水密性評価が良好であることは、明らかである。
また、発泡構造体の表面に、フィルムをラミネート(積層)する、又は撥水性を向上させるために低極性物質であるシリコン薄膜を塗布すると、止水性(水密性)が向上し、さらに、両者の表面処理を施すと、なお一層止水性(水密性)が向上することも判る。
本発明の止水シール材は、独立気泡を有する発泡構造体からなる止水シール材と止水対象となる構造部材との界面密着性に優れ、作業性を容易にし、安全性、衛生環境性及び信頼性を高めることができるという顕著な効果があるから、車両、建築・土木、弱電等の各種用途の各種構造物の間隙を埋めるための高性能の止水シール材として、好適に用いることができる。
本発明の止水シール材の一例を表す模式図である。 本発明の止水シール材の一例の断面図である。 従来の止水シール材の一例の断面図である。 本発明の止水シール材に係る凹凸部の幾何学的な模様を示す図である。 本発明の止水シール材に係る水密性評価試験を説明する図である。
符号の説明
1 凹凸部
2 独立気泡を有する発泡構造体
3 粘着剤層

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂を主原料とする独立気泡を有する発泡構造体の少なくとも一方の面に、幾何学的な模様を示す複数の凹凸部を有する止水シール材であって、
    上記各凹凸部の周縁を形成する凸部は、すべて同じ高さを有すると共に幅細で略同じ幅をもち、かつ、該凸部が止水対象となる構造部材との界面に接触したとき、発泡構造体中で発生した圧縮力が該凸部を介して最大限に発現することによって、止水シール材と止水対象となる構造部材との界面が密着することを特徴とする止水シール材。
  2. 前記幾何学的な模様は、多角形、円、楕円、半円、扇形又は星形から選ばれる少なくとも1種の単位形状から構成されることを特徴とする請求項1に記載の止水シール材。
  3. 前記単位形状は、三角形、四角形、五角形、六角形又は八角形から選ばれるいずれかの多角形であることを特徴とする請求項2に記載の止水シール材。
  4. 前記単位形状の個数は、2〜40個/cmであることを特徴とする請求項2又3に記載の止水シール材。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の止水シール材。
  6. 前記発泡構造体は、シート状体であることを特徴とする請求項1に記載の止水シール材。
  7. 前記発泡構造体は、凹凸部を有する表面が該発泡構造体の主原料とは異なる他の樹脂フィルムでラミネートされていることを特徴とする請求項1に記載の止水シール材。
  8. 前記他の樹脂フィルムの原料樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニリデンから選ばれ、かつ止水対象となる構造部材との密着性に富んだ樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の止水シール材。
  9. 前記発泡構造体は、凹凸部を有する表面が撥水性を向上させるために低極性物質でコーティング又はラミネートされていることを特徴とする請求項1に記載の止水シール材。
  10. 前記コーティングする低極性物質は、シリコン又はフッ素を分子構造中に含有する化合物、あるいは撥水性樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の止水シール材。
  11. 前記ラミネートする低極性物質は、撥水性樹脂でコーティングされた熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする請求項9に記載の止水シール材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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