JP2007069933A - レトルト殺菌したプラスチック容器の密封性検査に適したプラスチック容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、レトルト殺菌したプラスチック容器の密封性を検査するのに適したプラスチック容器を提供すること、すなわち、レトルト後の入り目高さ測定によって密封性に欠陥のある容器だけを精度良く判別できるような容器の特性を持たせたプラスチック容器を提供することにある。
【解決手段】 本発明の検査方法を実施するのに適したプラスチック容器は、減圧吸収するパネルを備えたものであって、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置がレベル測定誤差の幅を越える量だけ離れた特性を備えるようにした。
また、本発明のプラスチック容器は、X軸上に吸収量(ml)をとり、Y軸上に減圧度(KPa)をとった座標系において、Y=AXで表される容器の減圧度特性の係数Aが、0<A<3 となるようにすることにより上記条件を満たすものとした。更に加えて減圧吸収量(ml)が容器容積の4%以上あることにより、上記の要件を満たすようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明はレトルト殺菌したプラスチック容器の密封性を検査するのに適したプラスチック容器に関する。
従来、内容物が充填された容器の密封性を検査する方法としては、缶詰については打検による検査がなされている。この検査は高温の内容物が缶に充填された後巻き締めによって封止がおこなわれ、常温に下がったときヘッドスペースが陰圧状態となるが、密封性が悪いと空気が侵入してしまい、缶の減圧状態が低下した状態となって、これをハンマーでたたくと密封性のよいものと反響音が異なることをもって判別検査するものである。また、カップについては高温の内容物がカップに充填された後開口部をシートで封止する。常温に下がったときやはりヘッドスペースが陰圧状態となってシートが内側に凹んだ状態となるが、密封性が悪いと空気が侵入してしまい、封止シートの減圧状態が低下した状態となる。その封止シートの張り具合から判別検査するなどの方法が採られてきた。最近手軽な容器として普及しているペットボトルについては、充填温度60℃以上で内容液が充填された状態でキャッピングがなされ、これも常温に戻るとヘッドスペースが陰圧状態となる。ボトルの密封性の悪いものはヘッドスペースに空気が入り、容器の減圧状態が低下した状態となってしまう。ペットボトルは次工程で温水シャワーによる口部の殺菌がなされ、出荷されている。
密封容器内の食品の多くは、充填密封後にレトルト釜で加熱殺菌することによって、長期間の品質保持を可能にしている。ペットボトル等のプラスチック容器についてもレトルト殺菌処理がなされれば長期保存の食品の容器とすることが出来、低酸性飲料にも適用可能となる。レトルト釜での殺菌は、100℃を超える例えば、115℃といった高温度状態を30分ほど保つ必要がある。容器詰め飲料の場合多くは、バッチ式、即ち密封容器をバスケット内に密集して並べ、それを多段に重ねた状態で収納して、レトルト釜内で所定時間蒸気又は熱水(以下、加熱媒体という)を循環させて接触させることにより容器を加熱して殺菌を行っている。このレトルト釜での加熱殺菌は常温から加熱し、所定時間高温を保った後冷却して常温に戻すという工程を踏む。容器内は内容物が充填されているだけではなくヘッドスペース(以下HSと略称する。)と呼ばれる部分に気体が存在している。容器が加熱されると容器自体も内容物も気体も熱膨張する。特に気体は熱変化の影響が大きくそれが容器の内圧となって作用する。そのため、従来からボイルシャルルの法則を用いて槽内温度から容器内圧を計算し、その圧力に見合う圧力を容器外面にかけるように槽内圧力を制御する、所謂等圧制御が行われている。
しかしこの容器内圧の計算式は封入ガス量の熱変化だけが対象であり、内容物(液体)の熱膨張は要素に入れられておらず、充填時のHS量の影響、圧力吸収部位(パネルや蓋)の影響は計算要素に入れられてこなかった。そのため、実際の容器内圧値と計算値との差が大きく容器の変形を起こさせ外観不良を起こさせる危険性が高く、プラスチック容器をレトルト殺菌する場合、ガラス転移点以上では剛性は低く金属缶と比較すると全くないようなものであるので、容器の内外で圧力差が生じると、容易に永久変形してしまう。この圧力差を吸収する手段としてボトルの場合には胴部に凹凸形状を形成した圧力吸収パネルを設けるようにしている。また、等圧制御の圧力パターンの設定は、容器の変形を観察しながら最適な圧力パターンを手動で設定しながら実行するという厄介な手法が採られていた。
この状況に鑑み、本発明者らは、容器内圧計算をより現実に即した緻密なものとし、更に容器の圧力吸収部位の吸収能をも加味して容器の永久変形を生じさせることのない圧力制御範囲を演算して自動制御可能なレトルト釜の圧力制御を実現させると共にその支援システムを提供すること、また、殺菌時の釜内圧力を可能な範囲で低く抑えると共に、圧力パターンの設定工数を少なくして設備コストの低減を図ることを目的として、先に特願2004−318369号「圧力吸収能を備えた容器のレトルト圧力制御方法とその支援システム」(特許文献1)を提示した。このレトルト圧力制御方法は、圧力吸収パネルを胴部の少なくとも一部に付与したプラスチック容器を用いて、レトルト殺菌時にパネル陰圧吸収状態にある容量最小時のレトルト釜の内圧を圧力制御の上限圧力、パネル陽圧吸収状態にある容量最大時の圧力を下限圧力となる範囲内でレトルト釜内の圧力を制御するものであって、パネル陰圧吸収状態にある容量最小時の内圧値と、パネル陽圧吸収状態にある容量最大時の内圧値を、充填温度、ヘッドスペース(HS)量、封入ガス量を含む充填条件を要素とした計算で求めるものである。
更に、本発明者らは、この技術を進展させ、特許文献2「レトルト殺菌したプラスチック容器の密封性検査方法」を開発提示した。この発明が解決しようとした課題は、レトルト殺菌を施す内容物が充填され封止されたプラスチック容器の密封性をより高い精度で検査する方法を提示すると共に、それをオンライン上で実行するシステムを提供することであって、具体的には、60℃〜100℃のホットパック充填した減圧パネルのあるプラスチック容器をレトルト殺菌後の入り目位置の高さが、レトルト殺菌前の高さより高くなると共に、入り目位置のバラツキが小さくなるように圧力制御しレトルト殺菌した後、オンライン上で全数入り目位置を測定してリーク容器を判別するようにしたものであった。
この特許文献2に提示した検査は耐熱性ペットボトルとしてボトルCを用いて行ったものである。この容器は20℃において満注容量が305ml、減圧パネルの能力に対応する表面積が19.5cmのものであり、圧力条件1のレトルト処理を行った場合、図6に示されるようにレトルト後の入り目線高さ分布領域とリーク品の入り目線高さ分布領域はそのデータから分離できている。すなわち、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置(最小値)と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置(最大値)が重ならない値となっている。ところが、実際にシステム上で実施し、オンラインデータを集計してみると12%の誤排出が見られる結果が出た。この結果について検討したところ、これはレベル測定の精度に起因する問題であるとの知見が得られた。レベル計自体が持っている測定精度の幅、器差があることと、容器内液面は微小な振動によっても波立つため完璧な水平面であるとはいえない。このようなレベル計測における不確定性を抱えた状況下で適正な検査を実行するには誤差の幅を安全率に見込んだ測定を行う必要があり、そのような検査の実現が期待されるところである。
特願2004−318369号明細書 「圧力吸収能を備えた容器のレトルト圧力制御方法とその支援システム」 平成16年11月1日出願 特願2005−134601号明細書 「レトルト殺菌したプラスチック容器の密封性検査方法」 平成17年5月2日出願 特開平7−205258号公報 「二軸延伸ブロー成形容器」 平成7年8月8日公開
本発明の課題は、レトルト殺菌したプラスチック容器の密封性を検査するのに適したプラスチック容器を提供すること、すなわち、レトルト後の入り目高さ測定によって密封性に欠陥のある容器だけを精度良く判別できるような容器の特性を持たせたプラスチック容器を提供することにある。
適正な検査を実行するには入り目位置測定の誤差の幅を安全率に見込んだ検査をすることが求められる。そのような検査を実現する方法としては、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置(最小値)と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置(最大値)の差が誤差の幅より大きくなるような容器としての特性を備えていればよいことになる。密封性が悪いということはレトルト後には常温となって陰圧状態となっているはずのところに空気が入り込み開栓時の状態を先取りしたようになるので、その時点のレベル測定により正常な容器と区別ができる。正常な密封がなされた容器のレトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置(最小値)と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置(最大値)の差が大きな特性であるならば、検査時のレベル差が大きく出ることになって、欠陥検出の精度がよくなる。本発明はそのような特性が容器に高い圧力吸収能力を持たせることによって実現できることに想到したものである。
ところで、プラスチック容器において圧力吸収能力を持たせたものは特許文献3に示されるように既に周知である。殺菌のために高温にされたジュース等の内容物を充填することができるボトルでは、内容物が冷めると内容物の減容により内部が減圧雰囲気となり、ボトル壁部が収縮変形することがある。このような減容減圧による変形はボトルの外観形状の変化を招き、ボトルの商品価値を損うことになる。そこで、このような減容減圧が起きた場合の対策として、図7に示されるように壁部の一部のみを減容減圧による変形を行わせて、ボトル外観形状の変形を防止する構造が採用されている。この構造は、減圧パネルと称されるものであって、ボトルの壁部表面にボトル内方に向け窪んだ縦長の凹部を複数設けた構造が通常用いられている。これにより、減容減圧が発生した場合に凹部のみを減圧変形させることでボトルの他の部分での形状変化を防止することができるのである。しかし、従来の減圧パネルを備えたプラスチックボトルは単に減圧に基づく容器の外観変形を防止することを目的としたもので、本発明が問題とするように容器の密封性を内容物の液面レベルで試験する際の判別精度を良くすることを課題としたものはない。因みに従来の減圧パネルは特許文献3に示されるように、通常のボトルのように高さと幅方向で辺の長さが違う容器の短い辺の壁面が膨出して外観形状が変化してしまうことを解決課題としたもの、すなわち、スパンが長い長辺では、減圧パネルを設けることで容易に収縮変形するものの、長辺が変形すると短い辺が膨出してしまい、特に液圧が高くなりやすい下部胴部において顕著となる現象を解決すべき課題としたものである。
本発明の検査方法を実施するのに適したプラスチック容器は、減圧吸収するパネルを備えたものであって、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置がレベル測定誤差の幅を越える量だけ離れた特性を備えるようにした。
また、本発明のプラスチック容器は、X軸上に吸収量(ml)をとり、Y軸上に減圧度(KPa)をとった座標系において、Y=AXで表される容器の減圧度特性の係数Aが、0<A<3 となるようにすることにより上記条件を満たすものとした。更に加えて減圧吸収量(ml)が容器容積の4%以上あることにより、上記の要件を満たすようにした。
また、本発明のプラスチック容器は、ネックリング下ボトル形状が鶴首となっており、ネックリング下部位置から15mmの径が口内径の150%までの範囲にあることにより、レトルト後の入り目高さと開栓後の入り目高さの差が5mm以上となるようにした。
本発明のプラスチック容器は、減圧吸収するパネルを備えたものであって、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置がレベル測定誤差の幅を越える量だけ離れた特性を備えるようにしたので、レベル計が持っているばらつき誤差など計測上の誤差分があっても密封性に欠陥のある容器は精度良く分別することができる。容器がこのような特性を備えたことにより、特許文献2に示した「レトルト殺菌前の入り目位置より高くなると共に、入り目位置のバラツキが小さくなるようにする圧力制御は、レトルト殺菌において所定時間の高熱処理後の温度下降時に、所定時間高圧を掛け続けるように設定する」などの制御条件を必要としないでも精度の良い検査が実現できる。
また、本発明のプラスチック容器は、X軸上に吸収量(ml)をとり、Y軸上に減圧度(KPa)をとった座標系において、Y=AXで表される容器の減圧度特性の係数Aが、分解限界仮想ラインA=3以下とし、且つ減圧吸収量(ml)が容器容積の4%以上あるものとにしたことにより、上記の要件を満たす条件として容易に設定することができる。
また、本発明のプラスチック容器は、ネックリング下ボトル形状が鶴首となっており、ネックリング下部位置から15mmの径が口内径の150%までの範囲にあるように条件設定するので、レトルト後の入り目高さと開栓後の入り目高さの差が5mm以上となって、レベル計が持っているばらつき誤差など計測上の誤差分があっても密封性に欠陥のある容器は精度良く分別することができる。
本発明のプラスチック容器を採用した飲料は図1に示すような工程を経て製造出荷されるものであり、その流れをまず説明する。容器と内容液が準備され、該内容液は60℃〜100℃の温度に加熱された状態で前記容器に定量充填される。次に、内溶液が付着した該容器のノズル部を横方向からシャワーをかけて洗浄する。このノズル洗浄工程は必須ではなく、省略される場合もある。続いて容器に蓋を巻き締め封止するキャッピング工程を経て所定量の充填がなされたかを確認する第1回目の入り目位置検査が行われる。その後、レトルト釜内に容器を入れ、所定の温度・圧力パターンでレトルト殺菌を実施する。レトルト殺菌を終えて釜から出された容器について本発明が着目する検査である第2回目の入り目位置検査が行われる。この入り目位置検査でリークと認められる異常値を示した容器は不良製品として排除される。可とされた容器は箱詰めされ、出荷までの間一時保管される。出荷の前に必要に応じて第3回目の入り目位置検査が行われる。レトルト殺菌を終えて釜から出された時点から1週間が経過していると微少なリークの容器も発見することができ、有効な検査となる。なお、第3回目の検査はラインをながれる容器1本ごとの検査ではなく、ケース収納形態で実施することができる。
さて、この検査を先の特許文献2に提示したレトルト条件で耐熱性ペットボトルとしてボトルCを用いて行ったところ、図6に示されるようにレトルト後の入り目線高さ分布領域とリーク品の入り目線高さ分布領域はそのデータから分離できているにもかかわらず12%の誤排出が見られる結果が出たことは先に述べたとおりである。この事実について検討した結果、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置が重ならないだけでなく、レベル計測の誤差の幅を超える分だけ離反している容器の特性を持たせることが有効であることに想到したものである。
この実験において用いたPETボトル1は図2に示すようになで肩鶴首形状のボトルであって、その円筒状胴部に減圧パネルとして縦長形状の凹部2を形成したものであった。質量26gのプリフォームを元素材として満注容量305ml、圧力吸収能力に対応するパネル表面積19.5cmとした設定で成形したPETボトル(これをボトルCと呼ぶ。)であった。この減圧パネルの圧力吸収機能を高めた特性のボトルとして、本発明者らは同じを26gのプリフォームしたPET材を元に満注容量383ml、圧力吸収能力に対応するパネル表面積22.9cmとした設定で成形したPETボトル(これをボトルAと呼ぶ。)と、満注容量395ml、圧力吸収能力に対応するパネル表面積25.5cmとした設定で成形したPETボトル(これをボトルBと呼ぶ。)を作成して本発明による試験を実施してそれぞれのデータを得た。同じ量の材料で容量とパネル表面積を大きくすればその分ボトルの厚みは薄くなる理屈である。したがって、容器の圧力吸収能力は ボトルC<ボトルA<ボトルB となるはずである。
Figure 2007069933
表1に示されるように3種類のPETボトルは同じ充填温度85℃でホットパックし、内容物の充填量は入り目位置測定差が最も大きく出るネックリング部にくるようにして決めた。また、その際のHS量は%で示し、100×(Vc−充填量÷D85)÷Vcとして計算した。ここで、Vc は20℃における満注容量ml、D85は85℃における水の比重(0.9686)である。
上記した三種類の試験ボトルA,ボトルB,ボトルCを各々100本準備して試験水を充填し、レトルト処理工程を経てレトルト前、レトルト後そして開栓後と三度それぞれの容器の入り目高さを全数測定して検査データを得た。試験ボトルAには80℃の361gの試験水を充填し、試験ボトルBには374g、試験ボトルCには287gの試験水を充填してホットパックした。各100本の容器から得られたデータを基に入り目高さデータの分布をヒストグラムに整理したものを表2に示す。
Figure 2007069933
この表において、入り目高さデータはmm単位で、レトルト前、レトルト後そして開栓後のデータは本数表示である。このデータをグラフに示したものが図3と図4である。図3は3種類のボトルのレトルト後と開栓後の最高値と最低値そして平均値を帯グラフで表し、図4は3種類のボトル毎にレトルト前、レトルト後そして開栓後の入り目高さデータのヒストグラムをグラフで表したものである。また、3種類のボトルのレトルト前、レトルト後そして開栓後それぞれの最高値と最低値そして平均値、そのバラツキRと標準偏差値σ、更に後述する入り目レベル検査設定値と検査誤排出率を表に示したものが表3である。
Figure 2007069933
図3と図4からすぐ読みとれるように、本発明用に開発したPETボトルのボトルAとボトルBはレトルト後の入り目線最小値と開栓後の最高値とはかなり離れている。すなわち両者の分布の裾は全く接していないことが分かる。また、ペットボトル等のプラスチック容器をレトルト殺菌すると処理後のプラスチック容器は容積が縮む傾向があるので、容器底位置から測る内容液の入り目線レベルは一般に処理前より処理後のものが高くなるのであるが、本発明の容器ではレトルト前とレトルト後の入り目線データの分布域はほとんど変わることなくレトルト後のピーク値が若干高くなっている。因みにボトルAでは開栓後の最高値が160mmであり、レトルト後の最小値が166mmであるから、6mm離れており、ボトルBでは開栓後の最高値が163mmであり、レトルト後の最小値が171mmであるから、8mm離れていることになる。これに対し、従来のPETボトルであるボトルCでは開栓後の最高値が147mmであり、レトルト後の最小値が149mmであるから、2mm離れていることになる。そこで開栓後の入り目測定における最高値の2mm高い値を閾値に設定して容器の密封検査を実行したところ、12%の誤検出があった。この原因は先にも触れたようにレベル計の器差やレベル面の不安定さなど液面測定に誤差の幅があることによるものであった。しかし、今回開発した本発明のPETボトルのボトルAとボトルBでは開栓後の最高値とレトルト後の最小値が6mm,8mmだけ離れているためこの検査によって1つの誤排出も出ず、この容器を用いた検査精度の高さが実証された。
次に、プラスチック容器の減圧強度について測定した結果を示す。本発明用に開発したPETボトルのボトルAとボトルBそして従来のPETのボトルであるボトルCに水をHSの無いように完全充填し、その状態から水を徐々に吸引排出して減圧度を上げながらその際の減圧度を測定した。なお、この測定はボトルに永久変形を起こすことがない減圧パネルの吸収能力範囲内で行ったものである。この結果を縦軸に減圧度(KPa)横軸に吸収量(ml)をとってプロットしたグラフが図5である。このグラフから分かるように三種類のPETボトルそれぞれの特性は共通して線形であって、容器の圧力吸収能力に反比例したボトルC>ボトルA>ボトルBの傾斜角を示している。ここで傾斜角が小さいということは容器がその分だけ柔軟であって、容器の内圧変化が生じた場合容量変化で圧力変化を吸収することを意味している。この傾斜角が小さいという特性は先のヒストグラムに表れているようにレトルト時の入り目線位置と開栓後の入り目線位置が大きく離れることに対応している。したがって、容器の密封性に欠陥があったときは開栓前に既に開栓状態を先取りしていることになるため、傾斜角が小さい特性を持った容器を使用した場合、レトルト後の開栓前の時点で行う入り目位置測定によってその判別は極めて容易に行えることになる。
従来のPETボトルであるボトルCの線形特性は y=3.1362x+2.2384 で表され、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置(最小値)と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置(最大値)が2mm離れているにもかかわらずその中間値を閾値とした検査では誤排出率が10.7%あった事実を踏まえ、測定誤差の幅を見込んで傾斜角(係数)を3以下を判別適正な値と考察判断し、これを分解限界仮想ラインとした。図5において○印でプロットしたラインがこれである。因みに本発明に係るボトルAの特性は■印のライン y=1.1637x+0.8959 であり、ボトルBの特性は◆印のライン y=0.743x+0.1948 であることから、X軸上に吸収量(ml)をとり、Y軸上に減圧度(KPa)をとった座標系において、Y=AXで表される容器の減圧度特性の係数Aが、0<A<3 を満たしている。また、容器にはこの線形特性を保つことができる範囲、すなわちパネルに減圧吸収能力が求められるが、これはホットパック充填時の温度を85℃、外気温度5℃を想定しその温度差に基づく容器内液体とHS部の空気の容積変化を考慮して減圧吸収量(ml)が容器容積の4%以上あることを目安とした。
本発明のプラスチック容器を採用した飲料が出荷されるまでの製造工程を説明するフローチャートである。 本発明の検査に用いた減圧パネルを備えたPETボトルの形状を示す図である。 本発明に係る二種類の容器と従来容器についてレトルト前、レトルト後そして開栓後における入り目位置測定値の幅と平均値を示したグラフである。 本発明に係る二種類の容器と従来容器についてレトルト前、レトルト後そして開栓後における入り目位置測定値のヒストグラムである。 本発明に係る二種類の容器と従来容器の減圧強度測定した結果を示すグラフである。 従来のプラスチック容器のレトルト前、レトルト後そして開栓後における入り目位置測定値のヒストグラムである。 従来の減圧パネルの形態を示す図である。
符号の説明
1 PETボトル
2 減圧パネル

Claims (4)

  1. 充填封止の後容器の密封性を入り目線検査で行うためのものであって、減圧吸収するパネルを備え、レトルト後の入り目高さ分布の下側裾位置と開栓後の入り目高さ分布の上側裾位置がレベル測定誤差3mmの幅を越える量だけ離れた特性を有することにより、上記検査に適するものとしたプラスチック容器。
  2. X軸上に吸収量(ml)をとり、Y軸上に減圧度(KPa)をとった座標系において、Y=AXで表される容器の減圧度特性の係数Aが、0<A<3 を満たすものとして請求項1に記載の要件を満たしたプラスチック容器。
  3. 減圧吸収量が容器容積の4%以上あるものとした請求項2記載のプラスチック容器。
  4. ネックリング下ボトル形状が鶴首となっており、ネックリング下部位置から15mmの径が口内径の150%までの範囲にあることにより、レトルト後の入り目高さと開栓後の入り目高さの差が5mm以上となるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載のプラスチック容器。
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