JP6575011B2 - 自立性耐圧ボトル - Google Patents

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Description

本発明は、ビールなどの炭酸ガスが溶け込んだ飲料を充填し包装するのに好適な合成樹脂製の自立性耐圧ボトルに関する。
炭酸ガスが含有された清涼飲料水などを充填し包装する自立型の容器として、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂からなる合成樹脂製の耐圧ボトルが用いられている。
従来、コンビニエンスストアなどの店頭に並べて販売される内容量500ml程度のガス含有清涼飲料水用の耐圧ボトルとしては、例えば図10に示されるように、下向き半球形状の底面101aの外周面に下方へ突出した複数の脚部102を放射状に配置して、底部101をペタロイド形状に設けた構成のものが広く使われている(例えば特許文献1参照)。
また、10Lを超える大容量の飲料水などを充填して貯蔵したり運搬したりするための自立型の耐圧ボトルとして、例えば図11に示されるように、下向き半球状の輪郭を呈する底部111の中央部に下方突出部112を設け、この下方突出部112の周りに、上方へ凹んだ谷部113を挟んで複数の中空卵形の脚形成部114を、互いに等間隔を開けて設けた構成のものが知られている(例えば特許文献2参照)。
特許平9−315420号公報 特開2013−523549号公報
前記図10に示された、底部101をペタロイド形状に設けた耐圧ボトル100は、良好な自立性と耐圧性を備え、また、ボトル全体が高い剛性を有するため、自動販売機による販売もされ、飲料を携行するための容器として好適といえる。
このような清涼飲料水の包装に利用されている耐圧ボトル100は、携行がし難い大容量の飲料水の包装、例えば店頭で購入した後は家庭の冷蔵庫に入れて保存されることが多い、1Lの容量を超えるビールなどの包装にも使用することは可能であるが、その場合、ボトルが大型化するのに伴って、ボトルの成形に使用する樹脂の量が多くなって成形コストが嵩張り、また、ボトル自体も重くなって使い勝手が悪くなる。使用樹脂量を抑制して軽量化を図ったのでは、ボトル全体の厚みが薄くなり、必然的に底部101の脚部102の厚みも薄くなり、ペタロイド形状の底部101全体の強度が低下したり、しわが発生するなどの成形不良を引き起こしたりするという問題がある。
また、清涼飲料水の包装には底部がペタロイド形状のボトル、ビールの包装にはペタロイド形状とは異なる外観デザインのボトルというように、ボトルに充填される飲料の種類や内容量、その購買層などに応じて使用するボトルの外観デザインを異ならせれば、充填された飲料の購入を予定している購買者に対する視覚的訴求力を高めることができ、また、清涼飲料水と間違えてビールを購入するような購入間違いの発生を防止できてより好ましい。
ペタロイド形状とは異なる形状の底部を備えた前記図11に示された耐圧ボトル110は、底部111の中央部の下方突出部112の周囲に谷部113を配置し、さらに谷部113に脚形成部114を連ならせて、底部111全体が上下に波打った凹凸形状を呈しているため、耐圧ボトル110への炭酸ガス充填時、とりわけ苛酷環境保管時に、底部111にクリープが生じて変形したり脚形成部114の変形が生じたりして、自立性が損なわれ易いという問題がある。
また、耐圧ボトル110の底部111の中央に下方突出部112が配置してあるため、耐圧ボトル110が飲料の充填ラインのコンベアで搬送される際に、下方突出部112がライン上のアルカリ溶液に浸水して割れが発生し易いという問題もある。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、ペタロイド形状とは異なる形状の底部を備えていて、自立性が損なわれず、且つ十分な耐アルカリ性能を有する、比較的大容量の炭酸ガス含有飲料を充填し包装するのに適した自立性耐圧ボトルを構成することを課題とする。
前記課題を解決するにあたり本発明は、口栓部と肩部と胴部と底部とを備えた自立性耐圧ボトル(以下、単に「ボトル」ともいう。)において、
前記底部が、その中央部に平面部が設けられ、この平面部の周囲に、下方へ突出した半球状の脚部が複数設けられた構成を有することを特徴とする。
これによれば、少ない樹脂材料で自立性及び耐圧性が良好な、比較的大容量の飲料を充填可能なボトルを形成することができる。ボトルの底部はその中央部分に平坦な面である平面部、その周囲に平面部よりも下方へ突出した複数の半球状の脚部が配置され、ボトルは各脚部を接地して自立するので、飲料の充填ラインでボトルを搬送する際に、底部のアルカリ溶液に浸される部分の面積が極めて小さく、割れの発生が抑えられる。
なお、底部に設ける半球状の脚部は、ボトルが安定して自立するように、平面部の周囲に少なくとも三つ以上を設け、各々ボトル底部からの下方への突出幅を適宜に設定して、各脚部の先端を机上などの水平な接地面に接地させた状態で平面部が水平となるように設けることが好ましい。
脚部は、ボトルの自立性が保持されるのであれば、平面部の周囲に適宜な態様、例えば平面部の片側に複数、他側に一つ又は複数の脚部を設ける態様で配置可能であるが、底部全体に対して脚部が偏って配置されていると、自立性が不安定となって倒れやすくなるとともに、脚部を含む底部全面で肉厚が不均一となって賦形性も悪くなり、変形しやすく耐圧性が低下する。よって、半球状の脚部は、平面部の周囲であって、底部の投影面内におけるボトルに軸心Oを中心とした同一円周上に、複数の脚部が周方向に沿って、隣接した脚部との間隔が等間隔となるように配置することが好ましい。この場合、各脚部のボトル底部からの下方への突出幅を同じとすることで、ボトルを立たせた状態で平面部が水平となり、ボトルを安定して自立させることができる。
前記構成の自立性耐圧ボトルにおいて、ボトルの軸心Oから胴部の内面までの胴部の半径aと、半球状の脚部の輪郭の半径を規定する中心点cとボトルの軸心Oの間の距離bが、以下の関係式を満たすように設けられていることが好ましい(図3参照)。
(関係式)a/b=1.5〜2.2
胴部の半径aと前記距離bとの比が前記関係式の数値範囲内であれば、飲料が充填されたボトルを、テーブル上などの接地面上に安定的に立たせておくことができる。
胴部の半径aと前記距離bとの比が、1.5より小さいと、底部の平面部の面積が大きくなって底部の中央部分の耐圧性が低下して変形を来し易くなり、また、2.2より大きく、脚部が底部の中央側に寄っていると、ボトルが倒れやすくなる。よって、前記比は1.5〜2.2の範囲であることが好ましく、1.6〜1.8であればより好ましい。
前記構成の自立性耐圧ボトルにおいて、胴部の半径aと、脚部の接地面から底部中央に設けられた平面部までの高さdが、以下の関係式を満たすように設けられていることが好ましい。
(関係式) a/d=5〜18
胴部の半径aと前記高さdとの比が前記関係式の数値範囲内であれば、飲料が充填されたボトルを安定的に立たせておくことができるとともに、飲料の充填ラインでアルカリ溶液が底部に接触する面積が小さくなり、割れの発生を抑えることができ、苛酷環境保管時にも底部が飛び出すことがなく、ボトルの自立性を保つことができる。
胴部の半径aと前記高さdとの比が、5より小さいと、脚部が長くなって成形不良を来たし易くなり、特に肉厚が不均一となって賦形性が悪化し、自立性が保てなくなる。また、18より大きいと、接地面と底部の距離が近くなって、苛酷環境保管時にボトルの底部が飛び出したときに、その飛び出した部分が接地面に当たって自立性が保てなくなることがある。よって、前記比は5〜18の範囲であることが好ましく、7〜11であればより好ましい。
また、前記構成の自立性耐圧ボトルにおいて、底部の起点部の輪郭の曲率半径R1と、脚部の輪郭の外側部分の曲率半径R2及び内側部分の曲率半径R3が、以下の関係式を満たすように設けられていることが好ましい(図3参照)。
(関係式) R3<R2<R1
底部の起点部から脚部及び平面部に至る外周面が、前記各曲率半径の湾曲面を連ねて形成されていれば、成形性が良く、また、胴部から脚部に至る外観がすっきりとした見栄えの良いものとなる。
ボトルを、その全長を182mm〜300mm、胴部内径を106mm程度の寸法に設定し、満注容量が1L〜2Lの大きさに形成する場合、前記脚部の接地面から底部中央に設けられた平面部までの高さdを3mm〜10mmに設定するとともに、前記各曲率半径をR1が35mm〜45mm、R2が20mm〜45mm、R3が5mm〜15mmの範囲内に設定すれば、成形性が良くボトルの見栄えも良好なものとなり、且つ耐圧性能も良好なものとなる。
また、前記構成の自立性耐圧ボトルにおいて、胴部の肉厚t1は0.2mm〜0.5mm、底部の中央の平面部の肉厚t2は1.3mm〜3.2mm、脚部の接地面の肉厚t3は0.3mm〜1.0mmの範囲に設けられていることが好ましい。
さらに、ボトルの底部の耐圧性を高めるとともに凹みなどの成形不良の発生を抑制するため、底部の中央の平面部内に、ボトルの軸心Oを中心とする円形の肉厚部が形成されていることが好ましい。
さらに、前記構成の自立性耐圧ボトルにおいて、各脚部を成形する金型部分であって各脚部の半球状の外側面が面する位置に複数の点状エアースリットが設けられた成形金型を用いて成形されていることが好ましい。
各脚部の外側面が面する位置の金型に点状にエアースリットが入っていれば、脚部の賦形性が良好となって各脚部の厚みが均等に揃えられ、脚部の高さに差が出るようなことはなく、脚部の高さの違いによって立てたボトルがぐらつくなどの自立性不良の発生を抑止することができる。金型に設けるエアースリットは、各脚部の半球状の頂点を中心とし、この中心点とその周囲に等間隔開けた複数点とに配置されていることが好ましい。
また、前記構成の自立性耐圧ボトルにおいて、ボトルの内面にガスバリア性薄膜がコーティングされた構成を有することが好ましい。
なかでも、ボトル内面にダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という。)などの炭素を含む薄膜をコーティングしてガスバリア性を高めることで、ボトルに充填されるビールなどの炭酸ガスが溶け込んだ飲料の品質劣化を抑制し、適正な品質を保って保管したり運搬したりすることができる。
ボトル内面へのDLC成膜は、公知のプラズマ化学蒸着技術によって行うことができる。成膜は、ボトル内部の全面に均等に、且つ密着性良く行うことが肝要であり、酸素透過率が0.010cc/pkg/day/air以下であることが望ましい。
なお、ボトルの成形に使用する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、主としてPET樹脂を使用することができる。エチレンテレフタレート単位を主体として、他のポリエステル単位を含む共重合ポリエステルを使用することもでき、耐熱性を向上させるために、ナイロン系樹脂や、ポリエチレンナフタレート樹脂などの樹脂を少量ブレンドして使用してもよい。
本発明の一実施形態の自立性耐圧ボトルの外観図である。 図1の自立性耐圧ボトルの底面図である。 図1の自立性耐圧ボトルの要部を拡大した切断端面図である。 図1の自立性耐圧ボトルの底部側を拡大した切断端面図である。 図1の自立性耐圧ボトルの六面外観図である。 本発明の他の実施形態の自立性耐圧ボトルの外観図である。 比較例1の自立性耐圧ボトルの外観図(A)と要部拡大切断端面図(B)である。 比較例2の自立性耐圧ボトルの外観図である。 実施例と比較例の評価結果を示した表である。 従来の一例の耐圧ボトルの外観図である。 従来の他の例の耐圧ボトルの底側外観図(A)と底部側の切断端面拡大図(B)である。
本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1と図2は本発明の一実施形態の自立性耐圧ボトルの外観と底面を、図5は六面外観を各々示しており、図示されたボトル1は、ポリエステル系樹脂からなるパリソンを二軸延伸ブロー成形してなる、口栓部2、肩部3、胴部4及び底部5を備えたプラスチックボトルであり、その全長(ボトルの高さ)を182mm程度、胴部4の内径を106mm程度の大きさに設けて、内部に1Lの飲料を充填して密封包装することができるように形成してある。
図1に示されるように、自立性耐圧ボトル1は、キャップが取り付けられる口栓部2の下縁から周面が湾曲した略円錐状の肩部3が繋がり、肩部3の下縁に、円筒状の胴部4が連なり、胴部4の下部に当該胴部4から内方へ湾曲しつつ窄まった底部5を配した形状に設けてある。
詳しくは、図3及び図4に示されるように、底部5は、その中央部に、ボトル1を机上や床面に置いたときに水平な接地面と略平行となる平坦面である平面部51が設けられ、この平面部51の周囲に、下方へ突出した半球状の脚部52を、ボトル1の軸心Oを中心とした同一円周上に、隣接した脚部52との間隔が等間隔となるように設定して、五つ配置した形状に設けてある。各脚部52の下方への突出幅は同じとしてある。
各脚部52は、底部5内で平面部51よりも下方へ突出しつつ半球状に膨出した輪郭を呈する部分であり、各々その外周面が胴部4と底部5の境界である底部起点部5aから、ボトル1の外方へ曲率半径R1で湾曲した湾曲面を介して当該湾曲面に連なってボトル1の内方へ曲率半径R2で湾曲した湾曲面に連なり、また、その内周面がボトル1の内方へ曲率半径R3で湾曲した湾曲面を介して平面部51に繋がるように設けて形成してある。
図2において、各半球状の脚部52の湾曲する部分の輪郭を二本の細線で囲って示してあるが、各脚部52は隣接する脚部52同士で湾曲面が交差することなく、所定の間隔を開けて底部5の表面から下方へ独立して突出した形状に設けてある。
また、各脚部52の外周面には、成形時に各脚部52の外側面が面する位置の金型に形成された点状エアースリットの跡である点状の凸部52aが脚部52の半球状の頂点と、これを中心とした周囲とに五つ配置して形成してある。
具体的には、各脚部52は、各々半球状の輪郭の半径を規定する中心点cの位置が、ボトル1の軸心Oから一定の距離bだけ離れ、且つボトル1の軸心Oから胴部4の内面に至る胴部4の半径aと前記距離bの比(a/b)が、1.5〜2.2の範囲(a/b=1.5〜2.2)となるように設けてある。
また、各脚部52は、胴部4の半径aと、脚部5の接地面(最下点)から平面部51までの高さdの比(a/d)が、5〜18の範囲(a/d=5〜18)となるように設けてある。
また、底部5の底部起点部5aから脚部52と平面部51に連なる湾曲した各曲面の曲率半径は、曲率半径R1が35mm〜45mm、R2が20mm〜45mm、R3が5mm〜15mmの範囲内に設定してある。
さらに、図4に示されるように、胴部4の肉厚t1は0.2mm〜0.5mm、底部5の平面部51の肉厚t2は1.3mm〜3.2mm、脚部52の接地面の肉厚t3は0.3mm〜1.0mmの範囲内に設定してある。また、底部5の平面部51には、その中央にボトル1の軸心Oを中心とする円形の肉厚部51aを設けて、その周囲の平面部51の肉厚t2よりも厚くしてある。
以下、本発明の好適な実施の形態を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、下記実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
図1に示された形状のボトルを成形し、その内面にDLC被膜をコーティングして、1L用の自立性耐圧ボトル1を作製した。
ボトル1の成形寸法は、全長が182mm、胴部4の内径を106mm、脚部52の高さdを5.6mm、底部起点部5aから脚部52と平面部51に連なる湾曲面の曲率半径が曲率半径R1を40mm、R2を30mm、R3を8mmとし、また、胴部4の肉厚t1を0.2mm〜0.5mm、平面部51の肉厚t2を2.2mm、脚部52の接地面の肉厚t3を0.8mmに設定した。
このボトル1の底部5は、その中央部に平坦な平面部51が配置されており、ボトルの外方へ突出する突起はない。
(実施例2)
図6に示された形状のボトルを成形し、その内面にDLC被膜をコーティングして、2L用の自立性耐圧ボトル1を作製した。
ボトル1の成形寸法は、全長が300mm、胴部4の肉厚t1を0.3mm〜0.4mm、平面部51の肉厚t2を1.9mm、脚部52の接地面の肉厚t3を0.5mmに設定する以外、実施例1の各部の寸法と同じに設定した。
このボトル1の底部5も、その中央部に平坦な平面部51が配置されており、ボトルの外方へ突出する突起はない。
(実施例3)
実施例1と同じ成形寸法のボトルであって、内面にDLC被膜はコーティングされていない自立性耐圧ボトルを作製した。
(実施例4)
実施例2と同じ成形寸法のボトルであって、内面にDLC被膜はコーティングされていない自立性耐圧ボトルを作製した。
(比較例1)
図7に示された、略半球状基礎ベースを輪郭に独立した複数の脚形状を有する、1L用の自立性耐圧ボトルを作製した。
ボトルの成形寸法は、全長が182mm、胴部の内径が106mmと実施例1と同じであるが、ボトルの底部の中央部分は、実施例1と異なり、下方へ突出した湾曲形状に形成した。このボトルの内面には、DLC被膜はコーティングされていない。
(比較例2)
図8に示された、底部をペタロイド形状に設けるとともに、底部中央に下方へ突出した突起部を配置した、400ml用の自立性耐圧ボトルを作製した。
ボトルの成形寸法は、全長を205mm、胴部の内径を66mmに設定した。このボトルの内面には、DLC被膜はコーティングされていない。
前記各実施例と比較例で作製した自立性耐圧ボトルについて、以下の項目について評価を行なった。
(項目1:飲料充填後の外観確認)
自立性耐圧ボトルに、3ガスボリュームの炭酸水をボトル天面の下方40mmの高さに達するまで充填するとともにキャップをして密封し、その状態で、底部に凹んだり突出したりする形状の変化があるか否かを、底部の外観を目視により確認した。
(項目2:保管後の外観観察)
自立性耐圧ボトルに、3ガスボリュームの炭酸水をボトル天面の下方40mmの高さに達するまで充填するとともにキャップをして密封し、これを38℃60%RHの苛酷環境下で一週間保管した後、底部に凹んだり突出したりする形状の変化があるか否かを、底部の外観を目視により確認した。
(項目3:転倒試験)
前記項目1と同様に自立性耐圧ボトルに炭酸水を充填するとともにキャップをして密封し、これを、自立方向から徐々に傾けることが可能な治具に設置し、自立性耐圧ボトルが倒れるときの傾き角度を測定した。
(項目4:落下試験)
前記項目1と同様に自立性耐圧ボトルに炭酸水を充填するとともにキャップをして密封し、これを、0.9mの高さから、ボトルの底部側を下向けて垂直に落下させ、底部の割れ発生の有無を目視で確認した。
(項目5:耐アルカリ試験)
前記項目1と同様に自立性耐圧ボトルに炭酸水を充填するとともにキャップをして密封し、これを、0.2%の水酸化ナトリウム水溶液(深さ20mm)中に立たせて15分間浸水した後、底部の変形及び割れの有無を目視で確認した。
(項目6:DLC膜厚)
ボトルの内面に黒色インキでマスキングを行い、DLC成膜後にジエチルエーテルでマスキングを除去し、高精度微細形状測定器(ET4000A:小坂研究所社製)を用いて成膜段差形状測定から膜厚を求めた。
(項目7:酸素透過度(BIF))
製作した自立性耐圧ボトルの酸素透過率を測定した。測定は、酸素透過率測定装置(Oxtran:Modern Contorl社製、単位cc/pkg/day/air)を用い、23℃、相対湿度50%の条件下で行なった。
また、未コーティングボトルに対する改善率をBIF(Barrier Improvemennt Factor)として算出した。
(項目8:炭酸ガス保持率)
前記項目1と同様に自立性耐圧ボトルに炭酸水を充填するとともにキャップをして密封し、この状態の炭酸ガスボリュームを測定した。
測定は、ガスボリュームテスター(DGV−1;ビクスル社製)を用いて行い、炭酸水充填直後に測定したガスボリュームをA、38℃60%RHに一週間保管後に測定したガスボリュームをBとし、算出式(B/A×100)にて保持率を導出することで行なった。
各項目の評価結果を図9中の表に示す。
実施例1,2における自立性耐圧ボトル1は、炭酸水の充填後及び保管後において、底部が接地面の向きへ飛び出るような変形は発生せず、良好な耐圧性を備えていることが確認できた。また、自立性が良好で、底部の剛性も高いとともにアルカリ水溶液に対する耐性も高いことが確認できた。さらに、内面にDLCコーティングを施していない実施例3,4と比較して、酸素透過率(BIF)が10倍以上あり、また、炭酸ガス保持率が95%以上あることにより、実施例1,2のボトルは耐圧性能を有するボトル形状であるとともに、高い酸素バリア性及び炭酸ガス保持性能を具備していることが確認できた。
実施例3,4のボトルは、炭酸水の充填後及び保管後において、底部が接地面の向きへ飛び出るような変形は発生せず、またアルカリ水溶液に対する耐性も高かった。
比較例1のボトルは、炭酸水の充填後の保管により底部が接地面の向きへ飛び出す変形が発生し、自立性が損なわれる結果となった。
また、比較例2のボトルでは、底部が接地面の向きに飛び出す変形は生じなかったが、アルカリ溶液浸水時に底部の割れが発生した。
1 自立性耐圧ボトル(ボトル)、2 口栓部、3 肩部、4 胴部、5 底部、51 平面部、52 脚部

Claims (5)

  1. 口栓部と肩部と胴部と底部とを備えた自立性耐圧ボトルにおいて、
    前記底部の中央部に平面部が設けられ、
    この平面部の周囲に、下方へ突出した半球状の脚部が複数設けられ
    底部の起点部から前記脚部及び平面部に至る外周面が、
    底部の起点部の輪郭の曲率半径R1、脚部の輪郭の外側部分の曲率半径R2及び内側部分の曲率半径R3の湾曲面を連ねて形成され、前記脚部の周面は前記曲率半径R3の湾曲面を介して前記平面部に繋がっており、
    前記R1はボトルの外方へ、R2及びR3はボトルの内方へ、それぞれ湾曲した曲率半径であり、これらが以下の関係式を満たすように設けられた構成を有することを特徴とする自立性耐圧ボトル。
    (関係式) R3<R2<R1
  2. 複数の脚部は、各脚部の湾曲面が隣接する脚部同士で交差しない配置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の自立性耐圧ボトル。
  3. ボトルの軸心Oから胴部の内面までの胴部の半径aと、半球状の脚部の輪郭の半径を規定する中心点cとボトルの軸心Oの間の距離bが、以下の関係式を満たすように設けられた構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の自立性耐圧ボトル。
    (関係式)a/b=1.5〜2.2
  4. 胴部の半径aと、脚部の接地面から底部中央に設けられた平面部までの高さdが、以下の関係式を満たすように設けられた構成を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の自立性耐圧ボトル。
    (関係式)a/d=5〜18
  5. 各脚部の外周面であって、それぞれの脚部の半球状の頂点とこれを中心とした周囲の等間隔開けた位置に点状の凸部が設けられた構成を有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の自立性耐圧ボトル。
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