JP2007068379A - 直流機 - Google Patents

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博幸 原田
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Abstract

【課題】 出力低下を生じさせることなく簡易な構成で両回転方向における良好な整流を実現し、ブラシの耐久性(ブラシ磨耗)を確保すると共に、騒音,電磁ノイズ等の発生を低減することができる直流機を提供する。
【解決手段】 回転軸22回りに傾斜したブラシ接触面31aを有する複数の整流子片31を含む整流子30を有する回転子20と、整流子片31に部分的に接触するブラシ40と、回転子20の回転方向に応じて整流子30とブラシ40との接触位置を回転軸22方向に相対的にずらす連結部材60と、を備えた直流モータ1であって、連結部材60は、一端が外部軸70,他端が回転軸22にそれぞれ連結され、回転子20の回転方向に応じて回転子20を外部軸70に対して回転軸22方向に所定軸方向長さ進退動させるカム機構(長孔63bを有する連結シャフト63,係合ピン61)である。
【選択図】 図1

Description

本発明は直流機に係り、特に回転方向に応じてブラシと整流子との接触位置を変更する機構を有する直流機に関する。
従来、ブラシ付き直流モータや直流発電機等の直流機では、ブラシと整流子によって電機子巻線に通電する電流の方向を切り替えて整流が行われるように構成されている。しかし、このような直流機では、電機子巻線に発生する誘導起電力や巻線のインダクタンス等により、電流変化が遅れて整流不足が発生し、整流終期に電流変化が大きくなる。このため、整流終期に整流火花が発生し、ブラシ磨耗,騒音,電磁ノイズが発生してしまうという問題があった。
このような問題を回避するために、いわゆるブラシシフトという手法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2に記載の整流子では、整流子片が回転軸方向に対して傾斜して配設されている。
特許文献1の直流機には、ピニオンを回動させる手動レバーと、ピニオンと噛合するラックが設けられており、このラックにブラシが取り付けられている。この構成により、手動レバーを操作することによってピニオンが回動し、ラックがブラシと共に回転軸方向に進退動するようになっている。このブラシの移動によってブラシと整流子との接触位置がずれるので、ブラシの進み角度が調整される。
また、特許文献2の直流機では、回転軸にウォームギヤが連結され、このウォームギヤにはウォームホイールが噛合されている。これにより、回転子が回転したときに、ウォームホイールから加わる荷重によって、回転方向に応じて回転子自体が回転軸方向に進退動するように構成されている。この回転子の移動によって整流子も回転軸方向に移動するから、これによってブラシと整流子との接触位置がずれるので、ブラシの進み角度が調整される。
特開2002−112510号公報 特開平7−264816号公報
しかしながら、特許文献1の直流機では、回転子の正逆回転方向に応じて手動レバーを操作して、ブラシの進み角度を調整することができるが、この調整のために手動レバーを操作しなくてはならず、調整のために手間が掛かるという問題があった。また、ラック・ピニオン機構を手動レバーで操作する構成を組み込むと、部品点数が多くなるので製造コストが上昇してしまう。さらに、装置が大型化してしまうので、小型直流機に適用することが難しいといった問題もある。
また、特許文献2の直流機では、電機子が正逆回転すると、ウォームギヤとウォームホイールとの噛合いよる荷重によって電機子が進退動するので、他の駆動力を必要とせずに自動的にブラシの進み角度を調整することができる。
しかしながら、特許文献2の直流機では、ウォームギヤとウォームホイールを必要とするため、装置の大型化は避けられない。また、ウォームホイールからウォームギヤが受けるスラスト力によって電機子が回転軸方向に移動する構成であるので、機械的ロスや部品寸法バラツキの影響によって回転軸方向に移動量が不定となるおそれがあるという点で改良の余地があった。
さらに、特許文献2の直流機では、電機子自体が回転軸方向に進退動するので、固定子との関係で、出力低下を生じてしまうおそれがあった。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、出力低下を生じさせることなく簡易な構成で両回転方向における良好な整流を実現し、ブラシの耐久性(ブラシ磨耗)を確保すると共に、騒音,電磁ノイズ等の発生を低減することができる直流機を提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、回転軸回りに傾斜したブラシ接触面を有する複数の整流子片を含む整流子を有する電機子と、前記整流子片に部分的に接触するブラシと、前記電機子の回転方向に応じて前記整流子と前記ブラシとの接触位置を前記回転軸方向に相対的にずらす移動手段と、を備えた直流機であって、前記移動手段は、一端が外部軸,他端が前記回転軸にそれぞれ連結され、前記電機子の回転方向に応じて該電機子を外部軸に対して前記回転軸方向に所定軸方向長さ進退動させるカム機構であることにより解決される。
このように本発明の直流機は、軸方向に対して傾斜した整流子片を有する整流子を備えており、この整流子を備えた電機子がカム機構によって外部軸に対して所定軸方向長さ進退動するように構成されている。電機子が所定軸方向長さ進退動するとブラシと整流子との当接部位が軸方向にずれる。そして、整流子片が回転軸に対して傾斜して配設されていることから、ブラシと整流子との当接部位の軸方向のずれにより、等価的にブラシシフトが行われる。これにより、ブラシ磨耗,騒音,電磁ノイズ等の発生を低減することができる。
本発明では、電機子の回転軸と外部軸との間にカム機構を介在させることによって、電機子の回転方向に応じて電機子を軸方向に進退動させることができるので、電機子を進退動させる構成を簡単にすることが可能であると共に、所定の移動距離を確実に進退動させることが可能となる。
また、前記カム機構は、前記回転軸方向に対して傾斜するカム溝を有するカム部材と、前記カム溝に案内され前記回転軸方向に所定軸方向長さ移動する案内部材と、を備え、前記回転軸または外部軸の一方に前記カム部材が配設され、他方に前記案内部材が配設された構成とすることができる。
このような簡単な構成でカム機構を実現することが可能であり、カム溝の長さや傾斜角を適宜に設定することにより、ブラシシフトの量および方向を調整することができる。
また、前記カム機構は、前記回転軸の端部の周面または該回転軸の端部に連結されたスライド軸の周面から径方向に突出する係合ピンと、前記回転軸の端部または前記スライド軸を挿入可能な挿入孔を有する連結シャフトと、を備え、該連結シャフトには、その長手方向に対して傾斜する長孔が周面から前記挿入孔に貫通して形成され、前記挿入孔に前記回転軸の端部または前記スライド軸が挿入されると共に、前記長孔内に前記係合ピンが移動可能に配置され、前記電機子が回転することにより、前記係合ピンが前記長孔内を案内されて前記電機子が前記回転軸方向に移動可能であると好適である。
また、前記ブラシは、前記整流子片のブラシ接触面の傾斜角度と略同一の角度に傾斜する断面を有すると好適である。このように構成すると、ブラシと単一の整流子片との接触面積を大きくすることができる。
また、前記電機子と相対して配設された固定子を備え、該固定子は、前記電機子の前記回転軸方向の全移動範囲内において、前記電機子が有する磁気作用部に対して、該磁気作用部の前記回転軸方向の略全範囲と相対可能に形成された磁気発生部を有すると好適である。
このように電機子が軸方向にシフトしたときに、電機子の磁気作用部が固定子の磁気発生部と軸方向の略全範囲で相対可能であると、出力をほとんど低下させることなくブラシシフトさせることが可能となる。
本発明の直流機では、整流子の整流子片を回転軸に対して傾斜させて配設すると共に、カム機構を電機子の回転軸と外部軸との間に介在させることにより、回転子の回転方向に応じて電機子を軸方向に進退動させることができ、等価的にブラシシフトさせることが可能である。このように、本発明では、装置を大型化させることなく簡単な構成によってブラシシフトさせて、ブラシの耐久性(ブラシ磨耗)を確保すると共に、騒音,電磁ノイズ等の発生を低減することができる。
また、本発明の直流機では、電機子が軸方向にシフトしても、電機子の磁気作用部が固定子の磁気発生部と軸方向の略全範囲で相対可能に構成されるので、出力をほとんど低下させることなくブラシシフトさせることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材、配置、形状等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図6は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は直流モータの断面図、図2は整流子とブラシの動作説明図、図3は連結部材の動作説明図、図4は直流モータの正回転時の動作説明図、図5は直流モータの逆回転時の動作説明図、図6は直流モータ内に発生する磁束の説明図である。
図7〜図10は本発明の他の実施形態に係るものであり、図7,図8は整流子とブラシの動作説明図、図9は連結部材の動作説明図、図10は整流子およびブラシの説明図である。
図1に基づき、本発明の直流機を適用した実施例に係る直流モータ1の構成を説明する。直流モータ1は、固定子10と、回転軸22を備え電機子巻線21が巻回された回転子(電機子)20と、回転軸22を回転自在に軸支する軸受51,52と、回転軸22の一端側に配設された整流子30と、整流子30と摺接するブラシ40とを備えており、これらは、ヨークハウジング50内に収容されている。
また、回転軸22の端部には、移動手段としての連結部材(カム機構)60が配設されており、この連結部材60を介して、負荷側の外部軸70に同軸状に連結されている。外部軸70は、直流モータ1によって駆動される負荷装置側に回転力を伝達する回転軸であり、回転可能であるが軸方向に移動できない構造になっている。
なお、本例では、連結部材60は、ヨークハウジング50外に配設されているが、これに限らず、ヨークハウジング50内に配設してもよい。
本例の直流モータ1では、後述するように、外部から電源が供給されて回転子20が正方向に回転したときには、連結部材60によって中立位置から図中左方向へ所定ストローク(移動距離a)だけ移動され、この軸方向の前方位置で回転を継続するように構成されている(図3(B)参照)。
一方、回転子20が逆方向へ回転したときには、連結部材60によって中立位置から図中右方向へ所定ストローク(移動距離a)だけ移動され、この軸方向の後方位置で回転を継続するように構成されている(図3(C)参照)。
なお、図1では、回転子20が回転軸22方向の軸方向の中立位置にある状態を示している(図3(A)参照)。
本例の固定子10は、径方向に磁束が向くように磁化された板状の永久磁石であり、回転子20とわずかな間隙を空けて相対するように配置されている。なお、固定子10は、これに限らず、固定子コアに界磁巻線を巻回して、直流磁界を発生させるように構成してもよい。
本例の回転子20は、回転軸22の両端部が軸受51,52に支承されることによって回動自在となっており、さらに回転軸22方向に所定ストロークだけ移動することが可能に構成されている。
本例では、ヨークハウジング50内に貫通孔41aを有する板状のブラシホルダ41が固定されている。この貫通孔41aには整流子30が配置されている。ブラシホルダ41には、整流子30を挟んで対向して2箇所に支持部43が配設されている。支持部43には、コイルバネ42の一端が取付けられており、ブラシ40を整流子30側へ付勢している。
また、本例の固定子10は、回転子20に対して磁界を発生する内周面である磁気発生部10aを有しており、回転子20は、固定子10と磁気作用を及ぼす周面の部位である磁気作用部20aを有している。そして、固定子10は、回転子20が図1に示す中立位置にあるときに、磁気発生部10aが磁気作用部20aよりも軸方向両側にそれぞれ長さbだけ延長されたような寸法設計で形成されている。
ここで、長さbは移動距離a以上に設定されているので、回転子20が中立位置から軸方向両側に移動距離aだけ移動したとしても、磁気作用部20aは軸方向の全域で磁気発生部10aと径方向に相対するようになっている。したがって、回転子20が中立位置から軸方向にずれても、直流モータ1の出力はほとんど変化しないようになっている。
本例の整流子30は、図2(A)に示すように、回転軸22が挿通される円筒形状の絶縁性合成樹脂材からなる基部(不図示)の外周面に周方向に所定間隔(アンダーカット部)を設けて電気的に絶縁状態で複数の整流子片31が配設されたものである。
本例では、この整流子片31は、回転軸22回りに所定角度だけ傾斜(スキュー)して設けられたブラシ接触面31aと、このブラシ接触面31aと連続して形成され、絶縁溝が軸方向に形成された巻線取付部31bとを有している。巻線取付部31bに巻線21が接続されている。
そして、本例のブラシ40は、この傾斜した整流子片31に合わせて断面略平行四辺形に形成されている。本例ではブラシ40の周方向幅は、整流子片31の周方向幅よりもわずかに小さく設定されている。これにより、整流子30が回動したときに、ブラシ40は単一の整流子片31との接触面積を大きく確保すると共に、1又は2の整流子片31と同時に摺接可能となっている。
本例の連結部材60は、回転軸22の端部に配設された案内部材としての係合ピン61と、回転軸22の端部を挿入可能な挿入孔63aを有するカム部材としての連結シャフト63とを備えている。
係合ピン61は、回転軸22の端部の周面から径方向外側へ突出するように植設されている。
連結シャフト63には、その周方向回りに傾斜するカム溝としての長孔63bが周面から挿入孔63aに貫通して形成されている。この長孔63bは、係合ピン61がその長手方向に沿って移動可能な幅に設定されている。
連結シャフト63の長手方向の端部のうち挿入孔63aが形成されていない方の端部は、外部軸70に同軸状に連結固定されている。一方、挿入孔63aには、回転軸22の端部が挿入され、係合ピン61が長孔63b内に突出するように配置されている。このとき、回転軸22,連結部材60と外部軸70は、同軸状に連結された状態となる。
なお、外部軸70は負荷に連結されており、軸方向にほとんどガタを生じないようになっている。すなわち、外部軸70に軸方向の力が加わっても軸方向にはほとんど不動である。
図3(A)は、図1と同様に回転子20が中立位置にある状態である。このとき、係合ピン61は、長孔63bの長手方向の中間位置Cに位置している。
この状態から回転軸22が正方向に回転すると、係合ピン61は、長孔63bの長手方向に沿って外部軸70側へ移動していく。このとき、回転軸22は係合ピン61の移動と連動して回転するが、外部軸70には負荷が掛かっているので静止した状態に保持される。そして、図3(B)に示すように、係合ピン61が長孔63bの外部軸70側の端部に当接すると、係合ピン61によって長孔63bの内側面が押されて、回転軸22と連結シャフト63および外部軸70が連動して回転し始める(前方位置F)。このとき、係合ピン61は中立位置Cから移動距離aだけ軸方向前方(外部軸70側)へ移動している。
このように、回転軸22が正回転すると、回転軸22は外部軸70側の所定位置まで移動する。これにより、回転軸22に装着された整流子30も、中立位置から外部軸70側へ所定距離だけ移動する。
また、回転軸22が逆方向に回転すると、係合ピン61は、長孔63bの長手方向に沿って回転子20側へ移動していく。このとき、回転軸22は係合ピン61の移動と連動して回転するが、外部軸70には負荷が掛かっているので静止した状態に保持される。そして、図3(C)に示すように、係合ピン61が長孔63bの回転子20側の端部に当接すると、係合ピン61によって長孔63bの内側面が押されて、回転軸22と連結シャフト63および外部軸70が連動して回転し始める(後方位置R)。このとき、係合ピン61は中立位置Cから移動距離aだけ軸方向後方(回転子20側)へ移動している。
このように、回転軸22が逆回転すると、回転軸22は回転子20側の所定位置まで移動する。これにより、回転軸22に装着された整流子30も、中立位置から回転子20側へ所定距離だけ移動する。
なお、本例では、係合ピン61が回転軸22に設けられ、連結シャフト63が外部軸70に設けられていたが、これに限らず、係合ピン61を外部軸70に設け、連結シャフト63を回転軸22に設けてもよい。
また、本例では、係合ピン61が回転軸22に設けられていたが、これに限らず、回転軸22と同様の軸部材であるスライド軸に係合ピン61を設け、これを回転軸22の先端部に同軸状に取付けてもよい。
図4,図5は、それぞれ図3(B),図3(C)に対応している。
図4に示すように、係合ピン61が前方位置Fまで移動したときには、回転子20は整流子30と共に中立位置から外部軸70側へ移動距離aだけ移動している。このとき、整流子片31は、ブラシ40と軸方向に摺接しながら移動していき、図2(B)に示すように整流子30のコア側の部位とブラシ40とが当接するようになる。
また、図5に示すように、係合ピン61が後方位置Rまで移動したときには、回転子20は整流子30と共に中立位置から外部軸70と反対方向へ移動距離aだけ移動している。このとき、整流子片31は、ブラシ40と軸方向に摺接しながら移動していき、図2(C)に示すように整流子30の外部軸70側の部位とブラシ40とが当接するようになる。
図6は、直流モータ1におけるブラシシフトの作用を説明するための説明図である。図6において、界磁用の固定子10によって発生する主磁束を線A,巻線21に通電することによって発生する磁束を線Bで表わしている。そして、これらの合成磁束を線Cで表わしている。図6の例では、合成磁束Cは、磁束Bによって主磁束Aから約20度ずれたものとなる。このように、合成磁束Cが主磁束Aからずれることによって、整流時にブラシ40によって短絡される巻線21において誘導起電流が生じることになり不足整流の原因となる。
しかしながら、本例の直流モータ1では、回転方向に応じて連結部材60によって回転子20を軸方向に移動させ、等価的にブラシシフトを行うことができる。そして、本例では、回転子20を中立位置から移動距離aだけ軸方向移動させることによって、主磁束Aと合成磁束Cとのずれに相当する約20度分の等価的なブラシシフトを行うことができるように設定されている。これにより、正逆回転いずれにおいても、磁束のずれを解消して不足整流の発生を抑止することができる。
すなわち、本例では、整流子片31は回転軸22方向に対して傾斜しているから、整流子30が軸方向へ移動すると、相対的にブラシ40の当接部位が周方向(回転方向)へ移動(すなわちブラシシフト)したのと等価となる。
したがって、本例の直流モータ1では、回転子20の正逆回転方向に応じて、整流子30とブラシ40との当接部位がシフトする。
このように整流子30とブラシ40との当接部位が等価的に回転方向にずれることによって、一般的にブラシシフトを行った場合と同様に、不足整流分を改善することにより整流終期の急激な電流変化を抑えて、火花の発生を抑制することが可能となる。これにより、ブラシの耐久性(ブラシ磨耗)を確保すると共に、騒音,電磁ノイズ等の発生を低減することができる。
また、本例の直流モータ1では、固定子10は、回転子20が中立位置から軸方向両側に移動距離aだけ移動したとしても、磁気作用部20aは軸方向の全域で磁気発生部10aと径方向に相対するように寸法設計されているので、回転子20が正逆回転して軸方向に移動しても、直流モータ1の出力が低下しないように構成されている。
また、本例の直流モータ1では、外部駆動力を設ける必要がなく、回転軸22と外部軸70との間に連結部材60を介在させることによって、回転子20を軸方向へ所定距離aだけ進退動させることができるので、移動機構を複雑にすることがなく、また、装置全体が大型化してしまうことを防止することができる。
また、本例の直流モータ1では、整流子30の軸方向の移動量(移動距離)および移動方向と、整流子片31の傾斜角および傾斜方向とを設定することにより、片側約20度に相当する等価的なブラシシフトの量および方向を設定している。
すなわち、整流子30の軸方向の移動量は、長孔63bの長さ,傾斜角、整流子片31の傾斜角等によって決定することができる。また整流子30の移動方向は、長孔63bの傾斜方向、整流子片31の傾斜方向等によって決定することができる。
また、例えば、図7に示すように、整流子30は上記実施形態と同じものを用いて、ブラシ40の軸方向長さを調整すると共に、移動距離を調整することによっても、ブラシシフト量を変更することができる。
図7の例では、上記実施形態と比べてブラシ40の軸方向長さが約2/3に設定されている。すなわち、図2のようにブラシ40の軸方向長さを整流子片31の傾斜部分(ブラシ接触面31a)の軸方向長さの約1/2に設定されているが、図7ではブラシ40の軸方向長さが傾斜部分(ブラシ接触面31a)の軸方向長さの約1/3に設定されている。
そして、図7の例において、ブラシ40の上端,下端がブラシ接触面31aの上端,下端まで相対的に移動するように移動距離を設定すると、図7(A)の中立位置から図7(B),(C)の前方位置,後方位置まで移動したときに、それぞれ上記実施形態と比べてシフト角に換算すると、4/3倍(すなわち、約27度)となる。移動距離も4/3倍となる。これにより、ブラシ40の軸方向長さを調整すると共に移動距離を調整することによっても、シフト角を調整することも可能である。
また、図8の例では、整流子片31の傾斜角を上記実施形態と比べて大きく設定している。この例では、上記実施形態と同様にブラシ40の軸方向長さは整流子片31の傾斜部分(ブラシ接触面31a)の軸方向長さの約1/2に設定されているが、整流子片31の傾斜角が大きい分、これに合わせた傾斜角を有するような断面形状に形成されている。整流子30は上記実施形態と同様に中立位置からの軸方向の移動距離はaに設定されている。
この例では、前方位置Fから後方位置Rまでの移動によって、ブラシ40は、整流子片31の略1つ分を移動することになる。上記実施形態では、前方位置Fから後方位置Rまでの移動によって、ブラシ40は、整流子片31を約1/2だけ移動するように設定されていたから、この例ではシフト角は約2倍(約40度)となる。
このように、整流子片31の傾斜角度を調整することによって、シフト角を調整することができる。
上記実施形態では、連結部材60は、回転軸22に案内部材としての係合ピン61が配設され、外部軸70にカム部材としての連結シャフト63にカム溝としての長孔63bが形成され、係合ピン61が長孔63b内を案内されることによって、連結シャフト63に対して回転軸22が進退動するように構成されていたが、連結部材60の構成はこれに限られるものではない。
例えば、図9に示すように、カム部材としての回転軸22の先端部に螺旋状のカム溝65を形成し、連結シャフト63の挿入孔63aの内周面から径方向内側へ突出する案内部材としての係合ピン66を設け、カム溝65に係合ピン66が案内されることによって、連結シャフト63に対して回転軸22が進退動するように構成してもよい。
また、このカム溝65を回転軸22に形成するのではなく、上述と同様にスライド軸に形成し、このスライド軸を回転軸22の端部に同軸状に連結してもよい。
また、外部軸70側にカム溝を設け、回転軸22側に係合ピンを有する連結シャフトを設けてもよい。
また、上記実施形態では、整流子30の整流子片31は、ブラシ接触面31aが回転軸22回りに傾斜して配設され、ブラシ接触面31aと連続して巻線取付部31bが軸方向に延出するように形成されているが、図10に示すように巻線取付部31bも回転軸22回りに傾斜するように構成してもよい。
図10の例では、ブラシ接触面31aと巻線取付部31bの傾斜角が同一となっている。このように形成することにより、整流子30の製造を容易とすることができる。
また、上記実施形態では、直流機として直流モータ1を例にとって説明したが、これに限らず、直流発電機に本発明を適用してもよい。すなわち、直流発電機においても、回転子の回転方向に応じて等価的にブラシシフトを行わせることにより、双方向回転に対応した整流改善を行うことが可能である。
本発明の一実施形態に係る直流モータの断面図である。 整流子とブラシの動作説明図である。 連結部材の動作説明図である。 直流モータの正回転時の動作説明図である。 直流モータの逆回転時の動作説明図である。 直流モータ内に発生する磁束の説明図である。 本発明の他の実施形態に係る整流子とブラシの動作説明図である。 本発明の他の実施形態に係る整流子とブラシの動作説明図である。 本発明の他の実施形態に係る連結部材の動作説明図である。 本発明の他の実施形態に係る整流子およびブラシの説明図である。
符号の説明
1‥直流モータ、10‥固定子、10a‥磁気発生部、20‥回転子、
20a‥磁気作用部、21‥電機子巻線、22‥回転軸、30‥整流子、
31‥整流子片、31a‥ブラシ接触面、31b‥巻線取付部、40‥ブラシ、
41‥ブラシホルダ、41a‥貫通孔、42‥コイルバネ、43‥支持部、
50‥ヨークハウジング、51,52‥軸受、60‥連結部材、61‥係合ピン、
63‥連結シャフト、63a‥挿入孔、63b‥長孔、65‥カム溝、
66‥係合ピン、70‥外部軸

Claims (5)

  1. 回転軸回りに傾斜したブラシ接触面を有する複数の整流子片を含む整流子を有する電機子と、前記整流子片に部分的に接触するブラシと、前記電機子の回転方向に応じて前記整流子と前記ブラシとの接触位置を前記回転軸方向に相対的にずらす移動手段と、を備えた直流機であって、
    前記移動手段は、一端が外部軸,他端が前記回転軸にそれぞれ連結され、前記電機子の回転方向に応じて該電機子を外部軸に対して前記回転軸方向に所定軸方向長さ進退動させるカム機構であることを特徴とする直流機。
  2. 前記カム機構は、前記回転軸方向に対して傾斜するカム溝を有するカム部材と、前記カム溝に案内され前記回転軸方向に所定軸方向長さ移動する案内部材と、を備え、前記回転軸または外部軸の一方に前記カム部材が配設され、他方に前記案内部材が配設されたことを特徴とする請求項1に記載の直流機。
  3. 前記カム機構は、前記回転軸の端部の周面または該回転軸の端部に連結されたスライド軸の周面から径方向に突出する係合ピンと、前記回転軸の端部または前記スライド軸を挿入可能な挿入孔を有する連結シャフトと、を備え、
    該連結シャフトには、その長手方向に対して傾斜する長孔が周面から前記挿入孔に貫通して形成され、前記挿入孔に前記回転軸の端部または前記スライド軸が挿入されると共に、前記長孔内に前記係合ピンが移動可能に配置され、
    前記電機子が回転することにより、前記係合ピンが前記長孔内を案内されて前記電機子が前記回転軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の直流機。
  4. 前記ブラシは、前記整流子片のブラシ接触面の傾斜角度と略同一の角度に傾斜する断面を有することを特徴とする請求項1に記載の直流機。
  5. 前記電機子と相対して配設された固定子を備え、
    該固定子は、前記電機子の前記回転軸方向の全移動範囲内において、前記電機子が有する磁気作用部に対して、該磁気作用部の前記回転軸方向の略全範囲と相対可能に形成された磁気発生部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の直流機。
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